...

6/15号 - 京都府医師会

by user

on
Category: Documents
138

views

Report

Comments

Transcript

6/15号 - 京都府医師会
毎月2回 (1日・15日) 発行 購読料・年 5,400円
昭 和 29 年 5 月 18 日
第3種郵便物認可
2006
June
6
No.1839 平成 18 年6月15日
発行所
京都医報社
〒604−8585 京都市中京区御前通松原下ル TEL 075−312−3671
発行人 森
洋一
編集人 藤 井 純 司
目
次
●近畿医師会連合定時委員総会 ………………………………………
●理事解説 「福島県立大野病院の医師逮捕を憂う」 ………………
「障害者自立支援法と精神科医療福祉」 ………………
●委員会だより 「健康日本21対策委員会」 …………………………
「子宮がん検診委員会」 ……………………………
「会費検討・会館建設特別委員会」 ………………
●日常診療のための専門外講座Q&A ………………………………
●特集 「平成17年度 「会員意見調査」 から」 ………………………
●情報企画レポート ……………………………………………………
●学校保健ニュース ……………………………………………………
●医療界を巡る動き ……………………………………………………
●会員消息 ………………………………………………………………
●理事会だより …………………………………………………………
<付 録>
●学術講演会のお知らせ
●保険だより
●京都市 (乙訓2市1町) 病院群輪番編成表
●地域医療部通信
1
10
11
15
15
16
17
22
24
28
31
33
36
「日常診療のための専門外講座Q&A」
今回のテーマは
「遷延性・慢性咳嗽」
京都桂病院呼吸器センター
松原
明治期病院の濫觴
義人 先生
御苑内施薬院
慶応元年 (1865) 新宮凉庭の学統をひく新宮凉閣, 新宮凉民,
明石博高, 栢原学介, 桂 文郁らにより京都医学研究会が創立
された。 明治元年3月大政奉還に際し, 京都医学研究会はこの
維新にあたり天皇による庶民の医治救療所が必要だが, 幸い先
祖代々医道を専門とする人々も多いので病院を設置すべきであ
る旨の上申書を提出する。 この奏請は受け入れられ4月御所御
苑内施薬院三雲宗順邸に病院が開設され, 朝廷病院であるとの
謂で入口両脇には菊花御紋章入りの高張提灯が揚げられた。 ま
た明石らは外国人医師招聘の病院を建議したが, 時の状況で受
け入れられなかった。 しかしこの建議が大阪の外国人招聘の病
院, 京都府療病院の設立につながることになる。
参考文献 「明治文化と明石博高翁」
奥沢康正 (西京)
1
平成18年度 近畿医師会連合定時委員総会
国民皆保険制度の堅持と
医療における平等性の確保求める
平成18年度近畿医師会連合定時委員総会が
5月28日(日), 奈良県医師会主管のもと, 橿
原ロイヤルホテルで開催され, 近畿各府県医
師会より約230名が参集, 京都府からも35名
が出席した。
午前中の分科会では, 第1分科会 「医療保
険・介護保険」, 第2分科会 「医の倫理・勤
務医」, 第3分科会 「地域医療」 について,
各府県からの現状報告と情報交換が行われた。
また, 決議では弱者切り捨ての政策の中止を
求める決議を採択した。
午後からは委員総会の後, 特別講演として国立日本文化研究センター教授・奈良県立図書情
報館館長の千田
稔氏より 「日本古代の天皇と太極殿」 と題した講演が行われた。
来賓挨拶で唐澤日医会長は, 先日の衆院厚労委員会で強行採決された医療制度改革関連法案
について触れ, 介護療養型医療施設の廃止や高齢者へのさらなる負担増など, 到底容認できな
いと述べた。 さらに, 医療費の伸びの推計についても言及し, 日医としては 「地域におけるデー
タを積み上げ, 将来に通用する政策を立案し, 政府に提言していきたい」 とし, 各府県医師会
の理解と協力を求めた。
第1分科会
「医 療 保 険 ・ 介 護 保 険 」
第1分科会では, 天本日医常任理事の出席を得て, 「医療保険・介護保険」 について協議し,
特に, 療養病床の再編への基本的考え方および協議事項である各府県の診療報酬・介護報酬改
定の問題点について情報交換した。
■ 療養病床の再編問題で見解示す
= 天本日医常任理事 =
天本日医常任理事は, 今回の再編問題は医
医療は全国同じ水準であるべきと見解を示し
療・介護のすべてに影響し, 医療費適正計画
た。 また介護療養病床の廃止と医療療養病床
に連動していると述べ, 6年後には都道府県
の医療区分1の大幅な削減 (25万床の50%
別に保険料が決まるため, 介護療養施設の多
(12.5万床)) が決まる以前に介護保険の第3
い府県は財源問題が障害となることを指摘し,
期参酌標準が決まっていたこと, しかも第3
近
畿
医
師
会
連
合
定
時
委
員
総
会
2
近
畿
医
師
会
連
合
定
時
委
員
総
会
期介護保険事業計画が療養病床の再編が想定
また, 高齢者医療制度については, 特に給
されずに進められたことは論理性に欠け, 手
付の整合性が問題であり, 現場を知らない者
順を踏んでいないと指摘。
が机上で議論しているため, 現場の意見を明
今回, 診療報酬と介護報酬の改定が同時に
確に伝えることが必要と考える。
実施されたにもかかわらず, 制度の横断的・
日医は療養病床削減に関してマスコミにコ
継続的意義がなく, 社会的入院患者への問題
メントしてきたが, ホテルコストを給付から
解決が何も示されてない, さらに唐突で計画
外すときも, マスコミは反対せず, 更なる削
性に欠けていることや明確な中長期的ビジョ
減を進めている状況であり, マスコミには現
ンがなく再編を行っているなど早急に政策的
場の意見を伝えて理解してもらう必要がある
な提言をする必要があると強調した。
と述べた。
■ 診療報酬改定の問題点で活発な情報交換
西村府医理事
各府県における診療報
しいため, 零細な医療機関は施設基準をクリ
酬・介護報酬改定の問題
アできず, 撤退を余儀なくされている, ④小
点について情報交換し,
児科医療では重点対応が必要と言われ, 地域
京都府からは西村理事が,
連携小児夜間・休日診療料の施設基準が若干
①領収証の発行に関して,
緩和されているが, 深夜加算100点増点のみ
手間とコストがかかり負
や小児科外来診療料の据え置きなど評価が低
担増になり, 手書き医療
い, ⑤産科医療では, 有床診療所のすべての
機関は, 「これを機会に
入院基本料に常勤看護職員の配置基準が設け
廃院したい」 との声も聞いている, ②在宅支
られ, 入院患者が常時いない産婦人科診療所
援診療所では, 施設基準をクリアできる医療
にとって, 看護職員を常勤で雇用することが
機関とできない医療機関との間に2,000点/
困難な診療所もある, ⑥慢性期入院の医療区
月/件の差があるのは大きい, さらに経済的
分1にかなり重度の患者が含まれている, な
に締め出される医療機関が出てくる, ③リハ
どの問題点を説明した。
ビリテーションでは, 人員や施設の基準が厳
■ 後発医薬品問題で早急な対応求める
さらに京都府の安達副
また後発医薬品使用を法的に義務付けられれ
会長から後発医薬品使用
ば, 医師法における応召義務には応じられな
促進に関して, 民事訴訟
いなどの問題を指摘し, 日医が早急に対応す
における医師と患者間の
るべきであると述べた。
契約である最良の治療に
ついて, 後発医薬品の使
用は, 現在では最良の治
安達府医副会長
療結果が保証されない,
■ コンタクトレンズ関連の改定で現場は混乱
京都府の久山副会長は, コンタクトレンズ
コンタクトレンズ装用者が来た場合, 視野検
検査料について, 緑内障や眼底疾患を有する
査, 眼底検査等が包括されることや, 1∼2
3
年のブランクがあっても,
担はかなり大きいと説明。 またコンタクトレ
一度自院でコンタクトレ
ンズ検査料関連の疑義解釈が4月28日に通知
ンズ処方を行った場合,
されるなど, 現場は混乱したまま診療を行っ
永久に初診料が算定でき
ていると指摘した。
ないなど眼科コンタクト
レンズ関連だけで90億の
久山府医副会長
減を予定されており, 負
■ 今改定に関する意見・要望相次ぐ
このほか, 今回の改定は3月31日発令, 4
3の区分の内容確認を厚労省と行っているが,
月1日施行令が非常に多く現場は混乱してい
この区分の内容をどう緩和していくか協議し
る (滋賀), リハビリテーションの人員や施
ている段階である。 また経管栄養をしている
設基準が厳しいにもかかわらず不合理な内容
患者や意識障害の患者が医療区分1に含まれ
(大阪), オンライン化に向けて, 日医から
ていることは大きな問題であると説明。 政省
「日レセ」 が対応できることを会員に説明願
令の問題では, あまりにも現実的でないもの
いたい (兵庫) など問題点・要望が出された。
は日医と厚労省がきっちりと議論しているが,
これらの問題点に対して, 天本日医常任理
厚労省が一方的に決めたことについては, 会
事は後発医薬品使用促進にかかわる制度上お
長選挙と診療報酬改定のスケジュールが重な
よび民事訴訟の問題は整理段階であるとして
り, 厚労省と議論できてない状況も影響して
即答は避けた。 在宅療養支援診療所では, ま
おり, この問題は今後の課題であるとの私見
だ現場の状況が掴めていない状況であるが,
を述べた。
病診連携や訪問看護ステーションなど連携の
なお, 介護保険の問題点ならびに医療保険
ノウハウが重要であり, これから起こってく
制度改革への対応 (高齢者医療制度) につい
る問題についてモニタリングをしながら, さ
ては, 次回近医連保険担当理事連絡協議会
らに修正していく意向である。 医療病床につ
(介護保険担当理事との合同協議会) で協議
いては, 日医病院担当理事が医療区分1・2・
することとなった。
第2分科会
「医 の 倫 理 ・ 勤 務 医 」
第2分科会では医の倫理・勤務医問題について協議した。
国分奈良県医師会理事司会のもと進行し, 岩砂日医副会長の挨拶に続いて近医連委員長であ
る有山奈良県医師会長が挨拶に立ち, 奈良県医師会で制定した医師職業規則は自浄作用手段と
して欠かせないものであり, 各都道府県並びに地区医師会が積極的に取り組み活性化させる重
要性を呼びかけた。
■ 医師職業規則 (自浄作用活性化) の問題点
− 非営利性の確保とコミュニケーション不足解消 −
各府県から問題点として示された主な点は
確保, 職業規則と現行法規尊守の重要性, コ
県医と地区との情報共有, 透明性 (情報公開)
ミュニケーション不足による患者と医師の意
と説明責任の重要性, 医療機関の非営利性の
識の齟齬, 応召義務に伴う救急受診者の医療
近
畿
医
師
会
連
合
定
時
委
員
総
会
4
近
畿
医
師
会
連
合
定
時
委
員
総
会
費不払いの増加とそのリピータ化の問題, 医
むしろ医師不信の根源は医師の常識と社会の
療機関名称の一見した意味不明化, 医師会活
常識のズレにあること, 医の倫理は法の上に
動に協力しない会員や学術講演会にも参加し
置くとの理念を踏まえ法規に疑義あれば倫理
ない会員に多く問題が発生する点, 不正行為
に照らしてあるべき姿を提案していく重要性
そのものは一般社会にも現存することであり,
などの問題点が指摘された。
■ 医師職業規則 (自浄作用活性化) の取り組み状況
− 医療機関名称の明解化とヒューマンコミュニケーションの醸成 −
大藪府医理事
続く取り組み状況では,
説明義務の徹底, 自浄作用活性化委員会の立
医療機関の一見して意味
ち上げと地区との情報共有, 医師は狭い世界
不明な名称に対する指導
で育つため常識に欠け, 引いては医師不信に
と明解化に努力すること,
繋がっていることを踏まえ, 社会からの声を
医師・患者相互のコミュ
聞くことをポイントに規則を作製していく。
ニケーション環境醸成に
医師職業規則にある基本的事項 (4項目) の
向けた講演会・シンポジ
医療機関院内掲示で内外に明示する。 若い医
ウムの開催, 健康保険法
師の人格養成として卒業時に医師職業規則を
に規定する療養担当規則の徹底と, 患者への
説明するなどの取り組み状況が示された。
■ 倫理の昂揚と内外へ伝える努力を
− 会員であることの誇りに向けて −
フリーディスカッションでは若い層に倫理
ンティティーは大きく変貌しており, 今後考
観が不足している点に触れ, 大学教育の中で
え直さなければならない時期にきている。 さ
地域医療の現場で苦労している先生方にイン
らに権利意識が優先する患者教育の観点から
パクトのある講義を新入生, 臨床に入る時,
も医療ができることはここまでということを
卒業時に話してもらうなど, 医師会も医学教
一般に知らせることの重要性を指摘する意見
育への積極的な関与を求める意見が出された。
も出され, 各都道府県での取り組みに期待が
また医業は税制面で優遇されている点など
寄せられた。
を捉えても, バックグランドとしてのアイデ
■ 勤務医対策について
− 対策と今後の計画について協議 −
続いて, 勤務医に係る諸問題について協議
が行われた。
和歌山では, 実態調査に基づき勤務医にダ
イレクトメールによる入会勧誘を行い, 医師
協議は, 各府県が抱えている問題点を最初
不足については 「小児救急医療体制」 を構築
に報告し, 一巡したところで, 対策と今後の
している。 また, 医師の偏在・不足の原因と
計画について協議を行うというかたちで進め
いわれている 「新医師臨床研修制度」 に関連
られた。
しては, 行政も含めた 「連絡協議会」 を設置
問題点としては, 各府県とも府県医師会へ
の入会促進と医師の偏在・不足を共通してあ
げ, その他では, 勤務医の勤務環境, 医師会
活動への参加等が課題として出された。
次いでこれらに対する各府県の取り組みや
今後の計画が報告された。
して検討し, 研修終了後の問題や医学生への
取り組みを考えている。
大阪では, 勤務医, 女性医師の実態調査で,
20∼30%が過労死基準を超えている労働実態
が明らかになったことをふまえ, 本年度の市
民公開講座を勤務医不足と勤務環境をテーマ
5
に行う計画が報告された。 しかし, これに関
京都からは, 中野理事
連して, 改善勧告を受けた病院が小児救急を
が, 一番の問題は入会促
やめざるえない状況になったという事例が紹
進であること, 地域偏在・
介され, この問題への対処の複雑さが指摘さ
不足問題は勤務医問題と
れた。
いうより医師全体の問題
であると述べ, 「勤務医
兵庫からは, 治験を通じて入会をすすめる
向けパンフレット」 の発
ため, 地区医師会と協力して治験が出来る病
院を増やし, 成果をあげており, 一層の拡大
中野府医理事
行 「勤務医学術奨励賞」
をはかっていくため, 日本医師会の積極的な
の創設等府医の行っている事業を紹介した。
指導を要請された。
今後の対策としては, ①研修医の学術奨励や
滋賀では, 医師数はすでに充足していると
交流を通じての入会促進, 偏在については京
の認識を県がしていることについて強い批判
都府が予定している医師バンク事業と連携し
を行ったこと。 そうしたなかで病院協会がド
て進めていく計画を述べた。
クターバンクをつくったが, 1年間1件も参
最後に, 日本医師会の岩砂副会長から, 医
加がなく, 実態調査を考えているとの報告が
の倫理に関して, 協議でも取り上げられたが
された。
一部の医師で一般の社会常識が欠落している
奈良では, 医大生に 「医師職業規則」 をも
ことが問題だということは同感であり, 医師
とに県医が講義を行っていることが, また,
会としても取り組みを強めていきたい, ドク
ドクターバンクについては, これまで後継者
ターバンクについても要望があれば日医とし
対策でやってきたが, 必ずしもうまく機能し
て制度化することも必要と考える, とのコメ
ていないことが報告された。
ントを受け協議を終了した。
第3分科会
「地 域 医 療 」
第3分科会では, 今村聡日医常任理事の出席を得て, (1) 小児救急医療 (周産期医療) 対
策
(2) 新興感染症・危機管理対策について協議した。
事前に, 各議題について各府県医師会にアンケートが行われており, 当日はアンケート結果
に基づいて議事を進めた。
■ 府県を超えた連携を
小児科医はこの10年間
(1) 小児救急医療では周産期医療に絞っ
で, 和歌山, 滋賀などベッ
て論議が行われた。
深刻な医師不足から大学の医局が派遣して
ドタウン開発が進み出生
いる医師を引き揚げたり, 地域の拠点病院に
率が比較的高い地域では
複数の医師を集める 「集約化」 を独自に進め
わずかに増加しているも
たりして, 分娩取扱医療機関が激減している
のの, 京都, 兵庫では減
少している。 産婦人科医
ことが全国的に問題となっているが, 今回の
事前アンケートで近畿でも同様に深刻な事態
岩府医理事
はこの10年間で, ほとん
に至っていることがあらためて浮き彫りに
ど変わらない滋賀を除く5府県で減少し, 分
なった。
娩取扱医療機関数は全府県で減少した。 この
近
畿
医
師
会
連
合
定
時
委
員
総
会
6
近
畿
医
師
会
連
合
定
時
委
員
総
会
1年間の新生児の府県外
クを設置すること (兵庫県は予定, 京都府は
搬送例については5府県
今年度から) や就業していない女性医師を活
が 「ある」, 母体の府県
用することなども挙がった。
外搬送例については4県
論議を受けて今村日医常任理事は, 府県を
が 「ある」 と答えた。 京
超えた視野からの対策が求められるとし, 保
都府は新生児1件, 母体
険点数上でハイリスク分娩に関し連携すれば
は0件だった。 交通網も
相互に点数算定が可能になったことからも一
発達し周産期医療情報シ
層の連携強化を訴えた。 一方, 現状では解決
ステムも進んでいる大阪では分娩に関し問題
の特効薬はないと述べ, 地域の医師会が医療
はないものの, 奈良などではNICUの後方
計画段階で中心になって医師確保対策を提言
ベッド不足も加わって県外への新生児や母体
するなど, 医師会主導の活動を地道に進める
の搬送が増えている。 NICU, 周産期医療
よう要請した。 医師不足に対する新臨床研修
のネットワークシステムは各府県にあるが,
制度の影響が少なからずあるとみて, 見直し
実際には一部大病院間でしか稼働していない
を図りたいと述べた。 福島県の産婦人科医師
県などがあるわけで, 地域による偏在が一層
逮捕に関連して萎縮医療につながらないよう
深刻になっている。 今後の対策として, 偏在
に働きかけ, 無過失補償制度も検討中である
を僻地医療対策としてもとらえシステムの全
と結んだ。
上原府医副会長
体的整備を図るのはもちろん, ドクターバン
■ インフルエンザワクチンの安定供給
− 日医としても対処
(2) 新興感染症・危機管理対策では, ①
奈良で昨年11月末に, 予
インフルエンザワクチンの安定供給 ②新型
約済みだった医療機関で
インフルエンザ対策行動計画 ③国民保護計
約4,000本のワクチンを医
画に基づく業務計画作成 ④生物テロ対策・
薬品卸が納入できず, 医
天然痘対策, の4項目に分けて論議が行わ
療機関間の融通で対応し
れた。
たことが明らかにされた。
①インフルエンザワクチンの安定供給につ
いては, 平成15年度のインフルエンザワクチ
柏井府医理事
なお, マスコミ報道に
ついて, 「不要在庫」 と
ン不足大騒動の反省から, 各府県に安定供給
「返品数」 だけが過剰に喧伝されることに不
委員会が設置され, ワクチン供給状況調査な
満が示され, 適正な調査に基づきある程度の
どの取り組みが行われ, 2年が経過した。
「返品率」 を見込んだ余裕ある供給をしてこ
事前アンケートでは, 安定供給委員会は府
県により年1回から4回開催されており, 1
そ 「安定供給」 であることをアピールすべき
という意見も出た。
回が3府県と一番多い。 ワクチン供給状況調
今村日医常任理事は, ワクチン供給の地域
査については, 年1回から6回行われており,
格差については日医としても対処したいとし,
調査方法は医薬品卸協同組合を通じて医療機
返品率については, 各医師会が真摯に調整し
関への納入状況を府県に報告するかたちが3
たこともあって, 17年度は5% (16年度は22
府県, 需給調査表を医療機関へ郵送し県に報
%) と大きく減少し好転したことを報告した。
告を求めるのが2県など。 需要予測と供給は
②新型インフルエンザ対策行動計画につい
17年度でみると地域偏在が若干あるものの,
ては, 近年東南アジアやヨーロッパで高病原
各府県とも比較的うまくいっている。 ただ,
性鳥インフルエンザの発生が報告されるなど,
7
ヒトからヒトへ感染する新型インフルエンザ
ため, 医師, 獣医師, 法曹で構成する 「新型
の発生の危険性が高まっていることから, 厚
インフルエンザ専門会議」 を設置しているこ
生労働省は昨年 「新型インフルエンザ対策行
となどが報告された。 また, 行動計画の問題
動計画」 を策定した。 この行動計画を基に各
点として, 実際の運用面で発生からパンデミッ
府県でも行動計画を策定しており, それにつ
ク時までの医療供給体制を具体的にどのよう
いてアンケートが行われた。
に確保していくのか, またフェーズ4B以上
での医療供給体制はどうするのか, などが指
府県あるいは医師会として独自の対策・対
摘された。
応としては, 京都府が専門的に対策を講じる
■ 国民保護業務計画−広義の 「防災」 対策として取り組み
して検討を進めようとしている。
③国民保護計画に基づく業務計画作成につ
いては, 平成16年の国民保護法成立により,
④生物テロ対策・天然痘対策についても,
17年度に各都道府県で国民保護計画が策定さ
国民保護計画の一環としてとらえられている
れ, 18年度は指定地方公共機関で国民保護業
が, 具体的に実施したのは15年に奈良県が全
務計画策定が義務づけられたことを受けて議
国に先駆けて天然痘対策の実践訓練 (種痘ワ
論された。
クチンの実技講習会) を行ったくらいで, そ
各医師会ともその府県から指定地方公共機
の他の府県は未定である。 研修会や講演会と
関に指定されているものの, 府県との折衝な
しては, 大阪が既に平成13年に NBCテロ
どの動きはまだない。 琵琶湖 (汚染テロのお
対策の研修会を開催しており, 兵庫もBCテ
それ) や原発問題を控えている滋賀県は昨年
ロへの講演会を行うなど, 関心は高まりつつ
「国民保護フォーラム」 を開催するなど関心
ある。
は高い。 南海地震や東南海地震の可能性が高
今村日医常任理事も国民保護業務計画につ
い和歌山県が避難対策としては災害と国民保
いては, 住民の命を守る立場からは基本的に
護が共通することからまとめて対応を考えて
変わらないとし, 災害対策基本法への対応と
いるなど, 各府県とも広義の 「防災」 対策と
同様に進めればよいと述べた。
決
議
国民が豊かな生活を営む上で, 医療と教育は最も大切なものである。
近年わが国には, 自己中心主義や経済至上主義の風潮が蔓延し, 良き伝統が崩壊の危機に瀕している。
これは教育のあり方に影響されたとはいえ, 小泉内閣の誕生以来, より顕著になってきた。 政府の
方針が経済財政諮問会議等に参画する民間議員らの主導により決定され, 市場原理優先の政策が強引
に実行された結果である。
今, 国民にとって最も重要な医療制度も同様の手法で破壊されようとしている。
われわれは, 国民皆保険制度を堅持し, 医療における平等性を守るべく, 下記のとおり決議する。
記
1. 弱者切り捨ての政策を直ちに中止せよ
1. 国民のいのちを守るための財源を確保せよ
1. 市場原理優先の政策立案を排除せよ
1. 国民の不安を解消する高齢者医療制度を確立せよ
平成18年5月28日
近畿医師会連合定時委員総会
近
畿
医
師
会
連
合
定
時
委
員
総
会
8
「社会保障の在り方に関する懇談会」 が最終報告書
改革の推進により社会保障給付費21兆円の削減と推計
2004年から2年間にわたって社会保障制度の一体的な見直しを議論してきた, 安倍官房長官
の諮問会議である 「社会保障の在り方に関する懇談会」 が5月26日, 最終報告書をまとめた。
今回の報告書では, 社会保障の全体的な在り方として 「予防・自立支援の推進によって, 社
会保障への需要を減らすことが重要」 と指摘。 さらに, 医療費適正化の必要性を強調するとと
もに, 少子化対策の推進や介護保険制度に関する提言などが今後の課題として取り上げられた。
また, 報告書には厚労省が推計した 「社会保障の負担と給付の見通し」 も盛り込まれた。 本報
告書は 「骨太の方針2006」 に反映させる方向で進められる。
総合的な医療費適正化の必要性を強調
「保険免責制」 明記避けるも, 今後の議論に含み持たせる
報告書では社会保障分野に係る今後の課題
最終的には明記されなかったものの, 「この
として, 医療制度改革 「医療費適正化の推進」
先, 医療費の膨張に歯止めがかからないよう
について触れ, 「医療制度を将来にわたり持
な事態が続くようなら, 国民的議論も避けて
続可能なものとしていくためには, 医療費の
通れない」 とも指摘。 継続課題と位置づけ,
適正化を総合的に推進していく必要がある」
引き続き, 医療給付の抑制傾向を色濃く残し
と明記した。 また, 医療費適正化の手段とし
た内容となった。
て検討されてきた 「保険免責制」 については,
2025年度には21兆円の削減
厚労省 「社会保障の給付と負担の見通し」
厚労省がまとめた推計では, 先の衆院で可
(参考) 2025年度
(平成37)
決された医療制度改革法案に沿った改革や年
金制度, 介護保険制度等の改革を推進するこ
兆円
社会保障給付費
とで, 2025年度の社会保障給付費では, 改革
を実行しなかった場合と比較して, 21兆円削
年金
減できると見通した (右表参照)。
医療
推計では, 2006年度では1兆2000億円,
福祉等
2011年度には5兆円, 2015年度には10兆円と
年次が進むにつれ改革による削減幅が大きく
なると見込んでいる。 一方, 社会保障にかか
る負担については, 改革の効果を見込んでも
年々増加すると見込んでおり, 保険料負担で
うち介護
%
141
(162)
65
(75)
48
(56)
28
(32)
17
(20)
26.1
(30.0)
12.0
(13.8)
8.8
(10.3)
5.3
(5.8)
3.1
(3.7)
143
(165)
26.5
(30.5)
540
−
社会保障に係る負担
保険料負担
公費負担
は2006年度では54兆円, 2011年度には65兆円,
2015年度には73兆円となっている (次頁グラ
フ参照)。
国民所得
社会保障の給付と負担の見通し (2025年)
9
社会保障の給付の見通し
社会保障の負担の見通し
10
理
事
解
説
福島県立大野病院の医師逮捕を憂う
理事
岩
武輝
既に多くの新聞で公表されているニュースであ
クの状態に遭遇したことを手術場で察知した当該
るが, 今年2月18日福島県立大野病院の産婦人科
1人医長は, 助手の外科医と共に急速な判断を迫
医師 (38才) が, 平成16年12月17日の帝王切開時
られ医師の裁量権で現場に対処したものと考える。
の母体死亡に関して, ①業務上過失致死, および
②医師法第21条違反で福島県警に逮捕・拘留さ
■医師法第21条違反について
異状死の届出義務違反となっているが, 「異状
れた。
亡くなった本人 (当時29才) ・家族に対する哀
死」 の解釈が不明確のため, 現在厚生労働省と日
悼の念は, この話題を論ずる人すべて共通の思い
本医師会, 医療関係者との間で議論されている所
であるが, 京都府医師会および京都産婦人科医会
である。
でも医師逮捕の当初より, 重大な関心を持って各
京都産婦人科医会でも, 他府県と同様, この問
理事会でこの問題を何度も協議してきた。
題に対して5月の京都産婦人科医会報に下記のよ
■業務上過失致死について
うに, 「声明」 文を発表した。 そして, 今後当該
前置胎盤のため予めMAPを5単位用意して手
医師を物心両面にわたって支援し, 募金協力を決
術に臨むも, 元気な新生児娩出後に判明した癒着
定した。 この 「声明」 文は, 日本医師会のホーム
胎盤のため, 胎盤を剥離した結果大量の出血を来
ページにも日付順に掲載されているのでご参照い
たした。 輸血を追加してやむなく子宮全摘出術に
ただきたい。
踏み切るも, 約2万mL 出血して, 母体死亡となっ
今回の問題について, 産婦人科医師の置かれて
たことに対してである。 癒着胎盤は全分娩の0.01
いる社会的立場も考慮して, 産婦人科担当理事と
∼0.04%という極めて稀な疾患であり, さらに,
して京都府医師会会員全ての皆さまのご理解と関
前置胎盤のうち, 癒着胎盤が合併する頻度は4%
心を賜りたいと念願している。
程度といわれている。 結果的に, 極めてハイリス
声
明
福島県立大野病院において平成16年12月に複式帝王切開を受けた女性が死亡したことに関し,
手術を担当した医師が平成18年3月10日, 業務上過失致死ならびに医師法違反の疑いで起訴さ
れた件につき当会の見解を発表します。
先ずはじめに, 本件の手術で亡くなられた方, ならびに遺族の方々に衷心より哀悼の意を表
します。
このたび冒頭病院の産婦人科医師によって行われた医療行為が業務上過失致死, 医師法違反
の疑いとして刑事事件を問われるに至ったことはきわめて遺憾であり残念であります。
当医師は何らの悪意もなく極めて難易度の高い手術を責任感をもって施行したものであり,
その結果のみをもって刑事事件として起訴されるならば今後の医療界に多大の影響を及ぼす恐
れがあります。
本件はまた, 全国的な産婦人科医師不足という現今の医療体制にその根源があり, 過重な負
担に耐えて献身的に働いていた医師個人の責任を追及するにはなじまないものであります。
よってわれわれは本件を座視することはできません。
京都産婦人科医会 理事一同
11
理
事
解
説
障害者自立支援法と精神科医療福祉
理事
1. 医療の現場では
東前
隆司
な処理を要することになる。 記入が抜けてい
今年に入ってから, 精神科医療機関は大波
ると累計額にズレが生じてしまうために, 医
に翻弄され続けている。 従来の精神通院公費
療機関から調剤薬局等に電話をかけて, 前回
負担制度が廃止されて, 4月から 「自立支援
の領収額を問い合わせる作業も頻繁に行う必
医療」 という新たな制度が発足したためだが,
要があった。
すでに1月頃から医療機関の受付では, 複雑
さらに, 4月末になってレセプト集計に取
な切り換え手続きと提出書類について患者本
りかかると, これがまた大変だった。 現時点
人や家族に説明するために, 窓口職員を増や
でまだ多くの医療事務ソフトは複雑な上限額
して対応に当たるところが多かった。 それで
管理に対応していないために, 自立支援医療
も, 住民税額を調査するために家族全員の同
受給者に関しては, 個別に手作業で集計をし
意書を提出してもらう趣旨が理解してもらい
ていく必要があった。 その際, 月の下旬に上
にくかったり, 自治体から自宅に郵送された
限額管理票の持参を忘れたり, 紛失してしまっ
書類を知らずに捨ててしまう人が続出したり,
たというケースでは, 院外薬局等の負担も合
切り換えの期限を過ぎてから久しぶりに来院
わせると最終的に月額上限を越えたのか越え
する人もあったり, 3月末ぎりぎりまで準備
ていないのか, 判断がつかない事態にもなっ
の混乱は続いた。
た。 さらに大阪府などからの来院者では, 4
主治医は, 1月末から3月初めまでの間に,
月末になっても自治体から本人に上限額の通
一部様式が簡略化されたとはいえ医療機関に
知がなされておらず, 医療機関としてはレセ
よっては数百名分におよぶ診断書や意見書を
プト提出を見送らざるをえないこともあった。
書き上げなければならず, この期間多くの精
さて, もちろんこのような苦労は, 多かれ
神科医は, 深夜や休日の書類書きに追われて
少なかれ制度が変更される際には付きもので
いただろう。 自治体ごとに規定がまちまちだっ
あり, 上記のような事柄は, 医療機関の側か
たために, 誰にどの書類が必要なのかという
らの一種の 「愚痴」 にすぎない。 もしも新し
ことも, 最後までわかりにくかった。
い制度によって, 精神疾患を持った人に対し
4月になって制度の運用が始まると, 医療
てよりよい医療や福祉が提供されるようにな
機関受付は新たな困難に遭遇した。 新制度で
るのであれば, 我々としては歯を食いしばっ
は各世帯の収入に応じた 「月額負担上限」 が
てでも制度移行の苦しみに耐えるべきだろう。
設けられたため, 受診のたびに 「上限額管理
しかし, 新たな制度が 「よりよい」 ものとは
票」 なる小さな手帳を窓口に提出してもらい,
思えず, 改悪とさえ感じられるものだったら
医療機関や薬局はその都度の負担額と月の累
どうだろうか。 我々はこの徒労感を, どこに
計額を記入するという作業を課せられたが,
ぶつければよいのだろうか。
受診時にこの上限額管理票を忘れてくる人が
あると, その日にどれだけの支払いをしても
らったらよいのかがわからず, 次回にも煩瑣
12
理
事
解
説
2. 障害者自立支援法とは何か
更新が毎年になったり, 書類手続きが煩雑に
障害者自立支援法という法律の骨格は,
なったり, 結婚してよかったと思えるような
2004年10月に厚生労働省が発表した 「今後の
ことは今のところなさそうである。 厚労省は,
障害保健福祉施策について (改革のグランド
制度が 「合理化」 されたと言うが, 医療現場
デザイン案)」 という計画に由来している。
にとってはその正反対の事態になっているの
その主旨は, 厚労省の言い方では, 障害者福
は, 最初に縷々書いたとおりである。
祉を合理的に 「一元化」 し, 「持続可能」 な
三障害の中で, 精神障害に対する福祉が最
制度にする, ということになるが, その実質
も遅れているのは事実であり, 他の障害と統
的な目的は, ①金のかかる 「支援費制度」 を
合されることによって, 例えばこれまで身体
廃止して, 財務省も認める形で障害者福祉予
障害や知的障害に対しては実施されていたが
算を義務的経費に組み込むこと, ②近い将来
精神障害に対しては存在しなかった福祉サー
に障害者福祉を介護保険制度に統合するため
ビスを利用する道が開けるなど, 今後メリッ
の地ならしを行っておくこと, という二点に
トも出てくるだろう。 しかし一方で, 精神の
なるだろう。
「障害」 は常に 「疾病」 と表裏一体となって
身体障害と知的障害を対象に, 2003年から
おり, 絶えず状態が変転していること, また
実施された支援費制度は, 多くの障害者にとっ
病識が持ちにくく障害を自ら認められない場
て福祉サービスを利用しやすくしてくれたお
合がしばしばあること等, 精神障害が他の二
かげで, 初年度からその経費は毎年政府の予
障害と異なっている側面も数多くある。 具体
算を大きく超過した。 福祉が充実していくの
的には後述するが, 介護給付サービスを利用
は本来は喜ばしいことのはずだが, 支出を削
するために必用な 「障害程度区分」 の認定に
減する必要に迫られた厚労省は, サービス利
おいても, 精神障害の実態やニーズが他の障
用にあたって1割の自己負担を課すことで利
害と同等にしっかりと反映されるかという危
用を抑制し, さらに財源を安定させるために,
惧もあり, 制度として 「無理」 がある部分は,
従来は予算上 「裁量的経費」 として位置づけ
運用においてカバーしつつ対処していくほか
られていた支援費を, 「義務的経費」 化する
ないだろう。
ことを目指した。 この際に, 障害保健福祉部
所轄で当時唯一の義務的経費であった 「精神
3. 自己負担増の影響
通院公費」 に白羽の矢が立ち, この予算と他
昨年2月に障害者自立支援法が国会に上程
の障害福祉予算を一括りにすることで, 全体
されるや否や, 全国で障害者団体などによる
を義務的経費として財務省に認めさせる, と
反対運動が巻き起こり, 東京では1万1000人
いう戦略が立てられたのである。
の集会が開かれ, 精神通院公費廃止反対署名
身体・知的・精神の三障害の福祉が今回の
は22万筆が厚労省に提出された。 当事者から
法律で 「一元化」 されたことに関しては, も
も医療福祉関係者からも, 最も強く反対され
ちろん肯定的に評価すべき点もあるが, 厚労
た点は, 新法では自立支援医療のみならず全
省がそうしようとした直接の動機は, このよ
ての福祉サービスの利用に際して, 障害者
うな非常に現実的な打算にあったのである。
本人に1割の自己負担が課せられることで
精神通院公費にとってみれば, 自らは望んで
あった。
いないのに無理やり一緒にさせられた 「政略
厚労省は当初これを 「応益負担」 と呼んで,
結婚」 のようなものであり, それまでの0.5
当事者の強い反発を招いた。 生きるためにぎ
割負担が1割負担にされてしまったり, 適用
りぎりの介助を受けることを, まるで 「利益
対象や期間が狭められたり, 2年ごとだった
を得ている」 かのように表現するのは許せな
13
い, というのである。 その後呼称は変わった
「当たり前」 とは見なさず, 「お金と引き替え
ようであるが, 基本的な思想は変わらない。
ならばできること」 と位置づけた障害者自立
すなわち, 障害を持っていない人にとって
は, 食べ物を皿から口に運ぶことや自宅のト
支援法は, ノーマライゼーションの理念とは
相容れないことになる。
イレにいくことは無料でできるが, 障害のあ
法律の中で, このような 「福祉サービス利
る人は, これらのことを成し遂げるためには
用」 に関わる部分は, 今年10月からの施行と
死ぬまで毎日お金を払い続けなければならな
されているので, 現時点ではまだ実際の運用
い。 ただでさえ仕事に就けずお金が乏しい人
は始まっていない。 すでに実施されているの
が多いのに, 障害者は好むと好まざるにかか
は, 4月からの 「自立支援医療」 部分だけで
わらず余分な金を出さなければならないとい
あるが, 以前から定率負担が行われていてま
うのは, 「社会保障制度」 としていかがなも
だしも影響が少ないはずのこの領域でも, 0.5
のかと, 多くの国民は心の中で思ったはずで
割から1割への負担増は, ボディーブローの
ある。
ように効いてきている。 診察時に薬代の負担
また, これまで就労の困難な多くの障害者
を訴える人はこの2ヵ月で確実に増えており,
は, 共同作業所や授産施設に通うということ
精神科デイケアの通所者には, 経済的理由
によって, 働くことの張り合いを感じつつ,
のために利用日数を減らさざるをえない人
リハビリテーションを行ってきた。 しかし今
もある。
度の障害者自立支援法では, 作業所や授産施
新法が施行されると精神科医療現場にこの
設に通所して働くことも, 「訓練等給付を受
ような影響が出てくることはある程度予想さ
ける」 ことと見なされ, 1日数百円程度の自
れたため, 京都精神神経科診療所協会は昨年
己負担を支払わなければならなくなったので
春以降, 他団体とも協力して京都府や京都市
ある。 作業所などで内職的作業を毎日こなし
当局に繰り返し働きかけて, 国の制度で負担
ても, 工賃は1ヵ月でせいぜい数千円という
が増やされることになっても, 何とか自治体
場合が多いが, それでも各人にとっては, 頑
の施策によって, 負担軽減措置をとってもら
張って働いたことへの対価として, 通所の貴
えないかということを要望した。 結果的に,
重な動機づけとなってきた。 しかし, 逆に通
京都市は独自の負担軽減策を全国に先駆けて
うたびに毎日数百円の負担が生じるとなると,
発表し, 手帳所持者に関しては国の規定の半
無理をしてまで作業所や授産施設に通おうと
額程度の負担で自立支援医療や福祉サービス
いう気力が削がれるのは必至である。 施設側
が受けられることになったし, 京都府下の各
にとっても, ほとんどの作業所では現在と同
市町村では, 今年度以降も国保付加金制度を
程度の職員を維持するのは困難となり, 存続
継続実施することになったため, 国保加入者
の危機に立たされている所が多い。
は精神科自立支援医療の窓口負担は引き続き
福祉の領域でずっと大切なことと考えられ,
無料になっている。
学校などでも真っ先に習う言葉として, 「ノー
しかし, これらの施策はいずれもいつまで
マライゼーション」 という概念がある。 これ
続けられるかは決まっておらず, 自治体の都
は, 障害者福祉の基本的理念として, 「障害
合によっては数年以内に打ち切られる可能性
のある人もない人も, できるだけ当たり前に
もあるのである。 今後も, 精神科の医療に携
同じように社会生活ができるよう, 社会全体
わる者としては, 現場の実情と熱い思いを自
として制度や設備を整えていこう」 という考
治体に対して伝え続けていかなければならな
えであるが, 障害者が日常生活に必要な介護
いだろう。
を受けたり自分に合った環境で働くことを
理
事
解
説
14
理
事
解
説
4. 障害程度区分認定における
「医師意見書」 の重要性
るしかない。 ここにおいて, 決定的に重要な
意味を持ってくるのが, 精神科の主治医が書
立ち遅れた精神障害者福祉ではあったが,
くことになる 「医師意見書」 の記載内容であ
これまでもホームヘルプ事業や各種社会復帰
る。 審査会としては, 一次判定の結果が低す
施設など, 細々とながらも福祉施策は実施さ
ぎるのではないかといくら強く疑われたとし
れてきた。 このたび障害者自立支援法の施行
ても, 客観的な変更理由がなければ, 修正を
に伴い, 本年10月以降, 精神障害者が従来の
加えることは許されていない。 場合によって
ホームヘルプやグループホーム居住など福祉
は, 「医師意見書」 に書かれていた1行の記
サービスを利用し続ける際にも, また新たに
載が審査会で取り上げられ, 精神障害者の向
サービスを利用する際にも, 全員がまず 「障
こう3年間の日常生活を大きく助けるという
害程度区分認定」 を受けることが義務づけら
可能性もあるわけである。
れた。
この障害程度区分認定とは, 従来の介護保
今回この医報の巻末 「地域医療部通信」 に
は, 京都精神科医会, 京都精神病院協会, 京
険と同様のシステムで, まず調査員が 「認定
都精神神経科診療所協会が共同で作成した,
調査票」 に基づいた訪問調査を行い, その結
「障害程度区分判定に関する
果をコンピュータによる一次判定にかけた後,
の書き方」 という手引きが掲載されている。
「医師意見書」 と併せて市町村の 「審査会」
精神科の先生方におかれては, 冒頭にも書い
で審議して二次判定を行い, その結果を基に
た大変な状況の中で, また新たな 「医師意見
市町村が6段階の 「障害程度区分」 を決定す
書」 などという書類を何通も書いていただく
ることになっている。 判定された区分ごとに,
ご苦労に加え, ここでさらに屋上屋を架すの
各障害者が利用できるサービスの種類と量が
は本当に心苦しいかぎりであるが, 何卒この
定められているため, もしも適切に判定がな
書類が持つ重みをご理解いただき, もし調査
されなければ, 必要な福祉サービスが利用で
員が 「医師意見書」 を持って先生のもとに現
きず, 障害者の地域生活に支障が出てくるお
れた暁には, 巻末の 「書き方」 をご参照の上,
それもあるわけである。
疾患や障害の具体的状態をご記入いただくよ
ところが, 厚生労働省が昨年行った 「障害
程度区分判定等試行事業」 の結果によれば,
精神障害者の場合には, 一次判定の結果が不
当に低い区分に偏ってしまうことが明らかに
なっている。 調査票や意見書の様式は, 介護
保険において用いられているものに沿ってい
るが, 身体障害や知的障害の状態は, 高齢者
における身体機能や知的機能の低下との相同
性もあるのに対して, 精神障害においては,
状態が頻繁に変化したり質的にも複雑な多様
性があるため, 従来の形式では十分に評価で
きないというのが実態であると思われる。
それでも一次判定はコンピュータで機械的
に行われてしまうので, 精神障害独自の特性
やニーズを考慮するとすれば, 審査会による
二次判定において, 実態に即した修正を加え
医師意見書
う, お願い申し上げる次第である。
15
委員会だより
健康日本21対策委員会
<健康日本21対策委員会委員>
鈴木 将夫
岡本三希子
玉川 和子
横田 昇平
委
員
会
だ
よ
り
(◎=委員長, ○=副委員長)
(宇久),
◎稲掛
(糖尿病),
藤原
(栄養士会),
大野
(京都府),
石川
英男
正隆
伸一
和弘
担当副会長
(内科),
○中嶋
(禁煙推進研究会),
(京都府体育協会),
(京都市)
上原春男
担当理事
毅 (整形外科),
藤村
聡・福州
修
健康日本21対策委員会は5月10日に第1回委員会が開催された。
今期第1回目の委員会に際し森会長が 「府医の地域医療活動や介護医療活動にご協力, ご尽
力と予防医療の推進の積極的な取り組みをお願いしたい」 とあいさつした後, 今期委員会は,
委員長に稲掛英男氏, 副委員長に中嶋
毅氏を選出した。 第1回委員会では国の健康づくり対
策として展開されている 「健康日本21運動」 をふまえ, 「くらしと健康展」 や実行委員長に森
会長, 副委員長に上原副会長が就任している 「市民すこやかフェア」, また, 「健康講座」 の内
容など今年1年間の行事と取り組みについて検討した。
また, 本委員会が執筆を担当している京都市地域女性連合会発行の 「京都女性」 新聞の 「健
康ガイド」 の執筆担当者について検討した。
委員会は, 各健康づくり事業に合わせて開催し, 必要があれば随時委員会を開催することと
した。
子宮がん検診委員会
諮問事項
<子宮がん検診委員会委員>
奥村
島岡
中田
小柴
隅山
次郎
昌幸
好則
壽彌
充樹
(上東)
(下西)
(東山)
(亀岡)
(舞鶴)
(◎=委員長, ○=副委員長)
武部
◎森
金森
○小畑
細川
担当副会長
力
治彦
修弘
義
健一
(西陣)
(左京)
(宇久)
(学識経験者)
(府医大)
上原春男
担当理事
藤原葉一郎
安田 迪之
寺西 二郎
大嶋 一也
万代 昌紀
(中西)
(東山)
(綴喜)
(船井)
(京大)
岩武輝・柏井真理子
5月19日(金), 第1回子宮がん検診委員会が府医会館にて開催された。
今期委員会は15名の委員で構成され, 委員長には森
治彦氏が, 副委員長には小畑義氏が,
前期委員会に引き続き選出された。 冒頭, 岩理事より委員就任への御礼と2年間の活発な協
議・活動への期待が述べられ, 続いて森委員長より挨拶が行われた。
委員会では, 昨年度の検診の状況について報告が行われ, 頸がん検診は前年比17%減の約
16
委
員
会
だ
よ
り
52,000名, 体がん検診は31%減の約2,300名が受診した。 受診減少の原因としては, 一部の市
町村で隔年検診となったこと, また一部の市町村で体がん検診が廃止されたことなどが挙げら
れるが, 今後は, 各市町村に検診の有効性を周知すると共に, 府医主導で受診者数の増加に努
めることが必要とされた。
また, 今期委員会のテーマについて協議を行い, 主な協議事項として以下のテーマが挙げら
れた。
1. 妊婦健診受診者への受診勧奨などによる受診率向上
2. 検診データを集計し学術的に活用する際の個人情報保護
3. 発見がんや受診者の統計のより詳細なデータ分析
4. HPV検査の有用性と導入についての問題点の検討
5. 府医が実施している精度管理の重要性の市町村へのアピール
会費検討・会館建設特別委員会
諮問事項
<会費検討・会館建設特別委員会委員>
◎田村
早川
竹内
中路
泉川
西村
川西
岸本
中村
元
征生
一実
裕
文彦
完生
康夫
良博
孝志
(北)
(中東)
(下西)
(西京)
(伏見)
(綴喜)
(船井)
(舞鶴)
(京大)
内田
尾崎
○和田
名和
片岡
藤木
野間
宮地
久
(◎=委員長, ○=副委員長)
秀一
信之
泰三
正訓
卓三
新治
俊二
道弘
育男
(上東)
(中西)
(左京)
(東山)
(乙訓)
(相楽)
(綾部)
(与謝)
(府医大)
担当副会長
進藤 博章
大川 正直
伊東三喜雄
鈴木
学
阪井
隆
○調
幸治
井土
昇
奥田 聖介
安達秀樹
担当理事
(西陣)
(下東)
(右京)
(山科)
(宇久)
(亀岡)
(福知山)
(北丹)
橋本京三
第1回会費検討・会館建設特別委員会が5月28日に開催された。
冒頭, 森会長から 「今期は, 継続諮問事項としての
通常会費のあり方
について検討いた
だき, 委員会答申に基づき平成19年4月から対応できるように10月の代議員会に諮りたい。 ま
た, 「会館建設に伴う追加の特別会費」 「入会時に賦課徴収する会館保全会費のあり方」 につい
ても同時に検討いただきたい」 と挨拶があった。
今期委員会では, 委員長に田村
元氏 (北), 副委員長に和田泰三氏 (左京), 調
幸治氏
(亀岡) を選出。 田村委員長からは 「会館建設については, 資金面について当委員会にて検討
する。 また, 前期同様, 小委員会を設置する」 との方向性が示された。
第1回委員会では各地区からの現状報告を受け, 概ね均等割り賛成の流れであり, 後はセフ
ティーネットをどのように設けるかが検討課題であるとした。
協議では 「通常会費の見直し」 についても協議された。 今後のスケジュールとしては, 8月
中には答申案を作成し, 9月には執行部が答申を受けて原案作成, 10月末の代議員会で諮るこ
とを報告した。
17
Q2. 急性咳嗽の原因は?
日常診療のための
A2. 急性咳嗽の原因は呼吸器感染症である
専門外講座
ことが多い。 なお, 遷延性・慢性咳嗽の
原因疾患も忘れてはならない。
Q3. 遷延性咳嗽の原因は?
遷延性・慢性咳嗽
A3. 遷延性咳嗽の原因は, かぜ症候群後
京都桂病院呼吸器センター
松原
義人
咳嗽は, 日常診療で遭遇する徴候の中でも
(感染後咳嗽) の他に, 慢性咳嗽による
ものも含まれる。
Q4. 慢性咳嗽の原因は?
高頻度である。 咳嗽は, 患者はもちろんのこ
と, 周囲の人々にとっても不快な症状である。
A4. 慢性咳嗽の3大原因疾患は, 咳喘息,
中でも, 長期間続く咳嗽や夜間に頻発する咳
アトピー咳嗽, 副鼻腔気管支症候群であ
嗽は患者の QOL を損ない, 苦痛も大きい。
る。 その他, 胃食道逆流症 (GERD),
身体所見や胸部X線写真, 血液検査および
ACE 阻害薬, 心因性・習慣性などがあ
呼吸機能検査などで異常を認める場合の診断
る。 なお, 欧米における慢性咳嗽の3大
は容易なことが多い。 しかし, 特別な異常所
原因は, 咳喘息, 後鼻漏, 胃食道逆流症
見を認めず, 通常の鎮咳薬等を投与しても咳
である。
嗽が治まらない患者が近年多くなってきてお
り, 日常診療で対応に苦慮する場合が多々
Q5. 喀痰の有無による原因は?
ある。
このような状況を受けて, 昨年9月に日本
A5. 咳嗽には, 喀痰を喀出するための生理
呼吸器学会では 咳嗽に関するガイドライン
的咳嗽としての湿性咳嗽と, 咳嗽が一次
を上梓した。 今回は, このガイドラインに沿っ
的に発症する乾性咳嗽とがある。
て遷延性・慢性咳嗽の診断・治療について概
説する。 ただし, このガイドラインは成人を
遷延性咳嗽・慢性咳嗽の原因を, ガイ
ドラインから引用して湿性咳嗽 (表1)
対象としており, 小児の場合は別であること
を最初にお断りしておく。
Q1. 咳嗽の分類は?
A1. 咳嗽は持続期間によって, 3週間以内
の急性咳嗽, 3∼8週間の遷延性咳嗽,
8週間以上の慢性咳嗽に分類される。
表1
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
9)
遷延性・慢性湿性咳嗽の原因
副鼻腔気管支症候群
亜急性細菌性副鼻腔炎*
後鼻漏症候群*
慢性気管支炎
限局性気管支拡張症
気管支喘息による気管支漏
気管・気管支の腫瘍
気管・気管支の結核
気管支内異物
*湿性咳嗽ではなく咳払い
日
常
診
療
の
た
め
の
専
門
外
講
座
Q
&
A
18
日
常
診
療
の
た
め
の
専
門
外
講
座
Q
&
A
喫煙, 雨天などが増悪因子となる。 喘鳴
と乾性咳嗽 (表2) とに分けて示す。
は自・他覚的に認めない。 女性に多い。
表2
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
9)
10)
11)
12)
13)
14)
15)
経過中に30%前後に喘鳴が出現し, 喘息
遷延性・慢性乾性咳嗽の原因
に移行する。
咳喘息
アトピー咳嗽
ACE 阻害薬による咳嗽
胃食道逆流症
感染後咳嗽
百日咳
肺炎クラミジア
マイコプラズマ
非喘息性好酸球性気管支炎*
喉頭アレルギー
間質性肺炎, 肺線維症
心因性・習慣性咳嗽
気管・気管支の結核
気管・気管支の腫瘍
気道内異物
簡易診断は, 次の2つの診断基準を満
たすことによる。
①喘鳴を伴わない咳嗽が8週間 (3週間)
以 上 持 続 , 聴 診 上 も wheeze を 認 め
ない
②気管支拡張薬が有効
本症が疑われる場合には, 診察時に短
時間作用型β2刺激薬を吸入させて, 反
応をみることが有用である。
治療方針は基本的に喘息と同じである。
吸入ステロイド薬が第一選択薬で, 必
要に応じて長時間作用型β2 刺激薬や徐
*原著では湿性であるが, 乾性の方が多い
放性テオフィリンを併用する。 抗アレル
ギー薬, ロイコトリエン受容体拮抗薬も
感染後咳嗽, 百日咳, 肺炎クラミジア,
有効とされている。
マイコプラズマなどの感染症による遷延
Q8. アトピー咳嗽の臨床像, 診断, 治療は?
性咳嗽が抗菌薬投与によって軽快せず,
8週間以上持続する場合には漫然と抗菌
A8. のど (喉頭, 気管) の痒感 (イガイ
薬を継続すべきでない。
ガ感) を伴う乾性咳嗽を唯一の症状とす
Q6. 一般診療における診断は?
る。 のどに痰の引っ付き感を伴うことも
ある。 中年女性に多い。 咳嗽発作の時間
A6. 一般診療においては, 専門的な検査に
よる原因疾患の診断は困難なので, 頻度
帯は, 就寝時, 深夜から早朝, 起床時,
早朝の順に多い。 咳嗽の誘因として, 冷
の高い疾患, 治療法の特異性,
治療効果などを加味した治療
的診断に主体をおくとよい。
頻度の高い原因疾患の診断手
順および治療的診断のフロー
チャートを図1に示す。
Q7. 咳喘息の臨床像, 診断, 治
療は?
A7. 咳嗽は, 就寝時, 深夜ある
いは早朝に悪化することが多
い。 上気道炎, 冷気, 運動,
図1
高頻度の遷延性・慢性咳嗽の診断手順および治療的
診断 (ガイドラインより改変)
19
気, 暖気, 会話, 電話, 受動喫煙, 運動,
③アトピー素因を示唆する所見または誘
発喀痰中の好酸球増加を認める
香水などが多い。
喘息以外のアトピー疾患の既往歴や合
④ヒスタミンH1受容体拮抗薬または/
併, あるいは家族歴を高頻度に認める。
およびステロイド薬にて咳嗽発作が
気管支拡張薬による気道可逆性は健常者
消失
と同程度である。 咳喘息と異なり, 気管
治療方針は, ヒスタミンH1受容体拮
支平滑筋トーヌスは正常で, 気道過敏性
抗薬に吸入ステロイド薬の併用である。
の亢進は認めない。 咳受容体感受性が亢
進している。
今回は, その他の疾患については紙数の関
簡易診断は, 次の4項目をすべて満た
係で省略する。 咳嗽などのかぜ症状が数週間
すことによる。
以上も続く場合には, 肺癌, 肺結核などの重
①喘鳴や呼吸困難を伴わない乾性咳嗽が
篤な疾患の鑑別診断を怠らないことも必須で
8週間 (3週間) 以上持続
ある。
②気管支拡張薬が無効
平成18年度結核予防技術者地区別講習会ご案内
結核予防事業に従事している技術者に対して, 結核対策に必要な最近の知識と学問の進
歩に即応した技術の取得と向上を図ることを目的とした標記講習会が, 本年度は京都府
(当番県) で下記のとおり開催されることになりましたのでご案内いたします。 多数ご参
加ください。
開 催 日
平成18年7月13日(木)・7月14日(金) 9:30∼16:00
場
京都テルサ
所
ホール他
講 習 会 「結核対策の基本と低蔓延国の結核対策」
(財)結核予防会結核研究所会長
青木
正和 氏
「多剤耐性結核の予防と対応」
(財)結核予防会結核研究所支援対策部医学科
御手洗
聡
受講対象
(1) 都道府県, 政令市, 市町村の保健所, 結核予防会に勤務する医師,
診療放射線技師, 保健師・看護師
(2) 結核診査協議会委員および指定医療機関に勤務する医師・看護師
(3) 開催地において特に参加を認める医師, 診療放射線技師, 保健師・看護師
(4) 集団検診を行っている委託医療機関に勤務する医師, 診療放射線技師,
保健師・看護師
問い合わせ先
京都府保健福祉部健康対策室
感染症担当
(TEL 075−414−4734, FAX 075−431−3970)
氏
日
常
診
療
の
た
め
の
専
門
外
講
座
Q
&
A
20
京都市基本健康診査について
1. 京都市基本健康診査における生活機能低下の判定について
本年4月から京都市基本健康診査で実施されている生活機能低下の判定は, 基本チェックリ
ストをもとに以下の①∼④ (①うつ予防・支援関係の項目を除く№1∼20項目のうち12項目以
上該当する方, ②運動器の機能向上№6∼10の5項目全て該当する方, ③栄養改善№11∼12の
2項目全て該当する方 (No.12の BMI は, 18.5未満), ④口腔機能の向上№13∼15の3項目全て
該当する方) のいずれかに該当する方を 「生活機能の低下を認める」 と判定します。 該当する
かどうかは 「はい」 をカウントするのではなく, 「はい」 「いいえ」 の頭に付けられた 「0」 ま
たは 「1」 の番号の 「1」 をカウントすることになります。 カウントにあたっては, 先般, 京
都市基本健康診査協力医療機関に送付した基本チェックリスト (基本健康診査用) 判定表をご
活用ください。 受診者の基本チェックリストを判定表に挟むことで, 生活機能低下の判定で該
当する項目<下表 「はい」 「いいえ」 の空欄部分が該当>を判別しやすくしています。
21
2. 京都市基本健康診査 (個別方式) の請求単価について
本年4月より実施されている京都市基本健康診査 (個別方式) の請求単価は, 以下のとおり
ですので, ご注意ください。 (京都医報4月15日号付録に掲載)
【診査料 (請求単価)】
個別A (全項目)
自己負担金 (500円) を徴収した場合 ‥‥‥‥‥ 64歳まで
10,395円
65歳以上
10,540円
自己負担金が無料の場合 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 64歳まで
10,895円
65歳以上
11,040円
自己負担金 (500円) を徴収した場合 ‥‥‥‥‥ 64歳まで
9,639円
65歳以上
9,784円
自己負担金が無料の場合 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 64歳まで
10,139円
65歳以上
10,284円
個別B (眼底検査以外の全項目)
※診査料は消費税込みの金額です。
3. 請求書について
本年4月より, 国保連合会へ提出する請求書は, 変更となりました。 請求書原本は, 京都医
報4月15日号に同封しておりますので, コピーしてお使いください。 (原本は, 府医窓口でも
お渡ししております)
4. Q&A
質
問
回
答
Q1 65歳以上の区別は, 年度か年内か?
A1 65歳以上および当該受診年内 (12
月末まで) に65歳になる方が対象と
なる。
Q2 生活機能低下の判定をおこなうた
めの 「該当する項目」 とは, 回答で
「はい」 に記入されている項目のこ
とか。
A2 回答の 「はい」 ではなく, 回答の
「1.」 に記入がある場合に 「該当す
る項目」 になる。
Q3 基本チェックリストの 「地域包括
支援センターへの情報提供同意欄」
に記入が無い場合や受診者が同意し
ない場合はどうなるか?
A3 情報提供同意欄に記入がない場合
は, 「情報提供に同意しない」 と判
断され, 京都市から地域包括支援セ
ンターへ情報提供されない。
Q4 基本チェックリストの実施医療機
関用 (控え) は無いのか?
A4 実施医療機関は, 基本チェックリ
ストの医師会用 (3) を保管する。
必要に応じて, コピーを地区医師会
へも提出する。
22
特
集
特
集
平
平成
成1177年
年度
度 「「会
会員
員意
意見
見調
調査
査」」 か
から
ら
今回は学術関係から 「生涯教育」, 情報関係から 「電子カルテ」 を取り上
げました。
PART.3
生涯教育について
設問: 医師免許更新の必要性
(図
1) は, 「思う」 が31.5%, 「思わない」
が51.3%と, 「思わない」 が全体の過半
数を占めた。 会員区分毎 (図2) では,
A・D会員は 「思う」 (27.5%), 「思わ
ない」 (53.0%) であったが, B・C会
員は 「思う」 (40.9%), 「思わない」
(47.3%) と, B・C会員ではA・D会
員に比べて 「思う」 の割合が多くなっ
図1
医師免許更新の必要性①
ている。
図2
医師免許更新の必要性②
設問: 望ましい医師免許更新
の方式
(図3) では, 「日本医
学会傘下の学会の認定制度を基
にする」 (46.7%) が最も多く,
次いで 「日医生涯教育制度単位
を基にする」 (34.1%), 「試験」
(29.1%) であった。 試験など新
たな制度を設けるよりも, 現在
の学会の認定医制度や日医生涯
教育制度を充実させるべきであ
るとの考えが多い。
図3
医師免許更新の方式 (複数回答)
23
特
設問: 講演会のメーカー
との共催
集
(図4) について
は, 「テーマなどの決定を医
師会主導で行っていれば問
題ない」 の回答が51.6%で過
半数であった。 「費用などの
点から現状ではやむを得な
い」 が31.2%, 「メーカーと
の共催はやめるべきである」
は11.1%となった。 多くが現
図4
講演会のメーカーとの共催
状のままメーカーの協力を
得ながら, 実施するべきとの考えである。
PART.4
電子カルテについて
設問: 電子カルテの導入
状況
(図5) は, 前回 (平
成13年) は, 「既に導入して
いる」 が1.5%であったが,
今回は9.4%と増加している。
特にB・C会員は, 1.2%か
ら15.9%と大きく増加してお
り, 病院での電子カルテの
導入が進んでいると考えら
れる。 一方, 「導入するつも
りはない」 も増加しており,
図5
電子カルテの導入状況
主な理由としては (図6),
「現段階では導入する意味が
ない」 が28.9%と最も多く,
次いで 「入力作業などの労
力が増える」 (28.5%), 「導
入費用やランニングコスト
の問題」 (18.9%) となった。
また自由意見では, 「入力に
気を取られて患者との対話
がおろそかになる」 「面接し
ながらコンピューターに向
図6
電子カルテを導入しない理由
かい合えない」 といった意
見があり, 患者とのコミュニケーション不足への恐れもあるようである。
24
情
報
企
画
レ
ポ
ー
ト
!
"#$%&'()*+,
-./01234
56
78
日本医師会, 京都府医師会ではそれぞれ会員への速やかな情報伝達を目的として, 登録され
た先生方のもとにメールマガジン (インターネットのメールを使用した情報誌) を発信してい
ます。 会員の先生方にはまだまだその受信方法等をご存知でない方が多数おられるとのことで
すので, 今回この方法につき解説いたします。
日医メールマガジン 「白クマ通信」 の登録について
①まず日医ホームページにアクセスする必要があります。 インターネットのアドレス欄に
http://www.med.or.jp と半角英数字で入力し
キーを押してください。
②日医の一般向けのホームページが開きます。 このページの最上段の右端に 「メンバーズルー
ム」 というアイコンがありますのでこれをクリックします。
③以下のようなユーザー名, パスワードを入力する小窓が開きますので, 入力します。
25
ここは先生方の日医雑誌の送本番号 (定期刊行物送付番号) となります。 先生方のもとに
日医から日医ニュース, 日本医師会雑誌などが送られてきていると思いますが, この郵便シー
ルの右側下段に10桁の一連数字が記載されています。 この10桁数字をユーザー名の項目に半
角英数字で入力してください。
これは先生方の生年月日の6桁数字となります。 たとえば生年月日が1999年1月1日の場
合は西暦下2桁と月日4桁で990101となります。 この数字をパスワードの項目に半角英数字
で入力してください。 入力される際には入力項目には*マークとなりますので入力の際に間
違えないようご注意ください。
以上を入力してその下にある 「パスワードを記憶する」 の前にある □ に □ をいれておき
ます。 こうしておくことで次回アクセス時にはこの小窓が開いても
キーを押すだけでユー
ザー名やパスワードの再入力なしで次のステップに進むことができます。
すべて入力操作が終わりましたら
キ―を押してください。 会員向けページに入ること
ができるようになります。
④開いた会員向けページの左枠の中に 「白クマ通信申込み」 というアイコンがありますのでこ
れをクリックします。 開いたページが 「日医白クマ通信」 の登録画面となりますので, 説明
に従い登録してください。 最後に一番下の 「送信」 をクリックすれば登録は完了です。
以後, 先生方のメールアドレスに日医から各種の白クマ通信が送られてくるようになりま
す。 特に先日の診療報酬改定情報のような場合, 最も早い情報を受け取ることが可能となり
ます。
情
報
企
画
レ
ポ
ー
ト
26
情
報
企
画
レ
ポ
ー
ト
府医メールマガジン 「府医通信」 の登録について
「府医通信」 の登録にはIDとパスワードが必要です。 配信を希望される先生は事前に府医
事務局:学術広報課までご連絡いただきIDとパスワードを取得していただくようお願いいた
します。
日医ホームページへのアクセスの際と同様の手順でアドレス欄に http://www.kyoto.med.or.jp
と半角英数字で入力し
キーを押してください。
開いた最初のページの下方右に 「府医通信」 というアイコンがありますのでこれをクリック
します。
日医の場合と同じようにユーザー名とパスワードを入力する小窓が開きますので, 取得され
たユーザー名とパスワードを半角英数字で入力し 「パスワードを記憶する」 の前の □ に □ を
入れておき,
キーを押します。
メールマガジン登録ページが開きますので地区医師会選択, お名前, メールアドレスを記入
され最下段の 「登録する」 をクリックして完了です。
以後, 府医から原則週1回のメールマガジンが送信されるようになります。
なお, 現在, 府医FAX情報を受信されておられる先生におかれましては, 内容が重
なりますのでFAX情報中断の旨, 府医事務局:学術広報課までお届けいただくよう
お願いいたします。
27
府医ホームページ 「会員専用ページ」 へのアクセスについて
以上のメールマガジン登録をされたことで同時に府医ホームページの会員向けページも閲覧
できるようになります。 「府医通信」 の上部の 「会員の皆様へ」 のアイコンをクリックすると,
会員専用ページが開きます。
中央のアイコン 「会員の方はこちら」 をクリックすることでそのページが活動化されて閲覧
可能となります。
今回ここに 「会員コミュニティ (掲示板)」 ができあがりました。 ここには先生方のご意見,
ご要望, お考えを掲載していただくことができます。 また, 診療報酬改定情報や京都医報付録
「保険だより」 の全文がPDFで閲覧できるようになっていますので, 是非ご利用ください。
○ ● ○
レセプト提出時の路上駐車について
● ○ ●
国保連合会へのレセプト提出時に, 市営駐車場が空車状態であったにもかかわらず, 烏
丸通沿い (COCON KARASUMA 前) に複数の自動車が路上駐車されているとの通告があ
りました。
路上駐車は, 幹線道路等の交通渋滞を悪化させるだけでなく, 駐車車両への衝突事故や
駐車車両の陰からの飛び出し事故などの原因にもなっています。 さらに6月から駐車違反
の取り締まりが厳格化されております。 とりわけ, 烏丸通 (御池通交差点∼五条通交差点
間) は取り締まり重点路線に, 烏丸通のビジネス街周辺は重点地域とされております。
また, こうした駐車違反が繰り返されますと, 月初に集中していることで医療機関によ
るレセプト提出時のものであることが市民の眼に明らかになると考えられます。 医師会と
しては好ましいことではありません。 会員各位におかれましてはくれぐれも法を遵守いた
だきたく存じます。
情
報
企
画
レ
ポ
ー
ト
28
学
校
保
健
ニ
ュ
ー
ス
学校保健ニュース
定期健康診断における結核健康診断について
文部科学省が平成15年度に発行した 「定期健康診断における結核健診マニュアル」 の中で,
外国での居住歴については, WHOの示す高まん延国に基づき, 検討の要する該当国が示され
ておりますが, 今般, 各国の最新の結核の状況にかんがみ下記のとおり該当国が変更されまし
たのでお知らせいたします。
記
アフガニスタン・イスラム共和国, インド, インドネシア共和国, ウガンダ共和国,
エチオピア連邦民主共和国, カンボジア王国, ケニア共和国, コンゴ民主共和国,
ジンバブエ共和国, タイ王国, タンザニア連合共和国, 中華人民共和国,
ナイジェリア連邦共和国, パキスタン・イスラム共和国, バングラデシュ人民共和国,
フィリピン共和国, ブラジル共和国, ベトナム社会主義共和国, 南アフリカ共和国,
ミャンマー連邦, モザンビーク共和国, ロシア連邦
(下線は変更国)
新
刊
紹
介
アスベスト
改正
石綿の労災認定のしくみ
アスベストに関する相談窓口一覧つき
石綿に関する改正・労災認定基準を
わかりやすく解説しました
定価
体裁
発行
700円 (税込)
A4版・オールカラー・68頁
RIC 財団法人労災保険情報センター
本書の特色
石綿に対する疑問や労災認定の方法などについて詳細に
解説するとともに, 石綿関連業務, 石綿による健康障害や労災補償制度, 改正された
新労災認定基準の 「石綿による疾病の認定基準」 がわかりやすく説明されています。
また, 巻末資料では, 相談内容別に, 便利な相談窓口一覧が紹介されています。
※お問い合わせは, (財)労災保険情報センター (RIC) 京都事務所 (TEL:075−211−
3261) までご連絡ください。
29
ジェネリック医薬品に関わる緊急調査にご協力を
先生方もご存知のとおり, 厚労省はジェ
ネリック医薬品 (後発医薬品) の使用促
進のために, 先発医薬品に対してジェネ
リック医薬品の代替処方を推奨していま
すが, 実際の臨床現場では必ずしもジェ
ネリック医薬品に対する信頼性が確立さ
れているとは言えません。
今回, 日本医師会ではホームページ上
で 「ジェネリック医薬品に関わる緊急調
査」 を実施し, 会員の先生方からのご意
見を収集しています。 先生方のご意見を
直接日医に送ることができますので, ぜ
ひご意見をお寄せください。
日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
30
京医発第243号
平成18年5月13日
選挙人
各位
京都府医師会長
森
洋一
地区選挙管理委員・予備選挙管理委員について (公示)
標記委員につきましては, 任期満了に伴い, 京都府医師会選挙管理規定第10条第3項により各地区医
師会に推薦を求めたところ, 次のとおり推薦がありました。 このたび府医選挙管理委員会の承認を得ま
したので, 同条第4項により公示します。
なお, 任期は平成20年3月31日までです。
地区選管委員・予備選管委員名簿
(任期:平成18年4月1日∼平成20年3月31日)
地
区
定数
委員長
予備委員①
予備委員②
予備委員③
曄
竹中
貞信
遠藤
裕
北村
浩一
小森
泰
井出
邦秀
椿
恒雄
堀江
順子
千原
恵子
中村
政弥
上田
倫子
石井
康江
3
荒井
龍也
野田
春夫
垣田さち子
前田
義春
蘆原久美子
松室
克義
中京東部
3
小笠原孟史
畑山
博
辻
輝之
新屋
久幸
辻
泉
高橋
義公
中京西部
3
野見山世司
辻
賢二
生田
篤也
服部
諄
佐藤
達之
内藤
恒克
下京東部
3
垣田
時雄
中村
悟史
和田
哲
三船
哲郎
朴
錫勇
井上喜美子
下京西部
3
島岡
昌幸
清水
忠雄
広沢
啓三
児嶋
貴久
檜垣
要
瀧上
雅博
北
3
富岡
上京東部
3
西
陣
委
員
委
員
左
京
3
八田
一郎
木戸
晉
高橋
俊三
磯辺貴代子
浦出
晃則
松岡
秀樹
右
京
3
太田
正治
花房
信哉
柏木
政哉
玉置
公一
宮下
善行
米林
功二
西
京
3
岡本
隆
植松
寿樹
山口
登
吉田
孝
末廣
進
吉岡
博
東
山
3
落合
正和
堀内
徹郎
和田
成雄
並河英津子
今井
英彦
黄原
誠一
山
科
3
宮田
健
佐々木輝雄
神崎
光也
杉本
庸正
瀬戸
治
高須
雅史
伏
見
3
浅山
孝彦
藤井
正博
中部
普行
落合
公朗
末木
守
弘田
直三
乙
訓
3
鈴木
博雄
土井
正樹
赤井
秀幸
中元
康彦
鈴木
幸園
高畑
龍一
3
大嶋正二郎
三藤
哲史
中村
堯
小田部榮助
竹中
正純
栗山
政憲
稔
池内
昭博
伊佐治友子
宇治久世
綴
喜
3
川浪
進
森岡
稔勝
山口
勝造
茨木
和博
池崎
相
楽
3
藤川
正代
飯田
泰子
長井
隆夫
西城
建志
古川
裕
亀
岡
3
柊木
雅晴
調
早苗
吉岡
克己
吉田
幸夫
小柴
寿弥
船
井
2
吉田
隆夫
藤岡
嗣朗
−
山田
智裕
玄野
昌実
綾
部
1
畑
芳樹
−
大久保茂樹
福知山
3
塩見
芳朗
吉河
正人
足立
勝也
大八木康夫
松本
任司
前田
憲男
舞
鶴
3
本河
一郎
隅山
充樹
曽我
哲司
大橋
正一
石川
千秋
西村
修一
与
謝
2
中川
長雄
岡所
明良
−
伊藤
邦彦
西原
寛
北
丹
1
宮地
吉弘
−
金森
達志
京
大
3
藤井
信吾
坂井
義治
平出
敦
府医大
3
萩原
明郎
細川
豊史
中村
直登
−
−
西垣
逸郎
−
−
−
−
−
−
山田祐一郎
長井
苑子
松森
昭
北脇
橋本
悟
中嶋
啓雄
城
平成18年5月
地
域
医療界を巡る動き
医
療
関
係
5. 8 メタボリックシンドロームの有病者
数が約940万人と推定− 「2004国民健康・
栄養調査結果の概要」
医
療
保
険
関
係
5. 8 レセプトデータの変換ソフト 「レセ
スタ」 を無料公開−厚労省
5. 8 医 療 制 度 改 革 法 案 に つ い て 福 島 ・
福岡両市で公聴会を開催−衆院厚労
委員会
一
般
情
勢
5. 9 「社会保障の在り方に関する懇談会」
がたたき台まとめる
5. 12 がん患者の治療選択を支援−与党,
がん対策法の要綱まとめる
5. 17 医療制度改革関連法案を強行採決−
衆院厚労委員会
5. 19 単抗原ワクチン接種者のMRワクチ
ン接種を認める−厚労省が安全確認
5. 23 療養病床再編で 「地域ケア整備指針」
を策定の方針−川崎厚労相
5. 23 日医 「子ども支援日本医師会宣言」 −
具体的な子育て支援策盛り込む
5. 26 2008年度から保険者に義務づける健
診・保健指導で健診結果の判定基準ま
とめる−厚労省・分科会
5. 18 医療制度改革関連法案が衆院本会議
で可決
5. 19 診療報酬改定の影響で中小病院の二
極化が進む−四病協が緊急アンケート
5. 22 野党欠席のまま医療制度改革関連法
案が審議入り−参院厚労委
5. 23 ジェネリック医薬品で緊急調査を実
施−日医
5. 24 ニコチンパッチを保険収載
5. 26 医療制度改革等の効果で2025年度に
21兆円の削減見込む−社会保障給付費
の将来見通しで厚労省
5. 17
保険免責制や介護保険の自己負担
増も−財政審, 建議取りまとめに向
け議論
5. 22
「財政・経済一体改革会議」 初会合
5. 26 「社会保障の在り方に関する懇談会」
が最終報告書
5. 28
近畿医師会連合定時委員総会−奈
良県
5. 31 「骨太の方針2006」 に向けた議論開始−
経済財政諮問会議
31
医
療
界
を
巡
る
動
き
32
争いあった。 結果は, 2勝1分の相楽・右京・
下東連合チーム (山村, 岡村, 小山田, 玉置,
第54回府医地区対抗
テニス大会
平杉(J), 林, 冨井, 中田) が優勝した。 準
優勝は2勝1敗の西京・宇治久世・亀岡・伏
見連合チームであった。 3位は伏見単独チー
ム, 4位は乙訓・北・東山・左京・下西連合
第54回の京都府医師会地区対抗テニス大会
チームであった。
が平成18年5月21日(日) 向島西コートにお
昼食をはさんでの大会は大変な熱戦の連続
いて開催された。 久しぶりの五月晴れに恵ま
で気持の良い汗をかき, 参加者全員テニスを
れ, 府下全域から33名の参加者で盛大なテニ
楽しむことができた。 なお, 団体戦後は個人
ス大会となった。
戦ダブルス試合が行われた。 女性ダブルス戦,
伏見医師会チーム, 西京・宇治久世・亀岡・
男性A組ダブルス戦, 男性B組ダブルス戦の
伏見連合チーム, 相楽・右京・下東連合チー
種目でリーグ戦形式でテニスを楽しんだ。 参
ム, 乙訓・北・東山・左京・下西連合チーム
加賞, 副賞品を手にして全員大いに満足した
の4チームのリーグ戦である。 各チーム8名
1日であった。
(平杉嘉昭
記)
(4ペアー) の団体ダブルス戦形式で勝敗を
第32回京都医学会の演題募集について 本年度の京都医学会は9月24日(日) に開催いたします。 京都医報5月15日号付録の演
題募集をご覧の上, 口演演題・ポスターサロン・ビデオ発表に積極的なご応募をお願いい
たします。 なお, 当日発表の演題を論文にまとめて 「京都医学会雑誌」 にご投稿いただき
ますと, 京都府医師会学術賞の対象論文となります。 他に勤務医の方には京都府医師会勤
務医部会学術奨励賞を設けておりますので是非ご応募ください。
36
理
事
会
だ
よ
り
第6回定例理事会 (5.18)
【報
告】
1. 第3回会費検討特別小委員会の状況
2. 第2回府医新旧合同選挙管理委員会の
状況
3. 平成18年度第1回京都市国保運営協議
会の状況
4. 産業医研修会の状況
5. 5月度地域医療担当部会の状況
6. 平成18年度京都市地域リハビリテーショ
ン協議会常任委員会の状況
7. 平成18年度京都市地域リハビリテーショ
ン協議会総会の状況
8. 府医学術講演会の状況
9. 福島県における産婦人科医逮捕問題に
ついて
10. 京都市・乙訓メディカルコントロール
協議会の状況
11. 平成18年度近医連委員総会決議案につ
いて
【議
事】
12. 会員の入会・異動・退会52件を可決
13. 事務職員の本採用を可決
14. 新規個別指導の開催を可決
15. 在宅および療養病棟診療報酬説明会の
開催を可決
16. 乳幼児保健委員会委員の委嘱と第1回
委員会の開催を可決
17. 京都市保育所嘱託医連絡協議会並びに
市営・民営保育所嘱託医研修会の開催を
可決
18. シックハウス症候群に関する 「シック
ハウス公開講座 (Ⅵ)」 への後援を可決
19. 「北部クリーンセンター周辺住民健康
調査」 に関する京都市との委託契約を
可決
20. 感染症対策委員会委員の委嘱と第1回
委員会の開催を可決
21. 「運動器の10年」 日本委員会:学校に
おける運動器検診体制の整備・充実モデ
ル事業, 平成18年度第1回研究協議会・
学校保健委員会合同会議への出席を可決
22. 学校保健委員会の委員委嘱と第1回委
員会の開催を可決
23. 糖尿病対策推進講習会の開催を可決
24. 市民公開講座 「C型肝炎∼その最新治
療を学ぶ」 への後援を可決
25. 救急委員会委員の委嘱と第1回委員会
の開催を可決
26. ACLS研修会の共催を可決
27. 地区医師会への生涯教育事業助成金お
よび遠隔地学術奨励金の支払いを可決
28. 学術・生涯教育委員会委員の委嘱並び
に第1回委員会の開催を可決
29. 日医生涯教育講座 (3単位) の認定を
可決
30. 平成18年度国体選手を中心としたアン
チ・ドーピング教育・啓発事業 「アンチ・
ドーピング講習会」 への後援を可決
31. 平成18年度京都府スポーツ指導者講習
会への後援を可決
32. 平成18年度第1回都道府県医師会長協
議会への出席を可決
第7回定例理事会 (5.25)
【報
告】
1. 会員の逝去について
2. 各専門医会長会議の状況
3. 国保合審の状況
4. 基金合審の状況
5. 産業医研修会の状況
37
6. 平成18年度産業保健推進センター所長
会議の状況
7. 京都府介護サービス事業者等集団指導
の状況
8. 第1回子宮がん検診委員会の状況
9. 京都市HIV感染症対策協議会の状況
10. 第1回救急委員会の状況
11. 第33回くらしと健康展第1回実行委員
会の状況
12. 第54回地区対抗テニス大会の状況
13. 5月度協会医賠処理室会提出件数
14. 府医学術講演会の状況
15. 日医役員就任披露パーティの状況
【議
事】
16. 会員の入会・異動・退会23件を可決
17. 常任委員会の開催を可決
18. 17年度消費税の支払いを可決
19. 地区医師会との懇談会の開催を可決
20. 京都府社会保険診療報酬支払基金審査
委員会委員の推薦を可決
21. 京都難病団体連絡協議会からの講師派
遣を可決
22. 労災保険指定医療機関の指定申請を
可決
23. 社会福祉法人京都府社会福祉協議会地
域福祉権利擁護事業契約締結審査会委員
の推薦替を可決
24. 社会福祉法人京都府社会福祉協議会福
祉サービス運営適正化委員会委員の推薦
変更を可決
25. 京都府高齢者サービス総合調整推進会
議委員の推薦変更を可決
26. 京都府介護保険審査会委員の推薦替え
を可決
27. NPO京都禁煙推進研究会顧問への就
任を可決
28. 平成18年度京都府学校保健会役員の推
薦を可決
29. 京都市肺がん検診読影委員会委員の推
薦を可決
30. 第15回てんかん医学連続講座の後援を
可決
31. 乳がん検診委員会委員の委嘱と第1回
委員会の開催を可決
32. 地区乳がん検診担当者連絡会の開催を
可決
33. 京都禁煙推進研究会のNPO京都禁煙
推進研究会移行に伴う登録変更並びに府
医看護学校の正会員 (団体) 加入を可決
34. 府医学術講演会の開催を可決
35. 学術講演会の開催並びに 「日本内科学
会認定内科専門医資格更新講座」 の申請
を可決
36. 平成18年度スポーツドクター招聘事業
に係る特別講師の推薦を可決
37. 各種剣道大会等へのスポーツドクター
の派遣を可決
38. 平成18年度京都府ナースセンター運営
会議への出席を可決
39. 看護専門学校非常勤講師の退職および
退職慰労金の支給を可決
40. 看護専門学校火災保険の契約を可決
41. 京都府医療推進協議会第6回代表者会
議の開催 (出席) を可決
∼ 7月度請求書 (6月診療分)
10日 (月) 午後5時まで
△
△
基金
労災
提
出
期
限 ∼
12日 (水) 午後5時まで
*医保分点検=7日
△
国保
10日 (月) 午後5時まで
*国保分点検=7日
☆提出期限にかかわらず, お早目にご提出
ください。
理
事
会
だ
よ
り
Fly UP