Comments
Description
Transcript
道徳教育改善・充実
巻頭のことば 本校は,明治42年に私立白市実科学校として創立され,以来百有余年にわたって地域に根 付き,幾多の有為の人材を送り出してきた伝統校です。 創立100周年を迎えた平成21年に,同窓会より寄贈を受けた記念碑には,英語で 「Evolution for the next 100years ~prospects for bicentennial 2109~」,裏面には日本語で 「進化 さらなる百年に向けて~ 2109 年創立 200 周年をめざして~」と刻まれており,同窓 生の皆様が母校に寄せられている熱い思いを感じとることができます。 本校は,豊かな心を育み, 「いきいき」と夢や未来を語り, 「はつらつ」とチャレンジし, 「さ わやか」に他者に接する生徒の育成を目標に掲げて教育活動に取り組んでいますが,一方で, 自己肯定感をもてない生徒,規範意識の低い生徒も多く,その課題の解決にむけた教育内容づ くりが急務となっています。 こうした中,平成26年度から2年間,文部科学省より「道徳教育改善・充実」総合対策事 業の指定を受け,道徳教育の実践を通して,生徒一人一人が集団や社会の一員としての自覚を 持ち,集団の中で自身の果たすべき役割を見出し,進んで責任を果た そうとする態度を養うと ともに,きまりを尊重し,善悪が適切に判断できる生徒を育成すべく取組を進めてきました。 本校の校訓である「心美体健」は,生徒にとってたいへんわかりやすく,教育活動に取り込 み易いことが大きな特色となっています。特に今年度は,校訓から名付けられたマスコットキ ャラクターである“心美ちゃん” “体健くん”とともに,道徳教育に係る多くの実践を校訓を生 かして展開してきました。 取組を進めるに当たって,広島県教育員会はもとより,大阪教育大学名誉教授の藤永芳純先 生,わかば療育園の河野政樹先生とのつながりを 深めることができたことは,道徳教育のみな らず,今後の本校教育全般の推進にあたって極めて意義深いことと考えています。誠にありが とうございました。 本校にとって道徳教育は,事業指定の有無に関わらず,次年度以降も念頭において教育活動 を構築して行かなければならない最重要課題であると考えます。引き続き,ご理解・ご協力を 賜り,これまでの取組を進化発展させることができれば幸いです。 2年間にわたり,本事業の推進に協力をいただいた全ての皆様に心より感謝し,巻頭のこと ばといたします。 平成28年2月19日 広島県立河内高等学校 校 長 西 山 光 人 目 次 1 平成 27 年度道徳教育全体計画 1 2 道徳教育実施計画 2 3 実践報告 〇はじめに 4 〇前年度の取組 〇組織・研究体制 5 〇今年度の取組 (1)教職員の認識の共有にむけて 6 (2)生徒対象の教育活動 13 (3)教職員の指導力向上に向けての取組 25 (4)その他の関連する取組 33 〇研究の評価 35 (1)生徒意識調査より 36 (2)研究の成果 37 (3)今後の課題と予定している取組 4 資料 〇道徳教育研修会 38 〇公開研究授業及び報告会 (1)要項 39 (2)指導案 40 (3)使用資料 44 (4)生徒活動風景 45 (5)ブロック別研修会配布資料 47 〇教職員研修①-藤永教授- 53 〇平成 27 年度生徒意識調査結果 56 〇平成 27 年度教職員意識調査結果 63 「道徳教育改善・充実」総合対策事業実施要項 65 1 平成 27 年度道徳教育全体計画 教育関係法規 校訓 社会の要請・保護者の願い 日本国憲法 心美 ・ 体健 ・保護者・地域に信頼され, 「河内高校で学んでよかっ た」といえる魅力ある学校づく り 教育基本法 学校関係諸法規 学習指導要領 学校の教育目標 分掌による指導 各教科 国 国語で適切に表現し,伝 語 え合う力を育てる。 時代や社会の変化を柔軟に受け止め,生徒の「生きる力」を育成するとともに, 魅力ある教育活動を展開し,保護者・地域に信頼される学校とする。 〈育てたい生徒像〉 『いきいき』 と夢や希望を語る生徒 『はつらつ』 とチャレンジする生徒 地 歴 公 民 「幸福・正義・公正」につ いて考察させることで、人 間としての在り方生き方を 考えさせつつ規範意識を 育成し、社会常識を身に つけさせる。 『さわやか』 に他人に接する生徒 道徳教育の重点目標 ○自己理解を図り,夢と希望を持って自己の向上に努める態度を養う。 数 事象を数学的に考察し表 学 現する能力を育てる。 ○規範意識を高め,よりよい社会づくりを目指す態度を養う。 ○自他の生命を尊重し,相互に認め合い,協調して物事に取り組む態度を養う。 理 科学的に探究する能力と 科 態度を育てる。 道徳教育の学年目標 ・自己理解を進め,自己の目標を見つける。 保 心身を鍛え,明るく豊か 健 で活力ある生活を営む態 体 度を育てる。 育 1 学 ・基本的生活習慣を確立する。 年 ・かけがえのない生命を尊重し,自己肯定感を高める。 芸 感性を高め,豊かな情操 術 を育てる。 ・自らの夢の実現に向けて努力する態度を身につける。 2 学 ・規範意識を高め,自他の権利を重んじ,義務を果たす態度を身につける。 年 ・他者を尊重する姿勢を身につける。 外 英語を通じて,積極的に 国 コミュニケーションを図ろ 語 うとする態度を育てる。 男女が協力して主体的に 家 家庭や地域の生活を創 庭 造する能力と実践的な態 度を育てる。 情 情報に関する科学的な見 報 方や考え方を育てる。 ビジネスの諸活動を主体 商 的,合理的,かつ倫理観 業 をもって行う能力を育て る。 ・より高い目標をめざし,夢や希望の実現に向けて,よりよく生きる態度を身につける。 3 学 年 ・規範意識を高め,よりよい社会の実現に努める態度を身につける。 ・自他の生命を尊重し,互いに認め合い,他者と協調する態度を身につける。 総合的な学習の時間及び特別活動 教 ・学習意欲を引き出すた 務 めの工夫と実践を行い, 部 自己肯定感を育む。 ・生徒の豊かな心を育む ように,学校行事の立案 を行う。 ・個性の伸張,集団の一 員としての資質をはぐく 総 む。 務 部 ・健康的な生活を実践す る態度を養う。 ・校内外環境美化活動を 推進する。 進 路 ・将来を見据え,主体的 指 に自己の進路目標を決 導 定し,実現させる。 部 ・基本的生活習慣を身に 付けさせる。 生 徒 ・自主・自律の精神を養 指 い,自他を思いやる豊か 導 な心と態度を育てる。 部 ・地域や家庭との連携を 図りながら,相互の協力 態勢を整える。 家庭・地域との連携 地域連携などにより,地域社 会と自己とのつながりや役割 について理解し,行動できる 生徒を育成する。 ・ 生きる力,学び方や考える力を身に付け,自分の在り方生き方を考えさせる。 ・地域ボランティア活動への 積極的参加 ・体験的活動・自己表現活動を通し,自らを律しながら,他の人と協調し,思いやる心や感 動する心をもたせる。 ・定期的なPTAとの合同通学 路清掃の実施 ・ 地域や郷土を知り,その発展を手助けできる社会人を育成する。 ・専門科の伝統を継承した異 世代交流 ・ 国際交流活動を通して、多様な価値観を相互に認め合う態度を身につける。 ・ 部活動の活性化によって健康でたくましい生徒を育成する。 異校種との連携 学校の環境の充実 ・近隣中学生徒の本校での 授業体験 美しい環境で学習することで豊かな心を育成する。 ・学校緑化運動のモデルとしてのJRC部の活動 ・学校環境整備週間の定期的な実施 ・毎学期末の校内一斉掃除の実施 ・PTA合同校内美化活動 -1- ・近隣小学生徒への道徳教 材の読み聞かせ ・インターンシップや家庭科 の授業を通じての近隣保育 園児との交流 2 1 道徳教育実施計画 推進校の概要 学校名 広島県立河内高等学校 校長名 西山 光人 生徒数 210 名 連携校名 東広島市立河内中学校 東広島市立河内小学校 2 研究課題 (1)共感する力や思いやりの心,協力し合う態度を育て,集団や社会の一員として の自覚と責任を育む道徳教育 (2)善悪を判断し,きまりやルールを尊重するなどの規範意識を育む道徳教育 3 研究主題 豊かな心を持ち人間としての在り方生き方の自覚を深める道徳教育の創造 ~校訓を生かした道徳教材作りを通して~ 4 研究の概要 特別活動等において,本校の校訓「心美体健」について考える機会を与え,校訓 から生まれたマスコットキャラクター「心美ちゃん」 「体健くん」を用いて,身の回 りの出来事を取り上げ,人間としての在り方生き方に関する本校独自の道徳教材を 自分たちの力で完成させる。その過程を通じて,共感する力,思いやりの心,協力 し合う態度,規範意識を育む。 また,作成した道徳教材を地域の保育園・小学校・中学校に披露するなどの交流 を通じて,生徒の自己肯定感・自己有用感を高める。 5 研究のねらい 本校においては,自己肯定感・自己有用感を持つことが難しく,他者を思いやる ことが苦手で,人間関係に苦しんだり,ルールを逸脱した行動をとったりする生徒 が少なからずいるという実態がある。そこで,この取組を通じて生徒の自己肯定感 を高め,思いやりや規範意識を持たせることにより,人間としての在り方生き方を 考える態度を育む。 6 研究計画 4月 取組全体像の周知 学校図書に絵本を追加 遠足の実施(地域・自然を感じ, 人の気持ちを感じ取る)写生の実施(自己表現活動に慣れる) 5月 道徳教材の資料作成(写真等) 6月 昨年度からの取組に関する発表,写真コンテストの実施(文化祭) 8月 道徳教材の資料作成(写真等),写真コンテスト優秀作品を使った台詞づくり 9月 資料検討,テーマ決定 10月 道徳教材の完成に向けた取組 11月 道徳教材の発表(公開研究授業の実施) 12月 道徳教材の披露(保育園・小学校・中学校) 1月 取組のまとめ・次年度取組計画の作成 -2- 平成 27 年度「道徳教育改善・充実」総合対策事業概要 【研究主題】 豊かな心を持ち人間としての在り方生き方の自覚を深める道徳教育の創造 ~校訓を生かした道徳教育の推進を目指して~ 【目標(研究課題)】 全ての教育活動を通して次の6つの力と心を身に付けさせることで,共感する力や思いやりの心,協力し合う態度を育て,集団や社会の一員として自覚と責任をもって行 動できる,『いきいき』と夢や希望を語り,『はつらつ』とチャレンジし,『さわやかに』他者に接する生徒を育成する。 ① 自己肯定感・有用感 ② 規範意識 ③自己表現・自己発信力 ④ コミュニケーション能力 ⑤ 奉仕の精神 ⑥ 感謝の心 学校行事・特別活動・LHR (従来の取組・昨年度の取組) ●登校時身だしなみ指導 ○メインスローガン『いつで も面接に行ける身だしなみと 挨拶を』 ○挨拶+(プラス)1(ワン) の声かけ ●下校指導(4月+随時) 通 ○乗車・降車マナー指導 ○挨拶+(プラス)1(ワン) の声かけ 年 全 学 年 共 通 ①清掃指導強化の取組 〈計画・立案〉( ) ②読書活動促進の取組 〈計画・立案〉( ) ※新規立上げ ①写真コンテスト(第1回) ↓ 文化祭にて展示 ※昨年度実施 〈計画・立案〉( ) 1 ●地域連携(PTA美化活動, リバーサイドフェスティバル) 学 期 ①いじめ防止短歌コンテスト ↓ しおり作成・配布 ※昨年度実施 〈計画・立案〉( ) 2 学 期 ②写真コンテスト(第2回) 「学校・地域・自宅で見つけ たちょっとイイ光景」 ↓ リーフレット作成 〈計画・立案〉( ) ※新規立上げ ①「心美・体健」に係る自己 目標設定(それぞれ1つorど ちらか1つ/各学期末に振り 返り=達成度自己チェック) ※新規立上げ(3年生はパ スしても可) バ ①校内・校外クリーン活動 ス ケ ッ ト ①校内・校外クリーン活動 ②教育活動全般における役 割付与(随時) ※要記録(内容と生徒の変 容等を中心に) 弓 道 ③勤労観・就労観育成の取 組 〈計画・立案〉( ) ※新規立上げ 野 球 ●オリエンテーション週間 ○校外(永聖寺)学習 ※和尚さんの話で印象に 残っていること,これからの生 活で気をつけたいことの整理 1 ○服育指導 ○携帯マナー講座 ○社会人講話 学 ①校内写生大会(2・3年遠足 時)「校内のちょっとイイ風景・ 年 後輩に伝えたい風景」 ※昨年度実施(昨年はテー マなし?) 〈計画・立案〉( ) ④保健室の取組 ●進路ガイダンス ○服装指導 ○礼法指導 ○マナーアップ講座 3 学 年 ①後輩へのメッセージ 〈計画・立案〉( ) ※新規立上げ 《1学期付加》 ●第65回「社会を明るくする 運動」,平成27年度「青少年 の非行・被害防止に取り組む 運動等啓発標語応募 主催: 東広島市教委 青少年育成 課 各教科における取組 ※全て一例(要検討) 国 語 運 動 部 ソ フ ト テ ニ ス 陸 上 競 技 数 学 ※いじめ防止短歌・俳句 ●生徒対応方法の共有(生 徒指導部資料) ①数学オリンピック河内高校 編 ①いろいろな生物の生きるた めの工夫 理 ②環境にいいこと・よくないこ 科 と ①校内・校外クリーン活動 ①イイね(よくできている)と 保 思ったルール,競技上のきま 健 り 体 育 ①校内・校外クリーン活動 ①私が好きなアーティスト ②聞くと(見ると)元気になる 芸 曲・絵 術 ③美文字入門 ①校内・校外クリーン活動 ①英語による自己紹介 外 ②お礼の表現とお詫びの表 国 現 語 ①異文化交流への参画 ①消費生活・クレジット利用の 注意 家 ②健康にいい食生活 庭 バ レ ー 茶 華 道 ①ポスター(いじめ,薬物 乱用,防火・防災,交通機 美 関利用・携帯マナー等) 術 作成 文 化 部 ●生徒情報の共有(生徒指 導部集約) ①校内・校外クリーン活動 卓 球 ①校内美化・緑化活動の J 推進 R ②異文化交流への参画 C ①校内配置図・アクセス ア マップ等作成(HP用) ニ ②異文化交流への参画 メ ①学校行事への貢献 吹 ②異文化交流への参画 奏 楽 ①学校行事への貢献 軽 ②異文化交流への参画 音 楽 【実施上の留意点】 ○全員が何らかの形で「道徳教育」を念頭においた授業を実践して報告する。(1月末までを目途に) ○同一教科の複数名,教科横断で実施しても可とする。 ○心美ちゃん・体健くんの両キャラクターを可能な限り活用する。 ○生徒の作品は積極的に紹介し,優れたものは極力全体で披露・表彰等を行う。 ○昨年度設置されたディスプレイを積極的に活用するとともに,ホームページにも可能な限り掲載する。 -3- 情 報 商 業 推進プロジェクトの取組 ①私が感動したこと ②私が好きな言葉・好きな本 ①気になった新聞記事 地 ②社会で起こった印象に残っ 歴 ている出来事 公 民 ①校内・校外クリーン活動 ●修学旅行事前指導 ○公共交通機関マナー ○宿泊先マナー ○食事マナー ○好ましい挨拶 2 ○その他 ●修学旅行及び事後指導 学 ①修学旅行短歌コンテスト 〈計画・立案〉( ) 年 ※新規立上げ ②修学旅行写真コンテスト 「修学旅行で見つけた ちょっとイイ光景」 ①言われてうれしかった言 葉・残念だった言葉 ↓ コミュニケーション指導 3 〈計画・立案〉( ) ※新規立上げ 学 《通年付加》 ③教育活動全般における役 割付与(随時) 期 ※要記録(内容と生徒の変 容等を中心に) 部活動における取組 ※全て一例(要検討) 各学年における取組 ①インターネット利用の注意・ マナー ①生徒対応上の留意事項具 通 体例集約【例】マイナスの同 意(「これ,まずくねえ?」等) を求めない 年 ※これまでの指導の整理 ①スクールカウンセラーの活 用 ※昨年度課題/医療機関 への連結を視野に 〈計画・立案〉( ) ●生徒意識調査実施・集約 ●教職員研修の実施(生徒 指導力・対応力の向上へむ けて) 1 ○わかば療育園 河野先生 ○その他 学 ●指導・助言等依頼(本校の 取組の課題,方向性等につ いて) 期 ○大阪教育大学 藤永名 誉教授 ※指導計画・指導案等につ いて ○その他 ●生徒意識調査実施・集約 ●集約冊子作成準備 2 学 期 ①金融のしくみと「おかね」の 話 ●集約冊子作成 〈凡例〉 ●…これまで行ってきた取組 ○…取組の具体例 ①・②等…新規の取組・一部変 更の取組 ●次年度以降の取組につい ての方向性等の協議 3 学 期 3 実践報告 〇はじめに 河内高校は明治 42 年に実科女学校として開校され,開校以来専門教育に力を注いでいた が,専門学科を設置した新設校の開校に伴って,商業科・生活文化科・食物調理科が閉じら れ,平成 19 年に普通科単独校になった。学校としての特徴が薄れ,それ以前に増していわゆ る荒れが顕著となり,入学してくる生徒は様々な問題を抱え,数年前までは,教職員は日々 生徒の問題行動への対応に追われているといった状況にあった。 本校生徒は総じてコミュニ ケーション能力が低く, また自己肯定感・自己有用感を持つことが難しく,他者を思いやる ことが苦手である。その結果人間関係に苦しんだり,ルールを逸脱した行動をとったりする 生徒が少なからずいる。そこで,道徳教育の取組を通じて生徒の自己肯定感や他者への思い やり,規範意識を高め,人間としての在り方生き方を考える態度を育むことを目標として, 研究主題を設定した。 〇前年度の取組 (1)近年の取組 3年前,校訓「心美体健」を目に見える形に しようと生徒にアイディアを募り,「心美ちゃ ん」「体健くん」というマスコットキャラクタ ーが生まれ,教育委員会の支援により,着ぐる みが完成した。着ぐるみは駅でのあいさつ運動 や地域のイベントで使用し,本校の生徒・教職 員のみならず,広く地域の方々にも親しまれて いる。 2年前,文化祭で,校訓の意味を考えさせる ことを目的として,短歌コンテストを実施した。 それは歌の最後を「・・心美し」または「・・ 心美ちゃん 体健くん 体健やか」でくくるというものだが,全生徒が 参加した盛大なものとなった。また,これとは別に,感じたことを表現し,他者の感性 に触れることを目的として,全生徒による写真コンテストを開催した。 また,全教職員で,継続して以下の取組を行っている。 ・ 脱靴場前で毎日行っている登校指導の際 ,「あいさつプラス1」と称し ,必ず教員が 一言話しかけ,生徒に「自分のことを見てもらっている」という実感を持たせる。 ・ 目標を明示した,生徒指導の3機能を生かした分かりやすい授業を行なう。 ・ 校内の全分掌の規約や教科の資料などを点検し「○○しなければ ,△△できない」で はなく,「○○すれば,△△できる」といった肯定的な表現に改め,生徒・保護者に 話す際にも同様に肯定的な話し方をする。 -4- (2)昨年度の取組 昨年度の取組は,当初,校訓から生まれたマスコットキャラクター「心美ちゃん」「体 健くん」を主人公とした,人 間としての在り方生き方に関する本校独自の道徳教材(4 コマ漫画)を生徒たちの力で完成させ,その取組の中で共感する力,思いやりの力,協 力し合う態度,規範意識を育み,将来的には絵本作りへと発展させ,保育所・小学校・ 中学校との交流を通じて,生徒の自己肯定感・自己有用感を高めることを目標としてス タートした。 4コマ漫画づくりに向けてまず,全校 写真コンテストの優秀作品をに,「心美 ちゃん」「体健くん」を主人公とした架 空のストーリーをつけ加え,その場面の セリフを考えさせる『セリフづくり』を 行った。 その後,登校中の風景,野球部員が行っ た清掃活動の写真,「心美ちゃん」「体健 くん」のイラストの計24枚の中から,5 枚以上を選んで,生徒自らがストーリーを つくる『ストーリーづくり』をグループ単 位で行った。 ここまでの取組を経て,4コマ漫画づくり以上に,写真を中心に据えた取組 の方が, 生徒が意欲的に取り組むことができ,「共感する力,思いやりの力,協力し合う態度, 規範意識を育む」という目標に対して効果的ではないかという意見が上がり,大阪教育 大学藤永芳純名誉教授にご意見をいただきながら,取組の具体的内容を変更することに した。 〇組織・研究体制 昨年度の本事業に係る実践を振り返ってみた時,取組が一部教職員の請負になっていた 感が強い。本校の生徒の実態(自己肯定感をもてない生徒,規範意識の低い生徒が多い) を見るとき,事業指定の有無に関わらず,今後も道徳教育を念頭においた教育内容づくり を進めて行く必要があることは自明である。従来の実践の中にも道徳教育と結びつくもの は多くあったが,各学年・分掌主導であったこともあり,多少統一感に欠けていたところ がある。こうした実態をふまえて,これまでの実践を整理しつつ本事業に係る取組を統括 し,合わせて道徳教育に係る取組を組 織的に展開することを目的として,今年度4月より 「道徳教育推進プロジェクト」を立ち上げた。 関係する取組が明確な役割分担のもとに計画的に行われるようになったことは前進であ るが,昨年度中心に関わった担当者に依拠するとこ ろは依然として大きく,更なる機能化 を進めて行くことが課題である。 -5- 平成27年度「道徳教育改善・充実」総合対策事業組織図(案) 校 長 教 頭 関係機関 ■道徳教育推進プロジェクト 県教委・助言者 校務運営会議 1 学 年 会 2 学 年 会 3 学 年 会 教 務 部 生 徒 指 導 部 進 路 指 導 部 総 務 部 ■道徳教育推進プロジェクト構成員 校長,教頭,事務長,生徒指導部2,1・2学年1=計7名 ※生徒指導部及び1・2学年からの構成員は重複不可。 〇今年度の取組 (1)教職員の認識の共有にむけて 【生徒情報・指導方法・留意事項等の共有】 中学校,家庭との連携から知り得た,指導上の留意事項をはじめとする生徒に関する 情報を学年ごとの出席番号,出身中学等によってソートできるように整理している。追 加記入欄を設け,最新の状況を共有できるようにすることによって,指導全般に役立て ている。 【登校時身だしなみ指導】 本校では平成23年度より生徒脱靴場で登校時身だしなみ指導を行っている。それま でも校門で生徒指導部のみが挨拶指導をしていたが,3つの学年が一斉に通過すると, 違反している生徒を指導したり,チェックしたりすること難しかった。 そこで,学年ごとに机を出し,生徒名簿を持った複数の教員が,登校して来た生徒に 挨拶をさせた後,規定の服装で登校しているかチェックをし,違反や着崩し等があれば 正させて教室に入れるようにした。 具体的には「おはようございます。〇年〇組○番○○です。気持ちのいい挨拶をしよ う」と記載されたマニュアルを掲示し,挨拶後男子は上着の前を上げベルトを確認し(腰 パンの防止),女子はスカート折りの確認と,髪を耳にかけさせピアスを確認した。靴下 に関する規定を作ってからはズボンの裾を上げさせ,靴下の確認もするようにしている。 実施前は,本校生徒の実態から「なんで」とか「面倒くさい」などの批判や苦情が出 たり,違反を隠すために素通りする生徒が出るだろうと予想していたが,意外にもほと んどの生徒が指導に従い,素通りする生徒は数名であった。(次第にゼロとなった) -6- その要因は,それまで服装規程はありながらも指導する教員としない教員が存在した り,指導に温度差があったりする など組織的な指導ができていない状況であったのが, 生徒指導部を中心に全教職員がローテーションを組み,脱靴場に 立つことで,指導基準 や指導方法の明確化が進み,いわゆるフロントを揃えた指導ができるようになったから だと考えられる。 さらに「いつでも面接試験にいける身だしなみ」 (右下写真)をスローガンにし,生徒 に正しい身だしなみが進路実現に結びつくことを理解させたり,服装違反者に指導票 (イエローカード)を切り,違反に対する指導を明確化したりしたことも大きい。 現在も身だしなみ指導は継続しており,服装違反者はほとんどいない。指導票を切る こ と も 少 なく な り ,ウエ イ ト は 挨拶 を 含 めた声 か け (『 挨 拶 + ( プ ラ ス ) 1 ( ワ ン )』) にシフトされつつある。 ( 職員研修資料参照)そして, ローテーションがありながらも,積極的に教員が集 まり,生徒の登校が途切れた時に情報交換をする場 にもなっている。 職員研修資料より抜粋 (2)『挨拶+(プラス)1(ワン)』の声かけを 挨拶の意義はいまさら言うつもりはありません。まず私たちも大きな声で挨拶を生徒に しましょう。どちらが先でもいいのです。気持のいい挨拶とできればもう一言声をかけま し ょう 。「 宿題 やっ たか」「 靴が新 しい ね」「調子 はど う? 」な んでもい いの です 。で きれ ば疑問形にし,会話が進めばなおさらいいと思います。 一番いいのは褒める言葉です。決して無理して褒めることはありません。褒めることは おだてることではありません。教員の目から見て(本校のレベルで褒められることでいい の です )「あっ これ はいい 行動 だな 」と 思う とこ ろは どん どん 褒め まし ょう 。そ のと きに な ぜ褒 めら れる のか まで 説明 する と, さら にい いで す 。「今 の挨 拶立ち 止ま って でき ると は “い いね ぇ”」「 ちゃん と傘 の水 気を 切るなん て, すご い気 配りだね ぇ 」「一 番に 教室 に 着たねぇ。そのやる気がいいよ」とか,世間一般からすれば当たり前かもしれませんし, 当の生徒からしてもそんな気はないかもしれません。しかし,どんな行動を大人が褒める の か, 望ま しい 姿な のか 理解 させ る こ とに つな がり ます 。近 くに その 友だ ちで もい れば , 「そうかそうすれば僕も褒められるんだ」と思うかもしれません。 今の本校の生徒に必要なのは『自己肯定感』や『自己存在感 』を高めてやることだと思 います。声をかけ,褒めることも積極的生徒指導 だと思います。 -7- 【下校指導】 登校時の身だしなみ指導と合わせて,年度初め,1年生の指導を兼ねて河内駅にて ホームや待合室の巡回などを行っている。また,駅や駅周辺の住民の方から生徒の マナーが悪いという情報があればその都度指導に行くようにしている。 下校時の生徒の様子であるが,登校時には整えられている服装も,下校時には着崩し ている生徒も見られ,常に正しい身だしなみをする必要性や意義についてさらなる指導 が必要である。また周辺の飲食店でジュースや菓子類を 買い,店の前に座り込んで飲食 する生徒の姿もありマナーや規範意識の点で課題がある。 その他,駅や駅周辺の方からの情報や苦情としては,喫煙のほか,待合室の入口や スロープに生徒が溜まり,他のお客さんの迷惑になっているといった情報や苦情が提供 されている。また,狭い通学路を多くの生徒が同時間に登下校するため,自動車が通り にくく,自動車と生徒のカバンが接触する事案が毎年発生している。 駅や通学路周辺には本校の卒業生や関係者も多く,時に厳しいお叱りの言葉をいただ く。しかし,根底には「河内高校に良くなってほしい」という 思いがあり,そういった 言葉を基に,生徒には HR や全校集会でマナーやあるべき姿を指導している。 【特別支援の観点からの確認】 本校は,平成22年をピークに中途退学者や問題行動の数が減少し,いわゆる“荒れ” の状況は改善されていった。 それは,生徒指導規程の見直しを はじめ,新入生オリエンテーション,授業規律の確 保や環境整備の充実など,生徒の現状を分析した取組みを組織的に行った成果であると 考えられる。特に現状分析や課題解決に向けて平成22年度から,わかば療育園長の河 野先生に指導助言をいただくようになったことは,これまでの本校の取組みの大きな転 換点となった。今年度は8月,9月に研修を実施し,助言と取組の評価をいただいた。 以下,これまで授業や生徒を指導する上での留意事項や確認事項を教職員研修資料よ り抜粋・掲載する。 -8- ( 中略 ) 3 取 組( 平成 25 年度) 全 体と して ,一定 の落ち着 きい てき た状 況か ら,さ らに ,ルー ルを 守らせる よう ,次の 取組 を 行っ た。 ( 1) 課題 特別 指導 放 課後 ,課 題( 宿題 )未提 出の 生徒 を学 校に 残し,教員 の監 督の 下で ,課題 に取 り組 ませ た 。課 題の 完成 には スモー ルス テッ プを 用い ,でき た課 題は 教科 担当 者に確 認し ても らい , 課 題を 全て 提出 させ る取組 を行 った 。 そ の結 果 ,指 導せ ずに生徒 任せ にし てお けば 進級で きな かっ た可 能性 が高い 多く の生 徒が 課 題を やり 遂げ ,進 級でき た 。ま た,その 後の 指導 にお いて ,課 題未 提出の 生徒 が大 きく 減 少 した 。 ( 2) 個別 の支 援計 画 特 に気 にな る生 徒に ついて ,河野 先生 の指 導助言に 基づ いて ,個別 の計画を 立て ,計画 に 沿 って 統一 した 対応 する取 組を 行っ た。 そ の結 果,何 人か の生 徒は 進級 する こと なく 本校を 去っ てい った が,進 級し た生 徒に つい て は, 問題 なく ,学 校生活 を送 れる よう にな ってい る。 4 今 後の 方針 (平 成26 年度 ~) ( 1) 従来 の取 組を 再度徹 底し ,風 化・ 後退 させな いよ うに する 。 ( 2 )現状 に満 足す ること なく ,基 本的 な考 え方に 示し た目 的が 高い 次元で 達成 でき るよ う,新 た な取 組を 加え る。 5 具 体策 こ れま での 取組 も合 わせて ,次 なる 取組 を行 う。 ( 1) 環境 の整 備 ① 教 室の 前面 に掲 示物を 貼ら ない 。( 集中 力) ② 教 室の 机は 壁に つけな いよ う配 置す る。 ③ 机 ・黒 板等 への 落書き は放 置し ない 。 ④ 上 靴の 落書 きを 放置し ない 。 ⑤ 教 室の 机の 位置 を明確 にす るよ う, テー プで印 をつ ける 。 ( 2) 指導 の充 実 ① 授 業中 に横 向き に座ら せな い, 足を 机の 横に出 させ ない 。 ② 授 業で は「 めあ て」を 黒板 の左 上に 板書 する。 ※ 「め あて 」と は, この授 業で 何が でき るよ うにな れば 良い かの ゴー ル。 ③ 授 業の 開始 時に 30秒 程度 ,瞑 目さ せ,前時の 振り 返り ,本 時の めあて を伝 える 。ま た, 集 中力 を欠 いた 状況 になっ た場 合, 再度 瞑目 させ,「 それ でいい ので すか」 と指 導す る。 ④ 口 頭で 指示 した ことは 簡潔 に板 書し ,指 示をわ かり やす く徹 底さ せる。 ⑤ 放 送で 生徒 を呼 び出す 場合 ,次 のよ うに 行う。 「 ○年 ○組 ,○ ○ く ん (さ ん ),○ ○ま で き て くだ さ い 」 ⑥ 声 かけ は穏 やか に行い ,指 示は 具体 性を 持たせ る 。( 皮肉表 現は 避ける 。) ⑦ 「 あい さつ プラ ス1」 の取 組を 心が ける 。 ⑧ 指 示は 3つ 以内 に絞る こと を心 掛け る。 ⑨ 否 定的 な表 現を 避け, 可能 な限 り肯 定的 な表現 を用 いる 。 ⑩ 配 付プ リン トに は可能 な限 りイ ラス トを つけて ,分 かり 易く する 。 ⑪ 課 題特 別指 導を 徹底さ せる 。その 際,遅れ てで も課 題を 提出 した 生徒に 対し て ,教 科担 当 者は 必ず 褒め る等 の声か けを 行う 。 ⑫ ⑬ 必要に応じてカラーマスによる書字指導を行う。(空間認知) スケジュール帳を持たせ,必要に応じてメモをとらせる等,自己管理をさせる。 【教育活動全般における役割付与 】 実践事例 付与した役割 3年生による 進路講演会 分掌・学年 進路指導部 実施日 対象生徒 12 月 11 日(金)1年 LHR 3-1 女子1名 12 月 18 日(金)2年 LHR 3-2 男子1名,女子1名 -9- 3年生が講師となり1年生や2年生の LHR に出向き,進路に関するアドバイスを行う 試みである。1・2年生に近い協働的な目線で話される先輩からの話は,生徒にとって とても新鮮で心に響く内容であった。主に以下のような 質問項目に沿って進行した。 【就職】 【進学】 ○何をする会社なのか。 ○何を学ぶ学校(学科)なのか。 ○ な ぜ そ の 会 社 を 選 ん だ の か 。会 社 選 び の 決 め 手 は 。 ○ な ぜ そ の 学 校 を 選 ん だ の か 。学 校 選 び の 決 め 手 は 。 ○進路について本格的に考え出したのは,いつ頃か。 ○就職活動で大変だったことは何か。 ○受験準備で大変だったことは何か。 ○見学や選考試験は,どんな様子だったか。 ○オープンキャンパスや本番の試験は,どのような 様子だったか。 ○部活動(生徒会活動)をやっていて何か役に立ったことはあるか。 ○1年生(2年生)のうちに,何をやっておくべきだと思うか。 ○将来の夢は何か。 その他役割付与の実践事例 学校全体の行事(文化祭,体育祭,台湾からの姉妹校来校,防犯教室,生徒会役員選 挙,オープンスクール,公開研究授業など)に関わる役割(準備,誘導,説明,謝辞等) にできるだけ多くの生徒が活躍できる場を設定するように割り振った。 各学年 LHR で実施される講演会(進路講演会,性教育講演会,消費者講座,租税教室, 法律教室など)において,講演者に対し学年代表として謝辞を述べる役割をなるべく多 くの生徒が体験するように割り振った。 - 10 - 【生徒の活動の成果披露 】 生徒の活動が認められる場を設定し,生徒の活動意欲・自己肯定感の高揚を図るために,次 のような規程を決め,今年度2学期よりスタートした。 生徒の活動成果の披露等に係る規程 (目的) 第1条 この規程は,教育活動における成果等を適切に評価・披露することで,生徒の活 動意欲・自己肯定感の高揚を図ることを目的として定める。 (披露基準) 第2条 原則として次に定める基準により披露を行う。 1 地区大会及び地区大会に準ずる大会・コンクール等で入賞した場合,また,予選大会・ 審査等を経て県大会及び県大会に準ずる大会への出場権を獲得した場合は, 校内の所定の 場所に部活動名を記載したプレートを掲示するとともに詳細を文書にて紹介する。 2 中国大会・全国大会及びこれらに準ずる大会・コンクール等に出場する権利を獲得した 場合は,別途横断幕等を作成し,校外に掲示してその活躍を広く地域に紹介するとともに, 詳細を文書にて校内にも掲示する。 3 各種検定試験等に合格して資格を取得した場合は, 資格の名称・取得級・氏名等を記載 した文書を掲示して紹介 する。 4 その他披露・紹介が適当と思われることについては,方法も含めて別途校務運営会議で 協議し,校長が決定する。 (経費の拠出) 第3条 第2条に定める披露等に係って経費を必要とする場合は,PTA又は同窓会に拠出を 依頼する。 (壮行式等) 第4条 原則として次に定める基準により壮行式等を行う。 1 広島県総合体育大会・全国高等学校野球選手権大会広島県予選に出場する場合。 2 中国大会・全国大会及びこれらに準ずる大会・コンクール等に出場する場合。 3 その他実施することが適当と思われる場合については,別途校務運営会議で協議し,校 長が決定する。 (その他) 第5条 その他,第1条に規定する目的の達成のために効果があると判断されることについて は,校務運営会議で協議し,校長が決定して実施する。 (附則) 本規程は平成27年8月24日より施行 する。 - 11 - 実践事例 発表(披露)内容 金山高級中學との交流 (台湾研修)発表 分掌・学年 実施日 総務部 8 月 24 日(月) 対象生徒 2-1 男子1名 2-2 女子 1 名 今年度,台湾ホームステイ研修(6泊7日)に参加した2年生2名が2学期始業式(体育館) において,全校生徒の前で報告会を行った。クラスメイトが体験した異国での様々な体験活動 を興味深く熱心に聞き入る生徒達の姿と,この体験活動を通して少し逞しくなった2年生2名 の姿が大変印象的であった。 - 12 - (2)生徒対象の教育活動 【オリエンテーション週間】 本校では平成22年度まで,いわゆる新入生合宿を2泊3日で校外の宿泊研修施設で 行っていた。しかし,移動時間がかかること。プログラムが 天候に影響されやすいこと, 他団体との施設利用の調整,就寝中の見回りなど,様々な点で課題が多く,本来の目的 が達成しにくい状況が生起するようになった。 そこで平成23年度より,学校でできること,校外でしかできないことを考え,プロ グラムの内容を見直した。入学式後1週間は授業をせず早朝登校をさせることで基本的 生活習慣をつけさせ,集団行動を取入れることで集団生活の意義を学ばせている。その 他発表の場,思考の場,体験の場など本校生徒に必要と思われるプログラムを盛り込む ためには1週間という期間は最低限必要と思われる。校外学習では,ここ数年は禅寺に て写経や座禅を行っている。心を落ち着け自分を見つめなおすには絶好の機会となって いる。このオリエンテーション週間がきっかけで,現在も早朝登校をしている生徒が全 学年の3分の1程度いる。 また,事業指定を受けた平成26年度より,ソーシャルスキルトレーニングを新たに 取入れ,相手の立場に立って物事を考え ることや,自分の思いを正しく伝える手法につ いても考えさせるように している。本校生徒の学校生活のつまずきには,人間関係のト ラブルによるものが決して少なくない。相手の気持ちを読まない,読めない,また加え て表現の不十分さで人間関係が上手く作れないのである。そういった生徒に対してソー シャルスキルトレーニングは有効であり,今後も継続した取組みが必要である。以下 , 今年度のオリエンテーション週間のプログラムと生徒の様子を掲載する。 左上・・・集団行動 右上・・・座禅 左下・・・レク(大縄跳び) - 13 - 平成27年度新入生オリエンテーション週間日程表(予定) 平成27年4月 7日 1学年・生徒指導部 8:20~ 1限 2限 3限 4限 集団行動 対面式 生徒指導規程 (校則) について LHR グランド 体育館 講義室 頭髪検査 集団行動 集団行動 使用場所 体育館 グランド 1 0 日( 金) 8: 40 学校発 1 3 日( 月) 集団行動 校歌練習 社会人講演会 使用場所 グランド 体育館 視聴覚教室 1 4 日( 火) 集団行動 使用場所 グランド 1 5 日( 水) 集団行動 校歌練習 発表 使用場所 グランド 1 6 日( 木) 使用場所 8 日( 水) 使用場所 9 日( 木) 5限 6限 進路指導部講 話 集団行動 頭髪検査 学年集会 LHR 各HR 講義室 体育館 講義室 集団行動 LHR ( 自己紹介) 授業のきま り 個人写真 個人写真 グランド 各HR 講義室 格技場 格技場 校長講話 放課後 クラブ紹介 16:30帰校 予定 校外活動 (神石郡神石高原町 永聖寺) 制服セミナー 携帯安全教室 講義室 講義室 ( ソ ー シ ャ ルスキ ルトレー ニン グ) 校歌練習/ 集団行動 1 組: LHR 2 組: 校舎案内 講義室・各HR 体育館 各HR 1 組: 校舎案内 2 組: LHR LHR ( 集団レク) 1週間のま とめ 体育館 各HR 体育館 講義室 集団行動 無言学習 課題テ スト (国語) 課題テ スト (数学) 課題テ スト (英語) グランド 各HR 各HR 各HR 各HR LHR LHR ( 個人面接) 身体測定 体育館ほか 内科検診 LHR ( 個人面接) 講義室 職業観育成VTR マナトレ準備 個人面接 個人面接 奉仕作業 奉仕作業 ( 個人面接) ( 個人面接) *場所,内容は天候等で変更する場合があります。 上り7:32(河内駅着) 下り7:41( 〃 ) 注意事項 ○ 8:05までに登校 体操服に着替えてグランドに集合する。(更衣場所 男子1組 女子1A教室) ○ 生徒玄関で身だしなみチェックを受ける チェックポイント ピアス (女子は自分で髪を耳にかけ,耳を見せる) 男女共通 カッターシャツのそでのボタン 男 子 ホック,ベルト (自分で上着の前を上げる),シャツ出し等 女 子 リボン,スカート折り等 *化粧についてはその場(またはトイレ)で落として再チェック ○ 体操服,グランドシューズ,体育館シューズ,筆記用具を毎日持ってくる (グランドシューズは自分の下駄箱に入れておく) *名前を書く 〇 オリエンテーション週間に限らず,遅刻・欠席等の連絡は保護者の方がしてください。 (8:00過ぎまでは留守番電話になっています。用件を入れてください。) - 14 - 河内高校電話 (082)437-1151 【校内写生大会】 昨年度から,2・3年生の 春季遠足を実施日に,1学年の生徒には校内写生大会を行 っている。自己表現に慣れさせることを目的として,学校の敷地内の好きな場所を選び, 鉛筆を使って描かせているが,予想以上に熱心に取り組んでいる。生徒に十分に時間を 与え,教職員は巡回しながらできるだけ多くの生徒に肯定的な 声掛けを行うようにして いる。 【心美度・体健度チェック】 本校の校訓である『心美体健』の具体的な実践こそが,道徳教育の重点目標の達成に つながると言える。そのためマスコットキャラクターの名前に校訓をつけることから始 まり,校訓と結びつけた短歌コンテスト,いじめ防止短歌コンテストの実施,道徳教材 の作成等を行ってきた。 規範意識が低く,相手を思いやる心を十分に持てず,問題行動を起こしたり,人を傷 つけたりすることが多い本校の生徒に最も必要なことは, 「いかに自己を見つめるか」で あると考える。つまり自分自身の客観視である。とかく相手の悪いところは見え るが, 自分の悪いところは見えない。相手に自分の思いを伝えるが,相手の思いは受け止めな い,などが本校生徒の大きな課題である。 そこで,今年度校訓を使って自己を客観視するために『心美度・体健度チェック』 を 行った。 『心美度』を考えるヒントとして,礼儀 ,感謝 ,思 いや り,奉 仕 ,友 情,悪口 ・ 陰口を言わない,いじめをしないなどのキーワードを, 『 体健度』を考えるヒントとして, 部活動,睡眠,朝食・間食を含めた食生活,ゲームや携帯電話・スマホの時間などのキ ーワードを与え,それぞれを 100点満点で自己採点させ た。そして「今後どうやった ら100点になりますか?」 という問いを設け,具体的な 行動を考えさせるようにした。 数値化により今の状態を見つ め,今後の具体的な行動を考 えさせることにより,よりよ く生きようとする態度を養う ことができ,また,年度当初 と年度末に実施することで , 自己の変容を客観的に見つめ 直すとことができた - 15 - 【地域連携】 ①リバーサイドフェスティバル・河内福祉ふれあいまつり リバーサイドフェスティバル 河内町では,毎年7月の第4週の週末で「清流のまち河内」の川で夏を満喫できる イベントがある。放流された鮎のつかみ取りや焼き鮎を味わえるほか ,水中競技,宝 探しなど,子どもから大人まで川遊びを楽しむことのできるイベントである。また , 前日の夜には前夜祭が開催され ,たくさんのイベントで盛り上がる。 河内福祉ふれあいまつり 毎年10月中旬に,河内保健福祉センターで河内福祉ふれあいまつりが開催される。 このイベントは,陶芸や塗り絵,福祉団体の活動紹介などの展示コーナー が設けら れ , 地 域の 福 祉向 上や , 支 え合 い のコ ミ ュニケ ー ショ ン の場 と して開 催 さ れ て い る 。 本校の生徒会執行部は,毎年この2つのイベントに学生ボランティアとして参加して いる。イベントの運営を行うリバーサイドフェスティバル実行委員会・社会福祉協議会 や地域の自治組織である「 You 愛 Sun こうち」の方々に指導,助力を頂きながら,毎年 ごみの分別や会場の警備 ,募金活動や展示ブースの管理などの活動を行っている。 年を追うごとに,与えられる役割は多岐にわたり ,これまで行ってきた活動以外にも 多くの活躍の機会が与えられている。開会式の司会を担当させてもらうこと や,吹奏楽 部によるファンファーレの演奏,ラジオ出演,心美ちゃん体健くんの紹介などの場を頂 いている。こうして役割を与えられて地域に貢献したという経験は,生徒の自己有用感 や自己肯定感を高めるとともに, 地域や学校に対する愛着心を育てている。 リバーサイドフェスティバルの様子 河内福祉ふれあいまつりの様子 - 16 - ②東広島市暴力追放・排除・進出阻止に向けた街頭パレード 薬物乱用防止626ヤング街頭キャンペーン 東広島市暴力追放・排除・進出阻止に向けた街頭パレード 東広島暴力監視追放協議会が主催(東広島警察署共催)し,東広島市の「暴力 追 放・ 排除・進出阻止」を呼びかける街頭パレードは,防犯連合会や交通安全協会など ,約 40 団体が集まるパレードである。 本校の生徒会執行部も2年前より参加し,心美ちゃん体健くんの着ぐるみを用いて 啓発活動のイメージアップに貢献している。河内町内の活動よりも規模が大きく ,よ り大規模な社会活動を経験する重要な機会となっている。 薬物乱用防止626ヤング街頭キャンペーン 「6.26国際麻薬乱用撲滅デー」にあわせて,「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が全 国一斉に展開される。この運動の一環として,中学生・高校生等のヤングボランティ アを中心とした薬物乱用防止啓発活動「626ヤング街頭キャンペーン」が県内9箇 所で実施された。 本校の生徒会執行部は,上記の街頭パレードでの参加実績からこのイベントへの参 加協力を受け,フジグラン東広島店での啓発活動に参加している。 東広島市暴力追放・排除・進出阻止に向けた街頭パレードの様子 薬物乱用防止626ヤング街頭キャンペーンの様子 - 17 - 【第3回全校写真コンテスト】 文化祭での全校写真コンテストは,文化祭のテーマに沿った写真を全校生徒から募 集・展示することで,お互いの友情や愛情を認識するとともに,美しさに対する感性や 感動する心を育てるために昨年度より実施している。文章を書いたり,読んだりするこ とを苦手とする生徒が多い本校にとって,写真や映像は「伝える」手段,「考えさせる」 手段として非常に有効であると考える。 ①テーマの設定 昨年度は「音のある風景」「私のお気に入り」「見上げた風景」をテーマとしたが, 今年度は文化祭のメインテーマ「笑喜 泣感」から「笑顔にあふれる生活」 「喜びに満ち た生日々」「泣ける河内高校」「感動を誘う風景」とした。 ②実施方法 1 写真が入ったメディアを学校へ持参するかアドレスにデータを送る。 2 生徒会執行部が生徒会PCを使って印刷し,特設展示場で展示する。 (写真のタイトルや説明のコメントを生徒に書かせたものを添える) 3 校内選考会で優秀作品を選定し,表彰するとともに,文化祭終了後には,拡大した ものを額に入れ,一定期間廊下に掲示する。 ③成果 花や海,夕焼けといった自然界の写真,犬や猫といった動物の写真,友達とのスナ ップ写真など応募された写真は様々であった。 文化祭の展示とあって,多くの生徒・来場者に作品を見てもらうことができた。そ のことによる自己肯定感の高まりはもちろんであるが,他の生徒の意外な面や感性を 知る良い機会になった。 また,写真は単なる思い出の記録や記憶の補助でなく,見る者に感動や癒しを与え たり,相手に自分の気持ちを伝えたり,共有したりするコミュニケーションの媒体と しての役割もある。そういう意味で今回のコンテストにおいて写真を撮る(被写体を 探す)こと,見ることを通じて情操教育の一助となった。 ④課題と今後の工夫 一番の課題は全校写真コンテストと題しながら,応募が約6割であったことである。 周知の方法,応募期間,データの持ち込み方などの課題が残った。また当初は,いた ずらや肖像権,プライバシー侵害の問題を懸念したが,応募された作品にそれらの問 題は全くなかった。 今回は優秀作品のみを表彰したが,出品した写真には生徒それぞれの思いがあるは ずである。1行でもいいからコメントや講評を入れることで,生徒の自己肯定感はさ らに高まると考える。 文章を書いたり,読んだりすることを苦手とする生徒が多い本校にとって,写真や 映像は「伝える」手段, 「考えさせる」手段として非常に有効であると考える。今後は, 写真を一つの教材として『一枚の写真から』と副題をつけて展開する授業や道徳教育 も考えていきたい。 - 18 - ⑤生徒の声 〇空を見上げることが増えた。 疲れているときに星空を見ると疲れがとれる。 〇人の写真を見て,自分と違って視点があると分かった。 〇表彰されて嬉しかった。 〇笑顔の写真に癒された。 〇自分が撮った写真が人を感動させられたいい。 〇テーマが絞られ過ぎ。も う少し自由に撮りたかった。 参考資料 ≪今年度受賞作品≫ 『感動を誘う風景』部門優秀賞 『笑顔にあふれる生活』部門優秀賞 タイトル「夢につづく道」 タイトル「笑顔」 コメント コメント 笑顔は世界を明るくする。 透き通った青い空に未来に向かって 虹が架かっている。私はこの虹のよう に夢に向かって進んでいきたい。 <表彰式の様子> <クラス用案内文> - 19 - 【研修旅行事前指導・事後指導】 文化祭・体育祭等の学校行事を今よりももっと生徒の意見を反映させた自由度の高 い行事へと変えたり,研修旅行に関しても自主的な活動が多い魅力的なものにしたり するためには,個々の生徒がマナー・ルールを守り,周りの人の気持ちを考えて行動 できるようになることが大切であること,さらに 規範意識を持って行動することが, 個人だけではなく集団の利益につながるということを 生徒に指導してきた。研修旅行 前は特に,相手の目を見てイメージしながら話を聞くこと,わかるまで確認すること を重点的に指導した。研修旅行は大型低気圧の影響を受け,天候に恵まれたとは言え ない状況であったが,1分程度集合に遅れた生徒がでたことを除くと, マナーや集団 行動の面では全く問題なく実施することができた。 事後に行ったアンケート結果から,研修旅行を経て ,生徒は「規則を守ることは自 分たちの利益につながるという こと」「よく話を聞いて努力すればできるということ 」 「集団において一人一人が 役割を果たすということの重要性」を実体験から学ぶこと ができたと判断してよいと思われる。これらの結果をもとに研修旅行の振り返りを行 い,成長することができたという思いを共有し, 今後の進路実現に向けた取り組みに も,前向きに努力することを確認した。 ≪アンケート結果より≫ 規則を守ることやマナーの大切さが理解できたと思いますか スキー・スノーボード実習を終えて,達成感・成就感を感じましたか 室長や班長の役割を果たすことができましたか とても理解できた 67.2% 理解できた 感じることができた 88.5% よく分からない 積極的に果たせた 36.0% 果たせた 研修旅行を通じて,自分のプラスになったと思うこと マナー・ルール,時間を守ること。当たり前のことだけど,やはり大切な事だと改めて思った。 人の話を素直に聞いて努力するれば,やればできるんだと思うようになった。 - 20 - 32.8% 理解できなかった 9.8% 挫折感を感じた 64.0% 果たせなかった 分からないことをそのままにしないようになった。 あまりしゃべったことのない子としゃべれた。 0.0% 1.6% 0.0% 【短歌コンテスト ~心美体健~】 ①目 的 全校生徒を対象に「心美体健」をテーマにした短歌コンテストを行う。短歌を考える ことで,校訓について具体的に考えさせ,全校生徒の校訓を実践する態度を養う。 ②内 容 1 事前にコンテストを生徒に告知し,募集期間最終日のSHRで応募用紙を配付及び 回収し,優秀作品を選抜する。 2 優秀作品 10 作品を再投票し,優秀賞を決定する。 3 その後,終業式で優秀作品を発表し,表彰したのち各クラスに優秀作品の短歌を掲 示する。 ③計 画 11 月 24 日(火) SHRで案内プリントを配付し,説明する。 教室に案内プリントを掲示する。 11 月 26 日(木) 生徒会放送でコンテストの案内をする。 11 月 27 日(金) 終わりのSHRで応募用紙を配付し,記入させ回収する。 生徒が良作 20 作品を選抜する。 12 月初旬 教員が生徒の選抜した短歌の中から 10 作品を選抜する。 12 月 14 日(月) 優秀作品 10 作品を発表,掲示する。 12 月 16 日(水) SHRで生徒が再投票する。 12 月 22 日(火) 終業式で優秀作品を発表する。 大賞の 2 作品については,しおりを作成し,全校生徒に配付。さらに,毛筆で書い たものを額縁に入れ,1階玄関付近廊下に歴代作品とともに掲示。 ④成果と課題 まず,校訓『心美体健』を,生徒自身の言葉として具現化するという作業を通して, 生徒各自の行動規範の一部として身近なものと捉える機会を与えることができた。 また,作品募集 → 選抜 → 投票 → 表彰という一連の活動を通じて,他の人の表現 や道徳的価値のある言葉に触れることで,他者に共感できる豊かな心の醸成の一助とな った。 さらに,優秀作品発表 → 表彰 → しおりの作成及び色紙の掲示等,自己の言葉が認 められる場面を多く設定することで,自己評価・他者評価を含めて実践したことを振り 返り,今後の前向きな道徳的実践につなげる機会を与えることができた。 今後の課題としては,マンネリ化して惰性で継続するのではなく,新たなプラスワン の工夫が必要となる。 - 21 - 例えば,具現化したいことをより視覚的に捉えやすくするために,短歌と絵を組み合 わせたり,短歌と写真を組み合わせる, また,短歌をもとに具体的にどんな行動を日々 実践するか考えさせる,お互いの日々の具体的実践を評価し合うなど ,アイデア次第で さらなる可能性を秘めている。 優秀作品 10 作品 心美し部門 1 大賞 大丈夫 たった一言 それだけで やさしさつなぐ 心美し 2 優秀賞 あいさつを 交わした後の 気持ちよさ 笑顔が弾む 心美し 学校の 生活すべて 基礎テスト 3 満点めざせ 心美し 4 優秀賞 傷つける 見て見ぬふりを 許さない みんな仲良し 心美し 身だしなみ 常に正して 落ち着いて 5 姿美し 心美し 体健やか部門 6 大賞 朝起きて 元気に明るく 学校へ 笑顔で一日 体健やか 7 優秀賞 朝ごはん 元気になる木に 実がなれば 元気モリモリ 体健やか 8 優秀賞 寒くても 体動かし ポカポカと 健康第一 体健やか 9 毎日の 食事で上がる 集中力 一石二鳥で 体健やか 10 衣食住 毎日元気に 活発に 生活正し 体健やか 完成したしおり - 22 - 【校内・校外クリーン活動 】 ①目 的 生徒・保護者・教員が協力して朝の声かけや通学路清掃を行うことを通して,学校・ 家庭・地域の相互理解と連携協力を深める。 ②内 容 1 朝の声かけ運動日程(毎月第2木曜日) 校門前(午前 7 時 45 分~8 時 30 分)6/11,10/8,12/10,4/14 河内駅前(午前 7 時 25 分~8 時 10 分)7/9,11/12,1/14,3/10,5/12 2 通学路清掃日程(毎月第2木曜日) 偶数月 校門前より声かけ運動後清掃 奇数月 午後 3 時 30 分 校内中庭集合後 生徒と一緒に清掃 毎月1回,校門前や河内駅前であいさつ運動 を行っています。 最初は照れくさそうにしていた生徒も,保護 者の方々と一緒に活動をするうちに,自然と 気持ちの良いあいさつができるようになりま した! 朝の挨拶運動 PTA,生徒会 通学路清掃 PTA,美化委員 生徒会,JRC部 2か月に1回,通学路のゴミ拾いを行っ ています。ほとんどの生徒が毎日使う道 なので,少しでも地域に貢献できるよ う,委員会や部活等,幅広い団体の生徒 が参加しています。 - 23 - 【図書室プロジェクト】 本校の図書室は,生徒指導上・管理運営上の理由から数年前から閉鎖されている。し かし,本校の生徒会執行部の活動の中で,生徒から「自習室が欲しい」 「図書室を利用し たい」という意見が多数あることが分かった。その結果,既存の図書室から本と設備の 一部を運びだし,本校舎のA館2階の空き教室を新図書室として開室することにした。 使用上のルール,今後の運営方針を生徒が話し合い,一般の生徒の要望に応えて学校生 活をより良くするという目的の ために計画を進めた。 新図書室開室の計画段階 平成27年度の2学期から,新図書室を開室した。この新図書室は,職員室や生徒指 導室から近く指導・管理が容易であり,また,生徒会執行部を中心とした生徒の自治活 動のひとつとなっている。当初は月・水・金の曜日限定で昼休憩のみの開室で運営して いる。古典の日に合わせたお勧め図書のコーナーを設置することや,検定試験対策コー ナーを設置するなど,生徒会の新たな取り組みの 一つとして活用されている。放課後の 利用の要望を取ることや,新刊の設置で来室者数を増やしていく試みに取り組んでいく 予定である。 新図書室 - 24 - (3)教職員の指導力向上へむけての取組 【県教委(豊かな心育成課)連携】 指定事業の実践にあたっては,その目的をふまえ,広島県教育委員会豊かな心育成課 との連携を図りつつ取組を進めた。広島県道徳教育研究協議会,道徳教育実践研究委員 会での指導はもとより,日常的に連携を重ねながら,年3回指導主事の訪問を受け示唆 をいただいた。 訪問日 指導・助言の内容 ○「道徳教育改善・充実」総合対策事業について ○今後の取組の方向性 第1回 6月5日(金) ・年間計画に係って ・校訓の教材化に係って ・各教科の目標・内容と「道徳」との関連について ○今年度前半の実践に係って ・生徒の変化について 第2回 10 月 23 日(金) ○道徳教育公開研究授業・報告会等に係って ・指導案に係る助言 ・進行,準備等に係る確認 ○道徳教育公開研究授業・報告会 ・授業・報告に係る指導助言 第3回 11 月5日(木) ○今後の取組の方向性 ・道徳教育の組織的展開に係って ・生徒がいきいきと活動する教育内容の創造について 年度当初,教育活動をつくって行くにあたって漠然としていたことの一つが各教科に おける取組であった。年に1回,全員が事業の研究主題・目標(研究課題)をふまえて 授業公開を行うことは決定していたが,自身の担当教科の目標や内容と「道徳」をどう 関連づけて行けばよいのかについては今一つ明確にできていない教員が多かった。事業 計画,公開研究授業の実施にむけて協議を重ね,資料提供を受ける中で,各教科の実践 の中で道徳性に関連する側面を多くが意識できるようになったことが大きな成果である。 校内の授業公開を実施する中で相互に学び合い, より確かなものとしていくことが今後 の課題である。 【教職員研修①-藤永教授-】 7月1日,昨年度に引き続き,大阪教育大学名誉教授の藤永芳純先生に ご講演をいた だき,また,読み物教材「ネット将棋」を使って演習を行った。 研修後のアンケートでは, 「 言葉や行動を支える心を育てるのが道徳教育であるという こと,生徒の授業中の達成感・自己肯定感が何よりも大切だということ がよくわかった」 という声が聞かれ,また, 「考えさせたい道徳的価値,中心発問を決めるという 読み物資 料を用いた授業の在り方がよく分かった」 「 普段の授業においても発問の仕方が大切だと いうことが分かった」という声が聞かれた。 - 25 - 【教職員研修②-スクールカウンセラー-】 ①日 時 平成 27 年8月5日(水) ②講 師 河内高等学校スクールカウンセラー 黒木美里 先生 ③研修内容 1 1学期の相談状況について (1) 家庭環境が複雑で情緒面が不安定になっているケースが多い。 ア 話をしっかり受け止める。 イ 保護者にも様々な背景があり,保護者自身の支援が必要な場合もあるため,必 要に応じて専門機関へつなぐ。 (2) 発達障害が背景にあるケースが多い。 相手の気持ちを想像することが苦手なため,話を聞くというよりは良い方法を一 緒に考えたり,具体的に教えることが効果的である。 (3) 友人間の暴力については,暴力以外の方法を一緒に考え,できたらほめる。 2 事例検討 事例① 意見発表 ※研修会資料参照 ~マスクをとれない生徒の精神的な背景・対応について~ 理由を聞くことや強制的に外させることで本人が楽になることもあるの ではないか。 外せない背景に注目し,理由を本人と一緒に考える。マスクを『ダメ』 SCより と否定的に伝えるより,マスクをしていない状態をほめると効果的かもし れない。 事例② 意見発表 ~対人恐怖傾向の生徒の訴えの受け止め方について~ 本人だけでなく保護者にもカウンセリングを勧める。 食べられない,不眠,妄想発言等があれば専門機関へつなぐ。その時に SCより できることをやるしかないので,どんな結果になっても教員が自分を責め ることがないように。 事例③ 意見発表 SCより 事例④ 意見発表 ~教員へ好意を持つ生徒への対応について~ 当該教員だけでなく保護者や他の教員と複数で対応する。行動が間違っ ていることを誰かが教えなければならないのではないか。 気持ちそのものは否定せず,行動はきっちり否定しなければならない。 好きな人にはどうしたら良いか,一緒に考える人が必要。 ~幼い行動を繰り返す生徒の精神的な背景・対応について~ してはいけないことは看板等で視覚的に示す。行動する前に考えさせる 取り組みを丁寧に行う。 発 達 障 害 や 家 庭 環 境 等 の 背 景 が あ る こ と が 考 え ら れ る が ,『 こ れ な ら 良 SCより い』という代わりのものを与えてやる。また,周りが反応することによっ て関わりを感じている可能性もあるので,受け流し,正しい言葉を使った 時にしっかりほめる。生徒実態に合った伝え方で繰り返し伝える。 - 26 - ※ 研修会資料 事例① ~マスクをとれない生徒の精神的な背景・対応について~ メディアでの流行もありファッションとしてマスクを着用する生徒も多いが,中には 強い執着でマスクを外せない生徒が数名いる。就職試験等の関係で外すよう注意をする と外すことはできるが,常にタオル等を持ち歩いて口元を隠している。 〇 就職試験等の関係もあり,マスクがなくても日常生活を送れるようにしたい。 少しずつ段階的に改善させたいが,良い方法があるか? 事例② ~対人恐怖傾向の生徒の訴えの受け止め方について~ クラスの生徒の悪口や嘲笑が気になると訴え,教室に行きたがらない。体調不良を訴 え,いつも37℃前後の発熱がある。担任に『死にたい』と訴えることもあった。 〇 本人は『悪口を言われている』と言うが,教員が見た様子ではそのような雰囲気 はなく,むしろ支えになろうとしてくれる生徒も多数いる。このように本人の訴え と実際の状況にギャップがある場合,どのように受け止めて対応したら良いか。 〇 様々な体調不良を訴えたり話をしたがるなど,教員の気を引こうとする面がある が,どこまで受け入れてやればよいか(受け入れすぎるとエスカレートするので, バランスが難しい)。 〇 『死にたい』と打ち明けられたらどのように対応したら良いか。 事例③ ~教員へ好意を持つ生徒への対応について~ ある女子生徒が,男性教員に好意を持っており,職員室等あらゆる場所での待ち伏せ, 隠し撮り,手作りケーキの贈り物等をしている。特に話しかけたりするわけでもなくと にかく見ているだけだが,少しずつ行為の度合いがエスカレートしている様子がある。 ○ 立場上きっぱり拒否することが難しいが,どのように対応したら良いか 。 事例④ ~幼い行動を繰り返す生徒の精神的な背景・対応について~ 本校の生徒の特長として,以下のような年齢に不相応な幼さが目立つ。 ・池の鯉を執拗につつく。しつこさや残虐性が気になる。 ・紙飛行機を作って飛ばす。 ・水遊びや雪遊びを好む(教室に持って上がってまで雪合戦をする)。 ・幼稚な言葉(うんち・おしっこ等)に過剰に反応し,大声で笑い続ける。 ・ドラえもんやバイキンマンを好み,机に落書きをする。消しても何度も書く。 ○ 卒業後社会に出ていく生徒が多い状況で,どのように対応して成長させていけば よいか。 - 27 - 【教職員研修③-河野先生-】 ①目 的 発達障害の生徒やその傾向のある生徒に対する適切な指導のあり方について理解を深め,授業 づくり等に活かす。 ②講 師 広島県立障害者療育支援センター 重症心身障害児施設 わかば療育園 園長 医療科医長 河野 政樹(こうの まさき)先生 ③研修内容 ユニバーサルデザインの授業・学習環境づくりについて 1 学ぶということについて (1) 学びのプロセス:無意識無能力 → 有意識無能力 → 有意識能力 → 無意識能力 生徒がどの状態にあるかが重要である。 (2) 生徒にまず“幸福”を与える。 → 先生のことが好き(= 幸福を与えてくれる先生)な教科は自然に学力も伸びる。認め てもらえることが生徒の幸福であり,まずそれぞれの生徒に合ったやり方で信頼関係を作 ることが,やがては生徒の学ぶ力につながる。 (3) 教え合うことが最大の学びになる。河内高校の実態から言えば,各生徒が得意とする場 面で教えさせる。肯定感を与えることもできる。 2 法の改正 平成 25 年に『障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律』が整備され,障害者 への配慮のため,施設設備の改善及び整備,関係職員への研修等が義務づけられることと なった。 → 必要な生徒には,試験や授業の場面で適切な配慮を行わなければならない。 3 本校 1 年生の書字・絵からわかること (1) 例年に比べて書ける生徒が増えている一方で,書ける生徒と書けない生徒の差は依然大 きい。 ⇒書く能力が低い生徒は板書で精一杯になり授業内容の理解まで追い付かない。 すべての生徒が内容に集中できる授業を進めるには,板書の本来の意義を整理し,板書を 見直した方が良い。あらかじめプリントやICT機器を用意し,生徒の発言の記録や授業 のポイント部分などのみ板書とした方が,生徒が考える作業をすることができる。 (2) こだわりがあり指導の難しい生徒への対応 ①できているところ(学校に来ている,提出物を出している等)をほめる。 ②考える力が弱い生徒には,行動の選択肢を提示し,本人が選んだ選択を肯定する。 ③できるだけ早い段階で医療機関へつなぐ。 - 28 - 生徒事例 ※河野先生による対応アドバイス 生徒 気づき 発達障害とは違うが書いている内容が気になった。 Aさん B君 手だて 中学校では認められていないのでは? 理由が書けておらず受け身の記述が目立つ。 理由を聞いてもだめ。指導の際 考えることが苦手 には例や選択肢を与えてやる。 いのでは? “さぁ”等反抗的な記述が目立つ。自尊感情が低く 将来の見通しもついていない。 内容はどうであれ最後まで埋めようとする努力は 見える。 Dさん E君 F君 ていることを本人にしっかり フィードバックする。 指導困難が予想されるタイプ。注意をしても応えな C君 丁寧に指導すれば伸びる。でき 空白が多い。考える力が弱く指導困難タイプ。 できているところ(学校に来て いる・提出物を出している)を しっかりほめ,ほぐして親しく なってからでないと指導が入 らない。 考えさせるのではなく『こうし ましょう』と提案が必要。 ルールがあいまいだと混乱す 『当たり前』記述が多く考える力弱い。 るので明確な枠組みを示して 指導困難タイプ。 やる。 明らかに字が書けていない。書くのが苦手。 カラーマス指導 研修事後アンケート結果 1.講義の内容は面白かったですか? 2.講義の内容は分かりやすかったですか? 面白くな かった 0% あまり面白 くなかった 8% あまり分 からな かった 0% 大変面白 かった 46% 難しかっ た 0% よく分 かった 38% 面白かった 46% だいたい 分かった 62% 3.今後の生徒との関わりに役立ちそうですか? 役に立たな い 0% あまり役立 たない 0% 大変役立つ 46% 少しは役 立つ 54% 4.感想(自由記述) ・実物投影機を用いて実際の文字やスケッチから見立てをするところは説得力がある。 ・ゴシック体が良いと聞きなるほどと思った。具体的なアドバイスが分かりやすかった。 ・○○くんの分析はすごいと思った。 ・生徒の書いた具体的なものを使って分析されたのは,毎回よく分かるのでよい。 ・直接生徒を見ることで判断してもらうことができればなお良い。 - 29 - 【ブロック別研修会での発表・参加】 10 月 8 日に広島YMCA国際文化センターにおいて開催された,平成 27 年度道徳教育指導者 養成研修(中国・四国ブロック)において,事例発表を行った。前半部分で,本校の概要,数年 前の状況,学校経営計画の作成,作成に向けて行ったデータ分析,道徳教育全体計画の作成,全 体計画の見直しについて説明し,後半部分で,昨年度までの具体的な取組と今後の取組について の説明を行い,その後くらしき作陽大学秋山博正教授から講評をいただいた。 【道徳教育・ 「学びの変革アクションプラン」に係る校内授業公開(概要) 】 ①目的 道徳教育に係る授業・ 「学びの変革アクションプラン」を踏まえた授業を相互に公開しあうこ とにより,生徒の自己肯定感・学習意欲を高め,「21世紀型能力」を育むとともに,教職員の授 業づくりの視点の獲得及び授業力の向上に資する。 ②期間 平成27年10月上旬~平成28年2月中旬を目途とする。 ③実施方法 1 各自で実施内容及び実施予定日を決定する。 ↓ 2 概ね実施1週間前までに,校内LAN上の「道徳・アクション関連取組入力シート」フォル ダにある【表1】 (道徳教育に係る授業実践予定表) ・ 【表2】 (「学びの変革アクションプラン」 に係る授業実践予定表)に入力するとともに,教頭に連絡して教職員全体に案内する。 ↓ 3 授業を実施する。 (管理職,道徳教育推進プロジェクト,希望教職員による参観) ④その他 1 道徳教育に係る実践・ 「学びの変革アクションプラン」に係る実践のそれぞれについて各1回 実施する。ただし,内容的に両方に関係する場合は兼ねて実施することも可とする。 2 個々で実施しても共同(同一教科,他教科)で実施しても可とする。 3 道徳教育に係る実践・ 「学びの変革アクションプラン」に係る実践のそれぞれについて全員が 各1回,他の教員の授業を見学する。ただし,内容的に両方に関係する場合は兼ねて実施する ことも可とする。 4 可能な限り,校長・教頭による参観を行うものとする。 5 参観後は,実施確認のため「平成27年度校内授業公開参観票」を作成し,1部を授業者に, 1部を教頭に提出する。 6 中間申告に係る面談(11月上旬~中旬)までに,自身の取組について概要を説明できる状況 にしておく。 - 30 - 【道徳教育・ 「学びの変革アクションプラン」に係る校内授業公開①】 1 教科(科目) コミュニケーション英語Ⅲ ※ALTとのティームティーチング 2 日時 平成28年2月4日(木) 4限 3 学年・組 3年1・2組 4 場所 3A教室 5 実施内容(概要) 協力して課題にあたる。 感謝の気持ちを表す。 6 参観票から 【参考になったところ】 ○ 入念に事前準備がなされていた。 ○ 生徒の興味関心を高め,学習意欲を引き出す展開がされていた。 ○ ALTと授業者の役割分担が有効に機能していた。 ○ グループ学習が機能しており,全ての生徒が積極的であった。 ○ 個々の生徒がグループ内における役割を果たそうと努めていた。 【助言・感想】 ○ 事前によく準備されており,1時間ではもったいないと感じた。 ○ 今時は3年生の最後の授業であったので不可能だったが,次時に問題 の英文を示して,答えも含めて確認されるなどの発展性があるように感 じた。 ○ 参観者を授業に呼び入れる雰囲気があることが,平素の集団づくりが できていることの証しになると思う。 【道徳教育・ 「学びの変革アクションプラン」に係る校内授業公開②】 1 教科(科目) 生物基礎 2 日時 平成28年2月5日(金) 2限 3 学年・組 2年1組 4 場所 生物教室 5 実施内容(概要) 誰にでも学習能力があることを簡単な実験を通して自覚する。 6 参観票から 【参考になったところ】 ○ 実験はもとより,全体を通して入念な計画が立てられていた。 ○ ネズミの動画を用いることで生徒の興味関心を高めさせていた。また, 生徒の参画意識が高まるように展開が工夫されていた。 ○ 電子黒板やOHPなどのICTを活用することにより,生徒がイメー ジしやすく工夫がなされていた。 ○ 時間のかかるグループがあることをあらかじめ想定して展開が考えら れていた。 ○ 「協働」が学習に生かされていた。 ○ 取り組む活動が限定されており,内容が拡散していなかった。 ○ 「粘り強く実行する」ことと「目先のことにとらわれない」ことで学習 効果が現れること。 - 31 - 【助言・感想】 ○ 全ての生徒が意欲的に活動しているという印象を強く持った。 ○ 実験によるアクティブな個所と,事後に思考を深める箇所があり,ア クションプランの趣旨がよく踏まえられていた。 ○ 締めくくりの話に,この時間の学習内容の整理とともに,生き方・考 え方に係る道徳的な内容も取り入れられており,計画の入念さが改めて よく分かった。 【道徳教育に係る公開研究授業】 生徒が4~5人のグループをつくり,各グループがデジタルカメラを持って一定のテーマに沿 って写真を撮影する。そして,撮影した写真を用いて音楽と映像によるテーマ性のあるフォトブ ックを作成し,共有するという活動を行った。生徒がデジタルカメラを持ち帰って,登下校時や 週末の休みに出会う風景を撮影することや,また,授業2時間ほどを使用して校内で写真を撮影 し,パワーポイントを使用してフォトブックを作成した。作成時点では,クラスの女子生徒が意 欲的に活動に取組み,活動の雰囲気を盛り上げていた。 写真撮影・フォトブック製作の様子 平成 27 年 11 月5日(木)に授業2時間を用いて,各グループの作成したフォトブックの発表 会を前後半に分けて行った。この活動のねらいは,他者との価値観の相違を認め,肯定的に他者 をとらえるというものであった。発表会開始前に,各グループが音声の調整し,写真の順番を調 整するなど入念にチェックをしている様子があり,作品の発表に思い入れがあることが伺えた。 発表会では,各グループがそれぞれ作品を発表し,それを肯定的にとらえたうえで感想を伝え合 う活動を行った。個性的な作品も多く,「おぉ~」,「あ,○○じゃん!」と発表そのものを楽し みつつ,各グループの話し合いでは自分たちとの視点の違いに感心する意見が多かった。また, クラス内で落ち着きのない男子生徒のグループが,真面目に作品を制作し発表したことについて, 他の生徒から「あのグループが真面目にやっていて感心した,良かった」という意見があり,お 互いを認め合うことに予期せぬ成果があった。 作品発表会の様子 - 32 - (4)その他の関連する取組 【カウンセラーの活用】 本校にはスクールカウンセラー(以下カウンセラー)が配置され,年間 14 回,1 回 6 時間の相 談時間を設けて専門家によるカウンセリングを行っている。活用の流れとしては,教育相談係(養 護教諭)が窓口となり,カウンセリング前に相談者の学校での様子などをカウンセラーに伝え,実 施後,相談者についての見立てや助言を受けながら今後の対応について協議している。この協議の 場には教育相談係だけでなく担任や管理職も出席し,組織的な対応につなげている。2 月時点での 相談件数は 45 件で,その内容の内訳は以下のとおりである。 相談内容は友人関係や親子関係といった対人関 係での相談が約半数を占め,次に暴力行為や問題 行動といった生徒指導上の課題に関するものが 4 分の 1 を占める。これらについて,カウンセリン グにより『なぜそうなったか』 『どうしたら問題を 回避できていたか』をカウンセラーとゆっくり振 り返ってみると,コミュニケーション不足に行き つくものがほとんどであり,本校生徒のコミュニ ケーション力の低さの実態を表していると言える。 カウンセラーという教員とは違う立場の第三者 と話をすることは,普段とは違った角度から自分の状況や考えを振り返ったり,自分のとるべき 行動を考える機会となっている。生徒たちは環境や周囲の雰囲気に流されやすい傾向があるが, 自分自身を見つめ直し,適切な意思決定・行動選択につなげる手段の一つとして,カウンセラー を活用している。 【保健室の取組】 保健室で心身の不調を訴える生徒に対して健康相談を行う中で,コミュニケーション力や忍耐 力の低さが明確になってくる。校内でも保健室は特に生徒が直接甘えを出しやすい場と言えるが, 進路希望によっては卒業後すぐに社会に出ることになる生徒も多いため,単なる休養の場ではな く,道徳性や社会性を身につける場の一つとして以下の方針で対応を行っている。 ・学年会等で名前の挙がりやすい生徒は特に注意して生活状況や近況等を聞く。 ・保健室内だけでなく様々な場で関わりをもち,何かあったときに話をしやすいように人間関 係を作っておく。 ・保健室の来室が多い生徒にはその旨を伝え,健康相談を行ったり,自分で体調をコントロー ルすることや生活習慣の改善について保健指導を行う。また担任等と連携し,授業を大切に するよう指導する。 - 33 - 【清掃(整理整頓)指導】 平成 27 年度の特別支援教育の取組について,その具体策として環境整備の観点から次の5点 を挙げている。 ① 教室の前面に掲示物を貼らない。(集中力) ② 教室の机は壁につけないよう配置する。 ③ 机・黒板等への落書きは放置しない。 ④ 上靴の落書きを放置しない。 ⑤ 教室の机の位置を明確にするよう,テープで印をつける。 また,授業でのルールとして,授業開始前について次の2点を挙げている。 ① 机の位置がずれていれば直させる。 ② 机の上のペットボトルや,周りのゴミなど,授業道具以外のものを片付けさせる。 さらに,HR 教室の環境整備の観点から日常的に指導すべきこととして,次の5点を挙げている。 ① 日直の仕事として,黒板は授業ごとに休憩時間に消しておく。 ② 教室後方のロッカーの上には,私物を置かない。 ③ ストーブや灯油タンク付近も①と同様に私物を置かない。 ④ 昼食後等,ゴミを散らかさない。落ちているゴミは積極的に各自で拾う。 ⑤ 机間の通路は通行しやすいようにしておく。 - 34 - ○研究の評価 生徒意識調査 【27年度】 人の気持ちが分かる人間になりたい 人には親切にしたい 100% 100% 80% 80% 1年 1年 2年 3年 60% 40% 2年 3年 60% 40% H27年6月 H27年12月 H27年6月 自分には良いところがあると思う H27年12月 将来の夢や希望を持っている 40% 50% 30% 40% 1年 20% 1年 2年 3年 2年 3年 30% 10% 0% 20% H27年6月 H27年12月 H27年6月 将来のためにも,今,がんばりたいと思う H27年12月 学校の決まりを守っている 60% 70% 60% 50% 1年 40% 50% 1年 2年 3年 30% 2年 40% 3年 30% 20% 20% H27年6月 H27年12月 H27年6月 人が困っているときは,進んで助けている H27年12月 いじめは,どんな理由があってもしてはいけないことだ 50% 100% 40% 80% 30% 1年 1年 2年 20% 2年 3年 3年 60% 10% 0% 40% H27年6月 H27年12月 H27年6月 家の人は,自分のことをよく分かってくれている H27年12月 あなたをよく分かってくれる先生がいる 60% 30% 50% 20% 1年 40% 1年 2年 3年 2年 3年 10% 30% 20% 0% H27年6月 H27年12月 H27年6月 - 35 - H27年12月 (1)生徒意識調査より 昨年度に引き続き年度当初の6月と,計画した取組が概ね終了した12月に,生徒意識調査を実 施した。その結果からうかがえる生徒の変容等は概ね次のとおりである。 まず対他者との関係の中で自己有用感を求めようとする心的傾向を把握するための質問項目1 ~3である。全体的に見れば,全ての項目において肯定的回答が微増(項目1:6月 95.5→12 月 95.7/項目2:98.5→99.5/項目3:96.0→96.8)であるが,もともとの数値の高さを考慮すれば, ほぼ全ての生徒が人の気持ちがわかり,人には親切にし,人の役に立ちたいと言う思いを強くして いると結論づけてよい。特徴的なのは,2学年が,項目2で全生徒が人には親切にしたいと回答す る一方で,項目1について,6月 98.4→12 月 93.5 と5ポイント近く肯定的回答が下降しているこ とである。2学年は,多くの項目において,6月→12 月の数値に下降が見られるが,今年度全ての 取組の中核的役割を果たしてきて,集団としてのプラス変容が見られた学年であり,人の気持ちを わかることの困難さやその課題解決のための方策に真摯に向き合い始めた結果の数値と判断され る。 次に「自己肯定感」が直に反映される項目5である。ほぼ全員が進路目標を達成したこともあり, 3学年で大幅な上昇(6月 60.9→12 月 71.2)が見られ,2学年も微増(6月 59.4→12 月 59.7) しているものの,自己内省に関わる項目の中で最も低い値になっており,根本のところで自分に自 信を持つことのできない本校生徒の特性が如実に反映されている。そうした中,数字上では多少の バラつきはあるものの,何とか自分の将来に展望を見出し頑張ろうとしている生徒の姿が項目6・ 7から見えてくる。 規範意識・公共心に関する項目8~11 からは,次の課題が明確に浮かびあがってくる。ルールを 守ろうとする意識は,全体的に数値の下降が見られる(6月 94.0→12 月 88.8)ものの,90%近い 数値を維持している。気になるのは,挨拶に対する意識が学年が進むにつれて薄れて行く傾向がみ られることである。 また,いじめへの意識を含め,集団づくりについての項目 12~15 であるが,数値上,学年進行 とともにクラスへの帰属意識が薄れて行っているように思われる。周囲への配慮ができない生徒, 自己コントロール力に乏しい生徒が多く在籍していることもあり,その接し方に困惑したり,教職 員の対応への疑問等が要因となっていると推察される。 次に自身の理解者の存在についての3項目(項目 16~18)についてみると,家族・友人に係っ ては,全般に数値は高いものの,いずれも1・2学年で下降している(項目 16:1年6月 83.6→ 12 月 77.3/2年6月 89.1→12 月 82.3) (項目 17:1年6月 94.5~12 月 92.4/2年6月 92.2→12 月 88.7) 。対教員(項目 18)について見れば,数値の低さは気になるところであるが,全体的には 若干の向上が見られる(6月 63.2→12 月 65.2) 。特徴的なのは,学年進行とともに数値が下降して いることである (1年 12 月 69.7/2年 12 月 67.7/3年 12 月 57.6)。 家庭的な課題を有する生徒, 対人関係形成能力に課題のある生徒が多い中で,多様な教育活動をとおして,自身と向き合いつつ 自立して行こうとする生徒の姿の反映であると考えられる。 おわりに,地域の自然や歴史,行事への参加についての2項目(項目 19・20)であるが,全学 年とも6月から 12 月にかけて数値が下降している。町内出身生徒が少数であり,地域行事への参 加生徒が生徒会役員を中心とした一部生徒に限られていること,「今住んでいる地域」のとらえが 「学校のある地域」なのか「自身の居住地」であるのかが判然としていなかったことが主たる要因 であると思われる。 - 36 - (2)研究の成果 全体的に見れば,本調査から,これまで自己観照の機会をもつことの少なかった本校生徒が,多 様な教育活動をとおして自己を見つめなおし,他者との関係性の中で成長して行くことの必要性と それに伴う困難さについての自覚が生まれてきていることを窺い知ることができる。 また,自己有用感を高めたいという思い,努力して将来展望を開きたいという思いをもちながら, その実現のための道筋を思い描くことができなかったり,思うように自己表現ができずに悩んだり, 家庭的・経済的理由による制約から,将来に向けて積極的な思考ができない中で,自己肯定感が持 てずにいる生徒の姿が明確になったことが研究成果である。 (3)今後の課題と予定している取組 2年間の取組をとおして,組織体制を含めた道徳教育に係る枠組は整備されたと言える。 本校の校訓「心美体健」は,生徒にとってたいへんわかりやすく,教育内容化がしやすい校訓で ある。次年度以降も「校訓を生かした道徳教育」を推進することで,「豊かな心を持ち人間として の在り方生き方の自覚を深める道徳教育」を創造して行きたい。 具体的には,2年間継続した「写真を活用した自己表現・自己発信,集団づくり」を中心にしつ つ,その基となる感性を高める取組,ことばの力を育てる活動の充実を図って行く予定である。 この目標に沿った教育内容づくり・指導体制の構築を更に進め, ① 自己肯定感・有用感 ② 規範意識 ④ コミュニケーション能力 ③自己表現・自己発信力 ⑤ 奉仕の精神 ⑥ 感謝の心 を育み高めて,地域を支える有為の人材を育成することが今後の課題である。 - 37 - 4 資料 ○道徳教育研修会 平成 27 年度「道徳教育改善・充実」総合対策事業における 道徳教育実践研究委員会実施要項 1 趣旨 「道徳教育改善・充実」総合対策事業における推進校及び推進地域の道徳教育担当者が情報交換や 研究協議等を行い,本県道徳教育を推進するリーダーを育成する。 2 参加対象者 ・ 「道徳教育改善・充実」総合対策事業のメニュー1における推進リーダー教師及び推進校担当者 ・ 「道徳教育改善・充実」総合対策事業のメニュー2・3における推進地域代表担当者 ・広島県教育委員会関係者 ・各市町教育委員会の道徳教育担当者(希望) ・研修会場の近隣校教職員(希望) 3 内容 ・道徳教育推進に係る指導力向上を図るための授業研究,演習,講話等の実施 ・推進校及び推進地域の研究内容の充実に向けた情報提供 ・有識者や優れた実践者による指導 ・各回で事前に示されたテーマ,課題についての実践交流,研究協議 4 実施計画 回 日時 1 5月22日(金) 2 6月25日(木) 3 7月15日(水) 4 5 6 9月8日(火) 10月15日(木) 11月5日(木) 7 12月15日(火) 8 1月15日(金) 会場 テーマ・講師 広島県庁 「道徳教育を推進していくために ~教育研究の進め方,諸 自治会館 301 計画の見直し~」 北広島町立 「言語活動の充実による道徳の授業づくり」 新庄小学校 金沢工業大学 教授 白木みどり 福山市立 「情報モラルを育む道徳の授業づくり」 城東中学校 香川大学教育学部 准教授 植田 和也 三次市立 甲奴小学校 尾道市立 美木中学校 広島県立 河内高等学校 「学校・家庭・地域の連携による道徳教育 ~『私たちの道 徳』の効果的な活用~」 大阪大学 准教授 岡部 美香 「児童生徒が主体的に学ぶ道徳の授業づくり ~問題解決 的な学習~」 大阪市立豊仁小学校 校長 服部 敬一 「児童生徒の発達の段階や実態に応じた道徳の教材開発の 工夫」 大阪教育大学 名誉教授 藤永 芳純 安芸高田市立 「道徳の時間と他の教育活動との関連による道徳教育」 可愛小学校 畿央大学 教授 島 恒生 福山市立 「いじめを防止するための道徳教育の工夫」 駅家南中学校 國學院大學人間開発学部 教授 田沼 茂紀 - 38 - ○公開研究授業及び報告会 (1)要項 文部科学省委託「道徳教育改善・充実」総合対策事業 河内高等学校公開研究授業及び報告会要項 研究主題 豊かな心をもち人間としての在り方生き方の自覚を深める道徳教育の創造 ~校訓を生かした道徳教育の推進を目指して~ 1 期 日 平成 27 年 11 月5日(木)13:15~16:40 2 場 所 広島県立河内高等学校(東広島市河内町下河内 194-2) 3 日 程 程 内 容 場 12:55~13:15 受 付 玄 13:15~13:20 開 会 行 事 13:20~13:30 実 践 報 告 13:30~13:40 移 13:40~14:30 公 14:30~14:40 移 14:40~15:30 研 15:30~15:35 準 備 15:35~16:35 講 話 16:35~16:40 閉 日 4 所 関 前 講義室(C館5F) 動 開 研 究 授 業 2年1組HR教室(A館3F) 動 究 会 協 議 行 講義室(C館5F) 事 公開研究授業 学年・組 2年1組 内 容 特別活動〔ホームルーム活動〕 ~校訓を生かした道徳教材づくりを通して規範意識及び自 己肯定感を高める~ 授 業 者 教諭 栗 原 拓 弥 5 研 究 協 議 授業報告 教諭 栗原 拓弥(授業者) 質疑応答 ※実践報告に係る質疑・意見交換も合わせて実施 協 議 実践報告 教諭 川原 栄治(道徳教育推進プロジェクト代表) 6 講 話 大阪教育大学 名誉教授 藤永 芳純 先生 「児童生徒の発達の段階や実態に応じた道徳の教材開発の工夫」 7 参加申込み (1)申 込 み 先 広島県立河内高等学校 電 話 (082)437-1151 FAX (082)437-1152 メール [email protected] (2)申込み締切 平成 27 年 11 月2日(月) - 39 - (2)指導案 特別活動〔ホームルーム活動〕学習指導案 授業者 教諭 栗原 拓弥(T1) 教諭 川原 栄治(T2) 1 日 時 平成 27 年 11 月 5 日(木) 5時限 2 学年・学級 第2学年1組(生徒数 32 名) 3 主 題 名 自己及び他者の個性の理解と尊重・寛容の心 4 ね ら い テーマに沿って自分たちが撮影した写真を用いてメッセージ性のあるフォトブック を作成し,その後,作品を共有する活動を通して自他の個性の理解と,寛容の心を養う。 5 資 料 名 「フォトブック」 (生徒自身による自主制作資料) 6 主題設定の理由 (1)主題観 本主題は,中学校の道徳の内容項目2「主として他の人とのかかわりに関すること」の(5) 「それぞれの個性や立場を尊重し,いろいろなものの見方や考え方があることを理解して,寛容 の心を持ち謙虚に他に学ぶ」にあたる。個性は他と異なるため,開かれた心で他に対して謙虚に 学んでいくことが,よりよい人間としての成長を促すために大切なことである。また,個性は, 決して自分一人で伸びるものではなく,他に認められながら伸びるものである。互いの持つ異な る個性を見つけ,違うものを違うと認め,ときには許す私心のない寛容の心,偏狭なものの見方 や考え方のない広い心を育てることが求められる。また,情報通信技術の発達によって,人との 関わり方が希薄なものへと変化しており,それは高校生に顕著に表れている。 本単元では,生徒同士が協働して写真を撮影し,メッセージ性のあるフォトブックを制作する。 その制作過程において,自分とは異なる感性に触れ,その素晴らしさを感じる中で,他者を肯定 的にとらえることができるようになり,また他者からの評価によって,自己肯定感を高めること も期待される。 - 40 - (2)生徒観 2学年は,まじめに物事に取り組もうとする生徒が多い一方で,様々な課題を抱えている生徒 も少なくなく,一部の落ち着かない生徒の影響で,全体の雰囲気も不安定なものになりがちであ る。このクラスに関して言うと,生徒指導部で実施した「生活と心のアンケート」の, 「あなた は学校生活に満足していますか」という質問に対しての肯定的な回答は 71.0%だった。しかし, 「あなたのクラスは落ち着いて勉強できるクラスだと思いますか」と言う質問に対する「いいえ」 という回答は 65%と高く, 「いいえ」と答えた生徒の大半が,落ち着いた意欲的な生徒であった。 この結果からも,落ち着かず他者からの批判的な目に鈍感な生徒と,それに辟易している生徒の 存在が見て取れる。また,自己肯定感の低さと,人間関係形成能力の不足から,クラス内でお互 いを意識するような雰囲気は少なく,新たな人間関係の形成と発展には消極的である。しかし, 1学年で同様な活動を行った際の素直に活動に取り組む様子や,学校行事での生徒の様子を観察 する中で,クラス集団としてほめられたい,より良い人間関係を形成したいという意欲は持って いると考えられる。今回の活動では,グループで協力して作品を完成させ,クラスで作品を共有 して他者の感性にふれ,クラス内で肯定的に他者をとらえることで,他者を認めて意識し合う関 係の基礎を固めていきたい。 (3)指導観 生徒が,いきいきと積極的に活動に取り組むことができるように,既に形成されている良好な 人間関係を元にグループを作り,活動をスタートさせる。そして,テーマ決定,BGM決定,写 真撮影などの役割を与えることで自律的行動を促し,活動に対しての当事者意識を持たせる。作 品の制作にあたっては,メッセージ性を持たせることを意識させ,クラスで共有することにより 互いの意図を斟酌し合えるように展開する。そして共有の時間では,他者の作品のよさを認め, 必ず肯定的に評価することで寛容の心を育むことにつなげたい。その際に,肯定的意見の述べる にあたっての表現方法を例示し,きちんと互いを評価し合わせることで,より大きなクラスとい う集団内での認め合う関係を作っていきたい。 7 準備物 【写真撮影活動】デジタルカメラ8台, 【動画製作】 各グループが撮影した写真データ,各グループが用意した音源 自己評価シート 【共有活動】 各グループが作成した動画データ,プロジェクター,ノートPC 評価シート,振り返りワークシート - 41 - 8 指導の計画 (全4時間) ①写真の撮影(1時間目) 導 入 学習活動 主な発問と予想される生徒の反応 留意点(☆評価の観点) 1 取り組みの説明を ○グループで写真撮影をして,それを ○グループ分けは事前に行い, 聞く。 もとにメッセージを持った動画を作 活動が積極的に行われるよう配 りましょう。 慮する。 ・今回は何をするのだろう。 ・どんな写真を撮ろうかな。 ・メッセージとはなんだろう。 ○テーマはこれです。 冬,命,ぬくもり,安らぎ,笑顔 展 2 グループになって 校内で写真を撮影す る。 開 終 末 3 次回の取り組みを 確認する。 ○どんな写真が心に響くだろうか ○肯定的な声掛けをおこなう。 ・どうすればおもしろい写真が撮れ るかな。 ☆積極的に活動に参加している ・自然を撮ってみよう。 か。 ○どんなメッセージをもたせるか。 ☆他者の意見を聞き,自分の意 ・ 見を伝えようとしているか。 ○BGMはどんなものがいいだろう か。 ・最近のはやりの曲にしよう。 ・落ち着いた静かな曲にしよう。 ○次回は撮影した写真を使用して動 画を作成します。 ②動画の作成(2時間目) 導 入 展 学習活動 1 フォトブック作成 のルールを確認す る。 2 グループでフォト ブックを作成する。 開 3 作品の自己評価シ ートを完成させる。 終 末 4 次回の取り組みを 確認する。 主な発問と予想される生徒の反応 留意点(☆評価の観点) ○ルールを確認します。 1 時間は 30 秒以内 2 BGMを使う。 3 人が傷ついたり,嫌な思いをす る内容にはしない。 4 メッセージ性を待たせる。 ○グループで撮ったすべての写真か ○何もせず傍観している生徒が ら,使用するものを選び,効果的な順 いないか。 番を考えてください。 ☆積極的に活動に参加している か。 ☆他者の意見を聞き,自分の意 見を伝えようとしているか。 ○自分たちの作品の評価シートを作 ってください。 「私たちの作品のテーマは で す。 に苦労しました。 BGM は で,選んだ理由は です。 ○次回は作成したフォトブックの発 表会を行います。 - 42 - ③動画の発表会(3,4時間目) 本時(4時間目)のねらい:他者の感性にふれる中で個性を尊重し,寛容の心をもって謙虚に他に学ぶ ことができる。 学習活動 作品を共有すると きのルールを確認す る。 主な発問と予想される生徒の反応 留意点(☆評価の観点) 導 入 ( 3 時 間 目 ) 1 ○ルールを確認します。 1 肯定的な意見を出す。 2 最後に1つ優秀作品を選ぶ。 ・肯定的な意見とはなんだろう。 ・どうやって言えばいいんだろう。 ・言うのは恥ずかしいな。 展 開 2 作品を共有する。 (3グループ) ○共有の流れを説明します。 ○発表に集中できる環境をつく ① 作品紹介(テーマのみ) る。 ② 作品を見る。 ③ グループで作品の評価を協議 する。 (評価シート) ④ 幾つかのグループが評価を発 ○グループの様子を観察して意 表する。 見を発表させるグループを決め ⑤ 作成グループが自己評価を発 る。 表する。 展 開 ( 4 時 間 目 ) 3 ○前の授業で見た作品です。 前時の作品をふり かえる。 4 作品を共有する。 (5グループ) 5 優秀作品を選ぶ。 6 優秀作品の発表 終 末 ○3グループの作品に込めた思 いをもう一度発表させ,出た意 見をふりかえらせる。 活動を振りかえっ てワークシートに記 入する。 ○グループで1つ優秀作品をきめて ください。 ○特定の意見で決めず,全員の 意見で決定するよう促す。 ○グループの代表者が選んだ作品と 良かった点を発表する。 ・面白かった。 7 ○今回の活動を通して何を思いまし たか。 ・協力していい作品ができた。 ・みんなの作品が違っていた。 ・楽しい活動だった。 ○個人で振り返りをさせる。 8 全体で交流する。 ○いい活動,いい作品となったのはな ぜだろうか。 ・みんなで協力したから ・認めようと意識したから ☆互いを理解しようとする態度 があり,活動を肯定的にとらえ ている。 - 43 - (3)使用資料 フォトブック自己評価シート ( )班 メンバー( ) 私たちの作品のテーマは です。 に苦労しました。 BGMは で,選んだ理由は 評価シート ( )班 班 良かったところ (何が良かったのか,どう思ったのか) メンバー 1班 2班 3班 4班 5班 6班 7班 8班 - 44 - 優秀作 (1つに○) (4)生徒活動風景 - 45 - - 46 - (5)ブロック別研修会配布資料 学校の概要 平成27年度道徳教育指導者養成研修 人間としての在り方生き方に関する 教育の実践と課題 普通学科 2クラス 広島県立河内高等学校 教諭 川原 栄治 心美ちゃん 体健くん 2 1 1 2 学校経営計画の作成について 分析したデータ (出身中学別) 入学者 の推移 オープンスクール 参加者数の推移 生徒指導上の諸問題 の推移 ① 客観的なデータ分析に基づき, ② 学校長の経営方針のもと, (問題行動発生件数・中途退学者数) ③ 全教職員が参画意識を持って 共通学力テスト 通過率の推移 進路希望状況 の推移 など 学校経営計画の作成に関わる 4 3 3 4 育てたい生徒像 具体的データの一例 客観的 データ分析 平成 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 問題行動 発生件数 70 64 48 37 36 中途退学者数 39 48 17 17 16 校 訓 「心美体健」 「いきいき」 と夢と希望を語る生徒 「はつらつ」 とチャレンジする生徒 「さわやか」 に他人に接する生徒 6 5 5 - 47 - 6 校 訓 道徳教育全体計画の作成 ① 校訓,学校の教育目標・ 学校の教育目標・育てたい生徒像 育てたい生徒像をもとに, ② 道徳教育の重点目標を定め, ③ 全教職員が参画意識を持って 道徳教育の重点目標 各教科 道徳教育全体計画の作成に関わる 分 掌 学 年 8 7 7 平成25年度 道徳教育の全体計画 平成26年度 道徳教育全体計画 教育関係法規 学校の教育目標 校訓「心美体健」 ~「いきいき,はつらつ,さわやか」な河内高生~ ・誠実で,前向きに考え,努力する生徒の育成 ・心身ともに健康で人間性豊かな知・徳・体の調和 のとれた生徒の育成 社会の要請,生徒の実態等 ・歴史と伝統を受け継ぎ,時代や社 会の変化を柔軟に受け止められる 人材の育成 ・保護者・地域に信頼される,魅力 ある普通科高校の創造 ・社会人として必要な資質・能力や社会性・自律性 を身につけた生徒の育成 道徳教育の推進体制 ・全教職員で取組むが,主に担当 する分掌・教科は次のとおり ○生徒指導部:生徒指導や生徒会 活動関係 ○保健部:清掃・美化活動関係 ○校務部:学習に関する事項 ○進路指導部:インターンシップに 関する事項 ○家庭科:異世代交流等,家庭科 に係る授業に関する事項 道徳教育の重点目標 ・規範意識を向上させ,社会に貢献しうる有為な人 材を育成する。 日本国憲法 国 国語を適切に表現し, 語 伝え合う力を育てる。 地 人間としての在り方生き 歴 方についての自覚を育 公 てる。 民 数 事象を数学的に考察し 学 表現する能力を育てる。 ・学習意欲を引き出すための工夫 と実践を行う。 ・学校行事の立案を行う。 時代や社会の変化を柔軟に受け止め,生徒の 「生きる力」を育成するとともに,魅力ある教育活 動を展開し,保護者・地域に信頼される学校とす る。 〈育てたい生徒像〉 ○『いきいき』と夢や希望を語る生徒 ○『はつらつ』とチャレンジする生徒 ○『さわやか』に他人に接する生徒 進路 指導部 将来を見据え,主体的に自己の 進路目標を決定させ,実現させ る。 平成26年度全体計画の課題 ・基本的生活習慣を身に付けさせ る。 生徒 指導部 道徳教育の重点目標 ・自他を尊重し,相互に認め合い,高め合う態度 を育てる ・生命を大切にし,美しいものに素直に感動できる 心を育てる ・規範意識を高め,よりよい社会づくりをめざす態 度を育てる 理 科学的に探究する能力 科 と態度を育てる。 ・自主・自律の精神を養い,自他を 思いやる豊かな心と態度を育て る。 ・地域や家庭との連携を図りなが ら,相互の協力態勢を整える。 ・個性の伸張,集団の一員として の資質をはぐくむ。 「学年目標」 が 道徳教育の視点 に絞られていない。 ・健康的な生活を実践する態度を 養う。 保健部 ・校内外環境美化活動を推進す る。 学年目標 ・基本的生活習慣の定着を図る。 保 心身を鍛え,明るく豊か 健 で活力ある生活を営む 体 態度を育てる。 育 1学年 ・基礎学力の定着を図る。 芸 感性を高め,豊かな情 術 操を育てる。 2学年 ・基礎学力の定着と向上を図る。 ・進路意識を持たせる。 ・基本的生活習慣を確立する。 ・進路意識を明確にする。 外 英語を通じて,積極的に 国 コミュニケーションを図ろ 語 うとする態度を育てる。 学校の環境の充実 ○美しい環境で学習することで,豊かな心を育成する。 ・学校緑化運動のモデルとしてのJRC部の活動 ・学習環境整備週間の定期的な実施 (生徒指導部・保健部合同) ・毎学期末の校内一斉大掃除の実施 ・夏季休業中のPTA合同校内美化活動 家庭・地域との連携 校務部 学校の教育目標 学習指導要領 各教科・科目,総合的な学習の時間,特別活動における関連 ○基礎・基本の徹底による学力の伸長 ・基礎から学べる入門講座(数学入門・英語入門) ・習熟度別・少人数授業の実施(国語・数学・英語など) ・長期休業における補習・補充授業の充実 ○キャリアアップの推進 ・個性を生かし自立を支援する「キャリアプランニング」 ・2年次よりの類型別授業(理科/人文/情報・生活 の各類型) ・希望進路に応じた個別指導の充実 ・卒業論文作成 ○講話等の積極的実施 ・全校集会,始業式・終業式等における管理職及び主任・主事による講話の実施 生徒指導等における関連 校訓 心美 ・ 体健 教育基本法 学校関係諸法規 各教科 ・挨拶はよくできるが,一方で基本 的生活習慣の定着が不十分な生 徒 ・素直ではあるが,状況判断が難し く,規範意識の低い生徒 (具体的目標) ・規範意識が低い原因を分析し,校則や社会の ルールを意識して守ることの重要性を理解でき,さ らに行動に表せる生徒の育成を目指す。 ○自立した社会人を目指し基本的生活習慣を確立する。 ・身だしなみ指導 ・挨拶の指導 ・時間を守る指導 ・授業規律の確立に係る指導 ・マナーアップ教育の推進 ・全校集会における生徒指導主事講話 全体計画の見直し 校番50番 河内高等学校 全日制課程 本校 校番50番 河内高等学校 全日制課程 本校 関連法令 ・日本国憲法 ・教育基本法 ・学校関係諸法規 ・学習指導要領 8 異校種との連携 男女が協力して主体的 家 に家庭や地域の生活を 庭 創造する能力と実践的 な態度を育てる。 情 情報に関する科学的な 報 見方や考え方を育てる。 ビジネスの諸活動を主 商 体的,合理的,かつ倫 業 理観をもって行う能力を 育てる。 家庭・地域との連携 国際交流や部活動等の活動が位置づけられていない。 地域連携などにより,地域社会と自己とのつな がりや役割について理解し,行動できる生徒を 育成する。 ・地域ボランティア活動への積極的参加 ・定期的なPTAとの合同通学路清掃の実施 ・専門科の伝統を継承した異世代交流 ・望ましい生活習慣を確立する。 各教科の目標が漠然としている。 3学年 ・基礎学力のさらなる向上を図る。 ・希望進路を実現させる。 異校種との連携 ・広島大学学生による文化祭での公演 総合的な学習の時間及び特別活動 ・ 生きる力,学び方や考える力を身に付け,自分 の在り方生き方を考えさせる。 ・近隣中学生徒の本校での授業体験 ・近隣保育園でのインターンシップの実施 「学校の教育目標」 「育てたい生徒像」 「道徳教育の ・家庭科における近隣保育園児との交流 ・体験活動を通し,自らを律しながら,他の人と協 調し,思いやる心や感動する心をもたせる。 社会の要請・保護者の願い ・ 地域や郷土を知り,その発展を手助けできる社 会人を育成する。 ・保護者・地域に信頼され,「河内高校で学ん でよかった」といえる魅力ある学校づくり 重点目標」 「学年目標」 が リンクしていない。 学校の環境の充実 ○地域連携等により,地域社会と自己とのつながりや 役割について理解し,行動できる生徒を育成する。 ・地域ボランティア活動への積極的参加 ・定期的なPTAとの合同通学路清掃の実施 ・専門科の伝統を継承した異世代交流 (家庭科の授業の中で介護施設等との交流) ・広島大学(サークル等)による本校文化祭での公演 ・近隣中学校生徒の本校授業体験 ・近隣保育園等におけるインターンシップの実施 ・家庭科の授業における近隣保育園児等との交流 9 美しい環境で学習することで豊かな心を育成す る。 ・学校緑化運動のモデルとしてのJRC部の活動 ・学校環境整備週間の定期的な実施 ・毎学期末の校内一斉掃除の実施 ・PTA合同校内美化活動 10 9 1番重要な 改善点 10 育てたい生徒像 平成27年度全体計画 「いきいき」 「はつらつ」 「さわやか」 学校の教育目標 時代や社会の変化を柔軟に受け止め,生徒の「生きる力」を育成するとともに, 魅力ある教育活動を展開し,保護者・地域に信頼される学校とする。 道徳教育の 重点目標 リンク 〈育てたい生徒像〉 させる 『いきいき』と夢や希望を語る生徒 『はつらつ』とチャレンジする生徒 11 道徳教育の 学年目標 『さわやか』に他人に接する生徒 12 11 - 48 - 12 ● 「はつらつ」 と 13 1学年 ・基本的生活習慣を確立する。 ・かけがえのない生命を尊重し,自己肯定感を高める。 ・自らの夢の実現に向けて努力する態度を身につける。 2学年 他人と接する 生徒 ・規範意識を高め,自他の権利を重んじ,義務を果たす 態度を身につける。 ・他者を尊重する姿勢を身につける。 ● 自他の生命を尊重し, 相互に認め合い,協調 して物事に取り組む態 度を養う。 「さわやか」 に の 学 年 目 標 ・自己理解を進め,自己の目標を見つける。 ● 規範意識を高め,よりよ い社会づくりを目指す態 度を養う。 チャレンジする 生徒 ● 道徳教育 ● 自己理解を図り,夢と 希望を持って自己の向 上に努める態度を養う。 「いきいき」 と 夢や希望を語る 生徒 ● 道徳教育の学年目標 (平成27年度) 道徳教育の重点目標 育てたい生徒像 3学年 14 ・より高い目標をめざし,夢や希望の実現に向けて, よりよく生きる態度を身につける。 ・規範意識を高め,よりよい社会の実現に努める態度を 身につける。 ・自他の生命を尊重し,互いに認め合い,他者と協調 する態度を身につける。 13 14 本校の取組について 研究主題 平成26年度 「道徳教育改善・充実」総合対策事業 豊かな心を持ち人間としての在り方生き方の 自覚を深める道徳教育 研究課題 (1) 共感する力や思いやりの心,協力し合う 態度を育て,社会や集団としての一員としての 自覚と責任を育む道徳教育 (2) 善悪の判断,きまりの尊重などの規範意識 を育む道徳教育 ~校訓を生かした道徳教材作りを通して~ 16 15 15 研究体制 16 校訓 「心美体健」 校 長 心美 ちゃん 体健 くん 教 頭 ■道徳教育推進プロジェクト 関係機関 県教委・助言者 校務運営会議 1 学 年 会 2 学 年 会 3 学 年 会 教 務 部 生 徒 指 導 部 進 路 指 導 部 総 務 部 18 17 17 - 49 - 18 18 心 笑 気 助 友 美 顔 遣 け 達 し 生 い て を ま で あ げ れ る る 心 美 し 賞 体 健 や か 体 健 や か 賞 19 元 気 も り も り 朝 ご は ん 毎 朝 き ち ん と 食 べ て ま す 短 歌 コ ン テ ス ト 優 秀 作 品 継続している3つの取組 「あいさつプラス1」 「わかりやすい授業」 目標の明示 生徒指導の3機能 「肯定的な表現」 20 19 19 20 写真コンテスト 藤永先生の講演より 分かる授業の保障(教科) 受賞作品 学校は学びの空間・時間・仲間 分かること、理解できること、賢くなる実感・喜び 「人間は本来、知ることを欲する。」(アリストテレス『形而上学』) 学習(知ろうとする)意欲・知ったかぶりをしない誠実さ ⇒ 自己肯定感・自己存在感・自己有能感 逆の場合は、 「分からない、できない、自分はダメだ、いても仕方ない、どうせ・・・」 ☆ 言葉・行動(言葉・行動の仕方)ではなく行動を支える 「こころ(心)」が重要 言葉・行動 私のお気に入り ← 生徒指導 ↑ こころ(心) ← 道徳教育 道徳的実践力(知・情・意) 21 音のある風景 (道徳的心情、道徳的判断力、道徳的実践意欲・態度) 22 21 22 セリフづくり 心美ちゃ ん は,ひどく 落 ち込んで いまし た。 何をやっ ても, うまくい きません 。 受賞作品 勉 強 に集 中 し て 取 り 組む こ と がで き ず , 考 査 の結 果 は 最 悪 でし た 。 考 査後 に , 陸 上 の 大 会 に出 場 し た け れど , 結 果 はま さ か の 予 選 敗 退でした 。 心配して 声をか けたお母 さんに , 「うるさ いな。 ほっとい てよ !」 と怒鳴っ て,家 を飛び出 してしま いまし た 。 「お母さ んに悪 いこと し ちゃった 」 と思いな がら, 道を歩い ていると , 見上げた風景 向こうの 空に虹 が架かっ ていまし た。 心美ちゃ ん は, つぶやき ました 。 23 私のお気に入り 23 24 23 - 50 - 24 ストーリーづくり 体健くん は高校 3年生。 野球部の キャプ テンで, ポジショ ンはシ ョート。 昨年の秋 の大会 ,9回裏 , 勝利を 目前に して,守 備でミス をして しまい, サヨナラ 負けと なってし まった 。 体健くん は, く やしさを 胸に ,冬 場も休 まず練習 に励んだ 。 愛用のグ ローブ は,体健 くんを可 愛がっ てくれた おじいさ んが, 高校入学 のお祝い に買っ てくれた ものだっ た。 おじいさ んとの , 勝利を プレゼン トする という 約 束を果た すこと ができな いまま , おじい さんは 去 年の 12 月に, 亡くなっ てしま った 。 夏が来て , 最後 の大会を 迎えた。 守備につ いた体 健くん 。 グローブ をじっ と見つめ ていると , グローブ が体健 くんに , 静かに 語 りかけ てきた。 25 26 25 26 短 歌 コ ン テ ス ト 優 秀 作 品 しおり 27 授業の様子 (全生徒分名前入り) 28 27 28 英語の授業での取組 研究の成果 29 平成 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 問題行動 発生件数 70 64 48 37 36 24 中途退学者数 39 48 17 17 16 1 30 29 - 51 - 30 研究の成果 研究の成果 自分には良いところがあると思う 自校の道徳教育は充実していると思う そう思う どちらかといえばそう思わない どちらかといえばそう思う そう思わない そう思う どちらかといえばそう思わない どちらかといえばそう思う そう思わない % 6月 12月 13.9 41.8 17.4 33.5 45.6 % 10.8 25.6 6月 0 11.3 61.9 28 12月 将来の夢や目標を持っている 23.8 14.3 48 20 4 道徳教育の推進を主に担当する教師は,校務分掌上機能していると思う % 6月 39.2 12月 38.5 29.4 24.2 37.4 14.9 % 7.2 6月 9.2 12月 31 4.8 19 66.7 56 9.5 40 40 32 31 32 研究の課題 将来のためにも,今,がんばりたいと思う そう思う どちらかといえばそう思わない どちらかといえばそう思う そう思わない % 6月 41.8 12月 43.6 50 6.7 1.5 43.1 10.3 3 自分には良いところがあると思う % 6月 12月 13.9 17.4 41.8 45.6 33.5 25.6 写真作品「いのち」 10.8 11.3 33 34 33 - 52 - ご清聴ありがとうございました 34 ○教職員研修①-藤永教授- 道徳性-人間としての在り方生き方、資質・能力 高等学校における道徳教育の進め方 社会性-社会適応 配布資料 広島県立河内高等学校 普遍性-応用、批判能力 平成27年7月1日(水) 大阪教育大学名誉教授 藤永芳純 1 2 夢・希望 =キャリア? 言葉・行動 =理想の自己,あるべき自己,真の自己,可能性,自己実現 →「自分で自分を支える力」 →「生きる力」 「自分さがしの旅を続ける力」 こころ(心) 夢を描くための基礎 夢を実現するための応用技術 ←道徳教育 道徳性(知・情・意) (道徳的判断力、道徳的心情、道徳的実践意欲・態度) 3 4 「豊かな心」 豊かなこころ(心)とは? 「例えば,困っている人がいれば優しく声をかける,ボランティ ア活動など人の役に立つことを進んで行う,喜びや感動を 伴って植物や動物を育てる,日常生活の中で少しでも自分を よくしていこうと心掛け,自分の成長を素直に喜ぶ,人の喜び や悲しみを共有することができる,美しいものを美しいと感じ ることができるなど,日常生活において豊かな心をはぐくみ」 (小学校解説、26頁) ・自分のため + ・世のため、人のため + ・美意識、行動力 「例えば,他人を思いやる心や社会貢献の精神,生命を大切 にし人権を尊重する心,美しいものや自然に感動する心,正 義感や公正さを重んじる心,他者と共に生きる心,自立心や 責任感など,日常生活において豊かな心をはぐくむ必要があ る。」(中学校解説26頁) 5 - 53 - 6 「学校における道徳教育は,生徒が自己探求 と自己実現に努め国家・社会の一員としての自 覚に基づき行為しうる発達の段階にあることを 考慮し人間としての在り方生き方に関する教育 を学校 の教育活動全体を通じて行うことにより, その充実を図るものとし,各教科に属する科目, 総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞ れの特質に応じて,適切な指導を行わなけれ ばならない。」 (『高等学校学習指導要領』第一章 総則2) 道徳教育 ⇒教育活動全体を通じて 教育課程(各教科、領域-授業としての時間) 教育課程外 ・授業規律、生活規律の確立-行動面 ・各教科、領域-それぞれの目標追求 人間としての在り方生き方-道徳性の育成-パッチワーク ・各教科、領域-真理・真実への態度、身構え 学びのプロセスでの道徳性の育成 (未知を既知への願い、知ったかぶりをしない誠実さ) ⇒ 分かる授業の創意工夫 ⇒ 生徒理解 7 指導に当たっては,学ぶことや人間や社会の在り方につ いて,分からないことを謙虚に受け止めて探求し続け,真理 や真実を求めつつ,生きることについての意味を見いだし, 目標をもち,よりよく生きようとする積極的な態度を育てるこ とが重要である。そのためには,的確な判断力をもって現 実を見つめたり,将来に向かって理想を実現していくことの 大切さについて,自己の生き方とのかかわりをもって考えら れるようにすることが肝要である。そして,絶えず高い理想 を求め,志をもって明るく生き生きと生きることが,人生に意 欲をわかせ,自分の生涯を豊かにすることにつながることを 自覚できるようにすることが必要である。(1-(4)第3段落) 8 分かる授業-学ぶ喜びの実感 生徒理解-人間関係の改善 学級・学校の落ち着き 学力の向上 9 生徒指導の3機能との関連 ①「児童生徒に自己存在感を与えること」 10 自尊感情とは、自分を価値のある存在として 尊重する感情であり、高い人は自分をより 肯定的にとらえ、低い人は自分を否定的に 考えやすくなります。 現に、ここにいる(かけがえのない)自分 (自己肯定感、自己有用感、自己有能感、自尊感情) 自己確認-思考・行動の実感 他者評価-賞賛・奨励 (文部科学省『生徒指導提要』教育図書、162頁) 公的機会(授業・行事)での、出番・活躍 11 - 54 - 12 自尊感情を高めるためには、自分は大切にされて いる、自分は必要とされているといった、他者から の賞賛や承認、評価が影響してきます。授業を始 め、学校における様々な学習活動において、「わ かった」、「できた」という達成感や成就感を感じる 経験を積むこと、学級集団の中で自分の役割が与 えられ、その役割をきちんと果たしていると感じら れること、そして、取り組めていること、役割を果た していることを、周りの人たちにきちんと認められ ていることが大切になります。(162頁) 生徒指導の3機能との関連 ②「共感的な人間関係を育成すること」 共感 sym- pathos 人間関係=関わり ←体験の共有-体験学習 ←情報の共有、心情・思考の相互理解・交換 話し合い・聴き合い 13 生徒指導の3機能との関連 ③「自己決定の場を与え自己の可能性の開発を援助 すること」 自己決定=人間的自由=道徳的責任 人間的自由存在⇒可能性としての人間 14 旧解説書 道徳授業⇒道徳的実践力の育成 道徳的価値の自覚 を深める 意味が分かって 他人事でなく 腑に落ちて、うれしい 現実化/断念・放棄 多様な人間の生き方在り方を学ぶ 15 16 道徳的変容の前-道徳的論点は何か 新しい情報、確認、納得 生き方の変容を促す 出来事・出会い 授業は学習 教師は資料をきちんと読んでいるか 中心発問のありか 子どもの読みのレベルを 突き抜ける 道徳的変容の後 17 - 55 - 18 ○平成 27 年度生徒意識調査結果 回答別の生徒の割合(%) № 質 問 項 目 対象学年等 調査時期 回答総数 (人) そう思う 27年度当初 どちらかと いえば そう思わない そう思わない 55 (人) 16 (人) 1 (人) 1 (人) 75.3% (%) 21.9% (%) 1.4% (%) 1.4% (%) 47 (人) 16 (人) 1 (人) 2 (人) 71.2% (%) 24.2% (%) 1.5% (%) 3.0% (%) 47 (人) 16 (人) 0 (人) 1 (人) 73.4% (%) 25.0% (%) 0.0% (%) 1.6% (%) 47 (人) 11 (人) 3 (人) 1 (人) 75.8% (%) 17.7% (%) 4.8% (%) 1.6% (%) 39 (人) 19 (人) 5 (人) 1 (人) 60.9% (%) 29.7% (%) 7.8% (%) 1.6% (%) 73 高等学校1年 (人) 27年度末 27年度当初 66 64 高等学校2年 (人) 27年度末 1 どちらか といえば、 そう思う 62 人の気持ちがわかる人間に なりたい 27年度当初 64 高等学校3年 (人) 27年度末 27年度当初 37 (人) 21 (人) 1 (人) 0 (人) 62.7% (%) 35.6% (%) 1.7% (%) 0.0% (%) 59 201 141 (人) 51 (人) 6 (人) 3 (人) 70.1% (%) 25.4% (%) 3.0% (%) 1.5% (%) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 (人) 48 (人) 5 (人) 3 (人) (%) 25.7% (%) 2.7% (%) 1.6% (%) 58 (人) 14 (人) 0 (人) 1 (人) 79.5% (%) 19.2% (%) 0.0% (%) 1.4% (%) 73 高等学校1年 (人) 27年度末 27年度当初 55 (人) 10 (人) 0 (人) 1 (人) 83.3% (%) 15.2% (%) 0.0% (%) 1.5% (%) 66 49 (人) 15 (人) 0 (人) 0 (人) 76.6% (%) 23.4% (%) 0.0% (%) 0.0% (%) 42 (人) 20 (人) 0 (人) 0 (人) 67.7% (%) 32.3% (%) 0.0% (%) 0.0% (%) 43 (人) 19 (人) 1 (人) 1 (人) 67.2% (%) 29.7% (%) 1.6% (%) 1.6% (%) 40 (人) 19 (人) 0 (人) 0 (人) 67.8% (%) 32.2% (%) 0.0% (%) 0.0% (%) 150 (人) 48 (人) 1 (人) 2 (人) 74.6% (%) 23.9% (%) 0.5% (%) 1.0% (%) 137 (人) 49 (人) 0 (人) 1 (人) 73.3% (%) 26.2% (%) 0.0% (%) 0.5% (%) 55 (人) 14 (人) 3 (人) 1 (人) 75.3% (%) 19.2% (%) 4.1% (%) 1.4% (%) 49 (人) 14 (人) 2 (人) 1 (人) 74.2% (%) 21.2% (%) 3.0% (%) 1.5% (%) 43 (人) 21 (人) 0 (人) 0 (人) 67.2% (%) 32.8% (%) 0.0% (%) 0.0% (%) 64 高等学校2年 (人) 27年度末 2 131 70.1% (人) 62 人には親切にしたい 27年度当初 64 高等学校3年 (人) 27年度末 27年度当初 59 201 (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 高等学校1年 (人) 27年度末 27年度当初 66 64 高等学校2年 (人) 27年度末 3 (人) 人の役に立つ人間になりた い 27年度当初 39 (人) 21 (人) 2 (人) 0 (人) 62.9% (%) 33.9% (%) 3.2% (%) 0.0% (%) 62 37 (人) 23 (人) 3 (人) 1 (人) 57.8% (%) 35.9% (%) 4.7% (%) 1.6% (%) 64 高等学校3年 (人) 27年度末 27年度当初 35 (人) 23 (人) 1 (人) 0 (人) 59.3% (%) 39.0% (%) 1.7% (%) 0.0% (%) 59 201 135 (人) 58 (人) 6 (人) 2 (人) 67.2% (%) 28.9% (%) 3.0% (%) 1.0% (%) 123 (人) 58 (人) 5 (人) 1 (人) 65.8% (%) 31.0% (%) 2.7% (%) 0.5% (%) (人) 全 体 27年度末 187 - 56 - (人) 回答別の生徒の割合(%) № 質 問 項 目 対象学年等 調査時期 回答総数 (人) そう思う (人) 27年度当初 どちらか といえば、 そう思う どちらかと いえば そう思わない そう思わない 53 (人) 16 (人) 3 (人) 1 (人) 72.6% (%) 21.9% (%) 4.1% (%) 1.4% (%) 43 (人) 18 (人) 3 (人) 2 (人) 65.2% (%) 27.3% (%) 4.5% (%) 3.0% (%) 43 (人) 19 (人) 1 (人) 1 (人) 67.2% (%) 29.7% (%) 1.6% (%) 1.6% (%) 37 (人) 22 (人) 2 (人) 1 (人) 59.7% (%) 35.5% (%) 3.2% (%) 1.6% (%) 35 (人) 22 (人) 6 (人) 1 (人) 54.7% (%) 34.4% (%) 9.4% (%) 1.6% (%) 73 高等学校1年 27年度末 66 (人) 27年度当初 64 高等学校2年 27年度末 4 62 努力する人間になりたい (人) 27年度当初 64 高等学校3年 27年度末 (人) 27年度当初 37 (人) 21 (人) 1 (人) 0 (人) 62.7% (%) 35.6% (%) 1.7% (%) 0.0% (%) 59 131 (人) 57 (人) 10 (人) 3 (人) 65.2% (%) 28.4% (%) 5.0% (%) 1.5% (%) 117 (人) 61 (人) 6 (人) 3 (人) 62.6% (%) 32.6% (%) 3.2% (%) 1.6% (%) 201 全 体 (人) 27年度末 27年度当初 187 73 18 (人) 32 (人) 18 (人) 5 (人) 24.7% (%) 43.8% (%) 24.7% (%) 6.8% (%) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 18 (人) 26 (人) 12 (人) 10 (人) 27.3% (%) 39.4% (%) 18.2% (%) 15.2% (%) (人) 9 (人) 29 (人) 22 (人) 4 (人) 14.1% (%) 45.3% (%) 34.4% (%) 6.3% (%) 10 (人) 27 (人) 22 (人) 3 (人) 16.1% (%) 43.5% (%) 35.5% (%) 4.8% (%) 18 (人) 21 (人) 23 (人) 2 (人) 28.1% (%) 32.8% (%) 35.9% (%) 3.1% (%) 17 (人) 25 (人) 14 (人) 3 (人) 28.8% (%) 42.4% (%) 23.7% (%) 5.1% (%) 45 (人) 82 (人) 63 (人) 11 (人) 22.4% (%) 40.8% (%) 31.3% (%) 5.5% (%) 45 (人) 78 (人) 48 (人) 16 (人) 24.1% (%) 41.7% (%) 25.7% (%) 8.6% (%) 35 (人) 28 (人) 7 (人) 3 (人) 47.9% (%) 38.4% (%) 9.6% (%) 4.1% (%) 22 (人) 25 (人) 11 (人) 8 (人) 33.3% (%) 37.9% (%) 16.7% (%) 12.1% (%) 30 (人) 21 (人) 6 (人) 7 (人) 46.9% (%) 32.8% (%) 9.4% (%) 10.9% (%) (人) 高等学校2年 27年度末 5 62 (人) 自分にはよいところがあると 思う 27年度当初 64 (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 (人) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 (人) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 27年度末 6 62 将来の夢や目標をもってい る 27年度当初 64 22 (人) 25 (人) 14 (人) 1 (人) 35.5% (%) 40.3% (%) 22.6% (%) 1.6% (%) (人) 26 (人) 19 (人) 19 (人) 0 (人) 40.6% (%) 29.7% (%) 29.7% (%) 0.0% (%) (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 25 (人) 29 (人) 5 (人) 0 (人) 42.4% (%) 49.2% (%) 8.5% (%) 0.0% (%) (人) 91 (人) 68 (人) 32 (人) 10 (人) 45.3% (%) 33.8% (%) 15.9% (%) 5.0% (%) 69 (人) 79 (人) 30 (人) 9 (人) 36.9% (%) 42.2% (%) 16.0% (%) 4.8% (%) (人) 全 体 27年度末 187 - 57 - (人) 回答別の生徒の割合(%) № 質 問 項 目 対象学年等 調査時期 回答総数 (人) そう思う 27年度当初 73 どちらか といえば、 そう思う どちらかと いえば そう思わない そう思わない 40 (人) 27 (人) 6 (人) 0 (人) 54.8% (%) 37.0% (%) 8.2% (%) 0.0% (%) 28 (人) 23 (人) 9 (人) 6 (人) 42.4% (%) 34.8% (%) 13.6% (%) 9.1% (%) 34 (人) 24 (人) 5 (人) 1 (人) 53.1% (%) 37.5% (%) 7.8% (%) 1.6% (%) 32 (人) 25 (人) 5 (人) 0 (人) 51.6% (%) 40.3% (%) 8.1% (%) 0.0% (%) 28 (人) 29 (人) 6 (人) 1 (人) 43.8% (%) 45.3% (%) 9.4% (%) 1.6% (%) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 27年度末 7 62 (人) 将来のためにも、今、がん ばりたいと思う 27年度当初 64 (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 30 (人) 25 (人) 4 (人) 0 (人) 50.8% (%) 42.4% (%) 6.8% (%) 0.0% (%) (人) 102 (人) 80 (人) 17 (人) 2 (人) 50.7% (%) 39.8% (%) 8.5% (%) 1.0% (%) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 90 (人) 73 (人) 18 (人) 6 (人) 48.1% (%) 39.0% (%) 9.6% (%) 3.2% (%) (人) 47 (人) 24 (人) 2 (人) 0 (人) 64.4% (%) 32.9% (%) 2.7% (%) 0.0% (%) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 26 (人) 30 (人) 10 (人) 0 (人) 39.4% (%) 45.5% (%) 15.2% (%) 0.0% (%) (人) 33 (人) 25 (人) 4 (人) 2 (人) 51.6% (%) 39.1% (%) 6.3% (%) 3.1% (%) 30 (人) 25 (人) 7 (人) 0 (人) 48.4% (%) 40.3% (%) 11.3% (%) 0.0% (%) 30 (人) 30 (人) 3 (人) 1 (人) 46.9% (%) 46.9% (%) 4.7% (%) 1.6% (%) 28 (人) 27 (人) 4 (人) 0 (人) 47.5% (%) 45.8% (%) 6.8% (%) 0.0% (%) 110 (人) 79 (人) 9 (人) 3 (人) 54.7% (%) 39.3% (%) 4.5% (%) 1.5% (%) 84 (人) 82 (人) 21 (人) 0 (人) 44.9% (%) 43.9% (%) 11.2% (%) 0.0% (%) 31 (人) 34 (人) 7 (人) 1 (人) 42.5% (%) 46.6% (%) 9.6% (%) 1.4% (%) 23 (人) 34 (人) 8 (人) 1 (人) 34.8% (%) 51.5% (%) 12.1% (%) 1.5% (%) 15 (人) 38 (人) 11 (人) 0 (人) 23.4% (%) 59.4% (%) 17.2% (%) 0.0% (%) (人) 高等学校2年 27年度末 8 62 (人) 学校のきまりを守っている 27年度当初 64 (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 (人) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 (人) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 27年度末 9 62 人が困っているときは、進ん で助けている 27年度当初 64 11 (人) 39 (人) 12 (人) 0 (人) 17.7% (%) 62.9% (%) 19.4% (%) 0.0% (%) (人) 18 (人) 30 (人) 16 (人) 0 (人) 28.1% (%) 46.9% (%) 25.0% (%) 0.0% (%) (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 17 (人) 29 (人) 12 (人) 1 (人) 28.8% (%) 49.2% (%) 20.3% (%) 1.7% (%) (人) 64 (人) 102 (人) 34 (人) 1 (人) 31.8% (%) 50.7% (%) 16.9% (%) 0.5% (%) 51 (人) 102 (人) 32 (人) 2 (人) 27.3% (%) 54.5% (%) 17.1% (%) 1.1% (%) (人) 全 体 27年度末 187 - 58 - (人) 回答別の生徒の割合(%) № 質 問 項 目 対象学年等 調査時期 回答総数 (人) そう思う 27年度当初 73 どちらか といえば、 そう思う どちらかと いえば そう思わない そう思わない 48 (人) 20 (人) 4 (人) 1 (人) 65.8% (%) 27.4% (%) 5.5% (%) 1.4% (%) 37 (人) 17 (人) 9 (人) 2 (人) 56.1% (%) 25.8% (%) 13.6% (%) 3.0% (%) 34 (人) 24 (人) 4 (人) 2 (人) 53.1% (%) 37.5% (%) 6.3% (%) 3.1% (%) 28 (人) 22 (人) 10 (人) 2 (人) 45.2% (%) 35.5% (%) 16.1% (%) 3.2% (%) 25 (人) 21 (人) 17 (人) 1 (人) 39.1% (%) 32.8% (%) 26.6% (%) 1.6% (%) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 27年度末 10 62 (人) 近所の人に会ったときは、 あいさつをしている 27年度当初 64 (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 19 (人) 28 (人) 9 (人) 3 (人) 32.2% (%) 47.5% (%) 15.3% (%) 5.1% (%) (人) 107 (人) 65 (人) 25 (人) 4 (人) 53.2% (%) 32.3% (%) 12.4% (%) 2.0% (%) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 84 (人) 67 (人) 28 (人) 7 (人) 44.9% (%) 35.8% (%) 15.0% (%) 3.7% (%) (人) 65 (人) 5 (人) 1 (人) 2 (人) 89.0% (%) 6.8% (%) 1.4% (%) 2.7% (%) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 53 (人) 12 (人) 0 (人) 1 (人) 80.3% (%) 18.2% (%) 0.0% (%) 1.5% (%) (人) 53 (人) 10 (人) 1 (人) 0 (人) 82.8% (%) 15.6% (%) 1.6% (%) 0.0% (%) 48 (人) 8 (人) 4 (人) 2 (人) 77.4% (%) 12.9% (%) 6.5% (%) 3.2% (%) 46 (人) 14 (人) 3 (人) 1 (人) 71.9% (%) 21.9% (%) 4.7% (%) 1.6% (%) 39 (人) 19 (人) 1 (人) 0 (人) 66.1% (%) 32.2% (%) 1.7% (%) 0.0% (%) 164 (人) 29 (人) 5 (人) 3 (人) 81.6% (%) 14.4% (%) 2.5% (%) 1.5% (%) 140 (人) 39 (人) 5 (人) 3 (人) 74.9% (%) 20.9% (%) 2.7% (%) 1.6% (%) 59 (人) 9 (人) 4 (人) 1 (人) 80.8% (%) 12.3% (%) 5.5% (%) 1.4% (%) 53 (人) 11 (人) 1 (人) 1 (人) 80.3% (%) 16.7% (%) 1.5% (%) 1.5% (%) 54 (人) 9 (人) 1 (人) 0 (人) 84.4% (%) 14.1% (%) 1.6% (%) 0.0% (%) (人) 高等学校2年 11 27年度末 木を折ったり、動物を傷つけ ることは いけないことだと 思う 27年度当初 62 64 (人) (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 (人) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 (人) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 27年度末 12 62 いじめは、どんな理由があっ ても いけないことだと思う 27年度当初 64 52 (人) 7 (人) 2 (人) 1 (人) 83.9% (%) 11.3% (%) 3.2% (%) 1.6% (%) (人) 48 (人) 13 (人) 3 (人) 0 (人) 75.0% (%) 20.3% (%) 4.7% (%) 0.0% (%) (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 44 (人) 14 (人) 1 (人) 0 (人) 74.6% (%) 23.7% (%) 1.7% (%) 0.0% (%) (人) 161 (人) 31 (人) 8 (人) 1 (人) 80.1% (%) 15.4% (%) 4.0% (%) 0.5% (%) 149 (人) 32 (人) 4 (人) 2 (人) 79.7% (%) 17.1% (%) 2.1% (%) 1.1% (%) (人) 全 体 27年度末 187 - 59 - (人) 回答別の生徒の割合(%) № 質 問 項 目 対象学年等 調査時期 回答総数 (人) そう思う 27年度当初 73 どちらか といえば、 そう思う どちらかと いえば そう思わない そう思わない 28 (人) 39 (人) 4 (人) 2 (人) 38.4% (%) 53.4% (%) 5.5% (%) 2.7% (%) 17 (人) 35 (人) 11 (人) 3 (人) 25.8% (%) 53.0% (%) 16.7% (%) 4.5% (%) 19 (人) 35 (人) 10 (人) 0 (人) 29.7% (%) 54.7% (%) 15.6% (%) 0.0% (%) 13 (人) 30 (人) 17 (人) 2 (人) 21.0% (%) 48.4% (%) 27.4% (%) 3.2% (%) 10 (人) 34 (人) 17 (人) 3 (人) 15.6% (%) 53.1% (%) 26.6% (%) 4.7% (%) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 13 特別活動「ホームルーム活 動」などでは、互いを信頼し て話し合い、励まし合って、 よりよい学級生活をつくろう としている 27年度末 27年度当初 62 64 (人) (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 13 (人) 28 (人) 15 (人) 2 (人) 22.0% (%) 47.5% (%) 25.4% (%) 3.4% (%) (人) 57 (人) 108 (人) 31 (人) 5 (人) 28.4% (%) 53.7% (%) 15.4% (%) 2.5% (%) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 43 (人) 93 (人) 43 (人) 7 (人) 23.0% (%) 49.7% (%) 23.0% (%) 3.7% (%) (人) 24 (人) 39 (人) 8 (人) 2 (人) 32.9% (%) 53.4% (%) 11.0% (%) 2.7% (%) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 17 (人) 30 (人) 16 (人) 3 (人) 25.8% (%) 45.5% (%) 24.2% (%) 4.5% (%) (人) 18 (人) 32 (人) 12 (人) 2 (人) 28.1% (%) 50.0% (%) 18.8% (%) 3.1% (%) 10 (人) 29 (人) 22 (人) 1 (人) 16.1% (%) 46.8% (%) 35.5% (%) 1.6% (%) 13 (人) 32 (人) 15 (人) 4 (人) 20.3% (%) 50.0% (%) 23.4% (%) 6.3% (%) 13 (人) 27 (人) 17 (人) 2 (人) 22.0% (%) 45.8% (%) 28.8% (%) 3.4% (%) 55 (人) 103 (人) 35 (人) 8 (人) 27.4% (%) 51.2% (%) 17.4% (%) 4.0% (%) 40 (人) 86 (人) 55 (人) 6 (人) 21.4% (%) 46.0% (%) 29.4% (%) 3.2% (%) 25 (人) 39 (人) 9 (人) 0 (人) 34.2% (%) 53.4% (%) 12.3% (%) 0.0% (%) 20 (人) 31 (人) 11 (人) 4 (人) 30.3% (%) 47.0% (%) 16.7% (%) 6.1% (%) 17 (人) 38 (人) 7 (人) 2 (人) 26.6% (%) 59.4% (%) 10.9% (%) 3.1% (%) (人) 高等学校2年 14 27年度末 特別活動「ホームルーム活 動」などでは、ほかの人の 考えを聞きながら、自分のこ とについてよく考えている 27年度当初 62 64 (人) (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 (人) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 (人) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 15 27年度末 生徒会活動や学校行事など において学校の一員として の役割や責任をしっかりと果 たしている 27年度当初 62 64 17 (人) 32 (人) 11 (人) 2 (人) 27.4% (%) 51.6% (%) 17.7% (%) 3.2% (%) (人) 14 (人) 36 (人) 13 (人) 1 (人) 21.9% (%) 56.3% (%) 20.3% (%) 1.6% (%) (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 14 (人) 31 (人) 10 (人) 4 (人) 23.7% (%) 52.5% (%) 16.9% (%) 6.8% (%) (人) 56 (人) 113 (人) 29 (人) 3 (人) 27.9% (%) 56.2% (%) 14.4% (%) 1.5% (%) 51 (人) 94 (人) 32 (人) 10 (人) 27.3% (%) 50.3% (%) 17.1% (%) 5.3% (%) (人) 全 体 27年度末 187 - 60 - (人) 回答別の生徒の割合(%) № 質 問 項 目 対象学年等 調査時期 回答総数 (人) そう思う 27年度当初 73 どちらか といえば、 そう思う どちらかと いえば そう思わない そう思わない 38 (人) 23 (人) 9 (人) 3 (人) 52.1% (%) 31.5% (%) 12.3% (%) 4.1% (%) 31 (人) 20 (人) 9 (人) 6 (人) 47.0% (%) 30.3% (%) 13.6% (%) 9.1% (%) 34 (人) 23 (人) 4 (人) 3 (人) 53.1% (%) 35.9% (%) 6.3% (%) 4.7% (%) 26 (人) 25 (人) 10 (人) 1 (人) 41.9% (%) 40.3% (%) 16.1% (%) 1.6% (%) 33 (人) 32 (人) 7 (人) 1 (人) 45.2% (%) 43.8% (%) 9.6% (%) 1.4% (%) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 27年度末 16 62 (人) 家の人は、自分のことをよく わかってくれている 27年度当初 73 (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 210 28 (人) 27 (人) 4 (人) 0 (人) 47.5% (%) 45.8% (%) 6.8% (%) 0.0% (%) (人) 105 (人) 78 (人) 20 (人) 7 (人) 50.0% (%) 37.1% (%) 9.5% (%) 3.3% (%) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 85 (人) 72 (人) 23 (人) 7 (人) 45.5% (%) 38.5% (%) 12.3% (%) 3.7% (%) (人) 50 (人) 19 (人) 2 (人) 2 (人) 68.5% (%) 26.0% (%) 2.7% (%) 2.7% (%) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 36 (人) 25 (人) 1 (人) 4 (人) 54.5% (%) 37.9% (%) 1.5% (%) 6.1% (%) (人) 36 (人) 23 (人) 4 (人) 1 (人) 56.3% (%) 35.9% (%) 6.3% (%) 1.6% (%) 37 (人) 18 (人) 7 (人) 0 (人) 59.7% (%) 29.0% (%) 11.3% (%) 0.0% (%) 33 (人) 23 (人) 8 (人) 0 (人) 51.6% (%) 35.9% (%) 12.5% (%) 0.0% (%) 26 (人) 31 (人) 2 (人) 0 (人) 44.1% (%) 52.5% (%) 3.4% (%) 0.0% (%) 119 (人) 65 (人) 14 (人) 3 (人) 59.2% (%) 32.3% (%) 7.0% (%) 1.5% (%) 99 (人) 74 (人) 10 (人) 4 (人) 52.9% (%) 39.6% (%) 5.3% (%) 2.1% (%) 19 (人) 32 (人) 16 (人) 6 (人) 26.0% (%) 43.8% (%) 21.9% (%) 8.2% (%) 13 (人) 33 (人) 12 (人) 8 (人) 19.7% (%) 50.0% (%) 18.2% (%) 12.1% (%) 11 (人) 30 (人) 13 (人) 10 (人) 17.2% (%) 46.9% (%) 20.3% (%) 15.6% (%) (人) 高等学校2年 27年度末 17 62 (人) あなたをよくわかってくれる 友だちがいる 27年度当初 64 (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 (人) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 (人) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 27年度末 18 62 あなたをよくわかってくれる 先生がいる 27年度当初 64 12 (人) 30 (人) 13 (人) 7 (人) 19.4% (%) 48.4% (%) 21.0% (%) 11.3% (%) (人) 17 (人) 18 (人) 19 (人) 10 (人) 26.6% (%) 28.1% (%) 29.7% (%) 15.6% (%) (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 14 (人) 20 (人) 19 (人) 6 (人) 23.7% (%) 33.9% (%) 32.2% (%) 10.2% (%) (人) 47 (人) 80 (人) 48 (人) 26 (人) 23.4% (%) 39.8% (%) 23.9% (%) 12.9% (%) 39 (人) 83 (人) 44 (人) 21 (人) 20.9% (%) 44.4% (%) 23.5% (%) 11.2% (%) (人) 全 体 27年度末 187 - 61 - (人) 回答別の生徒の割合(%) № 質 問 項 目 対象学年等 調査時期 回答総数 (人) そう思う 27年度当初 73 どちらか といえば、 そう思う どちらかと いえば そう思わない そう思わない 18 (人) 22 (人) 19 (人) 14 (人) 24.7% (%) 30.1% (%) 26.0% (%) 19.2% (%) 6 (人) 19 (人) 21 (人) 20 (人) 9.1% (%) 28.8% (%) 31.8% (%) 30.3% (%) 9 (人) 24 (人) 15 (人) 16 (人) 14.1% (%) 37.5% (%) 23.4% (%) 25.0% (%) 5 (人) 16 (人) 25 (人) 16 (人) 8.1% (%) 25.8% (%) 40.3% (%) 25.8% (%) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 27年度末 19 62 (人) 今住んでいる地域の歴史や 自然について関心がある 27年度当初 64 16 (人) 24 (人) 14 (人) 10 (人) 25.0% (%) 37.5% (%) 21.9% (%) 15.6% (%) (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 12 (人) 19 (人) 21 (人) 7 (人) 20.3% (%) 32.2% (%) 35.6% (%) 11.9% (%) (人) 43 (人) 70 (人) 48 (人) 40 (人) 21.4% (%) 34.8% (%) 23.9% (%) 19.9% (%) 23 (人) 54 (人) 67 (人) 43 (人) 12.3% (%) 28.9% (%) 35.8% (%) 23.0% (%) 18 (人) 27 (人) 18 (人) 10 (人) 24.7% (%) 37.0% (%) 24.7% (%) 13.7% (%) 10 (人) 16 (人) 20 (人) 20 (人) 15.2% (%) 24.2% (%) 30.3% (%) 30.3% (%) 8 (人) 24 (人) 18 (人) 14 (人) 12.5% (%) 37.5% (%) 28.1% (%) 21.9% (%) 5 (人) 20 (人) 19 (人) 18 (人) 8.1% (%) 32.3% (%) 30.6% (%) 29.0% (%) (人) 全 体 27年度末 27年度当初 187 73 (人) (人) 高等学校1年 27年度末 27年度当初 66 64 (人) (人) 高等学校2年 27年度末 20 62 (人) 今住んでいる地域の行事に 参加している 27年度当初 64 10 (人) 15 (人) 23 (人) 16 (人) 15.6% (%) 23.4% (%) 35.9% (%) 25.0% (%) (人) 高等学校3年 27年度末 27年度当初 59 201 8 (人) 13 (人) 22 (人) 16 (人) 13.6% (%) 22.0% (%) 37.3% (%) 27.1% (%) (人) 36 (人) 66 (人) 59 (人) 40 (人) 17.9% (%) 32.8% (%) 29.4% (%) 19.9% (%) 23 (人) 49 (人) 61 (人) 54 (人) 12.3% (%) 26.2% (%) 32.6% (%) 28.9% (%) (人) 全 体 27年度末 187 - 62 - (人) ○平成 27 年度教職員意識調査結果 回答別の教職員の割合(%) № 質 問 項 目 対象 調査時期 回答総数 (人) そう思う 27年度当初 1 自校の道徳教育は充実していると 思う 27年度当初 道徳教育の推進を主に担当する教 師(道徳教育推進教師)は,校務分 掌上機能していると思う 27年度当初 自校では,生徒に道徳性を育成す るための体験活動は充実している と思う 27年度当初 自校では,家庭・地域社会と連携し た道徳教育が進められていると思 う 27年度当初 道徳教育について保護者(または 地域の人々)と懇談会をもっている 27年度当初 道徳教育の取組を学校・学年・学 級通信やホームページ等で紹介し ている 27年度当初 地域の人々の協力を得て,魅力的 な教材を開発している (人) 4 (人) 1 (人) 15.4% (%) 65.4% (%) 15.4% (%) 3.8% (%) 23 7 (人) 15 (人) 1 (人) 0 (人) 30.4% (%) 65.2% (%) 4.3% (%) 0.0% (%) 26 5 (人) 16 (人) 5 (人) 0 (人) 19.2% (%) 61.5% (%) 19.2% (%) 0.0% (%) 10 (人) 10 (人) 2 (人) 1 (人) 43.5% (%) 43.5% (%) 8.7% (%) 4.3% (%) 2 (人) 17 (人) 7 (人) 0 (人) 7.7% (%) 65.4% (%) 26.9% (%) 0.0% (%) 0 (人) 16 (人) 7 (人) 0 (人) 0.0% (%) 69.6% (%) 30.4% (%) 0.0% (%) 1 (人) 16 (人) 7 (人) 2 (人) 3.8% (%) 61.5% (%) 26.9% (%) 7.7% (%) 2 (人) 11 (人) 9 (人) 1 (人) 8.7% (%) 47.8% (%) 39.1% (%) 4.3% (%) 0 (人) 7 (人) 15 (人) 4 (人) 0.0% (%) 26.9% (%) 57.7% (%) 15.4% (%) 0 (人) 7 (人) 13 (人) 3 (人) 0.0% (%) 30.4% (%) 56.5% (%) 13.0% (%) 1 (人) 17 (人) 8 (人) 0 (人) 3.8% (%) 65.4% (%) 30.8% (%) 0.0% (%) 5 (人) 13 (人) 4 (人) 1 (人) 21.7% (%) 56.5% (%) 17.4% (%) 4.3% (%) 2 (人) 9 (人) 14 (人) 1 (人) 7.7% (%) 34.6% (%) 53.8% (%) 3.8% (%) 1 (人) 10 (人) 9 (人) 3 (人) 4.3% (%) 43.5% (%) 39.1% (%) 13.0% (%) (人) (人) 23 26 (人) (人) 23 26 (人) (人) 23 26 (人) (人) 23 26 (人) (人) 教職員 27年度末 7 17 教職員 27年度末 6 (人) 教職員 27年度末 5 4 (人) 教職員 27年度末 4 そう思わない 教職員 27年度末 3 どちらかと いえば、 そう思わない 教職員 27年度末 2 26 どちらか といえば、 そう思う 23 26 (人) (人) 教職員 27年度末 23 - 63 - (人) 回答別の教職員の割合(%) № 質 問 項 目 対象 調査時期 回答総数 (人) そう思う 27年度当初 8 道徳性を養う体験活動等を保護者 や地域の人々の参加を求めて行っ ている 27年度当初 自校の道徳教育に関する研修は充 実していると思う 27年度当初 連携校(中学校等)との道徳教育に 関する情報交換や研修は充実して いると思う 27年度当初 広島県道徳教育指導資料(地域教 材開発の手引,読み物教材例集・ 授業展開例集)を活用した 27年度当初 12 27年度当初 特別活動「ホームルーム活動」など では、生徒がほかの人の考えを聞 きながら、自分のことについてよく 考えられるよう工夫をしている 27年度当初 生徒会活動や学校行事などにおい て,生徒が学校の一員としての役 割や責任をしっかりと果たそうとす るように工夫をしている (人) 8 (人) 2 (人) 3.8% (%) 57.7% (%) 30.8% (%) 7.7% (%) 23 0 (人) 9 (人) 12 (人) 2 (人) 0.0% (%) 39.1% (%) 52.2% (%) 8.7% (%) 26 3 (人) 16 (人) 6 (人) 1 (人) 11.5% (%) 61.5% (%) 23.1% (%) 3.8% (%) 7 (人) 15 (人) 1 (人) 0 (人) 30.4% (%) 65.2% (%) 4.3% (%) 0.0% (%) 1 (人) 11 (人) 11 (人) 3 (人) 3.8% (%) 42.3% (%) 42.3% (%) 11.5% (%) 0 (人) 13 (人) 10 (人) 0 (人) 0.0% (%) 56.5% (%) 43.5% (%) 0.0% (%) 0 (人) 10 (人) 16 (人) 0 (人) 0.0% (%) 38.5% (%) 61.5% (%) 0.0% (%) 1 (人) 8 (人) 14 (人) 0 (人) 4.3% (%) 34.8% (%) 60.9% (%) 0.0% (%) 1 (人) 16 (人) 8 (人) 1 (人) 3.8% (%) 61.5% (%) 30.8% (%) 3.8% (%) 1 (人) 18 (人) 4 (人) 0 (人) 4.3% (%) 78.3% (%) 17.4% (%) 0.0% (%) 1 (人) 13 (人) 12 (人) 0 (人) 3.8% (%) 50.0% (%) 46.2% (%) 0.0% (%) 1 (人) 18 (人) 4 (人) 0 (人) 4.3% (%) 78.3% (%) 17.4% (%) 0.0% (%) 2 (人) 18 (人) 6 (人) 0 (人) 7.7% (%) 69.2% (%) 23.1% (%) 0.0% (%) 3 (人) 17 (人) 3 (人) 0 (人) 13.0% (%) 73.9% (%) 13.0% (%) 0.0% (%) (人) (人) 23 26 (人) (人) 23 26 (人) (人) 23 26 (人) (人) 23 26 (人) (人) 教職員 27年度末 14 15 教職員 27年度末 13 (人) 教職員 27年度末 特別活動「ホームルーム活動」など では、生徒が互いを信頼して話し合 い、励まし合って、よりよい学級生 活がつくれるよう工夫をしている 1 (人) 教職員 27年度末 11 そう思わない 教職員 27年度末 10 どちらかと いえば、 そう思わない 教職員 27年度末 9 26 どちらか といえば、 そう思う 23 26 (人) (人) 教職員 27年度末 23 - 64 - (人) 「道徳教育改善・充実」総合対策事業実施要項 広島県教育委員会 1 趣旨 小学校・中学校・高等学校段階 における道徳教育の一層の充実を図るため, 児童生徒 の発達の段階及び地域等の実情を踏まえ, 効果的な指導方法等の開発や共有などを通じ て教員の指導力の向上に資するとともに,児童生徒のよりよい生き方を実践する力を育 む道徳教育を推進するための実践研究を行い,その成果を県内に普及する ことにより, 本県道徳教育の一層の充実を図る。 2 事業内容 (1)広島県教育委員会(以下「県教育委員会」という。)は,上記1に示す趣旨の下,文 部科学省「道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業」を受託し,本事業を実施す る。 (2)県教育委員会は,以下のア,イ及びウから内容を選択して行う市町,市町教育委員 会(以下「市町教育委員会等」という。)への委託及び高等学校への指定により実施し, 市町教育委員会等及び高等学校に当該事業に係る費用を,予算の範囲内で措置する。 ア 小・中・高等学校道徳教育の実質的充実に係る取組 【メニュー1】 (ア) 目的 生命尊重,社会性,規範意識等の意識醸成などの今日的課題や各学校段階の指 導の重点や特色を踏まえ,小学校・中学校・高等学校において,近隣校との連携 を通して,学校全体で取り組む道徳教育の実質的な充実を図るための実践研究を 行う。 (イ) 道徳教育研究指定校の指定 県教育委員会は,本事業を実施する学校(小学校,中学校,高等学校の中から 選定する。以下「推進校」という。)として,小・中学校から6校程度,また,高 等学校から3校程度指定する。 なお,推進校は,先進校・先進地域の情報を取り入れ,近隣地域の実践拠点校 としての役割を充分果たすよう努め,公開研究会などにより実践研究の成果を公 表し,近隣地域をはじめ全県への普及を図る。 (ウ) 研究課題 推進校においては,道徳教育推進に係る全教職員の共通理解を促進し,近隣校と の連携体制を確立させるとともに,多様な道徳教育用教材の選択・開発とその効 果的な活用について実践研究(いじめ防止の観点も含む。)を行う。その際,地域 等の実態を踏まえ,次に揚げる①~⑥の道徳教育の内容の重点化に関する研究課 題を1項目以上設定する。 ① 生命を尊重する心を育む道徳教育 ② 進んで人間関係をつくる力を育む道徳 教育 ③ 共感する力や思いやりの心,協力し合う態度を育て,集団や社会の一員とし ての自覚と責任を育む道徳教育 - 65 - ④ 善悪の判断,きまりの尊重などの規範意識を育む道徳教育 ⑤ 人間としての在り方生き方の自覚を深める道徳教育 ⑥ その他 なお,実践研究に当たっては, 「 広島県道徳教育指導資料」 ( 平成23年3月作成) の活用を図るとともに,高等学校においては,「倫理」や「現代社会」(公民科), 「ホームルーム活動」(特別活動)を中核とした指導の創意工夫に意を用いる。 (エ)担当教員(以下「推進リーダー教師」という。)の配置及び活動 <推進リーダー教師について> ① 推進リーダー教師は,小・中学校の推進校に配置する。 ② 推進リーダー教師は,原則学級担任にならない。 ③ 推進リーダー教師は,週当たり原則10時間の授業を行う。その際,できる だけ,次の形態で授業を実施することが望ましい。次の形態によらない場合は, 理由を明確にして事前に県教育委員会豊かな心育成課と協議し承認を得る。 ○ 道徳の授業において学級担任とともにティーム・ティーチング (以下, 「TT」 という。)を行う。 ○ 全学級の道徳の授業において学級担任とともにTTを行っても,週当たりの 授業時間数が10時間に満たない場合は,道徳以外の授業においてTTを行 う。 ④ 推進リーダー教師は,これらの学校体制及び近隣校との連携体制を確立す る ために,次の業務にあたる。 a 道徳教育全体計画(別葉を含む。)及び道徳の時間の年間指導計画について 実践研究し,一層の充実を図る。 b 全学年の「道徳の 時間」の授業計画の立 案及び授業に参画し, 優れた道徳 の授業が展開できるようにする。 c 近隣校及び地域・ 家庭との連携の窓口と して,今日的課題を解 決する道徳 教育の実質的な充実を図るため,積極的な取組を行う。 d 道徳教育の校内研修の推進及び公開研究会に向けて企画・調整等にあたる。 e 県道徳教育研究協 議会及び道徳教育実践 研究委員会等に参加し ,実践研究 の報告等を行う。 <授業時数等について> 別途定める様式に より 推進リーダー教師 の担 当授業を明確に表 示し た時間割 等を,別途定める日ま でに豊かな心育成課に 提出する。また,年度 途中で基本 となる時間割等を変更 する場合は,変更後2 週間以内に時間割等を 豊かな心育 成課に提出する。 <活動実績記録簿について> 推進リーダー教師は,別途定める様式により活動実績記録簿を作成して活動 状況を記録し,校長,教頭等に報告するとともに,県教育委員会に当該記録を 求められた場合,速やかに提出しなければならない。 - 66 - (オ) 研究の成果 事業開始時及び終了時に研究課題に応じたアンケート調査(既に実施している 学校評価等と関連付けることや, 「全国学力・学習状況調査」及び「広島県基礎・ 基本定着状況調査」の質問紙調査における項目を参考にすること等も考えられ る。)を実施し,その結果の活用等により,客観的・定量的に把握するよう努め る。 なお,県教育委員会は,別に定める様式により推進校の児童生徒及び教職員を 対象とした意識調査を行う。 イ 小中連携による道徳教育の充実・発展に係る取組 【メニュー2】 (ア) 目的 小・中学校段階・各学年段階において,より効果的な指導が行われるよう,児 童生徒の発達の段階及び地域等の実情を踏まえ,異校種や同校種間等との連携に よる創意工夫を生かした道徳教育を推進するための実践研究を行う。 (イ) 道徳教育研究指定地域の指定 県教育委員会は,中学校区を単位とした小・中学校推進地域(以下「推進地域」 という。)を2地域程度指定する。 なお,推進地域は,公開研究会などにより実践研究の成果を公表し,近隣地域 をはじめ全県への普及を図る。 (ウ) 研究課題 推進地域においては,異校種,家庭・地域等との連 携体制を充実させるとともに, 多様な道徳教育用教材(「私たちの道徳」を含む。)の選択・開発とその効果的な 活用について実践 研究を行う。その際,地域等の実態を踏まえ,次に揚げる①~ ⑦の道徳教育の内容の重点化に関する研究課題を1項目以上設定する。 ① 自立心や自律性,生命を尊重する心を育む道徳教育 ② 善悪の判断,きまりの尊重などの規範意識を育む道徳教育 ③ 進んで人間関係をつくる力を育む道徳教育 ④ 人間の力を超えたものに対する畏敬の念を深める道徳教育 ⑤ 共感する力や思いやりの心,協力し合う態度を育て,集団や社会の一員とし ての自覚と責任を育む道徳教育 ⑥ 文化や伝統を大切にし,郷土や国を愛する心を育む道徳教育 ⑦ 自己の生き方や人間としての生き方の自覚を深める道徳教育 なお,実践研究に当たっては,「広島県道徳教育指導資料」(平成23年3月作 成)の活用を図る。 (エ) 研究の成果 事業開始時及び終了時に研究課題に応じたアンケート調査(既に実施している 学校評価等と関連付けることや,「全国学力・学習状況調査」及び「広島県基礎・ 基本定着状況調査」の質問紙調査における項目を参考にすること等も考えられる。) を実施し,その結果の活用等により,客観的・定量的に把握するよう努める。 なお,県教育委員会は,別に定める様式により推進地域の児童生徒及び教職員 を対象とした意識調査を行う。 - 67 - ウ 学校・家庭・地域の連携による道徳教育の充実・発展に係る取組 【メニュー3】 (ア) 目的 小・中学校が,家庭や地域と一体となった体験活動を行う中で,児童生徒の自 尊感情を高め,社会参加の意欲や態度など豊かな心を育てることにより,生徒 指 導上の諸問題の未然防止を図るための実践研究を行う。 (イ) 道徳教育研究指定地域の指定 県教育委員会は,中学校区を単位とした小・中学校推進地域(以下「推進地域」 という。)を2地域程度指定し,推進地域内の小・中学校を以下「推進校」という こととする。 なお,推進地域は,公開研究会などにより実践研究の成果を公表し,近隣地域 をはじめ全県への普及を図る。 (ウ) 地域推進協議会の設置 ①推進組織 市町教育委員会は ,事 業を組織的,計画 的, 効果的に実施する ため 地域推進 協議会(以下「推進協議会」という。)を設置するものとする。 ②構成メンバー等 推進協議会は,推 進地 域内の小・中学校 教職 員,児童生徒,P TA ,公民館 等関係者,福祉・ボラ ンティアに関する団体 ,おやじの会など青少 年育成団体 関係者,自治会関係者 及び市町教育委員会事 務局職員等をもって構 成し,推進 協議会代表者及び推進 校間の連携の中心とな る推進校代表者をそれ ぞれ1名置 くものとする。 ③業務 推進協議会は,連携・推進体制を整えるとともに,地域等の実態を踏ま え, 学校と家庭・地域社会の共通の目標となる「地域まるごと宣言」を設定・発信 する。また,その宣言の実現に向け,学校,地域住民,関係団体等とが連携・ 協力した体験活動の実施のための企画・運営,連絡調整及び検証等を行う。 (エ) 推進校における取組 ①推進体制 ○学校間及び推進協議会等との連携の中心を担う体験活動推進教員を置く。 ○体験活動推進教員と生徒指導主事との役割の違いを明確にし,それぞれの活 動内容を全教職員に周知する。 ○生徒指導の三機能を 生かした授業づくりや 道徳教育,体験活動等 に関する研 修を定期的に開催し,教員の指導力の向上を図る。 ②体験活動 ○実施方法 各教科や総合的な学習の時間,特別活動等の特性を考慮し,体験活動を教 育課程に適切に位置付 けて,原則として学校 全体で実施する。その 際,体験 活動のねらいや内容等 に応じて,週や月ごと に定例の実施日を決め るなどし て年間を通じて継続的 に実施したり,季節に 応じて不定期に実施し たりする などの工夫を行う。ま た,実施に当た っては ,推進地域内の複数の 学校が合 同で体験活動を実施することもできる。 - 68 - ○活動内容 推進協議会により企画された活動内容を受け,地域の人との交流やボラン ティア活動,勤労生産 活動など,児童生徒が 他者,社会,自然・環 境とのか かわりの中で,達成感 や自己の成長を実感し ,自尊感情が高まるよ うな継続 的な体験活動を実施す る。その際,児童生徒 の発達の段階を踏まえ ,一人一 人の個性や能力が生か されるよう多様な活動 の場を用意するととも に,役割 を与えることで児童生 徒の興味・関心を引き 出し,自発性を高める などの工 夫を行う。 ③事前学習及び事後学習の実施 ○事前学習 体験活動における児童生徒の目的意識を高めるため,体験活動と各教科等 のねらい及び学習内容 との関連を明確にし, 児童生徒に体験活動に ついてあ らかじめ調べたり,活動計画を立てさせたりするなどの事前学習を実施する。 ○事後学習 体験活動の効果を更に高めるため,各教科等において児童生徒に体験活動 を振り返らせるなどの事後学習を実施する。 (オ) 研究の成果 事業開始時,主な体験活動後及び終了時に研究課題に応じたアンケート調査(児 童生徒の自尊感情並びに暴力行為及び不登校に関する生徒指導上の諸問題の実態 等の集計を参考にすること等も考えられる。)を実施し,その結果の活用等により, 客観的・定量的に把握するよう努める。 なお,県教育委員会は,別に定める様式により推進地域の児童生徒,教職員, 保護者及び地域住民を対象とした意識調査を行う。 (3)県教育委員会は,推進校校長(メニュー1),推進地域代表校長(メニュー2・3), 推進校担当者(メニュー1),推進地域代表担当者(メニュー2・3),県教育委員会 関係者等により構成する道徳教育研究協議会を設置し,研究成果の報告等を行う。 (4)県教育委員会は,推進校担当者(メニュー1),推進地域代表担当者(メニュー2・ 3),県教育委員会関係者等により構成する道徳教育実践研究委員会を設置し,児童生 徒の発達の段階及び地域等の実情を踏まえ,効果的な指導方法等の実践研究や授業研 究などを通じて教員の指導力の向上に資する実践研究を行い,その成果を普及する。 (5)推進地域及び推進校は,児童生徒の発達の段階及び地域等の実情を踏まえ, 効果的 な指導方法等の開発や共有などを通じて教員の指導力の向上に資するとともに,児童 生徒のよりよい生き方を実践する力を育む道徳教育を推進するための実践研究を行い , その成果を普及する。 (6)推進地域及び推進校は,学校教育関係者のほか,保護者,社会教育関係者,福祉・ ボランティア等に関する団体をはじめ各種団体の関係者,学識経験者,その他道徳教 育を推進する上で必要な者と連携・協力し,実践研究を行う。 (7)推進地域及び推進校は,県教育委員会の求めに応じて県教育委員会が主催する研修 等に協力するとともに,道徳教育にかかわる教育活動の公開を積極的に進め,研究成 果の普及を図る。 (8)県教育委員会は,推進地域及び推進校並びにその関係市町教育委員会に対し,本事 業の実施に関して必要な指導・助言を行う。 - 69 - 3 市町教育委員会等による事業の実施 前記1,2に定めるほか,推進地域における委託による事業の実施については,別紙 「『道徳教育改善・充実』総合対策事業 委託要項」による。 4 県立学校における事業の実施 (1)指定等 ア 本事業を希望する県立学校は,別紙様式1・2により実施計画書等を作成し,県 教育委員会に提出する。 イ 県教育委員会は,前記アにより提出された実施計画書等を審査の上,その内容が 適切であると認めた場合,推進校を指定し,支援のための所要額を決定する。 (2)指定期間 指定期間は,県教育委員会が指定した日から同日を含む年度の2月19日(週休日 の場合は翌課業日)までとする。 (3)事業の経費等 県教育委員会は,事業実施計画の内容等を総合的に勘案し,本事業の実施に必要な 経費のうち,別紙「実施計画書作成の留意点と経費項目等について」に掲げる経費に ついては,予算の範囲内で推進校に令達する。 推進校は,10月末現在の経費処理状況について,別紙様式3により「経費中間処 理状況」を作成し,支出を証する書類の写を添付の上11月14日 (週休日の場合は 翌課業日)までに県教育委員会に提出する。 (4)事業完了の報告等 ア 推進校は,委託事業の終了後,別紙様式4により「完了報告書」を,別紙様式5 により「経費処理状況」及び支出を証する書類の写を添付し,事業年度の2月19 日(週休日の場合は翌課業日) までに県教育委員会に提出する。 イ 推進校は,事業開始時及び終了時に研究課題に応じたアンケート調査(すでに実 施している学校評価等と関連付けることなども考えられる。)を実施し,その活用等 を含む,事業を通じた成果や課題についてとりまとめた成果報告書を作成し,前記 アによる期限までに県教育委員会提出する。 ウ 県教育員会は,完了報告書等のほ か,必要に応じて推進校の取組及び経費処理状 況について確認するための資料を求めることができる。 エ 報告書等の記載内容及び添付資料は,県教育委員会,文部科学省において,ホー ムページ等により公表することを予定している。 5 その他 (1)県教育委員会は,必要に応じて,本事業の実施状況及び経費処理状況について実態 調査を行う。 (2)この要項に定めのない事項で事業の実施に必要な事項は,必要に応じて,県教育委 員会が別に指示する。 (3)国の予算等の事情により,本事業の内容変更や中止もあり得る。 附則 この要項は,平成27年4月1日から施行する。 - 70 -