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化学物質の危険性・有害性の調査法
化学物質の危険性・有害性の調査法 1.有害性物質から身を守る 2.有害物質の情報(MSDS)を集める 1.有害性物質(有機溶剤)から身を守る 有機溶剤:使用量多い・低刺激 体内へ浸入・蓄積しやすい 中毒の危険性が高い 労働安全衛生法 第六十五条 事業者(筑波大学)は、 有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場(化学実験室)で、 政令で定めるものについて、厚生労 働省令で定めるところにより、 必要な作業環境測定(有機溶剤の濃度測定)を行い、 及びその結果を記録しておかなければならない。 作業環境測定(実験室の空気のサンプリングと検査):半年に1回 作業環境評価基準*に基づいて評価 3ランクに分けられる 第一管理区分: 作業環境が良好、特別な措置は必要なし 第二管理区分: 基準を満してはいるが改善の余地があり 第二管理区分: 業務(実験) 継続可 第三管理区分: (作業環境測定の結果の評価等) 第六十五条の二 事業者は、前条第一項又は第五項の規定による作業環境測定の結果の評価に基づいて、 労働 者の健康を保持するため必要があると認められるときは、厚生労働省令で定めるところにより、 施設又は設備の設置又は整備、健康診断の実施その他の適切な 措置を講じなければならない。 *作業場所の空気中に含まれている有害物質の濃度を一定のレベル以下に保つための基準 第三管理区分になりうる例 簡易な対策例 第三管理区分 (有機溶剤の管理濃度を超える) 局所排気装置の無い実験台上で カラムクロマトグラフィーを行い、 分取後に蓋をしない ①直ちに施設、設備、作業工程 または作業方法の点検を行わね ばならない 共栓付試験管を使用 全てのサンプルへの蓋を徹底 ②点検結果に基づき施設または 設備の設置または整備の改善を 図らねばならない ③その結果、管理区分が第一、 または第二となるようにしなけ ればならない。 使用後のカラムを 卓上で乾燥 使用後は ドラフト内乾燥 第三管理区分になりうる例② 簡易な対策例 流しで洗浄用のアセトンを使用 洗浄用アセトン、ドライヤーを ドラフトに移動 廃液タンクを 流しの下に設置 廃液タンクを ドラフト前に移動 その場しのぎの対策ではすぐに元に戻ってしまう より効果的な改善策=局所排気装置の設置 排気効率を高めるため、実験 台の左右、上側へビニールシー トを取り付けた。 実験台に局所排気装置 を設置 排気はドラフトチェンバー へ流入 化学系安全管理委員会 ① 実験台上でカラムクロマトグラフィーを行う ② 学生・ スタッフの健康を保全 ③ 法令遵守の確実性をあげる ①-③を満たすために、 実験台への局所排気装置の導入を提案 2.有害物質の情報を集める ①.MSDSって何? ②.MSDSの内容は? ③.MSDSを集めよう! ④.MSDSの例 ⑤.MSDS制度とは? ⑥.MSDS制度の対象事業者は? 1.MSDSって何? Material Safety Data Sheet 物質(単一の化学物質、製品) 安全 データ シート 実験者(私たち)が 安全に化学物質を取り扱い、管理するのに 必要な情報(性状・取扱い方)が書いてあるシート 2.MSDSの内容は? ・提供者名、連絡先 ・対象物質名 ・政令上の号番号、種類、含有率 ・漏出したときの対処法 ・取扱い上/保管上の注意 ・廃棄上/輸送上の注意 ・基本的な物性 ・とくに安定性、反応性、有害性、暴露性 など 3.MSDSを集めよう! 簡単な例 http://www.siyaku.com/ MSDS検索 クリック! 3.MSDSを集めよう! “クロロホルム”で 検索! 4.MSDSの例(クロロホルム) 5.MSDS制度とは? • 誰が? ある事業者(薬品会社など)が • いつ? 危険・有害物質の売却や譲渡のとき • 何を? MSDSを 提供しなければならない制度(化学物質排出把握管理促進法より) 危険・有害な物質とは? 第一種指定化学物質(354種) 第二種指定化学物質(81種) 435物質 それらを含有する製品(指定化学物質等) MSDS制度の位置付け(経済産業省のホームページより) 6.MSDS制度の対象となる事業者は? 対象事業者:指定化学物質等を取り扱うすべての事業者 PRTR制度の対象事業者と異なり、 業種や常用雇用者員数、年間取扱量による除外要件はない。 つまり、 指定化学物質等を取り扱っているすべての事業者が対象となる。 化学系安全管理委員会から 1.各研究室でMSDS集を作成し、実験する 人が見やすい場所に常備しましょう 2.MSDSでカバーしきれない 試薬情報を共有しましょう PRTR法でMSDSの提供( 交付) 義務がある物質は、「 第一種指定化学物質」 と「第二種指定化学物質」です。 第一種指定化学物質とは、人の健康および動植物の生息や生育に有害なおそ れがある等の性状をもつ化学物質のなかでも、環境中に広く存在すると認めら れる354物質群 ( トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロメタン、ホルムアル デヒド、亜鉛化合物など) 「第二種指定化学物質」 は、その製造量、輸入量又は使用量の増加等により、 相当広範な地域の環境において当該化学物質が継続して存在すると見込まれ る81物質群( アセトアミド、ビフェニル、メチルヒドラジン、インジウム及びその化 合物など) を指します。 日本では、 1.毒物及び劇物取締法に指定されている毒物劇物、 2.労働安全衛生法で指定された通知対象物、 3.特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 (化学物質排出把握管理促進法、PRTR法、化管法とも呼ばれる) の指定化学物質を譲渡・ 提供するときに、MSDSの提供が義務化されている。 MSDSは、基本的に設計資料を基に作成されます。したがって 原則は不純物等は考慮しない。しかし、PRTR法等の法的な 根拠に基くために重用されている。設計の範囲を超えた不純物に対して の確認を行うためICPデータ資料により、管理状態を証明するため第三者機関に依 頼して分析測定することが一般的である。 PRTR制度の対象となる化学物質は、本法上「 第一種指定化学物質」として 定義されています。具体的には、人や生態系への有害性(オゾン層破壊性を 含む)があり、環境中に広く存在する(暴露可能性がある)と認められる物質と して、計354物質が指定されています。そのうち、発がん性のある「特定第一 種指定化学物質」として12物質が指定されています。