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1? - ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
yどこ ㎜ | N E W S L E T T E R O(↑162003 皿 おかげさまで5周年 醤kニ:::;尚尚;白壁……1・㈱ ・ W ・ 占 W 〃 r R 徊 〃 = V % ・ J ・ ・ a a j でに、パハ………ト、、ゴリ ダサパハ‥‥‥‥}、、・.`=‥‥‥‥}j八 j i l t 万 メ 1 面 1 1 1 爽 紐 i ン タ 4 1 1 1 狼 鱒、 rl1 ‥ぢj SW‥ 二 、丿ル t ? 1 SjllF 4sいf 六 1 ゛丁ン 1998年9月19日、国民会議の創立総会。巾央は立川涼代表。みんな若かった! COj @立川涼・GNCとポップアートとNPO @中下裕子・国民会議5年間の活動報告と今後の抱負 ダイ オ キ シ ン ・ 環 境 ホ ル モ ン 対 策 国 民 会 議 の 主 な 活 動 歴 e @ 5周年をむかえるにあたって発起人からひとこと @水野玲子・ダイオキシン国際会議に参加して e佐藤鐙子・カナダの廃棄物・資源管理政策視察報告/「脱焼却脱埋立て」を目指して @佐藤泉・「環境法の今」第15回特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法」の概要 ⑤ @ シ リ ーズ ・ 隣 の N G O ・ 「 生 態 系 の 保 全 」 と 有 害 化 学 物 質 問 題 に 取 り 組 む W W F lntemationalNewsClip(最近の国際動向) Peopl♂sAssociationonCounternleasuresofDioxin&EndocrineDisl・uptors (lj;NCとポップアートとNPO 代 表 立 川 涼 何か起きても驚かない。至るところがおかしくなっている。それでも、昨年10 月 米 国 で 制 定 さ れ た r 愛 国 法 』 に は 少 な か ら ず 衝 撃 を 受 け た 。 上 院 審 議 の 過 程 で、 F B I 局 長 は 「 新 し い 時 代 の テ ロ 」 と して、 「 反 核 運 動 、 グ ロ ーバ ル な 市 民 社 会 建 設 を 掲 げ る 運 動 な ど と と も に 、 環 境 保 護 ・ 動 物 愛 護 運 動 」 を 挙 げ て い る。 米国社会はすっかり余裕を失っている。ブッシュ政権の環境対策の後退はすさ まじい。それはもうスキャンダルと言ってもよい。よその国のこととはいえ、世 界 一 の 帝 国 の 行 方 に 、 日 本 人 と し て 無 関 心 で は お ら れ な い。 話は全くとぶが、私はこの頃、国立大学文系の強化が課題である、それも社会 科学ではなく、人文・文化分野であると言っている。これまで国立大では理工 (医)系に資源が過度に投入されていた。変革の世紀にあって、新しい時代を切り 拓くことができるのは科学技術ではなく人文の世界であり、マーケットとしてさ え 将 来 は 有 望 と 考 え て い る。 悔 し い こ と に ま た し て も 外 国 か ら だ が 、 近 着 の 米 週 刊 誌 『 T I M E 』 ( 8 月 1 1 日 号、 ア ジ ア 版 ) は 、 2 1 世 紀 の 日 本 の アイ デ ン ティ ティ は G N P ( 国 民 総 生 産 ) な ら ぬ GNC(GrossNationaICool)だというダグラス・マグレイの論文を紹介している。 もちろんここで、クールは「涼しい」ではなく、「かっこいい」の意味である。彼 に よ れ ば 、 ジ ャ パ ニ ーズ ・ ク ー ル の 典 型 は ポ ッ プ ア ー ト で あ る 。 蛇 足 な が ら 、 私 の 名 前 は 「 涼 」 で あ る が 、 小 学 校 か ら 大 学 ま で 同 名 の ク ラ ス メ ー ト は い な か っ た。 珍しい名を少しばかりは気にいっていた。昨今は、女にも男にも、「涼」が氾濫し て 、 私 と し て は 面 白 く な い。 そ れ は と も か く 、 時 代 の 気 分 は 明 ら か に ク ー ル の 方 向 に 進 ん で い る 。 ポ ケ モ ン、 ア ニ メ 、 村 上 隆 、 椎 名 林 檎 な ど な ど 、 日 本 は ポ ッ プ ア ー ト の 先 端 を 歩 ん で お り、 ア ジ ア に お け る 文 化 の ト レ ン ド に 強 い 影 響 力 を 持 っ て い る。 ポップアートを論ずれば際限がないが、旧来の伝統的な形式、約束、価値観か ら 開 放 さ れ て 、 自 由 な 自 己 表 現 を 目 指 し て い る 。 そ し て そ れ は 何 が し か の 変 革、 革 新 の 色 を 帯 び て い る 。 「 芸 術 」 か ら 開 放 さ れ た ポ ップ アー ト は 、 日 常 生 活 に と け 込 み 、 生 活 の 一 部 と な り な が ら 、 生 活 を 変 え て ゆ く。 度 重 な る 政 治 権 力 の 交 替 に も か か わ ら ず、 連 綿 と し て 天 皇 家 の 権 威 が 維 持 さ れ て き た の は 、 天 皇 家 とそ れ を 支 えて き た 貴 族 の 集 団 が 、 文 化 や 芸 術 の 世 界 を 支 配 していたからだとする卓見(脇田晴子)も発表されている。文化は政治と無縁で は な い 。 新 し い 文 化 は 、 そ れ を 育 て 支 え る 国 民 の 政 治 的 教 養 と も 無 縁 で は な い。 N P O は N G C に 寄 与 す る。 eNEwsLETTERvol.25 国民会議5年間の活動報告 今後の抱負 事務局長・弁護士中下裕子 ● 5 年 間 の 活 動 の 成 果 おかげさまで、国民会議は今年5周年を迎えまし た 。 ダイ オ キ シ ン ・ 環 境 ホ ル モ ン 汚 染 の 危 機 を 目 の 当 さらに、最近では、環境省の化学物質と環境円卓 会議(学者・行政・産業界・NGOの4者による意 見 交 換 の 場 ) や 、 化 審 法 改 正 を 検 討 す る 審 議 会 に、 N G O 代 表 の 立 場 で 参 加 す る よ う に な っ て い ま す。 たりにして、対策の遅れが取り返しのつかないこと 政策決定過程への参画が、少しずつ実現していると に な り か ね な い こ と か ら 、 主 権 者 で あ る 国 民 と し て、 い う 手 ご た え を 感 じ ま す。 あるべき対策を具体的に提言し、その早期実現を求 第3に、こうした活動を通じて、幅広い人間のネ め る 運 動 を 行 う べ く 、 国 民 会 議 は 結 成 さ れ ま し た。 ッ ト ワ ー ク が 形 成 さ れ つ つ あ る と い う こ と で す。 情 以来、「物言えぬ野生生物と将来の子どもたちに成り 報 社 会 が 到 来 し 、 情 報 の 重 要 性 が 指 摘 さ れ ま す が、 代わって政策を提言し、その実現を目指す」ことを 情 報 の 発 信 源 は 一 人 一 人 の 人 間 で す 。 そ の 意 味 で、 キ ャ ッ チ フ レ ーズ に し て 、 後 述 の と お り さ ま ざ ま な 重 要 な の は 人 間 の ネ ッ ト ワ ー ク な の で す。 政 策 提 言 ・ 意 見 具 申 を 行 っ て き ま し た 。 そ の 結 果、 国民会議には、さまざまなジャンルの専門家が多 この5年間で予想を上回る成果を収めることができ 数 加 入 して い ま す。 こ れ ま で、 そ れ ら 学 際 的 専 門 家 た の で は な い か と 思 い ま す。 と 市 民 と が 協 力 し 合 っ て 、 提 言 を 練 り 上 げ て ロ ビイ まず第1の成果は、国民会議の活動によって、立 ン グ す る と い う ユ ニ ー ク な 活 動 を 展 開 し て き ま し た。 法・行政の取組みを促進させることができたことで その結果、今では、さまざまな専門家や市民・団体 す。 特 に 、 「 ダイ オ キ シ ン 類 対 策 特 別 措 置 法 」 が 議 貝 はもちろん、立法・行政・産業界、さらには海外の 立 法 で 成 立 し た こ と は 大 き な 成 果 と い え ま す 。 ま た、 知識人やNGOに至るまで、実に幅広い人的ネット 内容的には不十分な点もあるものの、近年、政府の ワ ー ク が 形 成 さ れ 、 日 々 そ れ が 拡 大 し つ つ あ り ま す。 取 組 み は 確 実 に ス ピ ー ド ア ッ プ さ れ て い ま す。 こうした人間のネットワークは、国民会議のみなら 第2の成果としては、政策提言とその実現のため ず、 広 く わ が 国 の N G O セ ク タ ー に と っ て の 貴 重 な の ロ ビー 活 動 を 通 じ て 、 政 策 提 言 能 力 を も っ た N G 財 産 で あ る と い っ て も 過 言 で は な い と 思 い ま す。 Oとして国民会議が各界に広く認知されるようにな ● 主 要 な 活 動 の 報 告 っ た こ と で す。 政 策 提 言 や ロ ビー 活 動 は 、 わ が 国 で は あ ま り 知 ら れ て い な い も の で す が 、 国 民 会 議 で は、 内閣官房長官をはじめ、環境大臣らの閣僚と数次に 5 年 間 の 活 動 の う ち 、 主 要 な も の を ご 報 告 し ま す。 (1)政策提言 以 下 の 政 策 提 言 ・ 意 見 提 出 を 行 い ま し た。 わたって直接意見交換を行いました。各政党の環境 ・ ダイ オ キ シ ン 類 緊 急 対 策 提 言 ( 第 1 次 ∼ 第 3 次 ) 担当の国会議員の方々とも、何度も面談を重ねてき ・ ダイ オ キ シ ン 対 策 基 本 指 針 に 対 す る 意 見 書 ました。各省庁の担当者とは日常的に憲見交換を続 ・ 「 廃 棄 物 焼 却 施 設 内 作 業 に お け る ダイ オ キ シ ン 類 け て い ま す。 こう し た 直 接 的 な 意 見 交 換 が で き る と 暴露防止対策要綱(案)」に対する意見書 いうこと自体、創立5年に満たないNGOとしては ・PRTR法案に対する意見書 極 め て 異 例 の こ と だ と 思 い ま す。 ・「循環型社会基本法」(仮称)の立法提言 NEwsLETTERvol.25● ・PCB対策に関する提言(JPEN) 現在、第3巻目として「家庭用品に含まれる化学物 ・土壌汚染対策法案に対する意見書・NGO共同声 明 質 の リ ス ク 」 ( 仮 称 ) の 企 画 に 取 り 組 ん で い ま す。 (5)シンポジウム・学習会の開催 ・ 容 器 包 装 リ サ イクル 法 の 改 正 提 言 合 計 3 7 回 の シ ン ポ ジ ウ ム ・ 学 習 会 を 開 催 し ま し た。 ・「子ども環境保健法」(仮称)の立法提言 ( 6 ) ニ ュ ース レ タ ー の 発 行 ・その他、パブコメ意見提出多数 ニ ュ ー ス レ タ ー を 隔 月 ( 年 6 回 ) 発 行 し ま し た。 (2)ストックホルム条約成立に向けた取組 年 々 紙 面 が 充 実 し て き て い る と の 評 価 を 得 て い ま す。 実 効 性 の あ る 条 約 成 立 を 目 指 して、 「 残 留 性 有 機 汚 ● 今 後 の 抱 負 と お 願 い 染物質(POPs)廃絶日本ネットワーク」(JPE 以上のとおり、この5年間で国民会議は目ざまし N)を結成し、「POPs廃絶国際ネットワーク」 い実績を上げることができ、今では、立法・行政と ( I P E N ) と 連 携 し な が ら 、 国 際 会 議 で の ロ ビー 活 の 間 で 緊 張 感 の あ る パ ー ト ナ ー シ ッ プ を 築 き な が ら、 動等を行いました。その結果、2001年5月に条約が 政 策 形 成 プ ロ セ ス に 影 響 力 を 行 使 し つ つ あ り ま す。 成 立 し 、 翌 2 0 0 2 年 8 月 に は 日 本 政 府 も 批 准 し ま し た。 僅か5年間でこのような成果を収めることができま ( 3 ) 環 境 教 育 ビ デ オ 「 4 R で ゴ ミ ダイ エ ッ ト ∼ ゴ ミ したのは、会貝の皆様の暖かい励ましとご支援・ご と循環型社会」の制作 協 力 の 賜 物 と 深 く 感 謝 い た して お り ま す。 こ の 場 を 将来を担う子どもたちに環境問題への関心をもっ か り ま し て 、 心 よ り 御 礼 申 し 上 げ ま す。 てもらおうと、環境教育用のビデオの自主制作に取 と同峙に、この貴重な成果、特に人間のネットワ り 組 み 、 2 0 0 2 年 3 月 、 ビ デ オ 「 4 R で ゴ ミ ダイ エ ッ ークとこの間に薔積されたノウハウを活かして、さ ト∼ゴミと循環型社会」を完成させました。教師用 らに活動を充実・発展させていかねばと決意を新た お よ び 生 徒 用 テ キス ト 付 で 販 売 して い ま す。 こ の ビ に し て お り ま す 。 あ る 意 味 で 、 国 民 会 議 の 成 功 は、 デオは、その後文部科学省の選定を受け、環境省に わが国のNGOの地位向上はもちろん、わが国の民 も 環 境 教 育 用 教 材 と し て 登 録 さ れ て い ま す。 主主義の成熟と新たな文明の創造にもつながるもの (4)国民会議ブックレットの刊行 だ と 思 い ま す。 子 供 達 の た め に 、 地 球 上 の 全 て の 生 国民会議の活動の趣旨をより多くの人々に知って 物のために、そして持続可能な新たな文明を創造す いただくために、国民会議ブックレットの刊行をは るために、どうか、これまでにも増して、国民会議 じめました。第1巻「イヒ学汚染から子どもを守る」 に ご 支 援 ・ ご 協 力 下 さ い ま すよ う 、 心 よ り 願 って お に 続 き 、 第 2 巻 「 食 品 の ダイ オ キ シ ン 汚 染 ∼ ダイ オ り ま す。 キ シ ン か ら 身 を 守 る た め に 」 が 発 売 さ れ て い ま す。 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議の主な活動歴 ●設立1998年9月 5 月 1 2 日 ダイ オ キ シ ン 対 策 推 進 基 本 指 針 に 対 す る 意 見書を野中官房長官、真鍋環境庁長官と会 ●1998年 12月5日 談の上提出、PRTR法案に対する意見書 シ ン ポ ジ ウ ム 「 ダイ オ キ シ ン 緊 急 提 言 に 向 提出 けて」 6月5日シンポジウム「食品・母乳汚染を考える」 フ 月 1 7 日 ジ ョ ン ・ P ・ マ イ ヤ ーズ 氏 講 演 会 一 一 ●1999年 2月17日 4月2日 フ 月 2 3 日 「 ダイ オ キ シ ン 類 緊 急 対 策 第 2 次 提 言 ( 母 「ダイオキシン類緊急対策第1次提言」を 乳・食品対策)」を真鍋環境庁長官に提出 野中官房長官、真鍋環境庁長官と会談の上 8月13日宮下厚生大臣と会談 提出 9月4∼フ日POPs(残留性有機汚染物質)条約第3 中川農林水産大臣と会談の上「第1次提言」 を提出 1 0 月 3 0 日 ダイ オ キ シ ン ・ シ ン ポ ジ ウム ( 所 沢 ) ONEwsLETTERvol.25 回 政 府 間 交 渉 に N G O と して 参 加 n月13日 ダイ ア ン ・ ダ マノ フ ス キ 氏 講 演 会 水質の汚濁のうち水底の底質の汚染に係る 11月20日 シ ン ポ ジ ウ ム 「 ダイ オ キ シ ン の 原 因 を 断 つ 環境基準の設定等について」報告案に対す ために」 る意見提出 フ月13∼14日ミニ環境展に出展 8 月 1 2 日 循 環 ビ ジ ネ ス ワ ー キ ン グ グ ル ープ 中 間 と り ● 2 0 0 0 年 一一一一一一一一一 1 月 2 9 日 まとめ案に対する意見提出 シンポジウム 「循環型社会基本法の制定に 向けて」開催 8月16日「産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイ クル 小 委 員 会 循 環 ビ ジ ネ ス ワ ー キ ン ググル ープ 中 間 と り ま と め 案 に 対 す る パ ブ リ ッ ク 2 月 1 日 「 ダイ オ キ シ ン 類 緊 急 対 策 第 3 次 提 言 ( 発 生源・素材対策)jを環境庁長官に提出 コメント」提出、「化学物質総合管理政策 2月26日残留性有機汚染物質廃絶条約日本ネットワ 一夕設立記念講演会開催 研究会中間とりまとめ」に対する意見提 出 3月9日「循環型社会基本法(仮称)」の制定に関 する立法提言を、環境庁長官に提出 8 月 2 2 ∼ 9 月 2 日 環 境 ・ 開 発 サ ミ ッ ト ( ヨ ハ ネ ス ブル グ・サミット)参加。環境に関わる情報公 3月20∼25日POPs条約第4回政府間交渉会議に 開 一 市 民 参 加 ・ 司 法 アク セ ス を 進 め る 欧 州 参加 条 約 ( オ ーフ ス 条 約 ) 関 係 者 と 交 流 5月25日参議院国土・環境委員会において中下事務 局 長 が 参 考 人 と して 意 見 陳 述 9月3日「土壌汚染対策法に係る技術的事項につい 6 月 4 日 ダイ ア ン ・ ダ マ ノ ス 牛 氏 講 演 会 ての考え方の取りまとめ(案)」に対する フ月8日男児出生比率調査に関する報告会 意見提出、「土壌汚染対策法に基づく政省 令に規定する内容(案)」対する意見提出 フ 月 1 3 ∼ 1 7 日 国 際 環 境 N G O フ ォ ー ラム ( 沖 縄 ) 参 加 1 0 月 2 5 日 土 壌 汚 染 問 題 シ ン ポ ジ ウム U月20日シンホジウム「POPs廃絶のために」 (環境省・通産省担当者) ●2003年 12月3∼9日POPs条約第5回政府間交渉会議出席 1月20日 ●2001年 3月IO日シンポジウム[環境保全のための市民・N 3月31日 講演会「循環型社会と化学物質」(環境省 早水審査室長、浦野紘平・横浜国立大学教 授、細見正明・東京農工大教授) 5 月 2 C 〕 日 シ ン ポ ジ ウム 「 安 全 な 医 療 を 目 指 して 」 (菅野義彦・埼玉医科大ほか) 5月22∼23日POPs条約採択会議に参加 フ 月 2 9 日 シ ン ポ ジ ウム 「 循 環 型 社 会 と プ ラス テ ッ ク 「今後の化学物質の審査及び規制の在り方 について(案)」に対する意見提出 GOの裁判権を確立するために]開催 3月22日子どもプロジェクト出版記念シンポジウム 「化学汚染から子どもを守ろう」(藤田紘一 郎・東京医科歯科大学教授ほか) 国民会議ブックレット①「化学汚染方子ど もを守る」出版 3月30日シンポジウム「循環型社会における廃棄物 ごみj(田中勝一岡山大教授、礒野弥生・ 処 理 と ダイ オ キ シ ン 対 策 」 ( 青 山 貞 一 ・ 環 東京経済大教授)開催 境総合研究所ほか) 10月10日脱焼却学習会「ポール・コネット氏を囲ん で」 5月1フ日食品プロジェクト出版記念シンホジウム 「 食 品 の ダイ オ キ シ ン 汚 染 一 魚 介 類 を 中 心 にー 」 ( 立 川 涼 ・ 国 民 会 議 代 表 ほ か ) ●2002年 2月28日 国 民 会 議 ブ ッ ク レ ッ ト ② r 食 品 の ダイ オ キ 容器包装リサイクル法に関する改正提言提 出 シ ン 汚 染 ダイ オ キ シ ン か ら 身 を 守 る た め に』出版 6月10日「子ども環境保健法」の立法提言を鈴木環 3月3日 環境教育ビデオ公開試写会開催 4月3日 緊急討論会「土壌汚染対策法案はこれでよ 境大臣に申し入れ(環境省環境保健部長と いのか!町 懇談) 4月3日土壌汚染対策法案に対する提言作成・NG O共同声明 5 月 1 0 日 「 廃 棄 物 ・ リ サ イク ル 基 本 問 題 に 関 す る 意 ※ 肩 書 き 等 は 当 時 の も の で す。 ※2003年9月現在 見」提出 5月23日POPs学習会「日本政府ストックホルム 条約批准に向けて」 6 月 1 0 日 「 ダイ オ キ シ ン 類 対 策 特 別 措 置 法 に 基 づ く NEwsLETTERvol.250 年 を む か え る に あ た っ て レノダ==:11……=発起人からひとこと 市 川 定 夫 浦野紘平 (埼玉大学名誉教授) (横浜国立大学大学院教授) ダイ オ キ シ ン も 、 他 の 環 境 ホ ル モ ン に つ よ く 持 続 的 発 展 を して い る と 思 う が 、 ま いて も 、 本 国 民 会 議 が 5 年 間 に 行 って こ ら だ ま だ や る こ と が 多 い の で、 関 係 N G O と れた活動は、広範な人々に問題の深刻さを の連携や広い視野を持った熱心な会員の獲 か な り 周 知 して い た だ く こ と に 結 び 付 いて 得 を 強 化 す る と よ い。 き た と 思 い ま す。 私 も 、 肩 書 き の ほ か に、 定 年 退 官 後 の 非 常 勤 講 師 と して 3 大 学 で の 計7科目の講義(うち1科目は埼玉大の短 期 留 学 生 へ の 英 語 で の 講 義 ) で、 年 間 計 600∼700名前後の学生にこの問題も含めて 論 じ て い ま す。 大谷昭宏 (ジャーナリスト) 5 周 年 お め で と う ご ざ い ま す。 長 引 く 不 況、リストラの中で、景気浮揚、雇用確保 のために環境なんか、という流れが強まっ 鵜飼照喜 て い ま す。 だ か ら こそ 、 踏 ん ば れ 、 が ん ば れ 、 こ こ が 正 念 場。 (信州大学教授) 地 方 の 運 動 に 関 わ っ て き た も の と し て、 全国規模の運動体の難しさを実感しまし 川 名 英 之 た。 (環境ジャーナリスト・江戸川大学講師) 国 民 会 議 は ダイ オ キ シ ン 汚 染 が 社 会 問 題 海原純子 (医師) と して ク ロ ーズ ア ップ さ れ た 時 期 に 結 成 さ れ 、 ダイ オ キ シ ン 対 策 委 員 会 や 廃 棄 物 対 策 委員会などを中心に、充実した内容の提言 環 境 に よ る 被 害 は 、 ダイ オ キ シ ン ・ そ の を次々にまとめて関係省庁の大臣に手渡 他の化学物質を含め、健康だけではなく精 し、各党関係議員に届けるなど有効・適切 神 的 な 部 分 に ま で 及 んで い る の に 対 し 、 政 な 活 動 を 展 開 し た と 思 い ま す。 府の取り組みはまだ全くなされていないと 特に印象深かったのは、1999年2月1日 い っ て も 良 い 状 況 で す。 国 民 会 議 が 行 政 を の所沢の野菜汚染に関するテレビ放送を機 後押しするエネルギーになることを期待し に ダイ オ キ シ ン 対 策 が 喫 緊 の 政 治 課 題 と な て い ま す。 り、超党派の議員連盟が結成されたころの 国民会議の活動。立川涼国民会議代表や中 下裕子事務局長が議員連盟の中川智子議員 eNEwsLETTERvol.25 5年前の9月19日、158名の女性弁護士が呼び掛け人となり、ダイオキシこノダ 引卜 環境ホルモン対策国民会議は、産声をあげました。化学物質の脅威から将来世代を丿 守 る た め 、 政 策 提 言 活 動 を 行 う と い う 志 は 、 各 界 か ら 多 くの 発 起 人 の 賛 同 を 得 次 じ た。今回、5周年を迎えるにあたり、発起人の方々からメッセージをいただき、ゾご こ に そ れ ら を 掲 載 し ま す 。 二 卜 1 の紹介で野中広務内閣官房長官に会い、ダ 地元で争っている者は強い憤りを感じてい イオキシン対策の強化を申し入れると、野 ました。そんな時に国民会議を設立しよう 中長官は関係省庁に対し、国民会議の提言 と し て い る 方 々 に 初 め て お 会 い し ま し た。 を参考にして対策を講じるよう指示しまし 様 々 な 環 境 問 題 に 携 わ る 者 と して 一 番 の ウ た 。 ィ ー ク ポ イ ン ト は 法 律 ( 立 法 ) で す。 そ の こ れ が 3 月 3 0 日 に 政 府 が ま と め た 「 ダイ 解決なしには1歩も進めないことを痛感し オキシン対策推進基本指針」と、同年7月 ていました。内分泌攬乱物質の問題は我々 制 定 の 「 ダイ オ キ シ ン 類 対 策 特 別 措 置 法 」 の想像を越える程深刻で一時の猶予もあり の 内 容 に 影 響 を 与 え た よ う で す。 提 言 取 り ません。この5年間の国民会議の活動に心 ま と め と 、 官 房 長 官 へ の 申 し 入 れ に よ っ て、 か ら の 敬 意 を 表 し ま す。 国 民 会 議 は ダイ オ キ シ ン 対 策 の 流 れ に 乗 り 、 発 言 力 を 増 す こ と が で き た の で す。 も う 1 つ の 転 機 は ニュ ース レ タ ー を 2 ヵ 月に1回の発行したこと。これにより、会 塩 渾 豊 志 (埼玉大学講師) 員の方たちが会費をきちんと納めてくださ 日 本 最 大 の ダイ オ キ シ ン 被 害 = 環 境 ホ ル るようになったばかりか、入会者が倍増し モン被害であるカネミ油症は過去の問題で た と 聞 き ま す。 ニュ ース レ タ ー は 国 民 会 議 はありません。第2世代、第3世代への影 と会員を結ぶ命綱。この命綱が太くなった 響 は か な り 深 刻 で す。 国 も や っ と 重 い 腰 を お陰で、国民会議は安全に活動ができるの あげ、35年目の実態調査が開始されました。 で す。 環 境 N G O の 果 た す 役 割 は 大 き く な 私どもカネミ油症被害者支援センターは発 る一方。国民会議が発足5周年を機に、ニ 足 以 来 一 周 年 を 迎 え 、 事 務 局 メ ンバー は 責 ュ ー ス レ タ ー の 内 容 の 一 層 の 充 実 に 努 め、 任 の 重 さ を 痛 感 し て い ま す。 今 後 と も 皆 様 有害化学物質・環境ホルモンによる環境汚 方 の 御 協 力 を お 願 い 申 し 上 げ ま す。 染防止のため、有効な活動を進められます よ う 期 待 し ま す。 武 田 玲 子 (医師) CjV.ニコル (作家) 未来および現在の人々のために本当に必 要なことは何かを知ることが出来るのはN 今から5年前に私の住まいがある信濃町 POのつよみです。Opinionleaderかつ法 はゴミの処分場問題でゆれていました。企 律制定にも強いという長所を生かし、ます 業 の 無 責 任 、 行 政 の 無 策 、 市 民 の 無 関 心 に、 ま す の 御 発 展 を 祈 り ま す。 NEwsLETTERVO125● 中原英臣 宮 本 憲 一 (医師・山野美容芸術短期大学教授) (滋賀大学学長) 1965年には断トツの1位だった東京の平 渡 辺 正 ・ 林 俊 郎 『 ダイ オ キ シ ン 』 が ダイ 均寿命が1995年には男性が20位、j4J性は33 オキシン法やこの国民会議の存立を問う批 位に転落したことからわかるように環境 判 を して い ま す。 こ れ に た い して 正 当 に 応 問 題 は 私 た ち 日 本 人 の 寿 命 ま で 左 右 して い え る の が い ま 最 優 先 課 題 と 思 い ま す。 ま す。 安 全 な 空 気 と 水 、 そ して 食 品 の 確 保 は21世紀の日本に課せられた最大のテーマ で す。 ま だ ま だ 道 は 険 し いで し ょ う が 、 み んなで力を合わせればこの国をよくできる と 思 い ま す。 毛 利 子 来 (小児科医) 専門家、運動家に偏りすぎている。これ か ら は 、 普 通 の 生 活 者 ・ 庶 民 に ア ピ ー ル し、 なだいなだ 参 加 を 求 め る 方 策 を 強 め て ほ し い。 (老人党) 少し月並みな感想ですが、あっという間 の 5 年 。 こ れ ま で の 5 年 の 成 果 を ふ ま え、 更に前に進んでもらいたい。更に更に先 山村恒年 (弁護士・元神戸大学教授) 具 体 的 な 問 題 に つ いての 立 法 提 案 活 動 を 継 続 して 下 さ い 。 数 の 少 な い 立 法 提 案 N G O と し て 評 価 し て い ま す。 二 木 昇 平 (医師) 経済効率を重視した事による環境問題に は 、 環 境 悪 化 に 対 す る 企 業 の 責 任 と 負 担、 ま た 環 境 対 策 で の 技 術 に 対 して 国 の 援 助 が 必 要 と 思 い ま す。 寄本勝美 (早稲田大学教授) 貴 会 議 か ら 送 ら れて く る 資 料 は 、 い つ も 私 の 重 要 な 情 報 源 と な っ て お り 、 感 謝 して い ま す。 環 境 問 題 に 関 して は 、 相 手 の 非 を せ め る だ け で な く 、 自 省 を こ め て、 自 分 も 松崎早苗 (元産業技術総合研究所) 行 政 関 係 者 に は 名 前 が 浸 透 して き た よ う です。提言を続けてきたことの成果でしょう。 ONEwsLETTERvol.25 何をする、何かできる、という角度から問 題提起し、相手との相互理解や協働の仕組 み を 築 く 必 要 が あ り ま す。 貴 会 議 に こ の 面 で も 寄 与 し て い た だ け る こ と を 望 み ま す。 ダイオキシン国際会議に参加して 水野玲子 ●カネミ油症の被害実態を報告 この調査より明らかになった油症女性の壮絶な健 8 月 末 に 米 国 ボ ス ト ン で 開 催 さ れ た ダイ オ キ シ 康被害を示す一覧表は、数カ月前に国会でも大き ン国際会議に参加した。テロヘの警戒感が高まっ なパネルで紹介された。主な調査結果は次のよう ている昨今、米国への入国は一段と厳しくなって な も の で あ る。 おり物々しい雰囲気であった。我々が今回の会議 (1)87%油症(対照群53%)の女性が生理の周 に参加した目的は、カネミ油症被害者支援センタ 期、出血量、痛み、持続日数などのいずれかの問 ー の 一 員 と して、 共 同 代 表 の 佐 藤 優 子 さ ん と 共 に 題 を 抱 え て い る。 「35年後のカネミ油症女性の生殖影響」という内 (2)泊症女性57%(対照群20%)が油症発生後 容 の 発 表 を N G O と して 行 う こ と に あ っ た 。 カ ネ 35年間に婦人科疾患で入院、通院、手術のいずれ ミ油症とは、35年前に西日本一帯で14、000人を巻 かの経験がある。油症女性は実に様々な生殖器官 き込んだ食品公害事件であるが、食用油に誤って の 異 常 を 経 験 して お り 、 そ れ ら は 子 宮 内 膜 症 、 卵 P C B や ダイ オ キ シ ン が 混 入 し た こ と に よ っ て 起 巣 ガ ン、 乳 ガ ン、 子 宮 筋 腫 、 び ら ん 、 不 正 出 血 な き た こ の 事 件 ぱ 日 本 最 大 の ダイ オ キ シ ン 被 害 どである。対照群の一般女性では子宮筋腫が数名 で あ る と 同 時 に 、 ヒ ト に ダイ オ キ シ ン が 数 十 年 後 みられた程度であった。これまで婦人科疾患とし に及ぼす健康影響を予測する上で世界が Yusho て は 子 宮 内 膜 症 が ダイ オ キ シ ン と の 関 連 が 指 摘 さ と し て 注 目 し て い る 大 切 な 問 題 で あ る。 れ て い た が 、 油 症 女 性 で は 、 ホ ル モ ン 機 能 が ダイ 開際会議への世界各国からの参加は1、500人余り オキシンやPCBによってかく乱された結果の多 であり、例年のように日本からの参加者の割合が 様 性 が 示 さ れ た。 最も大きく百数十名だった。日本からNGOとし (3)その他、母親の胎内でこれらの化学物質に ての発表は我々だけだったが、米国のNGOから 曝 露 し た 女 児 が 成 長 して 無 月 経 、 無 排 卵 に な っ た は「草の根ダイオキシン戦略」(DyingFromDioxin) ケ ース 、 性 染 色 体 異 常 と 診 断 さ れ た 女 性 が い る こ と。 の著者であるロリー・マリー・ギブスが所長を務 (4)2才から7才までの子供時代に曝露した女 める 健康・環境・正義支援センター などのポ 児 数 名 が 成 長 後 に 子 宮 内 膜 症 を 発 症 し て い る ケ ース。 スター発表がみられた。そこでは、 Whenpeople (5)甲状腺の病気が多く、油症女性15%(対照 leadl)oliciesfollowのキャッチフレーズが示すよ 群 3 % ) が 甲 状 腺 ガ ン、 バ セ ド ウ シ 病 、 甲 状 腺 肥 う に 、 ダイ オ キ シ ン 汚 染 と 戦 っ て き た 市 民 運 動 の 大、甲状腺機能低下と医者に診断されていた。動 成 果 が 報 告 さ れ て い た。 物 実 験 の 結 果 で す で に 明 ら か だ が 、 ダイ オ キ シ ン によって油症女性の甲状腺ホルモンがかく乱され ●聴衆からも評価、交流のきっかけに 「カネミ油症被害者支援センター」は、事件発 生から35年後の2002年夏に女性被害者の健康アン ケート調査を実施した(調査のコントロールデー た 様 子 が 浮 き 彫 り に な っ た。 会議ではこれらの結果を発表したが、参加者か ら の 反 応 と して は 、 E P A ( 米 国 環 境 保 護 庁 ) の 一貝で、かつ、この会議の国際代表委員から大変 タ収集のために国民会議の皆さんにもご協力をい 重要な調査であるとのコメントをいただき今後の ただき、ありがとうございました)。今年2月の 交流の第一歩になった。また、NGOがこのよう 中間発表会が開催された時点では59名、今回の会 な専門家による会議に参加し、被害者の実態を知 議 で は 6 5 名 の 油 症 女 性 に つ い て の 報 告 を 行 っ た。 ら せ る こ と が 大 切 で あ る と の コ メ ン ト も あ っ た。 NEwsLETTERvo【.25● ♂ ・ こ と さらに、枯れ葉剤によるダイオキシン被害地であ る ベ ト ナム の 研 究 者 や 台 湾 の 油 症 研 究 者 と の 交 流、そして、何よりも日本国内で長年、油症の問 題に関わってきた専門家と協力してこの問題に取 り組んではというイタリアの研究者からの貴重な り , 齢 | コメントもいただいた。 そ1 現在、油症被害者の血液中PCBやPCDF濃 度の分析を、国が多額の予算を投入して実施し七 いるが、それが単なる測定と研究発表に終わらず ベ ト ナ ム 部 会 に て 枯 葉 剤 被 害 に つ い て 講 演 す る v o、 Tuan氏(講演後、日本のNGOがベトナム枯葉剤被 害 者 の た め に 大 変 貢 献 して い る と 感 謝 さ れ た ) 被害者救済のために使われるようにNGOと専門 家との新しい関係が今後模索されなければならな してのむらさき貝による海水モニタリング い と 感 じ た。 など、ここでは紹介しきれないほど数多くの 報 告 が あ っ た。 ● ダイ オ キ シ ン 最 新 動 向 今 年 の ダ イ オ キ シ ン 国 際 会 議 の 目 立 っ た 研 究、 5 . 新 し い 政 策 の 提 案 ダイ 。 オ キ シ ン 類 ・ P O P s の 予 防 原 則 の 部 会 で は、 ト ピ ッ ク を 紹 介 し よ う。 ▲EUの新しい環境政策案REACH(RegStration、 1 . P B D E s ( 有 機 臭 素 系 難 燃 剤 ) に つ いての 関 心 EV❹uationandAuthorizationofChen!kals)について は年々深まり、1998年に13あった発表が2003 議 論 さ れ た 。 も し こ の 政 策 が 実 施 さ れ た な ら ば、 年には70に増加した。最近10年間に米国で これまで化学物質はそれが危険であることが証明 は、環境中並びに人の細胞レペルでのPBDEs されないかぎり使用、販売できたものが、正反対 濃度が増加し続けている。日本からは広島湾 の原則によって安全性の証明責任を製造者や輸入 の 底 質 の P B D E s に つ いて の 報 告 が あ っ た。 業 者 に 課 す る こ と に な る。 2 . ベ トナム 部 会 で は 、 米 国 研 究 者 か ら 枯 葉 剤 ▲医療関係の施設内でのPVC(ポリ塩化ビフェ (2、4D、2、4、5T)が散布された地域の土壌な ニール)の使用を低減するための行動キャンペー ど の ダイ オ キ シ ン レ ペ ル の 測 定 、 退 役 軍 人 の ンについての報告 健康調査で前立腺ガン増加の報告、また、ベ ▲PBTs(残留性、生物濃縮性毒物)の発生と トナム 人 研 究 者 か ら は 先 天 奇 形 な どの 被 害 が 使用を抑えるための一般大衆を巻き込んだ政策を 報 告 さ れ た 。 部 会 最 後 に は 、 E P A の 女 性 が、 どう広めるかについての報告 今 後 、 ベ トナム で の 健 康 被 害 を 究 明 す る た め ▲ ダイ オ キ シ ン の 排 出 と 曝 露 を 低 減 す る た め の 草 に多額の研究費を投じることよりは、これら の根の活動がいかにゴミ焼却施設を閉鎖させた 地域の汚染除去やさらなる被害の予防にその か、また、医療廃棄物の焼却を止めさせた地域の 資 金 を 費 や す べ き で は な い か と 発 言 し た。 報 告 な ど が あ っ た。 3.会議最終日には、大ホールでトリアジン系除 草剤のアトラジン(Atrazine)がカエルの性 そ の 他 、 紙 面 の 都 合 上 こ こ で すべ て を 紹 介 す る 分化に及ぼす影響について、米国の大規模な こ と は で き な い が 、 新 し い ダイ オ キ シ ン の 科 学 的 調査報告が行われた。過去数十年に散布され 知見を示す数々の報告があった。(詳しくは たこの農薬によって、雌雄同体のカエルの誕 ORGANOHALOGENCOMPOUNDS、2003を参照) 生か広がっている生々しい映像に参加者から た め 息 が も れ た。 4.口本からの報告は、環境総合研究所の青山貞 一 、 池 田 こ み ち 氏 ら に よ る た ば こ の ダイ オ キシンリスク評価 、 市民参加の生物指標と ΦNEwsLETTERvor.25 国 民 会 議 も ダイ オ キ シ ン、 環 境 ホ ル モ ン に 関 す る 日 本 の 代 表 的 な N G O と して、 今 後 こ の よ う な 会議において積極的に日本の状況や問題などを発 言 し て い っ て は ど う だ ろ う か。 カナダの廃棄物・資源管理政策視察報告 「 脱 焼 却 脱 埋 立 て 」 を 目 指 して 佐 藤 綾 子 ごみを焼却する日本 7年前大東京のド真中の池袋に210mの世界一高い 煙 突 を 備 え た 「 ご み 焼 き 場 」 の 建 設 に 反 対 して 東 京 都 を 相手に100人が裁判を、1200人が公害調停を起こした。 ① すべ て の 飲 料 容 器 、 そ の 他 容 器 、 タ イ ヤ な どへ の デ ポ ジット制の導入(回収率は85%)。 ②廃棄物の資源化を促進する非政府組織、資源回収基金 委貝会の(ResourceRecoveryFundBoard)の設置。 燃やすごみの半分は生ごみ、残りの半分は紙、何とか ③ 広 域 市 町 村 圏 の 設 置 ( 経 済 上 の スケ ールメ リ ッ ト を 出 資 源 化 すべ き だ と 代 替 案 を 提 出 し た が 、 国 か ら の 半 分 の すため)国庫・州補助(20%)依存から脱却。地方分 補 助 金 を 当 て に して 田 中 勝 氏 ( 現 在 、 都 廃 棄 物 審 議 会 座 権、地方自治、住民参加による地理的規模を考慮、基 長)始めとする専門家と320億円の積算見積りを180億円 礎 自 治 体 と 非 営 利 組 織 に よ る 創 意 工 夫。 で落札した談合割れの石川島播磨重工にれを期に5社 から11社に談合が広がったが)の都内初の流動床型の 「 ご み 焼 き 場 」 が 建 設 さ れ た 。 現 在 は シバ シバ 故 障 しつ つ 稼 動 し て い る。 焼却したら二度と本来の資源には還らない。煙突から は様々な有害化学物質が出る。灰の後始末を含め環境保 ④ 単 な る 市 民 参 加 を 超 え た 「 ス チ ュワ ー ド シ ップ 」 の 徹 底 。 行 政 は 徹 底 的 支 援。 ⑤埋立・野焼き禁止条例の徹底、「脱焼却」「脱埋立て」 などの戦略目標を明確にし、2000年度までに廃棄物 5 0 % 削 減 の 目 標 を 選 択。 ⑥法律、条例により生ごみ、汚泥の堆肥化の義務付けと 全 に は 更 な る 技 術 が 要 求 さ れ 、 そ の 為 に 巨 大 な 焼 却 炉、 経済誘導。一般家庭廃棄物の過半を占める生ゴミの堆 溶 融 炉 が 要 求 さ れ 、 広 域 処 理 の ご み 集 め が 必 要 に な る。 肥 化 の 事 業 化 。 1 8 箇 所 の 堆 肥 化 施 設 、 カ ー ト 容 器 採 用。 公共事業の名のもと莫大な税金と補助金が焼却炉メーカ ⑦高度で高額な技術や設備でなく、すぐに利用可能で安 ーに払われる、これが日木の現状である。ごみ発電のエ 価 な 技 術 、 設 備 を 採 用。 ネルギー政策は本末転倒である。資源循環型社会の形成 ここまでの問には、焼却炉・処分場建設への市民団体 を 目 指 す 世 界 の 流 れ に 反 し て 日 本 は 資 源 を ゴ ミ と 称 し、 の 漱 し い 批 判 に 地 域 政 府 は 市 民 に 「 政 策 提 言 」 を 求 め、 世 界 一 の 焼 却 大 国 で あ る 。 こ れ を ど う 転 換 さ せ る か。 問題解決の糸口を試行錯誤で模索「ゼロエミッション・ この時の無念が尾を引き、国内を始めごみの滅量目覚 プ ラ ン 」 を 市 民 と 行 政 が 一 体 に な り ま と め た 。 排 出 抑 制、 しい韓国の大都会の生ごみ資源化など見学しまくってい 排出者責任の明確化により企業も住民も排出者責任をは た 私 は 、 こ の 夏 休 み カ ナ ダ の ノバ ス コ シ ア 州 ( N S ) たし、作業を分担し、金銭的負担、応分のリスクも共に (人口100万人)のハリファックス(人口36万人)に廃棄 背 負 う こ と に な っ た。 物・資源管理政策の成功の実態を学ぶため、環境総合研 5 日 間 見 学 し た 全 て の 施 設 は 、 ロ ー カ ル 、 ロ ー テ クノ 究 所 の 青 山 、 池 田 氏 ら の 率 い る 3 0 人 ツ アー に 参 加 し た。 ロ ジ ー 、 ロ ーコ ス ト 、 ロ ー イ ンパ ク ト と 実 に 身 近 で わ か りよかった。特に日本の焼却現場で多くの問題を起こし ノバ ス コ シ ア 州 ・ ハリ フ ァ ッ ク ス の 市 民 参 加 型 ている荏原制作所が、処理能力70tのミラー社の生ごみ ゼロエミッション 資源化工場に優れた攬絆技術を提供、陰圧による全く匂 89年、カナダは「2000年までに埋立ごみを半減させる」 ことに取組み、NS州は90年前半廃棄物減量、削減目標 わない今までの憂いを一掃した現場に会えた感激はヒト シ オ で あ っ た。 を明確化し、96年には固形廃棄物資源管理規制法で実効 持続可能な資源循環型政策の転換は、市民が声を大に 性を担保、環境労働局による以下のような廃棄物管理戦 して 責 任 あ る 提 言 を す れ ば 可 能 な の だ 、 そ の 道 は 用 意 さ 略 の 実 施 に よ り 成 功 を 導 い た。 れ て い る と 実 感 し た。 NEwsLETTERVO125Φ 環境法.の今・第15回 「特定産業廃棄物に起因する支障の 除去等に関する特別措置法」の概要 , i , 9 . ・ 。 士 佐 藤 泉 ●制定の経緯 ● な ぜ 不 法 投 棄 が 山 に な っ て し ま う の か 不法投棄を防止するため、廃棄物処理法は数 不法投棄には単発ゲリラ的なものと、継続し 回の改正をされた。しかし、悪質な不法投棄事 て大量の廃棄物が搬入される場合がある。土地 件 が 繰 り 返 さ れて い る だ け で な く 、 過 去 の 不 法 の 所 有 者 や 管 理 者 が 不 法 投 棄 を 許 し て い る 場 合、 投棄物の撤去等もなかなか進まない。不法投棄 所有者が知らないうちに不法投棄が行われる場 の現場は、火災の危険や土壌汚染・地下水汚染 合などいろいろである。そして、一回不法投棄 の危険が高く、近隣住民にとって不安の種とな が行われた場所は、繰り返し、同一業者又は他 っている。しかし、不法投棄を行った者を特定 の 業 者 が 捨 て に 来 る 場 合 が 多 い。 す る こ と や、 不 法 投 棄 者 に 撤 去 等 の 費 用 を 負 担 近 隣 の 苦 情 や 所 有 者 か ら の 通 報 が あ っ て も、 さ せる こ と は 事 実 上 困 難 で あ る 。 ま た 、 地 方 自 従来警察はあまり動かなかった。行政に相談し 治体も、莫大な不法投棄の撤去等の費用を支出 ても、行政も予算がなく人もいない等の理由で す る 資 金 的 余 裕 が な い 。 し た が って、 不 法 投 棄 ダメ 。 形 式 的 に 立 ち 入 り 調 査 を して も 、 リ サイ 現 場 が い つ ま で も 放 置 さ れて い る と い う 事 態 が クル目的だと言っているなどと、本格的な対策 し ば し ば 発 生 す る。 を と る こ と が 少 な か っ た。 そ こ で、 過 去 の 不 法 投 棄 現 場 に つ い て 、 不 法 豊島や青森・岩手県境の不法投棄は典型的な 投棄物の撤去等を計画的に推進するため、財政 例だが、住民などから最初に通報があった時点 的 な 支 援 を す る こ と を 目 的 と して 今 回 の 特 別 措 で、適切に対策をとっていれば、不法投棄がこ 置 法 が 制 定 さ れ た も の で あ る。 れ ほ ど 深 刻 に な ら な か っ た だ ろ う と 思 わ れ る。 小見出し:なぜ不法投棄が起きるのか 豊島事件では、近隣住民が産業廃棄物の不適正 産業廃棄物の不法投棄は、意図的な、経済的 処理について陳情を行ってから事業者が摘発さ 利益を目的とした犯罪である。排出事業者が関 れ る ま で 、 1 4 年 も か か っ て い る 。 こ れ に よ り、 与する不法投棄は、適正な処理費用を負担した 不 法 投 棄 さ れ た 廃 棄 物 は 5 0 万 ト ン、 処 理 費 用 は くないという動機が多い。廃棄物処理業の無許 1 0 0 億 円 を 大 き く 上 回 る と 予 想 さ れ て い る 。 ま た、 可業者又は許可業者が行う不法投棄は、最初か 青森・岩手県境の事件では、ハ戸の業者が平成8 ら預かった廃棄物を適正に処理する気持ちがな 年に不法投棄で行政処分を受けているにもかか い 場 合 と 、 予 定 して い た 処 理 施 設 の 稼 働 能 力 低 わ ら ず、 許 可 の 更 新 が 行 わ れ 、 平 成 1 2 年 ま で 許 下 な ど で 未 処 理 の 廃 棄 物 が 停 滞 して し ま っ た た 可取消が行われなかった。そのため不法投棄さ め 、 横 流 しす る こ と 場 合 が あ る 。 倒 産 、 在 庫 整 れた廃棄物は82万立米で、豊島の不法投棄量よ 理、中古市場の崩壊などにより大量に発生する りさらに多いばかりではなく、処理費用は数百 廃棄物も、不法投棄になりやすい。不法投棄の 億 円 か か る と も 言 わ れ て い る。 裏 に は 、 暴 力 団 な ど の 組 繊 的 な グル ープ が 介 在 環境省の調査によれば、5000トン以上の大規 し、排出事業者、逆搬車両、不法投棄場所など 模不法投棄は平成11年度には24件、平成12年度 を 結 び つ け て い る ケ ース が か な り あ る。 には19件、平成13年度には5件が発覚し、中小 eNEwsLETTERvol25 規模も含めた不法投棄は、全国で430ヵ所、1100 市 町 村 の 理 解 を 得 な が ら 、 環 境 大 臣 と 協 議 の 上、 万 立 米 に も 登 る と い う 。 し か し 、 こ の 数 字 さ え、 対 策 を す す め る こ と と し た も の で あ る。 氷 山 の 一 角 に 過 ぎ な い 可 能 性 が あ る。 第 三 段 階 は 、 国 庫 補 助 と 地 方 債 を 利 用 し て、 対策を行うに必要な資金的な基盤を確保するこ ● 本 特 別 措 置 法 の 内 容 とにある。原状回復費用はきわめて高額となる 上記のように、既に発生している大量廃棄物 ことから、廃棄物処理法ではすでに基金制度が 不法投棄に対し、本特別措置法は、平成15年か 設 け ら れて い る 。 し か し 、 こ れで は 到 底 ま か な ら24年までの期間でその対策を終了することを うことの出来ない過去に発生した大量不法投棄 目 的 と し て い る。 に対する、資金援助を行うことが、本特別措置 具体的には、環境大臣による基本方針の策定 法 の 最 大 の ポ イ ン ト で あ る。 が第一段階。環境大臣が主導的立場をとること により、広域的な不法投棄についても関係行政 機 関 と の 意 見 交 換 や 協 議 を 進 め る こ と が 出 来 る。 ● 本 特 別 措 置 法 の 課 題 過去の不法投棄に対する対策が促進されるこ また、専門的な知識のある担当者を送ることに とは、大切なことである。しかし、今後このよ より、より適切な処理方法・処理技術を提案す うな大量不法投棄事件が起きないようにするこ ることも可能となる。これにより、従来は情報 とはもっと大切である。既に、廃棄物処理法の がとぼしく、人事異動の多い現場の自治体に任 改正により、排出事業者責任の拡大、悪質業者 されていたために、先送りされていた案件につ の排除が進められている。警察と行政の連携も い て 、 対 策 を 促 進 す る 効 果 が 期 待 で き る。 徐々に確立してきている。しかし、循環型社会 第二段階は、都道府県又は保健所設置市によ に近づくためには、EPR(拡大生産者責任) る実施計画の策定である。都道府県等は、環境 の 強 化 、 サ プ ラ イ チエーン 全 体 を 通 し た 廃 棄 物 大臣の策定した基本方針に基づき、不法投棄廃 の 総 合 的 管 理 と リ サイクル が 必 要 で あ る 。 今 年 棄 物 の 撤 去 等 の 計 画 を 具 体 的 に 定 め る 。 そ の 際、 の廃棄物処理法改正では、適正処理困難物の製 都道府県等の環境審議会及び関係市町村から意 造者責任や、事業系一般廃棄物と産業廃棄物の 見を聴取し、また環境大臣と協議する。従来廃 統一的処理促進について根本的な見直しが行わ 棄物処理については、県と市町村とでは、処理 れなかった。廃棄物処理は、さまざまな既得権 方針等が対立することがしばしば見られた。こ や 処 理 技 術 の 変 化 に 振 り 回 さ れ て い る 感 が あ る。 れは、地元は地域の環境汚染を一刻も早く、完 事業者責任、汚染者責任の原則を、どのように 全に浄化して欲しいと求めるのに対し、県レベ 効率的に適用していくか、基本的な見直しが必 ルでは他の地域への搬出は受け入れ先の同意を 要 で あ る と 思 わ れ る。 得にくいことや処理費用を考慮すると、現場で の処理が現実的であると考えることが多いこと も 一 因 と な っ て い る 。 そ こ で 、 情 報 公 開 を 行 い、 NEwsLETTERVO125@ F % S生 態 系 の 保 全 」 と 有 害 化 学 物 質 問 題 に 取り組むWWF WWF オーロラに彩られ、白い氷に覆われた北極圏。環 境破壊とは無縁に見える世界ですが、そこにすむホ ッキョクグマやアザラシの体からは、高濃度の有害 化 学 物 質 が 検 出 さ れ ま す。 海 を 越 え 、 大 気 の 循 環 に 乗って広がっていく化学物質の脅威に、私たち人間 し二丿ニ `゛ヽ・、み7ヽ一八ノ皿 ゛5 4` と同様、野生の生き物たちも無防備なままさらされ ヤ2、ニ、ス=・..レ、・.七二ミ………J.・こ.r7?十4;? 万引ドダし丿二ご44一一゛゛、ヽ.で て い ま す。 ぬ皐謡4jムに二ムム .ニノ言、大.7J二ゴ ホ ッ キ ョ ク グ 需 ス 言 逼 詐 言 4 s ぶ 鮪 ; l 万 端 出 (提供:WWFCanon/FrancojsPIERREL) 影 響 の 強 さ 示 す 高 い ハ ー ド ル WWF(世界自然保護基金、設立1961年、会員約 450万人)は、世界50カ国にネットワークを持つ、国 際 的 な 自 然 保 護 団 体 で す。 4 0 年 以 上 に わ た っ て 生 態 報 提 供 や 、 勉 強 会 の 開 催 な ど を 進 め て い ま す。 WWFイギリスは、TheWoma slnstituteとThe 系 の 保 全 に 取 り 組 ん で き た W W F の 目 か ら 見 て も、 (卜()perativeBankの2団体と協力し、人間の体内に、 有害化学物質の問題は、重点的に取り組むべき課題 どのような化学物質が、どのくらいの量で存在して の 一 つ と な っ て い ま す。 いるかを調べる活動を開始しました。主要都市12カ 「有害化学物質や農薬など、特に内分泌撹乱、生 所で計150人から採血し、汚染の可能性のある70種余 物濃縮、残留性などの性質を持つ化学物質による生 り の 合 成 化 学 物 質 に つ い て 調 査 して い ま す。 特 に 重 物 多 様 性 へ の 脅 威 を 、 一 世 代 の 内 ( 遅 くも 2 0 2 0 年 ま 点的に調べるのは、有機塩素系農薬、PCB類、臭 で)に終息させる」。これは、地球環境を健全に保つ 化 ジ フ ェ ニ ー ル エ ー テ ル 類 で す 。 W W F イ ギ リ ス は、 ために到達しなければならない目標として、WWF 得られたデータを一般公開し、環境や人体への危険 が 掲 げ て い る も の で す。 高 す ぎ る よ う に 見 え る ハ ー を警告するとともに、有害な物質の使用削減を求め ドルは、裏を返せば、私たちが日常的に排出してい て い き ま す。 る化学物質が、生態系にいかに深刻な影響を及ぼす か を 物 語 っ て い る と い え ま す。 また、各国のWWFが協力して、ヨーロッパで生 まれつつある新しい化学物質管理の考え方をグロー バ ル に 普 及 さ せ る た め の キ ャンペ ーン を 行 う こ と も W W F の 取 り 組 み 検 討 し て い ま す。 WWFジャパンは、化学物質による環境や人体へ の影響に関心を持つNGOのネットワーク設立に協 W W F ジ ャ パ ン h t t p : / / w w w . w w r . o r g p 力 し て い ま す。 2 0 0 2 年 4 月 に は 、 P R T R 情 報 を 市 W W F イ ギ リ ス h t t p : / / w w w . w w 卜 u k . o r g 民に向けて発信する「有害化学物質削減ネットワー W W F イ ン タ ー ナ シ ョ ナル h t t p : / / w w w . ¥ J a n d a . o r g ク」(Tウオッチ)が発足しました。イヒ学物質による 注 : W W F ジ ャ パ ン は 設 立 1 9 7 1 年 、 会 員 数 約 2 万 人。 環境リスクを削減するため、ウェブサイトによる情 (記:佐久間浩子・WWFジャパン広報担当) ΦNEwsLETTERvo125 ` 。 ● 。 3 ・ ▼ ▼ ● ( 最 近 の 国 際 動 向 ) 翻 訳 : 森 谷 隆 ・インドでコーラとペプシに農薬汚染、背景に世界の が で き る の で は な い だ ろ う か。 食品生産のあり方も (出所:h卯:加ww.newindpmss.coln/Newsitems) 2003年8月中旬、インドのデリーに拠点を置く科学・ 環境センターが発表した研究成果が、インドの公衆衛生 ・ストックホルム条約(POPs禁止条約)発効真近か!? 2003年7月後半、ストックホルム会議でまとめられた 問 題 に 大 き な スキ ャン ダル を 巻 き 起 こ して い る 。 そ の 内 残留性有機汚染物質(POPs)に関する国連議定書を、ス 容 は 、 イ ン ド 国 内 で 販 売 さ れて い る 主 要 ソ フ ト ド リ ン ク イスとフランスが批准した。フランスが本議定書を批准 のコカコーラやペプシが、DDT、BHC、マラチオンなど し た こ と は 、 3 4 カ 国 中 の 批 准 国 と して、 そ の 発 行 に 大 き の 劇 物 農 薬 に 汚 染 さ れて い る と い う も の だ。 く 影 響 す る よ う だ。 2大ソフトドリンクメーカーであるコカコーラ社、ペ 国 連 の 国 連 経 済 委 員 会 欧 州 議 定 書 担 当 チ ー ム リ ー グ は、 プ シ 社 が 大 き な 非 難 を 浴 び て い る の は も ち ろ ん の こ と、 フランスが国連議定書を批准したことにより実質的に議 D D T や マ ラ チ オ ン 農 薬 製 造 会 社 に も 非 難 が 及 んで い る。 定書は発効へ向かうだろうと述べた。発行されれば国際 D D T は ベ トナム 戦 争 の 枯 葉 剤 に 入 って い た も の で も あ レ ベ ル で、 対 象 と な る 1 6 化 学 物 質 に 対 して 法 規 制 が か か る 。 マ ラ リ ア 撃 退 の た め に 、 蚊 の 殺 虫 剤 と して も 多 用 さ る。対象となる16化学物質のうち、12化学物質(アルド れた。マラチオンは、非常に強い神経毒性を持つ有機リ リ ン、 ク ロ ル デ ン、 ク ロ ル デ コ ン、 D D T 、 ディ エ ル ド リ ン 系 殺 虫 剤 と して 多 用 さ れて き た も の だ 。 こ れ ら は 、 主 要 先 進 国 で、 そ の 生 産 と 使 用 が 禁 止 さ れて い る 化 学 物 質 ン、 エ ン ド リ ン、 ヘプタ ク ロ 、 六 塩 基 ブ ロ モ 酸 ビィ フ ェ ニ ル 、 六 塩 基 ク ロ ロ ベ ン ゼ ン、 ミ レ ッ ク ス 、 P C B 、 ト ク ば か り だ が 、 な ぜ イ ン ド で こ の よ う な スキ ャン ダル が 起 サフェン)は使用が禁止または厳しく規制される。残り きるのか? の 4 化 学 物 質 ( ダイ オ キ シ ン 、 フ ラ ン 、 炭 化 物 質 、 六 塩 ま ず、 イ ン ド 政 府 の 規 制 体 制 の 不 備 が 原 因 の 1 つ だ。 基 ク ロ ロ ベ ン ゼ ン ) に つ い て は 排 出 基 準 を 設 け て い る。 アメ リ カ や 日 本 な どの 先 進 国 と は 、 比 較 に な ら な い ほ ど しかし、本議定書の発効後には、その改定が予定され だ。主要先進国及び複数の発展途上国では、これらの農 ている。その際には、議定書の批准国のみが意思決定に 薬 を 含 め 3 6 種 類 の 農 薬 の 生 産 と 使 用 が 既 に 禁 止 さ れて い 参加できることとなっており、議定書参加意志を現在示 る 。 し か し 、 イ ン ド で は 使 用 が 許 さ れ て い る の で あ る。 して い る が 批 准 を 行 って い な い アメ リ カ を 含 む 1 9 カ 国 は、 政府は、感染病・伝染病の媒介となるハエや蚊の対策に 批准を今後迫られる状況となっている。これは、その改 必 要 だ と し て い る。 定に盛り込まれる規制対象の化学物質が、各国にとって 2 っ 目 の 理 由 は 、 世 界 の 農 業 生 産 手 法 の 流 れ に あ る。 非 常 に 気 懸 か り に な る か ら で あ る。 1960∼70年代には、各国の農家は農薬の効果に疑問を持 担 当 リ ー ダー 及 び 前 議 定 書 案 作 成 補 助 官 に よ る と 、 今 ち、その使用に反対した時期もあった。しかし、世界各 後改定に伴い議定書に取り込まれると予測される化学物 国の農業政策が生産性を目的に大量の農薬使用を推し進 質 と して 六 塩 基 ク ロ ロ ブタ ジエ ン、 五 塩 基 プ ロ モ ディ フ めてきた。インドでもこれに似た状態が続き、政府の政 ェ ニ ル 、 ポ リ 塩 化 ナ フ タ レン、 ディ コ フ ォ ル 、 短 鎖 塩 素 策に追い風を受けた、国内の農薬製造業は、農薬の増産 化 パ ラ フィ ン、 エ ン ド ス ルフ ァ ン が 挙 げ ら れて い る 。 こ と販売量の拡大を進めている。毎年、あらゆる種類の業 れ ら の 規 制 内 容 決 定 時 の 意 思 決 定 に 参 加 で き な い の で は、 務 用 の 農 薬 増 産 と 販 路 拡 大 を 目 指 して 活 動 して い る。 一方では、インド民衆の農薬摂取量と曝露量が増加し 余 り に も 分 が 悪 い か ら で あ る。 続 け て お り 、 母 乳 の 汚 染 、 水 の 汚 染 が 悪 化 し 続 け、 農 薬 オ ラ ン ダ や 北 欧 諸 国 が 中 心 と な って 推 進 して い く よ う だ 由 来 の 事 故 も 多 発 して い る 。 こ れ か ら も 続 く 民 衆 の 健 康 が、ここにもイラク戦争同様の政治的駆け引きが入って 問題に目をっぶり、農業の生産性、企業の経済利益、政 くるかもしれない。いずれせよ、残留性有機汚染物質 府 の 建 前 な ど が 先 行 して い る よ う に 見 え る。 (POPs)に関する国連議定書発行が近づくことは、歓迎で ここに世界の食品汚染問題の核心を一部垣問見ること こ れ ら の 追 加 物 質 を 対 象 と し た 規 制 拡 大 に つ い て は、 き る こ と で あ る。 NEWSLETTERVol.25Φ 耳言詐鸞 回 函 ^ a 。 ・ 。 O活動報告.(03/8∼9) 1 1 月 8 日 ( 土 ) 1 3 : O O ∼ 1 フ : 0 0 上 智 大 学 中 央 図 書 館 L 9 2 1 室 ( 東 京、 四谷駅下車徒歩2分) 国 民 会 議 創 立 5 周 年 記 念 総 会 ・ シ ン ポ ジ ウ ム を 開 催 い た し ま す。 立 川 涼 国 民 会議代表、浦野紘平横浜国立大学大学院教授、森千里干葉大学大学院教授の講 8月11日広報委員会開催 8月13日家庭用品プロジェクト会合 8月27日中下事務局長環境省化学物質と 環境円卓会議参加 9月11日常任幹事会開催 演 な ど を 予 定 して い ま す。 ま た 、 総 会 ・ シ ン ポ ジ ウ ム 後 に は 、 懇 親 会 も 行 い ま す 。 詳 細 は 同 封 の ち ら し を ご 覧 く だ さ い 。 皆 様 の ご 参 加 を お 待 ち し て お り ま す。 ○ご希望の方に、国民会議の入会案内 回 l = ゛ ・ ・ を お 送 り し ま す ( た く さ ん 送 り ま す )。 「 「 セ ンス ・ オ ブー ワ ン ダー 」 清 里 フ ォ ー ラム 2 0 0 3 」 が 1 0 月 2 7 日 ( 月 ) ∼ 1 0 月 2 9 日 の 3 日 問 、 山 梨 県 清 里 の キ ープ 自 然 学 校 に て 開 催 さ れ ま す 。 国 民 会 議は28日午後、「イヒ学汚染から子どもを守ろう」というテーマでワークショッ 事 務 局 ま で ご 連 絡 く だ さ い 。 是 非、 周 囲 の 方 に も 入 会 を お 勧 め く だ さ い。 ○今回同封したアンケートに、ご回答 プ を 行 い ま す 。 ご 興 味 が お あ り の 方 、 是 非 ご 参 加 下 さ い。 く だ さ い ま す よ う お 願 い い た し ま す。 問 い 合 わ せ 「 セ ンス ・ オ ブ ・ ワ ン ダー 」 清 里 フ ォ ー ラム 実 行 委 員 会 事 務 局 国民会議の今後の活動に役立たせて TEL/FAX:0338115511 W ● ・ い た だ き ま す。 ■ ■ 二 ○ 現 在 、 ニュ ース レ タ ー に Q & A の コ ーナーをつくることを企画していま ■ オ ーフ ス 条 約 を 日 本 で 実 現 す る N G O ネ ッ ト ワ ー ク 設 立 記 念 シ ン ポ ジ ウ ム す。 皆 様 か ら お 寄 せ い た だ い た 質 問 環 境 に 関 す る 情 報 公 開 ・ 市 民 参 加 ・ 司 法 ア ク セ ス を 進 め る 欧 州 条 約 ( オ ーフ ス に対して、他の会員で回答できる人 条 約 ) を 学 び ま す。 が お 答 え す る と い う コ ー ナ ー で す。 IO月25日(土)13:40∼東京芸術劇場東京都豊島区西池袋18丿 アンケートのなかにも質問を記載す 0353912UI(代)大会議室 る 欄 が あ り ま す。 全 て の 質 問 に お 答 参加費一般1000円会員500円 えで き る か わ か り ま せ ん が 、 何 か 疑 問を持っていることがございました ら、アンケートにご記入のうえ、事 務 局 ま で お 送 り く だ さ い。 012月川日∼13日開催の「エコプ ロ ダク ツ 2 0 0 3 」 に 出 展 す る こ と に なりました。皆さま、ぜひお 編集後記 立ち寄りくださし‰開催期間 広報委員会委員長佐和洋亮 な んで だ ろ う ! の表示がない! 「遺伝子組み換え」ているアメリカ産遺伝子組み換え大豆 は と こへ い っ た の か 。 ど う や ら そ の 鍵 は、「遺伝子組み換えの大豆使用が5% 都 会 で は 嫌 煙 運 動 激 し く、駅 構 内 や 以下ならそれを表示しなくてもよい」 街 頭 で も 喫 煙 禁 止。 という例外規定にありそうだ。製品に 16世紀、鉄砲伝来と同じくポルトガ なったものを、5%以下かどうか正確に ル人によって九州に伝えられたという 識 別 で き る の か。 タバ コ は 、 今 や、 「 健 康 を 損 う 」 と の 表 タ バ コ は 、 有 害 と 表 示 して あ っ て も、 示 を 付 け さ せ ら れて、 官 民 一 体 と な っ 吸う人は吸うが、食品は、危険のおそ て 仇 の よ う に 攻 撃 の 的。 れがあると表示すると、買う人は誰も 21世紀の表玄関は、アメリカを向い い な い。 て い る 太 平 洋 岸。 「 数 知 れ ぬ 多 くの 企 業 が こ れ ま で 見 日本の大豆自給率3%、消費量の た こ と も な い 変 形 の 果 物 、 野 菜 、 家 禽、 80%はアメリカからの輸入。ところが、 魚 、 家 畜 を 造 り だ す た め に 、 遺 伝 子 を アメ リ カ 産 の 半 分 以 上 は 、 遺 伝 子 組 み つなぎ合わせるこの新しい技術を使っ 換え大豆。巨大な農業企業体は、強力 ている。赤い肉を造るために人間の遺 な除草剤に耐えられる遺伝子組み換え 伝子が豚に入れられ、サイズを大きく の種子と除草剤をセット販売。それを す る た め に 魚 に 入 れ ら れて い る 。 魚 の 特 許 ( 今 流 行 の 知 的 財 産 権 ) に し て、 遺 伝 子 が トマ ト に 入 れ ら れ る と 、 霜 に 世 界 の 農 産 物 市 場 独 占 を 狙 う。 強くなる……。近い将来、われわれの スーパーで 買 物 を して 驚 い た 。 豆 食 べ 物 は 、 虫 や 動 物 、 バ ク テ リ ア、 植 腐・味噌・醤油等のほとんどが「大 物など何百もの種の遺伝子を含む遺伝 豆 ・ 遺 伝 子 組 み 換 えで は な い 」 と の 表 子工学食品になるかも知れない。」(ア 示。2001年4月から遺伝子組み換えの メリカ市民組織「エコノミック・トレ 原 料 か 否 か の 表 示 を 義 務 づ け ら れ た が、 ンド」)。『アメリカの遺伝子組み換え作 これはどういうことか。大量に輸入し 物 』 家 の 光 協 会 刊 よ り。 中、お手伝いしてくださる方 も 募 集 中 で す。 ダイ オ キ シ ン 国民会議 環境ホルモン対策 提言と実行 ニ ュ ー ス レ タ ー 第 2 5 号 2003年IO月発行 発 行 所 ダイ オ キ シ ン ・ 環 境 ホ ル モ ン 対 策 国 民 会 議 事 務 局 〒17000〔〕4 東京祁支ツズj5区北大塚2295 大 塚 ダイ カ ン プ ラ ザ I F 環境市民ひろば TEL0359071411 FAX0359071412 編集協力・レイアウト 町老合工房キャップ *国民会議事務局のEmoilアドレスは、kokurllikaigi@syd。odn.ne.jpです。 ・ ΦNEwsLETTERvol25 ● ● ● ● ● ● ●