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軽量サンドイッチ構造材料による簡易建物の開発研究 Study on

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軽量サンドイッチ構造材料による簡易建物の開発研究 Study on
〈一般研究課題〉
軽量サンドイッチ構造材料による
簡易建物の開発研究
助 成 研 究 者 豊橋技術科学大学 松本 幸大
軽量サンドイッチ構造材料による簡易建物の開発研究
松本 幸大
(豊橋技術科学大学)
Study on simplified structure using lightweight-sandwiched
structural materials
Yukihiro MATSUMOTO
(Toyohashi University of Technology)
Abstract:
FRP material has good characteristics such as light-weight, high-strength and high-corrosion
resistance. Light-weight structure possesses some advantages over the rational constructing
procedure such as self-building structures. By the way, the tapping screws are adopted in thinwalled steel structure because tapping screw can provide the easy and rational joint system. That’
s
why, an alternative joint system for FRP structures using tapping screw is proposed and the joint
strength is investigated through experiments in this paper. Thus, the experimental study, pull-out
tests using tapping screw and FRP plates, shear tensile tests of single lap joint and shear tensile
tests of double lap joint, are carried out. Based on these, it will be suggested that the present joint
system provides the easy, rational and economical joint system for GFRP temporary structures.
1.はじめに
我が国は自然災害が極めて多い国であり,特に構造物に広範な地域が甚大な被害が生じた際は,
早期の復興・復旧体制のために期限付き構造物の建設が進められる。すなわち,東日本大震災の発
生や,近年大型化し被害が顕著となっている台風,また,南海トラフ大地震が危惧される我が国の
自然災害対策において,被災後に迅速に生活環境を再構築できる仮設住宅の必要性が増している。
東日本大震災の避難者は地震直後に約47万に及び,不自由な生活を強いられたが,同時に建設型
- 119 -
仮設住宅の着工も始まり,約5万戸が建設された。こうした自然災害に対する備えは必要である
が,有事の際にのみ使用する仮設住宅を常時備蓄しておくことは,保管場所や運搬の面で現実的で
は無く,常時流通している材料等を非常時に活用することが出来れば迅速な対応・流通経路の多重
化・価格の抑制に有効であり,様々な提案がなされている 1-3)。
ところで,繊維硬化樹脂(Fiber Reinforced Polymer:以下,FRP)は,軽量で高強度な材料とし
ところで,繊維硬化樹脂(Fiber Reinforced Polymer:以下,FRP)は,軽量で高強度な材料と
て,近年,各種分野の構造材として応用が進んでいる。FRPには,高い比強度を持つという構造
して,近年,各種分野の構造材として応用が進んでいる。FRP には,高い比強度を持つという
的利点の他,高耐食性,成形の自由度が良い等の特徴があり,建設分野のみならず車輌や航空機,
構造的利点の他,高耐食性,成形の自由度が良い等の特徴があり,建設分野のみならず車輌や航
宇宙の分野に多く利用されている。これらの特徴は構造物の耐震性,長寿命化,施工の容易さに繋
空機,宇宙の分野に多く利用されている。これらの特徴は構造物の耐震性,長寿命化,施工の容
がることから,災害対策の材料としても有意であると言える。FRP材は建築分野では,食堂や屋
易さに繋がることから,災害対策の材料としても有意であると言える。FRP 材は建築分野では,
内プール等の大空間の屋根架構に利用されたり,土木分野では歩道橋,橋梁などの点検用の検査
食堂や屋内プール等の大空間の屋根架構に利用されたり,土木分野では歩道橋,橋梁などの点検
路,水門扉等に利用されたりしており 4),軽量性を活かした短期施工が可能となっている。FRPを
用の検査路,水門扉等に利用されたりしており 4),軽量性を活かした短期施工が可能となってい
用いた軽量建設構造物の提案は,軽量性や加工性等を活かすことで従来の建築構造を大きく変える
る。FRP を用いた軽量建設構造物の提案は,軽量性や加工性等を活かすことで従来の建築構造
可能性を秘めているが,現状ではFRP材で構造物を構成する際に不可欠となる接合部の力学的性
を大きく変える可能性を秘めているが,現状では FRP 材で構造物を構成する際に不可欠となる
状は十分に明らかになっておらず,特に設計法の整備やその基となる研究成果の蓄積が必要であ
接合部の力学的性状は十分に明らかになっておらず,特に設計法の整備やその基となる研究成果
る。
の蓄積が必要である。
こうした観点から,本研究では,仮設住宅等の軽量鉄骨造の接合部等に用いられている,下穴加
こうした観点から,本研究では,仮設住宅等の軽量鉄骨造の接合部等に用いられている,下穴
工が不要で現場施工性に優れるタッピングドリル接合と軽量薄肉なFRP材およびそのサンドイッ
加工が不要で現場施工性に優れるタッピングドリル接合と軽量薄肉な FRP 材およびそのサンド
チ構造材を応用した簡易建物を想定し,GFRP
(Glass
Fiber
Reinforced
イッチ構造材を応用した簡易建物を想定し,GFRP
(Glass
Fiber
ReinforcedPolymer:以下,GFRP)
Polymer:以下,GFRP)
材の接合に関する検討を主として検討し,災害時に応用可能な簡易建物の開発研究に繋げるもので
材の接合に関する検討を主として検討し,災害時に応用可能な簡易建物の開発研究に繋げるもの
ある。
である。
2.構造物と接合試験の概要
構造物と接合試験の概要
5, 6) 6)
サンドイッチ構造材は,構造材の軽量化を目的として多くの提案がなされている
サンドイッチ構造材は,構造材の軽量化を目的として多くの提案がなされている 5,。本研究で
。本研究
はサンドイッチ構造の表面材にハンドレイアップ成形されたGFRP材,コア材に断熱材を用いた材
ではサンドイッチ構造の表面材にハンドレイアップ成形された GFRP 材,コア材に断熱材を用い
料を,またそれらを接合するための構造材についてもハンドレイアップ成形されたGFRPの板材や
た材料を,またそれらを接合するための構造材についてもハンドレイアップ成形された GFRP
L形材を用いて,図1に示すようなタッピングドリルを用いて図2のように構成する。こうした接合
の板材や L 形材を用いて,
図 1 に示すようなタッピングドリルを用いて図 2 のように構成する。
部
(タッピングドリル接合部)
には,(1) 引抜力,(2) 1面剪断力,(3)
こうした接合部(タッピングドリル接合部)には,(1)
引抜力,(2)2面剪断力が作用すると考えら
1 面剪断力,(3) 2 面剪断力が
作用すると考えられることから,それぞれの外力条件における接合部耐力試験を行った。試験は
れることから,それぞれの外力条件における接合部耐力試験を行った。試験は1MN級万能試験機
1MN 級万能試験機を使用し,準静的試験とした。
を使用し,準静的試験とした。
1 面剪断
2 面剪断
引抜
図1 タ
ッピングドリル
図 1
タッピングドリル
図2 接合部の概要
図 2 接合部の概要
使用材料は,ハンドレイアップ成形された GFRP 板材であり,図 3 に示すような材料試験 16
- 120 -
使用材料は,ハンドレイアップ成形されたGFRP板材であり,図3に示すような材料試験16体を
体を実施し,表 1 に示す機械的性質を得ている。
実施し,表1に示す機械的性質を得ている。
1 材料試験結果
表表1 材料試験結果
平均
最大
最大応力
弾性
弾性係数
板厚
応力
の
係数
の
[mm]
[MPa]
変動係数
[GPa]
変動係数
4.47
108.82
0.10
9.03
0.09
図図3 材料試験の様子
3 材料試験の様子
引抜耐力評価
2.1
引抜耐力評価
面外引抜試験におけるGFRP材と試験治具を図4に示し,試験時の様子を図5に示す。試験体は,
面外引抜試験における GFRP 材と試験治具を図 4 に示し,試験時の様子を図 5 に示す。試験体
は,100mm×100mm の GFRP 板材に鋼製の円形プレートを挟んでタッピングドリルを 1 本打っ
100mm×100mmのGFRP板材に鋼製の円形プレートを挟んでタッピングドリルを1本打ったものを
たものを箱型治具の上に逆さに置き,その上からドリルに被せるように中央が途中までくり抜か
箱型治具の上に逆さに置き,その上からドリルに被せるように中央が途中までくり抜かれた鋼製の
れた鋼製の丸棒を置き,その丸棒に圧縮荷重をかけることでドリルが GFRP 板材に対して引き抜
丸棒を置き,その丸棒に圧縮荷重をかけることでドリルがGFRP板材に対して引き抜かれるように
かれるように作用させることで,引抜耐力を評価した。
作用させることで,引抜耐力を評価した。
図4 試験方法
図
4 試験方法
図図5 試験の様子
5 試験の様子
図6に試験から得られた荷重-クロスヘッド変位関係を,表2に試験結果の平均値を示す。試験
図 6 に試験から得られた荷重-クロスヘッド変位関係を,表 2 に試験結果の平均値を示す。試
は公称板厚3mmと4mmのGFRP板材に対して各10体行った。また,図7に荷重-Δk/k関係の一例
験は公称板厚 3mm と 4mm の GFRP 板材に対して各 10 体行った。また,図 7 に荷重-Δk/k 関
を示す。kは,最大荷重をPmaxとして,荷重-変位関係の0.2Pmax~0.5Pmaxで線形補完した時の傾き,
係の一例を示す。k は,最大荷重を Pmax として,荷重-変位関係の 0.2Pmax~0.5Pmax で線形補完
Δkは荷重-変位関係のあるプロットと直前のプロットの傾きを意味する。すなわち,この荷重-
した時の傾き,Δk は荷重-変位関係のあるプロットと直前のプロットの傾きを意味する。すな
Δk/k関係から荷重-変位関係の線形性が読み取れる。
わち,この荷重-Δk/k 関係から荷重-変位関係の線形性が読み取れる。
3mm材の平均耐力は1.51kNであり,4mm材では2.13kNであった。これらをそれぞれの平均板厚
3mm 材の平均耐力は 1.51kN であり,4mm 材では 2.13kN であった。これらをそれぞれの平均
で評価した単位板厚あたりの平均耐力は,3mm材が0.42kN,4mm材が0.46kNと概ね等しい結果と
板厚で評価した単位板厚あたりの平均耐力は,3mm 材が 0.42kN,4mm 材が 0.46kN と概ね等し
なった。これはGFRP板厚方向の機械的性質は樹脂の影響が大きいことから,板厚に比例した耐力
い結果となった。これは GFRP 板厚方向の機械的性質は樹脂の影響が大きいことから,板厚に比
を示していると言え,今後,板厚が変化した場合でも本試験結果を援用することで耐力評価が可能
であることを示唆している。ここで,荷重-Δk/k関係のΔk/kが0.5を下回る荷重に注目すると,
- 121 -
例した耐力を示していると言え,
例した耐力を示していると言え,今後,
今後,板厚が変化した場合でも本試験結果を援用することで耐
板厚が変化した場合でも本試験結果を援用することで耐
3mm材では0.88P
,4mm材では0.93P
であった。また,文献7での評価で用いられている,耐力
max
max
力評価が可能であることを示唆している。ここで,荷重-Δk/k
関係のΔk/k
力評価が可能であることを示唆している。ここで,荷重-Δk/k
関係のΔk/k が
が 0.5
0.5 を下回る荷重
を下回る荷重
から標準偏差の3倍を引いた値で耐力を規定すると,3mm材では0.71P
,4mm材では0.73P
max
max で
に注目すると,3mm
に注目すると,3mm 材では
材では 0.88P
0.88Pmax,4mm
,4mm 材では
材では 0.93P
0.93Pmax であった。また,文献
であった。また,文献 7
7 での評価で
での評価で
max
max
あった。文献4によると,CFRP
(Carbon
Fiber reinforced Polymer)の設計基準強度の安全係数は
用いられている,
耐力から標準偏差の
3
3mm
,
用いられている,
耐力から標準偏差の
3 倍を引いた値で耐力を規定すると,
倍を引いた値で耐力を規定すると,
3mm 材では
材では 0.71P
0.71Pmax
max,
0.72が用いられており,また,文献8のFRP製サイロの設計基準強度は0.7P
maxが用いられているこ
4mm
であった。文献 4 によると,CFRP(Carbon Fiber reinforced
Polymer)の設計
4mm 材では
材では 0.73P
0.73Pmax
max であった。文献 4 によると,CFRP(Carbon Fiber reinforced Polymer)の設計
とを勘案すると,剛性の低下および耐力とその標準偏差で規定した強度は,既往の設計基準強度の
基準強度の安全係数は
基準強度の安全係数は 0.72
0.72 が用いられており,また,文献
が用いられており,また,文献 8
8の
の FRP
FRP 製サイロの設計基準強度は
製サイロの設計基準強度は
安全係数と同等であると言えた。
0.7P
が用いられていることを勘案すると,剛性の低下および耐力とその標準偏差で規定した
0.7Pmax
max が用いられていることを勘案すると,剛性の低下および耐力とその標準偏差で規定した
強度は,既往の設計基準強度の安全係数と同等であると言えた。
強度は,既往の設計基準強度の安全係数と同等であると言えた。
荷重[kN]
荷重[kN]
荷重[kN]
荷重[kN]
3.0
3.0
2.5
2.5
2.5
2.5
2.0
2.0
:3mm材
:3mm材
:4mm材
:4mm材
2.0
2.0
1.5
1.5
1.5
1.5
1.0
1.0
1.0
1.0
0.5
0.5
0.5
0.5
0.0
0.0
0.0
0.0
0.5
0.5
1.0
1.0
1.5
1.5
2.0
2.0
2.5
2.5
3.0
3.0
0.0
0.0
3.5
3.5
変位[mm]
変位[mm]
:3mm引抜
:3mm引抜
:4mm引抜
:4mm引抜
0.0
0.0
0.2
0.2
図
荷重-クロスヘッド変位関係
ド変位関係
図 6
6図6 荷重-クロスヘッ
荷重-クロスヘッド変位関係
0.4
0.4
0.6
0.6
0.8
0.8
1.0
1.0
1.2
1.2
1.4
1.4
1.6
1.6
変位[mm]
変位[mm]
図
7
関係
Δk/k関係
図 図7 荷重-
7 荷重-Δk/k
荷重-Δk/k
関係
表2 引抜試験の結果
表
表 2
2 引抜試験の結果
引抜試験の結果
平均実測板厚
平均実測板厚
平均耐力
平均耐力
[mm]
[mm]
[kN]
[kN]
3mm
3mm
3.57
3.57
1.51
1.51
0.10
0.10
0.42
0.42
4mm
4mm
4.62
4.62
2.13
2.13
0.09
0.09
0.46
0.46
板厚
板厚
変動係数
変動係数
板厚あたりの耐力
板厚あたりの耐力
[kN/mm]
[kN/mm]
面剪断耐力評価
面剪断耐力評価
2.2
1 面剪断耐力評価
1
1 面剪断試験における
面剪断試験における GFRP
GFRP 材と試験治具を図
材と試験治具を図 8
8 に示し,試験時の様子を図
に示し,試験時の様子を図 9
9 に示す。試験体
に示す。試験体
1面剪断試験におけるGFRP材と試験治具を図8に示し,試験時の様子を図9に示す。試験体は,
は,
は,150mm×50mm
150mm×50mm の
の GFRP
GFRP 板材
板材 22 枚を
枚を 50mm
50mm の区間で重ねたものをタッピングドリル
の区間で重ねたものをタッピングドリル 1
1 本で留
本で留
150mm×50mmのGFRP板材2枚を50mmの区間で重ねたものをタッピングドリル1本で留めて作成
めて作成した。
めて作成した。試験体の両端には鋼フラットバーを取り付けて引張試験の荷重作用軸が中心に来
試験体の両端には鋼フラットバーを取り付けて引張試験の荷重作用軸が中心に来
した。試験体の両端には鋼フラットバーを取り付けて引張試験の荷重作用軸が中心に来るように配
るように配慮している。さらに,実構造への応用を念頭に,接合部の止水として防水テープを用
るように配慮している。さらに,実構造への応用を念頭に,接合部の止水として防水テープを用
慮している。さらに,実構造への応用を念頭に,接合部の止水として防水テープを用いた試験体も
いた試験体も採用しており,
いた試験体も採用しており,防水テープ有りの試験体は
防水テープ有りの試験体は GFRP
GFRP と
と GFRP
GFRP の間に防水テープを挟ん
の間に防水テープを挟ん
採用しており,防水テープ有りの試験体はGFRPとGFRPの間に防水テープを挟んでドリルで留め
でドリルで留めている。
でドリルで留めている。この試験体を万能試験器で引張力を作用させることで
この試験体を万能試験器で引張力を作用させることで 1
1 面剪断耐力を評
面剪断耐力を評
ている。この試験体を万能試験器で引張力を作用させることで1面剪断耐力を評価した。
価した。
価した。
図10に試験から得られた荷重-クロスヘッド変位関係を,表3に試験結果の平均値を示す。試験
は公称板厚3mmと4mmについてそれぞれ防水テープの有無を変数として各5体行った。また,図11
に荷重-Δk/k関係の一例を示す。
3mm材の平均耐力は3.15kNであり,4mm材では4.05kNであった。これらをそれぞれ合計板厚平
均で割った単位板厚あたりの平均耐力は,3mm材が0.47kN,4mm材が0.45kNであり,引抜耐力と
同様に概ね等しい結果となった。本試験のような剪断接合形式の機械接合では,その接合部強度を
- 122 -
図 8 試験方法
図 8 試験方法
図 9 試験の様子
図 9 試験の様子
図 10 に試験から得られた荷重-クロスヘッド変位関係を,表 3 に試験結果の平均値を示す。
図 10 に試験から得られた荷重-クロスヘッド変位関係を,表
3 に試験結果の平均値を示す。
試験は公称板厚
3mm と 4mm についてそれぞれ防水テープの有無を変数として各
5 体行った。
試験は公称板厚
3mm と 4mm
についてそれぞれ防水テープの有無を変数として各 5 体行った。
また,図
11 に荷重-Δk/k
関係の一例を示す。
また,図 11 に荷重-Δk/k 関係の一例を示す。
図8 試験方法
図 8 試験方法
荷重[kN]
6.0
荷重[kN]
図図9 試験の様子
9 試験の様子
荷重[kN]
7.0
6.0
荷重[kN]
5.0
図 10 に試験から得られた荷重-クロスヘッド変位関係を,表
3 に試験結果の平均値を示す。
6.0
7.0
5.0
4.0
試験は公称板厚
3mm と 4mm についてそれぞれ防水テープの有無を変数として各
5 体行った。
5.0
6.0
4.0
3.0
4.0
5.0
また,図 11 に荷重-Δk/k 関係の一例を示す。
3.0
2.0
0.0
1.0
2.0
:3mm防水テープ無
:3mm防水テープ有
:3mm防水テープ無
:4mm防水テープ無
:3mm防水テープ有
:4mm防水テープ有
:4mm防水テープ無
3.0 :4mm防水テープ有
4.0 5.0 6.0 7.0
0.0
1.0
2.0
3.0
2.0
1.0
荷重[kN]
1.0
0.0
6.0
0.0
5.0
4.0
3.0
4.0
5.0
6.0
3.0
4.0
2.0
3.0
1.0
2.0
荷重[kN]
0.0
1.0
8.0
7.0
8.0
変位[mm]
変位[mm]
図 10 荷重-クロスヘッド変位関係
図10 荷重-クロスヘッ
ド変位関係
図 10
荷重-クロスヘッド変位関係
2.0
1.0
0.0
7.0 0.0
0.0
6.0 0.0
5.0
4.0
4mm
板厚
:二面せん断
0.2 0.4 0.6
0.8
有
無
無
有
防水
有
3.43
4.43
4.43
4.37
0.4
0.6
0.8
平均耐力
4.36
1.0
1.2
1.4
1.6
1.2
板厚あたりの耐力
板厚あたりの耐力
1.0 1.2
1.4 1.6
[kN/mm]
変動係数
変位[mm]
[kN/mm]
0.04
0.94
図 11
荷重-Δk/k 関係0.94
0.04
0.02
0.83
2.84
4.83
表 3 1 面剪断試験の結果
4.83
4.36
平均実測板厚
4.37
1.0
変位[mm]
1.4 1.6
図 11 荷重-Δk/k 関係 変位[mm]
Δk/k関係
図 図11 荷重-
11 荷重-Δk/k
関係
0.2
3.0
:3mm防水テープ無表3 1面剪断試験の結果
表 3 1 面剪断試験の結果
2.0
:3mm防水テープ有
:一面せん断
:4mm防水テープ無
1.0
表
3
1
面剪断試験の結果
:二面せん断
:4mm防水テープ有
防水
平均実測板厚
平均耐力
0.0
変動係数
1.0 防水
2.0 3.0 4.0
5.0 6.0 7.0 8.0 平均耐力
平均実測板厚
テープ
[mm]
[kN] 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8
板厚
0.0
板厚
変位[mm][kN]
テープ
[mm]
3mm
無
3.37
3.15
図
10
荷重-クロスヘッド変位関係
3mm
無
3.37
3.15
3mm
有
3.43
2.84
3mm
4mm
4mm
4mm
:一面せん断
:二面せん断
:一面せん断
0.02
0.10
0.10
0.13
0.13
変動係数
0.83
1.09
1.09
1.00
板厚あたりの耐力
1.00
テープ
[mm]
[kN]
[kN/mm]
3mm 材の平均耐力は 3.15kN であり,4mm 材では 4.05kN であった。これらをそれぞれ合計板
ボルト径dとFRP板厚t
Fを用いて,支圧強度fbを,
3mm
無
3.37
3.15 4.05kN であった。これらをそれぞれ合計板
0.04
0.94
3mm 材の平均耐力は
3.15kN
であり,4mm 材では
厚平均で割った単位板厚あたりの平均耐力は,3mm
材が 0.47kN,4mm 材が 0.45kN であり,引
3mm
有
3.43
2.84 材が 0.47kN,4mm
0.02
厚平均で割った単位板厚あたりの平均耐力は,3mm
材が 0.45kN 0.83
であり,引
抜耐力と同様に概ね等しい結果となった。本試験のような剪断接合形式の機械接合では,
その接
と表す。上式によって本接合方法の支圧強度を評価すると,防水テープ無し3mm材及び4mm材
4mm
無
4.43
4.83
0.10
1.09
抜耐力と同様に概ね等しい結果となった。本試験のような剪断接合形式の機械接合では,その接
で191MPa,182MPaと,既往の研究による引抜成形FRP材のボルト支圧強度 4)と同等の値が得ら
4mm
有
4.37
4.36
0.13
1.00
れていることが確認できた。荷重-Δk/k関係より,Δk/kが0.5を下回る荷重に注目すると,防水
テープ無3mm材で0.79P
,有で0.88P
max,防水テープ無4 mm材で0.79Pmax,有で0.74Pmaxであった。
3mm 材の平均耐力はmax3.15kN
であり,4mm
材では 4.05kN であった。これらをそれぞれ合計板
引抜試験同様に既往の設計基準強度における安全係数を上回る結果が得られた。
厚平均で割った単位板厚あたりの平均耐力は,3mm 材が 0.47kN,4mm 材が 0.45kN であり,引
接合部の力学挙動は,3mm材・4mm材ともに,荷重が最大荷重に達した後,緩やかに荷重が低下
抜耐力と同様に概ね等しい結果となった。
本試験のような剪断接合形式の機械接合では,その接
している。単位板厚あたりの耐力は3mm材と4mm材で同等の値であったが,それぞれで防水テー
プを挟むことで1~2割程の耐力低下がみられた。これは防水テープの厚み分だけFRP同士の軸間
距離が広くなり,作用するモーメントが増加するためであると考えられる。これは防水テープの厚
- 123 -
接合部の力学挙動は,3mm
接合部の力学挙動は,3mm 材・4mm
材・4mm 材ともに,荷重が最大荷重に達した後,緩やかに荷重が
材ともに,荷重が最大荷重に達した後,緩やかに荷重が
接合部の力学挙動は,3mm
材・4mm 材ともに,荷重が最大荷重に達した後,緩やかに荷重が
低下している。単位板厚あたりの耐力は
3mm 材と 4mm 材で同等の値であったが,それぞれで
低下している。単位板厚あたりの耐力は
低下している。単位板厚あたりの耐力は 3mm
3mm 材と
材と 4mm
4mm 材で同等の値であったが,それぞれで
材で同等の値であったが,それぞれで
低下している。単位板厚あたりの耐力は
3mm 材と 4mm 材で同等の値であったが,それぞれで
防水テープを挟むことで 1~2 割程の耐力低下がみられた。これは防水テープの厚み分だけ
FRP
防水テープを挟むことで
1~2
割程の耐力低下がみられた。これは防水テープの厚み分だけ
防水テープを挟むことで 1~2 割程の耐力低下がみられた。これは防水テープの厚み分だけ FRP
FRP
防水テープを挟むことで 1~2作用するモーメントが増加するためであると考えられる。
割程の耐力低下がみられた。これは防水テープの厚み分だけ
FRP
同士の軸間距離が広くなり,
これは防
同士の軸間距離が広くなり,
同士の軸間距離が広くなり,作用するモーメントが増加するためであると考えられる。
作用するモーメントが増加するためであると考えられる。これは防
これは防
同士の軸間距離が広くなり,
これは防
水テープの厚み分だけ GFRP作用するモーメントが増加するためであると考えられる。
同士の軸間距離が拡がり,GFRP 板内に作用するモーメントが増加
水テープの厚み分だけ
GFRP
同士の軸間距離が拡がり,
GFRP
板内に作用するモーメントが増加
水テープの厚み分だけ
GFRP
同士の軸間距離が拡がり,
GFRP
板内に作用するモーメントが増加
み分だけGFRP同士の軸間距離が拡がり,GFRP板内に作用するモーメントが増加するためである
水テープの厚み分だけ
GFRP 同士の軸間距離が拡がり,
GFRP 板内に作用するモーメントが増加
するためであると考えられる。すなわち,図
12 に示す応力状態を仮定すると,鉛直方向の力の
するためであると考えられる。すなわち,図
12
に示す応力状態を仮定すると,鉛直方向の力の
するためであると考えられる。すなわち,図
12
に示す応力状態を仮定すると,鉛直方向の力の
と考えられる。すなわち,図12に示す応力状態を仮定すると,鉛直方向の力の釣り合いは,
するためであると考えられる。すなわち,図
12 に示す応力状態を仮定すると,鉛直方向の力の
釣り合いは,
釣り合いは,
釣り合いは,
t x
1
1
釣り合いは,
1
1
 ttF  xx0  ttFFF  xx000  0 dd  PP
0x
0d
12 
1

x
d

12  00 x00 d  12
 tFF  x00  tF x0 x0  00 d  P
2  0 x0 d  2
2  tF  x0  xx00  0 d  P
x0
2
2
であり,中央位置でのモーメントの釣り合いは,
であり,中央位置でのモーメントの釣り合いは,
であり,中央位置でのモーメントの釣り合いは,
であり,中央位置でのモーメントの釣り合いは,
2
であり,中央位置でのモーメントの釣り合いは,
x0 22
2  tF  x0  1 

1   ttF 
1

1

x

1


 ttFF  xx00   11 tt  
1
1
1





1
x
d
x
t
x0  2
M
tt ) P

F
0

t

x
2

0d
12  00 x00 d  13 x00  12 ttt    tF 2xx0 2 
1 ((tt FF 






d
x
t
M



 x00  2  tF 3 x0   12 ttt 

12  0 x0 d  13 x0  12 tt    F 2 x0 0   00 d 
 12
 tttt )) P
M
tF 
P
(




3
2
2




 2 tt 

 2 (t F  tt ) P
x0 
M


2  0 x0 d  3 x0  2 tt   2 x00  0 d 
3




2
2 
2 x0
3
2 
2
3



と表される。これより,中立軸までの距離
x0 は次式のように得られる。
と表される。これより,中立軸までの距離
xx0 は次式のように得られる。
と表される。これより,中立軸までの距離x
0 は次式のように得られる。
と表される。これより,中立軸までの距離
は次式のように得られる。
7tF 22  6tF tt
と表される。これより,中立軸までの距離
x00 は次式のように得られる。
7
ttF 2 
6
ttF ttt
7
6

xx00 
tFF 2tF 6tttFFt t))tt
x0 
 712(
x0  12(
12(ttFF 
 ttt )
12(tFσと荷重
t)
また,縁応力
P は次式の関係となる。
0 t
また,縁応力
σ
と荷重
P
0
また,縁応力
σ
と荷重
P は次式の関係となる。
は次式の関係となる。
2
0
また,縁応力σ
 0 d (σt00Fと荷重Pは次式の関係となる。
また,縁応力
と荷重
2  2t F x0P) は次式の関係となる。
2

d
(

t

2
t
x
P   0 d (tF 2  2tF x0 ))
x0 2tFF x00 )
P
P
  0 d (tFF2
2
P 0
2 xx00
2 x0
これらの式より,FRP
板厚 tF と板厚同士の間隔 tt を用いて,縁応力 σ0 を一定としたときの荷重
これらの式より,FRP
これらの式より,FRP 板厚
板厚 ttFF と板厚同士の間隔
と板厚同士の間隔 tttt を用いて,縁応力
を用いて,縁応力 σ
σ00 を一定としたときの荷重
を一定としたときの荷重
これらの式より,FRP
板厚 tFFと板厚同士の間隔t
と板厚同士の間隔 tを用いて,縁応力σ
tt を用いて,縁応力
σ0 を一定としたときの荷重
を算出し,t
13 である。t
これらの式より,FRP板厚t
0 を一定としたときの荷重を
t と tt=0 に対する荷重の割合の関係を表したものが図
t の増加によって荷
を算出し,t
と
t
=0
に対する荷重の割合の関係を表したものが図
13
である。t
を算出し,ttt と ttt=0 に対する荷重の割合の関係を表したものが図 13 である。ttt の増加によって荷
の増加によって荷
を算出し,t
13 である。t
t と tt=0 に対する荷重の割合の関係を表したものが図
t の増加によって荷
重は低下するが,その低下率は
tF が厚いほど鈍感になっている。防水テープを挟んだ試験と比
算出し,t
tとtt=0に対する荷重の割合の関係を表したものが図13である。t
tの増加によって荷重は低
重は低下するが,その低下率は
t
が厚いほど鈍感になっている。防水テープを挟んだ試験と比
F
重は低下するが,その低下率は tF が厚いほど鈍感になっている。防水テープを挟んだ試験と比
重は低下するが,その低下率は
tF が厚いほど鈍感になっている。防水テープを挟んだ試験と比
較すると,
どちらも 1~2
割程の低下率であり,
図 12 の仮定に基づく耐力評価法と同程度の値で
下するが,その低下率はt
Fが厚いほど鈍感になっている。防水テープを挟んだ試験と比較すると,
較すると,
較すると,どちらも
どちらも 1~2
1~2 割程の低下率であり,
割程の低下率であり,図
図 12
12 の仮定に基づく耐力評価法と同程度の値で
の仮定に基づく耐力評価法と同程度の値で
較すると,
どちらも
1~2
割程の低下率であり,
図
12 の仮定に基づく耐力評価法と同程度の値で
あった。
どちらも1~2割程の低下率であり,図12の仮定に基づく耐力評価法と同程度の値であった。
あった。
あった。
あった。
tt=0 に対する荷重割合
1.2
:板厚3mm
:板厚4mm
:板厚5mm
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
間隔 tt[mm]
図12 1面剪断の応力状態の仮定
図 12
1 面剪断の応力状態の仮定
図13 t
tの変化に伴う荷重の変化
図 13
tt の変化に伴う荷重の変化
2.3 2 面剪断耐力評価
面剪断耐力評価
2面剪断試験におけるGFRP材と試験治具を図14,
15に示し,試験時の様子を図16に示す。試験
2 面剪断試験における GFRP 材と試験治具を図 14, 15 に示し,試験時の様子を図 16 に示す。
体は,150mm×50mmの4mmGFRP板材2枚と,153mm×60mmのGFRPサンドイッチパネル
(GFRP
試験体は,150mm×50mm
の 4mmGFRP 板材 2 枚と,153mm×60mm の GFRP サンドイッチパネ
厚3mm)
を用いて行った。まず,GFRP板とGFRPパネルを図14のように加工し,図15に示すよう
ル(GFRP 厚 3mm)を用いて行った。まず,GFRP 板と GFRP パネルを図 14 のように加工し,
にGFRPパネルの両面にGFRP板をタッピングドリルで留め,治具を取り付けた。そして,図16の
図 15 に示すように GFRP パネルの両面に GFRP 板をタッピングドリルで留め,治具を取り付け
ように万能試験器で両端をチャッキングし,引張力を作用させることで2面剪断耐力を評価した。
た。そして,図
16 のように万能試験器で両端をチャッキングし,引張力を作用させることで 2
図17に試験から得られた荷重-クロスヘッド変位関係を,表4に試験結果の平均値を示す。試験
面剪断耐力を評価した。
は防水テープの有無を変数として各5体行った。また,図11
(既出)に荷重-Δk/k関係の一例を示
す。
防水テープ無の2面剪断試験の平均耐力は6.48kNであり,3mm材の1面剪断試験と比較すると
2.06倍,防水テープ無の場合では1.92倍になっており,耐力に累加則が成立することが分かる。
- 124 -
図 15 に示すように GFRP パネルの両面に GFRP 板をタッピングドリルで留め,治具を取り付け
た。そして,図 16 のように万能試験器で両端をチャッキングし,引張力を作用させることで 2
面剪断耐力を評価した。
図14 GFRP試験体の加工状況
図 14
GFRP 試験体の加工状況
図 15 試験方法
図図15 試験方法
15 試験方法
荷重[kN]
7.0
荷重[kN]
6.0
7.0
:防水テープ無
:防水テープ有
:防水テープ無
5.0
6.0
4.0
5.0
:防水テープ有
3.0
4.0
2.0
3.0
1.0
2.0
0.0
1.0
0.0
防水
防水
テープ
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
変位[mm]
図17 荷重-クロスヘッ
ド変位関係変位[mm]
図 17
荷重-クロスヘッド変位関係
図 17 荷重-クロスヘッド変位関係
図図16 試験の様子
16 試験の様子
図 16 試験の様子
板厚
0.0
表 4 2 面剪断試験の結果
- 125 -
表
4
2
面剪断試験の結果
平均実測板厚
平均耐力
平均実測板厚
[mm]
平均耐力
[kN]
変動係数
0.0
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
変位[mm]
図 16 試験の様子
図 17 荷重-クロスヘッド変位関係
表 表4 2面剪断試験の結果
4 2 面剪断試験の結果
防水
平均実測板厚
平均耐力
テープ
[mm]
[kN]
3, 4mm
無
15.04
6.48
0.04
3, 4mm
有
14.62
5.46
0.05
板厚
変動係数
これまでと同様に荷重-Δk/k関係を考察すると,Δk/kが0.5を下回る荷重は,防水テープ無で
図 17 に試験から得られた荷重-クロスヘッド変位関係を,表 4 に試験結果の平均値を示す。
0.93P
max,有で0.94Pmaxであった。
試験は防水テープの有無を変数として各
5 体行った。また,図 11(既出)に荷重-Δk/k 関係の
接合部の力学挙動は,1面剪断試験と比較すると,最大荷重に達した後,急激に荷重が低下して
いる。また1面剪断試験と同様の理由から,平均耐力はテープを挟むことで1~2割程低下し,単位
板厚あたりの耐力も一面せん断試験と同等の値となった。
3.まとめ
GFRPのタッピングドリル接合部について,準静的引抜・1面剪断・2面剪断試験を行い,接合部
の耐力や力学挙動,またその設計強度と耐力評価法について分析を行った。
耐力とその標準偏差によって設計耐力を分析した結果,既往のFRP材の設計基準強度と最大耐
力の比率と同等の結果を得た。同様に,荷重-変位関係の0.2Pmax~0.5Pmaxの区間を線形補間した傾
きをk,プロット毎の傾きをΔkとしたときのΔk/kの値が0.5を下回った荷重を用いて,線形性によ
る耐力の分析を行った結果,既往のGFRP材の設計基準強度と最大耐力の比率を上回っており,設
計基準強度レベルで剛性低下は見られないことを明らかとした。設計用応力度として用いられる支
圧強度を算定した結果,既往のボルト接合時の支圧強度と同等の値が得られた。さらに,1面剪
断・2面剪断試験においてGFRP板の間隔と耐力の変化を評価する手法を示した。本評価法により,
実設計上必要となる止水材等が構造耐力に及ぼす影響を評価可能であると言える。
本研究では製作時に特別な設備を必要としない成形法であるハンドレイアップ成形されたGFRP
材を対象としたが,建設分野におけるFRP材の応用事例としては等断面長尺部材の大量成形が可
能であるが直交異方性の強い引抜材を用いることも多く見られることから,こうした材料における
評価も行い,接合用GFRP板材・L形材等は引抜材を用いることも考えられる。また,FRP材の
タッピングドリル接合に関しては,繰り返し荷重下の挙動が未解明であり,建築構造物に頻繁に作
用する風や積載物等の比較的小さな荷重による影響も今後確認する必要がある。
参考文献
1)原野泰典,塚越功,坂茂,山田伸典,手塚升:設備コアを構造体とした応急仮設住宅の提案,
日本建築学会技術報告集,第20号,pp.271-274, 2004.12
2)原野泰典,熊谷義宣,齋藤啓一,馬場峰雄,松本幸大: FRPサンドイッチパネルを用いた
仮設住宅の開発 その1 開発コンセプトと部材の概要,日本建築学会大会学術講演梗概集
(近畿),pp.1359-1360, 2014.9
3)馬場峰雄,熊谷義宣,齋藤啓一,松本幸大,原野泰典: FRPサンドイッチパネルを用いた
仮設住宅の開発 その2 構造実験,日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿),pp.1361-
- 126 -
1362, 2014.9
4)日本建築学会:FRP材を用いた合成構造に関する動向と将来への展望,日本建築学会大会 パネルディスカッション資料,2014.9
5)岡日出夫,山田聖志,五十嵐信哉,水島靖典:ALCパネルを芯材とする鋼板接着サンドイッ
チ床版の剛性と耐力,日本建築学会構造系論文集,No.660, pp.427-435, 2011
6)小泉公佑・中村一史・若林大・古谷嘉康・中井裕司・西田雅之:トラス桁形式GFRP製橋梁用
検査路の開発,第5回 FRP 複合構造・橋梁に関するシンポジウム講演集(CD-ROM),2014
7)強化プラスチック協会:繊維強化フェノール基複合材料設計基準,2007.12
8)日本建築学会:容器構造設計指針・同解説 第4版,日本建築学会,p.46,2010.3
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