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はいたっく掲載記事(PDF形式、311kバイト)

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はいたっく掲載記事(PDF形式、311kバイト)
(上)オエノングループの核となる酒類事業では、焼酎、
日本酒、
ワイン、
リキュール
それぞれ個性的なブランドの人気商品がラインアップされている
などで、
(左)東京工場敷地内にあるオエノンシステムセンター
GEMPLANET Ver.2を会計処理基盤に据えた
グループ13社を統合する「システム改革プロジェクト」
オエノンホールディングス株式会社
http://www.oenon.jp/
オエノンホールディングス株式会社は、
さまざまな企業文化を持った12の事業会社のシナジーを最大化させるため、
「グループシステム改革プロジェクト」を立ち上げ、
情報システム基盤の再構築に着手。
ジェムプラネット
会計システムにシェアードサービス対応の「GEMPLANET Ver.2」を適用し、
連結決算の早期化や内部統制、
業務フローの標準化を図りました。
プロスコープ・シー
また、
原価計算システム「ProSCOPE-C」の導入により原価管理の精度向上も実現。
グループ全体最適に向けた会計処理基盤の構築により、
業務改革のスピードを一段と加速させています。
オエノンホールディングス株式会社
オエノンシステムセンター長
佐藤 英輝 氏
3
はいたっく2009-9
All Rights Reserved,Copyright ©2009,Hitachi,Ltd.
USER PROFILE
オエノンホールディングス株式会社
本 社:東京都中央区銀座6-2-10 資 本 金:6,946百万円(2008年12月31日現在)
従業員数:1,079名(連結)/ 79名(単独)
(2008年12月31日現在)
事業内容:純粋持株会社。酒類事業、食品事業、酵素医薬品事業、
不動産事業などを展開する12の事業会社を傘下に持つ
酒類事業を中心に幅広いビジネスを展開するオエノングループ
発酵技術を核としたバイオテクノロジーをベースに、
酒類事業、
食品事業、
酵素医薬品事業、
不動産事業など、
幅広いビジネスを
展開しているオエノングループ。
コア事業となる酒類事業では、
しそ
たんたかたん
焼酎「鍛高譚」や海洋深層水を使用した焼酎「グランブルー」、
ト
マトのお酒「ラ・
トマト」などのヒット商品をラインアップ。同グループが
経営するレストラン
「ル・シズィエム・サンス・
ドゥ
・オエノン」が『ミシュラ
ン東京』に2年連続で掲載されたことも大きな話題となりました。
さら
に2007年には国産バイオ燃料の促進をめざす国家プロジェクトにも
参入。米を主原料とするバイオエタノール製造を実現させるため、
北海道苫小牧市に新工場を建設するなど、
将来価値の共創に向
けた積極的な経営戦略は、
常にオリジナリティにあふれています。
グループ企業の持株会社であるオエノンホールディングス株式
会社(以下、
オエノンHD)
は、
合同酒精株式会社
(以下、
合同酒精)
を母体に、
2001年以降のM&A戦略によって焼酎メーカーの福徳
長酒類株式会社(以下、
福徳長酒類)
や、
日本酒メーカーの富久
娘酒造株式会社、
北の誉酒造株式会社などを相次いでグループ
ふかん
化。現在は12の事業体を束ねながら、
全体を俯瞰したグループ経
営の推進と、
グループ全体の企業価値最大化をめざした取り組
みに力を注いでいます。
購入や工場の統廃合、
共同配送システムの構築などを推進。そ
して2006年、
これらの業務改革効果をさらに高めるため発足させ
たのが、
グループ全体のプラットフォームを統一する「グループシス
テム改革プロジェクト」です。
「今回のプロジェクトの目的は、
単なる業務効率の向上をねらっ
た情報システムの再構築ではなく、
今後の経営判断に必要な情
報を正確・迅速に得るための基盤づくりにありました。そこで、
グルー
プ内で共通化された利益管理基準をどう確立すればグループ全
体の収益をタイムリーに把握できるか。あるいは、
どのように業務
の共通化を図ればIT投資効率を最大化できるかというグランドデ
ザインをまず策定し、
それをコンピュータシステムにブレイクダウンし
ていくというスキームで進めていきました」
と振り返るのは、
当時こ
のプロジェクトを経営戦略企画室 グループマネージャーとして指
揮した佐藤 英輝氏(現 オエノンシステムセンター長)
です。佐藤
氏らは、
現在および将来に向けた戦略的経営情報のタイムリーな
提供と資源の最適配分を図るため、
グループ共通基盤としてのシ
ステムを、
酒類の販売・物流・生産を担う
「業務運営基盤」、
グルー
プ全体を貫く
「会計処理基盤」、
マスタ管理などを行う
「データ管
理基盤」、
実績管理や経営分析などを行う
「経営管理基盤」に分
類。2007年度からの3年間ですべての基盤を構築するため、
それ
ぞれのプラットフォーム特性に応じたプログラム開発と全社展開を
進めていきました。
グループ全体基盤を統一する
「グループシステム改革プロジェクト」
このうち業務運営基盤の販売・物流機能については、
合同酒精
ゴーネット
が以前から日立のメインフレーム
(VOS3)
で構築してきた「GONET」
の各社展開(酒類事業におけるシステム統合)
が進められました。
売上規模の拡大によって収益基盤を強化したオエノンHDは、
また、
決算報告の迅速化と質的向上が命題となっていた会計処
グループシナジーの向上を図るため、
2003年から原材料の共同
理基盤については、
グループ内での業務標準化とシェアードサー
オエノンホールディングス株式会社
オエノンシステムセンター アシスタントマネージャー
オエノンホールディングス株式会社
オエノンシステムセンター リーダー
日高 正治 氏
市川 清美 氏
はいたっく2009-9
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オエノンHDと日立は、
これまでGONETで行われていた仕訳入
力や債務、
支払などの機能を、
オープンプラットフォーム
(HA8000)
上のGEMPLANET Ver.2へ移行することでIT投資効率の最
適化と業務運用の標準化を実現。グループ内の酒造メーカーと
しては唯一、
別システムで稼働していた福徳長酒類のシステム統
合も果たし、
決算業務の早期化と決算報告の質的向上、
さらに
はコンプライアンス経営の強化を図ることにも成功しました。
グループ会社の情報システム開発・運用を統括するオエノンシステムセンターのオフィス内
グループ共通の利益管理基準の
確立を支援するProSCOPE-C
ビスを実現するため、
新たに日立のERPパッケージ「GEMPLANET
Ver.2」が導入されました。
そしてGEMPLANET Ver.2と連携しながら、
オエノンHDの利
益管理基準を強力に支えるツールとなっているのが、
新たに導入
会計システムの基盤となったGEMPLANET Ver.2
された製造原価計算システム「ProSCOPE-C」
(開発:日立SC
「会計システムは、
今回のプロジェクトにおいて最も重要な利益
株式会社 )です。工程別総合原価計算方式をサポートした
管理や連結決算をまとめ上げるコアな部分であるとともに、
業務
ProSCOPE-Cは、
実態を正しく反映した生産・販売コストの把握と、
の標準化や内部統制に対応するためグループ全体で使える高
確度の高い損益予測によって経営判断に必要不可欠な製造原
機能・高信頼なシステムである必要がありました。そこで複数の
価情報をスピーディに提供。GEMPLANET Ver.2との親和性も
会計パッケージを比較検討した結果、
こうした要件に適合し、
高く、
食品・飲料業界でも数多くの採用実績を誇ります。
「これまで合同酒精以外の企業には原価計算システムが導
基 幹システムであるGONETとの連 携 性も高い日立さんの
GEMPLANET Ver.2を導入することにしたのです」
(佐藤氏)
入されておらず、
Excelなどでの手作業に頼っていたのが実状で
日立が開発した「GEMPLANET Ver.2」は、
グループ企業の
した。
このため原価管理の粒度が粗く、
管理レベルも各社で異なっ
各業務で発生する情報を統合データベースで一元
管理し、迅速な経営判断の支援と、強力な内部統
ホールディングカンパニー体制による機動的・効率的な経営
制を実現する完全Web対応のERPソリューションで
オエノンホールディングス株式会社(持株会社)
す。財務会計や債務、手形、支払などの各機能は
グループ事業会社
共通のデータベースと基本管理機能の上で統合さ
酒
類
事
業
・
酵
素
医
薬
品
事
業
ほ
か
れているため、
企業や業務の壁を意識することなく、
複数システムの情報を一元管理することが可能。グ
ループ経営の効率化と意思決定の迅速・適正化を
支援するシェアードサービス運用に大きな威力を発
揮します。
また、
金融商品取引法(J-SOX法)
の実施基準で
ある「IT全般統制」の職務分離を実現するアクセ
合
同
酒
精
株
式
会
社
福
徳
長
酒
類
株
式
会
社
富
久
娘
酒
造
株
式
会
社
スコントロールやプログラム変更管理機能も備えて
いるため、財務会計の信ぴょう性確保とリスク低減
により、
内部統制の整備を強力にサポートする役割
も担っています。
5
オエノングループ構成図
はいたっく2009-9
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秋
田
県
醗
酵
工
業
株
式
会
社
北
の
誉
酒
造
株
式
会
社
越
の
華
酒
造
株
式
会
社
山
信
商
事
株
式
会
社
株
式
会
社
ワ
コ
ー
食
品
事
業
シェアードサービス
株
式
会
社
サ
ニ
ー
メ
イ
ズ
不
動
産
事
業
株
式
会
社
オ
エ
ノ
ン
ア
セ
ッ
ト
コ
ー
ポ
レ
ー
シ
ョ
ン
そ
の
他
の
事
業
株
式
会
社
大
雪
乃
蔵
ロ
ジ
ス
テ
ィ
ッ
ク
ス
ゴ
ー
テ
ッ
ク
株
式
会
社
多くのユーザーに若干扱いにくい印象を与えてしまったかもしれ
ません。
しかし、
導入後1年半がたった今は、
皆さんすっかりシステ
ムに慣れ、
自然に使いこなしていただけるようになりました」
(日高氏)
続けて佐藤氏も、
「今回のようにグループ13社を統合データベー
スで束ねる仕組みをスクラッチで作ろうとしたら、
とてもこの期間と
コストで 実 現 す るの は 不 可 能 でし た 。信 頼 性 の 高 い
東京・銀座のコリドー街でガラス張りの外観とオレンジ色がひときわ目を引く「ル・シズィ
エム・サンス・ドゥ・オエノン」。カフェ、バー、
フレンチと、3つのバリエーションでTPOに合
わせたワインの飲み方を提案する新感覚のレストラン。
『ミシュラン東京』に2008、2009年と2年連続で掲載された
GEMPLANET Ver.2を会計システムの基盤に据えたことは最
良の判断でしたし、
これだけ大規模なプロジェクトを予定どおりに
進めることができたのも、
日立さんのプロジェクトマネジメント力や
ていたため、
グループ全体の利益管理に適用するには精度的に
業務知識の確かさによるところが大きかったと感謝しています」
と
大きな問題があったのです」
と語るのはオエノンシステムセンター
笑顔をみせます。
リーダーの市川 清美氏です。
しかし今回、
グループ内の酒造メー
ダイナミックなグループ戦略の遂行を一段と加速
カー全社でProSCOPE-Cが導入されたことにより、
「原価計算の
ルールが統一され、
データの正規化が図れました。
さらに算出スピー
ドも大幅に短縮できたと、
各社の担当者は非常に喜んでいます」
と、
市川氏はその導入効果を高く評価します。
オエノングループは、
2007年に策定した中期経営計画「オエノ
ンニューバリュープラン」において、
2011年に連結売上高1,000億
円、
連結経常利益50億円という目標を掲げています。今回のシス
日立のプロジェクトマネジメント力を高く評価
テム改革プロジェクトは、
その目標実現に向けたグループ全体最
適と経営判断のスピードアップを支援し、
よりダイナミックなグルー
2007年2月にキックオフしたGEMPLANET Ver.2による会計シ
プ戦略の遂行を一段と加速させることは間違いありません。
ステムの構築は、
予定どおり1年後の2008年1月にカットオーバー。
これからも日立は、
長年のパートナーシップで培ったノウハウを
また、
システム統合後、
運用安全化を図りつつインプットデータの正
ベースに、
幅広い製品とソリューション群によって、
オエノングルー
確性をもって原価計算に取り組みたいとの考えから、
あえて1年ず
プのさらなるシナジー創出と企業価値の向上を力強くサポートし
らしたスケジュールを組んだProSCOPE-Cによる原価計算システ
てまいります。
ムも2009年2月から本格稼働を開始しました。
この間、
GONETや会計処理基盤の全社展開に力を注いだの
が、
オエノンシステムセンター アシスタントマネージャーの日高 正治
氏です。
日高氏によれば、
GEMPLANET Ver.2では原則的にパッ
ケージ標準機能での運用を追求しましたが、
これまでのGONET
で使い慣れたユーザーインタフェースに、
ある程度は近づける部
分も必要との判断から、
一定のカスタマイズは実施したとのこと。
さらに合同酒精以外の企業では、
勘定科目体系にも少なからぬ
変更が生じたため、
各社の担当者と運用の足並みをそろえながら、
ユーザーに新たな操作法を浸透させる作業に大きな時間と労力
を費やしたそうです。
「機能面で最適化されたパッケージを適用する以上、
ユーザー
のさまざまな要求に対して“そこも作り替えましょう”
とは言えない
のが、
私たちシステム開発部門の立場です。その意味で、
当初は
オエノンHDの苫小牧工場では、農林水産省が推進する「バイオ燃料地域利用モデル
実証事業」のバイオエタノール技術実証プラントが稼働している
お問い合わせ先
(株)日立製作所 産業・流通システム営業統括本部 生活産業システム営業部 TEL(03)5471-2172(ダイヤルイン)
■ 情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/mononare/
http://www.hitachi.co.jp/gemplanet/
はいたっく2009-9
All Rights Reserved,Copyright ©2009,Hitachi,Ltd.
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