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がん検診で早期発見!
健康特集 則 ための鉄 る 守 を 身 ら か ん が がん検診で早期発見 ! 生涯のうちで2人に1人が「がん」になるといわれている時代。日本における死因 の第1位はがんです。がんは体の中で静かに成長し、気づいたころには手の施しよう がない状態になっていることも少なくありません。しかし、その一方で、医療の進歩 により、がんを早期の段階で発見・治療すれば完治することも可能になりました。 がんから身を守るためには、早期発見が大切です。そして、自覚症状のないがんを 発見するための唯一の方法が「がん検診」なのです。 目で見る がん発生の メ カ ニ ズ ム 細胞分裂の際、タバコや紫外線など の危険因子によって細胞の設計図で ある遺伝子に突然変異が起こり、コ ピーミスが起こることがあります。 がん細胞の 生き残り 免疫細胞 免疫細胞のがんへの攻撃力は 年齢とともに低下 人間の体は約60兆個の細胞で できており、細胞分裂によって 毎日、新しく生まれ変わります。 コピー ミス 生活習慣を見直して がんのリスクを減らす がんの発生には、加齢とともに喫煙や食事、飲酒、 肥満、紫外線など、さまざまな環境要因が関係してい ます。 「がんは遺伝によるもの」と思っている人も多 いようですが、がんを招きやすい生活習慣を見直すこ とが、一番のがん予防になります。 12 コピーミスで生まれた細胞の多くは、 体内で免疫細胞の攻撃を受けて消滅 します。免疫細胞の攻撃を逃れて、生 き残った細胞が「がん細胞」になり、 無制限に分裂・増殖をくり返します。 がんを招く生活習慣 年齢が高くなるほど、こうした生活習慣が がんのリスクを高めることに…。 ●喫煙 ●塩分のとりすぎ ●脂肪のとりすぎ ●お酒の飲みすぎ ●肥満 ●運動不足 など がんは100% 防げない 自覚症状がないからこそ検診受診 どんなに健康的な生活を送っていても、残念な がら、がんになる可能性をまったく無くすことはで きません。 がんが恐ろしいのは、自覚症状が現れた段階で はかなり進行しているケースが多いこと。自覚症状 がほとんどない早期にがんを発見するもっとも有効 な手段は「がん検診」です。 ただし、がんが1cm 程度の大きさにならないと、 検診で見つけるのは困難です。そのくらいの大きさ になるのが40歳頃に多いといわれており、一般的 に40歳頃からの検診受診が重要視されているのも そのためです。 ※若年層に増加している子宮がん検診の受診推奨年齢は20 歳以上とされています。 検診を受けずに放っておくと、がん細胞の分裂・ 増殖は加速し、進行がんに。自覚症状が現れた ときには、他の臓器へ転移している危険性が高 １㎝以下のがん細胞は発見が困難 １個のがん細胞が分裂・増殖し、１㎝ （約10億個）のがんになるまで、10 ～20年かかります。自覚症状はあり ませんが、検診でようやく発見可能 な大きさになります。 がん0.01㎜ 1㎜ 5㎜ まります。 だから 定期的な検診 が 大切 です 3㎝ 2㎝ 1㎝ 約１～５年 急激に成長 約10～20年 かけて成長 長い時間を 早期発見できる期間は短い 人間ドックなどの精密 な検査では、微少なが んの発見が可能。 例えば、乳がんの場合、１㎝のがんが２㎝にな るには１年半しかかかりません。早期に乳がん を発見できるのは、たった１～２年間です。 早期に見つければ がんは完治も可能 し、がんの早期発見や、がんになる前の状態 で発見が可能になってきました。早期に治療 を行えば、がんは完治をのぞめます。しかし、 日本のがん検診の受診率は３割前後と低く、 早期発見のチャンスを逃している人も多いと いえるでしょう。 （2003～2005年診断例） （％） 100 早期がん 進行がん 限局 早期ほど生存率は高い 領域 遠隔 80 〔５年生存率〕 医学の進歩により、がん検診の精度は向上 ■地域がん登録における部位別５年生存率 60 40 20 0 全がん 胃 大腸 肺・気管 （女性） 乳房 子宮頸部 資料： 「がんの統計 '13」 （公益財団法人がん研究振興財団） 13 健康特集 がん検診で早期発見 ! これだけは受けておきたい 5つのがん検診 がん検診の目的は、がんを早期に発見し、適切な治療をして、がんによる死亡を減らすことにあります。 次の5つのがん検診は、その効果が科学的に証明されており、自治体などでも広く実施されています。 肺がん 治りにくいがんの1つ。喫煙者だけでなく、非喫煙者にも増えているがんです。 肺がんのリスク要因 □タバコを吸う □タバコを吸わないが受動喫煙 がある □60歳以上 □仕事上や生活上、粉じんを吸 い込むことが多い 大腸がん □肉が好きで、野菜をあまり食 べない □肥満 □お酒を飲む量が多い □便秘ぎみ □運動習慣がない □大腸がんになった血縁者がいる 胸部X線検査 喫煙者 （ハイリスク者※のみ）は喀痰細胞診を併用 胸部 X 線検査は、胸部に X 線を当てて撮影し、 肺のようすを調べます。喀痰細胞診では、痰に がん細胞が混じっていないかを調べます。 ※ハイリスク者：50歳以上で喫煙指数（1日に吸う本数 ×喫煙年数）が600以上。 検 査 方 法 便潜血検査 40歳以上の人は年1回推奨 腸にがんができると、便に血が混じることがあ ります。この検査では、便を採取して血液の有 無を調べます。採取方法は、便の表面をスティッ クでこするだけです。 ピロリ菌の感染率が高い50歳以上の人は、とくに注意したいがん。 胃がんのリスク要因 □塩辛いものをよく食べる □野菜や果物をあまり食べない □胃潰瘍や十二指腸潰瘍を繰り 返す □タバコを吸う □ピロリ菌に感染し、萎縮性胃 炎がある 14 40歳以上の人は年1回推奨 女性のがんによる死亡者数でもっとも多い。男女とも増加傾向にある。 大腸がんのリスク要因 胃がん 検 査 方 法 検 査 方 法 胃X線検査 40歳以上の人は年1回推奨 （バリウム） バリウム（造影剤）と胃を膨らませる発泡剤を 飲み、胃に X 線を当てて撮影し、胃の形や胃壁 の変化などを観察します。撮影の際、バリウム が胃全体に付着するように体を上下左右に動か します。 子宮頸がん 若い女性に急増。検診でがんになる前の状態で見つけることができる。 子宮頸がんのリスク要因 □性交渉の経験が多い □初めて性交渉した年齢が低い □妊娠・出産の回数が多い □タバコを吸う 乳がん 20歳以上の女性は2年に1回推奨 検 査 方 法 子宮頸部細胞診 内診（子宮の触診）で医師が子宮の形状 や大きさを調べた後、子宮頸部（入り口） の細胞を専用のブラシで軽くこすって採 取し、がん細胞がないかを調べます。 検診で子宮頸がんの 予防が可能 子宮頸がん検診は、がんにな る前の状態（異形成）を見つ けることができ、定期的に受 けることでがんを防ぐことが できます。 女性がもっともなりやすく、若い世代でも死亡する人が多いがん。 乳がんのリスク要因 □出産・授乳経験がない、初産 年齢が遅い □初潮が早い、閉経が遅い □閉経後、肥満傾向にある □飲酒量が多い □乳がんになった血縁者がいる 検 査 方 法 40歳以上の女性は2年に1回推奨 マンモグラフィ検査＋視触診 マンモグラフィ検査は、乳房を片方ずつ 板ではさみ、数十秒間 X 線撮影をして、 がんが疑われるしこりや石灰化がないか を調べます。視触診は、医師が乳房の状 態やしこりの有無を調べます。 月１回の セルフチェックも効果的 月１回、月経後１週間くらい のタイミングで、乳房の形や、 へこみやひきつれ、しこり、 乳頭のただれなどがないかを チェックしましょう。閉経後 の人は、毎月、日を決めて行 いましょう。 ※各がん検診の推奨年齢・回数は「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」 （厚生労働省）を基に記載しています。 健康保険組合ががん検診の費用を補助します ください ぜひご利用 種 類 消化器健診（胃部 X 線） 乳がん検診 子宮がん検診 人間ドック 年 齢 35歳以上 40歳以上 20歳以上 40歳以上 対象者 任継・特退被保険者 被扶養者 被保険者 任継・特退被保険者 被扶養者 被保険者 任継・特退被保険者 被扶養者 任継・特退被保険者 被扶養者 補助額 健診費用の９割を補助、 補助額の上限8,100円 健診費用の９割を補助、 補助額の上限6,300円 健診費用の９割を補助、 補助額の上限6,300円 健診費用の半額を補助、 補助額の上限２万円 ※人間ドックには、胃部 X 線・胸部 X 線・便潜血検査が含まれています。 申込・受診方法 【契約健診施設で受診する場合】 ①健診施設に直接連絡して予約してください。 ②予約後、「健康診断受診申込書」を、受診予約 日の１カ月前までに、当組合に提出してくだ さい。 ③健診当日は、健診費用の自己負担分を健診施 設にお支払いください。 ※契約健診施設は、当組合のホームページで検索で きます。 【一般病院等で費用を全額立て替えて受診する場合】 ①健診施設に直接連絡して予約してください。 ②予約後、「健康診断受診申込書」を、受診予約日の１カ月前ま でに、当組合に提出してください。 ③当組合より「保健事業費各種補助金支給申請書」とご案内が 届きます。 ④健診当日は、 健診費用を全額、 健診施設にお支払いください（保 険証を使用すると補助の対象外になります） 。 ⑤受診後、「保健事業費各種補助金支給申請書」に領収書などを 添付し、当組合に提出してください。 ⑥当組合にて提出書類を確認・審査のうえ、補助金が支給され ます。 15