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里の見どころマップ 栗生
屋久島文化発祥の地 栗生(くりお) 栗生へ ようこそ 栗生を歩く、その前に! 皆さんとのふれあいを楽しく大切なものにするために、 皆さんの旅が心地良いものになるために、 そして屋久島の美しい自然が保たれるために、次のことをお願いします。 そして、ゆっくりさるいてください。 その1:気軽にあいさつを交わしましょう。 その2:私たちの暮らしは、山からの水で支えられています。山の水を汚さないよ うに心がけてください。 その3:水源はもちろん、田畑や墓地など、私たちが暮らしの中で大切にしている 場所に、むやみに立ち入らないよう心がけてください。 その4:屋久島では、人にエサをもらうなどして慣れたサルやシカが、人里の作物 を荒らすようになり、困っています。野生動物にはエサをやらないようにお 願いします。 その5:ゴミは持ち帰り、分別して捨てましょう。 栗生集落の自慢話 • とう つ う じ • 江戸時代 は、唐 通事 と 呼ばれる中 国語の通訳 が置かれるなど、琉球や 国内との重要な交易港に なっていました。 • 島で最初の高等小学校 が開校 し た のも、ここ栗 生です。明治 28 年のことでした。 トビウオ漁など、屋久島南部随一の漁業の村として栄え、日本各地の 漁船が寄港していました。今は、560 人ほどの集落ですが、当時は、2,000 人近くが栗生で生活していました。人口が一番多かった昭和 24 年当時、1 年間の収入を5,6月のトビウオ漁で稼いでいたという話も残っています。 • 年平均気温が屋久島で一番高く、現在は、ポンカン(収穫は 12 月)やタ ンカン(収穫は2月)などの柑橘栽培が盛んです。 • 栗生の三大行事 栗生の繁栄を物語る はまくだ 浜下り 栗生の共同墓地 2月下旬に行われる浜下りは、栗生神社 に祭られているヒコホホデミノミコト(山幸 みこし 彦)を神輿に乗せて栗生浜まで運び、み そぎをする行事。 神事のあいだ、武者姿の若者2人がみこ しを警護します。なんと、鎧兜の重さは、 約25キロもあります。 浜でみそぎをすることによって神様の力 が更新されます。神事の後は、公民館で 住民が集まり、歌や踊りを奉納します。 栗生の共同墓地には、指宿市でしか採 れない山川石で作られた古い墓がたく さんあります。その中には屋久島で唯 ほうきょういんとう 一とされる宝 篋 印 塔 (宝篋印陀羅尼を 収める塔)も見られます。この ほうきょういんとう 宝 篋 印 塔 は、五輪塔と並ぶ代表的な 中世(鎌倉時代頃)の石塔の一種で、 日本人の宗教観の歴史的展開を解き 明かしていくための重要な宗教遺物で す。中国から伝来したものといわれて います。 このほかにも、栗生の 墓地には、かつて中国 と交易をしていたことを 物語る唐通事(通訳業) な どの 墓 も 残 っ て い ま す。 おにび た どんどや(鬼火焚き) 見学の際は、必ず 集落の方に、声を かけてください。 屋久島4大河川のひと つ「栗生川」の河口に発 達した、屋久島の中でも 歴史のある集落です。 • 栗生の宝物 自然にも恵まれ、ウミガメが上陸する浜、分布の北限となるメヒルギ(マン おおこう グローブ林によく見られる植物)、南九州一の落差を誇る大川の滝などが あります。 毎年1月7日に、一年の無病息災を願う 「どんどや(鬼火焚き)」が栗生をはじめ、 屋久島の各集落で行われます。 この日は朝から、正月に飾った門松やし め縄、もちを祝った紙などを集めて、鬼の 絵を描いた紙とともに、広場に持ち寄っ て燃やします。 屋久島唯一のマングローブ自生地 栗生のメヒルギ マングローブといえば、西表島が代表 的ですが、ここ屋久島にもマングローブ があります。屋久島では、栗生川河口 でしか見ることができません。 栗生川河口に生えるマングローブは「メ ヒルギ」で、かつては、栗生川河口の両 岸に群生していました。しかし、護岸工 事や土地の造成等による環境変化に より、栗生川の右岸の限られた場所で しかその姿を見ることができなくなりま した。 現在、地元のボランティアが、メヒルギ の保全活動を行っています。 十五夜の綱引き 豊漁豊作や家内安全を祈願する島の伝 統行事。 旧暦8月 15 日の晩(十五夜の晩)、屋久 島の各集落で盛大に行われます。 この日は朝から、長さ 30 メートルにもお よぶ綱を作ります。この綱に触れると、無 病息災のご利益があるそうです。 なまがや 綱引きの綱を、今でも生萱 で作っている のは栗生くらいです。 その他にも… あらんばらあ市 このほかにも、クリオザサ、ス ナズル、ツキイゲなどの海浜 植物が見られます。いずれ も貴重な植物です。 そっと観察してください。 毎年 11 月 23 日に栗生生活館前で行わ れます。地元特産物がずらりと並び、地域 内外からの買い物客でにぎわいます。 ◆お問い合わせ先:栗生区 TEL 0997-48-2807 鹿児島県熊毛郡屋久町栗生 1735 ◆作成協力:栗生区里のエコツアーマップ作成作業部会 ◆イラスト:黒飛淳(尾之間在住) ◆制作・著作:環境省九州地方環境事務所 TEL 0997-46-2992 鹿児島県熊毛郡屋久町安房前岳 2739-343(屋久島自然保護官事務所内) 「あらんばらあ」とは、 「どうして相手に伝わら ないのかなー」という島 人のもどかしい気持ち を表現したものです。