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Safe Car News An SBD 2015 年 9 月号 Information Service SBD Safe Car ニュースレターでは、アクティブセーフティおよび先進運転支援システム(ADAS)に 関する最新ニュースを隔月で提供しています。また、独占インタビュー、動向分析、特集記事、 SBD が発行している「ADAS ガイド 欧州、米国、中国編」の中からハイライトをお届けします。 今月の記事 Continental が Toyota Safety Sense 向けにライダーを搭載 したカメラを提供 RAC による特別解説記事: UK は スカンジナビアの交通安全対策の 成功を再現することができるのか? Volvo XC90 が Euro NCAP の Safety Assist の項目で 満点のスコアを獲得 日本: 政府、自動車メーカー、 サプライヤーが V2X サイバー セキュリティコンソーシアムを結成 Delphi が独 ヴッパータールにて車両 の自動運転試験を実施へ ドライバーモニタリングが 今後の自動運転技術に 果たす役割 Honda Pilot のセンサ技術 が最高評価 Top Safety Pick+ を獲得 ドイツの自動車メーカーが自動運転 に関する国家技術規格を開発する Ko-HAF プロジェクトに参加 Safe Car News An SBD Information Service Continental が Toyota Safety Sense 向けにライダーを搭載した カメラを提供 Continental は新たに統合型センサモジュール 「Multi Function Camera with Lidar (MFL)」 を開発しました。 MFL ではカメラと赤外線ライダー (LIDAR: Light Detection and Ranging Sensor、レーザー光による検知 と測距) をコンパクトユニットに統合しています。 MFL は現在、トヨタ自動車のコンパクトカー向け衝 突回避支援パッケージ 「Toyota Safety Sense C」 に 提供されています。MFL は、車両前方および周囲の 障害物を検知するカメラ、レーダーおよびライダーセ ンサなどを含む Continental の幅広いセンサポート フォリオの一部として提供されています。 疲労、ディストラクション、集中力の低下などは交通 事故の主な原因として挙げられますが、ADAS はドラ イバーをサポートすることでこうした交通事故の発生 件数削減に寄与することが可能です。MFL は交通事 故と無縁のドライビング環境を目指す Continental の Vision Zero 戦略を支える重要なドライバー支援技術 です。Vision Zero では交通事故による死亡者、負傷 者、ひいては事故そのものをゼロに減らすことを目標 としています。 Continental North America の CEO、Samir Salman 氏 は次のように述べています。「Continentalが Toyota Safety Sense C に提供する 3 つの ADAS 技術、プリク ラッシュセーフティ (PCS)、レーンディパーチャーア ラート (LDA)、オートマチックハイビーム (AHB) は、 安全走行および交通事故削減に大きく貢献します。こ れにより Vision Zero は実現に向け大きな一歩を踏み 出します。」 www.safecarnews.com ライダーを搭載したマルチファンクションカメラは、 二つのセンサテクノロジを統合しています。カメラと 赤外線ライダーの利点を組み合わせた新たなセンサモ ジュールは、車両前方の障害物を検知し、ドライバー に衝突の可能性を音声と映像で警告することが可能で す。ドライバーがブレーキを踏み損ねた場合、システ ムが自動的にブレーキを作動させます。センサモ ジュールは最大時速約 80 キロまで対応し、検知され た障害物までの平均時速が約 50 キロ以下の場合は衝 突を完全に回避することが可能です。時速が 50 キロ 以上出ている場合、緊急ブレーキにより衝撃が減少し ます。 スケーラビリティにより量産化に対応 特にコンパクトカーに関しては厳しいコスト制限を考 慮し、MFL モジュールはスケーラブルな設計となっ ています。アプリケーションに応じて、コンピュー ティング能力を 3 つのレベルから選択することが可能 です。これら 3 つのレベル全てにおいて、MFL は常に 自動緊急ブレーキの起動の判断基準となるロバスト性 および信頼性の高いデータを提供します。Toyota Safety Sense C パッケージにはレーンディパーチャー アラート (LDA) のほか、レーンキーピングサポート (LKS) や 交通標識認識 (TSR: Traffic Sign Recognition) といった ADAS 機能をオプションとしてセンサモ ジュールに追加することが可能です。 出典: Continental www.sbdjapan.co.jp Page 2 Safe Car News An SBD Information Service RAC による特別解説記事: UK はスカンジナビアの交通安 全対策の成功を再現することができるのか? 世界各国において、自動車事故は15 ~ 29 歳の主な死 亡原因となっています。新たな調査では、子を持つ 1,054 名のうち 35% が、各種運転免許試験の受験資格 年齢の引き上げおよび運転可能な最少の法定年齢を 20 歳に引き上げるべきだと考えていることがわかり ました。しかしながら、運転可能な最少の法定年齢を 引き上げることによって、交通事故の削減、ひいては 自動車保険料の低減につながるのでしょうか。 スウェーデンにおける交通安全対策の成功事例ではそ うならないことが示唆されています。同国における運 転可能な最少年齢は 18 歳ですが、交通死亡事故件数 は 1970 年以降 5 分の 4 に減少しています。2012 年に は、交通死亡事故の被害に遭った 7 歳以下の子供の数 は 1 名のみとなっています (1970 年では 58 名)。この ため、英国で運転可能な最少年齢を 20 歳に引き上げ ればドライバーの安全性が向上するというのは事実無 根であると言えます。 スウェーデンの取り組み 1997 年にスウェーデン議会は、交通事故による死亡 者および負傷者をゼロにすることを目指す 「ビジョ ン・ゼロ」 計画を採択しました。これにより、都市 部での制限速度の引き下げ、歩行者ゾーンや自転車走 行帯の確保、12,600 ヶ所の交差点の安全性改善など が実施され、歩行者の死亡事故件数は 5 年間で半減し ました。 「我々は、法整備よりもエンジニアリングに力を入れ ています」 と政府の交通安全戦略担当者である Matts-Åke Belin 氏は話しています。またスウェーデ ンでは道路の建設および再建にあたってスピードより も安全性を優先しており、これは 「2 + 1」 車線道路 という形で表れています。2 + 1 道路は、同一方向に 車両が走行する二つの車線と、対向車線一車線の三車 線からなる道路です。同国では、2 + 1 車線の導入に より、ビジョン・ゼロ開始から 10 年間で交通死亡事 故件数が 145 件削減されています。 死亡者あるいは重傷者の数は 2000 年以降半数以下に 減少しています。ロンドン市長は、スウェーデン同様、 エンジニアリング、教育、法整備を組み合わせ、 2020 年までに死亡者および重傷者の数をこれよりさ らに 40% 削減することを目指すとしています。 ロンドン交通局 (TfL: Transport for London) は、交通死 亡事故件数削減に向けた綿密で意欲的な計画を策定し ました。自転車用二段信号機や停止線、死角ミラーの 採用など、交通安全に関するイノベーションを TfL が 支援するというものです。道路網への資本投資は今後 10 年間で 20 億ポンドから 40 億ポンドへと 2 倍に増 額される見込みで、「Better Junction」 プログラムへ の財政支援は 1,900 万ポンドから 1 億ポンドへの増資 が計画されています。これに加え、レッドルートに関 する特定の交通安全イニシアチブへの投入資本は 3 倍 の 4,700 万ポンドに増額されています。 国を挙げての新たな交通安全対策が求められています。 また安全性をより重視した道路建設戦略、学校などで の交通安全教育の強化、英国政府の交通安全キャン ペーン THINK! などを組み合わせて実施し、英国全土 で交通安全の向上が実現することを期待しています。 英国における交通安全改善に向けた取り組み 英国の道路は欧州において最も安全な部類に入ると言 われています。とはいうものの、2014 年 6 月の時点 で交通事故による死亡者数は 3%、死傷者数では 4% 増加しています。しかしながら首都圏においては、 www.safecarnews.com 出典: RAC www.sbdjapan.co.jp Page 3 Safe Car News An SBD Information Service Delphi が独ヴッパータールにて車両の自動運転試験を実施へ ドイツのかつての重工業地域であるヴッパータールに おいて、歩行者も通行する一般的な市道上を走行する 自動運転車の可能性を検証する試験が実施されます。 ロボットが運転する試験車両は、ヴッパータールに設 けられる 17 キロに及ぶテストコース上を走行します。 このような試験が行われるのはドイツでは初めてのこ とです。テストコースはドイツ連邦道路 418 号線沿い のエリアに設置され、追い越し車線、信号機、横断歩 道などを備えています。 道路を利用する他の人々への影響も考慮されており、 自動運転車にはエンジニアが同乗し自動運転システム から有人走行に切り替えることが可能となっています。 ヴッパータールは無作為に選択されたというわけでは ありません。米国の部品メーカーである Delphi は、 この地に 700 名の従業員を有する拠点があり、ヴッ パータール当局に自社施設周辺でのテストコースの設 置を許可されました。 ドイツのアウトバーン (高速道路) の一部のセクション は、すでに自動運転車向けの設計がなされています。 ただしヴッパータールは、自動運転車の走行試験が許 可された唯一の一般的な多目的道路です。走行試験は 来年開始される予定です。 Delphi は、電気機器および誘導装置を搭載した自動運 転車を使った今回のプロジェクトに危険性がないこと を示したい考えです。 「この自動運転車には、特別な訓練を受けたエンジニ アが運転席に常駐します。」 と Delphi のスポークス マン Thomas Aurich 氏は話します。 Delphi にはこれまでヴッパータールにテストトラック がなく、自動運転システムの試験およびデモンスト レーションは北米で行われてきました。 米国は現在まで自動運転車試験を先頭に立って牽引し てきました。過去 5 年間に Google はカリフォルニア 州およびネバダ州において様々な自動運転車の走行試 験を行っています。 卵形をしたツーシーターの自動運転車の試作車は、 Google 本社のあるマウンテンビューでも試験走行が 行われています。 Delphi はこれまでにすでに北米を自動運転車で横断す る試験を実施しています。 自動運転車はどのようにドイツの道路に対応できるか ヴッパータール市長 Peter Jung 氏は市民の不安の払拭に 腐心しており、次のように述べています。「ドライバー の大半は、走行しているのが自動運転車だと気が付かな いでしょう。衝突のリスクは極めて小さなものです。」 ヴッパータールで使用される試験車両カメラやセンサ、 レーダーによる距離計測スキャナなどを搭載した走る研 究施設だと言えます。車載コンピュータは一秒足らずの 間に対象物回避、加速、減速を判断します。 最も注意が必要なのは、歩道から車道に降りてくる歩行 者への対応です。 Delphi は自動運転車の実用化は少なくとも 2020 年まで は実現しないだろうと予測しています。技術面での課題 に加え、法的な障害が存在します。車両オーナーが運転 操作を行わない自動運転車に対し、保険会社がどのよう に保険を適用するのかも不明です。 自動運転車の実用化が実現するまでに、世界各国におい て交通規制の見直しが必要になるでしょう。 ヴッパータールの警察にとって問題は簡単です。218 号 線を走行する自動運転車が交通事故に遭った場合、運転 操作を行っていたかどうかに関わらず、運転席のエンジ ニアがその責任を問われることになります。 米国、欧州、アジアにおいて法規制が自動運転車および ADAS 技術に与える影響に関しては、SBD の調査レポー ト 「セーフカーガイド 法規制および市場動向」 で詳細 に分析および開設しています。お問い合わせは SBD ジャパン ([email protected] / 052-253-6201) まで。 欧州の道路は北米とは大きく異なり、道路の横幅が広 く、交差点も大きいことが特徴です。ドイツの道路は 道幅がやや狭く、交差点には複雑なルールがあり、交 通量も多くなっています。 www.safecarnews.com 出典: DPA www.sbdjapan.co.jp Page 4 自動運転は夢か現実か? 自動運転は現実のものなのか ? 自動運転技術の現状と今後の開発に関わるキープレイヤーは ? 自動運 転とは具体的に何を指すのか ? 自動運転車に対しこうした関心が高まる今、SBD では公道上で試験走行が行われている自動運転技 術を分析し、自動運転技術が人々の利用形態にどのような変化をもたらすか、本レポートで考察し ています。 本書では、現在自動運転技術の開発に関わるキープレイヤーを特定し、開発を進める上でのそれぞ れの強みおよび弱点について分析しています。 自動運転の開発とは ? • センサ検知距離と視野を向上し、困難なシナリオに対応する(例 : 静止車両との衝突防止) • 高品質 HMI を開発し、ドライバーによる制御を維持しつつ、制御のスムーズな移行を実現する • 既存のウィーン交通条約と国連道路交通法規を改革する • そのような車両に対応できる道路インフラにする • 保険ビジネスモデルを改革する お問合わせ先 SBD ジャパン e-mail: [email protected] Tel: 052-253-6201 Safe Car News An SBD Information Service Volvo XC90 が Euro NCAP の Safety Assist の項目で満点 のスコアを獲得 Volvo XC90 が 2015 Euro NCAP テストで最高評価の 5 つ星を獲得しました。また City Safety 技術を標準搭載 した XC90 は Euro NCAP の自動緊急ブレーキ車の追突 テスト (AEB City および AEB Interurban の 2 種の緊急 ブレーキテスト) においても初の満点評価を得ました。 「Volvo XC90 は Safety Assist のカテゴリで満点を獲得 し、世界で最も安全な自動車の一つであることが証明 されました。業界の観点から見て Volvo Cars は、引き 続き自動車の安全性を高める取り組みにおけるリー ダーであり、標準装備している安全機能は他社をはる かに先行しています。」 と Volvo Car Group の研究開 発部門担当上級副社長 Peter Mertens 氏は述べていま す。 Safety Assist カテゴリで満点を獲得 XC90 は Safety Assist カテゴリで満点を獲得し、自動緊 急ブレーキテスト AEB City および AEB Interurban にお いて史上初の最高評価を得ました。 また XC90 は現時点で安全監督機関が試験プロトコルに 含めていないような高度な歩行者保護機能を備えており、 Volvo が自動車の安全性の分野において他社をリードし 技術革新を続けていることを改めて示しています。 「Volvo は自動車メーカーとして初めて Euro NCAP が AEB Interurban および AEB City の試験プロセスに適用 した要件をクリアしました。City Safety は現在車両に標 準装備されている衝突回避機能の中でも最も高度なもの の一つです。昼夜問わず特定の状況下で、車両、自転車、 歩行者を検知します。」 と Volvo Car Group の主席エン ジニア Martin Magnusso 氏は話しています。 Volvo Cars は安全目標 Vision 2020 を掲げており、 2020 年までに自動車事故による重傷者および死亡者ゼロを目 指しています。XC90 が Euro NCAP のテストで 5 つ星を 獲得したことにより、Volvo Cars は最終的な目標である 衝突事故を起こさない自動車作りに今後も引き続き取り 組んでいくことを示しています。 出典: Volvo www.safecarnews.com www.sbdjapan.co.jp Page 6 ドライバーモニタリングが 今後の自動運転技術に果たす役割 2015 年 9 月発行 自動運転の研究開発はこれまでも活発に行われてきており、ここへ来ていよいよOEM による実用化の段 階に差し掛かっています。自動運転技術は現在、ドライバー操作を一切必要としない車両システムの運 用が可能 な段階に到達しています。しかし、車両システムからの運転引き継ぎにドライバー自身がど のように対応 すべきかは不透明です。 本書「ドライバーモニタリングが今後の自動運転技術に果たす役割」では、車両の高レベルの自動化を 実現 する上でのドライバーモニタリング技術の必要性を検証し、関連企業各社の取り組みを解説して います。 より高度なドライバーモニタリング技術が必要とされる理由 2015 年 本や雑誌を読む ドライバーが車を操縦する 事務作業 2019 年 動画や映画を見る • 安全強化 • 交通事故低減 インターネット閲 覧 20XX 年 同乗者との会話 ドライバーは車を操縦す る必要がない ドライバーモニタ リングの必要性 現行のドライバーモニタリング システム、また主なモニタリング カテゴリーとパラメーターを解説 しています。 キープレイヤー SBD による分析 現在ドライバーモニタリング ソリューションの開発に取り組ん でいる OEM、Tier1 サプライヤー、 大学研究機関、ウェアラブル メーカーの概要と自動車業界以外 の関連企業の開発状況をそれぞれ 紹介しています。 キープレイヤー企業が取り組む モニタリング技術やモニタリング パラメーターをまとめ、ドライ バーモニタリング の最適なユー スケースを分析・紹介しています。 ドライバーモニタリングが今後の自動運転技術に果たす役割 レポート番号: SAF801-153 発行日: 2015 年 9 月 本書では、より高レベルな自動運転実現に向けてドライバーモニタリングが必要とされ ている理由を検証し、研究開発の活発な分野と注目を集めている技術をラインアップし ています。さらに 37 の企業・研究開発が取り組んでいる開発レベル、プロトタイプレ ベル、 および実用化レベルの車載ドライバーモニタリングソリューションを分析して います。 ドライバーモニタリングの必要性 認知負荷 • • • • • 運転傾向 モニタリングカテゴリー・ パラメーターの一例 眠い ぼんやりしている 集中している 他の事に気を取られ ている 運転負荷が多きすぎ る • • • • 安全 慎重 乱暴 あわてがち 本書では複数のモニタリングカテゴリーとパラメーターを紹介しています。 キープレイヤー 本書ではドライバーモニタリング ソリューションの開発に取り組ん でいる主要 OEM やサプライヤー 各社のモニタリングカテゴリー、 特許申請件数、技術内容、プロ ジェクトパートナーを掲載してい ます。 OEM 一覧 SBD による分析と結論 (SAE 定義による)自動運転レベル別 ドライバーモニタリング 要件 SAE 定義による 自動運転レベル分類 レベル 0 レベル 1 付加価値 体の姿勢や位置 警告性能の向上 警告性能の向上 健康状態 レベル 2 レベル 3 運転引継ぎのマネージメン ト 機能の濫用の防止 レベル 4 レベル 5 凡例: - 必須 - 不要 機能の濫用の防止 運転傾向 ドライバーが運転を引き 継げる状態かどうかの判別 ドライバーが運転を引き 継げる状態かどうかの判別 - あれば便利 - 強く推奨 本書では上記以外にもDM 向け最適ソリューションを含む 7 項目の SBD による分析と結論を掲載しています。 お問合わせ先 SBD ジャパン e-mail: [email protected] Tel: 052-253-6201 An SBD Safe Car News Information Service 日本: Pioneer が ADAS 向けに 低価格帯のレーザーを開発へ 日本: 政府、自動車メーカー、 サプライヤーが V2X サイバー セキュリティコンソーシアムを結成 日本の総務省は、自動運転車の開発を推進すると見られ る次世代運転支援システムのハッキングを防ぐ措置とし てガイドラインを作成しました。 同省は、前述のようなシステムへのサイバーアタックが 交通事故を誘発する可能性を懸念しています。 政府と連携しシステムを開発する ITS (高度道路交通シス テム) Connect 推進協議会は今秋中に、サイバーアタッ クを防ぐための技術に関する仕様を設定することを計画 しています。同コンソーシアムは、自動車メーカーおよ び家電メーカーで構成されています。 Pioneer は自動運転システムおよび先進運転支援シス テム (ADAS) 向けの 3D レーザースキャナを開発する ことを発表しました Pioneer はスキャナと高精度マップとを組み合わせ、 ユーザーの自動運転車の位置を測定し、他の車両の位 置を正確に検知することを可能にするとしています。 現在 Pioneer は試作品を作り、スキャナの基礎となる 理論の実証に取り組んでいます。また同社はスキャナ を実際に車両に搭載し、試験を行っています。現行製 品と比較し、大幅な小型化および低価格化を目指して います。 Pioneer は2016 年内には、Increment P と共同で同ス キャナを搭載した車両を開発する計画です。 Increment P は Pioneer の子会社であり、精度の高い マップ開発に取り組んでいます。さらに Pioneer は同 スキャナの車両への搭載を拡大する予定です。 Pioneer のプロジェクトで興味深いのは、スキャナを 車両に導入した後の計画です。同社は近い将来、3D スキャナ搭載車の公道における走行データを使って マップのアップデートの自動化を計画しています。た だしこれは開発の工程の中でも最も難しい部分です。 Pioneer は高度なマップデータ (データエコシステム) を効率的に整理および使用することができるシステム の開発を計画しています。同システムでは、マップの オリジナルデータと走行車から収集したリアルタイム でのマップデータとの差を計算し、マップデータを アップデートします。 システムは、周囲の自動車や歩行者、無線通信を介して 収集した交通信号に関する情報を走行車両に提供するこ とで、安全な走行の支援を目指しています。車両は検知 した危険性をドライバーに通知します。 コンソーシアムは、情報の変換を防ぐために特殊技術を 用い情報を暗号化することを検討しています。 次世代運転支援システムは、自動緊急ブレーキ技術を向 上させ、衝突を回避することが可能であるとみられます。 自動運転では自動車メーカーや家電メーカーが開発した 車載カメラやセンサなどの装備を使って車両の周辺環境 に関する情報を収集します。 計画されている次世代運転支援システムにより死角情報 なども提供され、自動運転車の安全性が強化されるとみ られています。 トヨタ自動車ではハイブリッドカープリウスのフルモデ ルチェンジ版や他のモデルに搭載されるシステムと互換 性のある装備を導入することを検討しています。 SBD の調査レポート 「コネクテッドカーのセキュリ ティ:アタックポイントとその方法」 では、コネクテッ ドカーエコシステムに存在する 50 のアタックポイント を網羅しています。本書は、コネクテッドカーがどのよ うなアタックのリスクにさらされているかや、攻撃者が コネクテッドカーを狙う動機に関して、自動車業界の理 解をサポートすることを目的としています。SBD は、車 内からモバイルネットワークを介してバックエンドの IT インフラストラクチャに至るまで全体的な視点で捉える ことが重要であると考えています。コネクテッドカーの ハッキングに関する調査の詳細については、SBD ジャパ ン ([email protected] / 052-253-6201) までお問い 合わせください。 出典: Nikkei www.safecarnews.com 出典: Japan Times www.sbdjapan.co.jp Page 9 Safe Car News An SBD Information Service 米: IIHS が19 のモデルの前方衝突回避システムを評価 14 の新車モデルが Superior 評価、5 車種が Advanced 評価を獲得しました。Superior 評価を獲得したのは、 2016 Acura ILX、MDX、RDX、RLX、2016 BMW X3、 2015 Chrysler 300 およびツインターボ、2015 Dodge Charger、2015 Mercedes-Benz C-Class (Collision Prevention Assist Plus および Distronic Plus 搭載車)、 CLA (Collision Prevention Assist Plus および Distronic Plus 搭載車)、2016 Mazda 6 および CX-5 です。2016 Volkswagen Golf、Golf スポーツワゴン、Jetta、2015 Volkswagen Touareg は前方衝突回避性能試験で Advanced 評価を獲得しています。X3 のカメラシステ ム City Braking Function 搭載車は Advanced 評価を、カ メラおよびレーダーベースのシステム搭載車は Superior 評価を獲得しています。 自動運転車の今後の展開に世間の注目が集まっていま すが、ドライバーが操作することなく車両が自動的に ブレーキをかけ衝突を回避する技術が実現し、米国の 交通安全に成果が現れています。衝突回避性能を搭載 した自動ブレーキシステムに関する消費者の理解を支 援することを目的とし、IIHS (米道路安全保険協会、 Insurance Institute for Highway Safety) は 2013 年に乗 用車の前方衝突回避システムの評価を開始しています。 警告システムと緩やかな減速機能とを搭載している車 両には Advanced 評価が与えられます。ブレーキを作動 させる前にドライバーに警告を発しない自動ブレーキ システムも Advanced 評価が付与される可能性がありま す。IIHS の試験において大幅に減速した車両モデルに は Superior 評価が与えられます。 最新の IIHS の評価では、12 車種を越える新車モデル が最高得点を獲得しています。 IIHS が前方衝突回避システムの評価を発表するのは今 回で 3 回目となります。(2014 年 5 月 29 日付けの発 表 「より性能の高い自動ブレーキシステムが前方衝 突回避項目での高評価につながる」 および 2013 年 9 月 27 日の発表 「新たな制度において初の衝突回避性 能の評価、7 車種が最高得点を獲得」 を参照のこと。 リンク先は英文で表示されます。) IIHS は時速 12 マイ ルおよび 25 マイルでの走行試験を実施し、自動ブ レーキシステムの有無、システムの性能によって Basic、Advanced、Superior の 3 段階で車両を評価し ます。 IIHS の上級副会長兼主席研究員である David Zuby 氏 は次のように述べています。「大半のドライバーは、 今すぐ自動運転車に乗ろうとはしないでしょう。短期 的には、自動ブレーキが実現可能な技術として受け入 れられると考えています。自動ブレーキを搭載した高 級車および主流車種の販売台数は増加傾向にあります。 これは交通の安全性向上を求める消費者のニーズの現 れであり、ゆくゆくは完全自動運転車の普及へとつな がることが期待されます。 NHTSA (米運輸省道路交通安全局、National Highway Traffic Safety Administration) の性能要件を満たした前 方衝突警告システムおよび IIHS のテストで最低限の 速度減少を提供した自動ブレーキシステムが Basic の 評価を得ます。 www.safecarnews.com 出典: IIHS www.sbdjapan.co.jp Page 10 An SBD Safe Car News Information Service 米安全性評議会が交通死亡事故発生 件数は 2007 年以降最悪であると発表 Telstra 、豪政府に対し自動運転車の 義務化を進言 Telstra はオーストラリア政府に対し、自動運転車の 同国道路上での使用の義務付けから生じる社会的メ リットを評価することを求めています。 Telstra はインフラの設計および計画段階における ス マート ICT の役割に関する提言を行いました。 交通事故の 9 割は人的エラーによって発生しており、 Telstra の提言によれば、自動運転車によりオースト ラリアにおける交通死亡事故件数は大幅に削減できる 可能性があるということです。 米安全性評議会では、2015 年上半期の交通死亡事故の 発生件数は前年同時期と比較し 14% 増、重症事故件数 は 30% 増と推定しています。2015 年 1 月から 6 月ま での間、全米で発生した交通死亡事故はおよそ 1 万 9 千件、重症事故は 220 万件以上に上っており、2007 年 以降、最悪の数値となっています。 Telstra の提言には次のように記されています。「自 動運転車の実現の可能性は立証されており、自動車 メーカー各社は自動運転車の開発および実用化に向け 積極的に取り組んでいます。 米安全評議会会長兼 CEO である Deborah A.P. Hersman 氏は次のようにのべています。「現在の交通安全の傾 向としては、赤信号が灯っているような状態です。運 転時には慎重かつ安全第一での意思決定を行うように して下さい。」 死亡事故および重症事故の発生件数の増加には様々な 要因が考えられますが、経済が上向き燃油価格および 失業率が低下したことで車両の走行距離が伸びたこと が一因と言えます。平均燃油価格は前年比 30% 減と なっており、2016 年にかけても横ばい状態となると見 られます。これにより、交通量は増加し、より長距離 を移動して休暇を楽しむ人が増加することが予想され ます。 米安全評議会は安全性確保のためドライバーに以下の 事項を推奨しています。 • 全ての同乗者がシートベルトを着用すること • 飲酒運転および薬物を使用して運転しいないこと、 該当する場合は代行運転を利用すること • 十分な睡眠および定期的な休息を取得し疲労状態を 回避すること • ハンズフリーであっても運転中に携帯電話を使用し ないこと • 10 代のドライバーの運転マナーに注意すること (10 代のドライバーが関与する交通事故の発生件数は運 転暦の長いドライバーが関与する交通事故と比較し 3 倍にのぼる) • 自身が所有する車両に搭載されたセーフティシステ ムおよびその使用法について理解すること。(My Car Does What では、アダプティブクルーズコント ロール、死角検知システム、バックアップカメラな ど様々な機能の理解をサポートしています。) 近頃自動運転車の市場導入は 2020 年ごろになるとい う発表が相次いでなされています。しかしながら、 自動車メーカー各社はすでに自動運転車の主要技術 であるアダプティブクルーズコントロールやレーン アシスト、自動パーキング、衝突回避自動ブレーキ といったシステムを量産車に導入しています。」 このため自動運転車の実現を 2020 年代中とする意見 は非合理的であり、先進国は車両登録を受けるため に自動運転技術をサポートすべき期日を設定してい る可能性がある、と Telstra は述べています。 オーストラリアは交通事故という大きな社会的負担 を軽減できるだけでなく、同国の業界はアフター マーケットの自動運転キットの生産、装備、運用に おけるリーダーとしての地位を確立できる可能性が あります。 Telstra は 11 月に南オーストラリアの道路において 行われる自動運転車の走行試験をサポートする予定 です。 出典: Computerworld 出典 NSC www.safecarnews.com www.sbdjapan.co.jp Page 11 Safe Car News An SBD Information Service Honda Pilot のセンサ技術が最高評価 Top Safety Pick+ を獲得 前方衝突防止システムをオプション装備した 2016 年 型 Honda Pilot が、米国道路安全保険協会 (IIHS: Insurance Institute for Highway Safety) の評価で 「2015 TOP SAFETY PICK+」 を獲得しました。ホンダ は米国政府 (NCAP) および IIHS から安全性能の最高評 価を得たことにより、3 列シート SUV でトップを目指 す同社のゴールに一歩近づきました。今回の IIHS の評 価では、スモールオーバーラップ前突テストを含む5 種の衝突テストで最高評価である 「GOOD」 を獲得し ています。「2015 TOP SAFETY PICK+」 を受賞するに は、さらに前方衝突防止システムに関する IIHS の評価 で 「Advanced」 または 「Superior」 を得る必要があ ります。2016 年型 Pilot の前方衝突防止システムはこ の評価においても最高の 「Superior」 を獲得していま す。 Honda 部門 担当上級副社長兼ジェネラルマネージャー Jeff Conrad 氏は次のように述べています。「2016 年 型 Pilot は今日技術面で最も優れた Honda 車両である だけでなく、安全性能を重視するファミリーユーザー にとって最適な SUV であると言えます。現在の市場に おいて、新型 Honda Pilot の Honda Sensing™ に匹敵す る安全性能および運転支援技術を提供しているミッド サイズの SUV はありません。」 Honda Sensing は Pilot EX 以上のトリムに搭載され、衝 突軽減ブレーキ (CMBS)、前方衝突警告 (FCW)、車線維 持支援システム (LKAS)、アダプティブ・クルーズ・コ ントロール (ACC)、車線逸脱警告 (LDW)、路外逸脱抑 制機能 (RDM) 等を含む様々なシステムがドライバーに よる周辺状況の認識をサポートします。これらのシス テムが採用しているセンサフュージョンテクノロジで は、フロントガラスに搭載された単眼カメラとフロン トグリルに設置されたミリ波レーダーシステムの機能 を統合し、歩行者を含む複数の衝突のシナリオを検知 および予測することが可能です。システムは衝突や路 外逸脱を予測すると、警告を発したのち緊急ブレーキ およびハンドル操作のアシストを作動させます。 「Honda は Pilot で最高の安全性能を追求する姿勢を示 しました。Pilot の耐衝突性能評価は高く、オプション の前方衝突防止システムではドライバーが特定の衝突 事故を一部回避することができるようになるでしょ う。」 IIHS 会長 Adrian Lund 氏は話しています。 さらに 2016 年型 Pilot では、ホンダの最新の ACE (Advanced Compatibility Engineering) ボディ構造に加 え、新開発のアンダーフレーム設計 「3-Bone」 や ホットスタンプ工法による超高強度のスチール製ドア リングを採用しています。こうした機能や技術と Honda Sensing™ により、Pilot の優れた衝突回避性能 および衝突保護性能が実現しています。 全ての Honda モデルには、車両挙動安定化制御シス テム (VSA)、ブレーキアシスト対応アンチロック・ブ レーキ・システム (ABS)、フロント用およびサイド用 エアバッグ、サイドカーテンエアバッグ、衝突時の頸 部への衝撃を緩和するフロントシート設計といった安 全性能が標準装備されています。またホンダは、リア ビューカメラの開発分野において業界をけん引してい ます。リアビューカメラは 2015 年モデル以降のすべ ての車両に標準装備されています。 出典: Honda www.safecarnews.com www.sbdjapan.co.jp Page 12 An SBD Safe Car News Information Service ドイツの自動車メーカーが自動運転に関する国家技術規格を 開発する Ko-HAF プロジェクトに参加 Adam Opel 自動運転技術に関する主な課題としては、非常に詳細 かつコンピュータ化されたマップ (これにより自動車 が走行中の道路について正確な情報を入手することが 可能)および自動運転モードを停止しドライバーによ る操作に切り替えるプロセスの開発などがあります。 自動走行技術のこの二つの分野については、現在 Opel が Ko-HAF プロジェクト内で研究を進めていま す。 Audi と GM Opel が 「Cooperative Highly-Automated Driving (通称 Ko-HAF)」 イニシアチブに参加すること を発表しました。Ko-HAF プロジェクトの目的は、高 度な自動運転車が高速道路との合流地点などを含む あらゆる交通状況下において協調して走行すること を可能にする規格および技術を開発することです。 同プロジェクトではコンピュータシミュレーション からテストコースおよび公道での試験走行まで様々 な分野をカバーしています。Audi および Opel に加え ドイツの他の自動車メーカー、サプライヤー、大学 などがプロジェクトに参加しています。 Audi は下記を含む同プロジェクトのすべての研究分 野に積極的に取り組んでいます。 • デジタルマップのベースとなる正確な道路モデル の開発 • デジタルマップを介した自動車の位置特定および 環境センサから収集したデータを使用した環境特 性の位置特定 • 運転操作を安全にドライバーに切り替えることを 可能にするコンセプト • 交通の途絶への自動対応 • 予測自動運転技術による交通の流れの最適化、よ り快適で安全な交通の実現 走行試験に使用されている技術では、安全性、パー トナーシップ、時間節約、効率性、快適さを実現し ます。Audi はこれらの技術を高級車セダン A8 の次世 代モデルで量産化する計画です。第一段階では、新 たなシステムによる駐車時およびアウトバーンでの 渋滞時の運転操作が可能になるとみられます (最高時 速 60 キロまで対応)。 専門家は人間が他の行動から運転操作へ注意 attention を切り替えるのには 10 秒かかると計算して います。このため自動運転車は、運転環境を認識する とともに操作切り替え時の交通状況を評価することが 可能でなければなりません。 自動運転車が正確な評価を行うためには、車載センサ やオンボードナビシステムのマップからより多くの情 報を収集する必要があります。 これについては Ko-HAF と Opel が共同でバックエン ドソリューション Safety Server の研究にあたってい ます。Ko-HAF では、車両が Safety Server と通信し、 オンボードセンサから道路上の車線や障害物の存在や その状態に関するデータが提供されます。Safety Server はこの情報を処理し、高度な自動運転技術に 必要なデジタルマップを車両に提供します。 Opel はサーバーアーキテクチャの設計や、インター フェースの定義、通信プロトコルの実装など、特に サーバーと車両間の通信分野に取り組んでいます。 Opel が次に力を注いでいるのはドライバーの行動に 関する分野です。同社のエンジニアは、自動運転中の ドライバーの行動を検知および分類するためのソフト ウェアおよびセンサシステムの開発を行っています。 同社は自動運転からの切り替えの際にドライバーがど のような反応を示すのかを予測するために、運転状況 とドライバーの車内での行動との相関関係に着目して います。 Ko-HAF プロジェクトは 2015 年 6 月に開始し、2018 年 11 月まで実施される予定です。同プロジェクトの 予算は合計 3,630 万ユーロで、経済エネルギー省から 支援を受けています。 出典: Audi, Adam Opel www.safecarnews.com www.sbdjapan.co.jp Page 13 Safe Car News An SBD Information Service 中国の自動車メーカーが V2X 技術の試験を米国で実施 中国の大手自動車メーカーの一つである Changan (長 安汽車) が、自動車と交通信号の無線通信を可能にす ることで交通事故を防止し渋滞を緩和させる技術の試 験を行っています。中国には現在のところこのような 技術に対する規格は存在しないものの、同社は米国自 動車メーカーに先駆け、2018 年中に何らかの形で車 車間通信を導入できる可能性がある、と同社の関係者 は話しています。 V2V および V2X 通信技術を搭載した Changan の小 型 SUV 「CS35」 は、ダッシュボード上の Android タブレットに接続されたワイヤレストランスミッ ターおよびレシーバーを備えています。見通しの 悪い交差点などで同技術を搭載した他の車両が近 付くと警告を発します。また、高速で急カーブに 近づいた場合には、路肩のビーコンからの信号を 受け取り警告を表示します。 重慶市に本拠地を置く Changan は、米国ミシガン州 プリマスの研究開発センターにおいて車車間 (V2V) お よび路車間 (V2I) 通信技術の試験を行っています。同 社は米国での自動車販売は行っておらず、同国市場へ の参入も検討していないということです。しかしなが ら、米国の施設において車車間技術の試験を行ってい ることから、母国中国での V2V 通信技術の可能性を 見据えているものとみられます。 V2X 通信技術の課題の一つは、同技術がユビキタ スに至るまでに時間がかかるとみられることです。 中国は現在世界最大の自動車市場を形成している ものの、人口当たりの自動車所有率は米国、欧州、 日本と比較すると依然としてはるかに低い状態で す。また中国は、技術開発の面で米国、欧州、日 本に大きく後れを取っています。 V2V 通信は自動車の衝突を防ぎ、交通量を適正化する ための安価かつ効果的な方法として欧米で推進されて いる技術です。V2X システム搭載車は、自身の位置や スピード、走行方向といった有益な情報を提供し、車 載コンピュータがその情報を基に差し迫った衝突の可 能性を検知して警告を発します。一部の企業でも、商 用車の効率的な高速隊列走行を可能にするカスタム通 信システムの開発を行っています。 カーネギーメロン大博士課程で、中国における電 気自動車の採用についての研究を行っている John Helveston 氏によると、中国の自動車市場で優位を 占める外国メーカーは同国に古い技術を持ち込み 販売する傾向があるということです。また、たと え中国国内のメーカーが V2V システムの導入に関 心を示したところで、「100 台中 5 台が車車間通信 できてもあまり意味はない」 と同氏は話していま す。 ミシガン州アナーバーにおいて数千台の車両を使って 行われた V2V 通信技術の試験の成功を受け、米運輸 省は 2015 年後半に仕様を発表する可能性が高いとみ られています。V2V 通信技術は 2017 年にハイエンド モデルの Cadillac への搭載が予定されており、以降米 国では同技術の搭載が義務化される可能性があります。 中国での展開は不明確であり、同国政府は V2V 通信 技術の研究を行っているものの、いつそれを導入する かについては明言していません。 www.safecarnews.com 出典: MIT www.sbdjapan.co.jp Page 14 ADAS ガイド 欧州編 米国編 中国編 本書について • 本ガイドは欧州、米国、中国で展開する自動車メーカーを対象としています。 • 本ガイドでは下記の先進運転支援システムを網羅しています。 • データベースでは、各 ADAS アプリケーション別の提供状況を自動車メーカー毎に 示しています。 欧州 ADAS ガイド – • 各モデル毎のシステム提供状況 • ADAS アプリケーション別の搭載率、 価格、機能 • 自動車メーカー別動向分析 • Tier 1 サプライヤー別動向分析 お問合せ先 : [email protected] 052-253-6201 Contact: [email protected] An SBD Safe Car News Information Service ALFA ROMEO AUDI 8 BMW 8 2 7 3 6 9 10 12 9 4 8 12 6 9 3 CHEVROLET 2 CITROEN 2 6 4 2 2 FIAT FORD 5 5 5 3 6 6 HONDA 3 1 3 1 3 1 HYUNDAI 1 1 4 1 INFINITI 5 5 4 3 JAGUAR 2 2 JEEP 2 1 KIA 1 LAND ROVER 3 3 LEXUS 5 5 MAZDA 2 3 MERCEDES-BENZ 15 1 9 14 MINI 1 1 MITSUBISHI 1 1 NISSAN OPEL/VAUXHALL 3 PEUGEOT 1 PORSCHE 7 6 4 3 2 6 3 1 2 1 5 2 6 1 2 2 3 4 3 3 3 3 3 14 15 2 14 12 1 1 1 1 3 3 3 6 6 5 1 7 3 3 2 LANCIA 6 1 5 RENAULT 3 3 3 2 1 1 5 1 2 SEAT 1 2 1 2 2 1 SKODA 1 2 1 1 3 3 TOYOTA 3 3 VOLKSWAGEN 8 1 8 VOLVO 8 8 8 SMART SUBARU SUZUKI 2 2 10 10 6 12 11 8 8 9 8 4 www.safecarnews.com www.sbdjapan.co.jp FOR FEEDBACK OR QUESTIONS PLEASE CONTACT: [email protected] 2 Page 16 20 An SBD Safe Car News ACURA 2 AUDI 7 BMW 6 3 6 Information Service 2 3 3 5 4 6 2 BUICK 4 7 3 6 9 7 5 10 2 4 5 3 5 5 5 5 10 CADILLAC 3 3 CHEVROLET 1 5 CHRYSLER 1 1 2 2 DODGE 2 2 4 6 FORD 5 5 3 6 1 1 1 1 4 3 10 2 1 7 5 4 6 3 4 1 2 2 1 2 8 3 5 GMC HONDA 2 HYUNDAI 2 INFINITI 6 JAGUAR 3 2 JEEP 2 2 KIA 1 LAND ROVER 2 LEXUS 8 6 LINCOLN 4 4 MAZDA 1 1 2 10 4 11 MERCEDES-BENZ 4 3 3 1 5 1 2 3 2 3 1 3 5 5 3 4 5 1 5 4 10 11 11 1 1 1 NISSAN PORSCHE 8 12 7 MINI MITSUBISHI 11 5 5 5 2 2 17 2 2 5 SCION SMART SUBARU 2 TOYOTA 4 1 2 2 3 1 4 5 11 6 VOLKSWAGEN VOLVO 4 4 4 4 7 www.safecarnews.com www.sbdjapan.co.jp FOR FEEDBACK OR QUESTIONS PLEASE CONTACT: [email protected] 4 6 Page 17 21 An SBD Safe Car News Information Service 6 ACURA AUDI 6 6 2 1 7 4 9 Baojun 2 Beijing 2 BMW 6 BUICK 1 2 2 3 1 1 7 1 10 1 8 2 BYD 2 CADILLAC 13 2 2 7 CHANA 10 CHERY 12 6 CHEVROLET 1 CITROEN 12 DODGE 1 DONGFENG 3 EAGLE 2 1 EMGRAND 3 6 ENGLON FAW 1 1 2 1 6 4 FIAT FORD 3 3 2 2 6 12 GAC 2 GREAT WALL 8 HAIMA 6 HONDA 10 HYUNDAI 3 INFINITI 5 1 3 4 1 19 3 3 8 12 JAC JAGUAR 2 JEEP 1 2 3 1 1 1 KIA LAND ROVER 2 LEXUS 8 3 1 1 15 1 8 5 2 5 4 3 10 2 LIFAN www.safecarnews.com www.sbdjapan.co.jp FOR FEEDBACK OR QUESTIONS PLEASE CONTACT: [email protected] Page 18 22 An SBD Safe Car News Information Service 3 LUXGEN 3 3 3 7 MAZDA 4 MERCEDES-BENZ 2 11 14 MG 4 MINI 7 MITSUBISHI 1 NISSAN 1 1 1 9 1 1 12 3 OPEL 10 PEUGEOT PORSCHE 5 5 2 5 2 RENAULT 8 RIICH 4 ROEWE 5 SEAT 1 SKODA 3 1 SOUEAST 3 SUBARU 5 SUZUKI 7 TIANJIN YIQI 1 TOYOTA 3 3 1 2 12 21 VOLKSWAGEN VOLVO 4 4 5 6 4 8 YOUNGMAN LOTUS 2 ZHONGHUA 11 4 ZOYTE www.safecarnews.com www.sbdjapan.co.jp FOR FEEDBACK OR QUESTIONS PLEASE CONTACT: [email protected] Page 19 23 An SBD Safe Car News Information Service 開催地 イベント 開催日 Frankfurt IAA Motor Show ドイツ フランクフルト 2015 年 9 月 15- 27 日 Intelligent Transport Systems ITS World Congress フランス ボルドー 2015 年 10 月 5- 9 日 SAFECar CARレポート レポート Safe お問い合わせは SBD ジャパン ([email protected] / 052 253 6201 まで) セーフカーガイド 法規制及び市場動向(四半期更新)- NEW - SAF535 2015 年 9 月 最新版発行 ドライバーモニタリングが今後の自動運転技術に果たす役割 - NEW - SAF 801 2015 年 9 月発行 ADAS ガイド – 2015年(欧州、米国、中国) SAF534 2015 年 4 月欧州版発行 2015 年 5 月米国版発行 ADAS市場予測 - 2015年 SAF538 2015 年 4 月欧州版発行 2015 年 7 月米国版発行 ADAS 将来予測 (欧州、米国、中国) SAF538 2015年4 月発行 (欧州版) 2015年1月発行 (中国版) 2015年7月発行 (米国版) ADAS HMI の評価 SAF604 2015 年 2 月発行 AEB (緊急自動ブレーキ) の試験基準とセンサ技術、および今後の展望について SAF605 2014 年 10 月発行 自動運転は夢か現実か? SAF606 2014 年 10 月発行 センサーフュージョンと単一センサシステムの比較評価 SAF561 2014 年 5 月発行 Tier-1 の次世代 ADAS ソリューションの概要 SAF562 2014 年 3 月発行 V2X ガイド SAF523 2014 年 1 月発行 ADAS HMI プラクティス : OEM の ADAS HMI 実装方法 SAF560 2013 年 12 月発行 ADAS 調査 : ADAS ユーザーのシステムに関する理解と評価 SAF559 2013 年 12 月発行 新興国における先進セーフティシステムのニーズ考察 SAF525 2013 年 8 月発行 新興国における先進セーフティシステムのニーズ考察 SAF525 2013 年 8 月発行 エンドユーザー調査 中国における ADAS に対するユーザーニーズ SAF541 2013 年 6 月発行 欧州におけるカメラベース ADAS の技術・市場動向 SAF524 2013 年 5 月発行 www.safecarnews.com www.sbdjapan.co.jp Page 20