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株式会社ニコンにおける デザインとその保護の取り組み
デザインの現場とデザイン保護 株式会社ニコンにおける デザインとその保護の取り組み 株式会社ニコン 映像事業部 デザイン部 プロダクトデザイン課 浅野英昭 53 はじめに より、研究開発活動で生まれる先進的な技術や、デ ニコンは、1917 年の設立以来、国内外の市場に ザインを保護し、市場におけるニコン製品のブラン おいて、光学技術のパイオニアとしての道を切り開 ド価値を支えています。 いてきました。 基本方針として、「知的財産部門」と「事業部門」 現在、デジタルカメラを中心としたカメラ関連製 「研究開発部門」との協働を深化させ、既存事業の 品や双眼鏡などの消費材用光学製品から、半導体露 成長や新事業の創生につながる「知的財産戦略」を 光装置、FPD 露光装置、顕微鏡、測定機などの産 策定しています。この戦略に従い、知的財産活動を 業用精密機械まで、高い技術力をもとにさまざまな 継続的に推進しています。 製品を提供しています。 当社は長年にわたり、知的財産活動に真摯に取り 今後、ニコンのコア技術である「光利用技術」と 組んできました。その積み重ねが、長期的かつ安定 「精密技術」を活かした商品の開発、ソリューショ 的な事業の継続を支える原動力となり、お客様に信 ンの提案、そしてメディカル事業の育成に力を入れ 頼していただけるニコンブランドの価値形成に貢献 ていきます[図 1] 。 しています。過去の知的財産活動が現在の事業を支 えるとともに、現在の活動が、新たなビジネスの基 礎を築いていきます。このような知的財産活動を通 1 知的財産活動 じて、有力な知的財産権を数多く蓄積し、その活用 当社は、知的財産に関するさまざまな取り組みに により会社業績の長期成長に貢献しています。 ●図1 「光利用技術」と「精密技術」を中心とした事業分野の広がり 精機事業 インストルメンツ事業 半導体装置事業 FPD装置事業 マイクロスコープ・ソリューション事業 産業機器事業 光利用技術 精密技術 その他の事業 映像事業 28 デザインの現場とデザイン保護 53 メディカル事業 カスタムプロダクツ事業 ガラス事業 エンコーダ事業 メガネレンズ事業