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58 2.道内市町村におけるクリーンエネルギー活用状況 (1)全体傾向

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58 2.道内市町村におけるクリーンエネルギー活用状況 (1)全体傾向
2.道内市町村におけるクリーンエネルギー活用状況
(1)全体傾向
●
アンケート調査の概要
・道内におけるクリーンエネルギーの導入状況について、各市町村にアンケート調査を行い
ました。
・実施期間は平成 22 年8月下旬から 10 月上旬であり、179 市町村全 179 市町村全てから回
答がありました。
①
導入計画の策定状況
・地域振興の観点が取り入れられている NEDO の「地域新エネルギービジョン」について、
「策定済(49.4%)」「策定中(2.9%)」「検討中(9.2%)」を合わせると 61.5%を占めるな
ど、道内ではクリーンエネルギーを導入した地域振興が進んでいます。
・「地域新エネルギービジョン」では「検討なし」が 38.5%であるのに対し、「省エネルギー
ビジョン」では 66.9%、「バイオマスタウン構想」では 66.0%であり、前者に比較して後者
の2つは、検討がまだ進んでいない状況です。
【エネルギーに係る計画の策定状況】
策定済
0%
10%
20%
新エネルギービジョン(n=174)
30%
策定中
40%
検討中
50%
49.4%
60%
検討なし
70%
9.2%
80%
90%
100%
38.5%
2.9%
省エネルギービジョン(n=145)
15.2%
15.2%
66.9%
15.0%
66.0%
2.8%
バイオマスタウン構想(n=147)
16.3%
2.7%
・新エネルギービジョン、省エネルギービジョン、バイオマスタウン構想、環境計画等の関連
計画のいずれも検討・策定していない自治体は 30.7%であり、その理由として、「関心が低
い ( 16.4 % )」 が 最 も 多 く 、「 検 討 体 制 の 未 整 備 ( 12.7 % )」「 策 定 人 員 ・ 能 力 不 足
(10.9%)」「財政難(10.9%)」が続くことから、導入における地域のメリットについての
普及啓発、相談機能、助成制度のさらなる充実などによる、導入検討の機会の増強が求めら
れます。
58
【エネルギーに係る計画の策定・検討状況】
n=179
どれも検討・
策定していな
い
30.7%
どれかを検
討・策定
69%
【エネルギーに係る計画を検討していない理由】
n=55
0%
2%
4%
今後検討
3.6%
個別に検討
3.6%
6%
8%
10%
12%
16%
18%
20%
9.1%
上位計画に位置付け
12.7%
検討体制の未整備
策定人員・能力不足
10.9%
財政難
10.9%
有望なものがない
7.3%
16.4%
関心が低い
必要がない
9.1%
16.4%
未回答
②
14%
地方自治体等によるクリーンエネルギーの導入状況
・「クリーンエネルギーの自治体としての導入」「自治体からの民間(地元産業界や業務部門)
への働きかけや連携による導入」について、「導入あり」「計画あり」「検討中」の合計が最
も多いクリーンエネルギーは「太陽光発電(50.6%)」であり、「木質系バイオマス熱利用
(34.1%)」
「雪氷熱利用(30.1%)
」と続いています。
59
【クリーンエネルギー種別の導入状況】
複数回答 n=176
0%
導入あり
計画あり
20%
40%
検討中
検討なし・未回答
60%
80%
太陽熱利用
84.7%
風力発電
80.7%
76.7%
バイオガス発電・熱利用
木質系バイオマス熱利用
67.6%
90.3%
バイオエタノール
76.7%
バイオディーゼル
86.4%
中小水力発電
地熱バイナリー発電
94.9%
85.2%
温度差熱利用
雪氷熱利用
71.6%
回答
③
120%
51.1%
太陽光発電
設問項目
太陽光発電
太陽熱利用
風力発電
バイオガス発電・熱利用
木質系バイオマス熱利用
バイオエタノール
バイオディーゼル
中小水力発電
地熱バイナリー発電
温度差熱利用
雪氷熱利用
100%
A+B+C
導入あり 計画あり 検討中
(A)
(B)
(C)
24.4%
8.5%
17.6%
4.5%
1.1%
11.4%
9.7%
1.1%
10.2%
8.0%
1.7%
15.9%
9.7%
4.5%
19.9%
1.1%
1.7%
8.5%
10.8%
1.7%
12.5%
2.8%
1.1%
11.4%
0.0%
0.0%
6.8%
6.8%
0.6%
9.1%
11.4%
1.7%
17.0%
50.6%
17.0%
21.0%
25.6%
34.1%
11.4%
25.0%
15.3%
6.8%
16.5%
30.1%
検討なし・
未回答
51.1%
84.7%
80.7%
76.7%
67.6%
90.3%
76.7%
86.4%
94.9%
85.2%
71.6%
導入の観点
・クリーンエネルギー導入の観点として、「CO2 排出削減(70.7%)」が最も多く、「地域の
意識啓発(54.1%)」「エネルギーコストの低減(30.8%)」「地域経済波及効果(28.6%)」
「特性を活かした産業振興(21.8%)」「活用資源と関連する産業振興(20.3%)」「地域のア
ピール(16.5%)」と続くことから、「CO2 排出削減」といった地球温暖化対策としての導
入が多くみられます。今後は、緑の分権改革が目指す「地域の自給力と創富力の向上」にお
ける、クリーンエネルギーの導入についての情報発信と普及啓発が求められます。
60
【クリーンエネルギー導入の観点】
複数回答 n=133
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
70.7%
CO2排出削減
54.1%
意識啓発
11.3%
住民生活の安全性・質の向上
住民アイデンティティの強化
エネルギーコストの低減
8.3%
30.8%
11.3%
廃棄物処理方法の高度化
活用資源と関連する産業振興
20.3%
特性を活かした産業振興
地域のアピール
21.8%
16.5%
地域経済波及効果
その他
80%
28.6%
4.5%
・「エネルギーコストの低減」を目的とした導入では、「太陽光発電(14.6%)」が最も多く、
「 バ イ オ ガ ス 発 電 ・ 熱 利 用 ( 9.8 % )」「 木 質 系 バ イ オ マ ス 熱 利 用 ( 9.8 % )」「 B D F
(7.3%)」「温泉熱利用(7.3%)」「温度差熱利用(7.3%)」「雪氷熱利用(7.3%)」と続き
ます。この傾向は、地方自治体等による「導入・計画・検討中」の順位が、「太陽光
(50.6%)」「木質系バイオマス熱利用(34.1%)」「バイオガス発電・熱利用(25.6%)」「B
DF(25.0%)」となっている状況と類似していることから、クリーンエネルギー導入に際
して「エネルギーコストの低減」を目的としているケースが多いと言えます。
・「廃棄物処理方法の高度化」を目的とした導入では、家畜ふん尿や厨芥の処理にも有効な
「バイオガス発電・熱利用(93.3%)」がほとんどを占めています。「バイオガス発電・熱利
用」は、「導入・計画・検討中」(25.6%、第4位)が上位に位置しており、「処理方法の高
度化」に特化しながら取組が進められています。
・「活用資源と関連する産業振興」を目的とした導入では、林業振興にも資する「木質系バイ
オマス熱利用(81.5%)」がほとんどを占めています。「木質系バイオマス熱利用」は、「導
入・計画・検討中」(34.1%、第2位)が上位に位置しており、「活用資源と関連する産業振
興」に特化しながら取組が進められています。
・「特性を活かした産業振興」を目的とした導入では、農産物の鮮度保持や食品の熟成、農作
物の低温栽培による品質向上などが可能な「雪氷熱利用(75.9%)」がほとんどを占めてい
ます。「雪氷熱利用」は、「導入・計画・検討中」(30.1%、第3位)が上位に位置しており、
「特性を活かした産業振興」に特化しながら取組が進められています。
61
【各クリーンエネルギー導入における地域振興への期待】
導入済・計画済・検討中(n=176)
処理方法の高度化(n=15)
特性を活かした産業振興(n=29)
活用資源
と関連す
る産業振
興(n=27)
0.0%
0.0%
0.0%
93.3%
6.7%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
7.4%
81.5%
7.4%
3.7%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
3.7%
3.7%
14.6%
4.9%
2.4%
9.8%
9.8%
0.0%
7.3%
2.4%
2.4%
0.0%
2.4%
7.3%
7.3%
7.3%
2.4%
0.0%
34.1%
不明
廃棄物処
理方法の
高度化
(n=15)
CBM
天然 ガ ス
雪氷熱利用
50.6%
17.0%
21.0%
25.6%
34.1%
11.4%
25.0%
15.3%
6.8%
16.5%
30.1%
-
温度差熱利用
エネル
ギーコス
ト低減
(n=41)
温泉熱利用
回答 導入済・
計画済・
検討中
(n=176)
地熱蒸気利用
地 熱 バ イ ナ リー発 電
中小水力発電
BTL
B D F ︵バ イ オ デ ィー ゼ ル ︶
設問項目
太陽光発電
太陽熱利用
風力発電
バイオガス発電・熱利用
木質系バイオマス熱利用
バイオエタノール
BDF(バイオディーゼル)
BTL
中小水力発電
地熱バイナリー発電
地熱蒸気利用
温泉熱利用
温度差熱利用
雪氷熱利用
天然ガス
CBM
不明
バ イ オ エタ ノ ー ル
木 質 系 バ イ オ マ ス熱 利 用
バ イ オ ガ ス発 電 ・熱 利 用
風力発電
太陽熱利用
太陽光発電
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
エネルギーコスト低減(n=41)
活用資源と関連する産業振興(n=27)
特性を活
かした産
業振興
(n=29)
0.0%
0.0%
0.0%
6.9%
3.4%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
3.4%
75.9%
6.9%
0.0%
3.4%
注:「−」は調査項目としてなし。
【解説】
●BDF: Bio Diesel Fuel 「バイオディーゼル燃料」の略。植物油を原料とし、軽油
に似た燃焼特性があり、ディーゼルエンジンの燃料に使用できるが、冬期は
粘性が増すため、軽油と混合して使用。
●BTL: Biomass to liquid
の略であり、間伐材や稲わらなどの木質バイオマスな
どをガス化しそれを合成して液化した燃料油。
●CBM: coalbed methane 「コールベッドメタン」の略で、石炭層中にあるメタンガ
ス。
62
④
地域資源を活用した地域振興
・地域振興として、クリーンエネルギー導入の他に、「地域において現在取り組んでいるもの、
今後期待されるもの、積極的にPRしたいもの」としては、「観光振興(63.2%)」「食材、
加工品の地産地消(60.0%)」が上位を占め、「ブランド化、6 次産業化(45.6%)」が続き
ます。
・風力発電のウインドファームや太陽光のメガソーラー発電などは観光客増大の実績があるな
ど「観光振興」に、一次産品の保管や熟成における雪氷冷熱利用は「食材、加工品の地産地
消」「ブランド化、6 次産業化」に資するものでもあり、クリーンエネルギー導入による地
域振興との関連性が高く、今後の展開が期待されます。
・「 食 材 、 加 工 品 の 地 産 地 消 に よ る 地 域 振 興 」 に お け る 活 用 資 源 と し て は 、「 農 産 物
(52.0%)」が最も多く、
「畜産物(20.0%)」「水産物(17.3%)」と続きます。
・ブランド化、6次産業化による地域振興における活用資源としては、「農産物(52.6%)」が
最も多く、「水産物(33.3%)」「畜産物(19.3%)
」と続きます。
・一次産品の保管や熟成における雪氷冷熱利用、農業振興のためのハウス栽培における木質系
バイオマス熱利用、畜産業の家畜ふん尿処理におけるバイオガスプラント利用など、クリー
ンエネルギー導入による地域振興の効果が期待できるものが多く、今後の展開が期待されま
す。
【クリーンエネルギー導入以外の地域振興】
複数回答 n=29
0%
10%
20%
30%
40%
50%
食材、加工品の地産地消
60%
60.0%
45.6%
ブランド化、6次産業化
観光振興
63.2%
カーボンオフセット
地域ファンド(資金自給)
70%
27.2%
4.0%
住民参加
24.0%
【食材、加工品の地産地消による地域振興】
複数回答 n=75
0%
10%
20%
30%
農産物
20.0%
2.7%
水産物
海洋深層水
内容不明
50%
60%
52.0%
畜産物
蜂蜜
40%
17.3%
1.3%
25.3%
63
【ブランド化、6次産業化による地域振興】
複数回答 n=57
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
52.6%
農産物
19.3%
畜産物
水産物
33.3%
蜂蜜
3.5%
菓子
1.8%
7.0%
一次産品・加工品(内容不明)
1.8%
天然鉱石
森林
3.5%
観光
1.8%
内容不明
7.0%
・住民参加による地域振興については、「クリーンエネルギー(56.7%)」が約6割を占めてい
ます。(設問において「クリーンエネルギーの導入の他に」としていた上での回答)
【住民参加による地域振興】
複数回答 n=34
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
56.7%
クリーンエネルギー導入
13.3%
環境(温暖化対策)
省エネ
3.3%
13.3%
まちづくり
10.0%
内容不明
・クリーンエネルギー導入での住民参加による地域振興の詳細は、「検討中」が 35.3%、取組
方法としては「助成制度の導入(23.5%)」が最も多くなっています。
【クリーンエネルギー導入での住民参加による地域振興】
複数回答 n=17
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
35.3%
検討中
23.5%
助成制度の導入
モニター制度の導入
5.9%
意見徴収
5.9%
方法不明
5.9%
64
⑤
クリーンエネルギー導入における連携
・地域で行われているクリーンエネルギー導入における連携では、「廃食油の共同回収
(18.4%)」が最も多く、「BDF利用での連携(8.9%)」「雪氷熱利用での研究機関との連
携(7.8%)」と続きます。
・バイオガスプラントについてみると、「消化液利用での畑作農家との連携(1.7%)」「消化汚
泥の農地還元での連携(0.6%)」「バイオガス利用での連携(0.6%)」であり、副産物やエ
ネルギーの利用における連携はまだ少ないものとなっています。
【地域で行われているクリーンエネルギー導入における連携】
複数回答 n=179
0%
2%
4%
6%
8%
10% 12% 14%
廃食油の共同回収
16% 18% 20%
18.4%
BDF利用での連携
8.9%
家畜ふん尿の共同回収
1.7%
消化液利用での畑作農家との連携
1.7%
消化汚泥の農地還元での連携
0.6%
バイオガス利用での連携
0.6%
雪氷熱利用での研究機関との連携
その他
7.8%
3.4%
(その他の内容)
工業団地のスマートグリッド化の検討
ペレット製造における地元木材業者との連携
一村一炭素事業において地域団体とのコンソーシアムを協定
温泉の排湯を融雪に利用。温泉地熱を施設の床暖房として利用。
温泉熱を利用した冬季間の野菜・果実の栽培について北海道大学、民間事業者と試験研究を実施
行政、企業、団体等の連携(稲わら固形燃料製造利活用の取り組み)
⑥
グリーン電力証書制度推進の意向
・グリーン電力証書制度について、「知っている(57.5%)」が「知らない(40.8%)」より若
干多くなっています。
・事業者の動きについて、地元の参加事業者が「わからない(54.1%)」、地元の検討事業者が
「わからない(78.2%)」とあまり把握されておらず、参加への働きかけを行っていくかど
うかも「わからない(66.1%)」が多くなっています。
【参考
∼グリーン電力証書制度とは∼】
この制度は、自然エネルギーにより発電された電気の環境付加価値を証書で取引する仕組みで
す。制度に参加している発電事業者は売電収入のほかに環境付加価値の提供による収入が得ら
れ、これらを設備の運営・増強等に使用することができます。
65
【グリーン電力証書制度推進の意向】
参加事業者
n=174
認知状況
n=174
その他
1.7%
いる 5.7%
知らない
40.8%
いない
40.2%
わからない
54.1%
知っている
57.5%
検討事業者
n=174
参加の働きかけ
n=165
いる 1.1%
その他
5.5%
いない
20.7%
はい 24.8%
いいえ 3.6%
わからない
78.2%
わからない
66.1%
・グリーン電力証書制度を「知っている回答者」「知らない回答者」に分けて集計すると、
「知っている回答者」の方が地域内の参加事業者について「わからない(43.0%)」とする
回答率が低く、地域内への参加の働きかけについて「はい(働きかける)(32.0%)」とする
回答率が高くなっていおり、今後、制度についての普及啓発を進めることにより、自治体に
おける参加企業情報の収集並びに地域内への参加への働きかけが促進されるものと考えられ
ます。
【グリーン電力証書制度推進の意向(クロス集計)】
参加事業者
いる
0%
制度を知っている(n=100)
制度を知らない(n=71)
10%
20%
10.0%
いない
30%
40%
わからない
50%
60%
その他
70%
47.0%
31.0%
43.0%
69.0%
66
80%
90% 100%
検討事業者
いる
0%
10%
20%
いない
30%
40%
わからない
50%
60%
23.0%
制度を知っている(n=100)
その他
70%
80%
90% 100%
75.0%
2.0%
制度を知らない(n=71)
18.3%
81.7%
地域内への参加の働きかけ
はい
0%
10%
20%
いいえ
30%
40%
わからない
50%
60%
32.0%
制度を知っている(n=97)
その他
70%
80%
90% 100%
56.6%
5.2%
6.2%
制度を知らない(n=65)
15.4%
78.4%
6.2%
⑦ 再生可能エネルギー地域間連携に関する六都道県協定書
・東京都と道等で締結された「再生可能エネルギー地域間連携に関する六都道県協定書」につ
いて、「知らない(62.9%)」が6割を占めており、地域内への参加の働きかけについて「分
からない(76.4%)」との回答が7割以上を占めています。
【参考
∼六都道県協定書とは∼】
平成 22 年3月に締結された「再生可能エネルギー地域間連携に関する六都道県協定書」で
は、東京都は再生可能エネルギーの需要創出を行い、道ほか東北4県のそれによる経済活性化及
び雇用拡大につながる取組の支援を行い、道ほか東北4県は再生可能エネルギーの開発を支援
し、東京都内に再生可能エネルギーを供給することで地域の経済活性化及び雇用拡大を進めるこ
ととしています。
【六都道県協定書推進の意向】
認知状況
n=175
地域内への参加の働きかけ
n=171
その他
6.1%
その他
1.7%
知っている
35.4%
はい 17.0%
いいえ 4.2%
知らない
62.9%
わからない
76.4%
67
【六都道県協定書推進の意向(クロス集計)】
地域内への参加の働きかけ
はい
0%
10%
20%
いいえ
30%
わからない
40%
50%
60%
31.7%
協定を知っている(n=60)
その他
70%
80%
90% 100%
55.0%
8.3%
5.0%
8.3%
協定を知らない(n=109)
84.4%
4.6%
2.8%
・六都道県協定書を「知っている回答者」「知らない回答者」に分けて集計すると、「知ってい
る回答者」の方が地域内への参加の働きかけについて「はい(働きかける)(31.7%)」とす
る回答率が高いことから、今後、協定書に関する情報発信を進めることにより、地域内への
参加への働きかけが促進されるものと考えられます。
⑧
導入阻害要因
・地域でのクリーンエネルギー導入における阻害要因としては、「収支算定(52.7%)」が最も
多く、「資金確保(43.8%)」「イニシャルコスト(40.2%)」「導入適正評価(39.6%)」「助
成制度把握(30.8%)」「故障時の対応(29.6%)」「技術情報把握(23.1%)」「ランニングコ
スト(23.1%)」と続いています。今後は、事業検討のための情報提供や評価のサポート、
初期投資やランニングコストへの助成の拡大、メーカー等におけるメンテナンス体制の充実
などが求められます。
【クリーンエネルギー導入の阻害要因】
全道
(複数回答)
60%
52.7%
50%
43.8%
40.2%
39.6%
40%
30.8%
29.6%
30%
23.1%
23.1%
18.9%
18.3%
20%
14.8%
11.8%
10.7%
5.9%
特 にな し
グ リ ー ン電 力 証 書 で の 買 取 価 格
電力託送規模
電力買取価格
木 質 バ イ オ マ ス燃 料 の需 要 規 模
木 質 バ イ オ マ ス燃 料 の輸 送 コス ト
副 産 物 利 活 用 の需 要 規 模
バ イ オ マ ス収 集 コス ト
副産物処理
ラ ン ニ ング コス ト
資金確保
イ ニシ ャ ル コス ト
●事 業 性 ●
故 障 時 の対 応
有資格者設置
建築基準法
系統連系規模
水利権
用 地 の確 保
立地規制
● 設 置 ・保 守 ●
助成制度把握
収支算定
技術情報把握
導入適正評価
●情 報 収 集 ●
68
6.5%
そ の他
4.1% 4.7%
4.7% 3.6%
2.4% 3.0%
3.0%
0%
10.1%
7.7%
5.9%
電力需要把握
10%
(その他の内容)
バイオガスの取引や販売価格の改善が必要。
クリーンエネルギー導入に向け積極的な酪農家、事業所がない。
太陽光発電以外、採算性の確保が困難
グリーン電力証書の需要が少ない
太陽光発電も、現在の電力買取価格がいつまで続くのか見えてこない(いつ採算が取れなくなるかわからない)
BDFの精製作業を職員が実施しており、毎日稼動させるだけの需要に精製が追いつかない状況であるため、さらなる工
夫が必要となっている。
そもそも、クリーンエネルギーの必要性の議論自体が都市部の尺度での話であり、地方、特に過疎地域と呼ばれる地域で
取り組む必要性や、その緊急性については大きく疑問がある。国家的な展望において、必要性があるのであれば、国が主
体となって進めるべきと考える。
チップ、ペレットの利用先として公共施設での設備導入が不可欠ではないかと思われますが、イニシャルコスト、ランニング
コスト等の財政的問題より導入できないのが実態です。当町において全てのクリーンエネルギー導入に言えることです
が、CO2 排出削減量等の経済価値への変換または、地方公共団体への削減量の義務化等がなければ、積極的な導入
は難しいというのが実態です。
ハイテクは推進されるべきであるが、小規模でローテク(メンテフリー)、低価格かつ単純なシステムも開発されるべき。今後
はCO2削減よりは、圧倒的なエネルギー収支の改善やコストメリットで勝負できるクリーンエネルギーシステムと併せて蓄
熱蓄電システムの登場がのぞまれる。
メガソーラー発電施設については、当市においても誘致活動等を展開しているが、設置事業者としては、国の固定価格買
取制度や補助制度の動向を見ながら施設建設を検討していると思われる。国の積極的な補助制度等の確立がクリーンエ
ネルギーの推進に結びつくと考える。
各施設を更新する場合の財源捻出が問題となる。
太陽光パネルについては、建物の耐震問題がある。(公共施設は建築年次が古いものが多い)
小水力については、流速や落差のある河川がない。
木質ペレットについては、地域外からの木質確保が必要で、メリットが少ない。
風力発電については、年間風速の適否や低周波問題などの市民影響が懸念される。
地域に別会社を設立して風力発電を進める場合、立地規制(農地法)第1種農地(公共牧野)への風力発電施設の建設が
不可能である。そのため、特区制度へ申請したが特区とならなかった。
【クリーンエネルギー導入の阻害要因(地域別集計)】
全道
(複数回答)
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
そ の他
特 にな し
グ リ ー ン電 力 証 書 で の 買 取 価 格
電力需要把握
電力託送規模
木 質 バ イ オ マ ス燃 料 の輸 送 コス ト
電力買取価格
木 質 バ イ オ マ ス燃 料 の需 要 規 模
69
副 産 物 利 活 用 の需 要 規 模
バ イ オ マ ス収 集 コス ト
副産物処理
ラ ン ニ ング コス ト
イ ニシ ャ ル コス ト
資金確保
●事 業 性 ●
有資格者設置
故 障 時 の対 応
建築基準法
系統連系規模
水利権
用 地 の確 保
● 設 置 ・保 守 ●
立地規制
助成制度把握
導入適正評価
収支算定
●情 報 収 集 ●
技術情報把握
0%
全道
空知総合振興局(n=24)
石狩振興局(n=7)
後志総合振興局(n=18)
胆振総合振興局(n=11)
日高振興局(n=7)
渡島総合振興局(n=11)
檜山振興局(n=7)
上川総合振興局(n=21)
留萌振興局(n=8)
宗谷総合振興局(n=9)
オホーツク総合振興局(n=17)
十勝総合振興局(n=18)
釧路総合振興局(n=8)
根室振興局(n=3)
・地域別に見ると、道央地域で特徴的なのは石狩地域と日高地域となっています。
・石狩地域は、導入阻害要因として「技術情報の把握」「助成制度の把握」「有資格者の設置」
「故障時の対応」がみられませんが、「グリーン電力証書での買取価格」が全道で1位と
なっており、グリーン電力事業の立上げや設備保全の条件が揃っていても、買取価格が採算
面での阻害要因となり、取組が進展していないものと思われ、制度面での改革が求められま
す。
・日高地域は、導入阻害要因として「技術情報の把握」「助成制度の把握」がみられませんが、
「故障時の対応」「バイオマス収集コスト」「木質バイオマス燃料の需要規模」「木質バイオ
マス燃料の輸送コスト」が全道で1位となっており、木質バイオマス燃料製造事業において、
重要なのは原材料の収集コストであり、また、市場規模や市場への輸送条件に恵まれなけれ
ば、取組が進展しない状況がうかがえることから、市場規模を拡大し、生産や輸送の効率を
向上させることが課題となります。
【クリーンエネルギー導入の阻害要因(地域別集計)(道央地域)】
道央地域
(複数回答)
70%
60%
50%
全道
空知総合振興局(n=24)
石狩振興局(n=7)
後志総合振興局(n=18)
胆振総合振興局(n=11)
日高振興局(n=7)
40%
30%
20%
10%
そ の他
特 にな し
グ リ ー ン電 力 証 書 で の 買 取 価 格
電力需要把握
電力託送規模
電力買取価格
木 質 バ イ オ マ ス燃 料 の需 要 規 模
木 質 バ イ オ マ ス燃 料 の輸 送 コス ト
副 産 物 利 活 用 の需 要 規 模
バ イ オ マ ス収 集 コス ト
副産物処理
ラ ン ニ ング コス ト
イ ニシ ャ ル コス ト
資金確保
●事 業 性 ●
有資格者設置
故 障 時 の対 応
建築基準法
系統連系規模
水利権
用 地 の確 保
● 設 置 ・保 守 ●
立地規制
助成制度把握
導入適正評価
収支算定
●情 報 収 集 ●
技術情報把握
0%
・道南地域で特徴的なのは、檜山地域となっています。導入阻害要因として「導入の適正評
価」「助成制度把握」の全道での順位が低くなっていますが、「立地規制」「用地の確保」「系
統連係規模」「有資格者設置」「故障時の対応」「イニシャルコスト」「電力買取制度」が全道
で上位となっています。檜山地域は風力発電に適した地域が多みられますが、立地規制等に
よる建設用地の確保が難しく、また、系統連系の受入能力の制限から恵まれたエネルギー資
源を十分に活かせない状況にあるほか、イニシャルコストや収入(電力買取価格)面で採算
確保が難しい状況がうかがえることから、系統連携系技術の向上と電力買取制度の改革が求
70
められます。
・道北地域で特徴的なのは、上川、留萌、宗谷地域です。
・上川地域は、導入阻害要因として「助成制度の把握」が全道で1位となっています。
・留萌地域は、導入阻害要因として「助成制度把握」がみられず、「導入適正評価」「イニシャ
ルコスト」の全道での順位も最も低くなっていますが、「技術情報把握」が全道で1位と
なっています。風力発電に適した地域が多みられ、大規模なウインドファームも立地してい
ますが、風力発電以外の導入の検討に際し、技術情報に関するニーズが高いものと思われま
す。風力発電導入を成功例として身近にあることから、他のクリーンエネルギーに対しても
導入意欲が高いと思われ、情報面での支援を充実させることが導入促進につながるものと思
われます。
・宗谷地域は、導入阻害要因として「立地規制」「系統連系規模」「故障時の対応」「電力託送
規模」が全道で上位となっています。宗谷地域も風力発電に適した地域が多みられ、大規模
なウインドファームも立地していますが、新たな拡大に向けてこれらの要因が課題となって
いるものと思われ、立地における制度改革や電力受入技術の向上が求められています。
【クリーンエネルギー導入の阻害要因(地域別集計)(道南、道北地域)】
道南、道北地域
(複数回答)
80%
70%
60%
全道
渡島総合振興局(n=11)
檜山振興局(n=7)
上川総合振興局(n=21)
留萌振興局(n=8)
宗谷総合振興局(n=9)
50%
40%
30%
20%
10%
そ の他
特 にな し
グ リ ー ン電 力 証 書 で の 買 取 価 格
電力需要把握
電力託送規模
電力買取価格
木 質 バ イ オ マ ス燃 料 の需 要 規 模
木 質 バ イ オ マ ス燃 料 の輸 送 コス ト
副 産 物 利 活 用 の需 要 規 模
バ イ オ マ ス収 集 コス ト
副産物処理
ラ ン ニ ング コス ト
イ ニシ ャ ル コス ト
資金確保
●事 業 性 ●
故 障 時 の対 応
有資格者設置
系統連系規模
建築基準法
用 地 の確 保
水利権
● 設 置 ・保 守 ●
立地規制
助成制度把握
導入適正評価
収支算定
●情 報 収 集 ●
技術情報把握
0%
・オホーツク、十勝、釧路・根室地域で特徴的なのは、十勝、根室地域です。
・十勝地域は、導入阻害要因として「イニシャルコスト」「ランニングコスト」が全道で1位
となっています。
・根室地域は、導入阻害要因として「収支算定」がみられませんが、「立地規制」「用地の確
保」「故障時の対応」「電力買取価格」が全道で上位となっています。
71
【クリーンエネルギー導入の阻害要因(地域別集計)(オホーツク、十勝、釧路・根室地域)
】
オホーツク、十勝、釧路・根室地域
(複数回答)
80%
70%
60%
全道
オホーツク総合振興局(n=17)
十勝総合振興局(n=18)
釧路総合振興局(n=8)
根室振興局(n=3)
50%
40%
30%
20%
10%
そ の他
特 にな し
グ リ ー ン電 力 証 書 で の 買 取 価 格
電力需要把握
電力託送規模
電力買取価格
木 質 バ イ オ マ ス燃 料 の需 要 規 模
木 質 バ イ オ マ ス燃 料 の輸 送 コス ト
副 産 物 利 活 用 の需 要 規 模
バ イ オ マ ス収 集 コス ト
副産物処理
ラ ン ニ ング コス ト
イ ニシ ャ ル コス ト
資金確保
●事 業 性 ●
故 障 時 の対 応
有資格者設置
系統連系規模
建築基準法
用 地 の確 保
水利権
● 設 置 ・保 守 ●
立地規制
助成制度把握
導入適正評価
収支算定
●情 報 収 集 ●
⑨
技術情報把握
0%
導入に係る制度改正の要望
【導入に係る制度改正の要望】
複数回答 n=125
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
<設置に係る要望>
6.4%
小水力発電の水利権許認可
3.2%
風力発電に係る建築基準法
大規模太陽光発電に係る建築基準
4.8%
自然公園・温泉地域等における風力・地熱発電
5.6%
1.6%
水素ステーション
4.8%
スマートメータ(通信機能付き電力量計)の普及促進
熱供給導管の埋設
0.8%
<保守・管理に関する要望>
4.0%
小規模分散型発電設備
<買取に関する要望>
22.4%
電力買取
8.0%
グリーン電力・熱証書制度
<連携に関する要望>
8.8%
系統連系
2.4%
電力の道外託送
9.6%
その他
60.0%
特になし
72
・クリーンエネルギー導入に係る制度改正の要望については、「特になし(60.0%)」を除けば、
「電力買取(22.4%)」に対するものが最も多く、「系統連係(8.8%)」「グリーン電力・熱
証書制度(8.0%)」「小水力発電の水利権許認可(6.4%)」「自然公園・温泉地域等における
風力・地熱発電(5.6%)」と続きます。
・制度改正の要望の具体的な内容には、次のものがみられます。
区分
電力買取
概要
要望内容
全量買取制度の
拡大
クリーンエネルギーの利用は、新エネ法に定義されているように経済性について
は困難があり、初期投資額の回収年数を短縮するために、全てのクリーンエネル
ギーを対象とした全量買取制度の実施が必要と思われます。
太陽光発電をはじめとするグリーンエネルギーの普及については、設備を導入す
る者にメリットが必要と考えられ、導入者に有利な電力の全量買取制度が設備普及
に必要と考えます。
家畜ふん尿処理プラントの普及においては、国の政策としての電力の買取価格の
仕組みづくりが必要と思われます。
安価でも良いのでコージェネレーションシステムの余剰電力の買取をお願いした
い。
再生可能エネルギーの全量買取制度の大枠が検討されているようですが、特に風
力発電の買取単価について事業採算が取れる単価(20 円/kWh 程度)まで引き上げて
いただきたい。設置後 10 年以上経過している風力発電については修繕に多額の費
用を要し、わが国の CO2削減に貢献している風力発電の事業継続のためにも是非
検討していただきたい。
電力の全量買取制度では、事業の採算が確保できるような買取価格の設定を図っ
ていただきたい。
風力発電事業においては、建設中に RPS 法の制定があり、当初予定していた買電
単価が大幅に下がったことで厳しい運営状況を招いています。RPS 法含めクリーン
エネルギー導入事業者に有利な制度となるように見直しをしていただきたい。
事業収支が厳しい廃棄物を原料とするエネルギーについては、採算が見込める買
取価格の国等の施策による継続的な実施により、事業の継続性について見込が立て
ば、導入は加速すると考えられます。
太陽光発電の余剰電力買取価格制度は、現行の設置者が不利にならない制度とし
ていただきたい。
風力発電の余剰電力販売価格が低いため、維持管理費の支払ができず、収益確保
ができません。
住宅用太陽光発電の買取期間(現行 10 年)を 20 年程度まで延長する必要があり
ます。パワーコンディショナー等の設備更新費用も確保できなければ買取制度とし
ての魅力はないと思います。
系統連系の手続きが複雑です。
事業採算が確保
できる買取価格
の実施
系統連系
設備更新費用も
確保できる買取
価格の実施
手続の簡素化
送電設備負担へ
の対応
グ リ ー ン 電
力・熱証書制
度
全量買取制度の
検討
雪氷グリーン熱
証書制度の実施
需要先確保の対
策実施
購入者のメリッ
トに関する情報
発信
風況条件の良さから、近年、民間事業者による風力発電の計画が立案されていま
すが、他地域の大規模な変電所への送電が必要とされており、送電設備費用の事業
者負担が求められていることから実現には至っておりません。国は、温室効果ガス
の排出抑制やクリーンエネルギーの普及促進等を国策としているので、計画を円滑
に実現できるような対応を図っていただきたい。
電力と熱の全量買取制度を検討していただきたい。
雪氷グリーン熱証書制度の実施、並びに高価値な冷熱であることを考慮した価格
設定の検討、熱量測定費の低減及び測定の簡易化に関する研究を実施していただき
たい。
地域での雪氷冷熱の普及を推進していきたいと考えており、グリーン熱証書制度
の雪氷熱への拡大は施設普及の一助になると考えます。
証書を購入する企業等が極度に少ないことから、対策を講じていただきたい。
グリーン電力証書システムにおいて、それを購入している企業にメリットがある
のかよくわかりません。例えば、1kWh と 10,000kWh の購入では税法上のメリッ
トがあるのかなど、もう少しわかりやすいシステムを構築していくことが求められ
るのではないでしょうか。
73
小水力発電の
水利権許認可
手続きの簡素化
小水力の利用にあたり、水利権取得の手続きの煩雑さが障害になり、普及が進ま
ない面があるので、手続きの簡素化が必要と考えます。
手続きの簡素化が必要です。
自然公園・温
泉地域等にお
ける風力・地
熱発電の設置
許可
スマートメー
タの普及促進
助成制度
国立公園内での
設置緩和
農地での設置緩
和
地域は、国立公園のエリアが約半分あり、クリーンエネルギーの導入において
は、環境保全等の規制をクリアすることが前提となります。
第1種農地への風力発電施設の設置を検討していましたが、会社を設立し風力発
電事業を進めることが農地法の規制により不可能であるほか、特区制度へ申請しま
したが、認可されなかったことから、規制緩和をしていただきたい。
温室効果ガスの削減に向けた環境省が掲げる柱の一つでもあることから、地球温
暖化の観点からも普及が必要と思われます。
地球温暖化防止対策に係る積極的な設備投資については、各自治体の財政力や地
域資源の有無によって、著しい格差が生じています。財政力や地域資源の乏しい地
方自治体では、設備投資の判断基準が、環境負荷低減よりもコストに帰結してしま
います。
比較的原油価格が安定している中で、クリーンエネルギーの導入はコスト高にな
るものと考えられます。このような中で、クリーンエネルギーを持続的に使ってい
くためには単発の補助金ではなく、継続的な支援、仕組を構築することが必要と考
えます。
廃棄物を原料とするエネルギーについては、国等による収集コストの継続的な援
助など、事業の継続性について見込が立てば、導入は加速すると考えられます。
エネルギーの地産地消を目指すため、規制緩和のほか、イニシャル・ランニング
コストを低減するための、国による大幅な地方自治体への財政支援は急務であると
思われます。
クリーンエネルギーの導入において、最大の課題は既存燃料との価格の競合であ
り、製品価格を抑えるためには製造施設建設に対する補助等が不可欠となります。
各省庁縦割りの補助制度では、十分な補助が受けられませんので、地球温暖化防止
対策として一本化するなど、地域グリーンニューディール基金事業の予算拡充を要
望します。
家畜ふん尿処理プラントの普及においては、国内メーカーの育成による設備費の
低減を図ることが必要と思われます。
廃棄物を原料とするエネルギーについては、二酸化炭素買取制度での対象の小規
模化になど、事業の継続性について見込が立てば、導入は加速すると考えられま
す。
イニシャルコス
トやランニング
コストへの支援
各省庁補助制度
の一本化
その他
技術育成による
コストの低減
二酸化炭素買取
制度での対象の
小規模化
74
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