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2万種類の食品包装容器を製造・販売 品質・価格・提案力で お客さま満足
朝日食品容器 株式会社 2万種類の食品包装容器を製造・販売 品質・価格・提案力で お客さま満足度をさらに高めていく 今回お訪ねしたのは、呉市に本社を構える朝日食品容器株式会 社。昭和25年に折箱の製造で創業して以来、食品包装容器の製 造・販売に携わっています。中国に合弁会社を開設し、割箸、プラ スチックスプーンなど多種多様な自社製品も製造しています。1年 半前にトップに就任し、同社をリードするのは朝日光弘社長。販売 だけでなく、容器の開発や売場提案など、柔軟にお客さまのニー ズに応え、販売拡大に努めています。穏やかな笑顔の中に、新た な取り組みへの意欲を感じさせる朝日社長にお話を伺いました。 薄板、折箱製造で創業 こだわりのお弁当用に今も好評 朝日食品容器の創業者は、私の祖父に当たる朝日 龍己です。現在の本社は海のそばにありますが、創業 海にほど近い本社。平成2年から現在地で営業している 品質な経木の折箱や桐箱を製造しています。 時代の変化に対応しつつ メーカーから卸、小売りへ 時は山手の呉市西谷町に朝日木工所を設立し、 折箱、 薄板製造販売を始めました。 創業した当初は卸への納品が中心でしたが、徐々 創業の経緯ははっきりと聞いていませんが、お肉や に直売の比率が増加。呉市を中心に飲食店、小売店 お魚を買った時に、 薄く板を削った経木の上にのせても などへ、 直接納品することが増えました。 その後、 プラス らっていた時代です。薄板を曲げて作った折箱の需要 チックが普及するにつれて、 トレーの需要が高まってい は高かったのだと思います。私も子どものころ、折箱を きました。 「朝日さんでは扱っていないの？」 「一緒に届 作る仕事を手伝った記憶があります。 けてもらえたら助かる」 という声に応えて、 プラスチック 木には吸湿性があり、余分な水分は吸い取ってくれ るという長所があります。木の折箱ならではの良さが あるため、今でもこだわって発注してくださるお取引先 さまがあります。 また、 おせち料理用の3段重ねの重箱 や、祝いの席の折詰め弁当などにも、折箱が使われて います。高級フルーツなどを入れる桐箱のニーズもあり ますので、 現在も西谷工場では、 スタッフが小ロットで高 8 ワイエムビジネスレポート 2014. 5 月号 No.69 仕出しなどに使われる桐箱 と折箱 企業レポート／朝日食品容器 株式会社 いバ まラ すエ テ ィ 豊 富 な 包 装 容 器 を 取 り 扱 っ て メーカーの黒竜江興友木業有限公司を設立しました。 林業資源が豊富で木材の調達に便利な小興安嶺麓 に位置しています。次に平成11年に設立したのが、大 連維美家庭用品有限公司です。 こちらでは割箸の面 取り加工、 選別、 完全封入箸、 差し込み箸などの製造を しています。 合弁会社を立ち上げる以前にも中国から割箸を輸入 のトレーを中心に、包装資材、食品容器、販促物などを し、 日本で完封機による製造などを行っていましたが、 コス 仕入れてお届けするようになりました。徐々にお取引先 ト的に厳しい状況がありました。 中国に割箸の加工工場 も増え、野菜屋さんや肉屋さんなど地場の商店から、 と仕上げをする工場ができたことで、 大量に低コストかつ スーパーマーケット、 コンビニエンスストアや弁当チェー 高品質の割箸を提供できるようになりました。 紙袋に入れ ンなど大口のお取引先さまも増えていきました。 そうする るのか、 ポリ袋に入れるのか、 また爪楊枝をセットするかし と、洗剤やユニフォーム、 マスクなどの衛生用品、鍋や ないかなど、 クライアントごとに異なる仕様にも、 柔軟に対 ボウル、秤などの厨房用品のご要望もいただくようにな 応できます。 商社を通じてコンビニエンスストアへ納入す り、 さらに取扱商品を拡大していきました。 る箸も多いのですが、 衛生管理を徹底するために、 コン お客さまと直に接する小売店も3つ設けています。 2店 ビニサイドの定期視察があります。 厳しい基準をクリアす 舗は呉市の市場と卸センターにあり、 業者さんの利用が ることは大変ではありますが、 おかげで工場の衛生管理 中心です。 もう1店舗のモダンパック朝日は、 エフピコさん が徹底され、 品質も高く保つことができており、 お客さまに の関連会社・エフピコモダンパックのFCとして平成2年に 育てていただいたことに関して、 大変感謝しております。 開業しました。立地は呉市中心部の呉市中央3丁目 （6 大連度世塑料製品有限公司は、 スプーンやフォー 月中旬に呉市本通り4丁目へ移転予定） 。 本社を現在地 ク、 マドラーなど、 プラスチックのインジェクション製品、 防 に新築移転した跡地に作った店舗です。業務用の包 曇袋などの軟包装製品を手掛けています。環境保全 装資材を中心に取り扱っている店ですが、思いのほか の観点から、 飲食店さんで割箸ではなく繰り返し使える 一般の方の利用も増えています。子ども会の行事や地 箸のご要望も受けていましたので、洗えるプラスチック 域のお祭りなどの際にご来店いただくことが多かったの の箸も製造しています。 で、 店のスタッフもシーズンに合わせて商品ラインナップを 青島昇栄宝林木業有限公司は、 桐箱や家具など木 工夫しています。 お祭りシーズンには金魚すくいの道具 工製品を手掛けています。西谷工場でも桐箱は製造し や、 綿菓子の材料などを入荷。 綿菓子を作る機械も貸し ていますが、青島では大ロットの汎用品を製造し、使い 出して、 セットでご利用いただいています。年を重ねるご 分けています。 そのほかに協力会社として上海度世貿 とに、 「あて」にしてくださる方も増えてきました。品ぞろえ 易有限公司があり、 主に中国国内への販売を行ってお を変えることは、 新しい需要を喚起することになり、 またお ります。 客さまに喜んでいただけると、 手応えを感じています。 し て い ま す 中国に合弁会社を設立 割箸や包装容器を製造販売 現在、当社は中国に合弁会社を4社設立していま す。最初は、平成8年に黒竜江省伊春市に割箸製造 割 箸 は 、 用 途 に 応 じ た 袋 に 封 入 し て 出 荷 ワイエムビジネスレポート 2014. 5 月号 No.69 9 【経営理念】 社会へ貢献 社会より求められる企業へ 【基本方針】 １．社員の幸福とお客さまを第一主義とする ２．社員、家族、地域、仕入先の発展と 我が社の発展を目指す ３．日本一元気な会社、高収益を目指す 【経営姿勢】 １．お客さまの立場になって何事も考え、 お客様から必要とされる会社になる ２．包装業界の発展と我が社独自の商品開発に 専念する 提案力を高めて 顧客サポートを強化 弊社が東京営業所を設けたのは平成6年です。営 業拠点としての機能はもちろんですが、情報収集のた めの拠点という意味合いもあります。 「これからトレンド になる商品は？」 「面白い販売の仕掛けはない？」 といっ た声をいただくことが多く、東京の情報を提供すると非 常に喜んでいただけます。逆に、広島や山口での新し い動きを首都圏の方にご紹介することもあります。商品 に加えて情報でもお客さまをサポートできるよう、店の オープンやリニューアルなど、商品企画立案から売場 スムーズな物流と 豊富な情報で顧客サポート 提案までトータルでお手伝いをしています。 きめ細やか なサービスを実践するために、営業部、商品部、物流 部、製造部の密な連携づくりにも努めています。 また平 現在、 仕入れ先は約200社あります。 お客さまの幅広 成23年にはエンジニア事業部を設置し、 包装機械や計 いニーズに応えるため、 国内メーカー、 商社からの仕入 量器など各種機械の設置やメンテナンスを行う部門を れ品、 グループ会社の昇栄を通じた輸入品を合わせる 作りました。受け身ではなく、積極的にご提案し、 よりお と、 2万種類あまりの商品を取り扱っています。 役に立てる企業になることで、 さらに成長していきたい 物流に関しては、効率のよいシステム構築に努めて と思います。 います。海外からの輸入品は、横浜、神戸、広島、福岡 4、5年ほど前から中国で森林伐採量の制限が強化 などの主要港に入荷。広島県、 山口県を中心に、 中国・ されたことから、 ロシアやモンゴルからの木材輸入ルー 九州地方から関東地方の販売エリアに、約1,000社の トを確保するなど、 日々変化への対応を進めています。 お取引先さまがいらっしゃいますので、近くの拠点から 創業者の祖父をはじめ、2代目の父、3代目の叔父など 納品する体制を整えています。物流の中心になるの 先輩方がこれまで培ってきた歴史を大切にしながら、 は、東広島市にある配送センターです。約8,300㎡の敷 財務の充実、 自社製品の拡販に加え、牧草用のサイ 地に、約1万種類の商品を常時在庫しています。本社 レージフィルム販売など、 新しい分野にも積極的に挑戦 と広島エリア、 さらに大口の特定ユーザーに向けて、毎 していきたいと思います。 日定期便を走らせ、 スピーディな納品を行っています。 受注は、 コンピュータシステムを導入してスピード 物流の拠点となる東広 島市の配送センター アップを図りました。 メインはFAXによる受注ですが、 「CORE Plus」のFAX-OCR受注システムで、入力 の手間なく受付ができ、効率化を進めています。その ほか、電話やWeb受注、EOS・EDIのオンライン受注に 対応しています。社内にもネットワークを構築し、本社と 営業所、九州、岡山、関西、関東デポと特定ユーザー、 メーカーなどとオンラインでつなぎ、受注から納品まで、 正確に迅速に対応できるようにしました。 10 ワイエムビジネスレポート 2014. 5 月号 No.69 売場づくりなどもお客さま にご提案をしています 企業レポート／朝日食品容器 株式会社 社長に お聞きしました！ 私の朝時間 毎朝、 6時に起きて、 身支度をして7時 に出発するようにしています。 ちょうど RCCラジオで「おはようラジオ」 を放 送している時間帯なので、 ニュースを 代表取締役社長 チェックしながら車で1時間ほどかけて 朝日 光弘 通勤しています。 コーヒーを飲むのが日 課ですが、 缶コーヒーの日もあれば、 最 近増えているコンビニの入れたてコー ヒーにする日もあります。安いのにおい しいので、 最初は本当に驚きました。 好きな言葉 概 要 <所在地> 呉市築地町4-29 < 設 昭和49年4月 （創業昭和25年） 立 > ＜資 本 金＞ 1,000万円 < 従業員数 > 100名 < 事業概要 > 【国内外製造・輸入品目】割箸製造・輸入、インジェク ション製品、軟包装製品製造・輸入、折箱製造、輸入木 工製品、輸入食品、輸入雑貨、その他 「変えられる可能性のあるものは、運 【取り扱い品目】包装資材、食品容器、紙製品、各種化 命ではない」。iPS細胞の開発でノー 成品、ラベル・シール、DTP商品、販促物、各種印刷 ベル生理学・医学賞を受賞した山中 伸弥教授が言っていた言葉です。山 物、店舗備品、厨房機器、什器備品、その他 ＜事 業 所＞ 中央卸市場店、卸センター店、西谷工場、配送セン 中教授は細胞に関して話していたの ではないかと思いますが、私は「『運 命だからしょうがない』 とあきらめては 広島営業所、山口営業所、東京営業所、岩国出張所、 ター ＜グループ＞ 株式会社昇栄、 モダンパック朝日 ＜合弁会社＞ 黒竜江興友木業有限公司、大連維美家庭用品有限公 いけない。自分から行動を起こせば、 司、青島昇栄宝林木業有限公司、大連度世塑料製品 変えることができるかもしれない」 とい 有限公司 う意味に聞こえました。日々の仕事も 自分の生き方も、見直していこうと気 づかされた言葉でした。 企業沿革 昭和25年 創業。朝日龍己が朝日木工所を設立、折箱・薄板製造販 売を開始 昭和49年 朝日食品容器株式会社を設立 昭和51年 卸センター店開設 私 の お 気 に 入り 昭和61年 広島営業所開設 平成 2年 本社新築移設。モダンパック朝日呉店開設 趣味はゴルフです。決して上手ではあ 平成 6年 東京営業所開設 平成 7年 1,000万円に増資 平成 8年 中国合弁会社設立（黒龍江省伊春市に黒竜江興友木業 りませんが、 グリーンに出てプレーす ると、嫌なことを忘れてすっきりできま 有限公司） す。ペースは月1、2回程度です。 平成10年 東広島に配送センター開設 スーパーへ買物に行くのは仕事の一 平成11年 中国合弁会社設立（大連市金州区に大連維美家庭用品 環でもあり、趣味でもあります。職業 柄、 どうしても包装容器に目が行って しまいます。気になる商品があれば 購入し、中身は私が食べて （笑）、容 器は商品企画のスタッフに渡すよう にしています。 有限公司） 平成12年 株式会社昇栄設立 平成13年 中国合弁会社設立（青島菜西市に青島昇栄宝林木業有 限公司） 平成16年 中国合弁会社設立（大連市金州区に大連度世塑料製品 平成23年 エンジニアリング事業所開設 有限公司） ワイエムビジネスレポート 2014. 5 月号 No.69 11