...

w。men,s B。。

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

w。men,s B。。
″
︼
一
′
︼
工
っ
︼
一
′
一
一―女 性 の本 と女性 の為 の情報 をお知 らせす るウイメンズブ ック友 の会会報一―
(入 会金500円
年会費個人1,800円
団体2,200円 )
ウイメンズ ブック ロ 録
“
以下 の場合
1,000円
1,001円
3,001円
5,001円
10,001円
∼ 3,000円 の場合
∼ 5,000円 の場合
∼ 10,000円 の場合
以上 の場合
円円円円円
この リス トの書籍を御希望の方は,同 封 の振替用紙 め通信欄 でお
申込み下さい。書籍代は送料共でお振込み下 さいます ようお願 い
致 します。
ご注文 の本の定価 の合計額に,右 の表 の送料を合せてお送 り下 さ
い。なお,お 電話 でのご注文 も受け付けています。
0
『アサーティブネス (積 極的自己主張)の すすめ』
アン・デ ィクソン 山本光子訳 拓殖書房
女性心理 とセラピィ
1991年
あ行〕
〔
『アイデンティティーコンプレックス』
海原純子 大和書房 1990年 1140円
ス トレスから逃 げまわった り,他 人に責任 を押 しつけた
り,自 分だけが苦労 しているとい う思いにとらわれた り
自分 を `
悲劇の主人公、にしている人は,い つ までたっ
て もス トレスには勝てない。働 く女性のためのクリニ ッ
クを開業 している著者が幅広 いア ドバ イスを与えて くれ
る本。
,
『愛 しすぎる女たち』
_
ロビン・ ノー ウッド 落合恵子訳
読売新聞社
1800円
`アサーテイブ、とは積極的自己主 のこと ヨーロ
ッ
張
。
パ各地 にアサーティブネス教室を開設 し,成 功を収めた
心理 カウンセラーの著者が,長 年 の抑圧的状況から, と
もすればその反動で攻撃的になる女性 もい るが,本 書で
はいい人間関係をつ くる方法, 自分が変わるための方法
としてアサーティプを提唱。
rYos But.¨
フェミニズ ム心理学をめざして』
ジーン・ベーカー・ ミラー 河野貴代美監訳
新宿書房 1989年 2472円
「 そ うかもしれない,で も…」 この ようなことをお互い
に言 い続ける再考のプロセス,そ れぞれ個別な生 き方 と
分か ちあい。いままで女性のマイナス面 として捉えられ
て きた属性 をプラス に変 えてい く11カ 国で翻訳 された
フェ ミニス ト心理学の好著。
1988年 1545円
「愛」 とい う名 の自己犠牲、
「愛 しす ぎ」か ら抜けだ し、
対等な愛のあ り方を考 えるセラピイの書。
『愛 しすぎる女たちからの手絶
ロビン・ ノーウッド 落合恵子訳
読売新聞社
1991年 1600円
ベス トセラー F愛 しす ぎる女たち』の姉妹編。前書に寄
せ られた手紙をもとに10章 の項 目に分類。類型の手紙に
よつて再び「愛 しす ぎ症候群」
「依存症」を考 える好フェ
ミニス トセラピイの書 となっている。
「青髭 一一 愛する女性 を殺す とは ?』
ヘルムー ト・バルッ 林道義訳 新曜社
1992年 2月 1700円
グリム童話「青髭」に秘められたきわめて現代的なテー
マ を鮮やかに読み解 きなが ら,現 代の男性 と女性の問題
を論 じる。ユ ング心理学の好読みもの。
『ウェンデ ィ 。ジレンマ』
ダン・ カイリー 小此木啓吾監訳
祥伝社 1984年 1545円
『ウェンディ 。ジレンマ』 は日本的女性像 を一挙に粉砕
す るような衝撃力をそなえている。 ウェンディのような
大人 になれないピー ター・パ ンたちの母親役 を止めて
自立 した女性であるテ インカー・ベル にな りなさい と説
く『ピーター・パ ン・ シンドローム』 の続著。
,
『ウーマンズ 。ラブニ 女性の人間関係学』 村山久美子
創元社 1990年 1300円
現在 の女性に大切なのは女性同士の協調性ではないだろ
うか。互いの人生 を支 え合える関係一一 ウーマ ンズ 。ラ
プを積極的に評価 しようとしたのが本書だ。小説の中の
母娘 関係 と同性愛,心 理学のレズ ビアニズム,映 画の中
の女同士,フ ェミニス ト・ セラピー,依 存 と自立のフイー
ドバ ック。
ウイメンズ ブックス
『エ イジング・ コンプ レックスJ
海原純子 大和書房
1991年 12∞ 円
エ イジ ング (加 詢 一年 を重ねることによる自己喪失感
不安感 を働 く女性 のためのクリニ ックを開業 している著
者が豊富な経験 から「 エ イジングコンプレックス」 と名
`
づ けて解 き明かす。 もう年だから、は逃避 のは じまり
エ
職場で深刻化する イジズム,エ イジングか らの脱出法
一 エ ンジ ョイ・ユアセルフ。
,
,
『女 なんてイヤ
!
思春期ヤセ症を追 う』
宮 淑子 朝 日新聞社
1988年 1236円
`
女 らしさ、とい う女性 に付随する根源的な葛藤から生
じる思春期 の女性 の問題 をルポ。
『女はみんな女神』 ジー ン・ シノダ 。ポー レン 新水社
村本詔司 村本邦子訳 1991年 2300円
女性同士が女性の多様性 を受け入れ,相 互の違 い を尊重
で きるような関係 を結 び,お 互いに新たな可能性 を開 く
本書 はそのために有効 なユ ングとフェミニズムの両
一
方 の視点に立 って書かれた心理学書。まえが きで,グ ロ
リア・ ス タイネムは,「 どの女の心のなかにも女神が い
る」終章「女 はみんなヒロイン」で、ギリシア神話の 7
人の女神 の性格に女神 の元型を求める。
『女 らしさの病い 臨床精神医学 と女性論』 斉藤 学
波田あい子編 誠信書房 1986年 2575円
精神医学 の領域に性差研究会を設け,そ こにフェミニス
トも参加。その活動 と研究,そ して臨床医学 を加味 して
本論 は編 まれた。現代女性 のジレンマ構造,女 性 の精神
医療 の現場 から,ア ルコール依存症,性 差 と精神医学
対談・性差 とフェミニズム等。
第43号 1992年 5月 25日
ダン・ カイリー
深沢道子監訳 社会思想社
1990年 2500円
現代人の「孤独」 に「独 りものの孤独」 のほかに男性 と
いっ しよに暮 らしている女性が襲 われる孤独「 いっしょ
にい ても孤独」一 LTL(LOving Together Lonelin“ 0が
『 ピーターバ ン・ シンドロー
ある。この現代 の病に関 して
ムJの 著者がその処方箋 を提示する。
r結 婚 していてもなお曲
『 こころの原点』
小此木啓吾 哲学書房 1991年 12月 2200円
21世 紀 には,女 性優位社会の到来が予感 され,こ の変動
の過程 で描 き出されるスーパ ーウーマ ン・ イメージをめ
ぐつて父 と母,夫 と妻,そ して親子の間が大 きく揺れ動
いている。その変化を どう読み とり,ど うかかわつたら
いいか,そ の基盤 となるべ き心の原点を精神科医が分析
する。心の リアリテイ/ス =パ ーウーマ ン・ イメージ/
老人 と死/日 本人 と国際人他。
時むを病む女たち一狂気 と英国文イ
L
エ レイン 。ショーウォー ター 山田春子 薗田美和子訳
朝 日出版社 1"0年 52KXl円
昌鳥鳥畠拿上:教 等1` と晏夕場:1ガ
「 ぜTT婆 程を是黄
と定義づ け,監 禁 して しまった医学界 と社会の状況を探
る。 フーコの「狂気の歴 島 に触発 され,そ こに欠落 し
ていた性 と性差の問題 に着眼 したとい う。未来への希望
はフェミニス ト療法運動 だという。狂気 を「女性の病い」
にする鎖は,女 性が 自らの鎖 をひきちぎるまで,新 たに
鋳造 されるのだ。
,
か行〕
〔
rか らだの声に耳をすますと』
ステフアニー・ デメ トラコポウロス 横山貞子訳
思想の科学社 1987年 2472円
家 母長 という耳なれない言葉 を駆使 し,い ま世界が どん
`
な にこの家母長的知恵 を必要 としているかを説 く。 女
`
づ
と女の文
のか らだ、の体験 にもと く からだの知恵、
化 を語つている。
rか らだ 。私たち自身』
ボス トン女の健康 の本集団
藤枝澪子監修 荻野美穂 。河野美代子校閲 松香堂
1988年 5150円 (図 書館用特装版 12360円 )
アメ リカ女性運動の成果,『 女のからだ1の 改訂版 の全
訳が完成 した。アメリカ女性 のエネルギーとそれを日本
の 女性 に伝 えたい女性翻訳 グループのエ ネル ギーの結
晶。豊富な図版 と日本の医療情報。タプーや思 い込みを
取 り払 い,か らだと性 を理解するための百科全書的な本。
堕 食症 女たちの誇 り高 い抗議 と苦悩』
スージー・ オーバ ック
新曜社 1992年 3月 2884円
女性 は心が脅かされるときには自分の肉体 を自己表現の
手段 として コン トロール してきた。拒食症 も自己主張の
一連 の試み。消費社会 に翔奔 される女性の身体 イメージ
をセラビス トが解説。
『 コ ミュニケーション不全症候群』
中島 梓 筑摩書房 1991年 15∞ 円
オタク、ダイエ ット、少女 たちの少年愛趣味など、彼 ら
の内側に分け入 ってそれぞれの症状 を読み解 く好著。選
別 されオタクと化 し、ダイエ ットをしなければ適応でき
ない `コ ミュニケーション不全症候群、の現代社会の病
理 を問う。
さ行〕
〔
村山久美子 誠信書房
1987年 1854円
社会の中で女性はどう変わろうとしてい るのか,女性の
生涯発達 の心理学入門書。なぜ女性 さ理学 を学ぶのか/
女性 をめ ぐる心理学理論/女 性の生涯発達/女 性のセッ
クス/女 性 の精神障害/女 と女/社 会の 中で女性はどう
変 わろうとしているのか他。
『女性心理学入円』
『女性たちのパーナウ トー燃 えつ き症侯群』
ハーパー ド・ フロウデ ンバーガー 小此木啓吾訳
コンパニ オン出版 1988年 1339円
「燃えつ き症候群」 という言葉を流行 させた本の原著。
『女性 と狂鮨
P・ チ ェス ラー
河野貴代美訳
ユ ック舎 1989年 2060円
女性 の狂気が精神分析理論や臨床において どう扱われて
いるのかを入院歴 のある60名 の女性 `
患者、にインタ
ヴュー し,そ の実態 に迫 る。
ウイメンズ
第43号 1992年 5月 25日
『女性の深層 』
エー リッヒ・ ノイマン 松代洋一 鎌田輝男訳
紀伊国屋書店 1980年 1600円
ユ ングは男性の中に女性的なものが存在 し,女 性 の中に
も男性的なものが存在することを示 した。本書はこの知
見 をさらに深め,女 性 の心理的発達過程,女 性的なもの
と創造性 との関係,モ ー ツァル トの「魔笛」の研究から
母権的世界 と父権的世界 の対決 と新たな統合 された世界
を示す。
ブックス
と性 イメージ,幻 想 との関係 を直視。
た・な行〕
〔
『ダイエ ットってなんだろう』宮淑子著 小泉るみ子絵
岩崎書店 199244月 13∞ 円
女子 ばか りなぜやせたがるの ?「 やせたい」気持 ちの奥
にあるものは何 ?中 ・ 高校生の若 い女性たちに向けて書
かれた「からだ」の本。
『女性のための自己発見学J
河野貴代美
学陽書房 1986年 1339円
自己アイデ ンティティの確立をめざす女性のための 自己
分析、自立 と自律へ のアプローチ。
『自立の女性学』
河野貴代美
学陽書房 1983年 1339円
と自立
自己主張や CRの トレーニ ングにようて真の自由‐
へ の道 を示す心理の女性学の ロングセラー。
『自立の心理学J
しま 。ようこ
BOC出 版部 1984年 1854円
ほんとうの 自立 とは何かを継続討論 した心理学 クラスの
記録。能動的に聴 き、率直に話す/日 本的 コ ミュニケー
シ ョンを考 える/` 遠慮、を点検する/お 仕着せの自立
論か ら真の自立に向けて。
リン・ プルーム他著
河野貴代美 `斉 藤千代 訳
BOC出 版部 1977年 1339円
どの ようにしたら自分 を確立できて,自 己主張のできる
人間になれるかをアメリカの心理学者たちの実験教室で
行 われた実例 をもとに書かれたロングセラー本。さわや
かに自己主張す る法が参考 になる。
『自分を変える本む
『自分 を好きになるれ
パ ッ ト・ パ ルマ ー
径書房 1991年 10月 1545円
自分の ことが好 きになるための ヒン トがいっぱい用意 さ
れたこの本は児童書 なのだが,大 人たちにも静かなプー
ム を呼んでいる。本号13頁 をご参照下 さい。
eq Press訳
『少女反抗期』
尾本直樹
学陽書房 1991年 14∞ 円
女子の問題行動が続発する中学校。現場の教師が問題の
現象,対 応策,家 庭教育 のあ り方な ど,甘 えと自立願望
の うず まく `
少女反抗期、に意欲的に取組んだもの。
『心理学は子どもの味方か ?J
小沢牧子
ウイ書房 1992年 2月 15∞ 円
教育心理学を再考する試み。発達 させ られる者か ら,み
ずか ら生 きる存在へ と大人と子 どもが共にどうい きるか
を問 う教育論。心理テス トの実像,カ ウンセ リングとい
う管理 について、親子関係論からの解放他。
懇―ペ ッドの中の戦場
河野貴代美
∼
学陽書房 1990年 1380円
60名 余 りの女性たちへ のインタビュー を通 して,女 性 の
性 イメージや幻想 を探 る。否定的な性 イメージをもつも
の も多 い。対関係 をめ ぐる性幻想 (異 性愛,同 性愛),
恋愛 とい う幻想などか ら女性にとっての性 の 自立 と解放
憫
『食 べ たい !で も,や せたい』 L・ ワイス 末松弘行訳
星和書店 1991年 2400円
過食症 の認知行動療法。7週 間の治療 プログラムを紹介。
『誰 にも言えなかつた一子 ども時代 に性暴力を受けた女
エ レン・バス ルイーズ 。ソー ントン
性 たちの獅
森田ゆ り訳 築地書館 1991年 1700円
この本の中の女性たちは子 ども時代 に性的暴行,あ るい
は強姦 を受け,も ろもろの落 し穴や危険 にもかかわらず
自らの体験 を人に語る勇気 をついに持 つたために,生 き
る強 さと尊厳を取 りもどしたサバ イパー (生 存者)た ち。
,
『血 とい
神分析者の手議
マ リ `カ ルディナル 柴田都志子訳
ー
リプロポー ト
1992年 1月 1854円
精神分析の実態を被精神分析者の立場か ら克明に描 いた
世界 10数 力国語に翻訳 されたフランスの本。新装再版。
『逃げ晨症候群J
ソーニヤ 。ロ ウズ マー リン 。S,ポ タッシュ
翻訳工房「 とも」訳 新水社 1990年 1800円
自立 した女性にひかれながら,女 性か ら求愛されると逃
げ腰 になってしまう現代男性の心理 をニューヨークのサ
イ コセ ラビス トが解明.古 い男女関係 か ら新 しい男女関
係 に移行できない男たちのとまどい を三 タイプに分け
よ り対等な親密な関係 をつ くるため の具体的な処方が
いっぱいだ。
,
L
r狙 われる子どもの
ジュデ ィス・ ユニュー
戒能民江他訳 啓文社 1991年 2200円
子 ども買春 。ポルノ・性的虐待など子 どもの性 の搾取 の
問題 にメスを入れたイギリスの社会人類学者の書。分析
の対象は欧米 。中南米 。東南 アジア諸 国。米軍 と日本企
業が買春を繁栄させ るとの記述 もある。人権 としての子
どもの性 を考える力作。
は 0ま 行 。その個
〔
『引 き製かれた子どもたち
―一親の離婚 と子 どもの精神衛当
池田由子 弘文堂 1989年 2060円
難婚家庭の子どもの事例を渾 して,夫 婦の不和,離 婚前
夜,離 婚後"母 子家庭,父 子家庭,復 縁,再 婚,な どに
よつて子どもに及ぼす影響,精 神街生などを考察:ま わ
ヽ
りの大人が適刻な援助をすれは解決したのにとし
う子ど
もの事例が多いという。
「夫婦関係の精神分析』
ユルタ・ ヴィリイ 中野良平 奥村満佐子訳
ウイメンズ
第43号 1992年 5月 25日
ブックス
法政大学出版局 1984 2575円
愛 し合 っていた二人に突然や って くる葛藤や不満そ して
崩壊 の危機。豊富な臨床例か ら恋愛一結
婦生活が
―
崩壊 して しまう道筋 と要因を分析,解 明する。
ニケー ションにおける非言語的表出 としてのポテイーラ
ングー ジについて,「 自己の象徴 としてのか らだ」 とは
何か,か らだの状態に対 して敏感 になるための解説 。実
践 の書。
「夫婦関係の治療』
『マ タニティ 。ブル ー』
ユ ルク・ ヴイリイ 奥村満佐子
法政大学出版局 1991年 12月 4120円
前著『夫婦関係の精神分析』 に続 き,夫 婦関係 の具体的
な治療の実際を明 らかに している。二人の間で無意識に
演 じられる自己愛的共謀関係がいかに男女関係 を悩 ませ
るか基本的要素を明かす。
郷久鍼二編 同朋舎
1989年 3605円
妊娠,出 産からくるス トレス。さまざまな不安を取 り除
くために心身医学的なアプローチが今ほ ど必要 とされる
ときはない。マ タニテイ・ プルーといわれる産後の心理
身体的不安定期について適切なア ドバ イスをはたす本。
,
rや せたい気持ちの心理学
J
『フェミニス ト・ カウンセ リング』河野貴代美 新水社
1991年 20∞ 円
フェ ミニス トセラピイとは何か ? 日本でのフェミニス
ト・ カウンセリングの草分けであ り,第 一人者で もある
著者 の12年 間の実践活動報告。 フェミニス トセラピイの
技法 と課題,ケ ースス タデイ,フ ェミニス ト・ カウンセ
リング実践団体一覧表他。
『フェミニス ト・ サイコロジーー女性学的心理学批判』
しま・ ようこ 垣内出版 1985年 2678円
心理学領域 を通 しての フェ ミニス ト・ サ イ コロジー試
論。男性主導方心理学の限界。セクシズムに立つ性差心
理学批判、
心理学の学際性 とフェミニス トサイコロジー。
rフ
ェミニス ト・ セラピーーー女性 を知るために』
ルイーズ・ アイケ ン′`ウム スージー 。オーバ ック
長田妙子 長田光展訳 新水社 1988年 1854円
著者たちは1976年 ロン ドンに「女性心理療法 センター」
を開設 している。母 と娘一体 の女性の歴史,母 親からの
分離独立, フェミニス トセラピーとは何か,カ ップルカ
ウ ンセ リングとレズビアン・ カップル。 フェミニズムや
新 しい女 と男の関係 を考 える実践の書。
『母子癒着』
木村 栄 馬場謙一 有斐閣
1988年 1545円
母親の 自己愛 の変形 ともいえる
「母子癒着」。母親 自身が
自己実現 と開かれた人間関係 を持つことが必要である。
『ボデ ィー・ ワークのすすめ一からだと自己発見J
グラバ ア俊子 創元社 1988年 1339円
か らだに対する意識 を明確 にすることは種々の偏見から
自分 を自由にするための一つの道である。対人間 コ ミュ
岡本浩一
日本文化科学社
1990年 1300円
肥満についての心理学。やせ ようと努力 を実行に移す前
に自分の心の総点検 をする トータル・ ダイエ ットのすす
め。
『ワークショップ人 と人 との「あいだ」
』
松井洋子 太郎次郎社 1992年 4月 17∞ 円
人間関係のなかで受けた心身の傷は一度は癒 されなけれ
ば歪み とな り,沈 殿 し,あ りのままの 自分 を生 きること
がで きにくくなる。か らだのワ‐クを通 して心 を癒す
「こ
ころとか らだの出会いの会」 を主催する著者の本。
『私 をつつむ母なるもの― イメージ画にみる日本文化の
心地
やまだようこ 有斐閣 1988年 4429円
私 と母の関係 を女子学生に絵で描かせ,い ろんな母と娘
の関係性 を解説。
現代のエスプリ 278
「 フェミニス トセラピイ」
編集 河野貴代美 平木典子 至文堂
1990年 1100円
概説 フェミニズムと心理療法の接点 を求めて (河 野貴
代美)1920年 代 のパ イオニアたち 女性 をとりまく心理
的環境 フェミニス トセラピイの展開 と実践報告他。
現代のエスプリ283「 ニューセラピー」
編集 稲村 博 佐藤悦子
至文堂 1991年 ■00円
`
ニューセラピーミをめ ぐって ひろが るセラピーの地
平線。新たな治療的アプローテ (ボ ディワー ク・スピリ
チェアリテイ 東洋医学)他 。
ウイメンズブックス トアの10周 年記念
パ ー テ ィ に ,集 って 頂 き有 難 うご ざ い ま した 。
去 る 4月 25日 ,ウ イメンズブックス トァと,こ の「ウイ
メンズブックス」誌の10周 年 を記念 して,パ ーテイを開
きま した (第 42号 で案内)。 今 まで支えて くだ さった方
たちが集 って,一 -10年 も続 いたのは奇蹟 だ,い や,も っ
て当 り前だ,こ れからもどこまで続 くか一一等 々々,議
論 もたの しく,飲 み,食 い,笑 いの賑やかな一夕で した。
有難 うござい ました。
ウイメンズ
第43号 1992年 5月 25日
ブックス
おんなの本 。韓国
連載第一回〕
〔
『あなたは朝鮮の十字架 よ』
市 場 淳 子
チャン・ ジョンイム作
本年 2月 、韓国で、従軍慰安婦の歴史 を綴った詩集
が出版 された。詩人チャン・ ジョンイムの rぁ なたは
朝鮮 の十字架 よ』 である。チ ヤンさんは、1948年 生 ま
れ。国軍看護士官学校卒業後、看護将校や女子高の教
師 として働 いて きた。 しか し1989年 に、民主的教育 を
掲げて発足 した「全教組」 に加入 し、解職 された。以
降は釜山で女性運動 に専念。そ こで初めて従軍慰安婦
問題 に出会い、大 きな衝撃を受けた。以前 よリフェミ
ニズム文学 に関心のあったチャ ンさんは、「芸術性 よ
り、憤怒すべ き挺身隊の実像 を知 らせ るために詩を書
こう」 と決心。資料や本や証言 をつぶ さに読んだ。そ
して37篇 の詩 を書 き上げ、『あなたは朝鮮 の十字架 よ』
が生 まれた。
「史的事実 に忠実であ りたか つた」 とい うチヤンさ
んは、従軍慰安婦が戦場で経験 した生 き地獄 を克明に
歌 う。
助けて、助けて/助 けて……母 さん、母 さん……/
その記憶の他 にはあ りません/知 らない男が喘 ぎなが
ら/ズ ボンを降 ろ し飛 び掛かるとき/お お、どれほど
深 い絶望 と恐怖が///ヒ ヤンイを気絶 させたのか/あ な
たは想像で きるで しょうか「色地獄 の曼陀羅」 ▼ ノ
ルマに縛 られた性の奴隷/50回 、あ るいは300回 /精
液を拭 きなが ら死んで行 きました 「ノルマ」 ▼病
が重ければ/獣 のようにただ身を疎め/死 を待ちまし
た……母 さん、母 さんと空 しく呼んで/遺 言 もなく死
ねば/我 が悲 しみに痛哭する友たち/名 も知 らぬ地に
/そ の骨 の粉 を撤 いてや りま した 「病 になれば」
▼数百名の男たちを前に/に ぎり飯 をやった兵士 と、
精液 を排出 した兵士の間に/横 たわってご飯 を噛み、
性器に子宮 を開いてや りました 「巡回慰安婦」
「函館 の 自殺岩」
「天皇の軍隊」
「軍隊慰安婦設置令」
「従軍慰安婦 1号 」「奴隷狩人」 な どの詩では、 日本
軍によって戦場へ引 っばられて行 き生 (性 )を 踏みに
じられた従軍慰安婦の、凄惨 な歴史が生 々 しく蘇 る。
それらの詩は、元従軍慰安婦・金学順 さんの証言 を聞
いた時のように、読 むことに耐 えなが らでなければ読
み進め得ない ものばか りだ。
このようにチヤンさんは、日本軍の蛮行 を、潤色な
く描 き、神はどこかで眠っているのか/地 はなぜ 目を
つぶっているのか/魔 鬼のようにアジアの血を吸い/
世界 に血で染った手を差 し出 した国の軍隊/そ の名 も
高貴な天皇の部隊に/今 や経済大国の免罪符を与えら
れるのか (「 天皇の軍隊」)と 、厳 しくその罪を問い も
す る。
しか し、彼女が日本人に向ける矛先はあまりに柔ら
かい。そ して過去を告発 した日本人には ▼教え子を
挺身隊に送 リー生つ らい思 いを した/老 いた女性教師
を許 したまえ 「おお神様」 ▼あなたが過 ぎ去 った
過去に懺悔 し/r私 の戦争犯罪』 で証言 した時/私 た
ちは涙で許 した/あ なたは今 自由でこそあれ咎められ
はしないだろ う (「 吉田 清治」
)と 、許 しもする。
さらにチヤンさんは、従軍慰安婦問題 をもたらした
「純潔は生
「父 を否認 しよう」
家父長制度への憤 りを、
の
たちは」 な
の
より
さきもの
女性指導者
小
「あ
時
命
」
どの詩に託す。女性 のみに純潔 を強要 し、自民族 自ら
も、元従軍慰安婦 たちの首 を締めてきた ことを鋭 く問
い詰め、強 く反省を促 している。その矛先は、▼民族
の純潔を踏みにじつた/挺 身隊の謝罪 は/ど の国家で
もな く/あ なたたち男か ら始めなければならない (「 男
よ」
)と 、特 に男に向けて鋭 い。だが、女 に向かっては、
▼帝国主義の銃剣の前 に倒れ/軍 国主義 の蹄の下に凌
辱去れた女 よ/家 父長制 の鎖を足に引 きず りながら、
今 も踏みにじられている女 よ/世 のすべ ての女の圧迫
の悲 しみに泣 き/差 別 の憤怒 に震えなが ら生 きてきた
/日 本の女 も、韓国の女 も/ま った く同 じ悲 しみに泣
いたのだか ら/日 本 の女 も私 たちの敵ではない/女
よ、女を庇 って抱け/最 も憤意やるかたなき者の悲 じ
みで/最 も弱 き者 の悲 しみで/互 い に堅 く抱 き合え
)と 、女性 の連帯 を呼びかける。
(「 女 よ立ち上がれ」
けれ ども、日本の女性が、チャンさんが詩を通 じて自
民族 に呼びかけた以上の深 い反省 を、自らに課さなけ
れば、女同士だからと抱 き合 うことは出来ないであろ
う。
い ま韓国では、テ レビで、新聞で、月ヽ
説で、詩で、
映画で、
「従軍慰安婦問題」が広 く知 らされている。
その責任 を取るべ き日本ではどうだろうか ?
青 い森 190頁 1992年 ソウル
いちば
じゅんこ
大阪外国語大学朝鮮語科大学院在学中
共著『女たちの世界文学』松香堂
―― 事務局 よ リーー
年度 が 変 りま した。1992年 分 の会費未納 の方 はお早 めにお振込み願 い ます。年会費 1800円 です。
住所変更 ,姓 名変更等 は (新 ,旧 ともに)お 知 らせ くだ さい。
ウイメンズ ブックス
第43号 1992年 5月 25日
『子どもを産む』
刊
新
案
今、お産のあ り方は大 きく変 わ りつつある。長年の離島
や山村、韓国などでの調査や自らの三度の出産体験 をふ
まえなが ら、これから産むひとたちのために「 Vヽ いお産」
とは何かを考える出産考。
内
『拒食症
女たちの誇 り高い抗議 と苦悩』
スージー・ オーバ ック 鈴木二郎・天野裕子他訳
新曜社 1992年 4月 2884円
本号特集 目録 2頁 に既出。
-1992年 2月 ∼
「ダイエ ットってなんだろう』
1992年 4月 及び
第42号 未掲載分一
(価 格 はすべ て税込)
官淑子 小泉るみ子絵
岩崎書店 1992年 4月 1300円
本号特集 目録 3頁 をご参照下 さい。
『ワークショップ人と人 との「あいだ」
J
松井洋子 太郎次郎社 1992年
本号特集 目録 4頁 をご参照下さい。
からだ・性・心理〕
〔
4月 17∞ 円
rC Rグ ループとは何 か ?
フランシス・ スピネル
『主婦 マ リーが したこと』
福井美津子 監訳 世界文化社
1992年 4月 15∞ 円
1943年 7月 30日 ,フ ランスの一主婦マ リー=ル イーズ・
ジローは望 まない妊娠 をして苦 しんでいる隣人の堕胎 に
手 を貸 した とがで,国 家裁判所から死刑の判決 を下 され
処刑 された。ヤ リーが亡 くなって30年 後,1975年 刑法堕
胎罪は廃止 され,妊 娠中絶 は合法化された。
『女の体の歴史』
エ ドワー ド・ ショーター 池上千寿子 太 田英樹訳
勁草書房 1992年 2月 3296円
望 まぬ妊娠 ,危 険な中絶 と出産,男 にはない様 々な病気
と重労働 ,一 一独 自の歴 史 をもった女性のからだがイヴ
以来の重荷から解放されるまでの歴史的変遷。
『性の歴史J
岩波新春
1992年 3月 580円
一一 女性のための一一
最
吉村典子
」・ L。 フランドラン 宮原信訳
藤原書店 1992年 5500円
フランスのアナール派の 中心的存在であるフラ ン ドラン
の歴史の中の性 に関する論文集。18世 紀の愛 と性 ,西 欧
キリス ト教世界における避妊,結 婚,愛 情関係,関 房で
の男 と女 ,子 どもに関する新旧狸諺。アリエスの『<子
供 >の 誕生Jを め ぐらて 独身者の性生活 他興味深 い
性 に関する多彩 な考察。
『新・ ハ イ トリポー ト』
シェア・ ハ イ ト ケイ ト・ コレラン 石井苗子訳
マガジンハ ウス 1992年 4月 1800円
12年 目の新 ハ イ ト リポー ト。40∞ 名 の男女 の イ ンタ
ビューか ら考察 された新 しいセ クシュアリテイが興味深
い。デー ト・ レイプ,エ イズ,女 性を愛する他。
『最新キンゼイ・ リポー ト」
JoM・ ライニ ッシュ R・ ビーズ リー
小曽戸明子 宮原忍訳 小学館 1991年 11月
4800円
最新 のキンゼイ研究所か らの性知識調査のデー タを駆使
して性の悩みに科学的に答 えた性の啓蒙書。2000名 近 い
サ ンプル数のあるアメリカ人の性知識調査報告,性 感染
症について,パ ー トナー とのセ ックス,ボ デイー イメー
ジと自己評価,性 と心身障害 について他。
一―輝や くシスターフッ ドに向けてJ
田上時子 いわかったぷ らんにんぐ
1991年 11月
800円
シス ター フッドはパ ワフル,シ スターフッ ドとフェミニ
ズムの歴史,CRと はを語 る講演録。
『自分 を好きになる本』
パ ッ ト・パルマー eqPress訳
径書房 1991年 10月
1545円
`
自分の ことが好 きになるための ヒン トの数 々。 自分自
身を好 きになれば,み んなと友だちになれる !、
子 ども向 きの絵本なのだ力S,大 人たちの間で静かなプー
ムを呼んでいる。
女性史・評伝〕
〔
M・
ペロー編 杉村 ・志賀監訳
藤原書店 1992年 5月 3800円
フランスの女性史研究の成果 を踏まえ開催 された新 しい
女性史のあ り方 と歴史的視点の本質的転換 を示唆するシ
ンポジウムの記録。
『女性史は可能か ?』
「 ジェンダーと歴史学』
JoW・
スコツ ト 荻野美穂訳
平凡社 1992年 5月 45∞ 円
フェ ミニズム歴史学の本格的理論書.性 羊の知の構築過
程 と,そ こで歴史学が果た してきた役割が くつきり浮か
び上 り,思 わず納得。女性史研究者 には必読の本だ。
『 日本中世女性史の研究』
脇田晴子 東京大学出版会
1992年 5月 4944円
日本中世 における男・女 の性別役割分担 をテーマに,中
世的な「家」や中世社会の構造分析に新 しい視点を展開
した中世女性史研究。
『従軍慰安婦・ 内鮮結婚J
鈴木裕子 未来社 1992年 3月 1854円
近代女性史に欠落 していた女性 の「性の侵略」 の歴史を
追 いつづ ける著者が資料的検証 を加えて 日本の朝鮮への
ウイメンズ ブックス
第43号 1992年 5月 25日
植民地支配政策,慰 安婦政策,内 鮮結婚を検証す る。 ま
た,従 軍慰安婦問題 について論 じた「従軍慰安婦 に軍 と
国家は関与 しなかったのか」他。
「従軍慰安婦一一元兵士たちの証言』
西野留美子 明石書店 1992年 4月
1700円
強制連行 されて日本にきた鄭 さん との出会いが従軍慰安
婦の聞 き取 りを始めるきつかけ となったとい う。百人以
上の元兵士たちが重い口を開いた迫真 の証言集。貧 しい
弱い立場の ものが犠牲になってゆ く差別構造がはつ きり
見えて くる。
r続
慰安婦 たちの大平洋戦争』
山田盟子 光入社 1992年 3月 1700円
反響をよんだ従軍慰安婦に関するノンフィクションの第
二弾。日本人慰安婦 に関する記録。
『母・ 従軍慰安婦
一一かあさんは「朝鮮 ピー」 と呼ばれた』
ヂ静慕 鹿嶋節子訳
的神戸学生青年センター出版部
1992年 4月 1030円
従軍慰安婦 をテーマにした韓国女性作家による小説。巻
末 に付録従軍慰安婦女子挺身隊文献資料あ り。
『人形の家を出た女たち 20世 紀 イギリス女性 の生活
アンジェラ・ホールズワース
と文イ
b
石山鈴子 加地永都子
新宿書房 1992年 3月 3000円
著者が関わつたイギリス BBCで 放映された ドキュメン
タリー特別番組「out Of the Ddrs House」 シリーズの出
版化。20世 紀 イギリス女性の家事,教 育,仕 事,母 親業
セックス,平 等 などを記録 した好著。女性の視点でみた
英国現代史 として興味深い。
,
『われ らア メ リカの女たち一― ドキユメン ト・ アメリカ
女性史』
ベ ス・ ミルステ イン・ カバ
ジー ン・ ボーデ ン 宮城正枝 石 田美栄訳
花伝社 1992年 1月 2200円
これはアメ リカで使 われている高校生の女性学 の教科
書。アメリカ史の中ではた した女性 の役割,法 律 的社会
的女性の地位 の向上に貢献 した女性たちをアメリカ史の
中に発見する作業。
F日
系アメ リカ女性一一三世代 の100年 』
メイ・ T・ ナ カノ
サイマル・アカデ ミー翻訳科訳 サイマル出版会
1992年 2月
1700円
写真花嫁 として渡米 し,家 族 のために働 きつづ けた一世
女性。第二次大戦で青春を翻弄 され日米両国のはざまで
苦悩 した二世,88%の 三世が何 らかの形で大学教育 を受
け,ア メリカ化が進む中で,ア メリカ社会での新 たな役
割 を模索す る三世。在米 日系人100年 の歴史 を支 えた女
たちの人生記録。
『江戸の花嫁
一一婿 えらびとプライダル』
森下みさ子 中公新書 1992年 2月 600円
江戸時代 の大都市 の妙齢 の娘たちの関心事 は「嫁入 り」。
様 々な婚姻模様 を通 して江戸の生活の断面を描 き出す好
読み物。見合 い,仲 人,結 納,持 参金,婚 礼,離 縁 ,嫁
入 り外の娘 たち他。
『三 くだり半と緑切寺』
高木 侃 講談社現代新書
1992年
3月 600円
江戸時代 の離婚事情 を検証。江戸時代 は妻の「飛 び出 し
離婚」が多 く,決 して,タ ブー視 されていなかったとか。
離縁状 の実際 と縁切 り寺の記録,当 時の女性の地位 を考
える。
『医の神 の娘たち一語 られなかった女医の系譜』
コンス タンス・ ジ ョエル 内村瑠美子訳
メデイカ出版 1992年 2月 2400円
フランスの医療ジャーナリス トが書 いた女医の歴史書。
修道院の医学、男装 した軍属 の女医、医学部開放 までの
困難 な道の り、爆発 的進展 の現代、現代 の女医 の プ ロ
フィール他。
女性論・フェミニズム〕
〔
『女性学への招待』
井上輝子 有斐閣 1992年 4月 1545円
女性学 を学習 し,実 践 し,創 造 してい くために書かれた
女性学へ の「招待」 の書。ウーマンリブから書 き起 こさ
れ,女 性学の誕生,女 の子 はつ くられる,教 室の中での
性役割 の形成,恋 愛 と結婚,母 性信仰,職 場における性
差別,主 婦 とは何 か,変 わる女の一生,女 性学のセカン
ドステージ他。
『女性学 創刊号』
日本女性学会学会誌編集委員会編
新水社発売 1992年 4月 2000円
拒食症 をめ ぐって (河 野貴代美)生 殖 の自己決定権 と日
本的政策決定 (岩 本美砂子)(主 婦)の 誕生一 日本の場
合 学会12年 目に寄せて 書評他。
エ リザベー ト・バ ダンテール
筑摩書房 1992年 2月 2990円
男女 の相違より類似が強調 される両性具有の時代へ とフ
『母性 とい う神話』(『 プラスラブJ
ランスの哲学者であ り、
の改題)の パ ダンテールは誘導 して くれる話題 の書。
『男は女 女は男』
『女性 とメディア』
加藤春恵子 津金澤聰廣編
世界思想社 1992年 4月 1850円
全国のマスコミ現場で働 くもの と,研 究者による共同参
加型「女性 とメデイア」 をめ ぐる紙上フォーラム。女性
の人権 とマス 。メデ イア,放 送の男女平等 をめざす世界
の潮流,女 性雑誌 に見 るフェ ミニズム,フ ェミニズム出
版,こ の10年 ,ウ イメ ンズブックス トアから (中 西豊子),
新聞・ 放送 メディア と就職問題な ど多彩な内容。
『母性の社会学J
船橋恵子 堤 マサ コ サイエ ンス社
1992年 3月 1751円
「母性」 を社会学的に捉えようと試みられた母性研究の
力作。現代社会か ら押 しつけられる「母性イデオロギー」
か らの解放 と同時に,主 体的選択的に「母性」 を生 きる
ことの 自由をも併せて念頭にお きなが ら,日 本的母性 の
変遷 ,「 母性」概念 の再検討,産 育保障 をどうす るか
母性形成の社会的条件 について考察。参考文献 リス トが
豊富だ。
,
「出生率はなぜ下 つたか』
E・ ベ ック=グ ルンスハ イム
香川檀訳 勁草書房 1992年 2月 3090円
下記 のF統
実 によく書かれた出生率 に関する重要な本だ。
ウイメンズ ブックス
一 ドイツと女 たち』 と併せて読 む と効果的だ。 日本の
「 1.57シ ヨック」 を先取 りした旧西 ドイツの実状 と政策
をフォロー しなが ら男女平等の新 しい家族像 を展望す
る、かつて本誌「おんなの本 ,西 ドイツ」で紹介 された
こともある本の翻訳でもある。
『統― ドイツと女たち』
姫岡 とし子 時事通信社
1992年 4月 16∞ 円
統 一 ドイツ後 の旧東 ドイツの女性 たちの家族・労働・
ネットワー クなどの生の声をレポー ト。経済再編の変革
期 の旧東 ドイツをフェミニズムが どうとらえたか興味深
い内容。失業率 は高 いが,そ れで も「家庭には戻 らない」
とい う旧東 ドイツの女性たちの専業主婦願望はわずか
3%だ とい う。子育て,女 性起業家 の誕生,女 性運動 の
現在,補 論「 一つの ドイツ,二 つの フェミニズム」,分
裂の40年 が女性 にもたらしたもの他。
牧 化のなかの女 と男J
山村嘉己 大越愛子 源淳子 山下明子
嵯峨野書院 1992 4月 2369円
女性学 と文学一―文学の中の女 と男/フ ェミニズム理論
の現在/浄 機思想 と女性差別な ど女 と男 の文化再編試
論。
『新 しいコミュニケーションとの出会いJ
ラモーナ・R・ ラッシュ ドナ・ アレン編 村松泰子編訳
垣内出版 1992年 4月 2678円
女性 とコ ミュニ ケー ションの問題 を既存のメデイアや新
しいオールタナテイヴ・ メデイアによる実践の紹介や分
析 ,そ して将来の展望をわか りやす くまとめたもの。 マ
ス コ ミにつ い ての フェ ミニ ス ト研 究 の必要性 /女 性
ジヤーナリス トの両刀の剣/ハ イテクメデイアは女性の
入力を待ってい る/メ ディアの中の女性 の未来/女 たち
の出版社/コ ミュニケーションと開発 (女 性たちの輸)
『性 というつ くりごと』
伊奈正人 鮎京正則編
勁草書房 1992年 2月 2884円
岡山大学の総合科 目「女性論 と男性論」 を中心にした学
際的な考察。生理・ 病理 としての性,制 度・問題 として
の性,文 化・ 歴史 としての性,思 想・ スタイルとしての
性。
『日本における女性十 日 本思想 における重層伽
山折哲雄編 名著刊行会
1992年 1月
2∞ 0円
国立国際 日本文化研究セ ンターの共同研究「女性」に関
する研究論文集。女性化 した男 をとりかこむ女性たち一
T普 賢十羅刹女像 をめ ぐって (山 折哲雄)結婚 と女性 (佐
伯順子)戦 時下の著『武家の女Lに 見る思想家山川菊
栄 の横顔 (ケ イ ト・ ナカノ)対 談不倫社会の神話 と構造
(井 上章一 森岡正博)
『グリーナムの女 たちの日い
一=核 ミサイルを上めた十年』
グリーナムの女たち著 近藤和子訳・ 解説
オリジン出版センター 1992年 4月 1900円
グリー ンナムの ピースキャンプに住む女たちはキャンプ
10年 目に非暴力直接行動の力によって核 ミサイル100基
を撤去させた。核 =暴 力 =男 社会がな くならない限 り
女の平和は来ない とい うグリーナムの女たちの闘いの記
た
。
,
`渇
第43号 1992年 5月 25日
結婚・ 家族〕
〔
raft家 族 のルネサンス』
布施晶子 玉水俊哲 庄司洋子編
青木書店 1992年 3月 3090円
い ま, 日本 の家族はなぜ不安定化 を増 し,形 態 を多様化
させてい るのか,現 代家族 の蘇生 (ル ネサ ンス)に 向け
ての試行錯誤する家族 のあ り方,あ り様 を考 える充実 し
た一冊。第一部 い ま,世 界 の家族は (ア メリカ,イ ギ
リス,ス ウェーデ ン, ソビエ ト,韓 国)い ま, 日本の家
族は 日本 における夫婦の現在 現代の親子 現代の老
親 。子 「豊かな社会」の階層分化 と家計構造 現代家
族のルネサ ンス に向けて他。
シリーズ変貌する家族⑦』
上野千鶴子 鶴見俊輔他
岩波書店 1992年 3月 27∞ 円
メタファー としての家族 (栗 原 彬)
家系 と家格 (橋 本敏子)
血の民族学 モデル としての家族 天皇制 と日本人他
日本人の意識の深層に流れる家族の原理を洗い出す。
『メタファー としての家族
唯 婚の比較社会史』
有地享 老川寛編 三省堂
1992年 4月 3600円
日本 と外国の離婚の実態 を考察 した研究書。 日本におけ
る離婚の比較研究の足跡, 日本中世,江 戸,明 治前期の
離婚 と離婚法,ソ 連,フ ランス, ドイツ,ア メリカの離
婚, 日本の離婚,日 本の離婚 と子 どもの実態,離 婚に関
する文献 目録。
「ふたりで家事を一―「仕事」 と「家庭」の新 しい関係J
尼川洋子 創元社
1992年 4月 1400円
`
ふた りで家事 。育児 もする、夫婦の実際面 を204tか ら
50代 の10組 の共働 き夫婦 にインタビュー。性別役割分業
を脱 した夫婦 と家族のあ り方を描 くワーキングカップル
のための参考書。
『ゆらぐ大人=男 性社会」
望田幸男 大西広
有斐閣 1992年 5月 1545円
『親ばなれできないかもしれない症候群』
宮子あずさ 海竜社 1992年 2月 1000円
フェミニス ト・ ジュニアの著者 (吉 武輝子の娘)が 母 と
娘の関係、親 ばなれの苦 しい葛藤 とパー トナーシップ
女の 自立 と職業生活を語る好 エ ッセイ。 とて も正直な本
だと思 う。
,
『老いの 自立 と幸せ
一一福祉社会を生 きる女たち』
沖藤典子 労働旬報社 1992年 2月 680円
デンマー クの老いの 自立のあ り方を学ぶ報告。個人の自
立こそ幸せ。
「社会的親孝行」 をめざす福祉 を
!
『夫と書の人間学一一愛 と性の成熱を求めてJ
近藤 裕 創元社
1992年 4月 1400円
結婚の意味、あ り方を問う人が増えている現在、結婚観
の近代化 による夫婦間の葛藤が多 くなっている。結婚 に
おける自己実現,夫 婦における成熟 した愛 と性 を考える。
ウイメンズ ブックス
第43号 1992年 5月 25日
r国 際結婚ガイ ドブック』
森本和 美
明石書店 1992年 3月
1600F9
ボーダレス時代の国際家族のためのガイ ドプック。著者
は「国際結婚 を考える会」の発起人。結婚篤,在 留資格
登録篇,国 籍篤他。
,
『国際結婚物鵬』
川滝かお り 廣済堂出版
1992年 1月 1500円
自分 らしい生 き方をしたい とい う思いと,国 際結婚 とは
深い関係 にある。著者自らの体験 をまじえなが ら10組 の
国際 カップルを通 して結婚 を考 えるルポルタージュ。
『嫁一一 ほんとうに義親を看 とりたいですか……』
上野い く子 ユ ック舎 1992年 4月 1545円
「先のことはわからないけ ど。家族 に頼るのではな く、
一人で生 きていける力 を育て よう」、義母 の看 とりか ら
学んだ共働 き核家族の著者。介護 と仕事 の狭間で悩み揺
れる「嫁 」 としての葛藤。仕事 をつづ けなが ら義母 を看
取 った著者か らの高齢化社会 に働 く女性へのメッセージ
が痛 くて しかも暖かだ。
『女が ビジネス社会 をわたる法』
野原蓉子 廣済堂出版 1992年 3月 1500円
『男女雇用機会均等法及び労働基準法施行便覧』
労働省婦人局 婦人政策課編
1991年
『セクハ ラ事件の主役たち』
金子雅臣 築地書館 1992年 4月 1494円
20年 間都庁で労務相談 に関わつてきた著者 によれば,セ
`
クシュアル・ハラスメン トのカロ
害者 ハ ラッサー、は
けっ して世 にい うや りそ うな風貌 のオッサ ンではない
と。普通 の夫であ り父である,仕 事上の評価 もきわめて
高い男性 であると。職場 での男たちの現在 ,独 りよが り
の性,男 たちの合意 と誤算,セ クシユアル・ハ ラスメン
トを生む土壌など男性側の問題点 を鋭 くリアルに浮 き彫
りにしてい る。
,
rお 茶 くみの政治学
ピースネットブック⑥』
お茶 くみの政治学実行委員会編
ピース ネッ ト企画 1992年 2月 500円
どうしていつ も女性だけがお茶 くみなの ?日 本 の職場か
ら女だけのお茶 くみを撤廃 させ ようと呼びかけた女性議
員たちの主張。
『自分にやさしい働 き方 しませんか』
ヤ ンソン由実子 中嶋圭子
渥美京子 青山栄子 学陽書房
1992年 3月 1400円
女性がい まいる職場で無理 をせず,自 分 のベースで働 く
ためのノウハ ウを列記 した親切 なガイ ドブック。か らだ
の問題 ,労 働災害,人 間関係 をスムーズにする上手な自
己主張,女 と男の知恵 くらべ, どうす る ? こんなとき
Q&A。
主婦の友社 1992年 3月
1∞ 0円
健康飲料「 ファイブミニ」 を開発 したキヤリアが 1年 間
の育児休業体験 をつづ る。
『
「総合職」の研究 '"年 度版』
杉山由美子 実務教育出版
1992年 2月 10∞ 円
5月 800円
晴 児休業法のポイン トJ
女性職業財団 1992年 2月 450円
『まんがで解説 !育 児休業島
労働省婦人局婦人福祉課監修
第一法規出版社 1992年 4月 600円
『女性能力活用事例集
労働・ 法 。経済〕
〔
『ただいま育児休業中』
笠章子
『む らを動かす女性 たち』
農村女性問題研究会 家 の光協会
1992年 4月 2400円
評論家 の故丸岡秀子 さんを中心にした農村の女性 につい
て考 える研究会が農村女性の当面する困難な課題 の解放
を探 る一冊。農家 の女性 の経済的地位 (中 島通子)農 村
の高齢化問題 と女性 (向 井承子)農 村女性 の ビジネス起
こ しと社会参画 海外 における女性農業者 の立場他。
b.2
-一 職場い きい き・かがや く女‰
0女 性職業財団 1991年 3月 1200円
懐 現・ ノンフィクション〕
『女 が続む日本近代文学一一 フエミニズム批評 の試み』
江種満子 漆 田和代編 新曜社 1992年 2266円
日本 の文学作品に深 く分 け入 り,丹 念なフェ ミニズム批
評 を試 みた一冊。『暗夜行路』 の深層,闘 う「父 の娘」
一樋 ロー葉 駒子 の視点から『雪国』 を読む 母性幻想
「 フェ ミニズム批評 に懐
を織 る男一 『眠れ る美女』他。
つ
ス トに即 した読
ようなテク
をも
疑的 な人にも説得力
み」 を目指 したとい う執筆者 は編者の他 に田嶋陽子,千
種 ステ イープンなど。
『知 られざるジョージア・ オキーフ』
アニ タ・ ポリッツアー
こ
さや
訳 晶文社 1992年 3月 3600円
荒垣
`
女性 ならでは またアメリカのみが生みだす ことので
きた、注目にあたいす る絵を半世紀にわたつて創作 しつ
づ けた画家 オキー フ。生涯の友がつづ る回想的評伝。
,
『女 。アー ト・ イデオロギー』
グリゼルダ 。ポ ロ ック ロジカ・パ ーカー 萩原弘子訳
新水社 1992年 4月 4429円
フェ ミニス トが読みなおす芸術表現の歴史。100点 余 りの
図版 を駆使 し、女 とアー トとイデオロギーの相互関係 を
分析 し、アー トにおける女性の位置 を明らかにするフェ
ミニス ト美術批評
『 P・ D。 ジェイムズ コーデ リアの言い分
現代 イギリス女性作家 を読む③』
現代女性作家研究会編 1992年 2月 2369円
『バ ーニス・ ルーベ ンス 愛僣の迷路
現代イギリス女性作家 を読む④』
現代女性作家研究会編 1992年 3月 2369円
ウイメンズ ブックス
『アンジェラ・ カーター ファンタジーの森
現代 イギリス女性作家 を読む⑤J
現代女性作家研究会編 勁草書房 1992年 4月 2369円
『ニュー・ フェ ミ ニ ズ ム・ レビュー ③ ポル ノ グ ラ
フ ィーーー揺れる視線の政治学』
白藤花夜子編 学陽書房 1992年 3月 1600円
視線 の性 =政 治学 (上 野千鶴子)
モー ドとポルノのあや うい関係 (山 田登世子)
ポルノ表現にフェ ミニズム批評は可能か (水 日宗子)他 。
『クレヨンハ ウス物鷹』
落合恵子 徳間書店 1992年 4月 1500円
クレヨンハ ウスに関する77の 質問、「 クレヨンハ ウス通
信」 より、絵本、子 どもに学ぶ、ほかク レヨンハ ウスか
らのメッセージ集。
r生 きて生きてJ
山崎朋子 海竜社 1992年 3月 13∞ 円
山崎朋子エ ッセイ 。評論集。私の転機/『 サ ンダカン八
番娼館J追 想/ア ジア女性 の交流/国 際結婚から見た日
榊
。
『いのちに光あれ―一女性史と差別J
もろさわようこ 径書房
1992年 2月 1648円
女性差別 と部落差別 について語つた講演 をもとにまとめ
られた本。
『新聞記者を取材 した』
斎藤茂男 岩波書店 1992年 3月
1300Fl
報 道 の最前線 を取材 して書 かれ た ルポル ター ジュ風
ジヤーナ リズム論。記者 の 自由な発想 が抑制 されて し
まって既成の考え方 を再検証 してい く発想の逆転が行わ
れにくい現状一― ジャーナリズムの老化 を指摘。男本位
制 の牙城の中で女性記者は ? 記者が「女」である意味
は何かにも至言。
『ルイ・ ヴィ トン大学桜通 り』
松原惇子 講談社
1992年 3月 13∞ 円
「母は無印,娘 はルイ・ ヴィ トン大学」 といった風なプ
ラン ド大学をめざす若い女性 と母親たちの実態をルポ し
女性 にとって学歴 とは何かを考える。 プラン ド大学を出
た女性にとって学歴 とは何だったのだろ うか,ど う生か
されているのだろ うか ?
〔
資料・雑誌〕
週刊朝 日臨時増刊
「 がんばって !ワ ーキングマザー」
1992年 4月 480円
保育,再 就職からマ ネープランまで。有名 ワーキングマ
ザ ーヘのインタビュー,121人 のアンケー ト,ナ マの声。
双子 のお母 さんになつた猪口邦子 さんへ のインタビュー
他。
『図説
日本人の生活時間 1990J
NHK世 論調査部編
日本放送出版協会 1992年
2月 3200円
第43号 1992年 5月 25日
別冊宝島155rみ んなの不倫」
J ICC 1992年 5月 1010円
中流奥様族 の反乱 (和 田好子)
不倫の社会心理学的 コーサツ 1/1ヽ 浜逸郎)
妻子ある男 との恋に悩むあなたへのセラピー (金 盛浦子)
戦後「不倫」進化論
)他 。
(山 下悦子
神奈川評麟第11号 「特集 女性学・ フェミニズム」
神奈川大学評論委員会 1992年 2月 500円
座談会「現代社会 とフェミニズムの可能性」
金井淑子 vs丸 山茂
「 フェミニズムは何 を求めるのか ?」 江原由美子
「20世 紀末 の性について」森崎和江他
あごら171号
「特集 衣装 を替えれば意識も変わる ?」
あごら編集部 1992年 2月 680円
ブームの `
婦人、から `
女性、ヘ
座談会「言葉が替われば意識 も替わる ?」
新 しい酒を新 しい革袋に替え りゃそれでいいか ?(寿 岳
章子)他 。
月刊女性情報
、
パ ド・ ウイメンズ オフィス 各25∞ 円
従軍慰安婦問題Part Ⅱ
冬季 オリンピック 現代男性像Part Ⅱ
4月 号 育児休業Ⅳ
2月 号
3月 号
季刊女子教育もんだい r50号 記念別冊 女 と男 。どう生
きる 。90年 代」
1992年 4月 1000円
労働教育セ ンター
変 わ りゆ く女性労働 ,多 様化す る家庭 。家族,教 育の中
の女 と男, ともに生 きるアジア,政 治を拓 く。
文庫になった本〕
〔
「元始,女 性 は太陽であつたOa③④』
平塚 らいて う 大月書店国民文庫
各930円
『魂にふれるアジア』
松井やより 朝 日文庫 530円
… 絶 版 情 報 …
「女の 自立 。男 の 自立」 管孝行 毎 日新聞社
「女の戦後史 I」
朝 日ジャーナル 朝 日新聞社
「近代女性精神史」 河野信子 大和書房
「家庭のない家族の時代」 小此木啓吾 集英社
「戦争 を生 きた女たち」 鞠谷美規子 ミネルヴァ書房
「主婦の誕生」 アン・オークレー 三省堂
「試験管の中の女」 リタ 。アルディッティ 共同通信社
「 ビタース ィー ト」 s。 オーバ ック 主婦の友社
「引 っこみ思案 をなおす本」 河野貴代美 PHP
「ふたつの文化 のはざまから」 加藤 シゾエ 青山館
「婦人論」 ベーベル 岩波文庫
「魔女的文学論」 駒尺喜美 三一書房
「変貌する農村 と婦人」 丸岡秀子 家の光協会
「ウーマ ンズ・ セ ックス」 キッシンガー 主婦の友社
「ランソン先生のからだの本」 ランソン 亜紀書房
ウイメンズ ブックス
第43号 1992年 5月 25日
《あなたの情報 。私の情報》
フェミニス ト企画集団からのお知 らせ
F出 生率はなぜ下がったか― ドイツの場合』
'92年 間テーマは「 企業 システムと女性」です
(勁 草書房)が 出ました。.
香 ‐
川
檀
い まを去 ること 6年 前、
「 ウイメ ンズブックス」第20
。
号 の「おんなの本 西 ドイツ」でご紹介 した、出生率低
下問題 にういての ドイツ書が、つい に翻訳刊行のはこび
とな りました。
Jヽ
川 真知子
京都市社会教育総合 セ ンター、春の講座 は「女 と仕事
一一働 きさえすれば 自己解放なのか」 と題 し、女の労働
を `
壁、を切 り口に探 ります。
最低値 を記録 し、 日本の1,57シ ョックを先取 りするよう
な出生率論争がまきお こ りました。女性 ,社 会進出 を少
6月 13日 (土 )14:00∼ 16:00
講師 :津 田塾大学教員 金城清子
年収100万 円の壁一―女 を枠 にはめる法制度全般 を分
析 し、女の労働 を考 える。
子化の原因として非難す るようなムー ドが高 まったのに
対 し、そのカウンターバ ンチとして書かれたのが本書で
6月 27日 (上 )14:00∼ 16:∞
映画「女たちの報酬 」鑑賞 とトーク・ トーク
す。
この本でとくに面白いのは、出生率低下というテーマ
を扱 うさいの、人口学や行政サイ ドの「 マクロの視点」
ケ月11日 (土 )14:00∼ 16:00
講師 :カ ウンセラー 川喜田好恵
妻・母 とい う壁一一働 く女を縛 るイメージその社会的
旧西 ドイツは1985年 、合計特殊出生率1.28と い う史上
と、家族研究やフェ ミニス トサイ ドの「産む側の論理」
とをぶつけ合わせ、前者の盲点を鋭 くついているところ
です。 ドイツ女性のパワ‐とウイットあふれる母性論議
一
ひ一読を
!
(定 価3090円 )
いろいる見えてくる女の ミニコミ「 マイマイ族」第21号
が完成 しました。
鈴
木
美和子
住 む地域 を変えるこ とは、女性 に何 をもた らすので
しょうか。動機は、結婚、仕事、夫の転勤 など様 々です
が、環境が変わればそれぞれ文化摩擦 が発生 し、特に保
守的で排他的な地域 に少数派の「 よそもの」 として入つ
ていった場合のカルチ ャーシヨツクには、筆舌つ くし難
い ものがあ ります。本号 での特集「女の引 つ越 し」は 7
考えさせ られる材料が豊富です。
人の体験報告から成 り、
∼
の「マイマイ族
」 では今回、女性
新潟 東京二極編集
歴史学者による講演「 なぜ新i3は 裏 日本化 したのか」 を
収録 しました。明治初頭 まで豊かな大県であ つた新潟が
「新潟名物、
政府 により疎外 されてその地位か ら転落、
女郎 に女工、三助」 と言われるまでの過程が語 られまし
た。あの田中角栄 を熱狂的に支持 した県民感情 の背景を
考える上での手かが りとなる、貴重な資料です。
その他、 シリーズ「雪国の女」、私 のまち (山 形県小
国町)、 ねこまんま (猫 新聞)等 々盛 りだ くさんです。
(B5判 ・ 50ベ ージ)
連絡先 :〒 201東 京都狛江市東野川 4∼ 26∼ 14
重圧 を掘 り下げる。
恒例、夏の女性学 シンポジウム
7月 12日 (日 )10:30∼ 15:30
『 フェミニズム と日本株式会社」
基調報告・パ ネラー
落合意美子 「 日本株式会社批判」批判
斎藤茂男 男 たちを縛る魔 ものの正体 ?
竹中恵美子 人間 らしい労働 の視点から
女 と男の役割の在 り方 を変える一一個 人的努力をも呑
み込む「企業論勁 に疑間を突 きつ け、新 しい価値観 を
提案 したい。
参加費 2000円 学割1500円
場所・問い合せは 京都市社会教育総合 セ ンター
(075,802-3141)津 田
フェミニス ト企画集団 (0726-73-3356)小 川
かあさんは「朝鮮 ピー」 と呼ばれ
『母 。従軍慰安
―
た』 をぜひお読み下 さい
!
鹿
嶋 節
両親の過去に暗 い影 をお とす 日本の朝鮮植民地支配、
父 の死によつて初めて知 らされた両親の過去。それはあ
ま りにも衝撃的な 日本軍 の朝鮮人戦時動員政策 の実態
だった。
韓国の女性作家が従軍慰安婦問題 に追 った小説の 日本
語訳。巻末 に文献 リス トと解説「学徒兵 と従軍慰安婦」
を付記 したタイム リーな緊急出版。御 一読 を
ヂ静墓作 鹿嶋節子訳 神戸学生青年 センター出版部
!
鈴木美和子
*松香堂で扱 ってい ます。 (定 価 300円 、送料別)
子
T01.075-851■ 2760 定価10∞ 円
*松 香堂で も扱 っています。
ウイメンズ ブックス
第43号 1992年 5月 25日
ス ウ ェ ー デ ン通 信 一
―
政権交代後 の
高齢者福祉 の ゆ くえ
山 井 和
則
(高 齢者福社について議論するルンド市議会。65人 中25人 が
女性議員だ。
)
いか ?」 と、私 は素オトに疑間に思った。 しか し、話 しは
昨年 8月 から私はスウェーデンに来ているが、 これは
そんな単純なものではない。例えば、景気が悪いか らと
妻・ 斉藤弥生のおかげである。彼女がスウェーデンのル
言 つて、ホームヘルバーや老人ホームを減 らしたら、そ
ン ド大学政治学部大学院に入学 したので、私 も彼女の扶
の結果 はどうなるだろうか。それこそ痴呆性老人や寝た
養家族 として、スウェーデンについてきた。妻 の留学に
きり老人が増え、その人たちが病院に流れ、入院医療費
夫がついてゆくのが珍 しいせいか、友人たちか らは「男
がかか り、結果的には、福祉 。医療 の トー タルの行政 コ
として、おまえは恥ずか しくないのか ?」 と冷やかされ
ス トは高 くつ くのだ。だか ら、超高齢社会では、下手に
た。私 は扶養家族であ り学生証 もないが、幸運 にも、彼
福祉 を切 り下げると、逆 に長期的には財政が破綻するの
女の指導教官が、私の研究 も指導 して くれてい る。ちな
だ。
「福祉充実 は、財政破綻 を招 く」 とい う論理は、超
みに、彼女の研究テーマは 町ヒ欧の女性の政治参加」 で
高齢社会には成 り立たない。それ どころか「高齢者福祉
あ り、
後 日この欄 にも登場 させて頂 くことになっている。
を充実 させないと、財政が破綻する」 とい うのが、新 し
私 はこの 8ヵ 月間
「政権交代後の高齢者福祉 のゆ くえ」
い時代 の論理である。
について研究 してきた。昨年 9月 の総選挙で、政権が社
スウェーデンほど高齢者福祉が進んでいる国ですら、
民党か ら保守系政党 に移 った。 日本のマスコ ミの多 くは
福祉 の遅れが医療費の不必要な増大 を招 いていたとい う
「 ス ウェーデンの福祉後退」 と報 じたが、その真偽 を確
反省が出てきた くらいだ。今の日本では、福祉の遅れが
かめたかった。今 までにわからたのは、スウェーデンで
結果的にはどれほど医療費の増大 と税金の無駄使いにつ
は各政党間で高齢者福祉対策の差があまりないこと。さ
ながっているかは明 らかである。
らに逆 に、今年 1月 か ら「 エーデルス・ リフォーメン」
さらに、私がショックを受けたのは、スウェーデンの
とい う大改革を行い、老人病院の個室化や痴呆性老人向
高齢者福祉が急速に整備 されたのは、1970年 代以降とい
けグループホームの増設 (5年 以内に3000カ 所)な どと
う、オイルショック後 の不景気な時期であったことだ。
高齢者福祉に益 々力 を入れているとい うことだ。
皮肉にも、 日本で「福祉充実は財政破綻 を招 く」 と盛ん
「世界不況の今 日、高齢化率が18%に も達 して も、ま
に福祉国家批判が行 われた頃である。その頃、時代の先
だ高齢者福祉に力を入れれば、財政が破綻するのではな
を見通 し、 日本でも高齢者福祉 を充実 していれば、寝 た
く
好●
=の
きり老人・ 痴呆性老人は今の半分 に減 らせ ていただろ
パターン:将 来の日本のあるべき晏)
臭実8 〒笙籍奮会fの 向上8
:曽
褻 か せ き り老 人 や
歯 暴性 老 人 の 魚 増 を ■ ●
日本が今のスウェーデ ンと同じ高齢化率18%に なるの
=:慧
饉 療 費 の 減 少 分 を、
■ ● 者 社・ 鯰 闘 ■ ■ の
予算 に まわす
“
(轟 ●
:鶴
=0パ
う。それも、今 と同 じ福祉 と医療の トー タルコス トで。
ター ン
省ど)
:T呂 薇
8 1炎 岳
入隣0減 少
ない と財政が破綻する」 と実感するだろう。 しか し、そ
れでは遅す ぎるのである。
:今 0日 本 の 現 状 )
方
慧
笙
轟
化8 羅
葉
羞
墓
ス
企
:
専
:慧 iれ 8 〒
露
会の
『
:::
財政 状 況が苦 しくなり、
■●者 祖社・ 薔闘■●の
予算 が増 やせ ない
雷ど)
8 1食 爵
:=異 縫
は2002年 。その頃には 日本人 もやっと「福祉充実を急が
入隣の増加
*本 研究は②シニアプラン開発機構から研究助成金を得た研
究であり、詳しい研究 レポー トは0シ ニアプラン開発機構か
ら冊子として出されています。
やまのい かずの り (在 スウェーデン)
著書『体験 ルポ 世界 の高齢者福褐 (岩 波新書)
ウイメンズ
第43号 1992年 5月 25日
ブックス
リポ ー ト
大人が,ま ずハ ッピーでなきゃ
一一児童文学 とフェミニズ ム
石
田
見
子
私 は日頃,た くさんの子 ども達 と付 き合 い なが ら,彼 等がハ ッピーでいて欲 しい と思っている。ハ ッピーになるため
に,自 分 に見切 りをつけないで,自 分 の存在 を肯定 し,自 分 の生 き方を自らの意志で選択 して欲 しい と思う。でも現実
は,な かなかうまくはいかない。男 だか ら,女 だから,自 分 に能力がないからと一つ一つ諦めざるを得なくなる。彼等
の前 を歩いている大人が,ま ずハ ッピーでなければ,そ して,子 ども達をがん じが らめにしているものを外 してやるこ
とが大事なんだと思 う。
児童文学 と長年 かかわつてきて,児 童文学が彼等の心 を解放で きたらどんなにいいだろうと思 っているが,残 念なこ
とに:児 童文学 自身が子 ども達を縛 りつ けて しまうことがある。 とくに, 日本の作品は,外 国の作品に比べ てパ ターン
化 されていて,男 と女・夫 と妻,親 と子・ 老人が,そ れぞれの役割 を演 じて,` らしさ、の中に閉 じこめられている。
中年の男女は,い つ もお父 さん,お 母 さんで,役 割か らはみ出 して一人の人間 として生 きようとする と問題が生 じて し
まう。大ていの場合 は,役 割のなかに戻 って問題が解決す る。日本の社会通念 を反映 しているといえば,そ れまでだが
,
女性が人間 として生 きようとすることが,ま わ りや子供 たちにとって不幸にはつ ながるとは限 らないことが もっと書か
れてもいい。
子供 たちが暮 らしている社会のルールは,皆 が生 き易いようにい くらで も変えられるのだとい うことをもっ
とハ ッキリと書 いて もいいんだと思 う。勿論,そ の前に,大 人の私達が,そ うい う社会 にむけてどの様 に働 きかけてい
るのかを問われるだろう。
分 を好 きになる本J(径 書房)は ,ア メリカの子 どものために書かれた本で,訳 者あ とが きで「 この社会の中のさ
`
まざまな問題や否みを解決する糸口は, まずはとにか く 自分 を好 きになること、の中にあると,こ の本は教 えて くれ
F自
ているのだと思 う」 と書いている。「ああ,そ うなんだ」 とあ らためて心にス トンと落ちて くる本 だ。例えば「男 らし
い とい うことは,キ ングコングになるようなもの。女 らしい とい うことはニコニコ人形になるようなもの。だけどあん
「人 を好 きになることは相手 を自分の思 い通
ま り長 い間自分 の <き もち>に 知 らんふ りしていると何 も感 じな くなる」
りにすることではない」一―当 り前の言葉だが,そ の当 り前 のことが案外難 しい。人間 として素直 に感 じるままに生 き
ていけばいい。 この本を読 んで,私 は深 い息 を吸い込んだような気が した。
子 ども達 は,社 会のつけを間違いな く皆負 わされるのだか ら, 日本の児童文学 も,社 会の動 きに敏感であつて欲 しい
と思 っていたら「 日本児童文学 5月 号」 で「児童文学 とフェ ミニズム」の特集 を組んでいた。 フェミニズムに対 して及
洲腰の男性が多 い中で児童文学にかか わる男性が,戸 惑 い も含めて率直に発言 しているのが興味深かった。
「男だつてつ くられるんだ」「 もしも,男 性 によるフェ ミニズムの実践が有 り得 るならば,そ れは男性中心文化,父
権制社会の 自己解体 だろ う。
」―― こんな発言が出るの も,フ ェミニズムが今 までの社会通念 に揺 さぶ りをかけてきた
せいだろ う。児童文学 の書 き手 自身が,自 分が どうい うス タンスに立つのか,何 を子 どもに手渡すのかを問われている。
論 のための論に終 らせることなく,自 らの問題 として,フ ェ ミニズムを児童文学の視座 にとらえて欲 しいと思った。
『自分 を好 きになる本』パ ット・パルマー 径書房 1545円 /「 日本児童文学 5月 号」教育出版 センター新社 680円
い しだ みるこ 愛知県で「あさひ文庫 」 を主宰 し,児 童文学 を通 して子 どもや女性 にメッセージを発信 している。
傲 育用 )
「 セ ク シ ャ ル 。ハ ラ ス メ ン ト
ビ デ オ
微
か ら の SOS‐ 一 」
認識 を
女性 にも男性 にも 町 がセクハ ラなのか」正 い ヽ
もってほしい、 と女性 3人 がつ くったビデオです。商社
の女性社員 を巡 る ドラマ仕立て で展 開 します。ぜ ひオ
フイスや学校にお備 え下 さい。
プロジェク トおんな組制作 8,800円 送料360円
)
(松 香堂書店で扱 つています。
ウイメンズ ブックス
第43号 1992年 5月 25日
連 載
ミ ニ コ ミの 女 た ち
第40回
く
朝鮮人従軍慰安婦問題 資料集〉
ヂ
子>
ヤ
康″
ア
フ
皇<
甫パ
朝鮮人従軍慰安婦問題 を考える会
韓国、
「 3.8国 際婦人デー」 で「今年 の人」 として
議活動 を行 った。その過程 において、買春 のルーッはい
選ばれた金学順 さん。元慰安婦 として初めて韓国で名乗
まだ清算 されていない「挺身隊問題」 にあるという認識
りを上げた彼女の英断 と現代への提言は「朝鮮人従軍慰
を持 つ。ついに、90年 11月 女性団体によって韓国挺身隊
れた。
安婦問島 へ の大 きな腱心 と課題 を私達に与えて く―
対策協議会が結成 された。
そ して、い ま、慰安婦 申告電話に首名 もの女性たちが
女性 に貞操 を強いる儒教思想が在 日社会 よ り強 く残る
名乗 りを上げ、証言をし始めている。被害者、自らが重
韓国において、女性たちが立ち上がっているのに、 どう
い口を開 きは じめた契機 は、意外にも日本政府 の事実す
して、私 たちが声 を上げず にい られようか !昨 年 5月 、
ら認めない厚顔無恥な態度だ った。また、 この恥知 らず
在 日女性 9人 が集 り
「朝鮮人従軍慰安婦問題 を考 える会」
な政府 を支えている日本人、ひとリー人への怒 りである
を作 つた。知 ってはいたのに、
「忘れることが思いや り」
ことは言 うまで もない。
私たちにとつて、
朝鮮人従軍慰安婦問題 とは現在 の
「在
と看過 してきた自分たちの加害性 を直視 し、民族解放 と
女性解放 の両 目を見 開い た活動 を目指 してのス ター ト
日の女」 である位置 を規定する根源的な問題 を網羅 して
だつた。昨年 8月 、私 たちは350人 の参加者 と共に r朝
いる。
鮮人従軍慰安婦問題 を考 える集い」 を成功 させることが
男たちを強制連行 し、女 たちを慰安婦にし、子 どもた
で きた。そ して、日本政府 に対 し、事実 を認め、謝罪し、
ちを皇国臣民 とする朝鮮民族衰亡 を企図 した日本の植民
補償 し、歴史を語 り継 ぐとい う六項 目要求署名 を在 日の
地政策 は、
現在 も在 日朝鮮人へ の民族差別 となって温 存、
立場で呼びかけた:こ の間、資料集の発行、調査、演劇
「補償 は65年 の韓 日条約で決着
助長 されてい る。 また、
の上演、講演、アピール、署名運動 を通 じて、北海道か
済み」 とい う姿勢を崩 さない 日本政府の非人間的な態度
ら沖縄 まで 日本全国の人たちとつなが り、3月 28日 の
「朝
は、戦後、一切の権利か ら在 日朝鮮人を排除 した。 さら
鮮人従軍慰安婦問題・ 早期解決を求める署名提出行動集
には外国人登録法の実施に よつて、管理、抑圧 を制度的
約集会」 には370人 の参加 を得ることがで きた。そして、
に強いてぃる。
署名 は 3万 5千 人の声 とな り、 3月 31日 の対 日本政府ヘ
そ してヽ
朝鮮人従軍慰安婦問題が半世紀近 く放置 され、
の提出行動 を貫徹 したのである。交渉の結果、慰安婦問
被害者がその技害を告発で きなかった主要因である女性
題 については政治決着 されそうな危機感 を私 たちは強 く
蔑視の意識 は、 日本社会 において在 日社会において処断
持 った。
現代 を生きる人 間の責務 として悪夢 におそわれ、
されることな く、意識の深層 に根 を下ろしている。鏡剣
眠れぬ夜 を過ごす挺身隊ハルモニたちに安逸 な日々を取
をお金 に、軍服 を背広 に変 え、アジアの女性を支配、蹂
り戻 さなければならない。彼女たちの犠牲 を無駄にしな
躙す る日本 の男たちは昔 と何等、変わらない。また、買
いため、性暴力のない社会 をつ くるため、 この凄惨な歴
春行為 を黙認 し、アジアの貧 しい女たちを正視 しない、
史を教訓 としなければならない。女性の未来 をどうつ く
多 くの 日本の女たちの無責任 さ、弱 さも何等、変化 して
るのか、議論 し、実践するためにも、朝鮮 人従軍慰安婦
いない。そ して、母国でキーセ ンパ ーティーを平気で行
問題・資料集 I(300円 )・ I(5∞ 円)を 是非、一読願 いたい。
える在 日韓国人の低俗 さもつけ加えなくてはならない。
韓国の女性たちはキーセ ン観光が横行 した1970年 代 、
外貨獲得 と奨励 さえする韓国政府 を糾弾 し、日本への抗
連絡先
〒553大 阪市福島区大開 4-3-2-305
オト
方
ウイメンズ
第43号 1992年 5月 25日
ブックス
現在 ウイメンズ ブックス トアで扱 つている ミニコ ミ
(第 42号 発行後 に入荷 したもの)
「れ組通信 No.5峰 われた母を求めてほか」
れ組 ス タジオ東京 1992年 2月 400円
「れ組通信No.60 はばたけ 。ALN前 夜祭 ほか」
1992年 3月 400円
「プ ロシューム 5月 号一特集 ス トレー ナって ゴ ミを
洗 っちゃうの ?」
1992年 5月 330円
「男もとりたい育児休葉」
男 もとりたい育児休業集会実行委員会 1991年 8月 500円
「れ組通信No.61-フ アインダーか らのぞいたALN前
夜祭 の実況報告 ほか」
1992年 4月 400円
「 マイマイ族第21号 一特集 女の引っ越 し」
「婦人通信 3月 号一告別―ふたたび妻 を送るほか」
日本婦人団体連合会 1992年 3月 250円
「婦人通信 4月 号一仕事-2∼ 3児 の母たちの20年 余の
「改爾版
1992年 4月 250円
軌跡 ほか」
「婦人通信 5月 号―私たちの20代 ―親 のこと きようだ
いのこと、自分のことも…ほか」 1992年 5月 250円
鈴木美和子 1992年 4月 300円
たの しい出生届の出し方」
(私 生子〉差別 をなくす会
1991年 8月 500円
「子どもと私たちをとりまく「ポルノ文化」を聞 う」
大阪府高校教職員組合女性部 1992年 1月 300円
創刊号―特集 くらしと教育をつなぐ」
rWe
Weの 会 1992年 4月 500円
「行動する女No.61-国 家による性暴カー従軍慰安婦問
題の問いかけほか」
行動する女たちの会 1992年 2月 200円
「あごら172号 一 いのちを見守る 。夫殺 しの事件 か ら」
「行動する女No.62-千 代 の富士 の断髪式に関す るア ン
1992年 3月 200円
ケー ト調査 ほか」
うために(2)は か」
東京 。強姦救援 センター 1992年 3月 100円
「女のためのクリニ ックニュースNo.82-フ ェ ミニズム
「行動する女No.6← 集会予告・連続学習会一性暴力 と
1992年 4月 200円
しての「従軍慰安婦」 ほか」
「わいふNo.235 4● 集 我が家 を手 に入れるまで」
グループわいふ 1992年 5月 460円
「Fi"‐ Fi,Voi・ 13-41集 子 どもの育ちの周辺」
スペースToM・ K 1992年 3月 330円
BOC出 版部
心理学へのお誘 いほか」
ウイメンズセンター大阪 1992年 2月 300円
(英 文)
「Women and Heanh h Japan No.3」
ウィメンズセンター大阪 1992年 冬 500円
「Women and Health in Japan No.4」
1992年 春 500円
「婦人通信No.24← 教育の現場か ら その回ほか」
社会主義婦人会議 1992年 2月 300円
5回 10月 集会女性分科会「女性
No.241-第
「婦人通信
解放 と労働運動」 ほか」
1992年 3月
300円
「婦人通信 No.242-朝 鮮人「慰安婦」問題― 二つの集
1992年 4月 300円
会に参加 してほか」
「野合VoL26-新 連載 ワキー タ島の夜明けほか」
1992年 3月 515円
「東京強姦救援セ ンターニ ュース第21号 一被害 と向 き合
rも
し、強姦の被害にあったら 。警察編」
東京 。強姦救援 センター 1991年 7月 200円
「買売春 と第 3世 界第 9号 一少女たちの証言ほか」
ドキュ メ ンテイ ション 観 光、買 売 春、 開発刊 行 会
1992年 1月
250円
「 い くじなす通信創刊 9号 一福井不当配置転換あれこれ
朝倉ふみ 1992年 3月 200円
「
「月刊家族第73号 一 従軍慰安婦」 と「性差別」男の性
を問う女たちの「恨」 ほか 家族社 1992年 3月 300円
関西育時連 1992年 2月 200円
ー
ル
‖号― フェミニズム と日本文学
日米女性ジャ
ナ
第
「
ほか」
日米女性セ ンター 1992年 2月 2000円
「月刊家族第74号 一特集・アジアの家族 と女性が語 る家
「 日米女性 ジャーナル 英語版 No.1-日 本女性像 の変
遷・アメリカにおける日本女性研究に見 るほか」
父長制」
1992年 4月
300円
「月刊家族第75号 ―特集 。カー ド症候群がすすんで い
ほか」
1991年 8月 2300円
300円
「 日米女性 ジャーナル 英層版 No.2-1980年 代 の 日本
メンズリブ研究会 1992年 3月 200円
経済再編成 のなかの女子労働ほか」1992年 1月 2300円
「月刊 ち い き と うそ うNo.256-特 集 What'sカ ロー
シ ? カローシ社会 とおさらばするために」
1992年 5月
る」
「 メンズ 。ネ ッ トワークNo.← 第 5回 例会報告ほか」
「プ ロシューム 3月 号一特集 看護婦 さんが いな くな
る」
大阪 よどがわ市民生協 1992年 3月 330円
「プロシューム 4月 号―特集 性 の教育」
1992年 4月 330円
ロシナンテ社 1992年 4月 700円
「おんなの振逆No.39‐特集 朝鮮人従軍慰安婦」
久野綾子 1992年 5月
300円
ウイメンズ ブックス
==書
第43号 1992年 5月 25日
評 ==
『非 婚 を生 き たい 一 ― 婚 外 子 の 差 別 を 問 う』
善 積
京 子 編著
青
木
書 店
(2266円 )
日の前 に二人こどもがいるとして,だ れがその子 を見て,一 方が「嫡出子」で他方が「非
嫡出子」であると判断で きようか。だれが見ても,二 人 ともおなじ権利 と保護をあたえられ
て とうぜんの,お な じこどもとしか見 えない。 しか し結婚制度は一方 の子 に「非嫡出子」の
烙印を押 し,さ まざまな不利益をこうむらせるのだ。 これが差別でな くてなんであ ろ う ?
婚外子 はなぜ存在す るか。なぜ差別 されるか。結婚制度があるか らである。その制度 にし
たがわない ものは,戸 籍・住民票の記載から相続権 にいたるまで,あ きれるほどあか らさま
に差別されるのだ。結婚制度はあきらかに抑圧 と差別 の制度なのであ る。
ウーマン・ リブの女たちはまっさきにそのことに気づ き,結 婚制度 に組み込まれない生き
方 を選んできた。差別 に荷担するのをやめるとい うだけではな く,自 分 自身を差別する よう
な制度に,自 分からすすんで身をお くな どとい うことは,ど う考 えて もできないことだった
か らだ。同時 にそのような制度の廃止 もめざした。本書はその生 き方 と闘いの記録 であ り
日本 と外国 (ス ウェーデ ンとアメリカ)の 制度を比較することによって, 日本の制度がいか
に人権 を無視 した制度であるかをあ きらかにしたものだ。
婚外子にたいする,出 生届 の差別記載 を拒否 した窓口闘争,住 民票 の続柄 の記載差別 を訴
えた裁判,女 だけに適用 される「再婚禁止期間」 のために,父 が父 と認定 されないために生
じる不利益など,「 体制」 を相手 に したねば りづ よい闘 いの報告 を読む と,女 たちはここま
で力 をつけたのだとい う感動をおぼえる。が,同 時に,子捨ての男 に日本 はなんと寛容 なこ
とか とおどろ くばか りだ。結婚制度 とは男 を守 る制度なのだ。
ス ウェーデ ンでは父が子 の扶養義務 を怠ったときには,養 育費を役所が立て替え,そ の取
り立てを役所がお こなうとい うが,男 女平等がすす んだ国の現実 とはこ うい うものだと,つ
くづ く日本の女性差別 のひどさを思 い知 らされる。
法 は現制度を守 るものだから,裁 判闘争には限界がある。社会を変える力は,わ た したち
の生 き方を変えることに大 きくかかっている。
「夫婦別姓」 も非婚 をつ らぬ くことで実現 し
よ う。 この本 を読 んで,一 人でも多 くの人が この連帯 の輪に加わるようにと願 わず にい られ
,
な い。闘い は日常 か ら,解 放 は足 もとか ら,連 帯 は力 ,だ か ら。
︱
原
上記の書評欄へ投稿 をお待 ち しています。
女性 の 日で見直 したい鋭 い批評や,視 点 を変 え
たユニークなものをお寄せ ください。
稿
400字 詰原稿用紙に約 2枚 ,900字 前後です。掲
募
集=
載 させて頂いた方には薄々謝 ,進 呈致 します。
「あなたの情報 。私 の情報」 とコラム「私の出
会 った為 は知って欲 しい本,御 意見等に御利用
くだ さい。6∞ 字以内。但 しこの欄 は申しわけあ
りませんが薄々謝 も差 し上げ られませんので念の
ため。
宛先は 602京 都市上京区下立売通西洞院西入
松香堂書店「 ウイメンズ ブックス係」 です。
上記両方 とも次号の締切 りは 1992年 7月 20日 。
三木
草子 (教 員)
編 集 室 か ら
◎年 々フェミニズム・ カウンセリング,セ ラピイヘの
関心が高まり、各地にカウンセリングルーム も増え
てい ます。本号ではフェミニズムの視点 (性 別役割
分業 を固定 しない)か らそれらの関連書 を集めてみ
ました。
どうぞ ご利用下さい。
◎ さる 4月 25日 には松 香 堂書店の10周 年 記念 パー
テ イーが行われました。東京からお祝 い にかけつけ
て下 さったお方の10本 のバラの花東に感激。たのし
い集 まりで盛 り上が りました。今後 ともよろしくお
ねが い します。
◎次号 は1992年 8月 25日 発行 の予定です。
(木 下明美)
Fly UP