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温度と熱運動/熱容量と比熱/熱の伝わり方
第3章 1 熱や光の科学 温度と熱運動/熱容量と比熱/熱の伝わり方 第1節 1 温度と熱運動 1 日常生活に広く用いられる温度を ( )温度といい,単 熱の性質とその利用 位には℃を用いる。この温度では, 1 気圧のもとで,氷の融ける温度は 0 ℃,水が沸騰する温度は100℃となる。 物体を構成する粒子の熱運動は, ( 2 )℃となると停止する。 プラス 温度と熱が違うことに注意する。 風邪をひいたとき,「熱を計る」 というが,物理的には誤った表 現である。正しくは「体温(温 度) を計る」である。 このときの温度を 0 ケルビンとし,目盛りの間隔を ( 1 )温度と同じに した温度を 温度といい,単位には K を用いる。 ( 3 ) プラス 0 Kを絶対零度という。絶対零 度では,すべての物質で,構成 する原子や分子の熱運動が停止 する。絶対零度よりも低い温度 は存在しない。 4 0 K= ℃である。 ( ) 2 熱とエネルギー の物体 A と ( 5 ) ( 6 ) A の物体 B を接触させると,両物体の温 熱の移動 B 度は等しくなる。このとき,両物体は, 7 の状態にあるという。 ( ) 8 ( )…温度の異なる物体が接触す Aは温度下降 るとき,高温の物体から低温の Bは温度上昇 ( 7 ) プラス 物体間で熱の移動がおこるとき, 高温の物体が失った熱量は,低 温の物体が得た熱量に等しい。 これを熱量の保存という。 物体へ移動する熱運動のエネル ギーで,その量を という。 ( 9 ) ( 9 )の単位にはJ(ジュール)を用いる。 3 熱容量と比熱 10 ( )…物体の温度を 1 K 上げるのに必要な熱量。単位には J/K (ジュール毎ケルビン) を用いる。 (11 )…物質 1 g の温度を 1 K 上げるのに必要な熱量。単位 には J/ (g・K) (ジュール毎グラム毎ケルビン)を用いる。 比熱 c〔J/ (g・K) 〕の物質でつくられた質量 m〔g〕の物体がある。こ の物体の温度を T1〔K〕から T2〔K〕に上げるのに必要な熱量 Q〔J〕は, 比熱 c と質量 m と温度 T1,T2を用いて, Q = と表すことができる。 (12 ) 4 熱の伝わり方 13 …高温の部分から低温の部分に熱が伝わる現象。 ( ) …液体や気体の流れに伴う熱の移動。 (14 ) …電磁波の形で熱が運ばれる現象。 (15 ) (16 )…物質の状態を変化させるために使われる熱。特に物 質の融解に使われる熱を ,物質の蒸発に使わ (17 ) れる熱を という。 (18 ) 42 ● 第3章 熱や光の科学 プラス おもな物質の比熱〔J/(g・K)〕 物質 比熱 水 4.2 氷 2.1 なたね油 2.0 アルミニウム 0.90 鉄 0.45 銅 0.39 プラス 「打ち水」をすると涼しくなる のは,水が蒸発するとき,地面 から蒸発熱を奪うためである。 練習問題 温度と熱 1. 学習日: 月 日/学習時間: 分 次の①∼⑤のうち,正しいものをすべて選び,記号で答えよ。 1 ➡まとめ 1 3 4 ① 「風邪で熱が高い」という表現は物理的に正しい。 ②水は比熱が大きく,温まりにくく冷めにくい。 ③気体や液体を構成する原子や分子は,熱運動をしているが,固体では静 止している。 ④27℃は300 K である。 ⑤「熱が伝わる」とは,熱という物質が伝わるのではなく,熱運動のエネ ルギーが伝わることである。 ⑥熱は,真空空間を伝わらない。 2 2. 熱容量と比熱 右の表を見て,次の各問いに答えよ。 (1) 銅でできた200 g の容器の 比熱の値 熱容量は何 J/K か。 (2) 水100 g の温度を20 K 上げ るのに必要な熱量は何 J か。 (3) 10℃の鉄50 g に450 J の熱 量を与えた。 温度は何℃に 物質 水 空気 アルミニウム 鉄 銅 ➡まとめ 3 (1) J/K (2) J (3) ℃ 比熱 〔J/ (g・K) 〕 4.2 1.0 0.91 0.45 0.39 ヒント ! C = mc Q = mc(T2 − T1) なるか。 3. 熱量の保存 水の比熱を4.2 J/(g・K)として,次の各問いに答えよ。 3 (1) 10℃の水300 g と,50℃の水100 g を混合した。熱は外部に逃げない ものとする。 ①混合後,熱平衡に達したときの温度を t〔℃〕として, ➡まとめ 2 3 4 (1)① (ア) (イ) (ア) 10℃の水が得た熱量を表す式を記せ。 (イ) 50℃の水が失った熱量を表す式を記せ。 ②上の (ア) と (イ) が等しいことから,t〔℃〕 を求めよ。 (2) 100℃に熱した100 g の金属球を,断熱容器に入っ た20℃の水100 g の中に入れたところ,26.7℃で熱平 金属球 ② ℃ (2)① J 100℃ 100g ② 衡に達した。 ③比熱 ①水が金属球から得た熱量は何 J か。 ②金属球の比熱を 〔J/ (g・K) 〕として,金属球の失っ た熱量を表す式を記せ。 J/(g・K) 20℃ 材質 100g ③上の①と②が等しいことから,金属球の比熱を求め, 問題 2 の表を参照して金属球の材質を答えよ。 4. 熱の伝わり方 次の(1)∼(3)にあてはまる熱の伝わり方はどれか。下の ①∼③から選び,それぞれ番号で答えよ。 4 ➡まとめ 4 (1) (1) 赤外線ストーブに手をかざすと暖かい。 (2) フライパンの取っ手が熱くなる。 (3) ストーブの上では暖かい空気が上昇しているのがわかる。 ①熱伝導 ②対流 ③熱放射 (2) (3) 第1節 熱の性質とその利用 ● 43