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GS1 DataBar調査項目(案) - 一般財団法人流通システム開発センター
一般消費財分野で新しい標準バーコードの登場です ジーエスワン G S 1 データバー 財団法人 流通システム開発センター 一般消費財分野で、従来の JAN シンボルに加えて、新しい標準バーコードシンボルである GS1 データバーが、2010-2014 年の間に世界各地で段階的に利用可能となります。 ジーエスワン 流通システム分野の国際的な標準化機関である G S 1 では、一般消費財分野において従来のJANシンボ ルに加えて、定置式のPOSシステムでも読取が可能な4種類のGS1 データバーを、2010 年 1 月から以下 の通り利用可能としていくことで合意しました。 ① 2010 年から利用可能となるのは、合意された企業間における限定的な利用です。 ② 2010 年から 2014 年までの間、各国は読取機器やアプリケーション等の対応状況を踏まえ、それぞ れ段階的に導入を進めることになります。 ③ 2014 年の段階では、少なくとも、商品識別コード(GTIN)をソースマーキングした GS1 データバ ーが、何処でも(オープンに)読める体制が整えられることが求められています。 流通システム開発センターでは、これからPOSシステムやスキャナ、プリンタその他の関連機器の 導入、入替を行う企業に対して、GS1 データバー対応機種を選定されることを強く推奨いたします。 GS1 データバー とは? GS1 データバーは、現在、一般消費財分野で広く利用されている JAN シンボルと同様、定置式 POS シ ステムでも利用できることを目的とした新しい標準バーコードです。 その特徴は、JANシンボルに比べて、表示面積を少なくできる <GS1 データバーと JAN シンボルのサイズ比較> (省スペースである)こと。さらにアプリケーション識別子(AI と略、詳細は後述)を利用して、JANコード(商品識別コード、 以下GTIN※)以外に、有効期限やロット番号などの任意かつ複数 の商品属性情報を追加表示できることです。 ※ ジーティン G T I N (Global Trade Item Number):国際商品識別コード =従来の JAN コードや集合包装用商品コードなどの GS1 関連商品コードの総称 GS1 データバーは、1990 年代半ばに開発が始まり、2006 年秋にISO/IEC国際標準規格となりました※。 我が国においても、2008 年秋から一部の医療用医薬品の使用単位(個装)に表示されています。 ※ 当初はRSS(Reduced Space Symbology:省スペースシンボル)と呼称され、2007 年 2 月にGS1 データバーへ改称。 <事例 1 青果商品(ばら)へのマーキング例> <事例 2 AI を利用したマーキング例(08 年度店頭実験)> GS1 データバー標準二層型 GS1 データバー拡張多層型による日付管理実験例 日本の小売店頭にも GS1 データバー貼付の 表示データ項目(実験項目) GTIN(01)+販売期限時間(7003) 輸入果物が並び始めている 表示データ項目 GTIN(商品識別コード) 注:()内は AI 1 GS1 データバーの種類 GS1 データバーには 3 系統 7 種類のシンボルがありますが、生鮮や一般消費財での標準化の対象は定 置式の POS システムでも利用可能な次の 2 系統 4 種類のシンボルです。 1) 標準系(オムニディレクショナル系) JANコードと同様に、GTIN(商品識別コード)のみを表示するシンボルです。横 1 段の標準型(オム ニディレクショナル)と、標準タイプを分割して2段にした標準2層型(スタック・オムニディレク ショナル)の2種類があります。 特に標準2層タイプは、表示スペースの制約がある小物商品や、曲面へのシール添付が必要なばら 売りの青果物など、従来、マーキングが難しかったような商品への利用が期待されています。 2) 拡張系(エクスパンデッド系) GTIN(商品識別コード)に加えて、GS1-128 と同様にアプリケーション識別子(AI)を利用して、商 品の有効期間やロット番号などの任意の属性情報を複数表示可能なシンボルです。横 1 段の拡張型(エ クスパンデッド)と、拡張タイプを多段表示しにした拡張多層型(エクスパンデッド・スタック)の 2種類があります。 標準系が数字のみであるのに対して、拡張系はさらに英字(アルファベット)や 記号の利用も可能です。 GS1 データバーのシンボルの種類と特長 シンボル図 GS1 データバー標準型(オムニディレクショナル) GS1 データバーの基本形で、GTIN(商品識別コード)のみを横 1 段で表示しま す。幅は現在のJANと大差ないものの、高さを 10 ミリ以下にできます。 標 (0 1)0 49123 4512 3459 (実物大 X=0.25mm) 準 GS1 データバー標準2層型(スタック・オムニディレクショナル) 系 GTIN(商品識別コード)のみを横 1 段で表示する標準タイプを 2 段表示にした ものです。 球面体など、シンボル表示の横幅がとりにくい商品への利用を 想定しており、欧米を中心にばら売り青果や小物商品などへの利用が期待さ れています。 (01)04912345123459 (実物大 X=0.25mm) GS1 データバー拡張型(エクスパンデッド) GTN(商品識別コード)に加えて、AIを利用して商品の有効期限やロット番号 などの属性情報を、複数表示可能なもの。最大で数字 74 桁または英字 41 拡 文字までの情報を横 1 段で表示します。 張 GS1 データバー拡張多層型(エクスパンデッド・スタック) 系 横 1 段の拡張タイプを多段表示にしたものです。拡張タイプと同じ情報内容 ( 0 1)0 4 9 1 2 3 4 5 1 2 3 45 9 ( 1 7)0 8 1 0 1 5(1 0 )A B C1 2 3 (縮小サイズ。実物大は次頁) を、2 段から最大 11 段までの多層表現が可能なため、シンボルの表示スペ ースやデザインの自由度が飛躍的に向上します。 (01)04912345123459(17)081015(10)ABC123 (縮小サイズ。実物大は次頁) GS1 データバーを利用するには? 1) GS1 データバーの利用者側(小売業、卸売業など) GS1 データバーに対応した定置式 POS スキャナ(システム)やバーコードラベル発行機、計量プリン タ、ハンディターミナルなどのバーコード関連機器を準備する必要があります。 この場合、必要に応じてGS1 データバー対応機器へのアップグレードまたは入替えが発生します。 2) GS1 データバーのソースマーキング側(商品メーカーなど) 2010 年は「利用に合意した企業間」での使用開始であり、一般に広く流通する商品のバーコードシ ンボルを JAN シンボルから GS1 データバーへ切替えることは避けてください。なお、2014 年以降に 商品に表示するシンボルとして GS1 データバーを選択する場合でも、事前に取引先の読取り(スキ ャニング)に問題が無いことの十分な確認が必要です。 2 GS1 データバーのインストアでの利用は現在でも可能です 2010 年からの特定企業間での利用開始にかかわらず、小売業がGS1 データバーを企業内(インストア) 商品や、PB商品などの様に限られた取引先との間だけで利用する場合は、関係企業の準備さえ整えば現時点 でも実施可能です。 従来の JAN シンボルも引続き使用できます GS1 データバーが標準に加わった後も、これまで商品のマーキングに使われてきたJANシンボルは従来通 り使用できます。 GS1 データバーは、バーコード表示の省スペース化やAIを利用して商品の属性情報の 表示を実現していくのに適したシンボルであり、従来のJANシンボルとは補完関係にあります。 なお、JAN シンボルで表示スペースが充分に取れている場合や、商品属性情報を追加する必要のない 場合には、従来から使用している JAN シンボルを GS1 データバーに変更する必要はありません。 アプリケーション識別子(AI)とは? アプリケーション識別子(Application Identifier、略称 AI)は、製造年月日、有効期限、ロット番 号、重量などの各種の商品属性情報をバーコード化する際に、各属性情報の先頭に付加して、その種類 とフォーマット(データタイプ(数字/英数記号)、データ桁数、可変長/固定長の別)を管理する 2~4 桁の識別コードです。バーコード標記では、下記例の様に括弧付きの数字で表されます。 アプリケーション識別子による商品属性情報の追加利用例(実物大 X=0.25mm) <GS1 データバー拡張型による表示例> <GS1 データバー拡張多層型による表示例> (0 1 )0 4 9 1 23 4 5 1 2 3 45 9 (1 7 ) 08 1 0 1 5(1 0 )A B C1 2 3 (01)04912345123459 (17)081015 (10)ABC123 GTIN(商品識別コード) 有効期限(年月日) ロット No (01)04912345123459(17)081015(10)ABC123 アプリケーション識別子は、ISO/IEC15418 として現在約 120 種類の情報項目が国際的に標準化されて おり、GS1 データバーのほか、既に物流分野において GS1-128 シンボルでの利用が行われています。 アプリケーション識別子の種類(主要な部分のみ抜粋) AI(アプリケーション識別子) 抜粋 データ項目 AI SSCC 00 梱包シリアル番号 n2+n18 GTIN 01 商品識別コード (JANなど) 8桁、12桁、13桁、14桁がある。 n2+n14 ロット/バッチ番号 10 識別子の定義・内容 ロット番号,バッチ番号,加工処理番号等 フォーマット** n2+an...20 製造年月日 11 ISOのフォーマットYYMMDD n2+n6 包装年月日 13 ISOのフォーマットYYMMDD n2+n6 販売期限日 15 消費するのに最適な品質が保たれる期日。賞味・消費期限。ISOのフォーマット YYMMDD n2+n6 有効期限日 17 有効期限。 有効(使用)期限, 薬効期限等ISOのフォーマットYYMMDD n2+n6 数量 個数 30 不定貫商品の数量(個数) 計量 値 正味重量 310* 正味重量(キログラム)を表す。*は小数点以下の桁数を示す。 n4+n6 容量 315* 容量(リットル)をあらわす。 *は小数点以下の桁数を示す。 n4+n6 金額 計量金額 392* 不定貫商品の金額。*は小数点以下の桁数を示す。 n4+n6 原産国 422 原産国をあらわす n3+n3 8008 製造日および時刻 n4+n8+n…4 年月 日 その 他 製造時刻 企業内使用 n2+n…8 91-99 企業内または合意のある特定企業間で使用される情報項目 n2+an…30 **フォーマットの“n”は数字であることを、”an”は英数記号を示す。また、nやanのあとの数字はデータ桁数を示す。 数字だけの場合、固定長。 ” …”が前につくと可変長(例: n…8 は数字の可変長データで、最大8桁まで)。 3 各国における GS1 データバーの取組み状況(研究段階を含む) 1) 省スペース特性を利用して・・・ ・ばら売り青果物など、JAN シンボルによるマーキングが難しかった曲面のある商品に、GS1 データ バー標準二層型を利用して GTIN(商品識別コード)のソースマーキング化が推進されています。 ・従来、JAN シンボルでは貼付スペースの確保が難しかった小物商品などに対して、GS1 データバー を用いた GTIN(商品識別コード)のソースマーキング化が研究されています。 2) AI を利用して・・・ ・北米では、メーカークーポンのサービス内容や有効期限などを GS1 データバー拡張型などで表示し ていく予定です。 ・従来、インストアコード(小売社内商品コード+重量(または売価))で対応していた不定貫の肉 (冷凍パック肉など)に対して、取引先が AI を利用して、GTIN(商品識別コード)と重量や売価 などをソースマーキングしていくことが期待されています。 ・食品などの分野では、GTIN に加えて消費(賞味)期限やロット No などの情報項目をバーコード表 示することにより、日付管理やトレーサビリティなどへ利用していくことが期待されています。 ただし、ソースマーキングでAIを利用する検討は、まだ研究段階です。 <事例 3 クーポンの提供内容や有効期限のマーキング例> GS1 データバー拡張多層型 表示データ項目 クーポン詳細情報AI(8110) 注:()内は AI <事例 5 AIを利用したマーキング例(08 年度店頭実験)> GS1 データバー拡張型の値引処理への利用実験例 <事例 4 小物商品へのマーキング例> GS1 データバー標準二層型(研究段階) 表示データ項目(実験項目) GTIN(01)+販売期限(98)+個体識別番号 +値引情報(97) 注:()内は AI 表示データ項目 GTIN(商品識別コード) GS1 データバー利用に向けた日本国内の取組み GS1 データバーを広く利用していくには、まず小売業などの利用者側における POS システム関連機 器の対応が必要です。 * 日本国内の小売業、卸売業における GS1 データバーへの対応は現在進行中の状況です。 今後、機器の更新や導入の際には、GS1 データバー対応機種の採用を強くお願いいたします。 * このほか、ソースマーキング商品への利用には商品メーカーにおける対応も必要となります。 * 当センターでは、国際的な GS1 データバーの推進、利用状況を視野に入れつつ、GS1 データバーの 日本国内でのスムーズな利用、普及に向けた検討を進めています。具体的には、GS1 データバーの 利用分野、利用方法などの研究をはじめ、課題の整理や標準化、ソースマーキングなどの推進検討 のほか、関連機器の普及 PR などを進めていきます。 GS1 データバーのお問い合せは・・・ 財団法人流通システム開発センター 4 プラースカナダ 3 階 東京都港区赤坂 7-3-37 (担当) 森・上田・西山・斎藤 http://www.dsri.jp/baredi/databar.htm Tel:03-5414-8515/8520 電子メール:[email protected]