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実習報告書2014
広島国際大学 心理科学部 2014 年度 社会調査実習 報告書 大学生の価値観に関する意識調査 2015 年 3 月 広島国際大学 心理科学部 コミュニケーション心理学科 目 次 第 1 章 大学生の性別と性格に関するスマートフォンと SNS の実態調査 ・・・1 第 2 章 大学生における性格と髪型の関係性 ・・・8 第 3 章 大学生の匂いに対する意識調査 ・・・16 第 4 章 大学生の将来の住環境について ・・・25 資料・付録 ・・・33 第 1 章 大学生の性別と性格に関するスマートフォンと SNS の実態調査 錦織加奈子 1.問題 今日、スマートフォンの普及は、昨年 2014 年 4 月博報堂 DY グループ・スマートデバイ ス・ビジネスセンターの調べにより全国で 58.1%(男性:52.2%、女性:62.4%)となっ ている[1]。また、その中でも 15~19 歳は 88.6%、20~29 歳は 84.9%という高い使用率を 占めている。そして、スマートフォンの普及によりより身近になったのが SNS(ソーシャル ネットワークサービス)である。そこで、大学生の生活全般に大きく影響が示されている SNS の価値観とその影響を調べることを目的とする。 2.先行研究 スマートフォンを所有している 20 歳以上の男女は 1 日のうち 1 時間未満スマートフォン に接触している人が 49.8%であることがわかった (MMD 研究所 妹尾 亜紀子 2014) [2] 。 若者はスマートフォンを手放さないことがこの研究で示されたことから、大学生の SNS へ の使い方、そして使われ方の実態について具体的に調べていく。 なお、 論文検索サイト(CiNii 学術情報ナビゲータ)で検索した結果、 スマートフォンと SNS を関係付けた論文は、 「バックパッカーの情報行動 : ~スマートフォンと SNS の利用形態 ~」 (関東学院大学文学部紀要) 、 「県内企業の SNS やスマートフォン・タブレット端末の 実情調査と県内企業への活用戦略」 (ちば経済季報)が得られたが、下記の仮説に対する内 容とは異なる。 3.仮説 (1) スマートフォンの使用において男女差はあるのか (2) 性格はスマートフォンの使用において関係があるのか (3) SNS で集中力が奪われている、疲れを感じている学生がいるのか 4.調査対象・方法 今回の調査対象は広島国際大学の1年から4年までの学生 205 名で、調査方法は質問調 査法を用いた。なお、調査期間は 2014 年 7 月~10 月である。また、有効回答は質問毎に 異なる。 1 5.調査結果 まず、性格の心理測定尺度である「BIG FIVE 尺度」[3]から抽出した問 2 の5種類の性 格に関する用語(話し好き、陽気な、社交的な、活動的な、積極的な、5段階評価)の有 効回答 203 名の各平均値の平均値(総平均)を基準に、総平均から下位の被験者(101 名) を「内向的」 、その上位の被験者(102 名)を「外向的」と定めた。 上記の「内向的」と「外向的」を次の表 2 と表 4、表 6 の集計に用いた。 表 1. (問 3) SNS 認知度の男女差 知っている 知らない (計) 男性 116 (91.3%) 11 (8.7%) 127 (100%) 女性 69 (92%) 6 (8%) 75 (100%) (計) 185 (91.6%) 17 (8.4%) 202 (100%) (p>0.05、クラメール連関係数:0.012) 表 2. (問 3) SNS 認知度の性格別の差 知っている 知らない (計) 内向的 91 (90.1%) 10 (9.9%) 101 (100%) 外交的 95 (93.1%) 7 (6.9%) 102 (100%) (計) 186 (91.6%) 17 (8.4%) 203 (100%) (p<0.05、クラメール連関係数:0.055) 表 1 より、9割以上の大学生が SNS について高い認知度を有している。しかし、SNS の認知度については、男女差は見られなかった。同様に、表 2 より、SNS の認知度は性格 別でも差は見られなかった。 以上の結果は、次のスマートフォン所持率が9割以上であるので、差が示されることは 物理的に生じないことは明らかである。 2 表 3. (問 4) スマートフォン所持率の男女差 持っている 持っていない (計) 男性 117 (92.9%) 9 (7.1%) 126 (100%) 女性 73 (96.1%) 3 (3.9%) 76 (100%) (計) 190 (94.1%) 12 (5.9%) 202 (100%) (p<0.05、クラメール連関係数:0.065) 表 4. (問 4) スマートフォン所持率の性格別の差 持っている 持っていない (計) 内向的 92 (91.1%) 9 (8.9%) 101 (100%) 外交的 98 (97%) 3 (3%) 101 (100%) (計) 190 (94.1%) 12 (5.9%) 202 (100%) (p<0.01、クラメール連関係数:0.126) 表 3 より、9割以上、つまり、ほとんどの大学生がスマートフォンを所持していること が示された。しかし、スマートフォン所持率の男女差は見られなかった。 同様に、表 4 より、スマートフォン所持率は性格別でも差は見られなかった。性格別の 差は、スマートフォン所持率が9割以上であるので、差が示されることは物理的に生じな いことは明らかである。 表 5. (問 4-②) スマートフォンの使用時間の男女差(時間/日) 1時間以下 1~3時間 4~6時間 7~11時間 12時間~ (計) 男性 20 (16.8%) 48 (40.3%) 38 (31.9%) 10 (8.4%) 3 (2.5%) 119 (100%) 女性 12 (16.7%) 26 (36.1%) 26 (36.1%) 1 (1.4%) (計) 32 (16.8%) 74 (38.7%) 64 (33.5%) 17 (8.9%) 7 (9.7%) 72 (100%) 4 (8.9%) 191 (100%) (p>0.05、クラメール連関係数:0.065) 3 表 6. (問 4-②) スマートフォンの使用時間の性格別の差(時間/日) 1時間以下 1~3時間 内向的 19 (20.7%) 34 (37%) 外交的 13 (13.1%) 39 (39.4%) 37 (37.4%) (計) 4~6時間 7~11時間 27 (29.3%) 10 (10.9%) 12時間~ (計) 2 (2.2%) 92 (100%) 2 (2%) 99 (100%) 8 (8.1%) 32 (16.8%) 73 (38.%) 64 (33.5%) 18 (9.4%) 4 (2.1%) 191 (100%) (p>0.05、クラメール連関係数:0.125) 表 5 より、1~3 時間は男性が多く、4~6 時間は女性が多く見られた。このことから、女 性の方が長時間、スマートフォンを使用していることが示された。 他方、表 6 より、外交的な人の方が 4~6 時間スマートフォンを使用している人数が内向 的な人より多かった。つまり、外交的な人の方が、内向的な人より、長時間、スマートフ ォンを使用していることが示された。 表 7. (問 6) SNS の使用方法 そ う で あ る ど ち ら と も 言 え な い 時 々 そ う で あ る あ ま り そ う で な い そ う で な い 計 (単位/人) 1. 連絡を取るのにSNSを 使用していますか 38 (73.8%) 11 (21.2%) 2 (3.8%) 1 (1.9%) 0 52 (100%) 2. 友達との連絡にSNSを 使用しますか 42 (80.8%) 6 (11.5%) 3 (5.8%) 1 (1.9%) 0 52 (100%) 3. 家族との連絡はSNSを 使用しますか 23 (44.2%) 8 (15.4%) 3 (5.8%) 4 (7.7%) 14 (26.9%) 52 (100%) 4. SNSに疲れを 感じますか 5. SNSができないと 不安を感じますか 5 (9.6%) 10 (19.2%) 6 (11.5%) 13 (25.0%) 18 (34.6%) 52 (100%) 12 (23.1%) 15 (28.8%) 4 (7.7%) 8 (15.4%) 13 (25.0%) 52 (100%) 4 表 7 の質問項目 4 より、約 6 割(25%+34.6%=59.6%)の人が SNS に疲れを感じていな いことが示された。質問項目 5 から、不安を感じているかは、「そうである」「時々そうで ある」と答えた人が 5 割程度(28.8%+23.1%=51.9%)いる。このことから、大学生は SNS に不安を感じているといえる。 なお、質問項目 1 と 2 から、知人や友達との連絡に、ほとんどが SNS を用いて連絡して いることが示された。しかし、家族となるとその傾向が半減する。 表 8. (問 4-③) スマートフォンの最頻度の SNS 種類 集計(人) 百分率 Facebook 4 2.1 Twitter 46 24.0 2 LINE 137 71.4 1 Google+ 4 2.1 Myspace 0 0 その他 1 0.5 (計) 順位 192 表 9. (問 5-②) パソコンの最頻度の SNS 種類 集計(人) 百分率 Facebook 7 14.9 Twitter 14 29.8 LINE 6 12.8 Google+ 11 23.4 Myspace 0 0 その他 9 19.1 (計) 47 順位 1 2 表 8 より、大学生がスマートフォンで最もよく使用する SNS は「LINE」であることが 示された。 「Twitter」より「Facebook」がかなり低いのは特徴的である。これは、 「Facebook」 の実名と言う特徴から、プライバシーへの不安を示しているとも考えられる。 他方、パソコンで SNS を利用している大学生では、表 9 より、「Twitter」や「Google+」が多いこ とが示された。パソコンでも、「Facebook」と同じ程度に「LINE」が人気が高いことが示されている。 5 表 10. (問 5) パソコンでの SNS の利用の可否 PCでSNSを使用 集計(人) 百分率 はい 44 22.2 いいえ 154 77.8 (計) 198 表 11. (問 5-①) パソコンでの SNS の利用時間/週間 時間/週 集計(人) 百分率 順位 1 時間以下 25 53.2 1 1~3 時間 11 23.4 2 4~6 時間 6 12.8 3 7~11 時間 3 6.4 12 時間~ 2 4.3 (計) 47 次に、表 10 より、大学生の約2割しかパソコンでは SNS を利用していないことが示さ れた。したがって、大学生は、パソコンではほとんど SNS を利用しないとことがわかる。 表 11 から、その利用時間もスマートフォンと比べると比較にならないぐらい少ない時間で ある。このことは、大学生は、SNS は主にスマートフォンを利用している。 ところで、表 12 から、大学生は、スマートフォンの全ての機能についてまんべんなく利 用していることが示されている。 表 12. (問 4-①) スマートフォンの利用目的(複数回答) 種類 集計(人) 百分率 順位 メール 129 25.7 2 電話 110 22.0 3 写真 97 19.4 4 ゲーム 132 26.3 1 その他 33 6.6 (計) 501 6 6.考察 仮説(1)のスマートフォンの使用について男女差は利用時間に相違が示された。具体 的には、男性よりも女性の方が2倍程度、スマートフォンを使用していることが示された。 仮説(2)の性格の違いによるスマートフォンの使用についても、男女の場合と同様に 利用時間に相違が示された。具体的には、外交的な人の方が、内向的な人より、スマート フォンを長時間使用していることが示された。 仮説(3)の疲れや不安を感じているかどうかに関しては、疲れを感じている人は約 15% と少なく、大学生は疲れを感じていないことが示された。また、不安を感じている人は過 半数を占めていたため、大学生は SNS の、特に使用率の高い「LINE」のプライバシー問 題などに不安を感じている。また、スマートフォンの長時間の使用に対しても、その高い 依存性にも不安を感じているとも考えられる。 なお、大学生の約2割しかパソコンでは SNS を利用していなく、その利用時間もスマー トフォンと比較すると極めて少ない。 7.参考文献 (1)博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンター: 「全国スマートフォンユーザー1000 人定期調査」第 9 回分析結果報告、2014 http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/16784 (2)MMD 研究所「2014 年歩きスマホに関する実態調査」報告 https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1372.html (3)堀洋道 監修/山本眞理子 編:心理測定尺度集Ⅰ(BIG FIVE 尺度)、pp.123-128、2001 7 第 2 章 大学生における性格と髪型の関係性 八木冴香 1.問題 本研究では、 「大学生が普段感じている髪型の印象」について調べることを研究目的とし ている。昔は、女性は黒髪のロングヘアーで、男性は黒髪のショートカットが一般的であ った。最近では黒髪ブームと言われ、また髪の毛の一部染色のできるヘアーペイントなど が販売されている。そして近年、異常なショートヘアー、ボーイッシュな髪型をする女性 や、ロングヘアーの男性がいる。時代とともに変わる髪型であるが、大学進学が一般的と なった今、大学生の中での髪型の考え方は、特に性格との関係はどのようなものなのか、 どのような髪型が多いのかなどを検証していく。 2.先行研究 論文検索サイト(CiNii 学術情報ナビゲータ)[1]によると、下家ら(2006)は、東京ヘアスタ イル市場調査において髪の明るさとしては低明度が多く、色味としてはナチュラルが多い。 しかし低明度でも染毛の施術がされていることが多かった。ナチュラルは主流とされてい るがイエローやレッドは増加し、オレンジがやや減少傾向にあった。また髪の長さとして は、ショートは毛髪が肩に着かない長さとし、ミディアムは肩から 5cm 下の長さまで、そ れ以上はロングとしミディアム、ロングが多くを占めた。ヘアスタイルの傾向としては、 全体として落ち着き表現が求められていること、近年上質感を主軸に変化を見せているフ ァッション傾向に影響を受けているという調査結果があった。(下家ら,2006) しかし、性格[2]と髪型の関係については論じられていない。 3.仮説 (1) 人による髪型の違いは、性格や流行などにより左右される可能性は高くなる。 (2) 外交的な人ほど流行に敏感で、内向的な人ほど興味はない。 4.方法 【被験者】 広島国際大学の学生 204 名(男性 125 名、女性 75 名、性別不明 4 人) 【手順】 調査法は質問紙調査法を行った。2014 年 7 月~10 月に、回答時間は指定せず、回答が 終わり次第回収という形を取った。調査票は全て回収した。なお、有効回答は質問毎 に異なる。 8 5.結果 質問項目の問 7~問 10 までの集計結果を次に記載する。 表 1. (問 7)-大学生の男性の髪型 [資料(1)より] 選択肢 集計(人) 百分率 順位 アシンメトリー 14 11.4 4 ウルフカット 5 4.1 エアリーヘア 15 12.2 刈上げ 6 4.9 ボブ 5 4.1 ツーブロック 27 22.0 テクノカット 4 3.3 ソフトモヒカン 11 8.9 5 その他 36 29.3 1 (計) 3 2 123 大学生の男性の髪型は、表 1 よりその他が 1 番多いことが分かる。しかし、2~5 位の髪 型の割合をまとめると 5 割以上の学生が選択肢の髪型に該当する結果になった。大学生の 男性の髪型の基盤はこの選択肢だと分かった。 表 2. (問 7)-大学生の女性の髪型 [資料(2)より] 選択肢 集計(人) 百分率 順位 ショート 10 13.7 4 ミディアム 29 39.7 1 セミロング 18 24.7 2 ロング 16 21.9 3 その他 0 0 (計) 73 9 表 3. (問 8)-男性(大学生)の友達に多い髪型 [資料(1)より] 選択肢 集計(人) 百分率 順位 アシンメトリー 12 9.4 5 ウルフカット 15 11.7 4 エアリーヘア 23 18.0 2 刈上げ 5 3.9 ボブ 6 4.7 ツーブロック 22 17.2 テクノカット 7 5.5 ソフトモヒカン 8 6.3 その他 30 23.4 (計) 3 1 128 大学生の女性の髪型は、表 2 よりミディアムが多いことが分かる。2 位セミロング、3 位 ロングという結果から大学生の女性は、比較的髪が長いという結果になった。ミディアム が多いのは、髪の毛の長さの基準が曖昧で判断しにくかったということも考えられる。 大学生に聞いた大学生の男性に多い髪型は、表 3 よりその他の髪型は1番多い割合だっ たが、他の髪型の 2~5 位を集計すると 5 割以上が選択肢の髪型を該当する結果になった。 表 4. (問 8)-女性(大学生)の友達に多い髪型 [資料(2)より] 選択肢 集計(人) 百分率 順位 ショート 8 11.0 3 ミディアム 23 31.5 2 セミロング 34 46.6 1 ロング 8 11.0 3 その他 0 0 (計) 73 大学生に聞いた大学生の女性に多い髪型は、表 4 より 1 番多い髪型はセミロングという 結果になった。2 番目は、ミディアムで 3 番は、同率でショートとロングという結果になっ た。問 7 と問 8 の違いは、自分の考える髪の毛の長さの基準と、周りから見る髪型の印象 は相違、回答者の属する集団の相違のどちらかであると考える。 10 表 5. (問 9)‐大学生の男性に多い髪色 選択肢 集計(人) 百分率 順位 黒色 99 79.2 1 茶色 23 18.4 2 金色 1 0.8 4 その他 2 1.6 3 (計) 125 大学生の男性に多い髪色は、表 5 より約 8 割の人が黒色のことが分かった。2 番目の茶色 とはかなりの点差をつけている結果になった。黒色や茶色が主流で、他の色の人は、かな り少ない割合と言える。 表 6. (問 9)‐大学生の女性に多い髪色 選択肢 集計(人) 百分率 順位 黒色 42 55.3 1 茶色 33 43.4 2 緑色 1 1.3 (計) 76 大学生の女性に多い髪色は、1番は黒色、2 番は茶色という結果になった。しかし、比率 的には、11.9%としか変わらなく、黒色も茶色も同率くらいの割合なことが分かった。また、 黒色や茶色以外にも、1 人緑色という人もいたが、その他の色はいなかった。 表 7. (問 10,11) 男女の髪型でどちらが清潔そうに見えるか クロス集計 短い髪型 長い髪型 (計) 男性 114 (90.5%) 12 (9.5%) 126 (100%) 女性 38 (93.4%) 37 (6.6%) 75 (100%) (計) 152 (75.6%) 49 (24.4%) 201 (100%) (p<0.01、クラメール連関係数:0.448) 表 7 より、男性の髪型でどちらが清潔そうに見えるかに関しては、短い髪型が 9 割で圧 11 倒的に割合を占めた。女性の髪型でどちらが清潔そうに見えるかに関しては、短い髪型が わずかの差で多かったものの、短い髪型・長い髪型の両方が清潔に見えるという結果だっ た。男女を合わせて見てみると短い髪型の方が清潔そうに見えるという結果になった。 表 8. (問 12) 男性の髪型はどちらが好みか クロス集計 短い髪型 長い髪型 (計) 男性目線 100 (79.4%) 26 (20.6%) 126 (100%) 女性目線 57 (76.0%) 18 (24.0%) 75 (100%) (計) 157 (78.1%) 44 (21.9%) 201 (100%) (p>0.05、クラメール連関係数:0.039) 表 8 より、男性からすると男性の髪型は短い方が好みと答えた人が約 8 割であった。女 性からすると男性の髪型は短い方が好みと答えた人が多かった。男女とも、男性は短い髪 型がいいと思っていることが分かった。 表 9. (問 13) 女性の髪型はどちらが好みか クロス集計 短い髪型 長い髪型 (計) 男性目線 56 (44.4%) 70 (55.6%) 126 (100%) 女性目線 56 (28.4%) 53 (71.6%) 74 (100%) (計) 56 (38.5%) 123 (61.5%) 200 (100%) (p<0.05、クラメール連関係数:0.159) 表 9 より、男性からすると女性の髪型は長い方が好みと答えた人が約 6 割であった。反 対に女性は、短い髪型がいいと答えた人が 4 割いた。男性は長い髪の毛を好むが、女性は 割かし短い髪型も長い髪型もどちらも好むということが分かった。 次に、性格についての分析結果を述べる。その際に、性格の心理測定尺度である BIG FIVE 尺度[3]から抽出した問 2 の5種類の性格に関する用語(話し好き、陽気な、社交的な、活 動的な、積極的な)の有効回答 203 名の各平均値の平均値(総平均)を基準に、総平均か ら下位の被験者(101 名)を内向的、その上位の被験者(102 名)を外向的と定めた。 12 表 10. (問 14) 性格について そうである 時々そう である どちらとも 言えない あまり そうでない あなたは流行を気に しますか 34 (16.7%) 41 (20.2%) 38 (18.7%) 63 (31.0%) 27 (13.3%) 203 (100%) あなたは人に影響され やすいと思いますか 12 (5.9%) 32 (15.8%) 36 (17.7%) 82 (40.4%) 41 (20.2%) 203 (100%) 雑誌はよく読みますか 53 (26.1%) 46 (22.7%) 34 (16.7%) 40 (19.7%) 30 (14.8%) 203 (100%) 単純集計 そうでない 計(単位/人) 表 10 の質問項目 1 より、流行を気にする・時々気にすると答えた人が全体の 36.9%、気 にしない・あまり気にしないと答えた人が、全体の 44.3%であった。少しの差ではあるも のの、流行は気にしない人の方が多いことが分かった。 表 10 の質問項目 2 より、人に影響されやすいかという質問に関しては全体の 21.7%の人が 影響されやすいと答え、全体の 60.6%の人が影響されにくいと答えた。被験者の 2 人に 1 人以上は、影響されにくいという結果になった。 表 10 の質問項目 3 より、雑誌をよく読む・まあまあ読むと答えた人は、全体の 48.8%で、 全然読まない・あまり読まないと答えた人は 24.5%だった。被験者の約半数は、雑誌を読 むという結果になった。 表 11. (問 14-1) 性格と流行を気にするかのクロス表 (流行) そうである 時々そう である どちらとも 言えない あまり そうでない そうでない 計(単位/人) 内向的 21 (20.8%) 21 (20.8%) 20 (19.8%) 29 (28.7%) 10 (9.9%) 101 (100%) 外交的 13 (12.7%) 20 (19.6%) 18 (17.6%) 35 (34.3%) 16 (15.7%) 102 (100%) 計 34 (16.7%) 41 (20.2%) 38 (18.7%) 64 (31.5%) 26 (12.8%) 203 (100%) (p<0.05、クラメール連関係数:0.14) 表 11 より、性格と流行を気にするかについては、内向的な人の方が流行を気にし、外交 的な人の方が流行を気にしないという結果になった。 13 表 12. (問 14-2) 性格と人に影響されやすいかのクロス表 (影響) そうである 時々そう である どちらとも 言えない あまり そうでない そうでない 計(単位/人) 内向的 7 (6.9%) 20 (19.8%) 21 (20.8%) 40 (39.6%) 13 (12.9%) 101 (100%) 外交的 5 (5.0%) 12 (11.9%) 15 (14.9%) 42 (41.6%) 27 (26.7%) 101 (100%) 計 12 (5.9%) 32 (15.8%) 36 (17.8%) 82 (40.6%) 40 (19.8%) 202 (100%) (p<0.01、クラメール連関係数:0.202) 表 12 より、性格と人に影響されやすいかについては、内向的な人も外交的な人も影響さ れにくいことがわかった。 表 13. (問 14-3) 性格と雑誌を読むかのクロス表 (雑誌) そうである 時々そう である どちらとも 言えない あまり そうでない そうでない 計(単位/人) 内向的 30 (29.7%) 16 (15.8%) 19 (18.8%) 17 (16.8%) 19 (18.8%) 101 (100%) 外交的 23 (22.8%) 30 (29.7%) 15 (14.9%) 23 (22.8%) 10 (9.9%) 101 (100%) 計 53 (26.2%) 46 (22.8%) 34 (16.8%) 40 (19.8%) 29 (14.4%) 202 (100%) (p<0.01、クラメール連関係数:0.215) 表 13 より、性格と雑誌をよく読むかについては、内向的な人は 45.5%の人が大体読むと いう結果になった。外交的な人は 52.5%の人が大体読むという結果になった。 6.考察 仮説(1)の人による髪型の違いは、性格や流行などにより左右される可能性は高くなると いう仮説を立てたが検証されなかった。流行を取り入れるかは検証していない為わからな いが、外交的な人ほど流行を気にすると考えていたが、内向的な人の方が流行を気にする ことが考えられる。髪型は、男性からの見られ方と女性からの見られ方のどちらを気にす るかによっても結果は変わると思った。被験者の捉え方の違いが生じるのでこのような結 果になったと考える。 14 仮説(2)の外交的な人ほど流行に敏感で、内向的な人ほど興味はないという仮説も立てた が、反対に内向的な人ほど流行を気にし、雑誌にも目を通すことが多いと考えられる。な ぜこのような結果に至ったのかは、今回の質問は、自分のことを自分で申告するという形 だったので、もしかすると人や流行に影響されている人もいるかもしれないと考えられる。 7.参考文献 (1) 論文検索サイト CiNii 学術情報ナビゲータ (2) 堀洋道 監修/山本眞理子 編:心理測定尺度集Ⅰ(BIG FIVE 尺度),pp.123-128,2001 15 第3章 大学生の匂いに対する意識調査 玉田翔悟 1. 問題 匂いと人の関係を生理学的な視点から文献調査すると、近年の医学領域における様々な 研究成果により、匂いは、他の感覚とは異なり、大脳辺縁系に直接関与していることが明 らかになっている。その大脳辺縁系は「情動系」とも呼ばれており、匂いは人間の本能や、 特に感情と結びついた記憶と密接な関係があると述べられている。つまり匂いは、最も感 情を刺激する感覚である。なお、匂いの種類を調べると、加齢臭、メタボ臭、疲労臭など が代表的で、それらには内面の匂いと外面の匂いがある。[1] [2] 他方、男女差に関しては、女性は男性よりも脳の嗅覚野が発達していると言われている ため、匂いに敏感に反応すると述べられている。つまり、女性は男性以上に匂いに関心を 寄せる理由のひとつに、前述の感覚の男女差である。女性は男性よりも嗅覚が敏感だと言 われている。そのひとつの要因は、女性というのは月経周期内の時期などによって、嗅覚 が敏感になる時期があることも遠因している[3]。このように、匂いには男女差があること は明らかであるが、その相違の具体的な内容については明らかにされていない。そこで、 匂いに対する男女差の具体的な意識内容を、大学生を被験者にして検証して行く。 2. 先行研究 昨今「現代人はニオイに敏感」と言われている。中でも体臭や口臭に対する意識は高く、 それに関する各種の商品も店頭に並んでいる。東京ガス都市生活研究所が行った調査によ ると、若者(中学生から大学生の男女)の 6 割以上が、 「体臭や口臭を身だしなみのひとつ として気をつけている」と回答したと報告している[4]。 人間の嗅覚は、もともと危険予知、食料検知、異性 探知などで発達したものと考えられ るが、現代では香水やハーブの香りを楽しむなど感性的情報の受容機能としてファッショ ンとの関連でも注目されている。衣料用の洗剤や柔軟剤の製品においても特に 2010 年頃か ら、香りの種類や持続性を強調した商品が流行している。 本調査で大学生は匂いに対して、どの程度意識しているのか、またどのようなものを好 んでいるのかを調査した。 3. 仮説 (1)男女とも匂い(香り)に対して興味を持っている。 (2)男女によって好きな匂い(香り)に違いがある。 4. 方法 (1)被験者: 16 大学生 204 名(内訳、男性 126 名、女性 76 名、性別不明 2 名)、平均値「20 歳」 、標準 偏差「1.49」 、最大値「23 歳」 、最小値「18 歳」 、なお、有効回答は質問毎に異なる。 (2)調査手順: 2014 年 7 月~10 月の期間、質問紙調査法を実施した。個々の被験者に質問用紙を配布し て、回答が終わり次第回収し、配布した調査票は全て回収した。 5. 結果 質問項目の問 15~問 16 までの集計結果を次に示す。 表 1. (問 15-1)匂いに対して興味があるか 度数 百分率 順位 1 そうでない 23 11.3 5 2 あまりそうでない 28 13.8 4 3 どちらともいえない 33 16.3 3 4 時々そうである 72 35.5 1 5 そうである 47 23.3 2 203 (計) 1 2 3 4 5 (計) 男性 18 (14.2%) 17 (13.4%) 24 (18.9%) 42 (33.1%) 26 (20.5%) 127 (100%) 女性 5 (6.6%) 11 (14.5%) 9 (11.8%) 30 (39.5%) 21 (27.6%) 76 (100%) (計) 23 28 33 72 47 203 (p<0.05、クラメール連関係数:0.165) 表 1 上段から、58.3%(=35.5%+23.3%)の半数以上の大学生が匂いに興味があると回答 している。一方、四分の一の 25.1%(=13.8%+11.3%)は興味がない。表 1 下段のクロス集 計表から、男女とも匂いに興味があると回答している。女性の方がやや興味が高い。 表 2 上段から、31.1%(=23.2%+7.9%)の3割の大学生が香水・コロンをつけている。 一方、48.3%の半数の大学生が香水・コロンをつけていない。表 2 下段のクロス集計表から、 男女とも差がなく、同じ割合(約 3 割)で香水・コロンをつけている。 ただし、男女ともほぼ半数である、男性の 50.4%、女性の 44.7%が全く香水・コロンを つけていない。 17 表 2. (問 15-2)香水・コロンをつけるか 度数 百分率 順位 1 そうでない 98 48.3 1 2 あまりそうでない 31 15.3 3 3 どちらともいえない 11 5.4 5 4 時々そうである 47 23.2 2 5 そうである 16 7.9 4 203 (計) 1 2 3 4 5 (計) 男性 64 (50.4%) 19 (15%) 8 (6.3%) 26 (20.5%) 10 (7.9%) 127 (100%) 女性 34 (44.7%) 12 (15.8%) 3 (3.9%) 21 (26.6%) 6 (7.9%) 76 (100%) (計) 98 31 11 47 16 203 (p>0.05、クラメール連関係数:0.096) 表 3. (問 15-3)匂いの良い商品を購入するか 度数 百分率 順位 1 そうでない 45 22.2 2 あまりそうでない 32 15.8 3 どちらともいえない 45 22.2 4 時々そうである 50 24.6 1 5 そうである 31 15.3 5 4 203 (計) 1 2 3 4 5 (計) 男性 33 (26%) 24 (18.9%) 35 (27.6%) 21 (16.5%) 14 (11%) 127 (100%) 女性 12 (15.8%) 8 (10.5%) 10 (13.2%) 29 (38.2%) 17 (22.4%) 76 (100%) (計) 45 32 45 50 31 203 (p<0.01、クラメール連関係数:0.328) 表 3 上段から、匂いの良い商品購入の可否は2つに分かれ、約4割の大学生は匂いの良 い商品を購入する。表 3 下段のクロス集計表から2分された理由が男女の違いであること が分かる。女性の 6 割の 60.6%(=38.2%+22.4%)が匂いの良い商品を購入するのに対して、 男性の半数に近い 44.9%(=18.9%+26%)が匂いの良い商品を購入しないかその傾向にある。 18 表 4. (問 15-4)化粧品は無香料を選ぶか 度数 百分率 順位 1 そうでない 45 22.4 2 2 あまりそうでない 23 11.4 5 3 どちらともいえない 69 34.3 1 4 時々そうである 37 18.4 3 5 そうである 27 13.4 4 201 (計) 1 2 3 4 5 (計) 男性 40 (32%) 16 (12.8%) 47 (37.6%) 16 (12.8%) 6 (4.8%) 125 (100%) 女性 5 (6.6%) 7 (9.2%) 22 (28.9%) 21 (27.6%) 21 (27.6%) 76 (100%) (計) 45 23 69 37 27 201 (p<0.01、クラメール連関係数:0.442) 表 4 上段から、化粧品は無香料を選ぶかどうかの明確でない大学生が三分の一(34.3%) を占めた。この表から無香料を選ぶかの可否で 2 つに分かれている。 その内容を詳しく調べた表 4 下段のクロス集計表から、女性の約 6 割弱の 55.2% ( =27.6%+27.6% ) が 化 粧 品 は 無 香 料 を 選 ぶ の に 対 し て 、 男 性 の 半 数 に 近 い 44.8% (=12.8%+32%)が無香料の化粧品を選ばないかその傾向にある。 表 5. (問 15-①)匂いを意識している理由(複数選択) 度数 百分率 順位 1.香りに癒されるから 68 21.7 2 2.身だしなみの一つだから 72 23.0 1 3.体臭予防 44 14.1 5 4.自己主張のひとつ 14 4.5 5.他人から臭いと思われたくないから 46 14.7 3 6.好印象を与えるため 45 14.4 4 7.メイクアップのひとつ 15 4.8 8.異性を引き付けるため 3 1.0 9.目立ちたい 1 0.3 10.その他 5 1.6 313 (計) 19 表 5 が示すように、匂いを意識している理由は、 「身だしなみの一つ」が1位で、2位 が「香りに癒される」、3位から5位が「他人から臭いと思われたくない」 「好印象を与え る」 「体臭予防」であった。 この結果が示すように、自己に対して匂いを用いるのと、他人を意識して匂いを用いる という 2 つの側面の理由があることが示された。 表 6. (問 15-②)匂いを意識しない理由(複数選択) 度数 百分率 順位 1 全体的に関心がない 25 47.2 1 2 高価から 4 7.5 3 恥ずかしい 4 7.5 4 面倒なので 7 13.2 5 好きな匂いがない 4 7.5 6 全般に匂いが嫌い 5 9.4 7 他人に迷惑なので 3 5.7 8 その他 1 1.9 2 3 53 (計) 表 7. (問 15-③) 「どちらでもない」の回答者の強いての判断理由 度数 百分率 順位 1 どちらかといえば興味ある 9 40.9 2 2 どちらかといえば興味がない 13 59.1 1 22 (計) 表 6 が示すように、匂いに「関心がない」ことが匂いを意識しない理由の半分を占める。 また、2位の「面倒なので」から、作法が煩雑であることも理由である。3位の「全般に 匂いが嫌い」から、匂いに対する拒否の意識も示された。 表 7 の「どちらでもない」の回答者に対して、強いての判断を求めたところ、匂いに興 味がないのが6割であった。 表 8 から、女性の方がやや割合が高いが、男女の大学生が好む匂いは「柑橘系」である。 甘い香りの「複数の花」もその次に高い割合を男女とも示している。 表 9 から、 「女性に対する匂いのイメージ」は、男女とも甘い香りの「複数の花」が顕著 である。特に女性はほぼ全員と述べてもいい8割が甘い香りを女性に対する匂いのイメー ジと評価している。 20 表 8. (問 16-1) 「好きな匂い」の男女の比較 ユニックス セクシー きつい 甘い さっぱり 植物の花 動物性 単体の花 複数の花 柑橘系 (計) 男性 9 (9.9%) 8 (8.8%) 1 (1.1%) 32 (35.2%) 41 (45.1%) 91 (100%) 女性 2 (3.3%) 1 (1.6%) 3 (4.9%) 20 (32.8%) 35 (57.4%) 61 (100%) (計) 11 9 4 52 76 152 (p<0.01、クラメール連関係数:0.237) 表 9. (問 16-2) 「女性に対する匂いのイメージ」の男女の比較 ユニックス セクシー きつい 甘い さっぱり 植物の花 動物性 単体の花 複数の花 柑橘系 (計) 男性 3 (3.3%) 7 (7.7%) 11 (12.1%) 54 (59.3%) 16 (17.6%) 91 (100%) 女性 0 3(4.9%) 4 (6.6%) 50 (82%) 4 (6.6%) 61 (100%) (計) 3 10 15 104 20 152 (p<0.01、クラメール連関係数:0.252) 表 10. (問 16-3) 「男性に対する匂いのイメージ」の男女の比較 ユニックス セクシー きつい 甘い さっぱり 植物の花 動物性 単体の花 複数の花 柑橘系 (計) 男性 5 (5.6%) 16 (17.8%) 18 (20%) 5 (5.6%) 46 (51.1%) 91 (100%) 女性 20 (32.8%) 8 (13.1%) 5 (8.2%) 2 (3.3%) 26 (42.6%) 61 (100%) (計) 25 24 23 7 72 152 (p<0.01、クラメール連関係数:0.373) 一方、女性に対して「男性に対する匂いのイメージ」は、表 10 から、男女で多少の相違 がある。女性は男性に対して抱く匂いのイメージは柑橘系と植物の花の二極化している。 それに対して、男性は自身に対する匂いのイメージは、柑橘系が半数を占め、その次に、 単体の花と動物性の香りをイメージしていることが示された。 女性または男性につけて欲しい匂いについての表 11 と表 12 の結果は、前述の表 9 と表 10 の女性または男性に対する匂いのイメージと類似の結果になった。つまり、イメージと 期待する匂いは男女とも同じであることが示された。 21 表 11. (問 16-4) 「女性につけて欲しい匂い」の男女の比較 ユニックス セクシー きつい 甘い さっぱり 植物の花 動物性 単体の花 複数の花 柑橘系 (計) 男性 6 (6.6%) 9 (9.9%) 7 (7.7%) 53 (58.2%) 16 (17.6%) 91 (100%) 女性 0 5 (8.2%) 2 (3.3%) 38 (62.3%) 16 (26.2%) 61 (100%) (計) 6 14 9 91 32 152 (p<0.05、クラメール連関係数:0.21) 表 12 (問 16-5) 「男性につけて欲しい匂い」の男女の比較 ユニックス セクシー きつい 甘い さっぱり 植物の花 動物性 単体の花 複数の花 柑橘系 (計) 男性 5 (5.6%) 5 (5.6%) 8 (8.9%) 11 (12.2%) 61 (67.8%) 90 (100%) 女性 21 (34.4%) 5 (8.2%) 1 (1.6%) 3 (4.9%) 31 (50.8%) 61 (100%) (計) 26 10 9 14 92 151 (p<0.01、クラメール連関係数:0.407) 表 13 (問 16-6) 「洗剤ならどの香りが好きか」の男女の比較 ユニックス セクシー きつい 甘い さっぱり 植物の花 動物性 単体の花 複数の花 柑橘系 (計) 男性 8 (8.9%) 3 (3.3%) 5 (5.6%) 29 (32.2%) 45 (50%) 90 (100%) 女性 4 (6.6%) 2 (3.3%) 4 (6.6%) 25 (41%) 26 (42.6%) 61 (100%) (計) 12 5 9 54 71 151 (p>0.05、クラメール連関係数:0.1) 表 14 (問 16-7) 「柔軟剤ならどの香りが好きか」の男女の比較 ユニックス セクシー きつい 甘い さっぱり 植物の花 動物性 単体の花 複数の花 柑橘系 (計) 男性 5 (5.6%) 5 5.6%) 7 (7.8%) 42 (46.7%) 31 (34.4%) 90 (100%) 女性 4 (6.7%) 2 (3.3%) 4 (6.7%) 34 (56.7%) 16 (26.7%) 60 (100%) (計) 9 7 11 76 47 150 (p>0.05、クラメール連関係数:0.113) 22 表 13 と表 14 の結果から、洗剤と柔軟剤に対する香りの選好はさっぱりした柑橘系と甘 い香りの植物の花であることが示された。 両者の違いは、洗剤はやや柑橘系の方が好まれている。それに対して、柔軟剤は甘い香 りの植物の花が好まれているが、その中で、女性がその傾向にある。 表 15 (問 16-8) 「香水ならどの香りが好きか」の男女の比較 ユニックス セクシー きつい 甘い さっぱり 植物の花 動物性 単体の花 複数の花 柑橘系 (計) 男性 10 (11.1%) 9 (10%) 5 (5.6%) 29 (32.2%) 37 (41.1%) 90 (100%) 女性 1 (1.6%) 1 (1.6%) 4 (6.6%) 28 (45.9%) 27 (44.3%) 61 (100%) (計) 11 10 9 57 64 151 (p<0.01、クラメール連関係数:0.261) 表 16 (問 16-9) 「コロンならどの香りが好きか」の男女の比較 ユニックス セクシー きつい 甘い さっぱり 植物の花 動物性 単体の花 複数の花 柑橘系 (計) 男性 9 (10%) 8 (8.9%) 9 (10%) 33 (36.7%) 31 (34.4%) 90 (100%) 女性 0 1 (1.6%) 6 (9.8%) 30 (49.2%) 24 (39.3%) 61 (100%) (計) 9 9 15 63 55 151 (p<0.01、クラメール連関係数:0.269) それぞれ濃度の違うことの相違である香水(濃い方)もコロン(薄い方)も、当然、同 じ香水の枠に入るのだが、その濃度の違いで好みの違いがあるかを調べた表 15 と表 16 の 結果から、香水とコロンの違いもなく、男女の違いもなかったことが示されている。 敢えて、男女の違いを求めると、女性はさっぱりした柑橘系と甘い香りの植物の花に絞 られるが、男性は多少全体にばらつきが見られる。 6. 考察 仮説(1)の男女とも匂い(香り)に対して興味を持っているかについては、大学生の半 数以上が匂いに興味があると回答している。また、男女とも匂いに興味があると回答して いるが、女性の方がやや興味が高かった。 3割の大学生が香水・コロンをつけているが、半数の大学生が香水・コロンをつけていな い。この傾向は男女とも差がない。また、女性の方が積極的に匂いの良い商品を購入する が、男性はその傾向は少ない。そして、女性の約 6 割弱が化粧品は無香料を選ぶが、男性 23 の半数に近くが無香料の化粧品を選ばない傾向にあった。 匂いに興味を持っている理由は、身だしなみの一つで、好印象を与えるためである。他方、 香りに癒されることや体臭予防も理由の上位を占めた。 仮説(2)の男女によって好きな匂い(香り)に違いがあるかについては、男女の大学生 が好む匂いは「柑橘系」と「複数の花」で、男女に大きな違いがなかった。また、女性ま たは男性に対する匂いのイメージと体につけて欲しい匂いについては、男性は柑橘系と植 物の花の匂いに対して、女性は甘い香りの複数の花の匂いであった。日常的によく使用す る洗剤や柔軟剤、さらに香水やコロンの匂いも男女とも「柑橘系」と「複数の花」であっ た。 ●参考文献 (1)日本デオドール株式会社のホームページ・ 「人間の嗅覚やにおいを感じる特徴を解説」 http://www.deodor.co.jp/nioimec.html (2)Yahoo ジオシティーズ・ 「においを感じる仕組み」 http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Oak/9931/chem/nioi.html (3)美容ブログ[女性の美学] http://josei-bigaku.jp/love/kaorirenaikouka59200/ (4)東京ガス都市生活研究所の調査結果が記載されているネットサイト( 『湯の国』 ) http://www.yunokuni.com/2013/09/body-smell-care.html 24 第 4 章 大学生の将来の住環境について 伊與政 直樹 1. 問題 現代の大学生は今後、どのような理由で自分たちが住む住居を決定していくのだろうか。 先行研究は見られない。今日まで、さまざまな交通手段が発達し、遠い場所でも行けられ るようになった時代で旅行したり、出張したりと長い距離の移動が可能である。その中で 何かテレビや新聞というマルチメディアで知った興味のある出展会やスポーツ大会が遠く 離れた場所であれば、発達した交通手段を使って、楽々と移動できるのである。 しかし、世の中にはネオンが輝いたり、摩天楼が聳え立ったりする都会に住んでみたい 人もいれば、わざわざ、都会から離れた田舎で暮らしてみたいという人もいる。そうした 中で大学生は将来、自分の適性に合った場所を選び、住居を決めていくだと考える。 以上の視点から、調査仮説を次のように設定した。 2. 仮説 (1)生まれ育った環境による意識によって自分の故郷に対する長所と短所がはっきりし ていて、周りの環境とは違う場所に憧れを持つ者が少なからずはいると仮定する。 (2) 「何がやりたいのか?」という動機づけで分かれてくる。同じ若者でも将来で叶えた い夢や趣味でやってみたい事が人それぞれである。個々の価値観の違いにより自らが求め る利便性の追求でバラつきが出るだろうと仮定する。 なお、 ・田舎:静かで、のんびりとした、住む人も朗らか、農作業が魅力であり、のどかである。 ・都会:インフォメーションの流入が早く何か必要なものがあれば、直ぐに買いに行ける。 3. 方法 (1)被験者:大学生 204 名(内訳、男性 126 名、女性 76 名、性別不明 2 名:学生 1 年生 ~4 年生) 、なお、有効回答は質問毎に異なる。 (2)調査手順:2014 年 7 月~10 月の期間、質問紙調査法を実施した。個々の被験者に質 問用紙を配布して、回答が終わり次第回収し、配布した調査票は全て回収した。 4. 分析結果 問 17~問 23 までの被験者の回答から得られた集計データを表 1 から表 6 に示す。 まず、単純集計で算出された結果を表 1 に示すと、次の表になる。 25 表1 問 17「あなたの趣味は何ですか」の単純集計 問17 度数 百分率 順位 1. 本・雑誌を読むのが好き 30 15.1 3 2. 映画や演劇が好き 50 25.1 2 3. 音楽を聴くのが好き 18 9 4 4. スポーツをするのが好き 16 8 5 5. 絵・イラストを描くのが好き 56 28.1 1 6. どこかへ旅行するのが好き 14 7 7 7. その他 15 7.5 6 199 (計) 表 1 の単純集計の結果、問 17「あなたの趣味は何ですか」は 5.「絵・イラストを描くの が好き。 」の項目を選んだ学生が一番、多かった。その次に 2.「映画や演劇が好き」が 2 番 目、1.「 本・雑誌を読むのが好き」が 3 番目に多かった。票が少なかったのは 3.「音楽を 聴くのが好き」 、4.「スポーツをするのが好き」 、6.「どこかへ旅行するのが好き」であった。 この結果から、鑑賞したり、美術的なものを創作したり、する人が多いことが分かる。 アンケートに回答した多くの人はインドア派の趣味を持っている。 次に問 18.「あなたが子供のころ、自分の実家はどのような所ですか」の単純集計で算出 された表 2 を示す。 表 2 問 18「あなたが子供のころ、自分の実家はどのような所ですか」の単純集計 問18 度数 百分率 順位 1. 山に四方囲まれた土地 56 20.4 2 2. 片方に山と海 27 9.8 5 3. 夜も明るい都市 11 4 8 4. 冬には雪に埋もれる豪雪地帯 70 25.5 1 5. 河川が恵まれた町 10 3.6 9 6. 片方に山、もう片方には海の土地 36 13.1 3 7. 住宅が密集している団地地域 10 3.6 7 8. 都市から離れた郊外の町 3 1.1 10 9. 海に囲まれた島 18 6.5 6 10. 田園や畑が目立つ土地 34 12.4 4 275 (計) 26 表 2 の単純集計の結果、4.「冬には雪に埋もれる豪雪地帯」が 1 番目に多く、その次に 1.「山に四方囲まれた土地」が 2 番目、6.「片方に山、もう片方には海の土地」が 3 番目に 多かった。最も、低かったのは 8.「都市から離れた郊外の町」だった。実家の住環境を訊 いてみた所、周りが雪に埋もれる環境で多くの学生が日本海側、特に中国地方の山陰地方 の出身だと思われることが窺える。また、1.「山に四方囲まれた土地」はつまり、盆地とい う地域で周囲を山で閉ざされた場所で育っていることが分かる。 次に同じく問 20 の単純集計した表 3 を示す。 表 3 問 20「あなたが将来、求めている自分の住む場所の環境はなんですか」の単純集計 問20 度数 百分率 順位 1. 買い物ができる 106 20.9 1 2. 静かな場所がいい 80 15.8 3 3. 交通が便利 102 20.1 2 4. 空気と自然が綺麗 79 15.6 4 5. 病院や薬局が近い 36 7.1 6 6. 人付き合いが良い 65 12.8 5 7. 最新の情報が手に入りやすい 19 3.7 7 8. 町づくりが活発 20 3.9 8 507 (計) 表 3 の単純集計の結果、1.「買い物ができる」が 1 番目に多く、3.「交通が便利」が 2 番 目、2.「静かな場所がいい」が 3 番目と、票が高かった。逆に票が少なかったのは 5.「病院 や薬局が近い」 、7.「最新の情報が手に入りやすい」 、8.「.街づくりが活発」であった。 今回のアンケート調査では上位を占めるのは生活に重要な物資を入手しやすさだったり、 外出の際、移動手段に困らなかったり、と利便性を考えて回答している人が多いことが窺 える。 次に、問 21「あなたにとって、どんな日本の気候の地域なら過ごしやすいですか?」の 単純集計を表 4 に示す。 表 4 の単純集計の結果、問 21「あなたにとって、どんな日本の気候の地域なら過ごしや すいですか?」は 4.「雨は少ないので過ごしやすいが、そのせいで干ばつが起こりやすい」 が 1 番目に多く、3.「年間を通して湿度が低めで雨も少ないが、夏と冬との気温差が激しい」 が 2 番目、1. 「夏から秋にかけて雨が多いが、冬では雪が少ない」が 3 番目であった。逆 に最も、票が少なかったのが 2.「冬に雪が多いが、夏は晴天が多い」であった。 27 表 4 問 21「あなたにとって、どんな日本の気候の地域なら過ごしやすいですか?」 の単純集計 問21 度数 百分率 順位 ⒈ 夏から秋にかけて雨が多いが、冬では雪が少ない 30 15 3 ⒉ 冬に雪が多いが、夏は晴天が多い 10 5 6 ⒊ 年間を通して湿度が低めで雨も少ないが、夏と冬との気温差が激しい 40 20 2 ⒋ 雨は少ないので過ごしやすいが、そのせいで干ばつが起こりやすい 92 46 1 ⒌ 夏は過ごしやすいが、秋から春の初めまで寒い 17 8.5 4 11 5.5 5 ⒍ 冬でも暖かく、夏は極端に暑くなることもないが、 台風などの災害に遭いやすい 200 (計) この質問では「どのような気候であれば、住みやすいのか?」という質問に訊いたのだ が、多くの学生がそれぞれの気候を選んでいる。ここで注目すべきは票が多かった質問項 目の中の 4.「雨は少ないので過ごしやすいが、そのせいで干ばつが起こりやすい」と 3.「年 間を通して湿度が低めで雨も少ないが、夏と冬との気温差が激しい」である。この 2 つの 質問項目には共通のワードとして「雨は少ない」という部分である。大半の学生がジメジ メとした雨を嫌い、どちらかといえば、晴れが多い方が住みやすいとしているのである。 次に問 22「旅行をするとしてプランを立てるとき、どんなところを訪れたいですか」の 単純集計を表 5 に示す。 表 5 の単純集計の結果、問 22.「旅行をするとしてプランを立てるとき、どんなところを 訪れたいですか。 」の質問では 3.「グルメや有名な飲食店が集まっている都市」が 1 番目に 多く、1.「最先端の流行がある都市」が 2 番目、5.「歴史的な建築物や遺跡がある町」が 3 番目に多かった。逆に最も、票が少なかったのが 6.「町おこしで活発な郊外」であった。 この表 4 で分かることは票の多かった上位の選択肢の 3.「グルメや有名な飲食店が集ま っている都市」や 1.「最先端の流行がある都市」で分かるように多くの大学生は人が集中 的に集い、発展を続ける近代的な都市に集まっているところだろう。グルメやファッショ ンなどの若者が魅力を感じやすいカルチャーばかりである。最先端の流行にいち早く、敏 感な若者にとっては時代に乗り遅れることなく、青春を謳歌したいと感じることが 1 番に 思うのではないだろうか。しかし、今回のアンケート調査では 3 番目に票が多かった 5.「歴 史的な建築物や遺跡がある町」があるため、若者の全員が発展している都市ばかりに旅行 として視野に入れているわけではなかった。 最後に問 23「あなたは実際にマイホームを買ったり、アパートに入居したりするときに、 どんなことを注意して送りたいですか。 」の単純集計を表 6 に示す。 28 表 5 問 22「旅行をするとしてプランを立てるとき、どんなところを訪れたいですか」 の単純集計 問22 度数 百分率 順位 1. 最先端の流行がある都市 42 20.9 2 2. 自然豊かでノスタルジックな田舎 26 12.9 4 3. グルメや有名な飲食店が集まっている都市 57 28.4 1 4. 有名な特産品があり、知名度がある田舎 8 4 7 5. 歴史的な建築物や遺跡がある町 34 16.9 3 6. 町おこしで活発な郊外 1 0.5 10 7. 季節の行事、祭りがある町 13 6.5 5 8. キャンプやロッジなど長期休暇で宿泊できる田舎 7 3.5 8 9. 外国との貿易で発展している異国情緒な都市 10 5 6 10. 工房などの体験ができる郊外 3 1.5 9 201 (計) 表 6 問 23「あなたは実際にマイホームを買ったり、アパートに入居したりするときに、 どんなことを注意して送りたいですか」の単純集計 非 常 に 気 に す る 気 に す る ど ち ら で も な い 気 に し な い 全 然 気 に し な い 1. 近所づきあい 12 (5.9%) 19 (9.4%) 41 (20.2%) 91 (44.8%) 40 (19.7%) 2. 部屋の向き 16 (7.9%) 33 (16.3%) 48 (23.6%) 78 (38.4%) 28 (13.8%) 3. 部屋の面積 3 (1.5%) 13 (6.5%) 29 (14.4%) 95 (47.3%) 61 (30.3%) 4. 価格 0 (0%) 5 (2.5%) 14 (6.9%) 70 (34.5%) 114 (56.2%) 5. 駅やスーパーの距離 1 (0.5%) 17 (8.3%) 27 (13.2%) 95 (46.6%) 64 (31.4%) 6. 周囲の環境 1 (0.5%) 5 (2.5) 19 (9.3%) 97 (47.5%) 82 (40.2%) 2 (1%) 3 (1.5%) 14 (6.9%) 70 (34.3%) 115 (56.4%) 問23 7. お風呂やトイレの設備 29 表 6 の分析結果から、1.「近所づきあい」は「気にしない」が 1 番多く、2.「部屋の向き」 では同じく、1 番目に「気にしない」続いて、3.「部屋の面積」ではこれも「気にしない」 が多かった。4.価格では「全然気にしない」が票の最も多かった。5.「駅やスーパーの距離」 も「気にしない」が 1 番目に多かった。6.「周囲の環境」では「気にしない」が 1 番目に多 く、7.「お風呂やトイレの設備」では「全然気にしない」が最も票が高かった。 この表 6 を見て分かるように住みたい住居の周りの環境を訊いても、全くと言っていい ほど気にしてないことが目立つ。これは現代の大学生もとい、若者は今後の将来のことは まだ計画を立てておらず、これからの自分の人生をどのように歩んでいくかまだ分からな いため、このような結果になったと予測する。未来のことはその時に成ってみないとどの ように対処していいのか実感が湧かないのである。大学生には寮や賃貸のアパートで 1 人 暮らしをしている人がいるため、この質問項目を入れたがこれと言っていいほど意味はな かった。 最後に仮説で立てた「自分の住みたい住環境は自分の趣味に合ったもので決められると 考える」が支持されているかどうかを検証するために、表 7 に示す問 17 と問 20 と百分率 クロス表を求めた。 表 7 問 17(趣味)と問 20(住みたい住環境)と百分率クロス表 買 い 物 静 か な 場 所 交 通 が 便 利 空 気 と 自 然 病 院 や 薬 局 人 付 き 合 い 最 新 の 情 報 町 づ く り (計) 1. 本・雑誌を読むのが好き 24.7 17.8 21.9 15.1 2.7 9.6 4.1 4.1 100 2. スポーツをするのが好き 18.7 15.1 18.7 15.8 8.6 15.1 2.2 5.8 100 3. 映画や演劇が好き 25.6 12.8 23.1 12.8 7.7 12.8 5.1 0 100 4. 絵・イラストを描くのが好き 10.3 23.1 15.4 17.9 5.1 15.4 7.7 5.1 100 5. 音楽を聴くのが好き 22.7 13.6 19.7 15.9 5.3 15.2 3.8 3.8 100 6. どこかへ旅行するのが好き 26.5 14.7 20.6 14.7 11.8 5.9 2.9 2.9 100 7. その他 12.5 20 22.5 20 15 7.5 2.5 0 100 20.6 15.9 20 15.9 7.3 12.9 3.6 3.8 100 (計) (p>0.05、クラメール連関係数:0.099) 30 絵・イラスト 2.0 映画や演劇 1.5 その他 情報 1.0 旅行 0.5 病院や薬局 空気、自然 交通 -1.0 -0.5 成分1 静かな 0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 買い物 人付き合い - 0.5 スポーツ 本・雑誌 - 1.0 音楽 町づくり 趣味 - 1.5 将来の住環境 各成分の相関係数 成分1: 0.6 成分2: 0.56 - 2.0 成分2 図 1 趣味と住環境の散布図(数量化理論Ⅲ類) 表 7 から分かるように、全ての趣味に対して、 「買い物」 「静かな場所」 「交通が便利」が 上位に来ている。さらに詳しく分析するために、表 7 の元のデータを数量化理論Ⅲ類で求 めた散布図で調べた結果を図 1 に示す。なお、図 1 で、趣味の「映画や演劇」と「絵・イ ラストは」は離れた位置にあるので矢印で方向を示した。 表 7 のクロス表は複数選択のため、趣味と住環境の相関は、 「クラメール連関係数:0.099」 が示すように高くない。しかし、図 1 の数量化理論Ⅲ類の散布図からは、 「本・雑誌」と「音 楽」が趣味の人は、 「買い物」 「人付き合い」、そして、 「旅行」が趣味の人は「交通が便利」、 さらに、 「スポーツ」が趣味の人は「町づくりが活発」な住環境に将来は住みたいという傾 向があることが示されている。 5. 考察 本調査では、立てた仮説「自分の住みたい住環境は自分の趣味に合ったもので決められ ると考える。 」は立証されなかった。自分が住みたい住環境が未来のため、現代の大学生に とってまだ先の事が分からない未知の領域である。今後の将来の事は実際、大学を卒業し て企業や販売店に就職してみないと分からない。 31 大学生にとっては今が重要であり、単位を取ったり、資格を取ったりする。または自由 時間に友人とワイワイと遊ぶ事で頭がいっぱいなのだろう。そして、本研究では趣味と住 みたい住居環境を調査したが今回で大学生のほとんどが趣味を持ち、時間を過ごすことに 暇を持て余してないことが分かった。今は、目の前の問題を取り組んでそれから次の事に 取り組むというやり方なのである。自分が住む住居の周りの環境は実際に入居したり、引 っ越したりして問題に直面して改善をするしかないのである。 ●参考文献 (1)日本住宅総合センター調査研究リポート:地域快適度に関する研究―住環境に関する 意識調査 (1981 年) (2)国民住宅建設協会、住環境意識調査研究会、京都大学工学部、毎日新聞大阪開発株式 会社 (著):近畿圏住民の「住みよさ」意識世論調査結果報告書 (1974 年) 32 資料・付録 33 大学生の価値観に関する意識調査 広島国際大学 心理科学部コミュニケーション心理学科 【社会調査法実習】 【調査へのご協力のお願い】 広島国際大学心理科学部「社会調査法実習」の授業の一環として、社会調査を実施しています。 私達は、本学学生を対象に生活や意識、コミュニケーション等をテーマに調査研究を進めています。 本調査は無記名ですので、この調査へのご協力により個人が特定されることはありません。 質問をよく読み、あなたの普段の生活から判断し、最も近いものをお選びください。 ご面倒かと思いますが、ご協力を、宜しくお願いします。 34 問 1. あなたの年齢と性別をお答えください。 1. 歳 2. 男性 女性 問 2. あなたの性格について、どの程度あてはまりますか。該当の数字に○を付けてください。 か な り あ て は ま る あ て は ま る ど ち ら と も 言 え な い あ て は ま ら な い あ て は ま ら な い ほ と ん ど 1. 話し好き 5 4 3 2 1 2. 陽気な 5 4 3 2 1 3. 社交的な 5 4 3 2 1 4. 活動的な 5 4 3 2 1 5. 積極的な 5 4 3 2 1 問 3. あなたは SNS(ソーシャル・ネット・サービス)という言葉を知っていますか。 1. はい 2. いいえ 問 4. あなたはスマートフォンを所持していますか。 1. はい 2. いいえ → 問5へ 問 4-① 「持っている方」は、どのような用途で、よくスマートフォンを使用していますか。 (複数回答可) 1. メール 2. 電話 3. 写真 4. ゲーム 5. その他 ( ) 問 4-② スマートフォンで、過去1週間を振り返って、1日、何時間くらい SNS を使用していますか。 1. 1 時間以下 2. 1~3 時間 3. 4~6 時間 4. 7~11 時間 5. 12 時間~ 6. その他( 35 ) 問 4-③ スマートフォンで、最も良く使用する SNS は、どれですか。 1. Facebook 2. Twitter 3. LINE 4. Google+ 5. Myspace 6. その他 ( ) 問 5. パソコンで SNS を使用していますか 3. はい 4. いいえ → 問7へ 問 5-① パソコンで、過去1週間を振り返って、1日、何時間くらい SNS を使用していますか。 1. 1 時間以下 2. 1~3 時間 3. 4~6 時間 4. 7~11 時間 5. 12 時間~ 6. その他( ) 問 5-② パソコンで、最も良く使用する SNS は、どれですか。 1. Facebook 2. Twitter 3. LINE 4. Google+ 5. Myspace 6. その他 ( ) 問 6. SNS についての質問です。あてはまる番号を、それぞれ 1 つずつ選んでください。 そ う で あ る 時 々 そ う で あ る ど ち ら と も 言 え な い あ ま り そ う で な い そ う で な い 1. 連絡を取るのに SNS を使用していますか 5 4 3 2 1 2. 友達との連絡は SNS を使用しますか 5 4 3 2 1 3. 家族との連絡は SNS を使用しますか 5 4 3 2 1 4. SNS に疲れを感じますか 5 4 3 2 1 5. SNS が使用できないと不安を感じますか 5 4 3 2 1 36 問 7. あなたの髪型は、次のうちどれですか。以下からお選びください。 [男性の方は資料(1)、女性の方は資料(2)からお選びください。] 男性 1 2 3 4 女性 1 2 3 4 5 6 7 男女とも 8 その他 資料(1) 1.アシンメトリー 2.ウルフカット 3.エアリーヘア 4.刈上げ 5.ボブ 6.ツーブロック 7.テクノカット 8.ソフトモヒカン (マッシュカット) 資料(2) 1.ショート 2.ミディアム 3.セミロング 37 4.ロング 問 8.友達に多い髪型はどんな髪型ですか。 [男性は問 1 の資料(1)、女性は資料(2)よりお選びください] 男性 1 2 3 4 女性 1 2 3 4 5 6 7 8 男女とも その他 問 9.あなたの髪色は、何色ですか。 1.黒色 2.茶色 3.金色 4.灰色(グレー) 5.赤色 6.白色 7.青色 8.緑色 9.その他( )色 問 10.あなたは、男性の短い髪型と長い髪型はどちらが清潔そうに見えますか。 1.短い髪型 2.長い髪型 問 11.あなたは、女性の短い髪型と長い髪型はどちらが清潔そうに見えますか。 1.短い髪型 2.長い髪型 問 12.あなたは、男性の短い髪型と長い髪型はどちらが好みですか。 1.短い髪型 2.長い髪型 問 13.あなたは、女性の短い髪型と長い髪型はどちらが好みですか。 1.短い髪型 2.長い髪型 問 14. あなたの性格についての質問です。あてはまる番号を、それぞれ 1 つずつ選んでください。 そ う で あ る 時 々 そ う で あ る ど ち ら と も 言 え な い あ ま り そ う で な い そ う で な い 1. あなたは流行を気にしますか 5 4 3 2 1 2. あなたは人に影響されやすいと思いますか 5 4 3 2 1 3. 雑誌はよく読みますか 5 4 3 2 1 38 問 15.あなたのことについての質問です。あてはまる番号を、それぞれ 1 つずつ選んでください。 そ う で あ る 時 々 そ う で あ る ど ち ら と も 言 え な い あ ま り そ う で な い そ う で な い 1. あなたは、匂いに対して興味がありますか 5 4 3 2 1 2. あなたは、香水やコロンなどをつけますか 5 4 3 2 1 3. 匂いの良い商品を進んで購入しますか 5 4 3 2 1 4. 化粧品は無香料を選びますか 5 4 3 2 1 問 15-① 上記の1番から3番まで質問で、 「そうである」と「時々そうである」を1つ以上答えた人は、 匂いを意識している理由を 2 つ以上、選んでください。 1.香りに癒されるから 2.身だしなみの一つだから 3.体臭予防 4.自己主張のひとつ 5.他人から臭いと思われたくないから 6.好印象を与えるため 7.メイクアップのひとつ 9.目立ちたい 10.その他 ( 8.異性を引き付けるため ) 問 15-② 「1.匂いに対して興味がありますか」に対して、 「そうでない」または「あまりそうでない」 と答えた人は、匂いを意識していない理由を 1 つ選んでください。 なお、回答したら、問 17 に進んでください。 1.全体的に関心がない 2.高価だから 3.恥ずかしい 4.面倒なので 5.好きな匂いがない 6.全般に匂いが嫌い 7.他人に迷惑なので 8.その他( ) 問 15-③ 「1.匂いに対して興味がありますか」に対して、「どちらとも言えない」と答えた人は、 強いて言えば、下記のどちらですか。なお、回答したら、問 17 に進んでください。 1.興味がある方 2.興味がない方 39 問 16.あなたの匂いに対する考え方を教えてください。 あてはまる番号を、それぞれ 1 つずつ選んでください。 ただし、質問項目の匂い・香りについては、下記の説明を参考にして回答ください。 (参考) さっぱり シトラス系 柑橘系の匂い 甘い フローラルブーケ系 複数の花の匂い きつい シングルフローラル系 単体の花の匂い セクシー オリエンタル系 動物性香料などの匂い ユニセックス グリーン系 植物の葉などの匂い さ っ ぱ り 甘 い き つ い セ ク シ ー ユ ニ セ ッ ク ス 1. あなたは、どのような匂いが好きですか 5 4 3 2 1 2. 女性に対する匂いのイメージはどれですか 5 4 3 2 1 3. 男性の匂いのイメージはどれですか 5 4 3 2 1 4. 女性に、つけて欲しい匂いはどれですか 5 4 3 2 1 5. 男性に、つけて欲しい匂いはどれですか 5 4 3 2 1 6. 洗剤ならどの香りが好きですか 5 4 3 2 1 7. 柔軟剤なら、どの香りが好きですか 5 4 3 2 1 8. 香水ならどの香りが好きですか 5 4 3 2 1 9. コロンなら、どの香りが好きですか 5 4 3 2 1 40 問 17. あなたの趣味は何ですか。以下の項目から最も、自分が好きなものを選んでください。 1. 本・雑誌を読むのが好き 2. スポーツをするのが好き 3. 映画や演劇が好き 4. 絵・イラストを描くのが好き 5. 音楽を聴くのが好き 6. どこかへ旅行するのが好き 7. その他 ( ) 問18. あなたが子供の頃、自分の実家のどのような所でしたか。 以下の項目から選んでください。 (複数回答可) 1. 山に四方囲まれた土地 2. 片方に山、もう片方には海の土地 3. 海に面した港町 4. 住宅が密集している団地地域 5. 夜も明るい都市 6. 都市から離れた郊外の町 7. 冬には雪に埋もれる豪雪地帯 8. 海に囲まれた島 9. 河川が恵まれた町 10. 田園や畑が目立つ土地 問19. あなたの実家の住所を市町村名まで、例にならって、下記に記してください。 例、広島県 広島市 黒瀬町 楢原 ( 都・道・府・県 市 町 問20. あなたが将来、求めている自分の住む場所の環境は何ですか。 以下の項目から2つ以上選んでください。 1. 買い物がすぐにできる 2. 静かな場所が良い 3. 交通が便利 4. 空気と自然が綺麗 5. 病院や薬局が近い 6. 人付き合いが良い 7. 最新の情報が手に入りやすい 8. 町づくりが活発 問21 あなたにとって、どのような日本の気候の地域なら過ごしやすいですか。 該当するものを1つ、以下の項目から選んでください。 なお、一般論でなくて、あくまでもあなたの考えです。 1. 夏から秋にかけて雨が多いが、 2. 雨は少ないので過ごしやすいが、 冬では雪が少ない 3. 冬に雪が多いが、夏は晴天が多い そのせいで干ばつが起こりやすい。 4. 夏は過ごしやすいが、 秋から春の初めまで寒い 5. 年間を通して湿度が低めで雨も少ないが、 6. 冬でも暖かく、夏は極端に暑くなることも 夏と冬との気温差が激しい ないが、台風などの災害に遭いやすい 41 ) 問22. あなたが旅行するとしてプランを立てるとき、どんなところを訪れたいですか。 以下の項目から1つ選んでください。 1. 最先端の流行がある都市 2. 自然豊かでノスタルジックな田舎 3. グルメや有名な飲食店が集まっている都市 4. 有名な特産品があり、知名度がある田舎 5. 歴史的建築物や遺跡がある町 6. 町おこしで活発な郊外 7. 季節の行事、お祭りがある町 8. キャンプやロッジなど長期休暇で宿泊できる田舎 9. 外国との貿易で発展している異国情緒な都市 10. 工房などで体験ができる郊外 問23. あなたは実際にマイホームを買ったり、アパートに入居したりする時に、 どんなことを注意して生活を送りたいですか。 あてはまる番号を、それぞれ1つずつ選んでください。 なお、これはあなたの今、考えている段階で構いません。 非 常 に 気 に す る 気 に す る ど ち ら で も な い 気 に し な い 全 然 気 に し な い 1. 近所付き合い 5 4 3 2 1 2. 部屋の向き 5 4 3 2 1 3. 部屋の面積 5 4 3 2 1 4. 価格 5 4 3 2 1 5. 駅やスーパーの距離 5 4 3 2 1 6. 周囲の環境 5 4 3 2 1 7. お風呂やトイレなどの設備 5 4 3 2 1 以上で、アンケートは終了です。 ご記入が終わりましたら、再度、記入間違いや記入漏れが無いかどうかをお確かめください。 お忙しい中、ご協力頂きありがとうございました。 42 43