...

熟練マスター世代 - 日本フィットネス協会

by user

on
Category: Documents
34

views

Report

Comments

Transcript

熟練マスター世代 - 日本フィットネス協会
eneration 3
G
熟練マスター世代
キャリアを重ねたフィットネス指導者が、これまでの経験や実績を踏まえながら、後進へのア
ドバイスや同世代へのエールを送ります。
Yoshie Takeuchi
竹内 良江(高知県 指導暦26年)
JAFA高知県代議員、フィットネスダンス普及員
土佐清水市スポーツ推進委員
シミズダンススタジオ代表
「土佐清水で広がるフィットネスダンス」
四国最南端の土佐清水で活動中
金をかける習慣がありませんでしたので、入会していただく
ことは容易ではありませんでした。また、熱しやすくて冷め
こんにちは。高知県代議員の竹内と申します。四季のある
やすいと言われる、高知県の県民性や気質でしょうか? 日本で、特に秋は心身ともに充実し、健康づくりに積極的に
せっかく入会していただいても、継続まで結びつくのはさら
取り組める季節ではないかと思います。
に困難なことでした。
さて、私の住んでいる土佐清水市は四国最南端に位置し、
当時を振り返りますと、コストの面や県民性の要因はあっ
東京から一番遠い観光地(街)と言われています。現在の人
たとしても、それは一つのきっかけに過ぎなかったように思
口は約15,000人、残念ながら過疎化が進んでいますが、今
います。フィットネス指導者としての技術的な未熟さよりも、
も大自然が残る空気がきれいな街です。
人としてのメンタル面での未熟さゆえに、継続に至らなかっ
そんな土佐清水で生まれ育った私は、昔からからだ全体を
たのではと反省しています。
動かすことや踊ることが大好きでしたが、残念ながら地元で
はフィットネスクラブもなければ、エアロビクスインストラ
クターもいませんでした。そこで28歳の春、母の闘病をきっ
土佐清水で広がり始めたフィットネスダンス
かけに一大決心。東京のエアロビクスインストラクター養成
2011年にJAFAの助成を受けて、土佐清水市で高知県初の
コースのオーディションを受けて上京し、卒業後に郷里に
フィットネスダンスフェスティバルを開催しました。これを
帰ってきました。
きっかけに、地元でのフィットネスダンスの普及につながっ
そしてこの地でダンススタジオとフィットネスクラブを
ていきました。
設立し、隣の四万十市を含む幡多地域において、自治体の健
私は3年前から、街の中心地にある量販店でフィットネス
康教室で、ひばりエクササイズや骨盤体操等を幅広く実施し
クラブ運営をさせていただいています。そこでは週に3本、
ています。
フィットネスダンスのクラスを設けています。受講生は30
∼ 70歳代の女性で、皆さん口ずさみながら和気あいあいと
地域の健康づくり
東京の養成コースを出た私は、夢を膨らませて郷里に帰っ
「ひばりエクササイズ」等を行い、一生懸命覚えようと練習
しています。
また、自治体の健康教室や地域のイベント、敬老会等にも、
て来たものの、現実は厳しいものでした。その頃の土佐清水
フィットネスダンス指導で数多く参加させていただいていま
は、エアロビクスインストラクターとして働けるような場所
す。運良く、地方新聞の一面トップへカラーで載せていただ
は皆無だったのです。でも、
このゼロからのスタートこそが、
いたこともあります。
指導歴27年目の私の原点になっているのかもしれません。
まずは、文化会館のリハーサル室をお借りし、1ヵ月間に
及ぶエアロビクスの無料体験会を実施しました。当時はエア
ロビクスが大ブームだったのですぐに情報は広まり、連日満
員となりました。私はさらに、大阪や東京のみならず、海外
のIEDAコンベンションへ参加したりして、フィットネスを
普及したい一心で研鑽を積んできました。わからないことが
あればJAFAを頼り、教材等を紹介していただくこともあり
ました。
その後、マイスタジオを立ち上げて 参加料 をいただく
ようになりました。しかし、当時の地元では健康づくりにお
6 HEALTH-NETWORK
November, 2013
高知県初のフィットネスダンスフェスティバルは、2011年3
月20日に土佐清水で開催しました。
私たちのフィットネス指導
れにくくなった40歳からさらにからだについて探究し、今
では28歳のときよりもからだのことが理解できるようにな
りましたし、いつもからだの隅々まで酸素が行き渡っている
気がします。
今はストレス社会といわれる難しい時代ですが、フィット
ネスやダンスを通して、人生が少しでも楽しくなるよう、笑
顔に元気でいられるよう、指導者としてサポートしていきた
いと思います。
からだのことで困っている人はたくさんいます。人が元気
ひばりエクササイズは、楽しく口ずさみながら踊れるので、さまざまな
世代の方に親しまれています。
になると街が元気になると信じています。この先、フィット
ネスの未来が、明るく自分を照らしてくれて、明るい日本を
創造してくれると思います。これまで支えてくださいました
ひばりエクササイズがつなぐ人の輪
皆様、家族、先人、大自然に感謝します。すべてに感謝です。
最近では9月に、隣町の敬老会でひばりエクササイズの
いつもは、クラスやイベントを通して、からだと言葉でお
「お祭りマンボ」
を踊らせていただきました。そのときにホー
伝えしていますが、このように文字だけで自分の気持ちを伝
ル後方に座られたおばあちゃんが、満面の笑みで両手を万歳
えるのは本当に苦手です。未熟な文章を最後まで読んでいた
したままずっと手を振ってくださっていました。誰からとも
だきありがとうございました。なお、facebookに登録してい
なく起こる手拍子、笑顔、口ずさむ声、懐かしいね∼という
ますので、気軽に声をかけてくださいね。
言葉があちらこちらから漏れ聞こえてきました。そして、舞
台袖で待機していたご当地アイドルたちも楽しそうに踊って
くれて、最高の掛け声で盛り上げてくれました。
終了後、おじいちゃんが恥ずかしそうにそっと手を差し伸
べてくださり、しみじみと握手を交わしました。ひばりエク
ササイズが、高齢者の皆様の心と私たち指導者の心、そして
ホール全体をつないでくれたのだと感動しました。
高知新聞が主催する、地域活
性化に向けたイベント「ふれ
あい高新」のオープニングで、
ひばりエクササイズを披露し
ました(2011年10月26日 高
知新聞夕刊)
現在は、
全国から土佐清水市へ1,300人集まるイベント「ね
んりんピックよさこい高知」で披露するひばりエクササイズ
の練習をしているところです。これからも、安全で効果的な
ひばりエクササイズを楽しく練習し、年齢、性別、地域を越
えて普及していきたいと思っています。
フィットネスが照らす明るい未来
28歳からスタートした、フィットネスとダンスの指導と
いう仕事で、多くの出会いや学びがありました。時に悩み苦
しんだとしても、それは充実していて幸せなことです。54
歳の今でも「いつも元気ですね!」と言われることが多く、
どうやらこれが地元での私のイメージのようです。
考えてみますと、瞬発力こそ衰えてはいますが、疲れがと
ネ
ジェ
マイ ケート
アン
Q1
指導キャリアの近いフィットネ
ス指導者で気になる人は?
サンディエゴのIDEAで出会った岡山県代
議員の入江薫先生。フィットネス指導者
としても女性としても憧れます。
Q2
指導の際のウエアやファッショ
ンにおけるこだわりは?
ウエアは、恩師からいただいた
「GESTS」
が
お気に入り。フィットネスシューズは、外で
もレッスンでも
「AVIA」
にこだわっています。
Q3
フィットネス指導者だからこそ
実践しているセルフケアは?
毎朝の気功や、12年目になる中国の足裏
健康法、アライメントのための骨盤調整。
HEALTH-NETWORK November, 2013 7
Fly UP