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varの各髄膜炎の例
Ⅱ.子育て支援~待機児童解消~ 1.待機児童問題の現状 待機児童問題は、日本のアチコチで問題となっており、新聞報道なども盛んになされてお りますが、一向に解決しておりません。平成 20 年秋のリーマンショック以降、伊丹市にお いても待機児童数はさらに増加し深刻な問題となってきており、平成 22 年 3 月の時点で 397 人もの待機児童が生じています1。 一方で、尐子化が社会問題となっていることから明らかな通り、就学前児童の数は減って おります。すなわち、幼稚園では実質的な定員割れが生じています 2。具体的には、1クラ スしかできない市立幼稚園があり、更に1クラスの児童数が20人を下回る幼稚園さえ出て きています。であれば、定員に余裕のある幼稚園を有効活用することによって、待機児童問 題を解消できるのではないか、と誰しもが考えるところですし、櫻井も直ちにそうすべきだ と考えます。 これまでは、幼稚園は学校教育法 77 条に基づくものであって文部科学省が所管し、保育 園は児童福祉法 39 条に基づくものであり厚生労働省が所管するという、役所の縄張り争い 3のために、幼保一元化が進まず、こども園の設置も進んできませんでした。このような役 所の縄張り争いのために、長い間、市民生活が犠牲となってきました。民主党政権になって ようやく前進しはじめ、今国会において幼保一元化のための法律が議論されておりますが、 法律が可決しても実際に幼保一元化が実現するまでにはまだ数年かかりそうです。でも、市 民の生活は待ってくれません。保育園が見つからなくて育児休業から復職できず、退職を余 儀なくされる場合もあるのです。お役所仕事は、スピード感に欠けており、どうしようもな いなと思います。 2.櫻井シュウの解決策 (1)幼稚園の有効活用~預かり保育~ そこで、櫻井が第一に提案するのが、より多くの幼稚園での預かり保育の導入です。預か り保育とは、幼稚園が昼過ぎに終わった後、引き続き夕方まで幼稚園で預かる制度です。例 えば、荒牧7丁目にある私立いずみ幼稚園では、午後2時半から午後6時まで預かり保育を 実施しています。他の幼稚園でも同様に預かり保育を実施し、幼稚園でも保育児童を受け入 れられるようにすれば、その分保育園に余裕ができて新たに児童を受け入れることができま す。すなわち、4歳からは幼稚園に通ってもよいし保育園に通ってもよく、ご家庭のご希望 に沿って選ぶことができます。つまり、これまで共働き家庭では子供を幼稚園に通わせたく てもできませんでしたが(いずみ幼稚園は例外)、今後は保育が充実している保育園か、就 学前教育が充実している幼稚園か、を選択することができます。 より多くの幼稚園で預かり保育の導入というと、絵空事と思う方もいらっしゃるかもしれ ません。しかし、既に実施している自治体がありますので、実施可能な政策なのです。例え 1 2 3 http://www.city.itami.lg.jp/var/rev0/0008/1864/2010929151449.pdf p.3 http://www.city.itami.lg.jp/var/rev0/0008/1864/2010929151449.pdf p.2 http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/inose/071009_11th/index4.html ば、子育て支援・教育に熱心な東京都品川区では、全ての公立幼稚園で預かり保育を実施し ております。品川区でできるのですから、伊丹市でもできるはずです。良いアイディアはど んどん真似しましょう! (2)保育園の予約制度 待機児童問題のもう一つの問題点は、保育園に入園できるのは、実質的に4月だけという ことです。4月には各学年の児童が進級し、一番上の年齢の児童が小学校に進学します。そ れで空いた人数分だけ入園できるという仕組みになっています。しかも、1歳児のクラスに 入るのは0歳児から進級する児童が優先しますから、1歳児から入園するのは難しくなりま す。同様に、2歳児のクラスに入るのは1歳児から進級する児童が優先しますから、2歳児 から入園するのは難しくなります。一方で、0歳のクラスには進級してくる子がいませんの で4、一般的に0歳児が1歳児・2歳児よりも入園しやすいと言われています。すなわち、育 児協業中のご家庭では0歳の4月に保育園に入れるというのが常識となっております。4 月・5月生まれの児童であれば、翌4月にはほぼ1歳なのでいいのかもしれませんが、早生 まれの児童はハイハイもできないうちに保育園に入らねばならないことになります。 さらに問題なのは、本当は1歳まで育児休業を取りたいと思っているご家庭でも、0歳の 4月に保育園に入らなければならないとして、意に反して早めに保育園に入れるケースが尐 なからずあるということです。そして、このために保育園がいっぱいになり、保育園不足が 深刻化するという悪循環を生んでいます。 加えて、予防接種の問題もあります(予防接種対策は「医療」のページをご覧ください)。 0歳児が接種することが薦められている予防接種のうちで重要なものだけでも、BCG(結 核予防:1回)・DPT 三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風予防:3回)、ポリオ(ポリ オ予防:2回)などがあります。これら以外に Hib ワクチン(細菌性髄膜炎等の予防)や 肺炎球菌ワクチン(細菌感染症の予防)もあり、0歳児は予防接種で大忙しです。なお、こ れらはいずれも命にかかわる病気ですので、早期に確実に済ませておくことが強く望まれま す。しかし、例えば6カ月で保育園に入れば、これらの予防接種を終える前に保育園に通う ことになり、小さくないリスクを抱えることになります。また、保育園に限らず一般に人の 集まる場所は、病気のデパートでもあり、保育園で風邪をもらってしまいますと予防接種は 受けられず、予防接種のスケジュールがどんどん遅れてしまいます。このような観点からも、 家庭の方針に反して無理やり0歳の4月に保育園に入園せざるを得ないという状況は、好ま しくありません。 こうした不都合を解消するため、櫻井シュウは、保育園の予約制度を導入することを提案 します。これにより、家庭の方針に反して無理やり0歳の4月から保育園を入れるというこ とがなくなり、ご家庭で安心して育児休業を取得することができるようになります。 なお、現時点では、待機児童が大勢いらっしゃる中で、別の児童のために場所を取ってお くということは現実的ではありません。大前提として、まずは幼稚園での預かり保育実施に 4 正確には、年度途中に入園して0歳児クラスに入り、翌4月1日の時点で0歳であれば引き続き0歳児 クラスにいることになるので、0歳児クラスにも優先的に入れる児童はいます。 より待機児童問題を解消し、その次に、保育園予約制を導入するという手順になります。 (3)こども園の整備 保育園が圧倒的に不足しているという現実を踏まえて、速やかにこども園の整備を進めま す。保育園ではなくてこども園を整備する理由は、保育園の充実した保育という点と幼児園 の就学前教育というそれぞれのいいとこ取りを狙うためです。ただし、速やかと言っても、 こども園を新設するためには2~3年はかかりますので、それまでの間は上記の(1)預か り保育と(2)保育園予約制度により待機児童解消を図ります。 3.市議会での議論 ある市議会議員は、預かり保育の導入について市当局の見解を質しています 5が、市当局 は伊丹市学校教育審議会の答申内容を紹介して終わりでした。すなわち、伊丹市学校教育審 議会の「今後の幼児教育のあり方について」では、預かり保育について、「私立幼稚園の実 践例も踏まえて研究しながら、今後も引き続き、検討を進めることが必要である」と答申さ れました。 この市議会議員は、この木で鼻をくくったような答弁で引き下がってしまったようで、更 なる追及はありませんでした。折角、良いところに目を付けたのに、尻すぼみに終わってし まい残念です。しかし、本気で預かり保育を導入しようと思うのであれば、市内のいずみ幼 稚園の例や他の地方自治体の例等を引用して追及すべきです。また、紹介された答申は平成 22 年 2 月に提出されており、その後1カ月(質問の時点)経ったのだから、その後の検討 結果についても追及すべきでした。 ちなみに、お役所仕事では、答申で「今後も引き続き、検討を進める」というのは「何も しません」と同義です。櫻井ならば、「答申から1カ月もあったのだから(役所の感覚では まだ1カ月でしょうが)、どんな検討をしているんですか?」と言って、ガンガン追及した ことでしょう。 5 平成 22 年 第 1 回定例会(第 8 日 3 月 12 日)