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A Novel Approach for Detection of Real-Time
Journal Club 2012.11 Journal Club 2012.11 Mediator Probe PCR: A Novel Approach for Detection of Real-Time PCR Based on Label-Free Primary Probes and Standardized Secondary Universal Fluorogenic Reporters Bernd Faltin1, Simon Wadle1, Günter Roth1, Roland Zengerle1,2,3 and Felix von Stetten1,3,* 1 Laboratory for MEMS Applications, Department of Microsystems Engineering—IMTEK, University of Freiburg, Freiburg, Germany, 2 BIOSS—Centre for Biological Signaling Studies, University of Freiburg, 79100 Freiburg, Germany, 3 HSG-IMIT, Freiburg, Germany. * Address correspondence to this author at: Georges-Koehler-Allee 103, Department of Microsystems Engineering, IMTEK, University of Freiburg, 79110 Freiburg, Germany. Fax +49-761-203-73299; e-mail [email protected]. ジャーナルクラブ メディエーター・プローブ PCR:ラベルフリー・プライマリー・プローブと標準化されたセカ ンダリー・ユニバーサル蛍光レポーターを基盤としたリアルタイム PCR 検出の新しいア プローチ ■要旨 【研究背景】大多数の確立されたモニタリング PCR 増幅技術は、個々のターゲット特異的蛍光プローブで構成されている。 無数の異なったターゲット解析において、これらのプローブの合成はアッセイの開発全体のコストに関わっている。シーク エンスに依存したユニバーサル検出技術は、この欠点を克服しているが、非特異的増幅産物を検出しがちである。我々 はこれらの問題を解決したメディエーター・プローブによる PCR 法を開発した。【方法】ターゲット特異的領域と標準化され たメディエータータグを含んでいるラベルフリーシークエンス特異的プライマリープローブ(メディエータープローブ)の1セ ットは、ポリメラーゼ 5‘ヌクレアーゼ活性によってそのターゲットシークエンスをアニーリングの際に開裂させる。メディエ ーターの放出は、補完する蛍光レポータープローブの開裂によって、シグナル発生を引き起こす。【結果】ヒトのパピロマ ウイルス 18(HPV18)、黄色ブドウ球菌、大腸菌、ホモサピエンス DNA 希釈シリーズのリアルタイム PCR 増幅は、新規メ ディエーター・プローブ(r2 = 0.991–0.999)か、最新鋭の加水分解プローブ(タグマンプローブ)(r2 = 0.975–0.993)のどちら かによって検出されるときに、非常に優れた直線性を示した。HPV18DNA の増幅に関して、検出限界はメディエーター・ プローブと加水分解プローブで解析されると、10μL の反応液に対して、各々78.3 と 85.1 コピーであった。HPV18 ターゲッ ト DNA の二本鎖増幅と内部標準は、メディエーター・プローブ PCR (r2 = 0.998)か、加水分解 PCR(r2 = 0.988)のどちらか で定量化されるとき、ターゲットコピー数の逆算に影響を与えなかった。【結論】メディエーター・プローブ PCR は、加水分 解 PCR と同等の性能を持ち、ユニバーサル蛍光レポーターの使用によって、コストを削減させることになった。 ■本文 核酸増幅のモニタリングは、患者検体中に持ち込まれる病原体の遺伝子型の識別と精確な定量を可能にした、臨床 1 Journal Club 2012.11 診断分野における必須のツールである(1,2)。様々な増幅技術において、挿入染料(3)と変性オリゴヌクレオチドのような 蛍光分子は、最少量の核酸の検出を可能にする。挿入染料はコスト効率が高いけれども、それらは非特異的副産物を 検出し、偽陽性の結果を導くかもしれない(5)。それにひきかえ、蛍光オリゴヌクレオチドはシークエンス特異性に長所を 持つが、より高い合成コストに短所も持っている。それ故に、低コストでシークエンス特異性と結合する増幅の、リアルタ イム検出のための万能な方法が必要とされる。 現在までに、多くのそのようなシークエンス依存的ユニバーサル検出技術が提案されている(6-14)。一般的に、これら の方法は様々な異なったアッセイにとって、唯一 1 つの蛍光プローブで柔軟なアッセイデザインを認めている。これらのシ ークエンス依存的ユニバーサル検出技術のアプリケーションは、シークエンス特異的蛍光プローブの使用よりもコスト効 率が高いけれども、これらの技術はまだ、大きな欠点に悩まされている。相互性のプライマーを使用することで(6-12)、 プライマーの二量体と同様の非特異的増幅産物が、まだ検出される。さらに、温度の増減によるサーモサイクリングプロ フィールの修正は、低下した分析感度、もしくはミスプライミングと副反応によって引き起こされる、非特異的副産物の増 加を引き起こすかもしれない(7)。分析特性は、プローブを基盤としたシステムの使用によって上昇させることができるが (14)、好ましくないシングルプレックス反応の制限は、臨床的な診断で必要とされるマルチプレックスの要求と対立する (16)。 上記に記述された要求を満たすために、我々はメディエーター・プローブ PCR と呼ばれる新規の技術を開発した。 ■材料と方法 メディエータープローブ(MP)-PCR の原理を図 1 に示す。ターゲット DNA の PCR 増幅は、通常のオリゴヌクレオチドプ ライマーとサーマスアクアチクスポリメラーゼで成し遂げられる。シークエンス特異的リアルタイム検出は二官能性オリゴ ヌクレオチド、ターゲットシークエンスと相互作用して、開裂される MP によって実現され、その後セカンドオリゴヌクレオチ ド、蛍光ユニバーサルレポーター(UR)の活性化を開始する。開裂と活性化はポリメラーゼによって触媒されている。 必要とされるオリゴヌクレオチド 二官能性 MP は、ターゲットと相互補完的であるプローブとして指定される 3’領域を持ち、一方、「メディエーター」とし て指定された 5’領域は、一般的にどんな予期されるターゲットシークエンスとも補完性がないデザイン化したシークエン スタグである。UR は自己完結型ターゲット非依存的シグナリングオリゴヌクレオチドとして作用する。それは U 字型セカン ダリー構造を示し、ステムの反対側により接近してフルオロファとクエンチャーがある。この配列は付属部分の間で効果 的な蛍光共鳴エネルギー移動を可能にする(17)。その対になっていない 3’ステムはメディエーターのシークエンスと、補 完的であるメディエーターハイブリダイゼーション域が存在する。 Table 1. List of oligonucleotide sequences.a Target Modification Description Length, Sequence (5′–3′) Reference 5′ 3′ DABCYL C6NH2 nt CCG CAG* A*A*G Universal reporter 01b,c ATG AGA TC(dT-FAM) GCG GTG TTG GTC 2 67 This work Journal Club 2012.11 GTA GAG CCC AGA ACG ATT TTT TTT TTT TTT TTT TTT T CCG CAG* A*A*G Universal reporter 02b,c ATG AGA TC(dT-Cy5) BHQ-2 C6NH2 67 This work – – 22 29 – – 22 6-FAM BHQ-1 27 – PH 44 This work – – 24 28 – – 26 6-FAM BBQ 20 – PH 48 This work – – 25 GenoID – – 21 6-FAM BHQ-1 20 GCG GTG TTC ACT GAC CGA ACT GGA GCA TTT TTT TTT TTT TTT TTT TTT T E. coli K12 peptidoglycan-associated GGC AAT TGC GGC lipoprotein (pal gene), GenBank Forward primer ATG TTC TTC C accession no. X05123 TGT TGC ATT TGC Reverse primer AGA CGA GCC T ATG CGA ACG GCG Hydrolysis probe GCA ACG GCA ACA TGT AAA TCG TTC TGG GCT CTA CGC GAA CGG CGG CAA CGG Mediator probed S. aureus exfoliative toxin B, GenBank CAA CAT GT AGA TGC ACG TAC Forward primer accession no. AP003088 TGC TGA AAT GAG AAT AAA GTA CGG Reverse primer ATC AAC AGC TAA AC CCG CCT ACT CCT Hydrolysis probe GGA CCA GG AAA TCG TTC TGG GCT CTA CGG TAT TCA CAG TGG TAA Mediator probed HPV18, GenBank accession no. AGG CGG ACA ACA GCT GGC AGC TCT Forward primer NC_001357.1 AGA TTA TTA ACT G GGT CAG GTA ACT Reverse primer GCA CCC TAA GGT TCC TGC AGG Hydrolysis probe TGG TGG CA 3 Journal Club 2012.11 AAA TCG TTC TGG GCT CTA CGG TTC – PH 39 This work 25 30 CTG CAG GTG GTG Mediator probed H. sapiens ACTB, GenBank accession GCA TCA CCC ACA CTG Forward primer no. AC_000068.1/HGNC:132 TGC CCA TCT ACG A CAG CGG AAC CGC Reverse primer 25 TCA TTG CCA ATG G ATG CCC TCC CCC Hydrolysis probe 01 ATG CCA TCC TGC 6-FAM DDQ-1 26 Cy5 DDQ-2 26 – PH 47 This work – PH 47 This work GT ATG CCC TCC CCC Hydrolysis probe 02 ATG CCA TCC TGC GT AAA TCG TTC TGG GCT CTA CGC CCT CCC CCA TGC CAT Mediator probe 01d CCT GCG T ATG CTC CAG TTC GGT CAG TGC CCT CCC CCA TGC CAT Mediator probe 02d CCT GCG T 反応スキーム MP PCR の経過中、ターゲット増幅と検出が協奏反応中に同時に起こる。変性ステップにおいて、DNA 鋳型(Fig. 1A) は一本鎖に分かれる(Fig. 1B)。アニーリング温度に冷却中、プライマーと MP がターゲット DNA に、ハイブリダイズする。 MP の 5’領域(例えば、メディエーター部分)は、ターゲットにハイブリダイズしないことは特筆すべきことで、この場所は結 果としてフラップ構造になる(Fig. 1C)。プライマー伸長において、MP の 5’フラップはポリメラーゼのヌクレアーゼ領域を通 り抜け、開裂される(18–21)。遊離したフラグメントはメディエーターとして参照され、3’-OH を示す。MP(例えば、プローブ 部分)の 3’領域は新生核酸鎖の伸長中に消化する。各々のターゲット分子の複製で、1 メディエーターがバルク溶液に 放出される(Fig. 1D)。続いて、活性化されたメディエーターが UR に拡散し、メディエーターハイブリダイゼーション領域に よって捕獲される(Fig. 1E)。ポリメラーゼはメディエーターの 3’末端を伸長し(Fig. 1F)、結果として蛍光発光する。シグナル 発生のための 2 つの経路が提案される。ポリメラーゼの 5’ヌクレアーゼ活性のために、UR の 5’末端は分解され、クエン チャー部分が切断される(Fig. 1G)。いくつかのケースにおいて、ポリメラーゼはステムデュプレックスを不安定化し、5’末 端の消化なしでヘアピン構造を展開する(Fig. 1H) 。両方の経路は最終的に impeded FRET によってフルオロファの発光 を導き、蛍光放射が各々連続的な増幅サイクルで蓄積する。両方の経路は並行して起こる、なぜならば Taq ポリメラー ゼは異なったレベルのエキソヌクレアーゼ活性(22)を持つことが知られており、5’末端の部分的な消化だけでヘアピン構 造を解離するかもしれない(23)。 4 Journal Club 2012.11 その反応スキームは、構造的に連続侵襲的シグナル増幅反応[SISAR, Invader Squared (13)]と関連しているけれども、 MP PCR はターゲット増幅から恩恵を受け、ターゲット検体の分析的高感度検出を可能にする。さらに、SISAR はもっぱら 核酸分解活性を基盤とし、一方、MP PCR のシグナル発生は、Taq ポリメラーゼのポリメリゼーションと核酸分解活性の 両方を必要とする。SISAR と対照的に、未開裂の MP とその UR のハイブリダイゼーションは伸長も構造特異的開裂も認 めず、非特異的シグナル発生を防ぐ。また、ミスプライムされた増幅産物は検出されない、なぜならば MP はこれらのコン ストラクトにハイブリダイズされないからである。これは偽陽性の結果を回避する。 MP PCR は異なったフルオロファを持った 2 UR によって、ヂュプレックス PCR を検出する能力を持つ。この観点におい て、MP PCR は最先端の技術に匹敵する(24–26)。 サンプル材料 全構造ヒトパピロマウイルス 18(HPV18)ゲノムを含む pBR322 プラスミドは、GenoID (Budapest, Hungary)によって提供 された。黄色ブドウ球菌 DNA サンプルは Genomic Research Laboratory (Prof. Jacques Schrenzel, Geneva, Switzerland) から入手し、ゲノム遺伝子座剥離性トキシン B が含まれていた(GenBank accession number AP003088)。ゲノム遺伝子座 ペプチドグリカンに関連したリポ蛋白を含む大腸菌 K12 DH5αZ1 DNA (27)は、マグネットビーズをベースにした DNA 単 離キット(AJ Innuscreen)を用いて単離された。ヒトゲノム DNA は QIAamp DNA Blood ミニキットを用いて、全血から単離さ れた。デュプレックス PCR 反応では、コマーシャルベースの有用なヒト DNA (Roche Diagnostics)が使用された。DNA サン プルは 0.2× Tris-EDTA 緩衝液で希釈された。我々は反応チューブへのターゲット DNA の非特異的吸収を防ぐために、 10 ng/μL サケ精子 DNA をその希釈緩衝液に添加した。 オリゴヌクレオチド この研究で使用されたオリゴヌクレオチドは、表 1 にリストする。プライマーと加水分解プローブは、先行研究に従って オーダーされるか、MP PCR の実現可能性を示す目的でこの研究で設計されるかであった。HPV18 増幅におけるオリゴ ヌクレオチドは、GenoID (Budapest, Hungary)の厚意で提供された。すべての修正オリゴヌクレオチドは、HPLC によって 精製された。 メディエータープローブの設計 MP 設計は 2 段階である。プローブ(3’領域)とメディエーター(5’領域)領域は各々、それらの 5’と 3’末端で 1 ヌクレオ チドによって重複する。それ故に、そのプローブの 5’末端ヌクレオチドは、そのメディエーターの 3’末端ヌクレオチドと一 致していなければならない。我々のアッセイにおいて、グアノシンヌクレオチドは必要とし、そのメディエーターのシークエ ンスに基づいている。プローブ領域は加水分解プローブの設計(レングス:25-30nt、Tm ( Tm probe primer よりも高いプローブ溶解温度 ) 5–10 °C)(31)で推奨されたガイドラインに従って設計された。妥当な場合、品質管理された加水分解プローブ のシークエンスが使用されるであろう。そのメディエーターは標的にホモロジーを示さないように仕組まれたシークエン ス・ ストレッ チであ った ( 長さ: 18 –25 nt, Tm mediator は おおよ そ Tm primer 同 じであった ) (この 論文のオン ライン版 http://www.clinchem.org/content/vol58/issue11 に添付する補足データを表 1 に示す)。MP の伸長を防ぐために、3’末 端をリン酸基でブロックされた。 UR 設計 UR オリゴヌクレオチド(Table 1)はコンピューターで設計されて、不対 1 本鎖 3’ステムを持ったヘアピン型構造を取得す 5 Journal Club 2012.11 る。二次構造予測は RNA ホールドを使って成し遂げられ、Tm 決定は VisOMP (Visual Oligonucleotide Modeling Program) で計算された(33)。二次構造分析において、「未ダングリング・エンドエネルギー」、「DNA セッティング」、「60℃」は、デフ ォルトセッティングと対照的にアドバンスホールディングオプションで適用された。そのステム(GC 含量 71%)の Tm は 71.4℃で、各サーモサイクル内で 60℃に冷却段階中にリホールディングさせる。ホールドされた構造は各ステム鎖内で 近接した FRET 対を供給する。5’末端クエンチャーと内部フルオロファから成る FRET 対(Table 1)は、潜在的に高い消光 効果を獲得するために選択されている。3’不対ステム(45 nt)はメディエーターハイブリダイゼーション部を含んで、メディ エーターシークエンスに逆相補的であった。UR の伸長を防ぐために、3’末端は 1 つのアミノ基でブロックされた。デュプレ ックス PCR 研究において、セカンド UR は修正されたメディエーターハイブリダイゼーション部と FRET 対を除いて、同一シ ークエンスで設計された(Table 1)。 蛍光消光の効率 妥当なフルオロファ染料とクエンチャー部分の選択は、高い消光効率と分析的に微量の核酸を感知できる検出を基本 とした(34)。各 2 重ラベルした加水分解プローブと UR 分子の消光効率(Eq)を決定するために、蛍光発光は DNAase I 処 理の有り無しで獲得された(オンライン補足図 1 参照)。Eq は以下のように定義される I undigested は未消化サンプルの蛍光発光で、I digested は DNase I で処理されたサンプルの蛍光発光である。 MP PCR と加水分解プローブ PCR アッセイ MP PCR 反応は 1×PCR 緩衝液(GenoID, Budapest, Hungary)、0.1 U/μL HotStarTaq+ポリメラーゼ(Qiagen)、200 μ mol/L デオキシリボヌクレオチド(Qiagen)、300 nmol/L UR (synthesis by IBA) 、300 nmol/L ターゲット特異的プライマ ー対、200 nmol/L MP (synthesis by biomers.net)からなった。加水分解プローブ PCR 反応は、MP が加水分解プローブ (200 nmol/L; synthesis by biomers.net)に置き換えられた以外は、同量のリストに挙げられた試薬からなり、UR は添加さ れなかった。可能なら DNA 鋳型が添加され、同量の脱イオン水によって NTC に平衡化された。反応量は 10 μL であっ た。 すべてのリアルタイム PCR 反応は、以下のようなユニバーサルサーモサイクルを持つ Corbett Rotor-Gene 6000 (Corbett Research Pty., now Qiagen GmbH)で行われた;95℃、5 分間の開始ポリメラーゼ活性化、95℃、15 秒間の変性 の 45 サイクル、他に提示されていないならば 60℃、45 秒間での結合されたアニーリングと伸長ステップ。蛍光シグナル は各伸長ステップの最後に獲得された。データ解析は Rotor-Gene 6000 software (version 1.7.87)で行われた。 Table 2. Overview of calculated copy numbers.a Target Mediator probe PCR Input copy number, n Output, n a 1.0 × 105 1.0 × 104 SD 1.1 × 4.2 × 105 103 9.1 × 3.6 × 103 102 Hydrolysis probe PCR Output, % CV n 4 4 6 SD 1.1 × 4.1 × 105 103 1.0 × 1.5 × 104 103 % CV 3.8 14.6 Journal Club 2012.11 1.0 × 103 1.0 × 102 E. coli pal 6.3 × 104 6.3 × 103 6.3 × 102 6.3 × 101 S. aureus ExfB 3.0 × 104 3.0 × 103 3.0 × 102 3.0 × 101 3.0 × 100 H. sapiens ACTB 4.0 × 103 4.0 × 102 4.0 × 101 4.0 × 100 1.0 × 5.9 × 3 2 10 10 1.0 × 1.4 × 2 1 10 10 5.5 × 1.1 × 4 3 10 10 7.1 × 5.3 × 3 2 10 10 6.7 × 40.7 × 2 5.8 13.2 1.9 7.5 6.1 1 10 10 7.1 × 20.7 × 101 101 2.9 × 2.6 × 104 103 4.7 × 3.9 × 103 103 3.3 × 3.1 × 2 1 10 10 3.8 × 2.4 × 1 0 10 10 3.2 × 2.0 × 0 0 10 10 2.9 × 1.6 × 3 2 10 10 4.9 × 7.8 × 2 1 10 10 4.3 × 5.2 × 101 100 4.1 × 1.1 × 100 100 1.1 × 3.5 × 6 4 29.2 0.9 8.4 9.4 6.3 62.5 5.4 15.8 12.1 26.8 8.7 × 10 2 1.3 × 10 2 6.4 × 10 4 7.3 × 10 3 5.9 × 10 2 4.4 × 102 5.1 × 101 5.6 × 103 3.2 × 102 1.4 × 102 5.1 × 20.5 × 101 101 3.0 × 6.8 × 104 103 3.8 × 2.5 × 103 102 4.0 × 20.8 × 10 2 4.0 × 10 1 2.9 × 10 0 3.6 × 10 3 4.8 × 10 2 101 3.1 × 100 2.6 × 100 3.4 × 102 1.2 × 102 2.8 × 1.6 × 101 100 4.6 × 1.2 × 101 100 1.0 × 9.3 × 50.9 39 8.9 4.3 23.2 40.2 0.9 6.7 5.2 7.8 89.7 9.4 25 5.7 26.1 Coamplification HPV18 L1 1.0 × 106 1.0 × 105 1.0 × 104 1.0 × 103 10 10 8.1 × 6.9 × 104 103 1.2 × 1.7 × 104 103 1.1 × 7.7 × 3.4 8.5 15.1 10 6 1.2 × 2.2 × 105 104 7.9 × 6.1 × 103 102 6.7 1.0 × 7 104 3.1 × 9.1 18.9 7.8 30.3 Journal Club 2012.11 1.0 × 102 H. sapiens ACTBb 3.0 × 102 103 101 9.6 × 3.5 × 101 101 Cq: 33.0 36.8 ±0.5 103 102 1.2 × 5.6 × 102 101 Cq: 31.8 45.5 ±0.4 ■統計分析 HPV18 検出における検出限界は、様々な DNA 濃度(104, 103, 5 × 102, 102, 5 × 101, 101, 100, and 10−1 コピー/反応) と NTC を 10 回反復増幅することによって決定された。DNA 濃度毎のポジティブ増幅のフラクションが測定された。 SPSS(Statistical Package for Social Sciences, version 19; IBM)を使ったプロビット解析は、95%確率でポジティブ増幅を得 た反応毎のコピー数を予測させた(35)。 ■結果 蛍光消光効率 すべての蛍光分子の蛍光発光は、未消化プローブと比較して崩壊を増加した。特異的加水分解プローブの観測され た Eq 値 は 、 54.5% (3.1%) [Cy5/2,3-dichloro-5,6-dicyano-1,4-benzoquinone 2 (DDQ-2)] か ら 92.7% (0.5%) [FAM/di-tert-butylhydroquinone 1 (BHQ-1)]の範囲であった。UR の消光効率は、83.7% (1.4%) (Cy5/BHQ-2) and 90.9% (0.4%) (FAM/Dabcyl)であった(オンライン補足図 1 参照)。これらの結果は報告されている最適条件下で観測された FAM/Dabcyl (80%–91%)、FAM/BHQ-1 (88%–93%)、Cy5/BHQ-2 (91%–96%)の Eq 値と一致している(34)。 メディエーター・プローブ PCR と加水分解プローブ PCR モデルアッセイ系にて、MP PCR の性能は加水分解プローブ PCR と比較された。初めに、反応効率、LOD、アッセイ間 変動、アッセイ内変動、デュプレックス能力が解析された。これらの実験において、様々な濃度の HPV18 DNA (他に記載 がなければ、102, 103, 104, 105, 106 コピー/反応)は、両方の技術を同時に使用することで増幅された。次に、異なったタ ーゲットが、両方の技術を同時に使用することで増幅された。 検出限界 LOD は、DNA 濃度が 95%の確立で陽性と判断したときに決定された。プロビット解析は、MP PCR において 78.3 コピー /反応(95%信頼区間:47.0-372.5 コピー/反応)、加水分解プローブ PCR おいて 85.1 コピー/反応(95%信頼区間: 55.7-209.4 コピー/反応)の分析的感度を算出した(Fig. 2A)。 アッセイ内不正確さ 5 つの濃度の HPV18 DNA 希釈系列(102, 103, 104, 105, 106 コピー/反応)は、8 複製で増幅された。MP PCR の r2 値は、 0.975、加水分解プローブ PCR の r2 値は 0.983 と極めて良い直線性を示した(Fig. 2B)。反応あたり 102–106 コピーの増幅 での CV%は、55.1%–9.9% (MP PCR) 、38.3%–10.7% (加水分解プローブ PCR)であった。精度は、+21.6%から−8.1% (MP PCR)、+19.4%から−9.8% (加水分解プローブ PCR)の範囲であった。詳細はオンライン補足表 2 に表記されている。 アッセイ間不正確さ 反応混合物の 5 つに調整されたバッチは、5 つの濃度の HPV18 DNA 希釈系列(102, 103, 104, 105, 106 コピー/反応)の 増幅で使用された。各濃度は 3 倍増幅された。増幅の直線性は、MP PCR (r2 = 0.940)と加水分解プローブ PCR(r2 = 8 Journal Club 2012.11 0.954)で示された(Fig. 2C)。102–106 コピー/反応のアッセイ間不正確さは、25.0%から 8.7% (MP PCR) 、34.7%から 12.7% (加 水分解プローブ PCR)の範囲であった。精度は 102–106 コピー/反応あたり、+3.4%から−7.0% (MP PCR)、−2.0%から−12.4% (加水分解プローブ PCR)の範囲であった。詳細はオンライン補足表 3 に表記されている。 2 倍増幅 あるモデルアッセイにおいて、プラスミド(102, 103, 104, 105,106 開始コピー)を含んでいる HPV18DNA フラグメントは、300 コピーのヒトゲノムとともに共増幅された。個々の反応は 3 倍で行われた。HPV18 の加水分解プローブは FAM/BHQ-1 でラベルされ、アクチン、ベータ (ACTB)5 のプローブは Cy5/DDQ-2 でラベルされた。UR のデュプレックス PCR において、 UR01 は FAM/Dabcyl でラベルされ、UR02 は Cy5/BHQ-2 対を保有している。Fig. 2D は MP PCR(r2 = 0.998)と加水分解 プローブ PCR(r2 = 0.988)において、異なった DNA 濃度以上で HPV18 増幅の直線性を示している。ACTB の逆算は有効 ではなかった。なぜならば、1 つの濃度だけ 2 倍アッセイで増幅されたからである。しかしながら定量化サイクル(Cq)値は、 MP PCR と加水分解プローブ PCR の両方におけるレッドチャンネルにおいて、0.02 までの閾値を設定することで得られた。 共増幅された ACTB と HPV18 DNA サンプルの平均 Cq 値は、MP PCR が 33.0(0.5)、加水分解プローブ PCR が 31.8(0.4) であった。 異なったターゲットに対する、MP PCR と加水分解プローブ PCR の応用 MP PCR の普遍的な性質は、4 つの臨床的に関連のあるターゲットでの使用によって明らかにされた。ちなみに加水分 解プローブ PCR は、並行して各ターゲットに対して行われた。インプットと逆算されたアウトプットコピー数の直線性は、各 ターゲットと増幅技術に対して決定された(Fig. 3)。ヒトパピロマウイルス-18 L1(HPV18 L1)遺伝子(MP PCR r2 = 0.999/ 加水分解プローブ PCR r2 = 0.975)、黄色ブドウ球菌剥離性トキシン B 遺伝子(S. aureus ExfB)(0.991/0.988)、大腸菌ペ プチドグリカン関連リポ蛋白(E. coli pal)遺伝子(0.996/0.988)、ヒトβアクチン遺伝子(0.991/0.993)の一連の希釈系列の 検出に対する結果は、MP PCR とすでに確立された加水分解プローブ PCR の間に高い同等性を示した(Table 2)。. 図 1. MP PCR の略図 9 Journal Club 2012.11 図 2. MP PCR と加水分解プローブ PCR の比較評価 図 3. MP PCR と加水分解プローブ PCR による異なったターゲットの増幅 10 Journal Club 2012.11 ■考察 われわれのアッセイの際立った特徴は、増幅と蛍光検出の分離を行い、標準化された UR オリゴヌクレオチドの使用を 可能にしたことである。メディエーターと UR のシークエンスは、コンピューター内で設計され、BLAST サーチに従ってどん なターゲットに対しても同一ではないことを示した(オンライン補足表 1 参照)。 UR はヘアピン型二次構造を採用することで、効率的な FRET クエンチングのための最適な条件を提供する[>90% (FAM/Dabcyl), >80% (Cy5/BHQ-2)] 。 わ れ わ れ は 以 下 の よ う に UR01 を 再 設 計 し た : 5′-CACGCG*A*A*GATGAGATCGCG(dT-Cy5)GTGTTGGTCGTAGAGCCCAGAACGA-3′, 5’が BHQ-2、3’が C3 ス ペイサー、アスタリクスはホスホチオエイトを示す。新しい UR01 は、改善した消光効率を持つ[平均(標準偏差), 98.87% (0.46%)]。より良い開始クエンチングは、感度が増加し、MP PCR の結果を改善する。ヘアピン構造内のフルオロファとク エンチャーの近接は、結果として高感度で、一定の消光効率となる。開始バックグランドシグナルの非常に強い抑制は、 どんな PCR アッセイにおいても分析的に精度が高いターゲット検出にとって望ましいことである。われわれの成果と対照 的に、FAM でラベルされた最新鋭の加水分解プローブは、様々な消光効率を蛍光ドナーとアクセプターの間の様々な消 光部分と FRET 距離を逸脱することで、60%から 93%の範囲で現れる。Cy5/DDQ-2 でラベルされた加水分解プローブは 55%という低い Eq 値を示した。 HPV18DNA の増幅は、新規の MP PCR と核酸分析のゴールデンスタンダードである加水分解プローブ PCR と比較する、 モデルアッセイとして選択された。両技術の LOD は、プロビット解析で決定され、両方法は同等であった(MP PCR: 78.3、 加水分解プローブ PCR:85.1 コピー/反応)。アッセイ内とアッセイ間の不正確さは、数桁以上の信頼できる定量化を示す ことで、反応あたり 102 から 106 コピー内であった(MP PCR 25.0%–8.7%, 55.1%–9.9%; 加水分解プローブ PCR 34.7%–12.7%, 38.3%–10.7%)。50 から 60 の異なった PCR アッセイでの伸長時間を短縮することは、定量化の妥当性に影響を与えない (オンライン補足データの図 1 参照)。これらの成果は MP PCR が最近のリアルタイムサーモサイクラーで成し遂げられる 迅速サイクリングプロトコールに適していることを示している。 異なったメディエーターハイブリダイゼーションシークエンスと、FRET 修正による 2 つの UR が設計された。これらのレポ ーターは日常的な診断、もしくはアッセイ開発において、コスト削減の高い可能性と結びついて、いくつかのターゲット遺 伝子の 2 重の検知をするべきであろう。様々な量の HPV18DNA(ターゲット)と、内部コントロールの一定のコピー数 (ACTB)の共増幅がうまく証明された。そのアッセイは、異なったラベル化した加水分解プローブで成し遂げられた。ター ゲット遺伝子増幅は、5 桁以上の直線性であり(両方法とも r2 = 0.998)、さらに高い濃度は内部コントロールのモニタリン グに影響を与えなかった。 さらに、新規の MP PCR の広い用途を証明するために、4 つのターゲットが MP PCR か、最新鋭の加水分解プローブ PCR アッセイのどちらかで増幅された。HPV18、黄色ブドウ球菌、大腸菌、ホモサピエンスのターゲット遺伝子が選択された。 逆計算された出力コピー数は、入力コピー数と高い一致を示した(MP PCR r2 = 0.991–0.999; 加水分解プローブ PCR r2 = 0.975–0.993)。これらのターゲットの増幅は、マルチプルアッセイを通じた新規の蛍光 UR のレイアウトのみでモニターさ れ、一方で個々のコストが大きく、2 倍に修正された加水分解プローブはターゲット毎に使用されなければならなかった。 すべての分析プロトコール中の同じ蛍光 UR の使用は、すべての反応ウエル中の一定の最初のバックグラウンド蛍光発 光を導く。この特徴は様々な消光効果をもつ加水分解プローブで典型的にみられる際の生じるシグナルの過小過大評 価なしに、同じ実行内での異なったターゲットの蛍光モニタリングを認める。分析されたすべてのターゲットにおいて、 11 Journal Club 2012.11 各々のターゲット毎の一貫性のある試薬濃度とユニバーサル 2 ステップサーモサイクリングプロトコールが採用されるこ とで、簡単なアッセイデザインと使いやすさとなる。 MP PCR は、事実上どんなターゲット DNA のリアルタイム検出に使うことができるシングル UR レイアウトのみを必要とす る。それ故にこのレポーターは、一般的に使用されている加水分解プローブのような個別のシークエンス特異的蛍光プ ローブで可能にするよりもより、大きなバッチでユニット毎でより低価格で合成されるべきである。その一方、MP PCR で は、実際のシークエンス特異的 MP は、ラベルフリーで、ラベルされたプローブよりも低価格で合成できる。特に小バッチ サイズが必要とされる場合で、コストの見積りは個々の地方でのディスカウントに依存している。1 つの例として、国際的 サプライヤーのコスト評価は、2 重ラベルされた加水分解プローブあたり、MP あたり$55、UR あたり$600(同一の合成ス ケールでのカタログ価格)を公開した。結果として、8 個の加水分解プローブの 1 セットは、$1960 かかった。1UR と 8MP の 1 セットは、約$1400 であった。この計算は、すべての反応で必要とされるより高い注文数量の UR を考慮している。 私たちは MP PCR が、ユニバーサルシークエンス特異的核酸検出にとって、非常に優れた位置を得ており、非特異的増 幅産物の検出、変更されたサーモサイクリング条件、もしくは専用試薬のような既存のユニバーサル核酸試験方法の落 とし穴を克服していると信じている。MP PCR は将来的には、分子診断の用途を持つかもしれない。例えば、対立遺伝子 特異的な MP と結合した 2UR の 1 セットは、高い柔軟な変異検出スクリーニング、もしくは塩基変異多型の広範囲タイピ ングに関連しているかもしれない。MP のコンセプトは手頃な費用で、一定の検出条件下で、柔軟なアッセイデザインの 範囲を広げることが可能なことである。 (翻訳者;小治 健太郎) Acknowledgments The authors acknowledge Jacques Schrenzel and Patrice Francois, GBRL Geneva, for providing S. aureus DNA samples. We also thank Csaba Jeney, GenoID, Budapest, for providing PCR buffer, HPV18 DNA samples, and corresponding oligonucleotide sequences. Stefanie Reinbold and Lucas Dreesen are gratefully acknowledged for technical assistance and Mark Karle is thanked for E. coli cultivation and DNA isolation. Footnotes 4 Nonstandard abbreviations: MP, mediator probe; UR, universal reporter; FRET, fluorescence resonance energy transfer; SISAR, serial invasive signal amplification reaction; HPV18, human papillomavirus 18; Tm, melting temperature; Eq, efficiency of quenching; LOD, limit of detection; DDQ, 2,3-dichloro-5,6-dicyano-1,4-benzoquinone; BHQ, di-tert-butylhydroquinone; Cq, cycle of quantification. 5 Genes: ACTB, actin, beta; HPV18 L1, human papilloma virus-18 L1; S. aureus ExfB, Staphylococcus aureus exfoliative toxin B; E. coli pal, 12 Journal Club 2012.11 Escherichia coli peptidoglycan-associated lipoprotein. (see editorial on page 1505) Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article. Authors' Disclosures or Potential Conflicts of Interest: Upon manuscript submission, all authors completed the author disclosure form. Disclosures and/or potential conflicts of interest: Employment or Leadership: None declared. Consultant or Advisory Role: None declared. Stock Ownership: None declared. Honoraria: None declared. Research Funding: EU FP7 project “AutoCast” (no. 201525) to consortium partner University Freiburg. Expert Testimony: None declared. Patents: B. Faltin, DE 10 2011 055 247.2; S. Wadle, DE 10 2011 055 247.2; G. Roth, DE 10 2011 055 247.2; F. von Stetten, DE 10 2011 055 247.2. Role of Sponsor: No sponsor was declared. Received for publication April 24, 2012. Accepted for publication July 27, 2012. © 2012 The American Association for Clinical Chemistry References 1. Kaltenboeck B, Wang CM. Adv in real-time PCR: Application to clinical laboratory diagnostics. Adv Clin Chem 2005;40:219–59. 2. Mackay IM, Arden KE, Nitsche A. Real-time PCR in virology. Nucleic Acids Res 2002;30:1292–305. 3. Gudnason H, Dufva M, Bang DD, Wolff A. Comparison of multiple DNA dyes for real-time PCR: effects of dye concentration and sequence composition on DNA amplification and melting temperature. Nucl Acid Res 2007;35. 4. Juskowiak B. Nucleic acid-based fluorescent probes and their analytical potential. Anal Bioanal Chem 2011;399:3157– 76. 5. Ririe KM, Rasmussen RP, Wittwer CT. Product differentiation by analysis of DNA melting curves during the polymerase chain reaction. Anal Biochem 1997;245:154–60. 6. 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