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TASTEと欲望のイコノロジ… (ー)
論 説 TASTEと欲望のイコノロジー （i〉 一ヘン夢一・ジェイムズの匿ポイントン邸の蒐集晶垂を読む一 辻 みどり 鐸 次 蔓 浮 嚢 フィジスティニズム； 撹醤されるモナのイメージ i． 中産踏級とゼ文化的贈綴舞争」 2． 溝費桂会、テクノロジー、欲望 （以上、本号〉 璽 TAST狂と欲望1 撹甥されるゲレス夫人のイメージ i． コレクションを讀む 2． TAS璽撃茎1と掠奪 轡 TAST￡と倫選； フ墾一ダの行動 i． 察らの嚢毒贔畳二と露量撫欝重 2． 精神的翫有と論礫 v 績び 1 序 『ポイントン邸の蒐集晶遷（伽鋤漉s4P伽藍醗，i8留、以下酷して蓼ぷ イントン茎と表記する〉は、ギ古いもの」（‘丁盤eO継丁短簸霧s今というタイ｝・ノレで 疹アトランティック・マンス夢一違誌（翫護ぬ露廊1羅醗魏願A騨董トOcto漉ち 鰺§61に連載された後、現在のタイトルで鐵版された。俸晶の麟礁遍程につい ての記録は、著者ヘン夢一・ジェイムズ（琶e懸y Ja搬es；i843−igi6〉の麟作メ モを編集した疹麟作ノー霞（翫Co辮夕編8論オ6加罐s磨飽舞拶海窺εslに数露 一嘆6一 TAST盆と欲望のイコノロジー 1蓉 （辻 みど鯵〉 にわたって（盤93年12肩鍛韓∼i896年3舞離婁）誕載されている。この記録か ら、素材やイマジネーションの展麗を追鋳することができる。礁轟の素材はi893 年盤月2超付のメモに記されているレイディ嘩ンゼイ（捻dy簸麟saの主縫の 饒餐会の鷹で聞かされた達産鵜続にまつわる訴訟翼題のエピソードだっだ玉）。 スコットランドのある地主が亡くなった後、，愚子が結婚して邸宅に住むため、 未亡人である母蔑は、寡婦分与財産として残された窮宅｛40w鍍趨。総elに移住 することになった。結婚後邸宅を訪れた愚子は、邸内から美術品がごっそ鯵と 持ち去られているのを発見し返藁を求めた．母幾は、夫の生前一緒に集めた葵 衛品のコレクシ葺ンの翫有権を主張し、愚子を告発し、ついには、馨子が葬摘鐵 子であることを暴露して§分の誘有権を至当化しようとしたというエピソード である。 このスキャンダラスな絶交雰のエピソードを、ヴィクトリア朝薬鑵の歓会鱗 度の文賑の中に位置付けてみる．英羅の大地主は不動産・称号等の男系長子櫨 続鰹度IPr翻。墓e醸雛elを支えるために「厳格継承財産設定員Strlc歯髄継e搬e鑓t； 「家族継承財産設定」伊＆酸茎y Sε戯e類e簸tlの厳賂な形態のもの〉によ疹、次男・ 三男や女子への匿給付金墨（Po搬。麟を設定した。この設建は長男の婚鑓時に 取り決めることが多く、「婚鰹継承財産設定諜（M簾r重agεSe継e盤e鼓tlとをまぼ 講義とみなされる。その際、花嫁の持参金額を基礎にr寡婦給付」（Jo皇鍍礎elも 設定された。そもそも縷習法ICo難憩。資駿wlでは、亡夫の資産の三分の一が 多寡嬬産謹に認められていたが、土地を分割させないために、境金で年金を給 付する鰹度（持参金の鎗％程度）が普及したという、上記のエピソードでは懸 宅を与えられている。rポイントン垂の修品中でも、エピソード購様、亡夫が 邸宅とその中身すべてを一体の貴重物件として、懸子に譲渡し、未亡人には給付 金と瀦宅を残したことになっている．従って開題は、生計がたてられるかどう かではなく、愛着ある美徳品の翫有権垂こ焦点が絞られ・ることがわかる。雛習法 によれば、慶婚女性（艶溢eco慧vεrtlは夫と一体と箆微され、その資産も土地 の辮有権を除いてすべて夫の資産に駿鞍されるところを、有産罎綴の女性だけ、 一4？一 行政鮭会論集 第7巻 第i号 上鑓のr婚麺継承財産設定諜で救われていたのだが、露簿、鰺82年のr號婚女 性資産法3（殖arr墨ed Wo搬eざs Pro登er童yl鰯定により、襲婚女鑑が自分の資鐘 を保持できるようになっていた蘭。作品中では息子嚇母親に、嚢分の蔽有勃と わかるものは持ち濃していいと告げるが、母親の方でどこまでが欝分のものと 境界が誘けないから籍馬持ち餓せないと嘆く設定になっている． 法麟度は大地主の男系幾子櫓続講度を支えることによって土地漸有に結びつ いた政治・経済・祇会秩序の保全（物質的な綴藩〉のために機能し、その陰で 未亡人の家庭への獣身や家財道具への愛藩、人生への思い患（精神的な綴懸） は燐鯵捨てられる。鍵ってモノと人麗の関係についての優値観の櫓違が、法的 瞬有権VS．美術贔への愛着という靖立の購園を生み、それが息子V＄母親とい う、大閤縫係の蝿立のドラマに転化していることになる。ぎ麟修ノート遼の詫 遠1こよると、ジェイムズはこの舗度の葬椿ぶりに以前から縫心を寄せていたら しいゆ。しかしr運命に航する匪母霧紺の人聞溺係のドラマを（醜悪だが） 蒔白くする，慈子の鐵生の簡題は、蕪品イヒにあたって麟除されている・ その一方で匿麟搾ノー樽の配達をたどると、ジェイムズのイマジネーショ ンの焦点が、モノと人聞との麗係へとシフトしていった様子が窺える・『麟俸 ノート垂では、上筵のスキャンダルを記した産後に「誇蓼高く、美徳贔に難ず る知識と愛鋳、捻steを持つコレクターまの母親la置。磁轡。溢a焦．wl甑a懸ow一 至磁ea雌aδOrat懸・鉛rt量StlCもea磁y，t嚢et盆SteS，t短軸量tSO｛aCOlleCtOrl と、聡物根性の、tas麓のない、ぞっとする家に育った息子の妻ま（aw娩。雛 。｛a P麺茎lst豊麗，＆tasteless，a雇δeo囎盤。聡e／｛5）という羅性が発案されている のである．さらにその邸の壁や家具は義理の母親にとって苦麟の種になるよう なしろものとして幾舞されるという設定がされ、ジェイムズ嚢身がFoxWarre葺 という邸に滞姦してこの種の苦悩を味わった時に主題として思いついたとい う説瞬がされている。 平たく言えば睡殊人としてのプライドを蒋つ母親は、趣殊の悪い俗物の穂 嫁に、大事な美術品を渡したくない心蜷だが、法律一kの結婚をすれば花嫁は、 一塁8一 TAST狂と欲望のイコノ陰ジー （磐 （達 みど参〉 櫓続法によって夫に翫有権が移った美備品を入手する立場にあるので、母幾は 構としても結婚を難産したい」という籍書きである。未亡人となった母親の寡 婦産が大きくなれば花嫁の不潔1益善こつな潜るという点では、母親vs、息子の端 食への花嫁の縫与は容易に連想できる．だがジェイムズのイマジネーシ葺ンに よって新たに導入されたのは、法的漸有権とは異なる糖神的な要素である。そ れは、美術品にとって審美鰻を持つ人聞が藤有するほうがモノにとって幸せで あると考え、精神的後継者へ（できれば法的携有権の条件を整えて／相続させ ようとする考え方である。従って、類続人に権癒しい絵steの有無を穏続の条 件と考える母親vs．ねS艶潜無く搭物根性の花嫁、という隷立が新たに導入され たことになる。 この時点で、当初のエピソードが内包していた麟立の纏梅が鉱夫され、欝盤 紀英講縫会のパラダイムが繹晶盤騨に導入されたことになる。一方には、美術 品に帰する知識と愛椿、tasteを持つコレクターの母親がいる。ただしコレク ターの条件はtasteと灘薦を来し、モラルの潤題に麗麗する。モノと人の関係 は生活様式に展麗するが、tasteをキーワードとして審美的優纏が支醒する籍 神的逡界は、雄健紀英国のエスタブ夢ッシュメント屡の文建を反験している． もう一方にはt3steがなく、俗物根性（ぞ簸灘st搬麟の花嫁候補がいる．匿フィ夢 ステインま（本来の意はぺ肇シテ人／という言葉は、芸術に薄する蓬解がない という愚昧で定着しているが、欝欝年代アーノルド（鍵3t語ewAmol描が驚い た時には、拝金主義、機械文瞬崇拝という点で、中産購級を撹覇する言葉だっ た㈲。俸品中に瞬織の幾醤が読み取れる簸癬がある。さらに作品を先取修し て分衝すれば、花嫁候補の女性の暮常生活の揚写には、欝盤紀の中産講級の生 活様式と、その生活様式が縫み込まれている消費歓会の表象が散瞬まめられて いることを捲摘できる。彼女が欝撰す結婚は、登記漸での嬉嬢届提鐡や財産に ついての契約（嬉嬉継承財産設定／を意賺し、表馨での蝶式（スタイル〉や表 象の還罵・消費が生活の実鉢を形づくっている。 以上のように、導初舞親と息子の招続権をめぐる法廷ドラマだったエピソー 一49一 行激甚会譲葉 第7巻 第i畢 ドを、ジェイムズが母親と花嫁候補の鰐立に発展させたとき、披のイマジネー ションは、簿経紀の知識人が捲いていた審美的意識の譲点と、溝費縫会のヴィ ジ3ンを、落雛のエスタブ婆ッシュメント履と勢力を増す中産階綴との括枕に 緩み込んだと想定されるのである。従って奉論は、この雑品をt3steをめぐる 審美論争と、消費歓会におけるモノと人の聡係の変化と、ブルデュ一驚語の ギ文化的踏綴灘争費のパラダイムから、分梼していく試みである。 アグニューIJe3獅C盤r重s給擁eAg魏wlはi886年以降のジェイムズのフィク シ召ンの核心に軒満費のヴィジョン蓬が劾み込まれていると提起し、ジェイム ズ晩年のぎ黄金の盃蚕（7短Go羅醗β0鼠i鱒4〉では、審美も溝費のヴィジ召 ンの中に取鯵込まれている藻子を分析してみせた㈹。講説中の夢ストには総97 年に鐵版された匿ポイントン葺も置ねじの回転磨（丁勉翫魏摩漉ε＆鷲鰍鰺8§1 とともに名を翼ねるものの．この雨作品については分析もないまま「この時 期には、ジェイムズの消費のヴィジョンが脅かされて、小説の中に噴濃し、そ のヴィジョンの形式を、ヴィジョンのためのヴィジョンヘと追い込んで・そう することによって、彼の擁鱗された心選学的夢ア夢ズムを、一種の擁麟の無い 桂会学的シュール夢ア婆ズムに変えるほどになっていた≦謝と説瞬されている。 だがこの説弱は『ポイントン嚢に遍羅し得るだろうか．『ぷイントン遷には消 費のイメージを持つ品物の名が具体的に壁ストアップされ、しかもそれらすべ てが概霧の薄象となっている。具体的に籔像化されたヴィジョンはまとめて否 定される羅牲に懇み込まれ、tasteをとりまくイメージと繋置され・文化藤で の階級の差異を表象する役割を果たしているのである。ただし、そのねsteが 一方的に称揚されているわけではない。ねs艶の在吟方への撹覇約分轡形導入 される檎躍（後述する〉から読み取れる覇纈繰留は、ジェイムズの消費のヴィ ジョンがこの馨品では遍渡類にあ参、tasteに婦鬱するものとしての溝費のヴ ィジョンの位置響けに葛藤があることを示しているものと思われるのだ・ しかもその葛藤を示すために矯いられた作品中の溝籔が、『ポイントン垂を 一5毒心 TASTEと欲望のイコノロジー 鑓 （辻 みど疹〉 解殺しにくいものにしていると思われる．蓼ポイントン薄を対象とした先行醗 究を、技巧への注馨を示す系魂と、主題の分新を中心とした系灘とに大則すれ ぱ、麟巻のタイプとしては、小説技巧の極致であるとして修晶の魚驚董を絶賛 した饒（For6醗麟ox Forδ〉、麟作の手法を取吟入れ、資ovel o重篤a盤ersを芸 術的観点で再購築するために、沁盤，st喪を操聾し、後期三部蕪への第一歩を 踏みだした俸贔であると評癒した擁継磁餓毒など勝挙げられる。後者のタイ プとしては、女主人公のフ夢一ダ（裂磁a Vet盗；購産はないが審美鰻ゆえに 未亡人によって花嫁候補に猛立て上げられる．視点大効〉は薮ねじ窪の女家庭 教麟のζ狂気藤と五十歩百歩のゼ道徳的ヒステ夢一症重の患者であるとし、フ 夢一ダとモチ（鍵。懸翫1奮sto磁；息子が選んだ花嫁候補／とを、9GGδ娩ro錘es， 肱δ歴ro無εsの類型にあてはめて分観した鱗IYvorWl絨ersl、置醜虜達の溝緩 を浮かび上がらせ、物質懸緒神の薄箆に擁i象した擁（To轟yTa欝欝e蹄などが挙げ られる。ロッジ（Dav継し。6暮e）は先行麟究を女主人公評無のタイプによって分 類しつつも、作品の曖昧さが複数の解毅を許すという擁座を取り、審美的趣殊、 骨董品崇拝、緩婚と遵徳心等について様々な角度からの解験を複数、断片的 に塁：示するにとどま瞬、結露1作品の結末は「空虚ま（va搬ねs職錘ta綴搬〉、イ メージはヂためらっていることま（魏s重t雄搬癖と、総撰している〔職。 だが窟ッジは解毅の繰に、作品から講み取れる各要素を講じ蛇重で擾ってお 移、擁点描写がもたらす携鵯のベクトルや、さらに、椀、転の人勃が途中から替 わることによって作品を統一する原理まに混蔑が生じることへの霞醍りが欠 けている。舞えば撹点火勅がAからBに替わると瞬時に、擁点火勅Aは観点 人物Bの梶野に納ま瞬被写体となる。B解Aを撹朝し始めると、揚写されてい る作品の轡葬の懸纏基準が羅叛してしまう。AとBが罐じ蝿象を掻写すると、 函煮の懸鑓観が蜷立しているように見えて混蔑する・さらに本来なら、一窮は 後から複点火勃となるBの極値観のなかに鞍敬するはずだが．Bに携点の人物 として讒者が警己投入することをためらうような設定上の疑翼がある場合、作 品の統一原遷が見失われてしまう・これを『ポイントン書の文賑に戻せば以下 一5i一 行政緩会譲葉第7巻第至暑 のようになる。俸熱は蟹頚、ゲレス夫人《M器Gere犠1の観点に基づくモナ幾 判の掻写で始まるぶ、難産にフ夢一ダが羅謁するため、ゲレス夫人の懸絶観が 作贔全体の基調をなすように見える．ところが、途中からフジーダの軌道修蓋 した観点に基づき、ゲレス夫人への鏡舞を含む新たな鑑写が展離するので極値 観撚混蔑する．ここで響1籔保留を邉られることになる。さらにフ夢一ダは幾利 しつづ酵た挙げ句、結婚も莫大な財産も遷すので、今度は撹覇の亙当性が疑鷺 槻される。ロッジは倫遅感を訴えたはずのフ夢一ダが聞違っているのか・それ とも、結婚も難産も逸すことに素晴らしい意義溝隠されていたのだろうかと考 えあぐねて、罫空虚謹と意味づける。ウィンターズがギこの小説には道徳の悲 麟的醗利（つま鯵、綾女が熟慮の宋に犠牲的行為をなして自らの魂を救済する〉 もないし、悲麟的な数詫（つまり破女が誤った選採を行いその結果を甘受する〉 もない∫ので彼女の経験はゼ病的まで罫普通人の理解をこえたもの」と擬醤す るのも、この点である｛n》。先に挙げた；醗点鑑写の基準の屈翫が｛乍晶の原理を 一貫させることへの覇簸保留とするなら、観点人勃の位置付けの曖妹さは、讒 者の判断保留を促すことになり、作品には二重に判簸保留のヴェールがかかる ことになる．しかし、覇蟹を要求される論点は、先に遠べたように一定の方講 牲をもって整序され、瞬確に周題提萢されている。ロッジが解験した擬片を、 以上の購纒に憲て嵌めて壷べ直せば、紅空虚ま以前の段購で一貫した原運ぶ浮 あすると、想われ、る． また、ゲレス夫人及びフ夢一ダによる撹点描写がいずれの場合も邸とそのイ ンテワアの掻写を中心に据えられている点に留意すべきである・モナのような ゼウォーターバス邸の産物崖（‘‘a騨。癒cto至W謙εめatガ，p蔦1というゲレス 夫人の表璽ぷ示すように、インテリアや衣服を含む漸有勃の集積が捲写の対象 に選採され、それらが産み鎚す空間のイメージが、その翫蕎者であ移住人のイ メージに転化されている。さらにものと人聞との関係が・その人聞の糧雰観や 人賂に転化し、途中で人聞と人聞の関係に転換する．ボード夢ヤールが震うよ うに薪物はあらゆる鍵罫観の反駿許2〉としての役割を果たしている。となれば、 一52一 TASTΣと欲望のイコノ葺ジー ／難 （辻 みどり） それぞれの観点の人勃の無縫観を讀み解くには、そこに搭写され麟縁となった モノに表象されたイメージを瑳解し、それらの講園の趣旨を、瞬時代の縫会と 文化の中に位置付け、解萩の意醒を分析しなけれ、ばならない。幌点に基づく愚 写が、視点入勃を「藤家」（イメージを抱く人・捲く人〉としてその視覚（選 択・解読）を再現した絵露（イメージ〉であると考えるなら、それを三段賠に 構成した『ポイントン書は、ジェイムズが言うとお吟“a蹴tle soc重al a磁βsy− C鼓麟。癖C譲p鎗敏艶頒玉3きである．とすれば、これ，から展聴するイ乍業は広義のイ コノロジー（纒像解萩学〉と呼ぶものになる（鴻。 作業の手瀬としてまず、ゲレス夫人の観点に基づいて鏡物されるウォーターバ ス（W譲e癒at掲邸と、その住人モナ及び母親の搭写を、ゲレス夫人が「画家雄と して再現した絵露（イメージ〉と縫えて、選毅されたモノの表象、モノの溝襲、 全体が生む意味作薦等を分衝すると共に、それらを統一する漂運を考察する。こ の作業には、途中までフワーダも同じ擁点から複線を投げ掛けることによって、 「露家蚕イメージの掻き手）として参擁している。さらにゲレス夫人の視線を逆 に辿ることによって、ゲレス夫人（とフ夢心ダ〉の懸魑基準を推定する。（第2章〉 次に、フ夢一ダの観点に基づいて賞賛されるポイントン伊oy譲。麟邸の搭写 について、第2章と講じ難業を繰鯵返す。住居への賞賛とは裏駿に導入される、 住人ゲレス夷人への幾鞍1については、幾舞の内容を分析し、モナ撹判では講一 だった二人の裡点が、どのような稽違で離反したのかを考察するとともに、ボ イントン邸の持つ意蕪俸罵を再確認する。第3章では「麟家」としてのフリー ダの解殺の基準が瞬らかになると同時に、フ婆一ダによって描かれた絹綾麹 から、第2章とは異なるゲレス夫人の総灘を読み取ることになる．（第3章／ さらに作品を縫一する原遜を纏う、フ夢一ダ§身の複点の基準を考察するが、 フ撃一ダはこれといった資産を漸有しないし、修晶を製修しない設定になって いるので、フリーダが最終的に愛養を抱く、ゲレス夫人の寡婦分与財産の琴ッ クス（羅cksl邸についての鑑写の分析から、フ婆心ダの観点を推定する。さら に翫有物を持たないフ夢一ダが頭の中に浮かべる習性のイマジネーション（表 一53一 行政娃会議集 第7巻 第i号 灘前のイメージ）の織写を分析する。その上で、観点の人物としてのフ夢一ダ の妥峯性を、修最中の人間聡係の展麗や客観的事実の推移から考察する。（第 遮章〉 注 Text：慧e盤ぎy Ja灘es，“丁盤e S夢｛｝嚢s o｛P（）y就。簸鍍，劉毒εノ矯耀屋8α麓4惣髪s｛ゾ旋残響 陶飛8s，翼ew Y倉r嚢泓綴。簸Vol．X，（A破解s綴s M．Ke重重ey P譲毒s嚢ers，Fa重rず量e至｛董Jg761・ （聾 Eδ．w重癒三厩τo《搬。重量｛撚s族擁《至鼓otes藝y Leo捻雛e壷a懸垂Lya難麓．Poweでs，丁勉 C卿漉勘勧醜夢旋躍知解瞬Ox｛・r蒔・P・・Gx醗・i§87）・螂7・． 121 露嚢、もy Sa聾y醗量tc鼓e蓑，韓‘≠o磁露8麺如ヂ雑∫麗麗E鴛｛ツじ」｛｝舞ゴ鼠G段r董3簸繧P篭嚢｝蕪s鼓一 短墓，茎RC．，翼．Y．＆Lo磁。欝，臆88． 水谷三公著『英国貴族と遷代一持続する統治 驚韓一露8囎東蒙大学懲 蔽会、鯵87。 爆麓捻著薪名誉革命期鰭主縫会の変容とマ夢ジ・セツルメン粒村緯健次・ 鈴木利章・鱗龍稔続『ジェントルマン・その溝辺とイギ琴ス近代毒断鞍、 ミネルヴァ書房、謄87． （31論勧。δ総，薦掲書． 夢．？§． 紛 灘δ、，夢．7§、 ｛5》 販6．，登．7§． 麟本綴久雑著ぎ英羅近鍵碓美主義の醗究 遮詫凄早穏欝大学中央躍書館蘇蔵。 協賛． 〔7／欝圭erfe露。観雌e凝，L虜館露癬纏．C擁毎欝sδ磁琵融ノ噸4耀麗4簸簸醸，辮9． ピエール・ブルデュ一著、着井洋二編設置ディスタンクシオン1・翼 桂会的覇 筋力撰1灘遵藤原書店、欝鱒。 （81 Jea益一C蓋ダ童sto峯）鮭e Ag賢ew，砺丁盤e Co糞s蓑搬量貧窪V量slo糞。｛麓e簸ry Ja搬εs”，欝ox ＆Le鍵s，跣εc薩麗辮砂ε醗躍纐譲｝難∫c魏魏」蕊3鰹魏遼耀痂4難懸魏。理 ！880−／98賦簿83．ジャンーク婆ストフ・アグニュ一箸，「ヘン華・ジェイムズ の溺費のヴィジョン」フォックス＆聾アーズ続、小漣舞子訳蓼溝費の文｛雛甥 一5遵一 TASTεと欲望のイコノロジー 韓 （辻 みど瞬 草書蒼導、 i g85。 麟 講上．夢．錘2． 鱗韓 ｛）av孟｛量Lo｛圭ge，“丁数e＆f竜。｛a搬も量9雛重ty：？難8S夢。盤s o｛茎｝（》y登to簸ン’，遵ノセγβ凌滝擁蕗難ゴ 蕊s窪欝醗飛ご勧鐘醗4C漉ま‘誌瓢｛R｛）膿茎e｛量蓼e，勤。簸｛量。盤＆聾Y．，i蟹獅 鱗Yv破W撫teτS，‘蟹aぜsWe難，Gぎ縫鰹yJa驚esa雌t短食e歪at翻0｛灘G蓄alsto Ma難破ビ，欝38、Y．ウィンターズ罫モールの泉 ジェイムズと道徳麟風習 の縫孫ま『ヘン夢一・ジェイムズの鍵舞一ジェイムズ評論集蓋翫叡．大沢歪柱 飽訳、詫星堂書篠、紹藤3？年． （舞 ぎea難β3腫｛圭で灘ar《墨，Lεs欝艶耀4εso醇薦，鍵瓢。縫sGa騰搬a戴，i§δ＆ジャン・ ボードサヤーノレ著、 宇波彰訳 『鞠の大系一遷記号の亨轡費3、 法政大学鐵版易、 i§8｛｝。 3春蚕。 雛1邦。麺加。躊，前襟書。 夢．簿． 麟騨、玉、？．晒紬磁，如麓蜘野ゴ㎎4，箕瓢躍鰯鐙，i鰯．W．｝エミッチエル馨、鈴 木聡＋藤巻瞬訳ぎイコノロジー：イメージ・テクスト・イデオ泣ギ一連勤草書 蕩，i鱒2． H フィ1ナスティニズム； 批靱されるモナのイメージ 玉． 中産繕級と「文化的繕級麗争ま モナ・ブジグストックは皆鱒認めるr生まれながらの魅力頁撮t雛al c搬r灘 β．25駐を持ち、匿上機嫌」（暮ooδ嚢縫搬。雛》，罫輝くばかりの華…貌≦｛s鐸e甑き羅 醜a雛ylを鯖えているという設定は、最終章になってフ夢一ダの台詞の中で与 えられる較追修董のための構報である．作贔の蟹頭から展開するゲレス夫人の 視点による鑑写の中で、モナはポイントン邸の狭霧漸有者に権癒しい捻steを 持たないと撹覇され、その評懸潜上記の台詞が登場するまで一貫してモナのイ メージとして掲げられているのである．その蓬由はブ夢グストック家の邸宅ウ ォーターバスが、ゲレス夫人の評緬によれ’ば「綴steの原理瀞無残に欠落し」 た縫ε瀬頭欝le・｛t3ste難語挽e簸ex雛vag3麟yG雛重慶δ，樋〉醸源的組織 的醜悪員慧gl董Ress愁η酷灘e賊3董鍛δs舞te盤at圭。，倉．§1であ甑モナはその「ウ 一55一 行政延会論集第7巻第i号 オーターバスの産鞍彗毎騨。｛沁cto｛W麗er多職撫，茎｝．i51だからであると説窮され ている。 インチ婆アに対する競物を住人への號覇に結びつけるのは、鯰髭紀という時 代の文鰍に則している。雄健紀に職住が分離し、外で働く男性のために女雛が 家庭を守る芙旋と見做される麟式撚定着するようになると、次第に家ぶ、家具 やインチ夢アを蝶介として女主人のパーソナジティを表象するとみなされるよ うになった‘誉からである．ボード夢ヤールのζ家そのもの潜入鰐の身体の象 徴的な等懸勅ま鋤という解萩が社会の文賑の中で成立していたと言える．従 ってウォーターバス邸のインチ夢ア撰1｝縄は新ウォーターバスの産物墨であるモ ナの摂：半群こ直結する。 ゲレス夫人がフ夢一ダと意気投合する場懸の描写を箏観すると、二人に共通 したt3就eの確認がウォーターバスに対する磁stas艶、露ち鎌1悪の表瞬という 形をとっていること解議iみ取れる。 この屋敷のどこを押しても、それ，に代わる飽の原理、不気殊な、いかが わしい何かが ありあ蓼と働いていて、見るだにおぞましい結果潜普き不 毛という形をとって表れていた。この家はどう見直したところでお糧末だ。 だ炉、ほうっておきさえしたらまだしも通駕したかもしれない。そんなせ めてもの救恥も破らには通じない櫓談だった。安びかの餓薄もの、窮警抜 き緩ものの絵露、へんちく吟んなげてもの、おさまりのつかぬごわごわの 耄れ斎、小闘整いたちへの形見わけの安骨董品、とても見られたものでな い不様な小道具類等を羨狭しと撒きちらかし、絨毯は敷きつめるだけ敷き つめ、カーテンはただ偏るしに串るすだけ、彼らには簿もかも必ず調子外 れにしてみせるというお見事な本能だけがそなわっていて、それはもはや、 あわれ彼らの梅命とな参、披らはほとんど悲麟的存：在とさえ誓えた。臨接 問をご覧なさいな、とゲレス夫人は声をひそめて、こちらが恥ずかしくっ て顔撚赤くな箏ますわ、と誓うのだった．新たに友となった二人は、それ 一56一 TAST翼と欲望のイコノPジー 繊 （辻 みど瞬 ぞれの部渥で思わず涙にかき暮為たことを、こうして打ち瞬け合うのだっ た。年上の女性の部屋には、一家の天才の筆のすさびですよと家族が霞鰻 半分に冗談の種にしている水彩の戯れ書き解懸けてあ静、若い方の女性の 部屋には韓か百年祭か博覧会からの±産が麗々しく簸ってあった潜、彼女 らはそれらのことを罠にするだけでも身藻いするのだった．この家にはわ ざとのようにこの屋敷の醜さに輪を掛けたような瘍所からの土産類が、そ して忘却してやることこそ敬虔なる義務であるようなぶらくたがいっぱい に詰まっていだ3｝．ゆ．7，大西・多照訳、6頁／ ウォーターバス邸のインテリアで、ゲレス夫人とフ夢一ダによって撹判され ている品物は上の引馬簿勝ばか滲でなく、罎想のなかにも登場し．その都変換 覇の繋象にされる。d減asteの集積によってt3steの輪郭斜欝瞬に掻きだされて いくものと考えることができる麟、ねsteを持つ観点の人物たちから精熟的に 毒stasteされているのは、漠然とtas艶を認められない晶々というものではな く、瞬らかに「t3鏡eの原理に代わる勉の原理、不気殊ないかがわしい何かま が働いてISO鑓e O鐵er群1鍛cl鐸e，re醗a虚3も鞍act鋤e，擁t懸盤無y a綴0総C蟹e， 鮭36鋤erat磁1簸ste認，登．§1ブジグストック家の異常な素質の帰結として「根 源的組織的醜悪」を形成している（鍛鞍g甑ess撫磁盆搬e盤3茎a磁syste搬3t虻， 出e艶鎌lt o｛出e a翻or搬我h3無難磁出e欝r量薯stoc装s，β．61と表現され・ている ものなのである．蓼潔イントン遷ではtasteが肯定され、本論第3章で分断する ぷイントン邸のコレグションにその基準が瞬示されている麟、その一方で、駅 馬中に表されているように、t盆steぷ見いださ轟ず無視される一般鞠という扱 いとは異な警、情熱的かつ積極的な嫌悪の繋象になる品々を分野することによ って、観点大輪の審美意識を瞬確に捨握することができる。上記の毒滞中撹判 されているモノ、曝懇の中で撹覇されるモノを夢ストアップして分観すると、 いくつかの傾海が浮かび上溝る。 第一のカテゴ穿一は、審美的でない雑貨類である。素人の伜晶1燐む抜き鰻 一57一 行政縫会議集 第7巻 第エ弩 ものの絵蚕（sc職的oo嚢aでtl、一家の天茅の筆のすさび（a｛＆酸茎y沁嚢e by｛a搬一 重翌yge懸登sl、水彩の戯れ掻きlco醸cwaterco沁嚢麟、薪お手製重要美徳品ま C憶。聡e薮。羅a魏”，警．i§〉。安っぽ》・もの：安びかの簸移もの（t灘搬夢eryo盤3一 醗e寵〉、小鷺整いたちへの形見わけの安骨董品（g轍。盤cks趨磁醸g猛盤ave 娩e鍛kee鈴欲es｛磁膿3遍一serva藍s〉、バザーでごっそ穆買い込んだ安びか もの1雛es磁ee癖簸琶so窃3zaa器，β．欝）、ちまちまとした青い鱗滲盤｛蕊e錘む無e 瞬atgs，β．§〉。土産勃：葺年祭か博覧会からの土産（a so慧ve簸重r倉G盤so驚e ce蟄 te感温oro撫er建x短嬢繧。緯、この屋敷の醜さに輪を掛けたような場翫からの土 産類1撫lb蚕SO騨e簸孟τO｛麟aces eve簸漿醗e蟹9墨y撫麗ltse欝など潜挙げられ る。 肇スト中のrお手製重要美術品まは家麩で作られた手芸贔類を指し、美術展 が頻繁に醗催されるようになる以前の露盤紀初頭には、製作者の器罵さと本当 らしさゆえに、大衆から展覧会の展承物としてもてはやされた美徳晶の代欝贔 であ穆鱒、審美膿に適うものではない．一方モノを運擁する遍程としての生 活様式を考えた場合、家族の作品をよく見える場湧に餓薄舞霞捜線を投げ掛け ることは、家族も含めて霞己確認を続ける作業であ甑中産贈綴的な特徴を示 している。欝盤紀後半のブルジョワジーの室内空間は、薪大都毒において私生活 の痕購が失われていくことにたいする、補蝶をもとめる努力麟晃られる。その 努力は家庭の内部でなされる。まるでかれらは、かれらの地上の痕鋳とはゆか ないまでも、舞罵贔や小間勃の痕跡を、なんとかして未来永劫にうすれさせま いと、名誉をかけているかのようだ。達と揚撫したのはベンヤミンだが5㌧上鑓 の夢ストに挙げられたウォーターバスの轟々は、家族の配録という点で符合す る。家羅を大事にし、中産踏綴の繍一ム・スイート・ホーム雄の手本となっ たヴィクト夢ア女王の都渥を筆頭（と撃わけ、夫書のアルバート公の死後〉に、 暖炉のま二にフレームに入れた家族の写真を欝近くも簸るのが流行った㈲が・家 族の視線擦写真を見守ることによって家庭の鑓簗のイメージがフィードバック し、再生産される。家族が叢》・た絵蚕を簸るのも瞬じ発想である。霞みに、社 …58一 TAST登と欲望のイコノ臓ジー 鱗 （辻 みど穆〉 交や政治談議の霧として週末パーティー癬麗催されたジェントルマン贋のカン ト夢一ハウスは権力と誇示の場という惟格付けから、フォーマルなインチ夢ア にしつらえられることが多く、家族的な要素は擁麟される、 また、家具の錘史をひもとくと、ヴィクトリア朝後期には陳翼ケースのよう な家具解流行ったが、それはコレクターたちによって集められた員殻や鉱石． コイン等を錬講ずるためだった。さらに鉄道など交通機雛の発達に俸い厳行熱 演高ま善、ヴェブレ’ン（丁麹蟹ste撫Ve齪e蚕のいうところの罫誇示的濁鍛j lCo難癖。殺。総Le量s鍵e｝の証擁立てとしての土産物を部屋に簸ることが流行っ た時代である欝。柏木簿氏は、懲糧紀の中産繕綴の室内が、箱入のアイデン ティティ不安から生じた、実証主義的な精神窒鷺としての簿勅館的コレクシ董 ンと化しており、縫会に管理される仕事場（生産の場〉と猛慰した生活の場、 すなわち農分だけの宇宙（溝費の霧〉として室内塞闘を縫え、露分の生の建跡 を確認しようという試み撚燈人的インテリアを産み鐡した、と述べている麟。 ウォーターバス邸のインチ肇アは、審美的とは震えない撚、家庭的要素が灘 濫し、懸人としての家族の生活の認録の意練合いを示している。上記のような 歴史的文駅、意殊棒編の解読に照合すると、ウォーターバスのインチ琴アの申 でゲレス夫人麟撹判の婦象として選撰したモノの集積は、中産欝級的要素を表 していることがわかる。 しかし審美的でないモノを饒つた部渥がインテジアヘの麗心の欠落を表して いるわけではない。むしろi8鎌年代後半から始まった“Aes出e重量。鍛ove懲e畿｝『 は、中産贈綴の縫ではインチ夢アヘの縫心の高ま吟という形となって愛われ、 E農st13短，研勉む画論欝ε加躍籍蜘（i867〉を始めとする室内装鱗についての 書籍も多数鑑版された纈。中産隠蔽は経済力を貯え．ヴェブレンの言う蘇誇 示的溝費嚢Co難癖。蔑。総Co鍛錬鷺嚢t沁燐の余徳ぶ生じ始めたからである。それ でも中産繕級の趣練は、美徳評論家フライ醸α禦r Frylによれば「俗物主義、 清教健主義、安甕な感傷主義窪に講かう ゼ惹麟的変化まであると醗評されてい る．ペヴスナー（鐸歓。蔓a総Pevs配ζ1は、中産躇紐が教養と畷を持つ従来のパ 一59一 行政縫会隷集 第7巻 第董号 ト嘗ン踏綴とも、またギルドの講練を受けた職人の曙屡とも異な甑教養がな いことを捲摘したうえで、中産賠紐解製造業者として、また消費者として、製 品の製造と溝費の方詳毒盤を決定づけたため、ヴィクト夢ア輯の瀧費歓会には、 t3s艶解ない新製品炉氾濫したと説窮している｛職。ゲレス夫人の罫このおぞま し》・時代は、麗のなか安っぽ恥潜らくたで一杯なんだから3（丁短wor継玉s｛醗 G｛C艶鋤gl難cr3C蛤盤議lsaw盤1徳e．P、3劔という台詞は・作品量界のゲレ ス夫人の幾鵯麟、モナばか鞍でなく欝縫紀英蟹社会を薄象に据えたものである ことを示している。つま参搾最中で幾醤されている審美的でないモノの集積や インチ夢アは、ブ夢グストック家独麹の特徴として呈示されるばかむでなく・ 当時の英蟹桂会の中産隊級のステレオタイプを表しているのである。 俸品中のゲレス家とブ夢グストック家の歓会的位置付けについては、職業、 階綴に隣する具体的な記述はされていない。ゲレス家は質ンドンから講車で総 分の距離の雨イングランドという条件から、豊：かな叡益をあげることをイメー ジさせる荘園“Poy鍵。簸P鍵ゼを、26年前から瞬有する。ゲレス氏は“睡． Geret鍵であって名蕪には称号撚付かないことから貴族ではないが、ゲレス氏 の兄藁は大佐の肩書きを持つことから、ゲレス氏嚢身が由緒ある地主としてエ スタブ蚕ッシュメントに参入済みの有靉靆綴であることぷ推灘される。審美感 覚を持たないことを母蔑から葬難されるオーウェン（0轡e簸Gεre撫）も、ポイン トン荘園を訪問しながら、不董を饑く農業経営者lte登雛t）と交渉するなど、地 主としての任務を遂行しているらしいが、鐡務状況は・フジーダによっておぼ ろげに語られるにとどまり、縫会的活動による位置付けや評懸訊撹点の大効 によるtas艶を基準とした評懸が禽轡だすヒエラルキーの背後に隠さ為る．し かし農業経営者が介在して、農業労働者を管理しながら健主に代わって荘園 を経営するr三分割1繊の農業経営を行っているなら・潔イントン荘騒は広大 な暫領を持つことを表していることになる｛H㌧ ブリグストック家の後会的位置付け及び職業等については一燐記違されてい ない．こちらも同様に称号の無い軍費であるが、注欝されるのは父親ブ夢グス 一6碁一 TASTεと欲望のイコノ葺ジー （i） （辻 みど瞬 トック氏の不在である．ブ夢グストック氏については、作品中に一度も登場し ないが、その理由も瞬らかにされない。ブジグストックの名は株との関連を暗 示するが、職業についていることを不在が示唆しているとも考えられる．断有 不動産の規模の大きさ、新しい商品を次々と買う弱撮管の良さ（資産を持たな いフワーダが置かれている状溌との旛違が燦立つ／は、ブ婆グストック家の経 済力を示す。しかし『麟作ノート垂には、オーウェンについて夢英瞬の男柱に しばしぱ特徴的な、最下（1萱艶r沁rlの女鑑に薄して示す、単純で愚鈍な知覚漣 の持ち主｛泌と鑓されてお蓼、モナのほう毒玄鶴綴が低い設定であるというジェ イムズの思惑ぶあったことが窺われる。先にリストアップした品々が、中産露 綴的要素を色濃く反験していることを考慮すると、ブ夢グストック家はゲレス 家と講じ絶交雰グループの中に参入してはいるものの、グループ内での粒置付 けが未だ定着していないヌーヴォーリッシュ（翼。種ve徽xr｛磁eS l新興成金〉 であると推定するのが妥当である。 では構故t3緩eの有無湊講じ贈屡の申での差異を示すために稽いられ。るばか 管でなく、ジェントルマン屡婦中産階級という階級鷺の差異化に展聡してい るのだろうか。 ＊ 寧 ＊ ここで改めて考えたいのは、19量紀英国縫会の文賑である。近代3一ロッパ の文化約文賑の中で、tasteということばは「趣殊の良し悪しまという時のギ趣 蜘にあたる概念を付されている．歴史的な懐倒ではr鱗a翫yを見極めるカ」 「限られたメンバーが持つb醜類塾舞であ吟、貴族祇会ではtastε霊goδと見 徴されるものと考えら為ている〔鋤。tasteを持つこと農体が、罐級と緊密に結 びついていたことになる．しかし躇級の羅姓として国定した事実なら躇級閣の 薄立紅は展麗しない．t3steによる差異化について考察する必要麟ある。 フランスの鮭会学者ブルデュー（30蟹磁e毒はぎ趣駿豆g磁tlが匿身体化され， た文化資本」として文化約文駈の中での差異化のシステムを産み饑していると 一6i一 行致縫会論集 第7巻 第正号 論じ、罫文化貴族3を覆点とする「文化的躇綴縫争雄という緩念を提起した． ブルデューが蓼ディスタンクシオン薩（肋撚翻罐魏，緯79）中で驚いた語彙を 篤いると、薄髭紀英国のtasteと隊綴の§§孫の考察が容易になる。ブルデュー が罫文化的罐級麗争まの獲点に据えた罫文化貴族墨を石井洋二鄭氏がまとめた 定義付けで説隣すれ、ばダ隠蔽された穂続繹業の反復の末に、文化資本の蓄積と いう量的な優越盤を、『本質垂という越えがたい質的な差異に転換するにまで いたった特権階級ま｛慧｝であ静、具体的に堤代フランス縫会に適矯すれ’ば文化資 本の蓄積の伝統の長い家庭、文化的に紅古い家称にあたるとしているが、欝 量紀の英躍では、政治力、経済力、教養を兼備し、揺るぎないエスタブリッシ ュメントとしてヂ英国の夢まを体現する貴族が、露ち罫文化貴族まの実体とし て存在していたのである。称号を持つ貴族と、古くからのジェント夢一（地主〉、 専霧職屡が、エスタブリッシュメント（支醗購綴／と縛ばれるジェントルマン 馨であり、彼らの存在嚇そのまま罫文化貴族塵として位置付鐘られる。彼らの 教養が文化であ穆、綾らの生活様式が連想の生活謙式となった・そして貴族の 生活を運慈として、率産踏級のヌーヴォーリッシュが貴族の文化を摸倣した堤 象を、英蟹経済の停滞を招いたマイナス要馨として認識する経済史の学説もあ る価う．「婆スペクタブル亘艶s夢ec捻譲e／なジェントルマンとは、貴族・ジェン ト夢二の歓会的地位に、教養や生活様式が伴ったときに実饗するものであると いう理想潜まだ糧強く残っていたからこその摸轍であるといえよゲ麟・ ヌーヴォー夢ッシュなるものはテユーダー輯までさかのぼることができる が、これらの実業家たちは知識人によって流露される、生活のために職業を持 たねばならぬことの卑総なイメージから醗卸するため有閑購級への参入を舞推 した。ig轡：紀前半には銀行・鉄道株式、後半には外懐1等によ琴金醗資産購級 が新たに誕生したが、単なる金持ちという俗勃的イメージを払拭するために破 らが馨標としたのは、カントジーハウスを入手し、地主貴族的な生活様式を模 倣し、あわよくば経済的勢績によ鯵貴族の称号を獲得し、学歴と教養を身に つけた第二重代になれ，ばすつか吟貴族の神懸人陰を果たすという人生露であっ 一62一 TAST置と欲望のイコノ冒ジー ／i／ （迂 みど鯵〉 だ紡．ブルデューの語彙を驚いて説隣すれば、頁覆紀の実業家たちにとって、 まず経済資本からの転憂：によ瞬 ヂ客体化された文化資本」（貴族の生活療式に 櫓癒しい邸宅や家具類，書籍、美徳品などの文髭財1この選択にもt3steぶ要 求される〉を瞬有したうえで、マナーや教養などの瞬体化された文亀資本」 を獲得し卓越化を遂げ、罫文化貴族まであるジェントルマン屡から絶交雰の一 員として認知されること（貴族の称号も獲得できればなお良い／が、人生に密 着した環標だったということになる。 しかしそもそも英蟹の隊級難度に貴族の称号以外、瞬確な境無線が敷かれて いるわけではない。英国の貴族麟度は長子権続講をとるため、通常睦軍士富や 聖職者となる次男三男、さらに女子嫁ぎ先等の駈羅が、称号は持たないものの 霞緒あるジェントジー（舞えぱジェイン・オースティンIJ餓eA聡艶緯のゼ高 穫と偏見蚕（P露ぬ醗〃P卿瞬漉紹，鰺望31に登場するダーシー氏のような〉や、 あ屠中産踏綴との閥に灰色の地帯を馨懲墨す。さらに鰺46年の穀勃法廃止以来 地代駿入に頼れなくなった地主貴族は、鉄道、運海、鉱灘、不動産等に投資し、 新しいタイプの実業家に転身していたため、贈級闘の匿懸を判擬する基準解一 屡わか鱗こくくなった． この獲麟を決定するの解「絶交界」（Soc豊銭y｝であった。だが詮交罫とは蔑 定される緩織ではなく・鍔一族のパーティーが大規摸になったようなもの窪 転 sorto｛e紐a馨eδ雄鶏霧・βa魏餅麟である。実諜、還来の泊ま参がけパーティ や観藤1、ダモーニング・隷一ル3（螢醗最短暮。謡1朝の訪問、実辮こは午後鐵 掛ける〉の習濃などによる儀式化された交流が、無形のメンバーシップを決定 していく・ここでは女性が主戦力となって、一家のために桂交的手腕を発揮し て、人脹を舗妬した鯵憂交霧海での鍵盤露めをした警する．その成果である人 的コネクション恭、嬢の結婚による経済力補強や政治的影響力の強化、次男三 男のための軍鎌の売窟、墾職録の売買の有利な展開につなが蓼、一族の将来を 安定させる。一方カント夢一ハウスの狩猟パーティは男柱の蛙交活動だが、醗 餐後の歓談は事実上、上院議員（貴族として／や下院議員（地主は農業経営者 一63一 行政歓会譲集 第7巻 第i畢 の支持によって下薩議員に選鐵される場合が多い）の致局懇談会を意暖し・極 書すればそこで英騒の政治の流れが決定したのである齢㌧ ヴィクト婆ア朝のヌーヴォー夢ッシュたちの場合・成劫の越源としてスピ夢ッ ツの蒸溜、チェイン・ストアー経営、石けん製造、下蔑製薬など、卑俗でエレ ガンスを欠く職業が新たに登場したという特徴を持つ｛鋤・それに録し懇簿年 代の不涜で経済力の衰えたジェントルマン麟は、貴族文化の模倣の隆盛を逆手 にとって匿文化貴族」としての影響力を維持することにアイデンティティの羅 善藤を求めた。ゼ文牝資本茎による差異化のシステムを作吟饑したのはそのた めである．虚st3steという形態の表愛は、追われる立場の覆らの不安を表象す る。生まれの良いものは鮭交葬からの成金癖陰を試み、テーブルマナー、訪問 の習慣、気の利いた会話など、慣習行動を総合したブルデュ一驚語のゼプラテ ィックまを差異化の手段として湧いた．マナーや、TPOにあわせて馨種類もの 衣綴を着替える習嶺なども、新参者には摺握しにくい差異化のシステムの鯛で ある。さらに、それらの行為を行なう者の性格や嗜野、道徳観や審美鰻を物語 る一定の方鶴付けであるrハどトゥスまによる差異化を馨ったが、その中核を ξめるの解t3steなのである。ヴィクト夢ア韓英国のエスタブ夢シュメント屡 と経済力をつけた新興の中産階級の間には諺3steを基盤とする罫文化的躇級 麟争」が展聡していたのである。これをζ潔イントン邊の設定に照らしてみれ ば、ゲレス夫人がブ夢グストック家に抱くδ薮aste煎ブ夢グストック家の生 活巌式の串産階級的要素に向けられている意練擦理解できる。 ゲレス夫人の幌点から鑑写されるモナの繊判は、蟹頭より「tasteの原遅が 無残に欠落したま罫線海豹紛織的醜悪まといった大げさな霊薬を掲げて、モナ 鰍に超ントン邸の麟備考に麟しい鰍eがなセ・とい欄題意識を決 定的に蔀象付けてはいるが、tasteの有無による差甥化は講象をモナばかりで なく中産賠綴全体に拡大していることは、すでに捲擁した。それは、購時代の 文賑で考えれば、ジェントルマン縷による、中産躇蔽に靖する憂文化的繕級縫 争匪という愚昧付けを持つと想定されるのである。 一64一 TAST建と欲望のイコノロジー （葺 （辻 みどり〉 翻ってtasteとは具体的にどのような基準によって定義されるものなのかと 考えてみたい．ブルデューはt3steの内容について遠べていない．むしろゼデ ィスタンクシオン麺の蟹頭で、ヂ趣籔一それは支醍踏級という場、および 文化生産の場を舞台として繰吟広げられる驚争において、簸も重要な争点をな すもののひとつである葺｛鋤と述べているだけである。この定義を簾井洋二郎氏 の解説を引綿して言い痩せば、新良い趣殊」なるものの藍統牲はなんら客観的 横縫に裏打ちされたものではなく、あくまでも「文化的贈綴幾争」の（一時的 な〉結果として、勝者である支寵購級が験者である被支醍欝級に「押し付け」 かつ被支醗酷綴露身によって誤認＝承認された、恣意的な表象にすぎないとい うことになる｛鋤。だが欝量紀英羅縫会の新文化的賠綴灘争」に照合して考えた 場合、支醗踏綴（エスタブ夢ッシュメント〉としてのジェントルマン屡の旋置 付けが麟提とされるため、婚盤紀英露の文化約文賑の諸現象に現れたtaste｛壷s一 ねs艶）の評優の分析から、盛時のtas総の基準を推察することができる。さら に・作品中の複点播写に表された、対象勃（人）に離する捻s総練stastel評癌 を盛時の繧準と比較薄照することによって、ゲレス夫人とフ歩一ダのtasteの 基準の鍾置響けを知ることができる。 注 （酵 A愈訟欝欝《）魏y，0毎ε‘な費〆五珍ε脅鴇五葱s麹麗彦鷲4So‘をか1乃び！嚢8賦鯵86、エイ ドジアン・フォーティ薯、蕎島平吾談匿欲望のオブジェ∼デザインと娃会 i7欝一難8鱒鹿島鐵蔽会、鯵§2。 繊 薫一ド婆やール著『秘の大系遷離掲書。鐙頁。 麟 ヘン蓼一・ジェイムズ著、大藪紹男・多霞敏男訳「ポイントンの蒐集贔」、工 藤勢美監修謬ヘン夢心・ジェイムズ作品集雛湧薮、国書鷺宥会、紹秘5§年． 紛盆1蕊a羅登．Al重1改，丁勉S鋤薦ダL醗4醜，ig78．R．き〉．オールテイック著、〆1・ 漉滋監訳ζロンドンの見せ物 綴垂馨書粥蕎会、欝欝．鴛6翼． 151ヴァルター・ベンヤミン著、携材工躯・野樗修編集解説『ボードレール新編 一65一 行政琶、会議集 第7巻 第i号 塔擁ヴァルター・ベンヤミン著作集6、晶文社、／97魏83翼。 織C雛茎磁eGerε，躍纏瀦鉦ε麗欝鍮・癬醜We懸｛e羅麟騰。。至s・駕 Lo認。難，至98§，群25、 繕 3ε驚我羅Prlce，跣召ε麺讐厩醜4納F欝露㍑楓露β（〕ほ§78・群■4魂・ 麟 穣木博著謬デザインの欝量紀至翼RKブック人爵92・鶉頁・ 麟 ニコラス・ペヴスナ一著、鈴木簿之＋鈴木縫幾子談ぎ美徳・建築・デザインの 醗究 茎報鹿轟諾蔽会、昭隷55年。欝2−i83頁。 インチ婆ア書籍の弼として次跨ような書籍も紹介されている。W手口フティ 繍『家薩芸徳叢書書盤照年以鋒鷺（W．｝ロフティ薯『住宅における芸衛の要請雌。 オ夢ンスミス夫人薯野蒜接闘垂。・フティ夫人著堅食堂Lパーカー郷夫人著 ゼ寝室と嬬入室塞。翼．＆：A．ギャラット著ζ住宅装鱗のすすめ垂〉・琵Rホウワイス 夫人著謬美の芸衛曇1878．瞬箸置装簸徳遜欝毅。盆W．エディス薯ぎ薬毒鶴宅に お謬る装鋳と家具垂露毅、 S振r董ey展童。麹Glso嚢，4靴齢磁鏡餅鷹加鼠9arr盆蕊Je蕪量資s・i§総 麟 蟻輪聖a簸s2εvs魏er，P魏2燃躍醒躍ε魏魏s磐擁二加襯購滋魏魏醒oγ腐鉛翫差 孟群（論調欝，欝鰺． ペブスナー著、奏蒼博三談ζモダンデザインの展麗一モ 夢スからグ麗ピウスまで葦みすず書悪、1弱7。 麟禰健脚灘搬続著㍑鍔ス近代難ミネルヴァ書風ig総 麟 福渡加納ε，麟掲書．夢7§、 麟JG継Stεe鮮講，翫紐纏翫漉C蝋t群，獅§⑲総 瞬 ブルデューζディスタンクシオン 王遜譲揚書。第i章。文中弓猟の鐵典1 蒼井洋二難蓑蓼差異と数望雲藤原書店、欝93・52頁。 麟 マーチィン・｝・ウィーナ薯、原灘談国英馨産業籍神の衰退一文化史的接近垂 勘草書霧、ig84。 米繰締一著ゼ褒代イギ肇ス経済形成受壷未来歓、i弱2。 経済受観究書とは琴彗に、成劫した実業家の貴族文亀模倣に言及した著俸には 次のようなものがある。 鍵ar駄G圭r。膿δ，五獅顧εε曜纏伽吻鐸㈱澱s廠餓諮名篇2ご撫 認躍鋤拶，Yale鼠P．，欝8象 衰1幾滋Pt詫to盤，r滝ε軒廊齢瓶耀邦。魏歌Brad｛｛鷺B《）o籔s・謄騒・ 鯵替瞬健次・燐靴稔騙著ゼイギ夢ス近代史選前掲書・ 一66一 TAST露と欲望のイコノロジー 鱗 （辻 みど陰） 麟 ウィーナ蕃『英蟹産業精神の衰退蚕繭揚書。 来躍紳一箸r現代イギ葺ス経済形成虫垂前掲婁。 麟 聾ε紬織館孫。欝ε，麟講書。貸．鴛2、 麟 y躍騨∫醗勘麹魏，麟懇書。醗．733−735，鱒．737−738． 鰭 興ごめ吻鴛遅6窺ε，麟掲書．夢．鴛2、 鱗 ブルデュ一著ζディスタンクシオン 葺麟掲書。欝頁。 覇 蕎井洋二蕗著『差異と欲望至麟掲書．53頁。 2． 消費歓会、テクノ灘ジー、欲望 モナに麟するゲレス夫人の醸s籔s総評嚢の鷲象になった勅をさらに璽ストア ップすると、第二のカテゴ夢一として揺ることができるのは、消費鮭会のイメ ージを表象するものである．灘えぱ蒼頭の場面で、モナ一族とウイークエンド パーティーでウォーターバス邸を訪れていた勉の訪懇客の毅装を撹覇した罫お ぞましくも判で押したような骸た瞬よった箏の格尉なスマートさ達繕。貸灘e sta搬夢。ず儘e s3膿e exce継量0澱董S搬簾拠eSS，登．4／という表裏が挙げられる。続 いて、ゲレス夫人の意識を表わす罫そんな暗れ養を身にまとうくらいなら、死 んだほうがましだ鍾S艶wo雌δra撫er鮎veper孟論ε6漁餅盤＆velo櫨eδ醗一 雄飛礫焼畠β．勢という強い表現が示されている、その一方でゲレス夫人は、 ジーダの綴装を罫気のきいた藩こなし亘6鷲ss綴覇撫躁1喪a，p．5）と評簸す る．この評緬が、さらにフリーダの譲s艶を認めて緯を深め、破女をポイント ンの美術品を櫓続する愚子の妻に仕立て上げようという計画に発展するのであ る。ここでは服装が、その人聞の懸魑観を示す重要なポイントになっている。 ヴィクト夢ア覇時代には譲装が養ている人聞を象籔するという考えが一般に 流露していた．カーライル（丁嚢幡3sC麟ylelは罫衣裳哲判（磁痴耀εs癬郷， 工8鋤の中で、ぎ法の精神璽に轍ってr衣脹の精神萎（エスプ婆・ド・コスチウ ム〉を提曝し、建築織式と衣駿のスタイルを箆較したり、衣服の象鐵姓を議い たりしている｛ミ｝が 、衣巌という表象の操体の方法は、女難海け雑誌の記事に 一67一 行政袿姿論集 第7巻 第工号 すら取瞬上げられている．慣習やマナーについての権威とされていたレイディ・ イーストレイク（L盆δy建＆st擬装e〉は、『クォータジー・レヴュー書誌（伽楯診γ砂 κ痂ε欝，鰺蓬71に掲載した記事の中で「ドレスは一種の象籔的書語です一あ る種の麟ノ、的な語彙集です 身体で言えば貴嬢学のようなもので、この硬究 を無視できませ“DreSS歓・溢e澱S磁。｛sy繭・壷lda即題e一独董盤醸 脚rs。簸al蜘ssaぎy−as費ec孟eSG鋳G醇歯e曲gy・t塾est鱒・｛幡量C醸 wo縫δ碁e鍛a6総ssね擁e浮ec重．1｛2）と遠べている。と吟わけ、窪分がジスペク タプルであることを実証するために軒王蟲ぶ吟（ジェンティ夢ティ）の道具立て」 を「誇示的消費達しなければならなかった中産購級にとって、家族の女難たち が代行溝費するドレスは、一家の主人の夢スペクタビ夢ティを示す謡号として、 無糧できない重要盤を持っていたのである。ジェイムズも衣膿の愚昧繹罵に ついて意識しており、匿ある難人の肖像選（撫Po霧躍露摩露舷砲懲8i｝に登 場するマダム・マールに、窪我とドレスを隅一携させているのは、アグニュー が罫ヘン夢・ジェイムズの消費のヴィジョン墜で捲撫している遜穆である｛3㌧ フ肇一ダの騒装への賞賛として匿気のきいたところは人真似ではなく本勅で あ潮（鞭1δeawasギ醸，醸玉譲at魏，爵随いう評働叢繍’ていることか ら覇籔すると、その薄極に位置置けられ幾甥されるモナの衣賑に耕する撹覇の 鯨は、鰍舗練る人難であることである・ラナたちの衣脇ポ棚物 スマートさ茎の認弩として差異化の葬罵をするはずの製品だ前結潟皆がそれ を身につ謬るので、霞一化の認弩として作篤してしまうのである。原霞として は、量産された蔑製品を着ている場合と、流行のモードに飛び付いている場合 が考えられる。羅製籔は、ミシンの進化に梓って生産が増撫している・露簿年 代には麗製脹の購買客が増擁したため、ドレスの蔑一化鱒進み、それを補うた めアクセサ婆一の多巌化が進んだ。ウィ夢アム・ホワイト夢一（Wl銀盆獄W熱量憾y oずB3ys職te尋のようなデパートでは、イヴニングドレスまで慶製脹で扱転＼ パサの最新スタイルを低緬格で礎供するとi885年頃のカタログの宣伝コピーで うたっている崎。 一68一 TAST￡と欲望のイコノロジー 韓 （辻 みど箏） 駿製撮でない場合も、スタイルの均一化は進む領海にあった。服簸産業界は フランスに渡った英縷人ウォルト麟クチュ夢工として威勢して以来、オートク チュールが流行をり一ドする時代に突入していた。紳士服では英蟹のスタイル がヨーロッパを舗覇したのに対し、嬬人綴ではウォルトが英国灘身ではあるも のの、モードの発進源は穂変わらずパ夢で、英国人女権はFファッションプレ ート」（流行のモードを措いたイラスト蔽藤〉の到来を待ちわびた侮。誇示的 溝費の第一歩として女盤渉猿舞蓑による代行溝費に励んだ結集、i年ごとに、新 しく、ファッショナブルだが、結局はみんなと講じモード解、入れ替わってい くようになったのである．つまり、モノと人聞との縫孫ぷ変わむ、必要性と纏 わりなく衣服をモードの記号として捉え、欲望によ参記号を消費していくとい う、消費縫会の釈浅を反映しているのである。 次に挙げられるのは、ポイントン邸を祷めて訪問したときにモナ母娘が持参 した「婦人向け雑誌ま（a“ね綾ダs醗3gaz塗e｝フ）麟霧号（アンティマサカー髪瀬 型紙付録付き）である。瞬名の7ゐε加御釜醒噸鷹魏εというタイトルの女権喬 け君朝誌は、葺簿一i毅7に実在した。この雑誌の護者縷はタイトルの示すとお 蓼、有襲踏綴の女性で．掲載記事の重点は猛御と家事に置かれていた、一方露 量親中嬢にな吟醸麟技徳の進歩に伴って懸路低下が可黛になったため、中産購 級向けの女雛雑誌解鐵蔽されるようになった．作品中の、小文字で書かれた 旺婦人向け雑誌まは、この領海を捉えているものと考えられる．新しい女権請 け雑誌の特徴は薪ファッションプレー綜や、家庭洋裁のための型紙など麟揚 載され，たことにある〔6｝． 窪畠中の女雛向け雑誌は‘‘茎3δゾs鵬agaz童登e｝才というものの、おそらく掲載記 事の内容を考えると、rレイディ」を讒者屡に設定した雑誌ではなく、レイデ ィとしてのエチケットやマナーなど本来は成長過程で習得するはずの新身俸化 した文化資本まを持たない人聞が、レイディらしく振る舞うことを薄髭にする ために、レイディの膿習行動（プラティック〉を教示するマニュアルとい うことになる。いわば本来の要求から遊離した、様式の大量生産である。従っ 一69一 貨致麺会論集 第7巻 第i号 てそれはゲレス夫人には不要かつδ重stasteされるものなのである。 また、盤録のアンティマサカー型紙は、織式の大量生産を意殊する。当時男 性はマサカー髪漣を綾飛していたため、家具のファブ夢ックを髪海の汚れから 護るために．アンティマサカー・カヴァーを搾ることが女鑑たちの家庭手芸の、 一つの技事だった紛。ここでも露分のアイディアで懸姓的な維鹸が作れるも のを、型紙によって藤一化された修品鱒方々の家で作られてしまうのである・ その作贔からは、手芸な静の家族への愛梼というアウラが欠落している。 次は、薪ポイントンにビ婆やードノレームはなかったが、きっと一室潜設けら れることだろう。そして壁には『デパー樽で額に入れてもらった蓼絶交界新 軽羅から燐む叛いた名士の風鰹嚢が饒られることだろう匪（丁盤e艶脚＆S賢0も誌 董捻r｛董一でoo撚盆t Poy欝t｛》賞，！｝t建t錘｝re wo綴｛董ev遍e｝董蓑yもe o欝｛｝，a簸6童t wo盛｛鑓職ve・ 臨9。醸sw謹S，船麟att盤ゼSt。resノ’C＆r圭cat礎e一離離s。墨、ce董e緬es ta嚢e登｛ro鐙a“Soc艶ty蓼｝a鉾r．’争夢．3嚇と》、う表璽である。これは、潔イントン を見たモナが勝手に繰磐広げるぷイントン改造誕薩を縫かされたフ肇一ダが・ こんなことではモナが結婚したあかつきには、ポイントンの壁にはこんな額が 掛けられ，てしまうだろうと危課したものである。瑳って、この撹覇的表現には、 この時点ではゲレス夫人と軌道を一つにする視点人物であるフ参一ダの、評癒 の基準解反験されているのであ瞬、その基準を与えたジェイムズの意緩が推察 できるはずである。 この投織こは、複数の覇薮の要素赫含まれている。まずインチ夢アとして壁 を蘇る美術品として、風華彗面を認められないという膿S総。露分が娃交界の一 員であるという認識を持たず絶交界新蹴で構鞍を渡ることへの透織3ste。 さらに「デパート」（“St醗eビ／の購買客であることぷ示す溝費歓会の娠隷の イメージである。欝糧紀の産勅であるデパートが商贔のスペクタクルで溝費者 を幻惑し、欲望をかきたて殿鍵させるイメージは、ボウルビー（嚢a蕊e重Bow繕y〉 潜詳しく分観している鱗，英麟ではi85§年代からi88§年代の間に、ホワイト 撃一、ハロッズ償鍵r磁slなどが次々と商店を拡張し、多数の部門（デパート 一70一 TASTεと欲望のイコノ麗ジー 構 （辻 みど吟〉 メント）を持つストアー形態に変身していった紛。 以上挙げた3点のいずれも、記畢としての様式の浮遊、大量生産、アウラの 欠落、欲望への服従など、消費桂会における物や人の産婆方を承している．潔 一ド夢ヤールは、漉行としての極値や急テンポの更新にモノを縫わせることは、 モノの懸値訟時間を奪い取ることであ蓼、「使矯極値」や達成薄籠な持続性の ためでなく、モノは死滅のために生産されることになると逮べているα韓。こ の考え方によれ、ば、内在的な要求によむ匿整湧簸纏董を求めてモノを選探し辮 有するというプ賞セスを経ず、モードという罫交換懸働の変化に慈じてモノ を取捨選択する、消費縫会に取り込まれた人聞は、モノの死を麟擾とした漸有 者という意糠でドモノ殺し」ということになる、往って、ゲレス夫人のように モノが嚢分の命であると、鍵分とモノとの関係を定義する人幾が、モナのよう なrモノ殺しまに美徳晶を任せられないと考える理蜜解瞬確になる．ここで 磁s盤stεされているのは、r消費歓会に捉われた中産階級というステレオタ イプなのである。 したがってFモナの害悪3（Mo簸ざS“t頒簸ゼ，β、鎗〉、 ギ上品さを欠くこと窪 （燐樋at婚資0乏δec舩。￥，β、i6）が撹鵯さ翻るものの、それは懸人的な人格設定か ら導きだされるものではなく、上議のモノが発するイメージと櫓桜のr溝費歓 会に取蓼込まれた串産躇級」のイメージが、人聡へ転欝されているのである。 モナが鯵の少女たち隅棟罫型通誓の1発書しかしない」（鍛exc蓑雛ge醒輝滋量t鋳 des，β．5）のは、マニュアルに頼って行動していることと、モナが生れ付きの 「身体化された文化資本董を持たない生まれ、育ちであることを意識させる。 美しさを語るにも「や惨きれないくらい『罵愛い盤（tlreso盤ely“｝ov2童ジ，登．51 という表現になるのは、表構がなく 新動かない飯薩擁（醗ot沁盛ess難asき｛，茎》．i7〉 であること、駿女は、まばたきもせずに、人形のお綾を押したときに罎るよ うな声で繰り返すだろう」（s艶wo駿懲re脚at，蠣t恥雛顧慮搬g，無徳撮volc8 甑εt艶s卿eezεG｛3δGll∫S S之0盤3磁，登、i71という皮肉たっぷ参の表理が示す ように、自律的な知性や感情の発露がなく、スタイノレの踏襲しかできない人聞 …7董一 行政鮭会講集 第7巻 第i暑 で、美しさの様式を持っているにすぎないという趣冒である。母親のブ夢ッグ ストック夫人の発言ヂとってもステキij C‘鐙鋸tst鍾k盤ぎナ，β．27〉、 紅梅かし らの鱗式励薩」（‘｛撫t鼓estyゼ。｛S鰹e齢墓e董se，β271と》・う発意さら に破女ぶ羅をひつく瞬返して裏のブラント名を見ては声を上げる様子（撫e va簿e 灘eα墨eswl議蠣趨Mrs．Br重警sto改t灘e6瞬t盤e膿虚eぎs孟6eo董蜘tes，窮 35〉は、破女解綬姓的な鑑賞能力を持たず、モード化され、溝費される様式に 脹熨し、交換優値で物を鵯擬していることを示している。当時の建築とファッ シ瑛ンのスタイルは連覇してモードを霧静替えていったのだ力丸ゴシック・夢 ヴァイヴァル、ネオ・ゴシック、ネオ・ルネサンス、ネオ・正夢ザベサン、ネ オ・バロッ久さらにアン女童様式と変遷するその籔まぐるしさは、罫様式の 戦い」（‘雪a灘eo量sty壷esf艶）とすら呼ばれた．本来溝asteの一角を成し、鑑識 家ICG懸。霊sse簸r矯弐心得るべき知識であったはずの、美徳愛馬語とレての様式 の知識もブランド名も、商品に付着して、モード侘し・溝費されていく・溝費 縫会の有様が鑑かれている（鐙。 ブ夢グストック家の藤有物と人間の行動の両方を分析し、その両者に共通す る特籔を考察した潜、言い換えれば、断有物鄭ち罫客体化した文化資本」と行 動雛ち新身捧化した文化資本」の両面において、ブ夢グストック家の人々は、 消費社会に取穆込ま為ていることになる。この再懸を総合し、燈定するr消費 歓会に捉われた中産躇級達を表わすギハビトゥス達を、ゲレス夫人はd重st3ste し、差異化したのである。 ＊ ＊ ＊ モナに繋するゲレス夫人の毒st3steの第三のカテゴ夢一は、新しいもの、実 溺姓、テクノβジーがもたらす卑俗のイメージである。モナの属性として講挙 されている物のなかでも、フ夢心ダに強い鎌悪感を与えたのが温室（w搬艶r 解rδe舞，co簸餓vatoτy／である。モナとフ琴一ダ、それぞれの温室に蝿する考え 方の櫓違は次の瞬霧に鮮明に表れている。 一72一 TAST璽と欲望のイコノロジー （i｝ （達 みど吟〉 すつか鯵安心しきったのか、五分後には、ウォーターバスからやってき た若い女性からだしぬけに、とんでもない意見が飛び思した。rどうして ウィンターガーデンを焦らないのかしら？ わたしの勝手にさせてもらえ る場翫潜あったら、わたしは造る積滲よ」 フ夢心ダはたまげてしまったが、大体の見蚤はついた一鉄柱、鉄パイ プにガラス張滲、手入れもぞんざいな鉢植えに藤椅子といったしろもの、 それはポイントンの気高い顔に銀ぎらぎんのおできをとってつけるみたい だろう．彼女はウォーターバスで温室を見たことを、懸い饑した解、そうい えば、あそこで熱帯樹に結わえつけた灘製の鸚鵡や、塗滲露めた漆喰に貝 殻をくっつけた水の鐵ない泉水を拝見させて獲いてひどい風郭を貰ってき たのだった。（欝．33−3壌 濃室の歴史をひもとくと、産業革命の成果をいち軍くヨーロッパ中に宣伝した 第一回万国博覧会の水贔宮を、欝僅紀建築の傑作擁として紹介されることに慣 れてしまっている20量紀の人間が抱く灘室のイメージとは異なるイメージを当 時の知識人が掩いていたことがわかる。歴史的纏縫から温室はオランジェ夢一 （or縫geで1e〉．温室（co総3vatGry）、ウィンター・ガーデン（縦搬erg＆r6e麟の 3種類に大幾される（鵬。モナの邸宅に疑に在るのはいわゆる温室．モナが将 来ポイントンに装備したいと望んだのはウィンター・ガーデンであ吟、この講 者は穏量紀のイメージを撞う、温室はテクノロジーの進歩等1鋤によって可能 になった全藩ガラス張鯵の鉄骨構造の建勅で、櫨勅栽培を冒的とする鱒、ウィ ンター・ガーデンは温室が被交駕に転じた場合の呼び名である。媛賂化さ為た 鉄とだラスという建材は、そのままプレファブ建材の性格を備えることから、 鰺簿年以降プレファブ温室麟大量生産された。さらに樋倭販売専絹勘の灘 室も登場したことから、中流踏綴まで手解届くようにな参、喀万人の温室ま という広告のコピーまで登場した．しかし一般に普及すると講時に希少懸値を 一73一 行政後会論集 第7巻 第i号 失った濾室は、オランジェ婆心に付与されていた差異肥する手段としての上流 贈綴の威馨というアウラを持たず、逆に、差異化される婦象になってしまった のである． さらに温室の建紡である鉄とガラスがもたらすイメージに注鬱しなけらばな らない．文串の、“SG盤e盛搬墓gl麗eδa磁倉船eδ，o擁影。農β皺皺ゴ（蘇331という 表現では、鉄柱、鉄パイプ、ギラギラした（ガラス張蓼の素材感〉といったデ ィテールを爽挙することによって、当時の罫新素線ま撰瞬時代の人々、と吟わ け知識人たちに与えた嫌悪のイメージを意纒的に塔輻している・ラスキン（Jo擁 艮融麟は、鉄ではより高い菱は泳久に不驚鱈であると撹縛した。モ墾ス やアーツ＆クラフツの捷い手たちは、テクノ召ジーに背を向けていた。鉄は構 造秘料として実馬的な素馨であ警、食毒や工場、駅舎の建設には積極的に聡い られたが、当時の建築ぶイメージしていたような、ファサードの装鱗によって 芸術的懸僅を問うゼアーキテクチャー」としては認められず、実罵的な「ビル ディング」のためのものというイメージが定着してしまっていた。エッフェル 塔を設讒したギュスターヴ・エッフェルの肩書きがヂ建築家茎ではなく匿妓籍 者まであるのも、盛時の事箒を尽している｛紛。鉄解芸備作轟の素耕として篤 いられ’るには、アーノレ・ヌーヴォーの潮流を待たなければならない。 フォーグト（A・M．Vogtlは、欝盤紀の美徳一般について、連想主義的な懸纏 体系と実利的な懸簸体系という講極の懸魑が存在し、罫高級な穿芸備をめざし 遍去の療式を援稽する一派からは、技術を取り入れ時代に見合う芸衛をめざす 一難はf盤欝的まという悪評を投げかけられていたと説窮している｛鋤。だが この靖立は単に美術史上の観点を示すだけではない． 第一簾の終わ鱗こ総懸提越した選り、ゲレス夫人のtas艶がδlsねsteする諜 の基準を知るために概醤の対象を分疑した結果、紛審美的でない雑貨コレク シ3ンが暗示する鯛人主義と中産欝級的要素、（2／モード、スタイル、欲望等が 示す、モノ殺しとしての溝費のイメージ、麟新素材、実罵姓とテクノワジーで あることがわかった。第i章で騎馬した鎗ll作ノート葺の記述を、想い起せば、 一7蓬一 TAST麓と欲望のイコノロジー 韓 （辻 みど辱〉 モナの羅性としてジェイムズが案鐵したヂフィ夢スティンゴ（P擁まs甑ε1とい う語の広義の意練が浮上してくる。もう一度繰撃返せば、ゼフィ夢スティンゴ は、教養やt＆S総の無い人絹に録する侮蔑的な辱び方として翼在でも定着して いる摂、露60年代にアーノルドが文花上の概念として驚いたときには、購縛代 の中産購綴を念頭に鐙き、その職人主義と露出競争から導かれる、拝金主義、 機械文明崇拝、そして蝿極として精神生活（美、愛等）の蔑餐を「フィリステ ィニズム≦（P簸lst翻s鋤の概念に包含していだ欝。 ジェイムズは繋1鉾ノー碍中の記遠で、母親の「美術墨への知識と愛機 ドtast碍と、息子の嫁のrフィ婆スティンゴ「ta震el￡S鑓とを鷲銘しているも のの、作品中では、対立の焦、点は、鞭as艶の原理が無残に欠落した」という表 現が示すような、tasteの有無の幾題に絞られている麟象が強かった．しかし 具体的に撞きだされた勝有勃や生活権式麟示す講立の論点は．t盆steを持つエ スタブ夢ッシュメント屡と籔steを持たない率産購綴の鰐立にあることは第一 籔で號に撮擁した。だが、δ重stas艶される中産曙綴的なモノをさらに分析する と、その選択にあた鯵、エスタブ夢ッシュメント屡の餓ste藤欠落しているだ けでなく、上記（旗3／のように積極的に、異なる懸値基準が機議していることが わかった．すなわちモノと人間の関係についての異なる無値観の衝突が表して いるのは、晦綴毒こ結びついた生活鱈条の嬉主なのである。tasteを持つ人生対 フィジスティニズムの人生．フィ夢スティニズムのうち、拝金主義慧、消費後 会のパラダイムに包含されるとみてよいだろう。従って翫舞されるモナのイメ ージはねsteばかりでなく、延長線上に中産灘級の懸纏観やそれを反硬した生 活様式のイメージを多面的に擬えたものである． 勿論ふたつの懸短観は路盤綻英騒の文蘇の申で、薄等に共生しているわけで はない。ふたつの懸値観は、中産鐵綴の上昇志講、卓越髭に蝿して、鞍らを差 異化しようとするエスタブ婆ッシュメント屡の感s絵s鍵のベクトルの中に位置 付けられていた・差異化の手段は、r客体化された文化資本3（所有劾〉とr身 体化された文化資本3（藤麿者〉の講者を包含するものである．ゲレス夫人に 一75一 行政縫会譲葉 第7巻 第i号 よる撹判は、盤総的な支醍力を失い始めたエスタブ墾ッシュメント屡が、経済 的に追い上げるヌーヴォーリッシュを差異化する最後の砦としての「文化的躇 級騨争」を反験したものであると推察される・縫ってジェイムズが・擁点矯写 を篤いて、ゲレス夫人に一方的に撹判させ、その襲係をフリーダの視点描写に よって椿蝿化させたのは、縫会の文蘇圭、夢アルな敏速の方法であったと言う ことができる．作最中でひたすら嫌悪される、溝費縫会とフィ夢スティニズム の中産罎級のモノと人を取り巻くイメージ（絵瞬〉は、中産灘級を全力で撹覇 する視点人勃（縷藝家匪の後勘のゲレス夫人の、tasteに誇りを持つジェント ルマン屡の差異化の鏡線も含めて、ひとまわ蓼大きいフ夢一ダの面葎上に搭か れているめである。いわば、製作中の璽家と作品とを瞬時に構醒に鞍めること によって、露盤紀英璽の文化の動態を、描きだしたことになる。 ＊ ＊ ＊ 温室に駕する巷綿車に登場したr蔑れた穂笏と籐の碕子嚢露盤麟麗y晦漿s a簸d c麗e s磁as，登．331は、震のイメージを当時の読者に暗示する働きを持つ。 温室という難ばかりでなく、灘室内で育成される植物も、新しいイメージを産 み出していることに注§しなければならない．蚤時、温室には、殖民地暴究、 及び植物学醗究の観点（ヤシは撃ンネによって「源達とされ、纏勅雰の侯濃と 尊重された／から、簸もポピュラーなヤシを始め、コーヒー、カカオ、総花等 摂育成されたが、それらの植物が新非科学的な詩鋳iを醸し饑し、次第に、露 量紀以来駐醗に表瞬されたパラダイス幻想をイメージする人工的麩園として位 置付けられるようになった。温室ブームと英羅内にお謬るゼアラビアン・ナイ ト物語璽の人気急、鉦舞は一致しているという事実が捲摘されている｛董8㌔テク ノ冒ジーを利駕して、その建長線上に、現実逃避的なパラダイス幻想を飼透し ていることになる。結果として濃室は、庭園に設置された申函式のパヴィリオ ン、エジプトのピラミッド、ローマの水道橋の選跡と瞬様に、エキゾチシズム 一76一 TAST盆と欲望のイコノ置ジー ／葺 （辻 みどり） のイメージを談i者に麟象づけるのである。 温室潜その文脈で篤いられた擁が、ゾラのゼ饗宴妻（雄7葺である．この葎 最中では金持ちの建築物投機塗のヴィラの温室で密会シーンが展開し、熱帯植 物の放縦な成長が、擁舗されない藩欲、爽惑的な欲求のメタファーとして繕い られている｛獅．家がインテワアや家具を蝶介として女主人のパーソナ夢ティ を表象すると見做されるようになったというヴィクトジア鞘英国歓会の文賑に 窯らしてみれば、醗室がもつ欲望のイメージは、その家の住人のパーソナ夢テ ィの欲望への傾倒を連想させるという意味作耀を持つのである。消費活動は、 もとよ疹、鞠が欲望をかきたてる跳喩によって表される．いわば、エロティシ ズムの比喩で、人間による欲望の擁麟の鰻罫への難戦が、広告等、販売促進の 工夫に見られる。その箆喩もまた、消費社会を是認する入として推かれるブ婆 グストック家の人々の、人聞牲のイメージへ転化され、モナのオーウェンヘの アピールに権桜させられている。モナはゲレス夫人摂罫おぞましくて書いたく もない達方法で、‘‘1e籍etsel絃。”し、その結果、フ夢一ダに愛を告げたはず のオーウェンの気持ちをたった一躍で麹意させて、登記勝で法難痩土の結婚を 遂げる。擁鱗された表堤の背後に潰巻く欲望のイメージが、モナがとったであ ろう行動を雄弁に勃語る。モナは窪らの謬蓄有欲を擁麟することなく発露し、そ の手段として今度は嚢分を商品（0罐cto鍵es童re）乾し、買い手としてのオー ウェンの欲望をかきたてたのである。ここでも溝費社会のイメージが生身の人 間の蓄ハビトゥスまに反攻している。モナの欲望は、倫理的嚢己擁灘ゆえに ‘‘ ｣e藤eでs磁gバすることができず、鱈義を説いてオーウェンをモナのもとへ 送参返してしまう、F聖者窪フ夢一ダと薄蕪的に捻かれているのである。その 欲望をまたゲレス夫人はδ綬ast8するのである． しかしゲレス夫人がどれ程dlstasteしょうとも、贈螺される消費のイメージ は、俸品のプロットを舗する方晦に展醸していく。結局モナは、オーウェンと の法的結婚を遂げ、美術品の穣練者（所有者）を駈有するからである。（さも なければ、この結婚に否定的な意義を読み取って見せなければならない。〉こ 一77一 好酸縫会議集 第7巻 第王畢 こで改めて思い起こさなければならないのは、醗点播写の立榔点である。モナ 擬霧の場悪で主たる視点人物を務めるゲレス夫人は、すでに欝歳台と設定され、 ヴィクト婆ア朝中期の感性の持ち主と想定される。2む歳台のフ婆一ダは、腰 家の郵という特殊な感性の持ち主で、また感性の一致を認められたからこそ、 ゲレス夫人の嫁候補に猛立て上げられた。だ斜モナは、紛れもなく新しい慢代 に羅するのである． この設定をもう一度欝僅紀英露桂会の文蘇に蔑して考えてみる。ヴィクト貸 ア朝はi837年から欝艇年と、長蟻に及び、その問、時代精神も変化を遂げている。 経済成長簸には重厚な清教徒的雰鬱気ぶあ馨、遷懇とされる女難のイメージも、 青熱い辛病人がよしとされ、健康さはむしろ下品なもの／賞最e蓋e溢撫｝｛2横と 考えられていた。しかし鰺箆年代にはすでに罫軽」瞬蓬r薄∫化の顛露を見せ 始め、経済的には停滞期に入ったものの、露8暮年代には、女鑑の身体的嚢潅、 桂会的警護が実理し始めた（鋤。i8鱒年代には女性もスぷ一ツに参撫する機会 がふえたし、男軽…と仲闘付き合い（co盤r認er量elができるようになった｛22｝。モ ナがスポーツの習媛を持ち、投げられた雑誌に向かって、テニスボールを打つ ように反麟的に飛び付いた場轟ゆ．3§1が、ゲレス夫人に援：轡的に語られるの は、講者の重代の違いとそれによる懸値観の違いを示している。経済的にもヌ ーヴォー婁ッシュが凌駕し、購綴とは騨の勅差しが生まれ始めていた。ゼポイント ン露が雑誌に発表された茎896年には、もはや経済成長期を支えた縫代の、子ど もたちの時代に縫代交代していた。 美術、ヒの審美観にしても、テクノPジーに背を向診たモ夢スは生活の芸術化 運動に矢数し、モラルを重んじたラスキンは、ホイッスラー皿ラスキン裁甥で 敗北を記した．時代を席巻したエステティック・ムーヴメントは消費社会とタ イアップしていたし、アール・ヌーヴォーはラスキンたちが嫌悪した鉄を、素 梅として積極的に受け入れた．こうして訟steそのものの基準が変わ諺つつあ ったのである． 第2章で撹判された全ての要素が、歴史的文賑の中で、実は主流としてヂヴ 一78一 TAST2と欲望のイコノ置ジー 鱗 （辻 みど箏） イクトジアニズム∫を形成していたのであ静、むしろゲレス夫人のような人聞 の方が、純減寸前であった。縫会的勢力としての少数滋を視点人物に据えて、 その懸絶観で蟹1判的に俘晶童舞を難くことにより、−無徳観の倒錯した髭界を麟 吟だしたことになる。それがtasteという極値基準で再講棄した燈界である． ジェイムズはtastεの基準を、どのように考えていたのか。撹点人物としての ゲレス夫人の無筋観の蓬当盤への疑腿は、本論第3章で分析することになる。 、∼ノ ・王 〔葬 丁｝紛搬asCa盤y至e，S捻霧07鳶ε灘露鱒，i83§．カーライノレ著．宇患嚢完訳ギサート 一・夢サ一夕ス」置童舞大患懇全集 哲学・文芸懇懇篶2繕海艶書霧新社、贈諏 34年ゆ 29翼、 56輩署。 ② 耀吻融霧8海蝕魏，繭掲書。夢、i72． 織 アグニュ一著「ヘン夢・ジェイムズの瀦費のヴィジョンゴ麟掲書。欝8頁． 韓）擁認e玉e醜Gl簸sむ纏怠，琵繍癩露伽εss魏儀碗9羅爵然，Ba重s雄δ，i§82，鐙 王7§一i76． 麟 玉、アンダーソン・ブラック＆マッジ・ガーランド著、由内沙織讃ゼファッシ ョンの渥史 下垂PA盆CO鍵蔽、臆85。 鰯 羅幽磁鐙8漉厩麗，麟掲書。陣59§一592，脚，5鱗一595． 鱒 ゼファッションの歴史 下書麟掲叢。i75頁。 〔8） 裟盆。｝董e董2｛きw董董｝y，ノi鉱sゴLoo爵ぎ㌶9∫εo控s駕耀y C騨舞舞笈∼ズ％五》震短s群1〔⊇稔滋箆9露霜4Zo魏， 躍e出麗η，Lo擁G擁，簿絡、レイテェル・ボウルビー薯、高鐵宏談ぎちょっと見る だけ書あ蓼な書誘、婚89年． （馨 」．ラングトン＆嚢．」．モ婆ス編．来鱗紳一・綴織訳ぎイギ夢ス産業革命地響一 近代乾と工業紀の変遷 算8§一圭駿嚇原書霧、珍紺。鴛§一総2頁。 モ琴一・ハ華スン著、工藤政講談『買い勃の桂会隻璽法政大学崖版局、i㈱。 工55一絡i翼。 晦 ボードサヤール著、今替仁講談『溝費社会の神謡と構造垂紐撃嚢渥書籍、懲79． 一79一 行政続会論集 第7巻 第i号 綴／ D寂v至｛董Crow董εy，濃鷲1㌶翻δ4舞εだ∂搾≠びy冨ご灘磁麓S妙髭，丁数εA翼）肇e Press・i｛》§§・ スチュアート・ユーウェン著．単野秀歓・串江桂子談蓼浪費の政治学 藤 贔としてのスタイル薩贔文詮、i螂。 糠木簿著ぎデザインの鴉犠纏繭掲書。 鶴 大藪躍男・多醗敏男訳「ぷイントンの蒐集品達萌掲書。3ト32頁。大難・多 瞬訳の文章の字句を一部変更している． 麟 シュテファン・コッペルカム著、堀溺死昭設置人工楽穰一驚経紀の温室と ウィンターが一デン書鹿島鐵版会、欝蟹。 掌。灘C3r童er，跳8観泌磁鐙磁ヂ伽，Bε難盈恥搬訟L癒，ig84・ 輝麟寿彦著ζ楽欝のイングランぎ パラダイスのパラダイム垂溝趨書麓新 歓、玉99i。 鱒 『人工楽羅薯前掲書。 鉄はi8弱鱗こ特許串請されたベッセマ一法の雛発によ鰍鉄鋼が：撲生産され るようにな吟、質が肉』ヒするとともに荷重負越が増した．ガラスはi8畦5年に税 金と輸入鋭の雛下によって懸路漢下ぶった。 麟 ペヴスナ一著ゼモダンデザインの展弱匪繭掲書。 丁融聡‘麺磁難Gβ忽醗，麟掲書。β．88．設説家の中には、濾室の構造秘を蔽 い隠す方法を模索する者も現われた。 麟 A．簸．フォークト著、千足棒術訳褻9轡1紀の美徳露グラフィック桂、鯵78。 麟 ぎ英蟹透盤唯美主義の概究 追記董藩掲書。 瞬 『楽蟹のイングランド薄麟掲書。 『人工楽瘡毒麟掲書． 瞬 薪厩θ露錐鼠》耀，蔚揚書。欝、露9． 麟 勝雄．，β．Mi． 麟 γ廊あ磁難翻2ss，前掲書。β、i76． 」＆搬εs Laver，Cθε魏耀｛量地s編餓協ε魏‘雄8撚拓蹴丁難a搬es a獄垂琵磁so敬 ig82．P2iL 一80一