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活性化が進む アジアパシフィック地域

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活性化が進む アジアパシフィック地域
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト
2011年第1四半期
日本版
活性化が進む
アジアパシフィック地域
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期 アジアパシフィック地域
アジアパシフィック地域の経済
4
アジアパシフィック地域の不動産市場
6
テナント・投資家ともに活発化した市場
8
オフィス
東京: Aグレードオフィスマーケット
10
大阪: Aグレードオフィスマーケット
11
ロジスティクス
東京: ロジスティクスマーケット
12
REIT
J-REITマーケット
Cover picture: Bank of China, Hong Kong
13
アジア・パシフィック地域の経済
力強い成長が続く
Dr. ジェーン・マレー
アジア・パシフィック地域 リサーチ・ヘッド
アジア・パシフィック地域の2010年の経済成長率見込み値は
7.0%増であり、世界の他地域の経済成長率見込み値である約
3%増を大きく上回っている。
これまでに中国、香港、
シンガポー
ル、韓国等の国々が2011年第1四半期のGDP成長率を発表して
おり、全般的に前四半期を若干下回る値となっている。
自然災害
やインフレ圧力、
中東の混乱にも関わらず、域内のほとんどで企業
活動は依然として旺盛である。
日本とニュージーランドの2カ国が
重大な短期的課題に直面しているが、
いずれも最近発生した大
震災が主な原因である。
2011年年初に、輸出は堅調に増加した。
オランダ経済政策分析
局(CPB)によれば、世界の貿易量は主に新興諸国の需要に支え
られ、2月までの3ヶ月間に前四半期比3.5%増加した。
中国の輸
出は4月に前年同月比29.9%の増加となり、若干減速している。
し
かし、
日本の輸出は震災の影響で自動車や電気製品の輸出が停
滞したことから3月に前年同月比2.2%の減少(円ベース)
となっ
た。域内のサプライ・チェーンに生じた需給ギャップの一部は他の
輸出国(韓国、台湾等)
が埋め合わせるため、
日本の危機が域内
にもたらす貿易の混乱は短期的なものとなるであろう。
オーストラ
リアやインドネシア等の国々に対する日本のコモディティ需要は
短期的には減少するものの、復興需要とエネルギー需要に支え
られ本年後半には回復するであろう。
ほとんどの国で力強い成長が続く
中国:2011年第1四半期の実質GDP成長率は前年同期比
9.7%増と、2010年第4四半期の同9.8%増とほぼ同水準となっ
た。
しかし、
これまでに発表された2011年第2四半期のデータの
一部は、成長が減速する可能性を示している。4月の工業生産と
小売売上高はそれぞれ前年同月比13.4%と17.1%の上昇へと
図表1: 実質GDP成長率
減速した。同月のCPIインフレ率は前年同月比5.3%の上昇へと
若干低下し、製造業投入物価の上昇率の低下を示した中国購
買担当者指数に沿った内容となっている。政府系シンクタンクで
ある中国社会科学院は、主に旺盛な個人消費と投資の継続を要
因として、2011年の中国の経済成長率を約9.8%増と予想してい
る。
日本:自動車購入と消費財に対する政府の助成が終了すると、
2010年第4四半期の実質GDP成長率は前四半期比1.3%のマ
イナス成長(年率換算)
となった。震災と津波による製造と輸出の
寸断により、2011年上半期に日本経済は一層縮小すると思われ
る。3月の鉱工業生産は前月比15.3%の低下と急落し、
月間の減
少率では1955年の記録開始以来最大を記録した。IHSグローバ
ルインサイト
(GI)
の予測によると、実質GDP成長率が2011年は
ゼロとなるが、2012年は復興努力により3.6%増へと力強く回復
する。
インド:2010年第4四半期の実質GDP成長率は、製造業と農業
の好調に支えられ、前年同期比8.2%増(2010年第3四半期は同
8.9%増)
となった。政府は、経済成長率が前年度の8.5%増から
4月に始まった本年度は約9%増へと加速すると予想している。成
長要因には輸出と投資支出の好調が挙げられる。
オーストラリア:2011年上半期は、
クイーンズランド州の洪水の
影響による輸出や個人消費の混乱と対日貿易の減速から、経
済成長率が鈍化する見通しである。4月の小売売上高は前月比
0.5%の減少となり、正規雇用は5万件近く減少している。
しかし、
2011年後半を通じてGDP成長率は加速するであろう。通期の成
長率は、資源輸出と関連投資支出を要因として、2.4%増と予想
されている。
図表2: 消費者物価
15
16
12
12
9
前年比 (%)
6
3
4
2010年
出所: IHSグローバルインサイト
2011年予測 (2011年5月時点予測)
2010年
出所: IHSグローバルインサイト
2011年予測 (2011年5月時点予測)
日本
台湾
マレーシア
オーストラリア
タイ
ニュージーランド
シンガポール
韓国
香港
フィリピン
中国
インドネシア
–4
インド
日本
ニュージーランド
オーストラリア
タイ
マレーシア
韓国
フィリピン
台湾
香港
シンガポール
インドネシア
ベトナム
インド
0
中国
0
8
ベトナム
前年比 (%)
アジア・パシフィック地域の経済
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期
各国の主要経済指標
GDP (%)
短期金利 (%)
CPI (%)
失業率 (%)
2010
2011年
予測
2010
2011年
予測
2010
2011年
予測
2010
2011年
予測
10.3
9.3
5.4
6.4
3.3
4.8
4.1
香港
6.8
5.0
0.2
0.3
2.4
4.6
台湾
10.8
4.9
0.5
1.4
1.0
2.1
日本
4.0
0.0
0.2
0.2
–0.7
韓国
6.2
4.1
2.7
3.6
3.0
フィリピン
7.3
4.9
3.6
1.9
シンガポール
14.5
5.6
0.3
マレーシア
7.2
4.0
2.6
タイ
7.8
3.8
インドネシア
6.1
6.0
中国
実質個人消費 (%)
鉱工業生産 (%)
2010
2011年
予測
2010
2011年
予測
4.0
8.0
8.2
15.3
13.4
4.4
3.5
5.8
5.7
NA
NA
5.2
4.6
3.7
4.0
26.9
13.5
0.5
5.1
5.5
1.9
–1.4
16.6
–13.8
4.6
3.7
3.9
4.1
3.4
16.6
7.8
3.8
4.6
7.3
7.5
4.7
5.3
23.0
8.0
0.8
2.8
4.5
2.2
1.8
5.9
5.6
29.7
11.6
3.0
1.6
3.3
3.4
3.2
6.6
6.0
7.4
2.9
1.3
2.6
3.3
3.7
1.0
1.0
4.8
4.7
14.5
1.4
7.0
6.9
8.8
6.1
7.1
6.7
4.6
4.7
4.6
4.5
ベトナム
6.9
6.5
11.7
13.9
8.9
14.2
2.9
2.7
6.0
6.6
11.9
12.6
インド
8.5
7.9
10.0
9.2
12.0
7.7
9.4
9.4
9.0
6.0
12.1
4.6
オーストラリア
2.7
2.4
4.7
5.3
2.8
3.4
5.2
4.9
2.7
2.5
4.3
0.7
ニュージーランド
2.3
1.0
2.8
2.9
2.3
4.2
6.5
6.4
2.1
1.3
0.7
1.1
世界
4.1
3.5
2.8
3.2
2.8
4.0
8.5
8.3
2.7
2.8
8.1
4.0
出所: IHSグローバルインサイト、2011年5月
韓国:国内消費の減速から、実質GDP成長率は2010年第
4四半期の前年同期比4.7%増から2011年第1四半期には同
4.2%増へと低下した。中央銀行は、2011年の経済成長率を
4.5%増と予想しており、主な牽引役は輸出と個人消費となってい
る。
香港:国内外の旺盛な需要に支えられ、実質GDP成長率は
2010年第4四半期の前年同期比6.4%増から2011年第1四半
期には同7.2%増に加速した。政府は2011年通年の経済成長率
の予測を上方修正し、個人消費の好調に支えられ5~6%増として
いる。
シンガポール:速報値によると、シンガポールの経済成長率は
2011年第1四半期に前年同期比8.5%増となり
(2010年第4四
半期は同12.0%増)、
引き続き主に製造業セクターに牽引されて
いる。政府は、主に外部と消費者の需要を要因として、2011年の
経済成長率を4~6%増と予想しており、
これは2000~2009年の
平均である5.1%増と同じ水準である。
各国政府は金融引き締め政策を継続
多くの国々でインフレ圧力の高止まり又は強まりが見られる。域
内のほとんどの中央銀行は利上げその他の引き締め政策を実施
中であり、一層の引き締めが行われる可能性が高い。
目立った
例外は、4月に490億ドルの景気刺激策を承認した日本と、3月に
50bpの利下げを実施したニュージーランドとなっている。
インド、オーストラリア、韓国、マレーシア、
タイでは、現サイクル
中に政策金利が100~225bp引き上げられている。ベトナムは
600bpの利上げを実施しており、直近では4月に100bpの引き
上げを行った。2010年第4四半期初めより、中国は景気過熱
の回避を目的とした多くの措置を講じ、
これには利上げ(合計
100bp)、銀行の預金準備率の引き上げ(合計400bp)、2件目の
住宅購入の頭金引き上げ、一部の都市における試験的不動産税
導入が含まれる。
シンガポールも同様に住宅市場の過熱を避け
るため追加措置を導入、香港では2011年第1四半期に住宅用
地の供給安定化を図る措置が実施された。
2011年の地域経済成長率はより緩やか
アジア・パシフィック地域の経済は2011年を通じてアウトパフォ
ームを続ける見通しであるが、外部需要と政府支出の減少を要
因として、成長率は緩やかとなるであろう。GIは現在、2011年の
地域成長率は4.9%増となり、2003~2007年の平均をやや下回
ると予想しているものの、
それでも世界の他地域の3.0%増を大き
く上回る。今年、
日本の震災が地域各国の経済成長率(日本を除
く)
に与える影響は、
比較的小規模なものとなるだろう。
全般的な成長見通しは依然としてポジティブであるものの、今般
の諸々の災害は地域の経済成長を低迷させるリスクを浮き彫り
にした。追加的なリスクとしては、欧米で進行中の財政危機、
中東
の社会不安、
インフレと金利上昇、通貨とコモディティ価格の変
動等が挙げられる。
アジア・パシフィック地域の経済
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期 アジア・パシフィック地域の不動産市場
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期
アジア・パシフィック地域の不動産市場
活性化が進む
アジア・パシフィック地域の不動産市場では、
企業の業況と消費者
の景況感が改善していることに牽引されて、
ほとんどの市場でファン
ダメンタルズの改善が続いている。
2011年第1四半期は、
オフィス需
要の拡大を受けて、
全般的に稼働率が改善した。
例外は日本であ
り、
東京では震災の影響により拡張需要が減退、
一部企業がオフィ
ス戦略を再考している。
アジア・パシフィック地域内のほとんどの賃貸
市場は、
オーナー有利に傾いており、
賃料が上昇している。
投資活動
も引き続き堅調であり、
今後さらなる価格の上昇が予測される。
ほとんどの市場で賃料上昇
オフィス・セクター: 2011年第1四半期、
アジア・パシフィックの
Tier1都市で新規供給されたAグレードオフィスビルの面積は
150万㎡であり、
中国とインドにその80%超が供給された。
ネット・
アブゾープションは合計140万㎡と、前年同期比30%の大幅な
増加を達成している。主要金融センターの中では、金融機関およ
び税理士等の専門職企業の移転・拡張により香港とシンガポー
ルが共に稼働率を改善させた。中国とインドのTier1都市では、
多国籍企業と国内企業が大型のスペースを吸収した。
ただし、北
アジアと一部の東南アジア新興国市場では、
テナント需要は依然
として主に集約・移転に占められている。
2011年第1四半期に、
ほとんどの市場で賃料が一層上昇してい
る。正味実効賃料が最大の上昇率を示した市場は、活況を呈し
空室率が低下しているジャカルタ
(前四半期比9.5%上昇)
であっ
た。香港(セントラルで同9.2%上昇)
とシンガポール
(ラッフルズ・
プレイスで同7.9%上昇)
でも引き続き賃料の大幅な上昇が見ら
れた。上海と北京の賃料は前四半期比6~7%の上昇となってお
り、両市場とも多国籍企業や国内企業が旺盛な需要を見せてい
る。他方、東京の正味実効賃料は、賃料の下落が続く中、
レント・
フリー期間に変動がなかったため、1.5%の下落となった。
テナン
ト需要の低迷が続く他のいくつかの市場では、賃料は下げ止まり
(台北等)
ないし下落(ソウル、
バンコク等)
が続いている。
今後、賃料はインド等の市場で大幅に上昇すると予測するが、
シ
ンガポール、上海、香港の賃料上昇率は2010年に見られた驚異
的なペースよりもやや減速するであろう。最大30%という最高の
上昇率を達成する市場は香港であると予測する。他方、東京市
場の回復は更に遅れ、
ソウルとクアラルンプールを含む一部市場
では、需要低迷または供給過剰を要因として、賃料下落が続くだ
ろう。
リテールセクター: 域内のほとんどの市場で、労働市場と消費
者景況感が好調であり、小売業者の需要を支えている。特に中
華圏において、賃貸需要が旺盛となっている。インドや一部東
南アジア市場の小売業者はより慎重姿勢を取り、
オーストラリア
では2011年第1四半期も引き続き市場が低迷している。
当四半
期、
ほとんどの市場で賃料は横這いないし上昇、香港、北京、
ジャ
カルタ、
マニラ、
クアラルンプールがこれを牽引した
(前四半期比
2~3%上昇)。今後数四半期にかけて多くの市場で賃料が一層
上昇すると予測しているが、
インドではほとんどの市場で需給バラ
ンスが大きく崩れているため遅れをとるだろう。
住宅セクター: 2011年第1四半期の中国と東南アジアの高級
住宅市場の賃貸活動は、概ね横這いとなった。香港では、
日本か
らの一時的移転のための短期契約もあり、需要が増加した。
中国
のTier1都市とシンガポールの高級住宅の賃料にはほとんど変
動が見られなかったが、香港、
マニラ、
ジャカルタの賃料は前四半
期比2~3%の上昇となった。
インダストリアルセクター: 域内のインダストリアル市場は輸出
及び小売売上高の好調に支えられて2011年第1四半期も改善
を続けている。
中華圏とオーストラリアでは賃料上昇が続き、
シン
ガポールでは従来型とハイテク工業スペースのいずれも最大の
賃料上昇率を記録している。
上昇する価格と増加する投資活動
不動産市場のファンダメンタルズと信用力の回復に支えられ、
商業
用不動産の直接投資総額が増加し続けている。2011年第1四半
期の域内投資総額は前四半期比11%増、
前年同期比14%増の合
計270億米ドルとなっている。
当四半期の投資市場を率先したのは
日本で、J-REITやプライベート・エクィティの旺盛な投資が見られ
た。
ただし、
これらは震災前に行われた投資である。
また、
シンガポー
ルの投資総額も前四半期比60%増と急増した。
一方、
中国では投
資総額が減少している。
これは規制の強化と価格の急騰を反映し
たものと思われる。
オーストラリアでも、
優良物件の不足からくる投
資総額の減少が見られている。
域内の投資総額は2011年通年で
1,000億ドルに達すると予想されている
(前年比15~20%増)
が、
短
期的には日本の投資総額の減少が予測されているため、
これが域
内の投資総額にマイナスの影響を与える可能性もある。
北アジアを除くほとんどの主要市場で2011年第1四半期に価格
は横這いないし上昇した。
四半期ベースで上昇率が最大となった
のは香港
(+13.1%)
とジャカルタ
(+11.0%)
であった。
上海、
北京、
広州がこれに続き、
前四半期比7.0~8.5%の上昇を達成している。
2011年を通して、
北アジア以外のほとんどの市場では、
市場のファ
ンダメンタルズと投資家の景況感の改善が続くため、
一層価格が上
プロパティ クロック
Aグレードオフィス
プライムリテール
Singapore
Guangzhou
賃料上昇の減速
賃料下落の加速
賃料上昇の加速
賃料下落の減速
Beijing, Hong Kong
Beijing
Hong Kong
Guangzhou
賃料上昇の減速
賃料下落の加速
賃料上昇の加速
賃料下落の減速
Seoul,
Ho Chi Minh City
Singapore, Melbourne
Shanghai, Adelaide
Sydney, Manila
Bangalore^
Mumbai^, Perth, Taipei, Jakarta
Osaka, Bangkok
Canberra
Auckland, Kuala Lumpur, Tokyo
Chennai, Brisbane, Delhi^
Shanghai, Melbourne, Manila
Bangkok
Kuala Lumpur, Sydney
SE Queensland
Tokyo
^ CBD & SBD
*For Prime Shopping Malls
高級住宅
インダストリアル
Auckland
Mumbai, Delhi,
Bangalore, Jakarta
Singapore
Beijing
Hong Kong
Shanghai
賃料上昇の減速
賃料下落の加速
賃料上昇の加速
賃料下落の減速
Singapore
(High-Tech &
Conventional)
Bangkok
賃料上昇の減速
賃料下落の加速
賃料上昇の加速
賃料下落の減速
Beijing, Shanghai
Kuala Lumpur
Hong Kong
Manila
Shanghai
Sydney
Jakarta
*For High-end Residential Properties
昇すると予想され、
香港、
シンガポール、
中国のTier1都市がこれを
牽引する見込みである
(通年で10~25%上昇)
。
勢いを増す不動産市場ファンダメンタルズの改善
依然として世界的及び地域的に様々なリスクが顕在しているも
のの、
アジア・パシフィック地域の不動産市場のファンダメンタル
ズは、域内の力強い経済成長と構造的要因を背景として、
引き続
き改善が続くと確信している。年内を通じて、
テナントと投資家の
両方の活動が一層活発化するであろう。2011年には多くの市場
で賃料の上昇が加速する見通しであり、現在出遅れている市場
も2012年以降に賃料の上昇が加速するであろう。価格は、短期
的には主に賃料とほぼ同水準の上昇が予測されるが、
ほとんど
の市場の住宅価格は依然として大きな政治リスクにさらされてい
る。
Brisbane
Tokyo
Melbourne
*Business Parks (Singapore)
Logistics Space (Hong Kong, Shanghai, Beijing, Tokyo Bay Area)
筆者
Dr.ジェーン・マレーは1998年に
Jones Lang LaSalle に入社し、
2005年4月、
アジア・パシフィッ
ク地域リサーチ・ヘッドに就任。
世界60カ国以上の約300名の専
門家チームのうち、同地域所在の
140名以上の専門家を統括して
いる。
アジア・パシフィック地域のリサーチチームは、地域に所在す
る主要不動産市場の調査・分析・予測、
コンサルティング、特定
のトピックについての論文や定期刊行物の発行等のサービス
を提供して、当社クライアントの投資戦略の策定を支援してい
ます。
アジア・パシフィック地域の不動産市場
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期 アラステア ヒューズ アジア・パシフィック地域CEO
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期
テナント・投資家ともに活発化した市場
第1四半期の重大ニュースは、
当然ながら東日本大震災とその影
響であった。被災者の皆様には、謹んでお見舞い申し上げたい。
当社の日本オフィスにおいては全社員600名またその家族が無
事であることが確認できた。
そして全社一丸となって、被災された
お客様の支援に奔走している。
オーストラリアの洪水、ニュージーランドの地震、中東の政情不
安、
そして日本を襲った災害等、世界を見舞う様々な”時事”にも
アジア・パシフィック地域の不動産市場は力強さを見せている。
経済成長を背景としてテナントの景況感は良好であり、需要が増
加している。
そして、新規供給の消化が徐々に進むにつれて、賃料
の上昇が始まっている。事実、一部市場では大幅な賃料上昇が
見られている。
こうした動きと並行して、不動産投資に充てられる資本は潤沢で
あり、
デット市場も徐々に活性化している。
「在庫不足」
という言葉
が潜在的な投資家の口をついて出るようになってきており、賃料
上昇を楽観視する向きと相まって、価格を押し上げている。第1四
半期に、
アジア・パシフィックの一部市場では5~10%の価格上昇
がみられた。
こうした動向から現在、
当社はアジア・パシフィック全域で多くの
問合せを頂いている。
一例を挙げると、
シンガポールでは2011年初来行われた大型取
引7件中、4件を支援している。
中でも1 Finlayson Greenビルの
支援にあたっては、平方フィート単価2,520シンガポールドル(坪
単価580万円)、利回り3%弱と、直近の最高値を達成した。
この
取引以降、複数の売り手が市場に関心を示すに至っており、
当社
が現在取り扱う資産は15億米ドルとなっている。
アジア・パシフィック地域を通じて同様の水準で取引が行われて
おり、
当社は北京とメルボルンでも様々な案件について売買支援
をおこなった。高いIRRを求める機関投資家から、銀行預金より
高い利回りが確保できれば何でも良いと考えている個人投資家
まで、
買い手は様々である。
最後になるが、
インド、
タイ、
オーストラリアの同僚が業界団体から
表彰されたことに祝辞を述べたい。
タイでは、
スーパーブランズ・
タイランドがジョーンズ ラング ラサールをスーパーブランドに
指定した。
インドでは、
アジア・リテール・コングレスで当社のリテ
ール部門が名誉ある本年度の最優秀インターナショナル・プロパ
ティー・コンサルタンシーに選ばれた。
インドのリテール・チームは
3年連続の受賞となり、
このように優れたチームを抱えていること
は幸いである。
また、
同じくリテール部門のマーケティングとマネジ
メントについて、
プロパティ・カウンシル・オブ・オーストラリア
(ウェ
スタン・オーストラリア州)
のリテール賞を5部門で受賞した。
日本の復興継続を祈念しつつ、第2四半期に市場が一層活性化
するよう期待する。
現地企業が好景気を活かして成長を続け、多国籍企業が比較
的低調な欧米から経済成長の見込めるアジアへと矛先を変える
中、域内のテナントの動きは活発化している。但し、
テナントは成
長を目指しながらも、2009年の不況の波を乗り越えるに当たって
確保された効率性を維持しようとするトレンドも見られる。
現在、主な移転理由は複数オフィスの統合、
サイクル上低廉な水
準にある賃料を活用してのアップグレード、従業員純増への対応
となっている。
当社は第1四半期に、1,100万㎡を超える取引でオーナーとテナ
ントを支援しており、
これは昨年の同時期を大幅に上回る面積で
ある。
効率性と生産性の向上を目指す動きから、
オーナーとテナントが
共に費用効率の高いサービスを求めているため、
当社のプロパテ
ィマネジメント部門およびファシリティマネジメント部門も繁忙で
ある。
アラステア ヒューズ
アジア・パシフィック地域CEO
アラステア ヒューズ アジア・パシフィック地域CEO
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期 東京: Aグレードオフィスマーケット
需要
賃料と価格のインデックス
2011年第1四半期に空室率は前期比0.1ポイント上昇と小幅に悪化したものの、
前年同期比では0.9ポイント改善して5.9%となった。
ネットアブゾープションは前
期の90千㎡から大幅に減少して9千㎡となった。前期に引き続き移転理由の多く
が集約であったこと、新規供給が前期の20%程度であったことが影響した。移転
事例には
「赤坂ツインタワー東館」
を含む東京CBD所在のビルから
「丸の内トラス
トタワーN館」
に集約したマニュライフ生命保険が挙げられる。
140
120
100
80
60
40
2006年第 2007年第 2008年第 2009年第 2010年第 2011年第
4四半期 4四半期 4四半期 4四半期 4四半期 4四半期
開発案件で大型の事前契約が確認された。
川崎汽船は移転理由の一つに環境
負荷低減を挙げて
「飯野ビル」(竣工予定: 2011年第2四半期)に入居、住友信託
銀行は中央三井トラスト・グループとの統合を踏まえ、
「グラントウキョウ サウスタ
ワー」
から退去、
「丸の内1-4計画」(竣工予定: 2012年)に移転する。
インデックス: 2006年第4四半期 = 100
出所: ジョーンズ ラング ラサール
未曾有の地震に際し、各企業は事業継続計画(BCP)の見直しを行っている。本
社機能の分散が検討されているほか、耐震性能、
自家発電装置の有無等ビルの
選定基準に
「Flight to Safety (安全への逃避)」
「Flight to Quality (質への逃
避)」
の動きが認められる。
空室率
供給
600
8
450
6
300
4
150
2
0
2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
2011年通年で、東京CBDでは3棟のAグレードオフィスビルが竣工、
ストックは
2%程度増加する見通しである。第1四半期は千代田区に
「JA共済ビル」(延床面
積: 88千㎡; 貸床面積: 14千㎡)が竣工、
ストックは前期比1%弱増加した。
%
千m2
東京: Aグレードオフィスマーケット
10 アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期
0
出所: ジョーンズ ラング ラサール
2006年から2010年のネット・アブゾープション、
竣工、
空室率は
年末時点の数値。
2011年については、
ネット・アブゾープションと
竣工は第1四半期末時点の数値であり、
供給予定は第2四半期
から第4四半期の数値である。
賃料
月額賃料
27,505 円/坪
クロック フェーズ*
賃料下落の減速
直近の賃料ピーク
以降の経過期間
12 四半期
* 7ページのプロパティ クロックのフェーズを示す
見通し
(12ヶ月)
賃料
価格
賃料・価格動向
2011年第1四半期の賃料は前期比1.6%下落、前年同期比5.4%下落して月額
坪当たり27,505円となった。2010年第2四半期以降下落率は1%前後で推移し
ており、下げ止まりの様相を呈している。
投資事例として、
日本ビルファンド(NBF)と国内機関投資家が港区に所在する
「
三菱重工本社ビル」
を605億円で取得した。
このうち、NBFの取得対象は準共有
持分60%相当であり、取得価格は363億円、NOI利回りは4.3%であった。三井
不動産と三井物産はプロミスの本社ビル
「大手町パルビル」
を720億3100万円
で取得した。売買後、譲渡者は物件を賃借して引き続き使用する。
見通し(12ヶ月)
3月11日に発生した地震の影響を考慮し、
グローバルインサイトは日本の実質
GDP成長率の2011年3月10日時点予測を3月15日時点で修正、2011年は下方
修正、2012年は上方修正とした。2011年は輸出と個人消費が減少し、2012年
は復興需要が成長を下支えする見通しである。
「放射能漏れパニック」
とも呼べる
外資系企業を中心とした地方都市への移転は、一時的措置である事例がほとん
どであるため、長期的に見れば空室率に大きな影響を与えないであろう。
しかし、
地震の余波が残る中でテナントは拡張に対して様子見姿勢をとることが予想され
る為、賃料は緩やかな下落基調で推移すると予測する。但し、被災地の復興を優
先する中、建機や建材の流通が停滞して新規供給が遅延した場合、賃料に上昇
圧力がかかる可能性がある。
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期 11
大阪: Aグレードオフィスマーケット
2011年第1四半期の空室率は前期比0.4ポイントの改善となったものの、前年
同期比では0.7ポイント悪化して7.4%となった。空室率は2010年第3四半期に
8.1%まで悪化して以降、2四半期連続で改善したものの依然として高い水準にと
どまっている。
ネットアブゾープションは2010年第4四半期の42千㎡から増加、
2011年第1四半期に53千㎡となった。
主として新規供給を反映した。
「ノースゲー
トビルディング」
は3月の竣工時点で全フロアのテナントが決定、伊藤忠商事(賃
貸面積: 12千㎡)等が入居を決定している。
東北地方太平洋沖地震と津波に続いて起こった原発事故を背景として、外資系
企業を中心として、東京に所在する本社機能を西日本の都市へ一時的に移転す
る動きが広がった。
この間大阪においてもオフィスビルの問合せが大幅に増加し
た。第1四半期末時点で成約にいたった事例数は限られていたものの、東京と同
様に耐震性能や自家発電装置の有無等、
ビルの選択基準に
「Flight to Safety
(安全への逃避)」
「Flight to Quality (質への逃避)」
の傾向が認められた。
賃料と価格のインデックス
140
120
100
80
60
40
2006年第 2007年第 2008年第 2009年第 2010年第 2011年第
4四半期 4四半期 4四半期 4四半期 4四半期 4四半期
大阪: Aグレードオフィスマーケット
需要
インデックス: 2006年第4四半期 = 100
出所: ジョーンズ ラング ラサール
供給
2月、
「中之島ダイビルウエスト」(延床面積: 48千㎡)が着工した。竣工予定は
2013年2月である。大林組本店事務所の入居が決定している。
2011年第1四半期末時点で大阪CBDに所在するAグレードオフィスの平均賃
料は前期比0.7%下落、前年同期比5.7%下落して月額坪当たり10,888円となっ
た。11四半期連続の下落となったものの、下落率は3四半期連続で1%前後とな
っており、小康状態を示している。
大阪CBDに立地するAグレードオフィスビルの投資事例は確認されなかった。
見通し (12ヶ月)
2013年に大量供給を控えているものの、2011年と2012年の供給量は控えめで
あることから、供給による空室率の悪化懸念は限定的である。
また、未曾有の地
震の直後に伸びた移転需要は一時的措置を反映した場合がほとんどであるも
のの、今後、事業継続計画(BCP)の見直しの一環として本社機能分散の動きが
広がれば、停電や地震等に対する
「安全性」
の観点から大阪CBDのAグレードオ
フィス需要が増加する可能性がある。
しかしながら、既に空室率は高い水準にあ
り、大地震による生産や観光等への影響を考慮すると、賃料は上昇基調を回復
するにはいたらず、概ね緩やかな下落が継続すると考えられる。価格もこれに伴い
緩やかな下落基調で推移すると考えられる。
160
8
120
6
80
4
40
2
0
2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
%
賃料・価格動向
空室率
千m2
2011年に大阪CBDでは2棟のAグレードオフィスビルが供給され、
ストックは前
年比4%増加する予定である。竣工はいずれも第1四半期であり、上述「ノースゲ
ートビルディング」(延床面積: 210千㎡; 貸床面積: 21千㎡)のほか、
「本町南ガー
デンシティ」(延床面積: 47千㎡; 貸床面積: 30千㎡)が御堂筋沿いに竣工した。
0
出所: ジョーンズ ラング ラサール
2006年から2010年のネット・アブゾープション、竣工、空室率は
年末時点の数値。2011年については、
ネット・アブゾープションと
竣工は第1四半期末時点の数値であり、供給予定は第2四半期
から第4四半期の数値である。
賃料
月額賃料
10,888 円/坪
クロック フェーズ
賃料下落の減速
直近の賃料ピーク
以降の経過期間
11 四半期
12-Month Outlook
Rental Value
Capital Value
東京: ロジスティクスマーケット
12 アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期
東京: ロジスティクスマーケット*
2011年に入り生産・輸出はともに増加基調にあったものの、
日本銀行の4月金融
経済月報によると、震災後は、生産設備の毀損、
サプライチェーンにおける障害、
電力供給の制約などから、一部の生産活動が大きく低下しており、輸出や国内民
間需要にも相応の影響が及んでいる。
コンテナ取扱数 - 東京港
1.2
TEU (百万)
1.1
AMBとプロロジスが対等合併の契約を締結した。所有・運営資産は延床面積
55,700千㎡、3兆9100億円相当、世界最大規模の物流不動産の所有・運営・開
発会社となる。6月の合併完了後、企業名は
「プロロジス」
となる。
1.0
0.9
需要
0.8
0.7
2005年第 2006年第 2007年第 2008年第 2009年第 2010年第
4四半期 4四半期 4四半期 4四半期 4四半期 4四半期
コンテナ取扱数
出所: 東京都港湾局
東京ベイエリアに立地する物流施設に移転を発表したテナントは確認できなか
った。神奈川・千葉ベイエリアでは
「横浜ロジスティクスセンター」
をニトリが転借
(27千㎡)、3PL事業者が賃借(20千㎡)した。
内陸エリアでは、3PL業者トランコム
が日本ロジスティクスファンド(JLF)の
「埼玉騎西物流センター」
を賃借(6千㎡)し
た。
供給
東京ベイエリアに新規供給は確認されなかった。神奈川・千葉ベイエリアで
「市川
千鳥町ロジスティクスセンター」(賃貸面積: 66千㎡)が竣工、CASBEE Aランクを
取得した。
内陸部では
「川越産業団地ロジスティクスセンター」(賃貸面積: 50千
㎡)が竣工した。2物件ともにオリックスが開発を行った。
海上出入貨物 - 東京港
26
25
24
トン (百万)
23
賃料・価格動向
22
21
2011年第1四半期の賃料は月額坪当たり5,866円となり、前期比1.0%の下落、
前年同期比3.0%の下落となった。下落率は2009年第4四半期以降1%前後に
減速して下げ止まりの様相を呈している。
20
19
18
17
16
2005年第 2006年第 2007年第 2008年第 2009年第 2010年第
4四半期 4四半期 4四半期 4四半期 4四半期 4四半期
出入貨物
出所: 東京都港湾局
産業ファンド(IIF)が物流施設5物件取得を決定、56億1600万円を上限とする新
投資口の発行を決定した。
このうち首都圏に立地する物件の概要は以下の通り
である (物件名: 賃貸面積; 取得価格; NOI利回り)。
• IIF習志野ロジスティクスセンターII(底地): 58千㎡; 33億5000万円; 6.3%
• IIF厚木ロジスティクスセンターII: 21千㎡; 31億万円; 7.0%
• IIF横浜都筑ロジスティクスセンター: 9千㎡; 23億5000万円; 6.5%
• IIFさいたまロジスティクスセンター: 9千㎡; 14億9000万円; 8.2%
見通し(12ヶ月)
2011年第1四半期末時点で、東日本大震災が東京ベイエリアのロジスティクスマ
ーケットに与えた影響は比較的限定的であった。例えば、賃料の変動は小幅なも
のとなった。J-REITの保有物件に関連する物件損害の対応費用は、JLFが4.8億
円、IIFが1700万円と見積もった。先行きについては、震災に関連した一時的な
物流センター設立に対する需要も見込まれるものの、生産活動の低下が見込ま
れる中で、
テナントは拡張に対して慎重姿勢をとることが予想される。
したがって、
今後需要は停滞し、賃料は緩やかな下落基調が継続することが見込まれる。
ただ
し、建材の供給を被災地に優先的に行うことで、予定されている新規供給が遅れ
た場合には、賃料に上昇圧力がかかる可能性がある。
賃料
月額賃料
5,866 円/坪
クロック フェーズ
賃料下落の減速
直近の賃料ピーク
以降の経過期間
11 四半期
見通し
(12ヶ月)
賃料
価格
NA
* 制作協力: 株式会社 一五不動産情報サービス
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト • 2011年第1四半期 13
J-REITマーケット
2011年第1四半期末時点でJ-REITの上場銘柄数は35、時価総額は3.5兆円、
平均利回りは4.9%であった。
図表1: インデックス比較
2003年4月–2011年4月
3,000
市場動向
地震と津波の発生に続いてJ-REITインデックスは急落、3月15日に926.83とな
り、地震発生前日3月10日の1092.29から15%の低下となった。
その後第1四半
期末で1055.18と、3月10日から3%の低下まで戻した。J-REITの保有物件では
災害による建物の倒壊が報告されなかったことも回復の一因である。金融市場
の混乱が要因となって大型増資を中止したJ-REITもあったが、物件取得の延期
は大部分が物的損害を確認する調査によるものであった。
日銀は3月14日にJ-REITの買入実施要領を一部改正した。買入期間を平成
23年末から平成24年6月末まで延長、
買入限度を500億円程度から1000億円
程度に引き上げた。地震の発生を踏まえ、企業マインドの悪化や金融市場におけ
るリスク回避姿勢の高まりが実体経済に悪影響を与えることを未然に防止する
観点から講じられた処置である。
2011年に入ってから、J-REITによる物件取得の動きは加速、取得総額は2月
末時点までに900億円超となった。3月は1100億円程度となり、3月末時点で約
2000億円となっている。
これは前年の取得総額の40%程度に相当する。3月に取
得された物件のほとんどは2月末までに取得が決定していた為、地震の影響はほ
とんど顕在化していない。
取引事例
日本ビルファンドが公募増資で289億円を調達、
中央区に所在するリバーシティ
M-SQUAREを含むオフィス6物件を計575億円で取得した。
アコモファンドは公
募増資で230億円を調達し、
レジ物件19物件を総額307億円で取得した。
フロン
ティア不動産は三井ショッピングパーク ララガーデン春日部を100億円、NOI利
回り6.3%で取得した。
地震の余波が残る中において、
ホテル特化型のJ-REITであるジャパン・ホテル・ア
ンド・リゾートは箱根のリゾートホテルを約40億円、NOI利回り6.6%で取得、
日本
ホテルファンドは日本橋に所在するビジネスホテルを含む2物件を計60.8億円で
取得した。
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
REIT指数
TOPIX
J-REIT: 2003年3月31日 = 1000
TOPIX: 1968年1月4日 = 100
出所: 東京証券取引所
図表2: インデックス比較
2011年第1四半期
1,200
1,100
1,000
900
800
700
2011年1月
2011年2月
REIT指数
2011年3月
TOPIX
2011年4月
J-REIT: 2003年3月31日 = 1000
TOPIX: 1968年1月4日 = 100
出所: 東京証券取引所
図表3: REIT用途別指数
2011年第1四半期
1,500
1,400
1,300
1,200
1,100
1,000
900
2011年1月
2011年2月
オフィス
2010年2月26日=1000
出所: 東京証券取引所
2011年3月
住宅
2011年4月
商業・物流等
J-REITマーケット
東急不動産は自社を単独スポンサーとして商業施設・オフィス等を投資対象とす
るJ-REITを設立し、2012年にも上場させる。REIT設立にあたり、投資対象地域
と用途が東急リアル・エステート(東急REIT)と一部競合し、利益相反の懸念が生
じることになったことから、東急不動産が保有する東急REITの投資口と資産運
用会社の株式は東急電鉄に譲渡され、東急REITのスポンサーは東急電鉄に一
本化される。
2003年4月
2003年10月
2004年4月
2004年10月
2005年4月
2005年10月
2006年4月
2006年10月
2007年4月
2007年10月
2008年4月
2008年10月
2009年4月
2009年10月
2010年4月
2010年10月
2011年4月
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