...

小規模店舗販売業用 一般用医薬品の適正販売等を確保するための指針

by user

on
Category: Documents
6

views

Report

Comments

Transcript

小規模店舗販売業用 一般用医薬品の適正販売等を確保するための指針
小規模店舗販売業用
一般用医薬品の適正販売等を確保するための指針及び手順書
暫定版
(平成 21 年 9 月 25 日作成)
情報提供及び販売又は授与の業務に係る適正な管理のための手順書
作成に関する覚え書き
○手順書の作成及び変更について
手順を示さないと、店舗において係わる者が、確実には「守れそうにない」あるいは「できそうにな
い」というような項目について、実現の障害になる要素を拾い上げ、それをどうしたら克服できるかを
考えてみる。
全薬協作成の管理記録簿(管理に関する帳簿)の最後にあるチェック表の項目について考察するのも
方法である。
以下のような視点で記載内容を検討してはどうか。
①制度に対する不認識から違反をしないように。
→手順書の項目から、遵守すべき内容を把握する。
②制度を知った上でのミスや怠慢がないように。
→起こりやすいミスをいかに回避するか、面倒なことを如何に確実に行うかを予め決めておく。
③制度を知った上で違反しないように。
→指針の方向に向かっていることを相互にチェックできる仕組みを作っておく。
④誰かがいなくても、他の誰かが代行できるように。
→手続きの定型化により、業務の再現性向上を図る。
○「管理」の対象について
薬事法の用語として「販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列」とあ
るように、貯蔵及び陳列は、販売又は授与に含まれる業務ではないと考えられる。
購入については、無承認無許可医薬品や不良医薬品を販売又は授与の目的で購入すること以外は薬事
法の対象にならないと思われる。
また、接遇、レジの操作、現金や支払いの管理、店舗内や駐車場における事故によるけがの対処など
は薬事法制度とも関係ない。
したがって、上記の内容は基本的にこの指針及び手順書における「管理」の対象には含めない。
1
ただし、医薬品の購入、貯蔵及び陳列のうち、一般用医薬品の適正販売等に直接役立つ範囲について
は記載する。例えば、30 度以下の保存で向きに注意が必要な坐剤の場合に、それらの注意をお客様に伝
え忘れるのを防ぐため、あるいは、リスク区分ごとに分けて陳列していながら、誤認により登録販売者
が第 1 類の医薬品を販売したり、第 2 類医薬品を郵便等販売したりしないように、販売従事者側の立場
で陳列棚に印を付ける等の工夫をしたりすることは、通常の物品管理とは目的が異なり、この手順書の
範囲内と考える。
○手順書記載の事例
問題の発生
新たに雇用した一般従事者が、情報提供にあたる説明をしてしまった。
問題発生の原因
以下のような場合が考えられる。
ⅰ.新たに雇用した一般従事者が、制度を知らない。
ⅱ.制度は知っているが、どこで薬剤師又は登録販売者にバトンを渡したらよいか要領をつかめ
ていない。
ⅲ.お待ちいただいている間に出来ることが何か分からない。
対策のための手順
・ⅰについて
一般従事者を新たに雇用した場合、第二類医薬品の情報提供は、薬剤師又は登録販売者が情報
提供を行うことになっていることを「情報提供」の意味とともに教える。
・ⅱについて
第二類医薬品については、一般従事者が業務上、お客様とコミュニケーションをとる場合には、
何を目的に来店されたのかを伺ったり、陳列場所を教えてさし上げるにとどめ、情報提供が必
要な状況に至った時点で、薬剤師又は登録販売者に、お客様の要件を伝達する。
・ⅲ.について
薬剤師及び登録販売者が接客中の場合には、待っている間に薬剤師又は登録販売者に伝達する
ため、症状について記録をとっておく。薬や病気についての説明は行わない。
○関連する法令等
手順に盛り込む必要がある準拠しなければならない法令等については、最後に示した。
全薬協作成の管理記録簿(管理に関する帳簿)との関係は、各項目の下部に枠で囲って示してある。
2
(1)情報提供等及び販売等に関する適正な管理のための購入(仕入れ)、貯蔵及び陳列の工夫
この手順書には、医薬品の購入、貯蔵及び陳列のうち、一般用医薬品の適正販売等に直接役立つ範囲
について記載する。
製品を新たに購入する際に、店舗販売業者と店舗管理者により、それが無承認無許可医薬品又は不良
医薬品に該当しないことをチェックする。仕入れは店舗販売業者が行うことも多い筈だが、薬事に関す
る管理は店舗管理者が行うことになっており、両方の相談・確認の上、購入を決める必要がある。
ただし、仕入れも店舗管理者が行う場合には、指針により無承認無許可医薬品は取り扱わないことに
なっているので、わざわざ手順書に入れる必要はないと思われる。
試験で資質確認を受けていない一般従事者が一存で製品を新たに購入することは、想定していない。
『管理記録簿』との関係
医薬品
(1) 不正表示医薬品、不良医薬品等を貯蔵、陳列、販売、授与などしているようなことはありませんか。
(法第 50 条、法第 51 条、法第 56 条)
留意点3
医薬品の保管管理の適正化、迅速的確な回収等への対応
薬事法施行規則(医薬品の譲受及び譲渡に関する記録)第十四条において、医薬品の保管管理の適正化、
迅速的確な回収等の保健衛生上の観点から医薬品の譲受及び譲渡に関する記録を記載の日から三年間残
すことになっている。一般消費者への販売時には、この記録は不要。
(2)情報提供にあたって
一般用医薬品の販売に従事する者及び情報提供を行う者については、薬事法第 36 条の 5 及び第 36 条
の 6 により、リスク区分に応じて薬剤師又は登録販売者が行うことになっている。規定があるのは「販
売」と「情報提供」で、単なる「対応」についての規定等はない。
店舗内でいつ情報提供するかについての規定等はない。
情報提供設備は、薬局等構造設備規則第 2 条第 9 号に規定されている。特に配慮すべき症状等やプラ
イバシーを守れる情報提供設備ついての規定等はない。
情報提供の際に用いる文書は施行規則第 159 条の 15 第 2 項に規定されている。添付文書でなければい
けないというわけではないが、施行通知では、添付文書以外を用いる場合には、その「書面を交付する
ことが望ましい」とされている。
留意点1
一般従事者を新たに雇用した場合
情報提供を行う販売適格者は、薬事法第 36 条の 6 に規定されている。
留意点2
情報提供が済む以前の、一般従事者によるお客様とのコミュニケーション
専門家が説明すべき範囲をはっきり区別することは難しいので、ここでは「薬や症状について」とし
たが、各店舗販売業者で考える必要がある。
登録販売者は薬事法第 36 条の 6 第 1 項の規定により第一類医薬品の情報提供はできない。
留意点3
情報提供設備の構造
3
プライバシーを守れる情報提供設備ついての規定等はない。別に情報提供設備を作ると、専門家を 2
人(勤務時間から算出して)必要とするため一体とすることが合理的である。
留意点4
添付文書
施行通知の構造設備規則の個所に、
「医薬品を購入し、又は譲り受ける前に添付文書の情報を閲覧する
ことができるような環境を整備することが望ましいこと。また、添付文書の情報の閲覧については、添
付文書の写しを備え付けることのほか、電子的媒体を利用する等の方法によること。」とある。
備え付けた添付文書のメンテナンスに関する規定等はない。
留意点5
ご来店のお客様が保護者等又は代理購入者である場合
代理購入に関する規定等はない。
留意点6
お客様より、説明不要の旨の意思表示があった場合
第一類医薬品の販売の際の情報提供については、施行通知の施行規則の個所に、
「説明を要しない旨の
意思の表明があった場合においても、薬剤師が必要と判断した場合には、積極的に情報提供を行わせる
必要があること。」とある。
『管理記録簿』との関係
情報提供・相談対応・販売
(2)第一類医薬品の情報提供は、薬剤師が情報提供を行う場所において、規定の文書を用いて対面で行っ
ていますか。また、購入者等における医薬品の使用が適正なものであること又は不適正なものとならな
いことを確認するための質問又は説明を行っていますか。
(法第 36 条の 6 第 1 項、則第 159 条の 15、施行通知 p13(2)①)
(3)第二類医薬品の情報提供は、薬剤師又は登録販売者が情報提供を行う場所において、規定の文書を用
いて対面で行うよう、努めていますか。また、購入者等における医薬品の使用が適正なものであること
又は不適正なものとならないことを確認するための質問又は説明を行うよう、努めていますか。
(法第 36 条の 6 第 2 項、則第 159 条の 16、施行通知 p13(2)②)
(3)販売等行う際の情報提供の内容
情報提供の内容は、薬事法第 36 条の 6 に基づく、施行規則第 159 条の 15、第 159 条の 16 により規
定されている。
副作用に関する情報提供についての規定等はないが、添付文書上には具体的な症状を挙げて、
「次の場
合は、直ちに使用を中止し、この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること」と記載がある。
留意点1
添付文書による説明
イについては、施行規則第 159 条の 15 第 2 項では、第一類医薬品の情報提供の際に用いる書面に記載
するべき事項として示されているに過ぎないが、第 159 条の 16 第 3 号では、第二類医薬品について、第
一類医薬品の情報提供の際に用いる書面に記載するべき事項として掲げた事項について「説明を行わせ
ること」とされていて、表現に食い違いがある。これは、第二類医薬品については、第一類医薬品と異
なり、情報提供の際に書面を用いる義務がないことによると思われる。
4
留意点2
アの「当該医薬品の使用が適正なものであること又は不適正なものとならないことを確認する
ための質問又は説明」とは
留意点3
イの(オ)
「当該医薬品に係る使用上の注意のうち、保健衛生上の危害の発生を防止するため
に必要な事項」とは
施行通知にも記載あり
『管理記録簿』との関係
情報提供・相談対応・販売
(2)第一類医薬品の情報提供は、薬剤師が情報提供を行う場所において、規定の文書を用いて対面で行っ
ていますか。また、購入者等における医薬品の使用が適正なものであること又は不適正なものとならな
いことを確認するための質問又は説明を行っていますか。
(法第 36 条の 6 第 1 項、則第 159 条の 15、施行通知 p13(2)①)
(3)第二類医薬品の情報提供は、薬剤師又は登録販売者が情報提供を行う場所において、規定の文書を用
いて対面で行うよう、努めていますか。また、購入者等における医薬品の使用が適正なものであること
又は不適正なものとならないことを確認するための質問又は説明を行うよう、努めていますか。
(法第 36 条の 6 第 2 項、則第 159 条の 16、施行通知 p13(2)②)
(4) お客様への販売等
薬事法第 36 条の 5 に基づき、販売適格者による販売等することが必要だが、販売適格者の管理及び指
導の下で一般従事者に行わせても差し支えないとされている。
ここで「販売等」とは、所有権の移転手続きと考えることもできるが、それはある時点を指している
のではなく、手続きの過程全体であって、薬事法上問題になるのは、その過程のうちの情報提供と記録
(毒薬・劇薬)である。精算業務については、医薬品の品質、有効性及び安全性の確保を目的とする薬
事法によって規制する必要性があるとは考えにくいのであって、薬事法上の「販売等」を単なる精算業
務と考えるべきではない。
販売過程の順序についての規定等はない。
留意点1
一般従事者を新たに雇用した場合
販売適格者は、薬事法第 36 条の 5 に規定されている。
留意点2
販売適格者以外が販売する場合
販売適格者の管理及び指導の下で一般従事者が医薬品を販売する場合並びに薬剤師の管理及び指導の
下で登録販売者が第一類医薬品を販売する場合の規定は、薬事法施行規則第 159 条の 14。情報提供につ
いては、薬事法第 36 条の 6 に規定されている適格を乗り越えることができる例外を定める規定はない。
販売過程の順序についての規定等はない。
留意点3
販売量
5
『管理記録簿』との関係
情報提供・相談対応・販売
(4)第一類医薬品を登録販売者若しくは一般従事者が販売等する時には、薬剤師の管理及び指導の下で、
対面で行っていますか。
(法第 36 条の 5、則第 159 条の 14 第 1 項、施行通知 p13(1)①)
(5)第二類医薬品又は第三類医薬品を一般従事者が販売等する時には、薬剤師又は登録販売者の管理及び
指導の下で、対面で行っていますか。
(法第 36 条の 5、則第 159 条の 14 第 2 項、施行通知 p13(1)②)
店舗
(10)第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品を混在させないように陳列していますか。
(法第 57 条の 2 第 2 項、則第 218 条の 2 第 3 項)
医薬品
(1) 不正表示医薬品、不良医薬品等を貯蔵、陳列、販売、授与などしているようなことはありませんか。
(法第 50 条、法第 51 条、法第 56 条)
(2) 冷暗貯蔵設備に貯蔵すべきものは冷暗貯蔵設備に貯蔵してありますか。
(薬局等構造設備規則第 2 条第 6 号)
(5)毒薬、劇薬を扱う場合(一般用では、人体に直接使用しない殺虫剤等のみ)
・他のものと区別して陳列、貯蔵していますか。(法第 48 条第 1 項)
・毒薬の貯蔵設備には、鍵をかけてありますか。(法第 48 条第 2 項)
・一般人に販売、授与する場合、譲受人から、品名、数量、使用の目的、譲渡の年月日並びに譲受
人の氏名、住所及び職業が記載され、署名又は記名押印された文書の交付を受けていますか。
(法第 46 条第 1 項、則第 205 条)
(5)販売後に相談があった場合の情報提供
販売後に使用者から相談があった場合の情報提供については、薬事法第 36 条の 6 に基づく、施行規則
第 159 条の 17 により規定されている。
留意点1
電話等による問い合わせに対する対処
施行通知の解釈では、「電話等により情報提供を行う場合は、同項(法第 36 条の 6 第 3 項)に規定す
る情報提供に該当せず、単純な事実関係を確認すること、店舗への来訪を求めること、医療機関への受
診を勧めること(受診勧奨)、店舗への来訪や受診勧奨を前提とした使用者に係る情報の収集のための会
話に限定すること。」とある。
(6)事故を知った場合の対処
留意点1
当事者であるお客様や家族に対する初期対応
留意点2
記録するべき情報
6
留意点3
事故後の対応
適正使用した場合における健康被害及びその疑いのある事例において、入院が必要な程度の疾病や障
害などの健康被害を受けた方は、副作用被害救済制度の適用対象になる。
薬事法第 77 条の 4 の 2 第 2 項に規定されている保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要
があると認めるときは、医薬品安全性情報報告書を提出する必要がある。
留意点4
事故処理に関する記録
『管理記録簿』との関係
販売体制について
(7)適正販売等を確保するため、次の措置を講じる。
・従事者から店舗販売業者への事故報告の体制の整備
・業務に関する手順書の作成とそれに基づく業務の実施
・必要な情報の収集その他一般用医薬品の適正販売等の確保を目的とした改善のための方策の実施
(新体制省令第 2 条第 2 項、施行通知 p41-2⑦)
(7)従事者に対する研修
従事者に対する研修は、
「店舗販売業者が自ら」、
「店舗販売業者が委託する店舗販売業に関する団体等」
が実施することになっている。施行通知(平成 21 年 5 月 8 日薬食発第 0508003 号)には、薬局に関し
ては、「薬局又は薬剤師に関する団体等」とあるが、店舗販売業に関しては、職能団体が挙げられていな
い。しかし、平成 21 年 7 月の全日本薬種商協会理事会において、当時の厚生労働省関野薬事企画官より、
「等」とあり、職能団体である薬種商協会も含まれる旨の説明があった。別紙参照
内容は販売促進のためのではなく、適正販売等を確保するための従事者の資質の向上が目的である。
全日本薬種商協会が実施する生涯学習研修は、一般用医薬品の情報提供・相談対応に特化した研修なの
で、薬剤師か登録販売者かは関係しない。
留意点1
伝達研修
留意点2
研修に関する記録
『管理記録簿』との関係
販売体制について
(6)一般用医薬品の適正販売等を確保するため、指針の策定、従事者に対する研修の実施その他必要な措
置を講じていますか。(新体制省令第 2 条第 1 項第 7 号)
7
別紙
関係法令
(1)情報提供等及び販売等に関する適正な管理のための購入(仕入れ)、貯蔵及び陳列の工夫
○薬事法(陳列等)
第五十七条の二
薬局開設者又は医薬品の販売業者は、医薬品を他の物と区別して貯蔵し、又は陳列し
なければならない。
2
薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、一般用医薬品を陳列する場合には、厚生労働省令
で定めるところにより、第一類医薬品、第二類医薬品又は第三類医薬品の区分ごとに、陳列しなければ
ならない。
○薬事法施行規則(一般用医薬品の陳列)
第二百十八条の二
薬局開設者及び店舗販売業者は、法第五十七条の二第二項の規定により、一般用医
薬品を次に掲げる方法により陳列しなければならない。
〈省略〉
三
第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品を混在させないように陳列すること。
○薬事法(販売、製造等の禁止)
第五十六条
次の各号のいずれかに該当する医薬品は、販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的
で製造し、輸入し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
一
日本薬局方に収められている医薬品であつて、その性状又は品質が日本薬局方で定める基準に適合
しないもの
二
第十四条又は第十九条の二の規定による承認を受けた医薬品であつて、その成分若しくは分量(成分
が不明のものにあつては、その本質又は製造方法)又は性状若しくは品質がその承認の内容と異なるもの
(第十四条第十項(第十九条の二第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反していないものを除
く。)
三
第十四条第一項又は第二十三条の二第一項の規定により厚生労働大臣が基準を定めて指定した医薬
品であつて、その成分若しくは分量(成分が不明のものにあつては、その本質又は製造方法)又は性状若し
くは品質がその基準に適合しないもの
四
第四十二条第一項の規定によりその基準が定められた医薬品であつて、その基準(第五十条第七号及
び第五十二条第三号に規定する基準を除く。)に適合しないもの
五
その全部又は一部が不潔な物質又は変質若しくは変敗した物質から成つている医薬品
六
異物が混入し、又は付着している医薬品
七
病原微生物その他疾病の原因となるものにより汚染され、又は汚染されているおそれがある医薬品
八
着色のみを目的として、厚生労働省令で定めるタール色素以外のタール色素が使用されている医薬
品
8
○薬局等構造設備規則(店舗販売業の店舗の構造設備)
第二条
店舗販売業の店舗の構造設備の基準は、次のとおりとする。
〈省略〉
六
冷暗貯蔵のための設備を有すること。ただし、冷暗貯蔵が必要な医薬品を取り扱わない場合は、こ
の限りでない。
〈省略〉
○薬事法施行規則(医薬品の譲受及び譲渡に関する記録)
第十四条
薬局開設者は、医薬品を譲り受けたとき及び薬局開設者、医薬品の製造販売業者、製造業者
若しくは販売業者又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設(獣医療法(平成四年法律第四十六号)
第二条第二項に規定する診療施設をいい、往診のみによつて獣医師に飼育動物の診療業務を行わせる者
の住所を含む。以下同じ。)の開設者に販売し、又は授与したときは、次に掲げる事項を書面に記載しな
ければならない。
一
品名
二
数量
三
譲受又は販売若しくは授与の年月日
四
譲渡人又は譲受人の氏名
2
薬局開設者は、前項の書面を、記載の日から三年間、保存しなければならない。
※店舗販売業への準用は薬事法施行規則第百四十二条(準用)で規定されている。
情報提供等
(2)情報提供にあたって、(3)販売等行う際の情報提供の内容、(5)販売後の情報提供(電話によ
る問い合わせについては後述)
○薬事法(情報提供等)
第三十六条の六
薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局又は店舗において第一類医薬品を販売し、
又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師
をして、厚生労働省令で定める事項を記載した書面を用いて、その適正な使用のために必要な情報を提
供させなければならない。
2
薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局又は店舗において第二類医薬品を販売し、又は授与する
場合には、厚生労働省令で定めるところにより、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売
者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させるよう努めなければならない。
3
薬局開設者又は店舗販売業者は、その薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは
譲り受けようとする者又はその薬局若しくは店舗において一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けた
9
者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた一般用医薬品を使用する者から相談
があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は
登録販売者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させなければならない。
4
第一項の規定は、医薬品を購入し、又は譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があつた
場合には、適用しない。
5
省略(配置販売業者について)
○薬事法施行規則(一般用医薬品に係る情報提供の方法等)
第百五十九条の十五
薬局開設者又は店舗販売業者は、法第三十六条の六第一項の規定による情報の提
供《第一類医薬品の情報提供》を、次に掲げる方法により、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に
行わせなければならない。
一
当該薬局又は店舗内の情報提供を行う場所(薬局等構造設備規則第一条第一項第十号若しくは第二
条第九号に規定する情報を提供するための設備がある場所又は同令第一条第一項第四号若しくは第二条
第四号に規定する医薬品を通常陳列し、若しくは交付する場所をいう。次条及び第百五十九条の十七に
おいて同じ。) において、対面で行わせること。
二
医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者における当該医薬品の使用が適正なものであること又は
不適正なものとならないことを確認するための質問又は説明を行わせること。
2
法第三十六条の六第一項の厚生労働省令で定める事項《第一類医薬品の情報提供の際に用いる書面
に記載するべき事項》は、次のとおりとする。
一
当該医薬品の名称
二
当該医薬品の有効成分の名称及びその分量
三
当該医薬品の用法及び用量
四
当該医薬品の効能又は効果
五
当該医薬品に係る使用上の注意のうち、保健衛生上の危害の発生を防止するために必要な事項
六
その他当該医薬品を販売し、又は授与する薬剤師がその適正な使用のために必要と判断する事項
第百五十九条の十六
薬局開設者又は店舗販売業者は、法第三十六条の六第二項の規定による情報の提
供《第二類医薬品の情報提供》を、次に掲げる方法により、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又
は登録販売者に行わせるよう努めなければならない。
一
当該薬局又は店舗内の情報提供を行う場所において、対面で行わせること。
二
医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者における当該医薬品の使用が適正なものであること又は
不適正なものとならないことを確認するための質問又は説明を行わせること。
三
前条第二項各号に掲げる事項《第一類医薬品の情報提供の際に用いる書面に記載するべき事項とし
て掲げた事項》について説明を行わせること。
第百五十九条の十七
薬局開設者又は店舗販売業者は、法第三十六条の六第三項の規定による情報の提
供《使用する者から相談があつた場合の情報提供》を、次に掲げる方法により、医薬品の販売又は授与
に従事する薬剤師又は登録販売者に行わせなければならない。
一
第一類医薬品の情報の提供については、当該薬局又は店舗内の情報提供を行う場所において、医薬
10
品の販売又は授与に従事する薬剤師に対面で行わせること。
二
第二類医薬品又は第三類医薬品の情報の提供については、当該薬局又は店舗内の情報提供を行う場
所において、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に対面で行わせること。
三
医薬品の使用に当たり保健衛生上の危害の発生を防止するために必要な事項について、医薬品の販
売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に説明を行わせること。
○平成 21 年 5 月 8 日薬食発第 0508003 号「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」
第3 薬事法施行規則等の一部を改正する省令(平成 21 年厚生労働省令第 10 号)関係
Ⅰ 薬事法施行規則(昭和36年厚生省令第1号)関係
薬事法施行規則
関係
2 店舗販売業に関する事項
(2)一般用医薬品の情報提供の方法等(新施行規則第 159 条の 15 から第 159 条の 17 まで関係)
①〈省略〉
なお、同条第4項の規定により、医薬品を購入する者等から説明を要しない旨の意思の表明があった
場合においても、薬剤師が必要と判断した場合には、積極的に情報提供を行わせる必要があること。ま
た、登録販売者又は一般従事者が情報提供を行うことがないよう、登録販売者又は一般従事者から薬剤
師への伝達の体制及びその方法をⅢの2の⑦のイの手順書に記載することが望ましいこと。
ア〈省略〉
イ〈省略〉なお、
(オ)※に該当する具体的な事項は、添付文書中の「使用上の注意」のうち、
「してはい
けないこと」に関する情報及び「使用前に医師・薬剤師等に相談する必要がある人」に関する情報であ
ること。また、添付文書中の「使用上の注意」について説明を行う以外の場合には、書面を交付するこ
とが望ましいこと。
〈以下省略〉
※(オ)とは、「当該医薬品に係る使用上の注意のうち、保健衛生上の危害の発生を防止するために必要
な事項」。
Ⅱ 薬局等構造設備規則(昭和36年厚生省令第2号)関係
2 店舗販売業に関する事項
一般用医薬品の陳列方法等を定めたことに伴い、店舗販売業の店舗の構造設備の基準を次のように定め
たこと。なお、薬剤師又は登録販売者が情報提供を行うことに加えて、医薬品を購入し、又は譲り受け
ようとする者が、医薬品を購入し、又は譲り受ける前に添付文書の情報を閲覧することができるような
環境を整備することが望ましいこと。また、添付文書の情報の閲覧については、添付文書の写しを備え
付けることのほか、電子的媒体を利用する等の方法によること。
○「(登録販売者)試験作成に関する手引き」
第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識
11
Ⅲ 適切な医薬品選択と受診勧奨
1)一般用医薬品で対処可能な症状等の範囲
掲載した一般用医薬品の役割 6 項目は、一般用医薬品承認審査合理化等検討会中間報告書「セルフメデ
ィケーションにおける一般用医薬品のあり方について」(平成 14 年 11 月)による。
(4) お客様への販売等
○薬事法(一般用医薬品の販売に従事する者)
第三十六条の五
薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、厚生労働省令で定めるところにより、
一般用医薬品につき、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者に販売させ、又は授与させな
ければならない。
一
第一類医薬品
薬剤師
二
第二類医薬品及び第三類医薬品
薬剤師又は登録販売者
○薬事法施行規則(薬剤師又は登録販売者による医薬品の販売等)
第百五十九条の十四
薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、法第三十六条の五の規定により、
第一類医薬品については、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に、自ら又はその管理及び指導の下
で登録販売者若しくは一般従事者をして、当該薬局若しくは店舗又は当該区域における医薬品を配置す
る場所(医薬品を配置する居宅その他の場所をいう。以下この条及び第百五十九条の十八において準用
する次条から第百五十九条の十七までにおいて同じ。) (以下「当該薬局等」という。) において、対
面で販売させ、又は授与させなければならない。
2
薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、法第三十六条の五の規定により、第二類医薬品又
は第三類医薬品については、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、自ら又はその
管理及び指導の下で一般従事者をして、当該薬局等において、対面で販売させ、又は授与させなければ
ならない。ただし、薬局開設者又は店舗販売業者が第三類医薬品を販売し、又は授与する場合であつて、
郵便等販売を行う場合は、この限りでない。
(5)販売後に相談があった場合の情報提供
○平成 21 年 5 月 8 日薬食発第 0508003 号「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」
第3 薬事法施行規則等の一部を改正する省令(平成21年厚生労働省令第10号)関係
Ⅰ 薬事法施行規則(昭和36年厚生省令第1号)関係
2 店舗販売業に関する事項
(2)一般用医薬品の情報提供の方法等(新施行規則第159条の15から第159条の17まで関係)
12
③ 新法第36条の6第3項において、店舗販売業者は、医薬品を購入した者等から相談があった場合に
は、薬剤師又は登録販売者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させなければならないこ
ととされたところであるが、その方法を次のように定めたこと。なお、医薬品を購入した者等から販売
等の後に相談があった場合において、電話等により情報の提供を行う場合は、同項に規定する情報の提
供に該当せず、単純な事実関係を確認すること、店舗への来訪を求めること、医療機関への受診を勧め
ること(受診勧奨)、店舗への来訪や受診勧奨を前提とした使用者に係る情報の収集のための会話に限定
すること。
(6)事故を知った場合の対処
○薬事法(副作用等の報告)
第七十七条の四の二
2
薬局開設者、病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者又は医師、歯
科医師、薬剤師、登録販売者、獣医師その他の医薬関係者は、医薬品又は医療機器について、当該品目
の副作用その他の事由によるものと疑われる疾病、障害若しくは死亡の発生又は当該品目の使用による
ものと疑われる感染症の発生に関する事項を知つた場合において、保健衛生上の危害の発生又は拡大を
防止するため必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。
○薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(店舗販売業の業務を行う体制)
第二条
法第二十六条第二項第二号の規定に基づく厚生労働省令で定める店舗販売業の店舗において医
薬品の販売又は授与の業務を行う体制の基準は、次に掲げる基準とする。
一~六
七
〈省略〉
一般用医薬品の情報提供その他の一般用医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理( 以下「一
般用医薬品の適正販売等」という。)を確保するため、指針の策定、従事者に対する研修の実施その他必
要な措置が講じられていること。
2
前項第七号に掲げる店舗販売業者が講じなければならない措置には、次に掲げる事項を含むものと
する。
一
従事者から店舗販売業者への事故報告の体制の整備
〈省略〉
(7)従事者に対する研修について
○薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(店舗販売業の業務を行う体制)
第二条
法第二十六条第二項第二号の規定に基づく厚生労働省令で定める店舗販売業の店舗において医
薬品の販売又は授与の業務を行う体制の基準は、次に掲げる基準とする。
13
一~六
七
〈省略〉
一般用医薬品の情報提供その他の一般用医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理( 以下「一
般用医薬品の適正販売等」という。)を確保するため、指針の策定、従事者に対する研修の実施その他必
要な措置が講じられていること。
○平成 21 年 5 月 8 日薬食発第 0508003 号「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」
第3 薬事法施行規則等の一部を改正する省令(平成 21 年厚生労働省令第 10 号)関係
Ⅲ 薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令
関係
2 店舗販売業に関する事項
⑦一般用医薬品の情報提供その他の一般用医薬品の販売又は授与の業務に係る適正な管理(以下「一般
用医薬品の適正販売等」という。)を確保するため、指針の策定、従事者に対する研修の実施その他次に
掲げる事項を含む必要な措置が講じられていることとしたこと。
(新体制省令第2条第1項第7号及び同
条第2項関係)
なお、従事者に対する研修は、店舗販売業者が自ら実施するほか、店舗販売業者が委託する店舗販売業
に関する団体等(当該店舗販売業者又は当該団体等が委託する研修の実績を有する団体等を含む。)が実
施することができることとし、店舗販売業者は、これらの研修を受講させることにより、薬剤師及び登
録販売者を含む従事者の資質の向上に努めること。また、店舗管理者は、一般用医薬品の適正販売等を
確保するために必要な指導等を行うこと。
通知が出る前に、従事者に対する研修について以下のように要望するよう、当時の全日本薬種商協会
常務会にお願いしたが、取り上げていただけなかったようである。
「薬剤師及び登録販売者については、職務上の独立性を担保する必要があることに鑑み、薬剤師又は登
録販売者の団体が実施する研修を受講させることが望ましい。」
発出された通知の薬局に関する記述に「薬局又は薬剤師に関する団体等」とあることと比較して、大
変な違いが生じてしまった。又、業態別にされてしまったこともあり、薬剤師も登録販売者も業態ごと
にバラバラになってしまった。
(8)一般用医薬品の適正販売等の確保を目的とした改善のための方策
○薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(店舗販売業の業務を行う体制)
第二条
2
前項第七号に掲げる店舗販売業者が講じなければならない措置には、次に掲げる事項を含むものと
する。
一
省略
二
一般用医薬品の適正販売等のための業務に関する手順書の作成及び当該手順書に基づく業務の実施
三
一般用医薬品の適正販売等のために必要となる情報の収集その他一般用医薬品の適正販売等の確保
を目的とした改善のための方策の実施
14
Fly UP