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栃木県
幸せ
エピソード
‒ みんなの幸せ を1冊に‒
一人 ひ とりに あ る
幸 せ エ ピ ソ ード
幸せ
エピソード
。
「結婚」「妊娠・出産」「子育て」の3つのテーマで心に残るエピソードを、
これから結婚を考えている方への応援メッセージを多くの方からお寄せいただきました。
どれもじ∼んとくる、なんだかほっこりするエピソードばかり。
ここではその中から12作品をご紹介します。
この本が、幸せを分かち合い、広げるきっかけになりますように。
contents
幸せエピソード
「結婚部門」
0 1 最優秀賞〈お弁当〉
応 援メッセージ
13 優秀賞〈一寸先は「誰にもわからない」〉
14 優秀賞〈結婚という奇跡〉
0 3 優秀賞〈私だけの料理長〉
0 4 優秀賞〈家族になるということ〉
「妊娠・出産部門」
幸 せエピソード・特 別 賞
15 〈あれから30年〉
0 5 最優秀賞〈トチノキ通りをバスで〉
0 7 優秀賞〈長女の生まれた日〉
「結婚」
「 妊 娠・出 産 」
「子育て」
「 応 援 メッセ ージ 」
0 8 優秀賞〈ちいさな頑張り屋さん〉
WEB公開中!
「子育て部門」
0 9 最優秀賞〈家族旅館〉
1 1 優秀賞〈夜中の授乳〉
1 2 優秀賞〈幸せは目の前に〉
心 温 まる エ ピソ ード
幸せエピソード とちぎ
最優秀賞エピソード
1
宇都宮市 佐藤 真衣さん
2
お弁当
今年の夏に結婚した彼とは、
まだまだ過ごした時間は少ないけれど、いくつか私たちの夫婦の習
慣ができました。例えば、食費節約などのために、毎日ふたりで手作りのお弁当を持っていきます。
日曜日の夜、私が一週間分のお弁当用のおかずをつくり、彼がお弁当にいれやすいように、小分け
にして冷凍の準備をします。平日の朝は、彼がごはんを詰めて、私がおかずを詰めて完成します。
ふたりでつくりあげる毎日のお弁当、仕事で嫌なことがあっても、お弁当を見れば、彼の顔が浮か
び、
「ひとりじゃないな」なんてちょっと肩の力が抜けるような、
ほわっとした気持ちになります。
まだま
だおかずのレパートリーが少ないので、
これからもっと増やしていけたらいいな。
とか、あと、ふたつ
だけじゃなくて、
これから数がふえていけたらいいな。
なんて、想像したりしています。
ささやかだけ
ど、大切にしたい新米夫婦の習慣です。
幸せ
エピソード
優秀賞エピソード
優秀賞エピソード
下野市 秋田 真紀さん
栃木市 澤 さゆりさん
私だけの料理長
3
家族になるということ
日本料理人の彼は、
よく料理をしてくれた。あまり日本料理を食べたことのない私は、仕事で作るような
結婚後すぐに子どもを授かり、期待に胸を膨らませていた矢先に夫が突然の転職。心の整理もで
割烹が食べたいと何気なく言ったら、好き嫌いの多い私の為に、
メニューを考え、朝早く市場に行き、お
きないまま栃木に転居してきました。初めての土地での慣れない生活、知り合いもおらず子どもと家で
品書きを書き、料理に合う皿を陶器屋から借りてフルコースを作ってくれた。おいしくて、彼の気持ちも
二人きり。
こんなはずではなかったと夫に当たり散らし、
顔を合わせると喧嘩。
そんな毎日に嫌気がさし、何
嬉しかった。彼は、仕事とは違って私が喜びそうな料理を自分で考えて作ることができて、すごく楽しい
とか抜け出したいと考えたのが、
日常のささやかな幸 せを言 葉にするということでした。そうするこ
と言ってて、更に私も幸せな気持ちになった。初めて
とで心 があたたかくなる気がしたからです。
ある朝「ご飯おい
私が作ったハンバーグは、外側はこげて内側は生
しいね∼幸せだね∼」
と息子に語りかけているのを見て「さ
焼け。フライドポテトは火が入らずガリガリと音が
ゆりちゃんが元気になってよかった」と静かに夫が泣き
する程失敗作だったけど、私の料理がまずくて
ました。それを見て私も涙が溢れ朝から二 人で泣き
も、「料理は愛情」と言って必ず残さず食べてく
ました。これを機に私はこの地で夫と歩いていく覚
れる。2年たって料理がうまくなったと言ってく
悟を決めました。あれから二年。栃木での生活にも
れる。11月に結婚しました♪ 今度は、二人
すっかり慣れ、新しい家族も増えました。幸せと笑
で私の両親に割烹フルコースを作る予定。で
顔いっぱいの毎日に、私たちの結婚生活も第二ス
も私は食材に触らせてもらえないそうです。
テージに入った気がします♪
4
最優秀賞エピソード
5
宇都宮市 丸山 由美子さん
6
トチノキ通りをバスで
横浜で長年不妊治療を続けていた私たち夫婦のもとに、ある日、栃木で暮らす義母から、
「こっち
にもいい病院ができたから、来てみない?」
と電話が。環境を変えるのもいいかも、
と思い切って新
幹線を使って通い始めました。やがて、本当に妊娠!夫に電話で知らせ、そうだ、義父母にも報告
せねばと、病院からそのままバスで夫の実家へ。
「 お母さん になれるんだ、
なれるんだ」
と胸をとき
めかせていました。車窓から見える大通りの街路樹には、大きな緑の葉がそよぎ、白い不思議な花
があちこちに咲いていました。隣の席の中年女性に「何の花ですか?」
と聞くと
「トチノキ」
という返
事。
「 栃木 の名前と関係あるんですか」
と尋ねると
「さあねえ。だけど県の木ですよ」
とゆったりと
した笑顔で答えてくれました。いい町だな、栃木で子育てするのもいいな、
と初めてイメージしたあ
の日。今から20年前の思い出です。
幸せ
エピソード
優秀賞エピソード
小山市 桑原 泉さん
長女の生まれた日
7
優秀賞エピソード
大田原市 南山 由美子さん
ちいさな頑張り屋さん
24年前の春、夜勤から帰った私は、妻の入院していた産院へ駆けつけた。待ち望んでいた
二人目の子供を妊娠して6ヶ月の時、私は切迫流産で入院する事になり、その年は長女の5歳の誕生
初めての子供が生まれたからだ。ベッドで横になる妻は、かなり疲れた様子を見せていた
日も Xmas も大晦日も一緒に過ごす事はできませんでした。入院中の私の唯一の楽しみは、娘の様子
が、その顔はどこか誇らしげだった。産院の看護婦さんは、すぐに娘を連れて来てくれた。産
を綴った夫からのメールでした。娘は「淋しい」とは一言も言いませんでした。お父さん子だからお母
着にくるまれた小さな赤子の姿が、今でも私の眼に焼き付いている。黒目がちのつぶらな瞳と
さんいなくても平気なのね…と、ちょっと複雑な思いでした。けれどある日のメールで「台所で夕食の準
すらりと通った細い鼻、娘の姿は信じられない程愛らしかった。私の心臓はいきなり収縮し、
備をしていたら娘の部屋からこんな音が聞こえてきたよ『お・か・あ・さ・ん・あ・い・た・い・よ』」
同時にキュンとなった。以前、
テレビのCMで「君に胸
それは五十音を覚えさせるため娘に買い与えた平仮名の
キュン」というフレーズが流れていたが、心の底から
ボタンを押すと声が出るおもちゃでした。夕闇に包み込
愛おしいと想った時、本当に胸が鳴るものですね。
まれていく薄暗い小さな部屋の片隅で5歳になったば
私はあの時の歓びと感動を生涯忘れることがで
かりの小さな指がひとつひとつの文字盤に自分の心
きないだろう。
自分たちの子供を自分たちの手で
を打ち明けていたのです。あれから6年、喧嘩も
育てる。当たり前のことだが、
これに勝る幸せが
するけどとても仲の良い娘達。この子達がお母さ
あるだろうか。娘よ、生まれて来てくれてありがと
んになる頃に、あの小さな頑張り屋さんのお話を
う。そして女房殿、本当に本当にありがとう。
聞かせてあげたいと思います。
8
最優秀賞エピソード
9
高根沢町 菅谷 英夫さん
10
家族旅館
もう10年位経つだろうか。我が家は私と妻と三姉妹の5人家族。子供が巣立つまでの間少しでも長
く家族で過ごせるようにと厳しいローンを覚悟して30代後半でマイホームを手に入れた。それがきっ
かけだったのだが、客間として設けた和室が今となってはかけがえのない心に残る思い出となっ
た。新居に入居した時三姉妹は全員小学生、各々の部屋も出来た。心だけはバラバラにならないよ
う普段は使わない和室に月に一度はみんなで寝ようと考えた。いつしか『家族旅館』
と銘打ち、
この
イベントは予想外に盛り上がった。親も含め5人が順番で担当になる。
ルールは、①担当者はプログ
ラムを作る。②テレビは見ない。③予算は千円(当初)。
ゲームや合唱、楽器演奏、俳句大会や夏は
肝試しなどもした。そしてその日だけはみんなで寝た。子供達は自分なりに工夫を凝らしプログラム
を作り、毎月楽しみにした。振り返ると49回続いた。今思うと子供達に楽しませてもらった気がする。
幸せ
エピソード
優秀賞エピソード
優秀賞エピソード
宇都宮市 横山 渚さん
夜中の授乳
11
宇都宮市 御代田 順子さん
幸せは目の前に
娘が生まれたばかりの頃は、昼夜問わず3時間毎の授乳、
なかなか出ないおっぱい・うまく吸
今日は孫達のママが、ご近所の主婦数人と「女子会」の日だということで、仕事帰りに彼らを我
えない娘・仕事が忙しく帰りの遅い夫、睡眠不足や疲れ・ストレスも日々積み重なっていった。
が家に預けて行った。そのため息子は定時で退社し、子供達の面倒をみている。2 才になる長
ある日、夜中に目覚ましで起きると、隣で夫がいびきをかいて寝て
男に好物の餃子を食べさせている様子が何とも 微笑ましい。孫の姿に息子の子供の頃が重なり、
いる。
「私ばっかり」
と夫を羨みながら、
ミルクを作るため、
キッチ
我が子育ても ついこの間のような気分になり、ある光景を思い出した。息子が小学校高学年にな
ンへ。すると、机の上には娘のミルクを作るための水筒と私の
り反抗期を過ぎた頃だったろうか、夫と 3 人でサイク
ための飲み物が並んでいた。口数が少なく、娘が生まれた喜
リングに出かけた。急な坂道で私が 立往生した際、
びも育児へのねぎらいの言葉もない夫、仕事から帰って疲
彼が即座に近付き、私の自転車をもう 片方の手
れている中、娘と私のためにと準備してくれたこと、それだ
で持ち、軽々と登って行ったのだった。その時
けで夫の娘や私に対する気持ちが伝わってきて、思わず
の驚き、嬉しさは今も私を幸せにしてくれる。
カメラを取った。それから、夜中の授乳が終わるまでずっ
本当の幸せって、こんな身近なところにあるの
と水筒と飲み物は準備されていた。現在、
1歳になった
だなと、しみじみ思ったのだった。現在、子
娘、
イライラすることもあるけど、
この写真を見ながら、少
育てに四苦八苦している息子も、いつの日か
しパパらしくなった夫と子育てを楽しもうと思う。
そんな幸せに気付く日が くることを願っている。
12
いと考えている人へ
結 婚した
いと考えている人へ
結 婚した
優秀賞エピソード
優秀賞エピソード
宇都宮市 坂本 なつきさん
栃木市 渡辺 寛美さん
一寸先は「誰にもわからない」
「もう私は一生1人でいいや」これは、私の口癖でした。社会人になり10年、仕事仕事でプラ
13
結婚という奇跡
結婚。
イベートなんてほとんどなかった私にとって、
これは言って当然の言葉でした。周りの第1次
2人がこの世に生まれた奇跡。
結婚ブームが去り、
30歳前後の第2次結婚ブームが去り、取り残された感じが漂っていたの
2人が今まで生きてこられた奇跡。
が現実でした。せっかくできた相手がいても、相手がで
2人が出逢えた奇跡。
きたとたんに「結婚」に焦り、いろいろあったにせよ結
2人の気持ちが通い合った奇跡。
局は最 悪の結 果に・
・
・
・。
「ピンチ」
「失敗」
「後悔」
2人の奇跡の連鎖。
「無理」否定的な言葉ばかりが頭の中にありました
が、
「ピンチはチャンス」
とはよく言ったもので「別
れがあったからこそ出会いがあった」のです。
あれよあれよと結婚となり、子どもを授かり今が
あります。
「一寸先は闇」ではなく
「一寸先は
誰にもわかりません!」きっと幸せも「今」や
「一寸先」にあるものかもしれません。
これからもいろんな奇跡を2人で。
14
特別賞エピソード
鹿沼市 関口 直美さん
あれから30年
結婚して30年が経ちました。長女と長男は結婚して家を出、次女も独立し、今は夫と二人の
15
暮らしになりました。 子ども達がお世話になった一升炊きの炊飯器を、
ままごとみたいな3合
炊きに買い替え、
ダイニングテーブルの向きを変え、居酒屋のカウンターのように2人並んでT
Vを見ながら、今日の出来事や新聞の話をしながらの食事。30年の間には、出産、仕事、子
育てと、当時は悩んでつらかったこともいっぱいあったけど、穏やかな気持ちで懐かしく思い
出す事が出来るのは、今が幸せってことかな。夫
とはぶつかり合ったことも何度もあったけど、分
かり合いたかったから、やっぱり私にとっては心
の支えだから・
・。年を重ねて、
これからも二人
で生きてゆきたい、
こうして並んで一緒にご
飯を食べて、お茶を飲んだり、
「ねえ」
と話し
かけたり、
こんな夫との何気ない日常が今
の私にはかけがえのない幸せです。
発行/栃木県
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とちぎテレビ 幸せエピソード事務局
〒320-8531 宇都宮市昭和2-2-2
☎028(623)0032
栃木県保健福祉部こども政策課
〒320-8501 宇都宮市塙田1-1-20 県庁舎本館5階
☎028(623)3068
※本文中の写真は一部イメージです。
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