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音楽の関連付けを作成
2006 年度卒業研究概要 アイコン表現による音楽情報の可視化に関する検討 奥平 雅士 研究室 0332097 1.研究背景: 螻田 星樹 に合うアイコン生成の手法について検討する。 近年、携帯ウォークマンの小型化、大容量化、 音楽記憶媒体、携帯電話の進歩により、手軽に大 3.1 画像生成規則: 量の音楽を持ち歩くことが出来るようになった。 以下に、画像生成規則について述べる。楽曲か それに伴い、音楽配信サイトや、 「着うた」が登場 ら得る情報としては、周波数と音量分布を用いる し、多様な音楽に触れ合う機会が増えた。しかし、 こととし、感情効果[3]を考慮して周波数と色、音 対象が増えると効果的に自分が聞きたい楽曲に辿 量と図形とを関連付ける。 り着くことが困難になる。楽曲を判別する方法と 周波数帯の分類は、表 1 に示すように、3 つ しては、アーティスト名、歌詞、楽曲名、そして の領域に分け、それぞれ 40∼200Hz に対して青、 実際聴くことなどが挙げられる。しかし、それだ 200∼2000Hz に対して緑、2000Hz 以上を赤と関連 けで判別するには楽曲数が多すぎる、そして時間 付ける。さらに各色の強さは、各周波数帯の内部 がかかるため、新しい手法が望まれている。 での分布により高い周波数成分が多い場合に 1、 中の成分が多い場合には 0.5、低い成分が多い場 2.研究目的: 本研究では、多様化した楽曲を選択する際の情 報として、音楽を特徴づける情報をアイコン化、 合には 0 とする。解析部では、それぞれの領域の 音声が発した場合をカウントし、その情報がどれ だけの量があるかを分析する。 可視化することにより、画像として、視覚的、直 感的に楽曲を理解し、自分の好みの楽曲に早くた どり着くことが出来るシステムの構築を図る。 3.システム概要: 本研究では、楽曲をインプットすることにより、 表1.周波数と色の関連付け 周波数帯(Hz) 色 2000∼ 赤 200∼2000 緑 40∼200 青 その楽曲から抽出した要素を反映した画像を生成 する。プログラムの作成には、音楽情報の編集が 可能な Puredata[1]と、Puredata と組み合わせてリア ルタイムに CG の生成、制御が可能な GEM[2]を用 同様に音の大きさに対しても一曲の全データに いた。Puredata で音のパラメータを抽出し、それ おいて各音量を解析し、表 2 に示すように最大の に対応した図形や、色を変えた画像を作成する。 ものに図形を対応付ける。 これを楽曲に対するアイコンとして割り振ること とし、この画像を楽曲の特徴に合う、楽曲の特徴 表2.音の強さと図形の関係 音の強さ 図形 音量:100∼ 三角 音量:80∼100 台形 音量:60∼80 四角 音量:40∼60 円錐 音量:0∼40 円 表3.曲に対するイメージアイコン 曲番 号 アイコン 曲番号 アイコン 1 6 2 7 3 8 4 9 5 10 音の強さは入力レベルを操作することで変化す るが、今回のシステムで再生して、不快でない音 量で行うことにした。 5.実験・結果 実験では以下の 10 曲を対象として分析した。分析 結果を表 3 に示す。 ①カーペンターズ:トップ・オブ・ザ・ワールド ②ビートルズ:レット・イット・ビー ③ビートルズ:イエスタディ ④GLAY:winter again ⑤GLAY:サバイバル ⑥ラルクアンシエル:blurry eyes ⑦広瀬香美: ロマンスの神様 ⑧槇原敬之: どんなときも 6.考察と課題: 周波数、音量の大きさの関連付けをして生成し たアイコンと、被験者が曲を聴いて感じた図形、 色の結果において、幾つかを除き対象の多くは 50%を切った。特に図形に対しての一致度に比べ、 色に対しては一致度が低かった。 今後は周波数分布と色の対応付け及び音と形の 関係についてより検討する必要がある。 ⑨センチメンタルバス:Sunny Day Sunday ⑩爆風スランプ:Runner 参考文献 [1]Puredata 楽曲を聴いて人はどういった図形や色を感じる http://www.crca.ucsd.edu/~msp/software.html か調査を行った。被験者 22 人に 10 曲聴いてもら [2]GEM い、それぞれの曲に合うと思った図形と色を1個 http://gem.iem.at/ ずつ選択肢の中から選択してもらった。 [3]色のイメージと感情効果 http://www.aichi-iic.or.jp/co/sunlight/kanjyou.htm ・図形の選択肢:円、三角、四角、台形、円錐 ・色の選択肢:黒、茶、赤、オレンジ、黄、緑、 青、紫