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化学装置2016年1月号 - ミューカンパニーリミテド

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化学装置2016年1月号 - ミューカンパニーリミテド
【特 集】2016 年開発型企業の経営販売戦略(事業展開)と新技術開発―わが社の一押し技術と新技術開発―
2016 年 開発型企業の
新事業戦略と技術展開
地球環境保全と生産コストの削減に貢献する
MU SSPW
̶ミューカンパニーリミテド̶
ューグリーンリアクター」
,
「ミューアクアタワー」
,
代表取締役社長
こ じま
ひさ お
小嶋 久夫
2016年の事業戦略
「ミューフローティングタワー」,および排水曝気
用散気管として使用される「ミューエアレータ」
などの製品を創業以来順次上市している。
「MU SSPW」 は, ①メンテナンスフリー②高
自社開発の「MU SSPW」
(MU Static Spiral Perforated Wings:ミュー静
性能③省エネルギー④省スペースなどを特長とし
ている。
止型螺旋状多孔翼を基本
形態にして「ミューミキ
シングエレメント」を利
用したガス冷却,ガス吸収,除塵機能を有する湿
式排ガス処理装置「ミュースクラバー」
,液体中
の揮発性ガスの真空脱気・放散処理装置「ミュー
リアクター」
,大型貯液槽の混合・撹拌用「ミュ
ーエダクター」
,水質保全装置に使用される「ミ
2016 年の研究開発・産官学連携
当社は,ファブレス企業であるので,先端技術
の現場技術者,研究者からの依頼には最大限,協
力をおしまないように努力している。大学の研究
機関からの問合せに対しても,真摯に対応してい
る。これまでに,東北大学ニュートリノ科学研究
センター「カムランド」に Rn,Kr 放散用として
32 年間にわたり,国内・外で多数の実績を持
っている。特に,有機塩素系シランガスの Hcl ガ
スの物理吸収および SiO 2 微粒子の除塵性能は好
評である。16 年間メンテナンスフリーで連続稼
働している需要家もある。
混合,吸収,放散,反応,冷却,分離,蒸留,
抽出などの多分野に応用できる MU SSPW を地
球環境保全と生産コスト削減に貢献し, 世界の
人々に愛される製品を目指す。
ミューリアクターを,東京大学宇宙線研究所「ス
ーパーカミオカンデ」に低ノイズ型の Rn 放散装
置「MR 40」
(写真 1)を納入し,
「ニュートリノ」
の観測に貢献をしている。
また,岐阜大学大学院工学研究所とは,燃焼
排ガス中の水銀除去システムについて共同開発を
実施している。更に,東京理科大学理学部応用化
学科の大江修造教授には,蒸留塔への MU SSPW
の応用について指導を受けている。さらにまた,
韓国の K Coal とは,CO2 回収の CCS および同時
脱硫,除塵,Hg 回収システムを世界企業に向け
ての販売業務提携をしている。
写真 1 Rn 放散装置
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会社名:株式会社ミューカンパニーリミテド
主要製品:湿式排ガス処理装置,湿式脱臭処理装置,放散
処理装置,大型タンク混合・撹拌装置,大型曝
気処理装置,散気筒
資本金:7 千万円
従業員:5 名
事業所:〒110 0007 東京都台東区上野公園 18 8
TEL 03 3828 7090
E‒mail:01150324kojima@mu‒company.com
HP:http://www.mu‒company.com/
化学装置
「Rn 放散装置 MR 40」の他分野への応用開発。
わが社の一押し技術と製品
7.セシウム(Cs)等の放射性廃棄物の高度減容化技術
当社は小規模な製造,販売会社である。一度,生産現場
の確立。
に採用して戴くとミューミキシングエレメント「MU
SSPW」の優秀性を実感することができる。日進月歩の生
等がある。
産現場において,地球環境保全と生産コストの削減に貢献
することを目標とし,
「MU SSPW」の応用製品の販売促
これからの日本の将来にわたり,多大な貢献をする技術革
特に,7 項の放射性廃棄物の高度減容化技術の確立は,
新になると考える。超微細な放射性粉塵の乾式処理方式か
進に日夜努力をしている。
「MU SSPW」
(写真 2)は,螺
ら湿式処理方式への質的変容により,放射性廃棄物処分の
旋状の多孔体から成る複数個の羽根体で形成されるミュー
「無限循環」の罠に落ち入ることなく,安心・安全に減容
ミキシングエレメント(ミュー静止型螺旋状多孔翼)であ
化できるシステムの研究開発を目標とする。
る。このミューミキシングエレメントを玉手箱に,一歩一
この研究・開発のために,2015 年 9 月に高度減容化技
歩着実に用途開発をしていく所存である。
術協議会を福萬産業㈱,JNC ㈱,サン・イーグル㈱,㈱
今後の展開および新技術開発
ミューカンパニーリミテドの 4 社で,各社所有の特許技術
を融合させて,立ち上げました。現在,各方面に働きかけ
これまでの MU SSPW の製品実績を基盤にして,
1.石炭火力発電所から排出される CO2,SOx,Hg など
て,鋭意努力中である。
のガス吸収および粉塵の除去システムの開発(図 1)
。
2.従来の棚段,充填物方式から MU SSPW 方式への転
換による省エネルギー,省スペース,メンテナンスフ
リー,低コストを達成する蒸留塔の研究,開発。
3.バラスト水の殺菌・滅菌処理装置への応用。
4.直径 1,800mm,吹き込み空気量 100m3⊘min の大型曝
気処理装置への応用
5.反応系に使用される H2,N2,Ar,He,I2 ガス等の再
利用のための精製・回収処理装置への応用。
写真 2 ミューミキシングエレメント
6.ニュートリノの測定に活躍しているスーパーカミオ
カンデの純水中のラドン濃度は 0.1~1mBq⊘m と言わ
3
れている。 このラドン濃度の測定に使用されている
大気放出
排ガス水洗浄塔
CO2吸収塔
CO2放散塔
①②③
吸収液精製塔
補給吸収液
燃焼排ガス
回収CO2
CW
CW
st
ea
m
ミスト
セパレータ
生スチームを
吹き込む補給
水を兼ねる
steam
補給水
廃水処理
設備へ
既設装置
①脱硝装置
②除塵装置
③脱硫装置
廃液
重物質
吸収液
WATER
図 1 MU SSPW を応用した排ガスからの CO2 回収システムフロー
2016 年 1 月号
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