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真値
直流回路の測定誤差(2題) 傾向と対策 ・幾つかの公式を覚える ・電流/電圧計の内部抵抗について理解する ⇒ あとは,オームの法則程度で解ける ・空欄補充,式導出,正誤判定など様々 ・超重要なトピックなのでぜひ抑えておきたい 工 学 基 礎 1 直流回路の測定誤差(2題) (H21.7) A-18 抵抗と電流の測定値から抵抗で消費する電 工 力を求めるときの測定の誤差率e を表す式とし 学 基 て,最も適切なものを下の番号から選べ。ただ 礎 し,抵抗の真値をR [W],測定誤差をDR [W],電 流の真値をI [A],測定誤差をDI [A] とする。また, 抵抗及び電流の誤差率DR/R 及びDI/I は,1よ り十分小さいものとする。 過去問題 2 直流回路の測定誤差(2題) 1 e ≒ DI I DR R 工 学 基 礎 2 e ≒ DI I DR R 3 e ≒ DI I 2DR R 4 e ≒ 2DI I DR R 5 e ≒ 2DI I DR R 3 直流回路の測定誤差(2題) 要点整理 【公式1】 測定誤差と誤差率 工 学 基 礎 測定誤差 測定値 真値 誤差率 e 真値 真値 4 直流回路の測定誤差(2題) 【基本】 直流計器の内部抵抗 直流電流計 工 学 基 礎 直流電圧計 A rA I V rV V 5 直流回路の測定誤差(2題) 【公式2】 抵抗による分圧 RL VL V R A RL V 工 学 基 礎 RA RL VL 交流でも同じ Z L VL V Z A Z L V Z A Z L VL 5-1 直流回路の測定誤差(2題) 解答例 まずは落ち着いて,選択肢を注視しよう! いくつのことに気づきますか? 工 学 基 礎 ・すべての選択肢が「≒」の数式 ⇒ どこかで「近似」を使うはず。 ・選択肢2だけ仲間はずれ(これだけ掛け算) ⇒ 正解の可能性薄いかも… ・べき乗の項は無い (I2 だのDR3 といった項が無い) 6 直流回路の測定誤差(2題) 題意を回路図で整理する。 [真値] R [W] [測定値] R+DR [W] I [A] I+DI [A] P = I2R [W] 工 学 基 礎 Pm = (I+DI)2(R+DR) [W] 改めて,パラメータを整理しておく。 2 (1) 電力の真値 PI R 2 電力の測定値 Pm I DI R DR (2) 7 直流回路の測定誤差(2題) 誤差率は,公式1より直ちに, 2 Pm P I DI R DR I 2 R e P I 2R I 2 工 学 基 礎 2 I DI DI R DR I R I 2R 2 2 I 2 R 2 IR DI R DI 2 I 2R I 2 DR 2 I DI DR DI 2 DR I 2 R I 2R 8 直流回路の測定誤差(2題) 2 IR DI R DI I DR 2 2 2 I R I R I R 2 2 I DI DR DI DR 2 2 I R I R 2 2 2DI DI 2 DR 2DIDR DI 2 DR 2 2 I R IR I I R (3) さあ,困った。 これ以上簡単にできそうにない… そこで… 9 工 学 基 礎 直流回路の測定誤差(2題) 選択肢をもう一度よく見よう。 ・ 近似を使うらしい ・ どの選択肢もべき乗の項が無い 2DI DI 2 DR 2DIDR DI 2 DR e 2 2 I R IR I I R 工 学 基 礎 (3再) 式(3)と選択肢の共通点は… 選択肢は(DR/R)及び(DI/I)の項のみで… 式(3)にも同じ項がある! そして,式(3)には, DI2,DR2 やDIDRが余分! 待てよ… 10 直流回路の測定誤差(2題) 一般的に誤差DI 及びDR は小さいはず… では,DI2,DR2 やDIDRは,もっと小さいのでは ないか? 2DI DI 2 DR 2DIDR DI 2 DR e 2 2 I R IR I I R 2DI DR e I R (3再々) (4) 正しい選択肢は4。 11 工 学 基 礎 直流回路の測定誤差(2題) (H20.1) A-17 次の記述は,図に示す回路を用いて抵抗R 工 学 [W] で消費される電力を測定したときの誤差に 基 ついて述べたものである。 内に入れるべき 礎 字句の正しい組合せを下の番号から選べ。た だし,直流電流計Aの指示値がI [A],直流電圧 計Vの指示値がV [V] のときの電力の測定値P は,VI [W] とする。また,Aの内部抵抗をRA [W] , Vの内部抵抗をRV [W] とする。 過去問題 12 直流回路の測定誤差(2題) (1) SWをaに入れたとき,P には A で消費さ れる電力が含まれるので, P の百分率誤差の 値は, B ×100 [%] である。 (2) SWをbに入れたとき,P の百分率誤差の値 は, C ×100 [%] である。 13 工 学 基 礎 直流回路の測定誤差(2題) 1 2 3 4 5 A RA RA RA RV RV B R/RA RA/R R/RA RA/R R/RA C RV/R R/RV R/RV RV/R R/RV 工 学 基 礎 A a 直流電源 SW:スイッチ RA b SW V RV R 14 直流回路の測定誤差(2題) 解答例 題意より,電力の測定値P は,電流計と電圧計 の指示値のみから決められ, P VI (a1) 以下,SWをaに入れたとき,SWをbに入れたと きに場合分けして考える。 15 工 学 基 礎 直流回路の測定誤差(2題) (i) SWをaに入れたとき 内部抵抗を含む回路図を整理する。 工 学 基 礎 A RV V RA I R V 抵抗R による消費電力の真値P0 は, P0 I 2 R (a2) 16 直流回路の測定誤差(2題) 測定誤差は,公式1から直ちに P P0 P e 1 (a3) P0 P0 工 学 基 礎 これに,式(a1)(a2)を代入し, P VI V e 1 2 1 1 (a4) P0 IR I R 空欄Bの選択肢は,R とRA との分数であるから, この式のV とI が余計。 そこで,電圧V に着目すると… 17 直流回路の測定誤差(2題) 電流I が通る二つの直列抵抗RA,R の電位降 下に等しいので, V I RA R (a5) これを,式(a4)に代入すると, I R A R RA R V e 1 1 1 IR IR R RA R R RA R R (a6) 18 工 学 基 礎 直流回路の測定誤差(2題) (ii) SWをbに入れたとき 内部抵抗を含む回路図を整理する。 A I RA RV V R V 工 学 基 礎 抵抗R による消費電力の真値P0 は, 2 V P0 R (a7) 19 直流回路の測定誤差(2題) 測定誤差は,公式1から直ちに, P P0 P e 1 (a8) P0 P0 工 学 基 礎 これに,式(a1)(a7)を代入し, P VI VIR IR e 1 1 2 1 1 (a9) 2 P0 V V V R 空欄Cの選択肢は,R とRV との分数であるから, この式のV とI が余計。 そこで,電圧V に着目すると… 20 直流回路の測定誤差(2題) 並列抵抗R // RV を電流I が通る際の電位降下 に等しいので, RV R V I RV // R I (a10) RV R これを,式(a9)に代入すると, IR RV R IR IR e 1 1 1 RV R V IRV R I RV R RV R RV R RV R 1 RV RV RV (a11) 21 工 学 基 礎 直流回路の測定誤差(2題) さて,空欄Aは… (空欄Bと空欄Cから,もう「2」しかないが) SWをaに入れたとき,負荷抵抗R と直列に電流 計の内部抵抗RA が入る。 電流I は,負荷抵抗R だけではなく,内部抵抗 RAによっても消費されるため,この分の電力が 測定誤差となる。 正しい選択肢は2。 22 工 学 基 礎