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狭義の結合組織 A.線維性結合組織 広義の結合(支持)組織 B.軟骨 C

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狭義の結合組織 A.線維性結合組織 広義の結合(支持)組織 B.軟骨 C
結合組織の定義と分類
1. 疎性結合組織
狭義の結合組織
A.線維性結合組織
2. 密生結合組織
広義の結合(支持)組織
B.軟骨
C. 骨
D.血液、リンパ
4. 細網組織
3. 膠様組織
5. 脂肪組織
結合組織 と 支持組織の共通特性
・中胚葉の間葉系細胞より発生
・細胞外基質に富む(細胞成分が少ない)
・再生能が大きい
本日の講義
1. 疎性結合組織
狭義の結合組織
A.線維性結合組織
2. 密生結合組織
広義の結合(支持)組織
B.軟骨
C. 骨
D.血液、リンパ
4. 細網組織
3. 膠様組織
5. 脂肪組織
A. 線維性結合組織
細胞成分と細胞外基質(線維+基質)から構成される
1)細胞成分
種類は多いが、数(量)は少ない
a) 線維芽細胞 fibroblasts
最も多く約8割を占める。
間葉系の細胞から分化、細長くて楕円形
膠原線維、エラスチン、
基質糖タンパクの産生に与る
線維細胞は休止状態の細胞
b) 組織球 histiocytes,
マクロファージ macrophages
血液中の単球由来。遊走性細胞。
活発な食作用を示す。
異物処理、抗原提示に働く。
c) 形質細胞 plasma cells
球形ないし楕円形。
リンパ球(Bリンパ球)より分化する
核:細胞体の一側に偏在、車輪核
細胞質:塩基好性、よく発達した粗面小胞体
免疫グロブリンの産生、
しばしばラッセル小体(PAS陽性の封入体)
d) 肥満細胞 mast cells
球形ないし多角体形
特有の塩基好性顆粒
刺激で細胞外へ一斉に放出する(脱顆粒)
塩基性色素(アニリン色素)で染めると異染性
(メタクロマジー) を示す
含有物質 ヘパリン ヒスタミン セロトニン
IgEによる即時型アレルギー
アナフィラキシーショックに関与
e)脂肪細胞 fat cells
球形 細胞質に大きな脂肪滴あり。
脂肪合成、貯蔵。
単独あるいは集合で存在する。
普通の組織切片では、アルコール脱水中
に脂肪がぬけ指輪のようにみえる(印環細
胞)。新鮮状態では、脂肪滴がスダンⅢで
赤く染まる。
f)色素細胞 melanocytes
メラニン色素産生細胞
g)白血球 leukocytes
(単球、好酸球、好中球、リンパ球)
A.線維性結合組織
2)細胞外基質 extracellular matrix (非細胞要素)
a)膠原線維 collagen fiber
b)細網線維 reticular fiber
c)弾性線維 elastic fiber
d)無定型基質 dround substance
細胞間質(線維+無定型基質)
2)細胞外基質の線維成分
3種類:膠原線維、細網線維、弾性線維
a)膠原線維 collagen fiber
肉眼的に白くみえ、煮ると膠(ゼラチン)を生ずる。
張力につよい。弾性はない。
太さ1〜12μmで、一般に束 bundle 径20~
100μmをつくる。
酸性色素(エオジン)で淡いピンク色に染まる。
アザン染色で青色に染まる。
透過電顕像 ジュンケイラ組織学
膠原線維をつくるタ
ンパク質をコラーゲ
ンという(アミノ酸の
うち水酸化プロリン
や水酸化リジンを多
く含む)トロポラーゲ
ンをつくるアミノ酸の
組成配列は組織に
よって異なり、I型か
らXⅣ型コラーゲン
まである。
代表的コラーゲンの分類と分布
型 分子式
重合型
分布
I
[α1(I)]2α2(I)
原線維
皮膚、腱などに広く分布
II
[α1(II)]3
(原線維) 軟骨、眼のガラス体、椎間板
III
[α1(III)]3
原線維
皮膚、血管、細網組織など
IV
[α1(IV)]2α2(IV)
基底膜
基底膜
I型コラーゲン:最も普通にある膠原線維でα1コラーゲン鎖2本(α1(I)2)とα2
コラーゲン鎖1本(α2(I))からできる([α1(I)]2α2(I))。
線維芽細胞が合成し、細胞外に分泌したI型プ ロコラーゲンが細胞外で切断さ
れてトロポコラーゲンとなり、それが会合してコラーゲン細線維(collagen fibril;
直径20-90 nm、長さ数十μm)となる。これらの細線維が集まって直径数μm
の膠原線維collagen fiber ができる。
Ehlers-Danlos症候群:
コラーゲンの遺伝子の突然変異
伸びる皮膚、関節脱臼など
壊血病:
Vitamin Cの不足によるコラーゲン合成異常
歯肉潰瘍、出血
線維芽細胞
マクロファージ
メラニン細胞
膠原線維束
線維性結合組織 真皮
HE染色 膠原線維と細胞成分
b) 細網線維 reticular fiber
太さ2μm以下の細い線維。分岐・吻合して、全
体として網工をつくる。
格子線維 lattice fiber (肝臓類洞周囲)とも呼
ばれる。
通常のヘマトキシリン・エオジン染色では不染。
鍍銀染色で黒く染まる(銀好性線維 )。
PAS染色でも染まる。
膠原線維と同様の構造をもつが 表面に糖タン
パク質豊富。
脾臓、リンパ節、骨髄でよく発達→細網組織と
いう。
肝臓 格子線維 (細網線維) 鍍銀染色で黒色
肝臓 格子線維 (細網線維) 鍍銀染色で黒色
c) 弾性線維 elastic fiber
弾性に富む(1.5倍まで伸びる)。
張力はせいぜい20〜30kg/cm2まで。
一般に細く太さは0.2〜1.0μm。
ヘマトキシリン・エオジン染色では染まらない。
レゾルシン・フクシンで、暗紫色に染まる。
均質部 ---------エラスチン
細糸部 ----------フィブリリン(ミクロフィブリル、オキシタラン線維)
エラスチンはプロエラスチンというタンパク質を含むほか、多糖類
や硫酸を含む。
酸やアルカリに対して抵抗力が強い
板状のもの:弾性板(動脈壁の有窓膜)
フィブリリン
エラスチン
エラスチン線維の構造
弾性線維
ピンク色:膠原線維
皮膚の真皮:レゾルシンフクシン染色
d) 無定型基質
大量の水を含み、透明で粘性のあるゲル状の物質
グルコサミノグリカン glycosaminoglycan(硫酸ムコ多糖類)が
主成分
ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリンが
代表。
プロテオグリカン proteoglycan
ムコ多糖類とタンパク質の複合体
フィブロネクチン fibronectim
細胞の表面のインテグリンと結合、
細胞と基質との接着に与る。
組織液 tissue fluid
血液の血漿に由来。毛細血管から滲みだした。
栄養物質や代謝産物を含む。
<線維性結合組織の種類>
構成成分の種類、量、密度、配列により特性が変わる
1)疎性結合組織 loose connective tissue
膠原線維がまばらに配列、全体として網の目を形成。
その間に液性の基質と多種の細胞が存在。
その他の少量の弾性線維や細網線維もある。
Ex.) 皮下組織、粘膜下組織
HE染色
疎性結合組織(実習標本)
レゾルシンフクシン染色
2)密性結合組織 dense connective tissue
膠原線維が、繊維束をつくって密に配列する。
疎性結合組織に比べて、膠原線維が多く、細胞お
よび基質は少ない。細胞は大部分が線維芽細胞。
a) 密性不規則性結合組織
膠原線維が種々の方向に不規則に走る。
線維間に少量の線維芽細胞が存在する。
例:真皮 (3次元的交織)、
筋膜 ・腱膜・ 強膜 (2次元的交織)
b) 密性規則性結合組織
膠原線維がきわめて緻密に一定方向に規則正
しく走る。線維間には線維芽細胞が列をつくり並
んでいる。
例:腱
腱細胞 tendinocyte (翼細胞 winged cell )
- 本体は線維芽細胞である
腱膜
腱
腱縦断 HE染色 実習標本
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