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4月 栄養ニュース第199号
4月 栄養ニュース第199号 福西会病院 栄養管理科 日増しに暖かくなり、早朝の息吹を感じるこの頃です。 この季節、気になるのは花粉症などのアレルギー症状ではないでしょうか。 アレルギーの症状は、体内の免疫細胞が過剰に反応することで起こります。症状を軽くする には、体質改善をすることが一番の治療法です。ストレスのない規則正しい生活、運動、そ して食べ物が大事です。 今回は花粉症に負けない体作りついてお話します。 ☆乳酸菌で腸内での免疫細胞バランスを整えましょう ヨーグルトや発酵食品などに入っている乳酸菌にはいくつかの種類があり、さらにその特徴 によって菌株まで細かく分類されます。その中でもラクトバチルス・アシドフィルス L‐9 2株(L‐92 乳酸菌)という乳酸菌は免疫バランスを改善してくれる特徴があります。 腸内の善玉菌を増やして、便通を良くし、腸内環境を整えましょう。しかし、即効性はない ので、毎日続けて摂取して腸内の環境を良くすることを心がけましょう。 ☆油(脂肪酸)の質を見直しましょう 脂肪酸には大きく分けると、3つの種類があります。飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸(オメガ 9系脂肪酸)、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系脂肪酸、オメガ3系脂肪酸)です。その特徴を見 てみましょう。 ●飽和脂肪酸を多く含む食品は、LDL(悪玉)コレステロールを上昇させます。バターやラー ド、肉の脂や乳製品の脂肪に多く含まれています。常温で固体の脂が多いです。体内でも固 まりやすいので、摂りすぎると中性脂肪や動脈硬化の原因となります。少なすぎると、脳出 血を起こす可能性があります。適度な量の肉類や乳製品をとることは生活習慣病予防になり ます。 ●一価不飽和脂肪酸の代表はオリーブ油やキャノーラ油(なたね油)などに含まれるオレイ ン酸で、他の脂肪酸とは違い、酸化されにくいという特徴があります。LDL(悪玉)コレステ ロールを増やすことなく、HDL(善玉)コレステロールだけを増やす働きがあります。動脈硬 化の予防、改善に効果があるとされています。しかし、LDL(悪玉)コレステロールを減らす 働きは多価不飽和脂肪酸ほどではありません。 ●多価不飽和脂肪酸 オメガ6系脂肪酸の代表的なものにリノール酸を含む、べにばな油、コーン油、ゴマ油、サ ラダ油、マヨネーズがあります。揚げ物や、脂っこい食事のほとんどにオメガ6系脂肪酸が 使用されています。LDL(悪玉)コレステロールを減らしますが、摂りすぎると HDL(善玉) コレステロールも減少させてしまいます。身体には欠かせない栄養素の一つである必須脂肪 酸なのですが、同時にこれらの油はアレルギー促進作用や炎症作用があります。つまり食の 欧米化が進んだことにより、オメガ6系脂肪酸過多の食生活がアレルギー体質を起こし、花 粉症の増加の原因になっています。適度な摂取が大切です。 因みに、オメガ6系脂肪酸が体内で変化した後にできる「アラキドン酸」は、花粉症の諸症 状を引き起こす原因物質ヒスタミンよりも強い炎症作用があるといわれています。 オメガ3系脂肪酸の代表的なものにα‐リノレン酸(必須脂肪酸)を含む亜麻仁油、えごま油、 チアシードオイル、DHA や EPA(必須脂肪酸)を含む青魚があります。 これらは炎症を抑える作用があり、現代人が最も不足している栄養素の一つです。花粉症に 限らずその摂取不足が様々な疾患原因の一つともいわれています。 中性脂肪を減らし、HDL(善玉)コレステロールを増やしたり、動脈硬化予防の働きもありま す。 ※飽和脂肪酸3:一価不飽和脂肪酸4:多価不飽和脂肪酸3の割合で摂りましょう。 ☆ポリフェノールを摂取してアレルギー症状を緩和させしましょう ポリフェノールは赤ワインが有名ですが、ほかにも緑茶のカテキン、ブルーベリーのアント シアニン、大豆のイソフラボンなど多くの種類があり、5000 種類以上もあると言われてい ます。 強力な抗酸化作用があり、体内に入ると、花粉症などのアレルギー反応を引き起こすヒスタ ミンの発生を抑えて、その症状を緩和する働きがあります。また、酸化防止にも効果があり ます。 ☆食物繊維で腸内環境を整えましょう 食物繊維は腸内にある悪玉菌などの有害物質を体の外に排出し、善玉菌を増やして腸内環境 を改善します。 ●水溶性食物繊維の多い食品 ひじき、わかめ、寒天、りんご、バナナ、柑橘類、椎茸、えのきだけ等 ●不溶性食物繊維の多い食品 ごぼう、サツマイモ、切り干し大根、ブロッコリー、玄米、ライ麦、大豆、あずき等 ※2種類の食物繊維を組合わせてお腹をスッキリさせましょう。 腸の健康を考えると、摂取量は不溶性2:水溶性1の割合が理想的です。 ★以上の食品を日頃から毎日食べることによって体質改善し、 花粉症に負けない体にしましょう。