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Twinkle:Tokyo Women`s Medical University

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Twinkle:Tokyo Women`s Medical University
Title
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Journal
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円形脱毛症の免疫組織学的研究
中島, 静香
東京女子医科大学雑誌, 50(7):529-542, 1980
http://hdl.handle.net/10470/4121
Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database.
http://ir.twmu.ac.jp/dspace/
25
(東女医大誌 第50巻.第7号頁529∼542昭和55年7月)
円形脱毛症の免疫組織学的研究
東京女子医科大学皮膚科学教室(主任:肥田野 信教授)
中 島
ナカ
ジマ
静 香
シズ
カ
(受付 昭和55年4月14日目
Immuno』量stological Study of Alopec五a A”eata
Sh勉uka NAKAJIMA, M.D.
Department of Dermatology(D五rector:Pro£.Akira. HIDANO)
Tokyo Women’s Medical College
Im皿unoHuorescence study was per長)rmed in 50 patients with alopecia areata. There were 15
patients with si耳gle!esion(AA)and 35 patients with multiple lesions(AAM).
By direct.im皿unoHuorescent method, abnormal deposits of Ig(}, occasionally that of IgM or C3 were
長)und in 170ut.of 35 patients examined.
The deposits were mainly fbund in the量ntercellular space of inner root sheath of anagen hair bulb,
and Iocated at the basement zone of hair fbUicles in 40ut of 17 patients.
Cirωlating antibody against hair負)11icles was.also demonstrated in 180ut of 50 patients by
indirect immuno且uorescent method. By indirect method immunofluorescence was usually fbulld in
the in免rior portion of hair fblliρles, surroundihg completely the hair bulb.
In patients whose imlnuno且uorescehce study was positive, the common histologic abnormality
was periR)llicular lymphocytic infiltrates, In these patients topical corticosteroid treatment was ef琵。.
tive and hair regrowth was obtained a丘er six months of tre飢ment.
These observations suggest that immulle mechanisms may play.arole in the pathogenes塾of
alopecia areata.
よる観察を行なった.同時に患者血清申の抗毛包
L 緒 言
円形脱毛症の発症原因としては従来より種々の
抗体の検索も施行した.また各患者につき病巣部
方面から研究がなされているが,脱毛部組織の毛
細胞浸潤の状態,予後,血中免疫グβブリソ値,1
包周囲にリンパ球を主とした細胞浸潤がみられる
ステロイド外用の効果等についても比較検討を行
こと,.ステロイドの全身並びに局所療法の有効な
なった..
こと,自己免疫疾患に合併する揚蓋があること等
皿・対象と方法
の事実から免疫学的な発生病理が関与しているの
対象=円形脱毛症患者50例で,うち単発型(AA.と略
ではないかとの推論が近年有力になりつつある.
す)が15例,多発型(2コ以上)(AAMと略す)が35
著者は免疫組織学的な面からの証拠を求めて,.円
例である.後者を加藤らりの分類に従って,1型・通常
形脱毛症病巣部の皮膚生検を行ない蛍光抗体法に
型, H型・網状遷延型(従来の全脱毛型),皿型・不正
一529一
26
局面型(Ophiasis型)に分類すると,1型は24例,皿型
FITC抗ヒトC3血清はF/P ratio 3・0, Specific anti・
は8例,]∬型は3例である.AAでは男5例,女10例,
body concentration 15mg/m1で,いずれも10倍から20
AAMでは男11例,女24例で,年齢は3歳から58歳にわ
倍に希釈して使用した.
たっている.皮膚採取部位は,1%塩酸プ戸カイン局所
m・結 果
1.毛の構造(図1)
麻酔で,脱毛巣から辺縁部にまたがるように採取した.
患者血清は初診時又は病巣部生検時に採取した,
ヒトの毛の成長は持続的に進行するものではな
方法=蛍光抗体直接法…皮膚生検後直ちに組織片を濾
く周期性を有し,これを毛周期(hair cycle)と呼
紙に貼りつけ滅菌試験管に入れて密封し,一80℃のブリ
ぶ.通常は成長期(anagen),退行期(catagen),
ーザーに保存した.標本作製時一20℃の下にクリオスタ
休止;期(telogen)の3つの時期に分けられ,一般
ヅトで6μの凍結切片を作製し,無蛍光スライドグラス
に成長期は数年,・退行;期は2∼3週,休止期は数
(マツナミNo・1)に貼り,0・1M, pH 7・2, phosphate
ヵ月続く.このため,通常,ヒト頭皮切片では成
buEered saline(以下PBSと略す)で5分間ずつ3回,
長期毛が80%にみられるという2).
遊離グ質プリンを洗い流し,FITC標識抗血清を37℃1
時間,湿潤室内でインキュベートした.次いでPBSで
毛が皮膚の内に埋まった部分を毛根(hair root)
5分間3回洗浄後b雌ered glycerinにて封入,オリン
といい,毛根を包む組織を毛包(毛嚢)(毛根鞘)
パス蛍光顕微鏡にてUVフィルターで観察した.写真
(hair follicle)とよび,内方は上皮性毛包と外
はフジカラーASA 100,露光2分で撮影した.蛍光観
方の結合織性毛包からなる.両者を境する硝子膜
察が終了した切片標本はPBSに浸しカバーグラス除去
は基底膜とその外にある膠原線維のち密な層か
後,H・E染色を行なった.また同時にblock五ng test
らなっている3).上皮性毛包は表皮の有棘層に相
を行ない特異蛍光を確認した.なお対照として頭部の指
当し,外方にあり角化しない外毛根鞘(external
墨母斑2例,表皮母斑1例,色素性母斑1例の病巣周囲
sheath)と,内方にあり角化する内毛根鞘(internal
の正常頭皮について前述の観察を行なった.また円板状
エリテマトーデス患老(46歳,女)頭皮の萎縮性紅斑局
面についても同様の方法で観察し,特異蛍光の局在につ
いて比較検討を行なった.
sheath)とに分けられる.内毛根鞘は表皮に近づ
くにつれ角化をおこし外方より内方にむかって
Henle層, Huxley層,毛根内小畔の3層よりな
っている.内毛根鞘の細胞相互間はデスモソーム
蛍光抗体間接法…基質としてヒト正常頭型を用い一
20℃の下にクリオスタットで6μの凍結切片を作製し,
より結合されており,Henle層の細胞と外毛根
無蛍光スライドグラス(マツナミNo・1)に貼り, PBS
鞘最内層の細胞もデスモソームで結合される.成
で5分間洗浄後,20倍∼160倍の患者希釈血清を37℃1
長期の毛根の最下端は徐々に下方にのびながら発
時間湿潤室内でインキュベートした.次いでPBSで5
達して大きくなり野球(hair bulb)を形成する.
分間洗浄後,FITC標識抗血清IgGを37℃1時間,湿
その中に毛乳頭を容れており,この毛乳頭に最大
潤室内でインキュベートした後,PBSで5分間洗浄後,
径の仮想線を引きこの高さをCritical Ievelとよ
bu仔ered glycerinで封入し,直接法と同様の方式に従っ
ぶ4).この高さで毛球は上部と下部の2つの部分
て観察した.対照として健康者6名の各20倍∼160倍希
に分けられ,下部の毛乳頭に接している下期には
釈血清および類天明瘡患者1例(73歳,女)160倍希釈
一層の円柱状細胞(毛母細胞)が並んでいて,毛
血清,尋常性天庖瘡患者2例,うち1例は(53歳,女)
および上庚性毛包をつくる母体となる。毛乳頭に
160倍希釈血清,他の1例は(54歳,女)320倍希釈血清
を使用して特異蛍光の確認およびその局在の比較検討を
行なった.
は血管,神経,間葉系細胞が下方の真皮より入り
込んでおり,毛母細胞を養っている.
2.蛍光抗体直接法
使用した標識抗血清はいずれもHyland社製でFITC
抗ヒトIgG血清はFIP ratio 2・7, speci丘。 a面body
円形脱毛症患者病巣部の毛包でIgG, IgM, C3
concentration 1.8㎎1ml, FITc抗ヒトIgM血清はFIP
の沈着が認められた.こは沈着はレース状をな
ratio 3.3, Specific antibody concentration 1.9mg/ml,
し,主として成長;岬町脚部の内毛根鞘の毛母細胞
一530一
27
“
講
(毛
表皮
アポクリン汗腺ノ’
排出管
1脂腺
璽・顯熱爬
42 4,
43
恒
常
.宅馳.. . ・ ・ .レ6
レ7
部立毛筋
毛L毛隆起
毛謬・サイト『∼654
根!
毛母
睡欝
①
メラノサイト
毛母
B.横 断 像
1毛球(限界線付近)
II毛根(下部)=角芽層付近
ヘンレ層(43),鞘小皮(41),毛小皮(3)は角化
毛乳頭
lH毛根(上部〉
毛皮質(2)は角化
内毛根鞘(4)の3層は融合する
外毛根鞘(5)は多層となる
A.縦断像
轟モill艦
轡E終鰭灘
[
:1:1、h
上皮性毛包
毛包
hair follicle
5.外毛根鞘(毛鞘=trichile㎜a)
Outer root sheath
6.硝子膜Vit【鴇ous lnembrane
7,結合織性毛包
図1 毛組織の構造(橋本)5)
聞において認められた(写真1).一部の症例(症
表1沈着部位からみたパターンの比較
例2,16,17)ではIgG, C3の沈着が毛母細胞
間および毛球部基底膜にline蹴patternに認めら
IgG
IgM
C3
A
14
6
3
れた(写真2).その他,C,は沈着が月球部基底
B
0
0
4
4
膜にのみ1inearに認められた症例が4例(症例
C
3
0
2
P716
5
9
32
3,4,18,19)あったが,表皮の基底膜には特
計
異蛍光は認められなかった(写真3).
1
1
」
計
23
A:内毛根鞘毛母細胞間に認められたもの.
B:毛髪部基底膜に認められたもの.
C:内毛根鞘毛母細胞間及び毛球部基底膜に認められ
たもの、
沈着部位からみたパターンを比較するとIgG,
IgMに関しては内毛根鞘の毛母細胞間に沈着す
る所見が多くみられ(IgG I4例, IgM 6例), C、
では毛球部基底膜のみに沈着が認められる症例が
ずれも特異蛍光は認められなかったが,1名(表
4例あった(表1).
皮母斑)だけに毛球部基底膜に一致して1inear
patternに淡いC3は沈着が認められた.同時に比
対照とした正常頭皮にはIgG, IgA, IgMのい
一531一
28
表2 AA
Xo.
症例
年令
性
罹病期間
間
直接法
IgG
!gMC3
接
法
1:20
1:40
1:80
1二16G
毛包周囲
ステロイド
ラ胞浸潤 O用効果
予後
摘 要
尋常性白斑
1
S.K.
29
F
10M
A
A
A.
十
十
十
十
甘
十
良
2
N,K:.
33
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C
A
C
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十
十
十
十
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十
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一
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十
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N
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〃
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十
〃
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一
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…
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…
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一
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N
IgG高値
Behget病
良
十
N
N
N
フ陽性
〃
十
一
抗甲状腺抗
〃
〃
〃
〃
不明
注)A:内毛根鞘毛母細胞間に沈着の認められたもの,B:毛球部基底膜に認められたもの
9i鰐乱舞審議軒毛縣基厳}こ認めら批もの(A+B)
較検討を行なった頭部円板状エリテマトデス皮
したものを良とした.
疹部の毛包ではIgG, C3の沈着が表皮基底膜から
IgM, C3陽性例は,いずれもIgG陽性例であ
連続して毛球をとり囲むように丘briHar pattern
に認められたが,内毛根鞘の細胞間には特異蛍光
り,IgMとC3とは不一致の場合もあり,症例
4を除いてはIgG, C3陽性例においてのみIgM
は認められなかった.
が陽性を呈した.
AAで特異蛍光が確認されたのは6例中5例で
あり,その内訳は,IgGでは6例中全例, IgM
では4例に,C3については4例に陽性所見が認
毛包周囲の細胞浸潤についてみると,細胞浸潤
を認めるもの(写真.4)のうちで,IgGの沈着が
観察されるものと,されないものとは約半々の割
められた.IgAについて同様は検索を施行したが
であるが,細胞浸潤がなくて特異蛍光陽性所見を
全例に陰性であった(表2).
認めたものは9例中1例のみであった.
ステロイド外用による治療効果に関してみる
AAMについてみると35例中19例に特異蛍光が
は5例であった(表3).AAMのタイプ別に検討
と,外用を行なったのはAAでは3例あり,3例
全例とも有効であった.AAMでは29例でそのう
すると,.1型の通常型ではIgG, IgM, C3はい
ち有効であったのは10例であった.そしてIgG,
確認された.うちIgGは12例, IgMは2例, C3
ずれかの沈着が認められたものが14例(58.3%),
IgM, C3がいずれも陽性所見を呈した症例は5例
且型の網状遷延型では5例に陽性だつたが,山型
全例,IgG, C32者陽性は3例全例, IgG単独陽
の不正局面型においては3例全てに陰性であった
性例は6例中5例がステロイド外用の効果が認め
(表4).
られ,それに従い予後も良好であった.特異蛍光
なお罹病期間は発症から生検までの期間を示
陰性例では全例にステロイドの外用は効果認めら
し,予後は,生検,治療開始後6ヵ月以内に発毛
一532一
れず,大部分が予後不良であった(表5).
29
表3 AAM
No.
症例
年令
性.
型
罹病期間
直接法
間
IgG
IgM C3
接
法
1:20
1140
1:80
1:160
毛包周囲
ステロイド
ラ胞浸潤 O用効果
予後
乱K.
15
F
1
10M
C
A
C
十
十
十
十
什
十
17
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M
1
5M
C
A
A
十
十
十
十
十
十
〃
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十
十
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十
十
〃
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M
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A
B
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十
十
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十
十
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1
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4M
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A
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2Y
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23
F
31
S.A.
13
F
皿注)
32
K.M.
3
M
皿
33
Y,K.
16.
F
1
34
F.M.
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F
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21
F
1
36
K.M.
22
M
正
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T.M.
22
F
1
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S.H.
23
F
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26
M
H
2Y
44
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26
F
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30
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1
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A
A
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A
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十
一
一
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十
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一
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十
一
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一
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一
一
フ㊥
〃
一
一
斑状強皮症
抗甲状腺抗
’ノ
十
一
摘 要
〃
不良
〃
注)AAMの型=1・一・通常型, H・一・網状遷延型,皿・一・不正局面型
一
IgG, IgM, C3がすべて陰性でありながら予後
ず,フロジン液外用,ベレルガル内服等で経過を
良.好の4例のうち3例(症例6,28,29)は蛍光
追ったところ発毛した症・例である.症例20,27は
抗体陰性であったため,ステロイド外用は行なわ
直接法IgGの沈着を認め,なおかつステロイド
一533一
30
皮を基質として間接法を施行したところ,表皮の
表4 AAMのタイプ別にみた毛包部免疫グロブリ
ンの沈着
1型
H型
皿型
基底膜から上部毛包基底膜に特異蛍光が認められ
IgG
IgM
C3
9
2
3
i37.5)
3
i37、5)
0
i8.0)
0
陽性例 陰性例
i12.5)
i58.3)
2
i62.5)
0
0
計
たが,毛球部の基底膜は蛍光が弱く判定不能であ
24
った.また尋常性天庖丁患者(1例は160倍,他
i100)
i41.7)
3
5
i25.0)
0
10
14
の1例は320倍)希釈血清による観察ではいずれ
8
i100)
i37.5)
3
も表皮有棘細胞の細胞闊にのみ著明な特異蛍光が
3
i100)
i100)
認められ,毛包上皮では陰性であった.
()内は各タイプ総数に対する%
同時に対照として施行した健康老6名の20倍∼
160倍希釈血清による観察では特異蛍光は認めら
外用時は一時的に発毛をみるが,中止後すぐに脱
れなかった.
毛をくり返しており遠隔予後から不良とした.ま
抗毛包抗体はAAでは15例申9例に, AAMで
た症例35,36,37,38,39,40はIgG沈着は陰
は35例中9例に証明された.陽性例の中で抗体価
性であったが,細胞浸潤があったためステロイド
について比較検討すると表2,3の如くで,血清
の外用を試みたが発毛は認められなかった.
の希釈倍数が高くなる程陽性率が低くなる傾向に
血清免疫グロブリン値は蛍光抗体直接法を施行
あり,20倍希釈で最も陽性の占める割合が多かっ
した全症例について検索した結果, 1例(症例
た.
3)のみIgGが高値を呈した他は正常範囲にあ
陽性例について性差,年齢差を検討したが,陰
った.
性例と特に差はなかった.
ASO, ASK等は全例に陰性であり,病巣感染を
また,」血中抗体価と毒蛾との関係をみると,20
思わせる症例はなかった.
3.蛍光抗体間接法
倍∼160倍までAAもAAMもほぼ同数ずつみら
成長期毛球部の毛包に対する血中抗体(以下抗
れ,病型による抗体価の差はなかった(表6).
患者血清の採取は病巣部生検時又は初診時に行
毛包抗体)を証明した(写真5).
同時に類天毒茸患者の160倍希釈血清で正常頭
なっており,病期としてはほとんどが進行もしく
表5 免疫グ・プリンの沈着とステ・イド外用効果および予後の比較
ステロイド外用効果
直 接 法
十
予 後
不良
不使用
良
IgG, IgM, C 3陽性
5
0
0
5
0
IgGおよびC3のみ陽性
3
0
1
3
1
IgGおよびlgMのみ陽性
0
0
1
0
0
1gGのみ陽性
5
1
1
6
1
0
13
5
4
14
13
14
8
18
16
陰 性
計
一∼ }
表6 血中抗毛包抗体価と円型との関係
陽
AA
AAM
性
例
陰性例
計
1:20以下
1:40以下
1:80以下
1:160以下
2
2
3
2
6
15
2
2
2
3
26
35
一534一
31
表7 AAMのタイプ別にみた抗毛包抗体価
1:20以下
1型
1:40以下
2
0
In型
0
1
i4.2)
i8.3)
1型
1:80以下
1
i4,2)
1
1:160以下
3
陽性例
i12,5)
i29.2)
1
i12,5)
i12.5)
0
0
陰性例
7
i25.0)
0
24
iユ00)
i70.8)
6
2
0
計
17
8
i100)
i75.0)
3
0
3
i100)
i100)
()内は各タイプ総数に対する%
表8 抗毛包抗体価とステロイド外用効果,予後との比較
ステロイド外用効果
間
接
予 後
法
十
±∼一
不使用
不良
不明
5
0
0
5
0
0
20倍,40倍,80倍,160倍陽性
良
20倍,40倍,80倍陽性
5
0
0
5
0
0
20倍,40倍陽性
3
0
1
3
1
1
20倍陽性
3
0
1
3
0
0
陰 性
5
17
10
14
17
1
21
17
12
30
18
2
計
(表8).
は停止している時期にあったと言える.
AAMのタイプ別に抗毛包抗体の有無を検討す
ると,1型が7例と最も多く,∬型でも2例に証
明されたのに反し,皿型は全例に陰性であった
(表7).
4.直接法・間接法を通じて検討してみると,
直接法を施行した症例のうち陽性例全例に抗毛包
抗体が証明され,逆にいうと直接法陰性例では抗
毛包抗体は認められなかった.血中抗体が高値
(160倍)を呈する症例は5例あるが,そのうち
ステロイド外用の効果に関してみると,外用を
行なったのはAAでは15例中8例で,うち7例に
効果をみた.AAMでは35例中23例にステロイド
直接法を施行した4例全例とも直接法IgG, IgM,
を外用し,有効であったのは21例であった.
直接法での沈着もIgG単独とか, IgG, C3の2
抗体価と比較すると,160倍以下陽性例では5
C3の3者陽性であった.血中抗体が低くなると,
者,又はIgG,19Mは2者のみ陽性となってい
例中全例に,80倍以下ではやはり5例中全例に,
る.AAMの二型では直接法,間接法ともに全例
40倍以下では4例中3例,20倍以下では4例中3
陰性であった.血中抗体が全く陰性でステロイド
例にステロイドの外用効果が認められた.陰性例
は外用効果が認められた症例22,23,24,25,27
でステロイドが有効であったのは5例のみであっ
こ口直接法でIgGが陽性を呈していることは興
た.
味深い.
予後に関してみると,抗体価が80倍∼i60倍陽
合併症についてみると,検討した50例のうち,
性例は10例全例が予後良好であり,20倍∼40倍陽
尋常性白斑(症例1),Behget病(症例5),斑
性例でも7例中6例が予後良好であり,抗体価が
状強皮症(症例19)の合併が1例ずつみられ,こ
高く出る程予後は良好となるが,たとえ20倍とい
の3例はいずれも蛍光抗体直接法によりIgGは
う低倍率でも陽性の症例では予後が良好の傾向に
陽性所見を呈し,間接法にては80倍まで陽性であ
あった.陰性例においては,良,不良が約半数
った.また,抗甲状腺抗体が陽性を呈した症例2
ずつであり,特に差を認めることはできなかった
例(症例2,20)も直接法にてIgG陽性,間接
一535一
32
致をみず,1958年にVan Scottら2。)は円形脱毛症
法でいずれも40倍陽性であった.
w・考
における野球部,毛乳頭の詳細な観察を行ない,
按
近年,円形脱毛症の原因究明に免疫学的アプロ
本症の毛包は萎縮した成長期毛蟹状態で成長が停
ーチがなされており,工973年Kernら6)により患
止しており,正常の毛周期が進行しないと述べて
者血清中に抗甲状腺抗体,抗胃粘膜抗体,抗副腎
いる.佐藤21)によると,脱毛には成長期脱毛と休
抗体が証明され,次いで1975年置ainら7)により
止期脱毛の2つの機序があり,成長期脱毛という
抗平滑筋抗体が証明された.1976年Codhranら8)
のは毛母に対して急激な障害があった場合,毛母
も上記の各種抗体の存在を確認している。本研究
細胞の機能は急停止し,変性,壊死をおこし,わ
においては円形脱毛症患者35例中2例に抗甲状腺
ずかな外力により脱毛をおこす.休止期脱毛は成
抗体が証明され,その頻度はほぼ6%であった.
長;期毛包が毛周期にしたがって休止期へ速やかに
しかし抗平滑筋抗体などの他種の抗体に関しては
移行し,休止期状態となって脱毛する.この両者
検索できなかった,
のいずれの脱毛機序をとっても脱毛後の下部毛包
最近,円形脱毛症が種々の自己免疫疾患に合併
から上皮索は変性退縮するが,通常は相当早く
するとの報告にi接する.Mullerら9)の736例の円
anagenへと再構成され,毛孔にまだ毛の残りが
形脱毛症の集計によると,慢性関節リウマチ10
例,SLE 2例,円板状エリテマトーデス2例,
尋常性白斑33例,潰瘍性大腸炎5例が併発してい
あるのにすでに新生毛が組織学的に認められるも
去されない限り毛包は短小であり,Van Scottの
のが多いとしている.この新生毛は障害因子が除
たという.その他,潰瘍性大腸炎と白斑と円形脱
所見と一致する.今回著者が観察した脱毛部の成
毛症を合併した症例10)11),強皮症と白斑と潰瘍性
長期毛包は正常の成長期毛包とは違って,この再
大腸炎に円形脱毛症を合併した症例12)なども報告
構成が展開されていく過程にみられる毛包ではな
されている.Gillialnら13)はMixed connective
いかと考えられる.
tissue diseaseの患者15例を集計し10例(67%)
以上述べたように,円形脱毛症の発生機序に免
びまん性もしくは円形脱毛症がみられたと述べて
疫学的要因が推測されながらも,その蛍光抗体直
いる.その他,エリテマトーデス14)15),慢性甲状
接法による検索はつい最近に至るまで報告をみな
腺炎15)16)などに合併したとの報告もある.今回著
かった.1973年Kernら6),1978年Klaberら22)
者の検討した円形脱毛症患者50例では,尋常性白
は,病巣部は蛍光抗体直接法を施行したが陰性で
斑,Behget病,斑状強皮症が各1例ずつみられ,
あったとしている.1979年Cormane23)24)は脱毛
この3例がいずれも直接法によりIgG陽性,抗
部の毛球部外毛根鞘の細胞間にIgDの沈着を証
毛包抗体80倍陽性であったことは注目すべきこと
明し,同じく昨年,五十嵐ら25)は健常頭皮の毛包
および円形脱毛症患者の病巣部の毛球部毛包の硝
といえる.
またCarterら17)やBrownら18)はDown症に
高頻度に円形脱毛症の合併が認められたとしてい
子膜に穎粒状もしくは網状にC3の沈着を認めた
と報告している.このC3がどの補体活性経路に
る.D・wn症は精神発育遅延のほかにIgG減少,
由来するかは不明であるが,結合織と関係がある
Tリンパ球減少による免疫低下をしばしば合併す
のではないかと述べている.Bystrynら26)は円形
るものである.1975年du Vivierら19)は抗甲状腺
脱毛症患者,壮年型脱毛症患者の成長期野球部の
抗体陽性のDown症患者に円形脱毛症が合併した
基底膜に高頻度でIgGとC3の沈着を証明してお
例を報糊している.このように免疫異常をしばし
り,そは沈着は外毛根鞘の細胞間に認められる場
ぼ伴うこの染色体異常症に生じた円形脱毛症も,
合と,基底膜に丘brillar又はgranular patternに
おそらく自己免疫の一つの表現であろう.
認められる場合と,両者が同時に認められる場合
脱毛の病理機転については諸家の見解は未だ一
とがあったと報告している.このように蛍光抗体
一536一
33
中島論文付図〔1〕
写真1 症例1の病巣部の成長期懸盤部の内毛根鞘毛母細胞間にIgGの沈着が認
められる.
写真2 症例2の病巣部,成長期毛球部の内毛根鞘毛母細胞間および毛薗部基底膜
にC3の沈着が認められる.
一537一
34
中島論文付図〔n〕
写真3 症例4の野球部基底膜に丘brillar patternにC3の沈着が認められる.
そ
、
ご駈
毒げ
壽鮒
ダ ヨ
謎
・蝿m1
隔、
[ P
B
べ叩:
写真4 症例4.毛包周囲にリンパ球の細胞浸潤が認められる.H−E染色,20×
一538一
35
中島論文付図〔皿〕
写真5 症例16の20倍希釈血清を用いた間接法で毛母胞細間に特異蛍光が認められた.
一539一
36
直接法による所見は,未だ数も少なく内容にも一
は局注30),内服31)32)および外用31)等が試みられて
致をみず,その意味づけも一定の見解に達してい
おり,その有効性は高い.毛組織への障害因子は
ないが,Bystrynらの観察結果は今回著老の検討
定かではないにしても,有接又は血行を介して毛
とほぼ同じ所見である.
母細胞の代謝が障害され脱毛をおこすという考え
今回著者が施行した直接法で証明された特異蛍
方から,その発毛効果は代謝賦活作用と抗炎症作
光の沈着はA,B, Cのパターンをとったが,な
用によるとされている33)が,今回検討した50例の
ぜIgGが細胞間に, C,が基底膜に沈着が多くみら
うち,ステロイド外用が有効の症例はほとんどが
れるのかは今のところ不明である.
直接法にてIgG, IgM, C,などの沈着を見,また
AAMで通常型,遷延型には免疫グロブリンの
間接法にて抗毛包抗体がみられたことからみて,
沈着や血中抗体が証明され,これらのタイプをき
脱毛における免疫学的要因があり,それをステロ
たす症例の中には免疫学的なメカニズムが関与し
イドが抑制した可能性も考えられる.
間接法についてみると,1971年Alexanderら34>
ていることを示唆するが,不正局面型では直接
法,間接法ともに陰性であったことから発生機序
は縮毛に変化した小児皮膚筋炎の患者血清中に抗
が異るものであろうと考えられた.
毛包抗体を証明したと報告している.しかし通常
また,Tufanelli27)は円板状エリテマトーデス患
の円形脱毛症において間接法で血中抗体の証明に
老頭皮皮疹部の蛍光抗体法の所見を報告している
成功した報告はこれまでになかった.今回証明さ
が,表皮の基底膜から連続して毛包基底膜にそっ
れた抗毛包抗体が去嫌瘡抗体と異る点は,抗毛包
てgranular∼thready patternを呈するIgGとC3
抗体が毛球部下部の毛母細胞間にのみ限局して証
の沈着が認められたという.この所見も著者の所
明され,表皮の有棘細胞間には特異蛍光が認めら
見に一致する.円形脱毛症の直接法によるIgG,
れなかったことである.脱毛促進的に作用するの
C3のHbrillar patternの沈着が円板状エリテマト
か,発毛促進的に働くか,意義は未だ明らかでな
ーデスと異なる点は,単に基底膜のみではなく,
いが,この抗体が予後の良好な症例に比較的多く
内毛根鞘の細胞間にも特異蛍光がみられることで
証明されたことは,この抗体の証明が予後を予測
ある.上に述べた脱毛機転の所見と考え合わせる
する一つの指標になりうることを示している.多
と,直接法で短小な成長期毛包にIgG, IgM, C、
発性円形脱毛症の予後は予測が困難なものである
の沈着がみられる症例が比較的予後良好であるこ
が,間接法による予測が可能ならぼ実地上有意義
とは,この特異蛍光が認められた毛包は再構成に
な検査になるであろう.
進む段階の毛に一致していることを示唆する.
Berrensら35)は円形脱毛症患者19名は血中IgG,
本症の病理組織像では,古くから毛包周囲のリ
IgM, IgAおよびClq, C、, C、の測定を行なった
ンパ球浸潤が報告されており,Goosら28), Thies
が,異常値を呈した患者は1例もなかったと報告
ら29)によるとリンパ球の浸潤は毛子周囲の血管周
しており,著者も直接法を施行した患者35例につ
囲,毛町内,毛球脚上方の外毛根鞘に主としして
き検索を行なったが, 1例のみIgG高値を呈し
存在し,発症のかなり早期から認められるとい
た他は正常範囲であり,野球部は免疫グロブリン
う.今回検討した直接法施行例35例のうち,陽性
の沈着が血中グロブリンの増加による二次的なも
例9例のうち8例に細胞浸潤が認められたことか
のではなくて特異的なものであることが裏付けら
ら,何らかの免疫学的因子が一つの誘因になって
れた.
リンパ球の遊走を促し,佐藤のいうように,毛母
への浸潤リンパ球により毛母細胞の機能停止がお
V・結 語
1.円形脱毛症患者35例について蛍光抗体直接
こるという可能性は十分に考えられる.
法を施行し次のような結果を得た.
円形脱毛症の治療として,副腎皮質ステロイド
a)病巣部の成長期毛球部内毛根鞘毛母細胞間
一540一
37
に,また一部の症例では毛球部基底膜にIgG,
稿を終るに臨みご指導,ご校閲を賜わりました肥甲野
信教授に深謝の意を表しますと共に,ご指導下さいま
IgM, C3.の沈着を認めた.
b)IgGは17例(単発型AA 5例,多発型
AAM 12例)に陽性, IgMは6.例(AA 4例,
した墨東病院皮膚科仁木富三雄部長,慶応大学皮膚科西
川武ご講師に御礼申し上げます.
(本論文の要旨は日本皮膚科学会第550回東京地方
AAM 2例)に陽性, C3は9例(AA 4例, AAM
5例)に陽性であった.
c)沈着部位からみたパターンでは,内毛根鞘
会,第77回総会において発表した.また一部は日本皮膚
科学会誌89巻1,073頁(1979)に速報小論文として発表
した.)
毛母細胞間に認められたものはIgG 14例, IgM
6例,C,3例であり,毛球部基底膜に認められ
たのはC3のみ4例であった.内毛根鞘毛母細胞
間および毛帯蔀基底膜に認められたものはIgG
文
献
1)加藤吉書・内山道夫・清水順也:円形脱毛症
病田.皮膚臨床1318∼26(1971)
2)佐藤昌三:毛組織について.皮膚臨床20
3例,C32例でIgMは陰性であった.
d)AAM I型・通常型では免疫グロブリンの
805∼816 (1978)
3)鈴木啓之・黒住一昌:毛包ならびに毛根の豫
細構造と角化清寺 真ら編:基本皮膚科学.
初版朝倉書店(1973)97頁
沈着は14例(58。3%),皿鉢・遷i延型では5例
(62.5%)に陽性であったが,皿型・不正局面型
4)Montagn題, W.3 The pilary system. in
St「uctu「e and Function of Skin. p. 190
では陰性であった.
Academic Press(1974)
2.円形脱毛症患者50例につき間接法を施行し
』5)橋本 謙:皮膚の解剖学.毛組織,竹内 勝,
血中抗毛包抗体の検索を試みた.
籏野 倫,肥田野信編=皮膚科学第1版.日
本医事新報社(1978)18頁
a)AAでは15例中9例に, AAMでは35例中
6>Kem,. F. and W.H. Ho銑na血3 Alopecia
areata. Arch Dermato1107407∼412(1973)
9例に陽性であった.
7)Ma置獄, R., R. Robb童e, E. G罫ay, D。 Do距ald
b)抗体価は20倍∼160倍陽性を呈したが,20
and C.H.W. Horne2 Smmoth muscle anti.
倍にて最も陽性率が高かった.
bodies and alopccia areata. Br J Dermatol
c)AAM I型および皿型には抗毛包抗体が証
92389∼393(1975)
8)Cock聡n, R.E。1., F. Thomson and R.N.H.
明されたが,皿型で大陰性であった.
MacSween 3 An autoantibody pro且le in
d)この抗体は蛍光抗体法の上で天庖瘡抗体と
alGpecia totalis and dif恥se alopecia. 島r J
Dermatol 9561∼65(1976)
は異なる性質はものと考えられた.
9)Mu董亘er, S.A., R。K. Wi磁elman and R.
3.直接法,間接法に陽性を呈した症例は毛包
Min皿=Alopecia areata. Arch Dermato133
周囲に細胞浸潤を認め,予後が比較的良好で,ス
106∼113(星969)
10)Tan, R.S.H.3 Ulcerative colitis, myasthenia
テロイド外用の有効なものが多かった.
gravis, atypical Iichen planus, alopecia areata,
4.合併症を有する症例(尋常性白斑,Behget
vitiligo. Proc Roy Soc Med 67195∼196(1974)
病,斑状強皮症)はすべて直接法,間接法とも陽
11)A且且en, H.B. and S.C. Mosche翌a 3 Ucerative
colitis assosiated with skin and hair change.
性を呈した.
Cutis 1485∼88(1974)
5.抗甲状腺抗体が2例に陽性であり,いずれ
12)Thompson, P.M.3 Alopecia areata, vitiligo,
scleroderma and ulcerative colitis. Proc Rpy
も蛍光抗体陽性であった.
Soc Med 671010∼1012(197手)
6.以上,蛍光抗体法の所見は,円形脱毛症の
13)Gilliam,」.N。, D。P. Ste夢han and D. Pry−
病因に免疫学的機序が働いている可能性に一つの
stowsky 3 Mixed conncctive tissue disease
支持を与えた.間接法による血中抗体の証明は予
syndrome. Arch Dermatol 113583∼587(1977)
14)Lerchi血, E. and B. Schwimmer=Alopecia
後を推測する上で有意義な手段になりうることが
areat負 associated with discoid lupus ery−
示唆された.
thematosus. Cutis 1587∼88(1975)
一541一
38
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