...

1 まちなかゾーン (歩行者・公共交通優先ゾーン)

by user

on
Category: Documents
1

views

Report

Comments

Transcript

1 まちなかゾーン (歩行者・公共交通優先ゾーン)
まちなかゾーン
1
(歩行者・公共交通優先ゾーン)
19
20
1
(1)
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
歩行環境等の確保
① 歩けるまちづくりの推進
現状と展望
金沢のまちなかは、約 420 年間にわたり戦禍にまみえていない非戦災都市であるた
め、藩政期につくられたまちなみがほぼそのまま残っており、独特の風情を醸し出して
いる。藩政期において、歩くことを前提としてつくられた金沢のまちなかには、歩くこ
とのできる範囲にさまざまな都市機能が集積しており、歩くことで見えてくるまちなみ
や施設、自然などが存在している。
その一方で、非戦災都市であるが故に、まちなかは道路が狭く、曲がりくねっている。
そのため、自動車の許容能力が低く、金沢の風情を守り続けるには、まちなかでの道路
容量の拡大は限界にきており、これ以上のマイカー依存には十分に対応できない構造と
なっている。
このような金沢の特性を踏まえると、国内外の事例にみられるように、公共交通でま
ちなかを訪れ、まちなかの歩行回遊性を向上させる方がまちなかが賑わうとともに、金
沢らしい趣のあるまちを形づくることができると考える。
■ 金沢市と他都市との道路状況の比較(都市計画道路で算出)
金沢の整備済道路密度は北陸の他都市に比べ約 7 割
うち多車線道路では密度が他都市の約 4 割(金沢はほとんどが 2 車線(片側 1 車線)
)
多車線道路密度(km/km2)
整備済道路密度(km/km2)
5.16
6.00
5.00
5.49
5.00
3.80
4.00
4.22
3.00
3.00
2.00
2.00
1.56
1.00
1.00
0.00
4.04
4.00
金沢市
福井市
0.00
富山市
金沢市
福井市
富山市
※多車線道路とは幅員 20m以上の道路
出典:金沢都市圏新しい交通システム導入計画調査報告書(H10.3)
29
■ 公共交通で来街する人は、自動車で来街する人よりも滞在時間が長い(国内事例)
交通手段別の中心市街地滞在時間(富山市)
0%
自動車
20%
40%
17.3%
公共交通機関等
53.4%
22.0%
1時間未満
60%
20.0%
2時間未満
26.0%
3時間未満
80%
100%
19.5%
9.0% 0.8%
18.0%
5時間未満
公共交通機関では
2時間以上の滞在
が約6割を占める
14.0%
5時間以上
出典:中心商店街地区回遊性確保調査報告書(H16:富山市)より
中心市街地における滞在時間の分布(広島市)
0%
自動車
路面電車
20%
40%
21.5%
15.2%
1時間未満
60%
32.9%
26.7%
2時間未満
80%
31.0%
28.8%
3時間未満
3.9%
10.7%
15.7
5時間未満
自動車平均107分
路面電車平均157分
100%
路面電車の方が
平均50分
滞在時間が長くなる
13.6%
5時間以上
出典:広島大学大学院国際協力研究科 岡村敏之助手(当時)の論文より
■ 歩行者や公共交通を優先する都市では中心部が活性化(海外事例)
○フランス(ストラスブール市)
LRT導入にともない、中心部広場を歩行者専用
ゾーンにしたところ、歩行者通行量が20%増加
買い物目的の中心部への移動回数が33%増加
(1997年ストラスブール広域共同体調査)
ストラスブール市
○ドイツ(フライブルグ市、ハメルン市、ゴディンゲン市)
歩行者道化により、71∼85%の商店で
売り上げが増加
(1980 年代後半、フライブルグ市、ハメルン市、
ゴティンゲン市の調査)
フライブルグ市
○イギリス(レスター市)
自動車交通量
商店空き家率
歩行者道化した区間は商店の空き家率が最も低い
0台(歩行者道化)
03.1%
(レスター市内 29 区間、1992 年)
200 台/時未満
06.4%
200 台以上 500 台/時未満
10.4%
500 台/時以上
15.1%
30
■ 竪町商店街地区歩けるまちづくり効果検証結果
歩行者天国実施前後に歩行者通行量、自動車交通量を測定し、また、歩行者天国実施後に来
街者アンケート、商店主アンケートを実施し、歩けるまちづくり推進の効果を検証した。
・歩行者数(※)は歩行者天国実施前と比べて概ね増加している。交通規制実施後に、来街回
数が増えたと回答した方が約3割、滞在時間が増えたと回答した方が2割を越えた。
≪歩行者通行量(平日)≫
H17 平日
13,077
砂場ビル前
H17 休日
約230 人(2 %)増加
11,020
6,602
ムロノビル前
約620人(9%) 増加
3,677
まるみやビル前
約250人(7%)増加
2,500
5,000
(人/ 日)
7,500 10,000 12,500 15,000
≪来街回数の変化(来街者アンケート)≫
無回答
1.2%
約5,000人(17%)増加
33,535
19,308
21,975
約2,700人(14%)増加
8,067
約950人(12%)減少
7,122
0
10,000
20,000
30,000
40,000
調査日:平成 17 年 10 月 7 日(金)、9 日(日) 8:00∼20:00
平成 18 年 10 月 6 日(金)、8 日(日) 8:00∼20:00
※・・・金沢パティオの休業を加味した推計値
減った
12.8%
28,556
まるみやビル前
3,928
0
34,705
ムロノビル前
7,220
約4,700人(16%)増加
30,054
のと共栄信用金庫前
約920 人(8 %)減少
10,098
H18 休日(想定)
砂場ビル前
13,307
のと共栄信用金庫前
(人/ 日)
≪歩行者通行量(休日)≫
H18 平日(想定)
≪滞在時間の変化(来街者アンケート)≫
減った
3.7%
増えた
26.6%
変わらない
59.4%
無回答
2.6%
増えた
23.7%
来街者アンケート
平成 18 年 10 月 29 日(日)
11 月 17 日(日)
回答者 507 名
変わらない
70.0%
・歩行者天国の取り組みについて、来街者の約2/3、商店主の約1/2が良い取り組み
であると評価している。
≪歩行者天国化の評価(来街者アンケート)≫
≪歩行者天国化の評価 (商店主アンケート) ≫
良い取り組みである
64.9%
時間帯を延ばして欲しい
9.7%
他地区も実施して欲しい
廃止又は時間短縮して欲しい
ホコ天を廃 止又は時間 短縮し てほしい
4.4 %
5 .9%
0.4%
路上駐車できた方が良い
その他
2.8%
10%
1 2.5 %
その 他
2.2%
0%
23 .5%
良いと も悪 いともいえない
16.8%
無回答
1 7 .6 %
店の前 に路上駐 車でき た方が良い
8.5%
良いとも悪いとも言えない
(複数回答)
ホ コ天の 時間帯を伸ばし てほしい
11.4%
4 7.1 %
買い物 客に配慮 した良い 取り組 みである
(複数回答)
20%
30%
40%
50%
60%
70%
無回 答
0.0 %
5 .1%
1 0.0 %
20 .0%
30 .0%
40 .0%
50 .0%
商店主アンケート
平成 18 年 10 月 26 日(木)∼11 月 8 日(水)
回答店舗 136 店
【まとめ】
歩行者数は概ね増加している。また、来街回数、滞在時間ともに増加しており、交通規制がまち
の賑わい創出に寄与したと考えている。
平日の歩行者天国化については、来街者、商店主ともに、高い評価を与えており、商店街のイメ
ージアップにつながっているといえる。
31
今後の取り組み
① まちなかの回遊性の向上(歩行回遊ルートの設定)
まちなかにおいて、歩行者が快適に回遊できる環境を確保するという観点から、優先
的に整備等を行う歩行回遊ルートを設定する。
このルート上では、歩道などの整備による歩行者ネットワークの連続性の確保、公
園・緑地等の整備、用水の開渠化、電線類の地中化、わかりやすい誘導サインの設置、
トイレの整備などに努めるほか、沿道緑化や沿道に彫刻作品等を展示する等の賑わい創
出を行うなど、全庁横断的な取り組みを実施する。
また、道路の形態や地域の特性などに応じて、通過交通の抑制、カラー舗装化等によ
る歩行環境の改善など、歩く人にやさしい交通環境を整備する。あわせて、高齢者、子
ども、障害のある人など、市民の誰もが安全に楽しんで歩けるまちづくりに向けて、バ
リアフリー化やユニバーサルデザインに配慮した歩行環境の確保を推進する。
歩行回遊ルートのイメージ
新御影橋
s
ノ
32
② まちを歩く意識の醸成
まちを歩くことのメリットとしては、二酸化炭素を排出せず環境に優しいなど、社会
的メリットが強調されがちだが、まちを歩くことは、以下に掲げるように個々人にとっ
てもメリットの大きいことである。このような側面も強調しながら、まちを歩くことの
意識の醸成に努めていく。
【まちを歩くことは個々人にとってもメリットがある】
○歩く速さだからこそ初めて見えてくるまちの良さや新たな発見
金沢は、保存と開発が調和したまちである。まちの内外を結んだ街道を中心とし
た幹線道路では近代的なオフィスビルやファッションビルが建ち並ぶが、一歩裏通
りに入れば、伝統や歴史を感じさせてくれる「こまちなみ」や用水、曲がりくねっ
た小路、歴史的な由来のある町名がまちの奥行きを感じさせてくれる。
また、趣ある町家だけでなく時代に応じて改装を重ねたと思われるレトロ風の建
物や、歩いたことのない小路の意外な魅力に気づくことも多い。金沢の各時代の価
値観を重層的に感じながら、自分の知らない金沢の良さを再発見させてくれるのが
まちを歩くことの魅力である。
春の訪れ、用水のせせらぎ、空の高さ、庭の雪吊り、歩く速さだからこそ感じら
れるもの、触れられる四季がそこにはある。
33
○歩くことによる健康上のメリット
歩くことはまた、運動不足気味の現代
「健康日本 21」で理想とする歩数と
石川県民の歩数との比較
人にとって健康上の利点もある。近年、
12,000
メタボリックシンドロームへの関心が
10,000
高まっているが、厚生労働省が推進して
8,000
4,000
運動(健康日本 21)」では、生活習慣病
2,000
やその原因となる生活習慣の改善に関
0
(歩/日)
やすため、歩行を中心とした身体活動を
増加させるよう心掛けることを勧めて
7,347
6,753
男性
女性
6,000
いる「21 世紀における国民健康づくり
して、日常生活において身体活動量を増
10,000
「健康日本21」で
理想とする歩数
石川県民の歩数
※( )内は、「健康日本21」の歩数を100とした数値
(資料)県民健康・栄養実態調査
※県民健康・栄養実態調査(石川県・平成17年度)
(石川県・平成 17 年度)
いる。
鉄道や地下鉄で移動する都会の人に比べ、
“金沢の人は歩かない”と言われるが、
まちを歩く意識を醸成し、毎日の通勤やちょっとした機会に歩くことで、健康上も
大きなメリットを得ることができる。
○人とのふれあい、地域コミュニティの形成
まちなかを不規則に巡る小路が集まったところに見られる「広見」は、子どもの
遊び場や井戸端会議の場所としてだけでなく、時には防災拠点としての機能も果た
したとされ、人とのふれあいや地域コミュニティが形成された特徴的な場所ともな
っている。
このように、歩くからこそ、いろいろな人とのふれあいやちょっとした会話が生
まれ、生活へのうるおいや楽しさ、まちへの愛着を醸成し、まちを良くしていこう
とする意欲を高めることにもつながる。
道路で遊ぶ子どもイメージ
広見での地域イベントの例(野町地区)
34
【まちを歩くことは社会にもメリットがある】
○一人一人が歩くことによる地球温暖化の防止
地球温暖化は人類の存亡にも関
金沢市
21.5
24.6
34.9
その 他
ている。温室効果ガスの大半を占
工場や田畑から
マイナス6%の取り組みを進め
乗り物から
家庭 から
議定書で約束した温室効果ガス
お店や
オフィスから
わる問題であり、わが国では京都
自動車などの
部門別二酸化炭素排出量(2002 年度)
17.4 1.7
める二酸化炭素の排出量につい
てみると、金沢市は運輸部門(自
動車などの乗り物から)が 34.9%
石川県
28.1
27.5
15.6 14.3
14.5
を占めており、国全体や石川県全
体の平均と比べると突出してい
国
13.3 15.8
12.4
37.5
20.9
るのがわかる。
また、全国的に見ても、運輸部
0%
20%
40%
60%
80%
100%
金沢市環境保全課より
門における二酸化炭素排出量は増
加傾向にあり、議定書の約束期間
である 2008 年から 2012 年の間にマイナス6%を実現することが難しいといわれ
ている。その原因として、他の輸送機関の排出量が減少しているにも関わらず、自
家用自動車(マイカー)や営業用貨物車からの排出量が増加していることがあげら
れる。
こうしたことからも、地球温暖化を防止するためには、私たち一人一人がマイカ
ーの利用を控え、歩いたり公共交通を利用するなど、ライフスタイルや交通行動を
見直すことが欠かせないことを自覚することが大切である。
1990 年度と 2004 年度の各輸送機関の排出量の割合
船舶
6.3%
タクシー
2.3%
バス
2.2%
鉄道 航空
3.3% 3.3%
船舶
タクシー 4.9%
1.7%
バス
1.7%
自家用自動車
39.0%
鉄道
2.9%
航空
4.1%
自家用自動車
49.5%
営業用貨物車
17.0%
営業用貨物車
15.7%
自家用貨物車
18.1%
自家用貨物車
27.8%
2004 年度
1990 年度
1990 年度における排出量は2億 1,700 万トン CO2
2004 年度における排出量は2億 6,200 万トン CO2
35
14 年間で
20.7%も増加
○安全・安心の確保
かつて、みちは人のためにあり、人は、安全にそして安心して歩くことができた。
しかし現在は、モータリゼーションの進展により、みちには多くの自動車が通行し、
人は自らの安全を確認して歩行しなければならない状況にある。
歩けるまちづくりを推進することで、自動車の通行量が減少すれば、歩行者の安
全や安心が増大し、“みち”を、そして“まち”を車から人に取り戻すことができ
る。
○まちの賑わい創出
海外では、まちなかを歩行者・公共交通優先とする取り組みが進んでおり、その
ような都市では、まちが人々で賑わい、活気のある空間が創出されている。買い物
を目的とする来街者が増え、まちなかでの滞在時間が延びて、新しい客層も増えた
ことから、商店街の売上の増加や商業床価格の上昇、新しい業種の店舗の増加等、
まちの活性化につながっている。さらに、マイカーの進入を規制し歩行空間を整え
たことで、街の美観の形成にも寄与している。
ミラノ市中心部歩行者広場のにぎわい
○まちへの愛着の深まりとまちづくりの推進
普段何気なく車で通り過ごしている自らのまちを歩いてみることにより、そのま
ちの魅力や問題点を知ることができる。まちづくりの主役は、そのまちに住んでい
る一人一人であり、自分のまちへの愛着を深め、自主的な取り組みを実践すること
で、より良いまちづくりを推進できる。
36
【まちを歩く意識の醸成のために実施すること】
以上のことからも、まちを歩くことは、個々人にも社会にもメリットがある。このた
め、過度にマイカーに依存した生活から、公共交通を利用し、まちなかを歩くことの意
識醸成を図る。
具体的に取り組む施策は、次のとおりである。
1)歩けるまちづくり条例の適正な施行
2)まちなかを歩行者・公共交通優先とする条例の制定
3)さまざまな機会を捉えた市民会議や地域説明会の開催、チラシの配布
③ 歩けるまちづくり協定締結地区の拡大
上記の取り組みを進めることにより、竪町商店街地区、横安江町商店街地区、主計町
地区に続く、まちなかにおける歩けるまちづくり協定締結地区の拡大を目指す。
歩けるまちづくり協定の実現例
竪町商店街地区
H17.10.7
横安江町商店街地区
H18.4.14
主計町地区
H18.7.24
メインストリートの竪町通りを平日も歩行者天国に
するなど、住民や買い物客にとって、安全、快適な歩
行空間の確保を目指している。
昭和 47 年から続く横安江町通りの歩行者天国を維持
するとともに、金沢ふらっとバスが通行するトランジ
ットモールの特色を生かし、住民や買い物客が、安心
して、楽しく、快適に買い物できるまちづくりを推進
している。
主計町茶屋街として茶屋が軒を連ね、観光客などの来
街者が行き来する主計町通りにおいて、金沢の風情漂
う町並みを安心して、楽しく、快適に歩けるまちづく
りを推進している。
横安江町商店街地区
竪町商店街地区
37
1
(1)
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
歩行環境等の確保
② 歩行者の安全を重視した
交通環境の整備
現状と展望
山側環状の開通により、これまで大半が通過交通で占められていたまちなかの自動車
交通量が大幅に減少し、円滑な交通が確保された。また、この戦略では、まちなかはマ
イカーの利用を控え歩行者・公共交通を優先するという施策を打ち出している。
そうした中、最近の状況として、自動車交通量が減少した金沢駅∼武蔵ヶ辻∼香林坊
間など、まちなかの幹線道路沿いでは、円滑化された交通に比して、歩行者の信号待ち
による滞留が目立っている。
また、金沢固有の不整形な街路形態では、自動車と歩行者双方の円滑な交通には課題
も多いが、過度にマイカーに便利になっている箇所については、その見直しが求められ
る。
今後、まちなかの活性化の観点からも、政策的に歩行者を誘導し、回遊してもらうル
ートについては、歩行者にとってより安全で快適な交通環境を整備していく必要がある。
さらに、幹線道路の交差点での渋滞を避けるため、まちなかの細街路を抜け道として
通行する自動車が依然として多く見られる。これらの細街路は、地域住民の生活道路で
あるばかりでなく、まちなかを訪れた買い物客や観光客などが、ゆっくりと楽しみなが
ら歩く場所でもあることから、歩行者の安全性、快適な居住環境の確保、コミュニティ
形成などの観点から、通過交通を排除することが望まれる。
38
■ 信号無視をする歩行者数
リファーレ前交差点付近の歩行者横断歩道において、歩行者信号を無視する歩行者を計測
調査日時:平成 18 年 10 月 18 日(水)8:00∼8:45
信号を無視する歩行者は 30.4%
(横断者 444 人のうち 135 人が信号無視)
※歩行者用信号現示
青時間:1 分 30 秒、赤時間:57 秒
※流入する自動車:11 台
流出する自動車・104 台
至 金沢駅
ライブ1
ルキーナ金沢
信号を無視する歩行者は 38.0%
(横断者 50 人のうち 19 人が信号無視)
※歩行者用信号現示
青時間:20 秒、赤時間:2 分 4 秒
※流入する自動車:343 台
流出する自動車:361 台
リファーレ館
信号を無視する歩行者は 24.8%
(横断者 298 人のうち 74 人が信号無視)
至 武蔵ケ辻
39
※歩行者用信号現示
青時間:1 分 36 秒、赤時間:51 秒
※流入する自動車:55 台
流出する自動車:0 台
今後の取り組み
歩行者の安全を重視した交通環境の整備については、信号制御や交通規制等を含め、
交通管理者等と連携・協働を図りながら進める。また、国、県、市の道路管理者や交通
管理者と連絡協議会を設置し、歩行者の視点に立った取り組みを柔軟に進める。
① 歩行者を重視した交通環境
まちなかを歩行者・公共交通を優先するゾーンとして位置づけていることから、交通
管理者と協議しながら歩行者を重視した信号制御への転換を求めていく。
金沢駅∼武蔵ヶ辻∼香林坊間の幹線道路沿いについては、歩行者にとっての不都合を
是正するために、例えば、自動車流量を踏まえた歩行者信号の連動、歩行者信号時間の
延長や、歩行者の安全と停滞のない横断を確保するため、歩車分離型信号機の設置等を
求めていく。
一方で、歩行者に対しては、信号を守るなど、交通ルールを遵守するよう求めていく。
② まちなかにおける通過交通の排除
まちなかの細街路では、通過交通の流入により、安全・安心な居住環境が脅かされて
おり、地域住民の要望を踏まえながら、警察や道路管理者等の関係機関と協議の上で、
過度な通過交通を排除するための交通規制等を求めていく。
細街路に流入する通過交通車両
幅員の狭い細街路が残る旧市街地内の密集市街地等では、通過交通の流入に
より、安全・安心な居住環境が脅かされている。細街路の特徴を活かした安
全な歩行空間やたまりスペースの確保、沿道の緑化など、居住環境の向上が
重要である。
40
1
(1)
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
歩行環境等の確保
③ まちなかでの自転車走行環境の
改善・走行ルールの徹底
自転車一般については、「6-(3)-⑤自転車走行環境の改善・走行ルールの徹底」、
サイクル・アンド・ライドについては、「2-(2)-①サイクル・アンド・ライド用駐輪場
の設置と利用促進」を参照
現状と展望
自転車は、子どもから高齢者まで手軽に利用でき、比較的短距離の移動に適している
ため、通勤・通学や買い物などの日常生活に密着した交通手段である。
排気ガスを出さない地球環境にやさしい交通手段として注目されるばかりでなく、健
康増進効果も期待できることから、自転車利用を促進することが望まれる。
金沢市では、駐輪場の整備、走行環境の整備などを進めてきたが、特にまちなかゾー
ンについては、歩けるまちづくりを推進するという観点から、車両である自転車は、歩
行者に対する配慮も重要となってくる。
駐輪場配置図
■ 金沢市営自転車等駐車場
まちなかを中心に、現在まで 34 箇所
(約 7,400 台)の金沢市営自転車等駐車
場(駐輪場)を整備してきた。
41
■ 歩行者との共存が望まれる
放置自転車(イメージ)
歩行者への配慮が必要(イメージ)
今後の取り組み
① 歩行者と共存する走行環境の改善
藩政期の狭く曲がりくねった街路を受け継ぐまちなかにおいては、歩行者と共存する
自転車の走行環境を確保する必要がある。
金沢の道路環境を考慮すると、自転車専用道路の整備には時間を要することから、可
能な箇所については自転車も通行可能な「自転車歩行者道路」とするよう関係機関に求
めていく。
また、この戦略に基づき、まちなかゾーンにおいてマイカーの利用が控えられれば、
それにより空いた空間を活用して自転車専用道路を整備するなど、自転車の走行環境を
向上させることも可能になると考えられる。
② 自転車走行ルールの徹底
歩行者優先のまちなかにおいては、飲酒運転や傘さし運転、携帯電話で話しながらの
運転などの危険運転、無闇に自転車ベルを鳴らし歩行者を威圧しながらの運転などを行
わないといった自転車走行ルールの遵守が強く求められる。
歩行者と自転車の共存を図るため、チラシやポスターなどによる呼びかけを行うなど、
自転車走行ルールの周知徹底を図る取り組みを推進する。
③ 自転車駐輪マナーの周知徹底
広場や道路などの公共空間における駐輪は歩行者の通行を妨げ、放置自転車や駐輪場
における長期駐輪は撤去や駐輪場の管理費用の増大を招いている。
このため、チラシやポスターなどによる呼びかけなど、自転車駐輪マナーの向上を図
る取り組みを推進するが、本来的には市民自らが配慮すべきマナーであり、市民の自発
的な取り組みに期待したい。
42
1
(2)
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
公共交通の利便性向上
① 公共交通空白地域・不便地域の
解消
現状と展望
本市では、非戦災都市であるという都市の特性から、まちなかについては、マイカー
の利用を控え、歩けるまちづくりを進めようとしているが、それを実現するためには、
マイカーの代替機能として、高いサービス水準の公共交通が確保される必要がある。
本市のまちなかにおける公共交通のサービス水準は、主要幹線道路沿いについては、
バス交通を中心に比較的良好な水準にあるものの、坂道や非戦災都市であるが故に藩政
期から続く不整形で狭い街路が多く、人口密度・高齢化率がともに高い住宅地でありな
がら、道路状況の制約から大型の路線バスが運行できない公共交通空白地域(バス停ま
で遠い)や公共交通不便地域(バス停はあるが本数が少ない)が存在した。
このような状況を踏まえ、公共交通空白地域・不便地域の解消を図るため、平成 10
年度から「金沢ふらっとバス」を導入し、昼間時間帯のアクセス改善や、まちなかの賑
わい創出に大きく寄与してきたところである。
今後は、
①高齢社会を迎え増加する、公共交通が唯一の外出手段となる人の移動手段の確保
②運転免許を持たない若年層等の移動手段の確保
③マイカーから公共交通への転換の動機付け
④北陸新幹線で金沢駅に降り立つビジネスマンや観光客の移動手段の確保
などの観点から、まちなかにおける公共交通のサービス水準の更なる向上を図るととも
に、まちなかに残存している公共交通空白地域や不便地域の解消に努める必要がある。
43
■ まちなかの人口密度と高齢化の状況
まちなかゾーンの人口密度
7,000.0
6,000.0
5,810.8
5,000.0
4,000.0
3,000.0
2,000.0
1,000.0
972.6
まちなかゾーンの高齢化の状況
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
0.0
(人/k㎡)
18.1%
28.4%
81.9%
71.6%
金沢市
金沢市
まちなかゾー ン
まちなかゾーン
生産年齢人口
老年人口
■ まちなかの公共交通空白地域・不便地域
まちなかゾーンの公共交通空白地域・不便地域の人口(H17 住民基本台帳)
地域区分
人口
27,462 人
100.0%
バス運行本数が 100 本/日以上の地域
18,433 人
67.1%
公共交通不便地域(100 本/日未満)
7,565 人
27.5%
公共交通空白地域
1,464 人
5.3%
まちなかゾーン人口
■ 金沢ふらっとバスの導入
以下に掲げる5つの事項を主な「ねらい」
として、平成 10 年度から「金沢ふらっと
バス」を導入し、現在 3 ルートで運行して
いる。
①公共交通空白地域・不便地域のモビリティ向上
②高齢者等の日常的な足として地域内移動を支援
③中心市街地へのアクセス改善と中心市街地の活性化
④交流の活性化と地域コミュニティの形成支援
⑤都市内交通体系の一翼を担い、マイカー依存型の都市内移動からの脱却
44
金沢ふらっとバスの主な取り組み
年度
主な取り組み
平成 9 年度
「金沢市におけるコミュニティバス導入可能性調査」
平成 10 年度
此花ルート導入(2 台)
平成 11 年度
菊川ルート導入(3 台)
平成 13 年度
此花ルート金沢駅東バスターミナルへの乗り入れ
平成 14 年度
材木ルート導入(3 台)
平成 16 年度
材木ルート香林坊・広坂へ運行ルートを延伸
平成 18 年度
菊川ルート新型車両導入
■ 既存ふらっとバス(ルート別)利用者数の経年変化
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
(人)
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
此花ルート
菊川ルート
材木ルート
今後の取り組み
まちなかでは、歩行者・公共交通を優先するゾーンとして、公共交通の利便性を高め、
徒歩や公共交通のみでも移動が便利な交通環境を創出する。あわせて、マイカーの利用
を控えるライフスタイルを定着させる。
① 既存路線バスの増便や料金の低減
公共交通重要路線を中心としたバス本数の増便や、まちなかを中心とする料金低減に
より、まちなかでは気軽にバスで移動できる環境の実現を目指す。
「1-(2)-②均一区間の料金低減」、
「5-①公共交通重要路線の設定」を参照
45
② 金沢ふらっとバスの見直し・改善
ふらっとバスの導入により、まちなかに存在していた公共交通空白地域・不便地域は
解消しつつあるが、未だに残存していることを踏まえ、これらの解消のため、歩けるま
ちづくりの進捗状況やマイカー流入の抑制状況も踏まえながら、ふらっとバスの新規ル
ートの導入について検討する。
また、利用者にとってより利用しやすくなるよう周回時間の短縮など、既存ふらっと
バスの見直し・改善についても検討する。
具体的には、利用人数の少ないバス停について、地元とも相談しながら、そのバス停
を含むルートについて、利用者が一定期間経過しても増加しない場合には廃止や見直し
等を行うことを前提とした利用促進実験を行うなど、地域コミュニティと連携した取り
組みを行うことにより、地域住民が支えるバスであるという意識を醸成しつつ、利用者
増加に努めていく。
46
1
(2)
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
公共交通の利便性向上
② 均一区間の料金低減
現状と展望
まちなかゾーンは、おおむね 200 円均一区間のバス運賃である。
また、北陸鉄道では、平成 14 年の運賃改定により、香林坊∼武蔵ヶ辻区間(1.1km)
を 100 円の料金に設定している。
しかし、中心部から 100 円、200 円でカバーできるエリアの都市間比較や、地帯制エ
リアのうち 200 円均一区間を対キロ制にした場合の料金比較をみると、まちなかゾー
ンでの割高感は否めない。
こうした割高感もあり、金沢市中心部の商店街では、来街促進の取り組みとして、金
沢駅からの無料直行バスや無料ショッピングタクシーを期間限定で運行し、多くの人に
利用されている。
また、既に述べた香林坊∼武蔵ヶ辻間を 200 円から 100 円の料金にしたところ、利
用者が 2 倍以上になったという事例や、金沢バストリガー方式を初めて適用し実施して
いる金沢大学での 100 円バスの運行も、目標利用者数を大幅に上回るなど、本市にお
いては、料金の値下げにより交通事業者の収支が悪化するのではなく、むしろそれ以上
に利用者が増え、結局は値下げしたことによって収支が良くなったことを示す事例も多
い。
交通事業者としても、経営安定化を図るため、このような取り組みを積極的に検討す
べきであると考える。
以上のようなこれまでの状況に加え、環境面への配慮や中心市街地活性化の観点、さ
らにはこの戦略において、市民に対し、特にまちなかにおいてはマイカーから公共交通
への転換を求めることを踏まえると、均一区間の料金低減が望まれる。
また一方で、市民が公共交通を積極的に利用し、そのサービス水準を維持することが
求められる。
47
■ 均一運賃エリアの都市間比較(同縮尺)
金沢
※230 円地帯を超えると対キロ運賃
松山
博多
※基本は対キロ制
※対キロ制のため、図は松山駅からの運賃を採用
※最低運賃 150 円
※基本は対キロ制、まちなかのみ 100 円エリアを設定
※対キロ制のため、図は福岡天神からの運賃を採用
48
■ まちなか区域における 200 円均一区間と対キロ制にした場合の料金比較
バス停区間
まちなか区域内
まちなか区域外
①金沢駅−出羽町
②金沢駅−片町
③瓢箪町−片町
④橋場町−片町
⑤香林坊−泉1丁目
⑥金沢駅−幸町
⑦金沢駅−寺町3丁目
バス停間
距離
3.1km
2.2km
2.1km
2.2km
1.5km
3.3km
3.5km
現行運賃
(A)
200 円
200 円
200 円
200 円
200 円
200 円
200 円
対キロ運賃
(B)
差額
(A−B)
200 円
170 円
170 円
170 円
170 円
210 円
220 円
0円
30 円
30 円
30 円
30 円
△10 円
△20 円
■ 中心商店街の取り組み
取り組み概要
利用実績
35 日間で 6,961 人が利用
竪町商店街振興組合では、金沢駅西口からタテマ 1 日平均:行き 115.9 人 帰り 83.0 人
チを結ぶ無料直行バスを 1 日 9 便、1 時間おきに運 1 便平均:行き 12.9 人 帰り 9.2 人
行
期間:平成 18 年 10 月 7 日
∼平成 19 年 1 月 8 日
毎土日祝日の計 35 日間
26 日間で約 17,000 人が利用
無料ショッピングタクシー
1
日平均:約 650 人
金沢市中心部の商店街等で構成する「金沢中心商
[ti:]’s Free Bus の運行
店街まちづくり協議会」では、金沢駅東口から商
店街まで運行する無料ショッピングタクシーを運
行(協議会が発行する無料タウン情報誌にチケッ
トを添付、また駅前でも配布)
期間:平成 18 年 11 月 3 日∼平成 19 年 1 月 8 日
毎土日祝日の計 26 日間実施
49
(参考)
■ 福岡都心100円バスエリア
西日本鉄道(株)では、独自の取り組みとして平成 11 年 7 月 1 日より、 西鉄福岡駅と
JR 博多駅間の 1.5km 四方エリアの乗合バス運賃を 180 円(一部区間 220 円)から試
行的に 100 円とし、同時にエリア内に 100 円循環バスを導入した。さらに平成 12 年 4
月 1 日からは、エリアを拡大し 100 円運賃及び循環バスの運行を本格実施している。
【具体的な内容】
・割高感のある 180 円または 220 円区間を 100 円とした。
・エリア内には、ソラリアステージビル、博多リバレイン、キャナルシティ等の市内外を問わ
ず来訪者が多い施設が点在しており、この区間の回遊性を高めるうえで、100 円循環バスの
運行は効果的であった。
・導入当初は、100 円循環バスのみが 100 円という認識をもっている利用者が多かったこと
から、エリア内を運行するすべてのバスで、車内のアナウンスやバス停で、
「○○まで、100
円です。」といった案内を積極的に行った。
・1 キロ以内を徒歩または他の交通手段で移動していた人が、バスを1つの交通手段として、
気軽に利用するようになった。
・エリア内の利用人員が大幅な増加となり、市民等に定着していることから、対象地域を一部
拡大したうえで、平成 12 年 4 月 1 日以降本格実施した。
・本サービスの実施にあたって、行政の支援措置は受けていない。
福岡都心100円バスエリア
本格実施時の
バス運賃
100円エリア
試行時のバス運賃
100円エリア
バス運賃100円エリア(本格実施)
バス運賃100円エリア(試行時)
50
今後の取り組み
まちなかゾーンでは、公共交通による移動がしやすい環境を実現することで、マイカ
ーの利用を抑制し、歩けるまちづくりを推進することとしていることから、ゾーン内を
公共交通で移動する料金は利用しやすい水準に低減されることが望ましい。
その方向性としては、以下の2つのいずれかが、望ましいのではないかと考えており、
アンケートによるニーズ調査や交通実験の実施、必要があれば金沢バストリガー方式の
活用等も図りながら、その実現を目指す。
また、一方で、料金低減の実現に向けては、市民による公共交通の積極的な利用が不
可欠であることも十分認識する必要がある。
① 200円区間の料金低減
まちなかの 200 円区間については、現金での支払
いが主流であったころは 100 円硬貨2枚でわかりや
すく、降車時間も短時間ですむというメリットもあっ
たが、ICaの普及率が高まった現在では、そのメリ
ットも薄らいでいる。
このような状況も踏まえ、元来割高感のある 200
円区間については、抵抗感なく利用できる程度の料金
に低減することが望まれる。
200 円区間の料金低減
② 100円区間の延長
現在実施している香林坊∼武蔵ヶ辻間の 100 円運
行が好評であることから、100 円区間を延長すること
が望まれる。その際には、100 円にした際の利用者数
の増加や、割高感があるために商店街等が実施してい
る無料送迎の動向、それらが交通事業者の収支に与え
る影響も踏まえる必要がある。
51
100 円区間の延長
1
(2)
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
公共交通の利便性向上
③ バスで利用できるポイント制度の
導入
現状と展望
飛行機のマイレージプログラムは、その飛行距離に応じてマイルというポイントが貯
まり、貯まったマイルを無料航空券等に引き換えることができるサービスである。この
サービスは、航空会社の利用者増につながるとともに、リピーターを獲得する有効な手
段ともなっている。こうしたポイントを貯める楽しみを持つシステムをバスにも応用す
ることによって、「もっとバスに乗ってポイントを貯めよう」という意識が芽生え、現
在バスを利用している人がもっとバスを利用するだけでなく、これまでバスをあまり利
用したことのない人も興味や関心を持ち、バス利用が促進されるのではないかと考えら
れる。
一方、中心商店街では、買い物金額に応じて駐車料金を 1 時間無料にするサービスを
行っているが、公共交通での来街者にはこうした恩典はなく、環境面等を勘案しても不
公平感が生じており、商店街関係者も、この点について問題意識を持っていた。
平成 13 年に実施した買い物バス券の実験では、本格実施すれば、利用者の半数近く
が「都心に来る回数が増える」と回答しており、バス利用者への恩典付与は中心市街地
の活性化効果も期待できる。また、他都市では少数ではあるが、お帰り切符(伊予鉄道)
や運賃キャッシュバックキャンペーン(京都)の取り組みを実施し、効果を上げている
事例もある。
■ 買い物バス券の実験
平成 13 年 9 月 8 日∼9 月 30 日の 21 日間、中心
図表 本格実施時の都心来街回数の変化
商店街へバスで来街した人が 2,000 円以上買物す
ると、200 円のバス券を受け取ることができる買い
物バス券の実験を行った。
利用者アンケートでは、半数近くの人が、本格実
わからない
38.4%
施した場合、「都心に来る回数が増える」と回答し
ている。
増えない
15.1%
52
増える
46.5%
また、本市では、平成 16 年に、北陸鉄道で IC カー
ド「ICa(アイカ)」が導入され、バスポイントシ
ステムの導入環境が整った。
以上のような状況を踏まえ、公共交通の利用促進に
よる環境負荷の軽減や環境問題に対する意識の向上
を図る観点から、ICaを活用して、①バスに乗車す
るとポイントが貯まるバス乗車ポイントシステムと、
②商店街等で買い物するとポイントが貯まる商店街
ポイントシステムを1つにした「金沢エコポイントシ
金沢エコポイントのロゴマーク
ステム」を、平成 19 年 2 月 1 日に導入した。
■ 金沢エコポイントシステムの概要
バス
商店街等
2ポイント
ポイント
●バス利用金額 100 円に
●バスで来街し買い物をす
つき 1 ポイントがもらえる
るとポイントがもらえる
・ICa を利用してバスに乗車する
と、バス利用金額 100 円につき
1ポイントが ICa に加算される。
・ICa 定期券を購入すると、定
期券運賃額 100 円につき1ポ
イントが ICa に加算される。
●ポイント蓄積数の確認
・バス車内、ICa 取扱窓口、ポ
イント端末設置場所にて確
認できる。
2ポイント
20ポイント
ICa
・加盟店で ICa を提示の上、一
定金額以上の買い物をする
と、ポイント券がもらえる。
・ポイント券をポイント端末設置
場所に提出すると、ICa にポイ
ントが加算される。
ポイントが貯まる
100 ポイント→バス運賃 100 円
53
ICa のエコポイントが 100 ポ
イント以上になると、ICa へ
の入 金( 積み増し) 時等
に、100 ポイント単位で自
動的にバス運賃に還元さ
れる。
バスと商店街等が連携するこの取り組みによって、バス利用促進、公共交通による商
店街への来街促進が図られ、マイカーから公共交通への転換による二酸化炭素排出量の
削減、中心市街地の活性化等が期待される。
今後の取り組み
① バス乗車ポイントのポイント加算数アップ
パーク・アンド・ライドの利用促進策として、パーク・アンド・ライド利用者に対す
る定期券購入時のバス乗車ポイントの加算数をアップし、100円につき10ポイント
とすることによって、料金負担の軽減を図ることも考えられる。
また、1ヶ月の利用頻度に応じてボーナスポイントが加算される、乗れば乗るほど得
をするシステムや、マイカー通勤自粛の日などの特定日ポイントなど、多様なポイント
加算サービスの導入を検討する。
パーク・アンド・ライドについては「3-②通勤時P&Rの利用促進策の実施」を参照
② 商店街ポイントのポイント加算数アップ
運用開始以降、利用状況を見ながら、可能であれば商店街ポイントの加算数のアップ
を目指す。
また、ポイント加算数は、商店街や個店単位、キャンペーン等の期間によって変更が
可能であるため、販売促進策としても有効に活用してもらうよう働きかける。
③ 商店街等による普及促進
商店街ポイントを市民に広く知っていただき、まちなかへはバスで来街してもらうよ
う、積極的な PR の実施について商店街等に働きかける。
ICaへポイントを加算するための端末機については、利用者の利便性向上のため、
設置箇所数の拡大を商店街に働きかける。
④ ペーパーレス化の検討
現在の商店街ポイントシステムは、「ポイント券」という補助券を介しているため、
買い物客が店舗以外の施設(ポイント端末設置場所)に立ち寄る必要があるという課題
がある。そこで、将来的には買い物した店舗で直接ポイントが加算できるよう、技術開
発の動向を踏まえ検討を進める。
54
1
(2)
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
公共交通の利便性向上
④ 金沢駅∼香林坊間の
輸送容量の確保と効率的運行
現状と展望
(1)新幹線開業前の短期的な対応
市内のバス路線網は放射状のネットワークであるため、中心部となる金沢駅∼香林坊
間では各方面からの路線が集まり、1日往復約 1,800 本のバスが運行している。特に朝
(7:30∼9:00)の時間帯は、南町で片方向平均 40 秒に1本の多頻度運行の状態となって
おり、乗車密度の低い非効率な運行となっている。
バスの運行上も、ダンゴ運転やバス停での停車時間が長いなど、定時性を確保しにく
い状況が生じている。
■ まちなかでは、公共交通の運行頻度が高い一方、乗車密度は低い
●朝(7:30∼9:00)まちなか方向
中 橋
武蔵ヶ辻
南 町
香林坊
広小路
まちなか方向への乗車密度とバス本数
朝(7:30∼9:00)
(本数)
(乗車密度)
40.0
250
33.3
28.1
200
30.0
134.5
150
20.0
100
18.5
81
10.0
50
47
0
0.0
中橋
南町
乗車密度
広小路
本数
※南町の乗車密度とバス本数は、
上り方向と下り方向の平均
●夕(17:00∼21:00)郊外方向
中 橋
武蔵ヶ辻
南 町
香林坊
広小路
郊外方向への乗車密度とバス本数
(乗車密度) 夕方(17:00∼21:00)
(本数)
40.0
250
30.1
213
200
30.0
21.3
150
17.9
20.0
124
100
10.0
50
25
0
0.0
中橋
南町
広小路
乗車密度
本数
中橋∼武蔵ヶ辻‐南町‐香林坊間∼広小路バス停のバス本数と乗車密度
また、郊外からまちなかを経由して逆方向の郊外を結ぶ長距離路線では、郊外間の移
動は少なく、例えば、四十万・金石線では、利用者全体の 66.9%が郊外⇔都心部間の
55
利用であり、都心部を横断する移動は、全体の 6.6%である。同時に、定時性の確保が
難しいという長距離路線特有の課題も有している。
以上のことから、金沢駅∼香林坊間については、必要な輸送容量は確保しながらも、
長い区間の利用が少ない路線については見直しを行うなど、効率的な運行を目指す必要
がある。
■ 長距離路線では都心を横断する郊外間の移動が少ない
四十万・金石線における利用者の移動割合
武蔵ヶ辻∼片町
金石∼六枚
広小路∼南四十万2
6.6%
30.2%
3.1%
13.6%
(郊
36.7%
外)
(都
9.8%
心)
(郊
外)
(2)新幹線開業後を見据えて
北陸新幹線の開業にともなう金沢駅の乗車人数は、現在の年間 757 万人(平成 16 年)
から年間 1,000 万人(平成 27 年)に増加することが予想されている。(「金沢世界都市
構想第2次基本計画」より)
また、金沢へ鉄道で訪れた観光客の市内での交通手段は、路線バスが約 55%を占め
ている。そのため新幹線開業時の輸送容量の拡大を視野に入れた都心への移動手段の確
保も検討する必要がある。
■ 北陸新幹線開業にともなう金沢駅の乗車人員の増加
北陸新幹線開業にともなう金沢駅の乗車人員数
約 250 万人の増加
1200
1000
800
600
400
200
0
(万人)
鉄道で金沢を訪れた観光客の
市内での主な交通手段
レンタカー 自動車
貸切バス 4.0%
6.5%
7.3%
タクシー
12.1%
1,000
757
自転車
3.2%
H16
H27
56
徒歩
12.1%
路線バス
54.8%
今後の取り組み
(1)新幹線開業前(短期的な対応)
短期的な対応として、金沢駅∼香林坊間を横断して利用する者の少ない路線を中心に、
路線の分割による運行の効率化(輸送効率の向上、バス渋滞の解消)を図る必要がある。
① 路線の分割
モデル路線を活用して路線分割を進める方法は下記のとおりである。
1)ICaデータの分析等により、この区間を横断して利用する者の少ない路線を割
り出し、その路線を分割した場合の運行状況、輸送効率等のシミュレーションを行
う。
2)その上で、分割対象となった路線をモデル実験等を通じて徐々に分割していく。
3)最終的に分割対象となったすべての路線の分割を実施する。
■ バス路線分割による効率的運行のイメージ例
例:金沢駅で路線分割
・乗り継ぎ割引の拡大
・乗り換え拠点のバス
待ち環境の整備
例:香林坊で路線分割
あわせて香林坊∼金
沢駅区間を他路線で
代替
② 乗り継ぎ抵抗の軽減
①の路線の分割により、乗り継ぎが必要な路線が生じるため、実施の際は、乗り継ぎ
抵抗の軽減が必須となる。現行の運賃システムでは、乗り継ぐと料金が高くなるため、
乗り継ぎ割引を拡大するとともに、乗り継ぎバス停間の移動距離やバス待ち環境の改善
を図る必要がある。
乗り継ぎ割引の検討に際しては、路線の分割によってどの程度運行経費の削減につな
がるのか、どの程度利用者が増減するかも勘案しながら進める必要がある。
57
「6-(1)-③乗り継ぎ割引の拡大」、
「1-(2)-⑤香林坊、武蔵ヶ辻のバス待ち環境の整備」を参照
(2)新幹線開業後を見据えて(中長期的な対応)
当面は短期的な対応を進めながらも、中長期的な対応としては、北陸新幹線の開業に
伴う金沢駅∼香林坊間などの移動需要の増加を見据えて、同区間の輸送容量をバスのみ
でカバーできるのか、それとも新しい交通システムの導入が必要となるのか、また、バ
スで需要をカバーできるとしても、わかりやすさの観点から「バスの駅」というような
ものを作り上げていく必要があるのではないか、などを検討していく必要がある。
○ 金沢にふさわしい新しい交通システムについて
新しい交通システムの導入の可能性については、これまでAGT、ガイドウェイバス、
LRTについて県市協働で検討してきたが、課題として以下の項目が挙げられている。
・公共交通の利用者数の拡大
・都心への自動車交通の流入抑制
・国道 157 号の2車線化に係る交通処理
・運営主体や既存の路線を有するバス事業者の経営問題
平成 14 年の「新しい公共交通システム検討委員会」の最終報告においては、
「新しい
交通システムについては解決すべき課題も多く、当面はバスシステムの利用改善を図り
ながら、段階的にハード・ソフト両面の環境整備を着実に進めることが必要である。な
お、将来的にも建設コストやバリアフリー、街づくりの観点を考慮し、『地上方式』を
基本としたシステムが望ましい。」とされているところである。
これまで交通環境整備のため、県市協働の交通実験をはじめとした各種施策を実施し
てきたが、平成 18 年 4 月の山側環状開通など、外環状道路等の道路整備が進捗し、新
幹線の開通も決定するなど、交通環境は大きく変化してきている。
本市ではこの戦略により、市民、企業、交通事業者、関係機関の合意形成を図りなが
ら、バス優先道路や荷捌き対策、パーク・アンド・ライド駐車場配置基本指針による計
画的な駐車場の設置等の各種施策の推進により、公共交通を利用しやすくするための課
題の解消に努めるが、新しい交通システム導入には、最大かつ必須の条件である市民の
「公共交通の利用の拡大」に加えて、公共交通の専用空間を確保することが必要であり、
自動車用の車線削減のための車対策(流入抑制や交通処理)と、それについての市民の
合意形成が必要不可欠となる。また、その導入にあたっては、整備財源に係る国の助成
制度の拡充なども不可欠であり、引き続き要望していきたい。
これらの取り組みにあたって、新しい交通システムの導入の具体化に向けた検討を着
実に推進していく必要がある。
58
1
(2)
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
公共交通の利便性向上
⑤ 香林坊、武蔵ヶ辻の
バス待ち環境の整備
現状と展望
香林坊バス停と武蔵ヶ辻バス停は、繁華街に
近く、またバス路線の乗り換え拠点であり、本
市において特に利用者が多いバス停である。香
林坊バス停は、約 19,000 人/日、武蔵が辻バス
停では、約 13,000 人/日が乗降している。
(平成
17 年 5 月北陸鉄道の調査より)
これらのバス停は、バス待ちのためのスペー
スが十分でないことから、バス待ち客が歩道に
武蔵ヶ辻丸年前バス停
あふれ、歩行者の通行を妨げているばかりでな
く、バス待ち客を保護する上屋が小さいため、悪天候時には風雨・風雪にさらされてい
る。とくに積雪時には、車道から除雪された雪がバスの停車スペースに溜まり、バスの
正着性が低下するなど、バスへの乗降が困難になるといった問題点もある。
また、両バス停では高頻度でバスが発着しているが、路線ごとに乗り場が分散してお
り、乗りたい路線がどのバス停に発着するのかがわかりにくい。
金沢における重要な交通結節点にあるこれらのバス停がこのような状況では、バス利
用者の低減にもつながりかねないため、改善していく必要がある。
武蔵ヶ辻バス停(6 箇所)
香林坊バス停(7 箇所)
59
今後の取り組み
① バス待ち環境の整備
武蔵ヶ辻と香林坊バス停は利用者が多いバス停であるが、バス停が複数ありわかりに
くいことや、悪天候時には風雨・風雪を保護する上屋の整備が十分でないことから、バ
ス待ち環境の向上を図っていく。
■ 武蔵ヶ辻バス停のバス待ち環境の整備について
武蔵ヶ辻丸年前バス停については、武蔵ヶ辻第四地区第一種市街地再開発事業にあわ
せ、平成 21 年春の完成を目指し、歩道の拡幅や建物と一体となった上屋の整備等、歩
行者とバス待ち客とが共存できる空間整備を行うこととしている。
武蔵ヶ辻丸年前整備イメージ
また、武蔵ヶ辻には現在、6 箇所のバス停があるが、それらのバス停から発車するバ
スの待合いスペースとして、各バス停の中間点にある上に、風雨・風雪をしのぐことが
でき、かつ昇降設備が完備している武蔵交差点地下(クロスピア)の活用を検討する。
地下待合いスペースでは、座って待つことのできるイスの設置や、6 箇所に及ぶバス
停の発着情報を一括して得られるバス総合案内システムの整備についても検討する。
60
武蔵ヶ辻における地下待合いスペースのイメージ
至尾張町
武蔵ヶ辻第四地区第一種市街地再開発事業
至香林坊
至彦三町
至金沢駅
バス総合案内システムのイメージ
地下クロスピア現況
61
■ 香林坊バス停のバス待ち環境の整備について
香林坊には現在、7 箇所のバス停があるが、日本銀行前バス停は乗降客数が多く、バ
ス待ち客が歩行者の通行の妨げとなっている。このため、香林坊地下通路スペースの活
用を検討する。
地下待合いスペースでは、座って待つことのできるイスの設置や、7 箇所に及ぶバス
停の発着情報を一括して得られるバス総合案内システムの整備についても検討する。
香林坊における地下待合いスペースのイメージ
日本銀行前バス停
アトリオ前バス停
交番横バス停
地下待合いスペース
アトリオ裏バス停
中央公園前バス停
市役所前バス停
香林坊 日本銀行前
② 分散しているバス停の集約化
将来的には、武蔵ヶ辻で 6 箇所、香林坊で 7 箇所に分散しているバス停を、路線網の
見直しにあわせて集約化することも検討する。
62
1
(3)
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
マイカーの流入抑制
① まちなかは歩行者・公共交通優先
であることの明確化
現状と展望
「1-(1)-①歩けるまちづくりの推進」でも述べたとおり、非戦災都市であるという本
市の特性を踏まえると、まちなか区域については、できる限りマイカーの利用を控え、
歩けるまちづくりを推進していくべきであると考える。
また一方で、歩けるまちづくりを推進するためには、まちなかでのアクセスや、まち
なか内での移動手段としての公共交通の確保が不可欠であるが、本市のまちなか区域で
は、既存の路線バスが集積して運行し、それでカバーできない地域については、ふらっ
とバスを運行することにより、公共交通による移動が概ね可能な状況となっている。
このような状況も踏まえ、本市としてはこれまで、歩けるまちづくりや、公共交通の
利用促進に関する各種施策を実施してきた。しかしマイカーへの依存に歯止めがかから
ず、バス・鉄道ともに利用者数は減少するという状況が続いている。そのため、条例制
定等を通じて、まちなか区域については、マイカーの利用を控え、歩行者・公共交通を
優先することを明確に打ち出していく必要がある。
今後の取り組み
① マイカーの利用を控え、公共交通の利用を促す条例の制定
増加する高齢者や学生などといった運転免許を持たない人々の移動手段を確保する
とともに、マイカーから環境にやさしい公共交通への転換を図るためには、市民が一体
となって公共交通を支え、利用促進を図る必要がある。このため、市や公共交通事業者
にさらなる公共交通の利便性向上の責務を課す一方で、市民、事業者には、公共交通利
用の努力義務を課す条例を制定する。
② マイカーから公共交通への転換を促す意識改革の推進
市民が一体となって公共交通を支える意識を醸成するため、意識改革を図る取り組み
を推進する。
「6-(3)マイカーから公共交通への意識改革」を参照
63
1
(3)
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
マイカーの流入抑制
② バス専用レーンの活用
現状と展望
現在、金沢市内では、朝方(7:30∼9:00)と、夕方(17:00∼18:30)にバス専用レー
ンが実施され、交通渋滞時におけるバスの定時性確保の一助となっている。
本市は、石川県警、交通事業者と連携し、毎月第 4 月曜日を「バス専用レーン遵守指
導&取り締り強化の日」とし、朝の通勤時間帯に街頭での指導啓発活動を実施している。
また、平日の日中は国道157号の武蔵交差点から犀川大橋北詰の区間において、交通
指導員による違法駐車等防止活動を実施し、夕方は、バスレーン遵守指導と違法駐車等
防止活動を同区間において実施している。これらの指導啓発活動の効果により、概ねバ
スの走行環境は確保されている。
公共交通重要路線におけるバスの利便性を向上させ、ゾーン間の連携を高めるために
は、バス専用レーンの新設や時間帯の拡大を検討する必要がある。
現在実施されているバス専用レーン区間は、朝方は郊外から都心へ向かう路線を中心
とした 21 区間である。一方、夕方は国道 157 号の犀川大橋∼武蔵ヶ辻間を中心とする
5区間のみであり、夕方の渋滞時におけるバスの定時性確保が課題となっている。
また、バス専用レーンが交通規制であるということの周知を始めとする意識啓発活動
や、荷捌きトラック・客待ちタクシーとの関係など、バス専用レーン遵守に向けた取り
組みが求められている。一方で、利用する市民も適切にバス専用レーンを遵守すること
が求められている。
■ バス専用レーン実施状況
64
平成 19 年 3 月現在
65
■ 指導実施状況(平成 18 年度)
①朝方バス専用レーン遵守指導
実施日
実施時間
実施地域
実施体制
主な取組み内容
毎月第 4 月曜日を「バス専用レーン遵守指導&取締り強化の日」と
して実施(年間 12 回実施)
7:30∼9:00 までの 1 時間 30 分
○まちなか地区
金沢市違法駐車等防止重点地域(国道157号武蔵交差点∼犀川大
橋北詰まで)のうち武蔵、香林坊、片町の 3 地区で実施
○郊外地区
橋場∼春日町、有松∼広小路、藤江∼二口の3地区
警察関係(金沢中警察署、金沢東警察署、金沢西警察署、交通機動
隊)、北陸鉄道(株)、金沢市
②違法駐車等防止活動
実施日
実施時間
実施地域
実施体制
主な取組み内容
毎週月曜日∼金曜日(祝日、年末年始を除く)
10:00∼17:30 までの 7 時間 30 分
金沢市違法駐車等防止重点地域(国道157号武蔵交差点∼犀川大
橋北詰まで)で実施
金沢市(交通指導員4名の2交替制)
③夕方バス専用レーン遵守指導及び違法駐車等防止指導
実施日
実施時間
実施地域
実施体制
主な取組み内容
毎週月曜日∼金曜日(祝日、年末年始を除く)
17:00∼21:00 までの4時間
17:00∼18:30 まではバスレーン遵守指導
18:30∼21:00 までは違法駐車等防止活動
金沢市違法駐車等防止重点地域(国道157号武蔵交差点∼犀川大
橋北詰まで)のうち武蔵、香林坊、片町の 3 地区で実施
金沢市(警備員を配置)
66
今後の取り組み
① バス専用レーンの拡充
現在は、都心部へ向かう方向を中心に、朝方(7:30∼9:00)のみに実施しているバス
専用レーンが多いが、今後、県警や道路管理者などの関係機関と連携しながら、都心部
から郊外へ向かう方向を中心に夕方の渋滞時にバス専用レーンを実施するなど、バス専
用レーンの新設を検討する。
さらに、公共交通重要路線のサービス水準の向上とあわせ、朝夕の通勤時間帯だけで
なく、終日バスレーンを設定することも関係機関と連携し検討する。
② バス専用レーンの遵守・指導や違法駐車対策等の継続・強化
バス専用レーン遵守を徹底するため、朝夕の
都心部(国道 157 号)での指導啓発活動を継
続して実施する。
日中は、交通指導員による定期的な指導を行
うとともに、特にタクシー等による駐車問題が
慢性化している片町・香林坊地区においては、
警察等と連携しバスの走行環境を確保するな
ど交通の円滑化を図る。また将来的には、バス
バスレーン遵守指導中の係員
車載カメラによる監視や違反車両への警告を行うなど、新しい技術の導入による指導・
取り締りを関係機関と連携し検討する。
さらに、バス専用レーンの遵守に向けて、物流業界、タクシー業界及び民間ドライバ
ー団体に協力を依頼し、PR 冊子やチラシを配布するなど、市民への周知を図る。
③ バス専用レーンの整備
バス専用レーンであることをより視覚的に
ドライバーに訴えるために、カラー舗装の拡充
や、左折進入ポイント(折り込み地点)の明示
などについて、警察や道路管理者等の関係機関
と連携して検討し、ドライバーがバス専用レー
ンを遵守しやすい環境の整備に努める。
以上のような措置を実施してもバス専用レ
ーンの遵守が進まない場合には、公共交通重要
バスの走行レーンが分離された事例
(台北市)
路線のサービス水準向上等の環境が整った段階で、必要に応じてレーンの分離やボラー
ドの設置など、マイカーが進入できないようなバス専用レーンの整備について関係機関
に対して要望することも考えられる。
67
1
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
(3)
マイカーの流入抑制
③ まちなか駐車場の適正配置に向けた
指導・支援
現状と展望
① まちなか駐車場届出制度による助言・指導
金沢のまちなかでは、建物除却にともない青空駐車場化が進行しており、土地の有効
利用が阻害されている。
このまちなかにおける駐車場の増加は、空洞化による都心機能の低下ばかりでなく、
まちなかに過度な自動車の流入を招くことにより、交通渋滞の発生や居住環境・買い物
環境の悪化を引き起こしている。
本市では、このままの状態が続けば中心市街地の空洞化に拍車をかける恐れがあると
して、
「金沢市における駐車場の適正な配置に関する条例(平成 18 年4月施行)」を制
定し、まちなか駐車場区域における駐車場の新設や変更に対して届出義務を課し、下記
のまちなか駐車場設置基準に適合していなければ助言・指導をすることとしている。
また、この届出の事前相談をはじめとして駐車場全般に関する相談を受け付ける「ま
ちなか駐車場相談窓口」を市役所内に設置するなど、まちなか駐車場の適正配置により、
住みよい都市環境の形成を図っている。
■ まちなか駐車場設置基準
まちなか駐車場区域共通に適用する事項
・まちなかへの過度な自動車の流入を助長しないこと
・駐車場の出入りが前面道路の渋滞を引き起こさないこと
・歩行者の安全性を阻害しないこと
・周辺のまちなみ景観に配慮すること
●中心商業地区に適用する事項
・駐車場に出入りする自動車が買い物客の回遊動線を阻害しないこと
・店舗の連続性が確保されること
・立体化・集約化等により土地が有効に利用されること
●中心業務地区に適用する事項
・原則として国道 157 号からの出入りを行わないこと
・近隣の業務需要を越えたものでないこと
・立体化により土地の高度利用がなされること
●その他まちなか駐車場地区に適用する事項
・周辺地区内の需要の範囲内であること
・地区内の道路事情を勘案し、生活道路に悪影響を及ぼさないこと
・前2地区の利用者のための駐車場ではないこと
・地域のコミュニティに配慮しているものであること
68
図表 まちなか駐車場区域と駐車場設置基準適用地区
まちなか駐車場区域
金沢駅
浅野川
中心業務地区
中心商業地区
天神橋
金沢城址公園
賢坂辻
兼六園
犀川
紫錦台中学校
県立工業高校
鱗町
その他まちなか駐車場地区
桜橋
69
② まちなか業務用駐車場整序促進助成金制度
中心業務地区においては、不足する業務用駐車場が地区外の周辺住宅地に混入し住環
境の悪化を招いている。この混入した駐車場の集約化を目的として、地区内において駐
車場の集約化に資する業務用立体駐車場の整備に対し助成する制度を設けている。
この金沢市まちなか業務用駐車場整序促進助成金制度は、中心業務地区を適用区域
(下図参照)としており、制度適用区域外の業務用駐車場の集約化に資するなど一定の
要件を満たす月極又は専用駐車場に対して、1 台当たり 50 万円の助成金を交付する。1
駐車場当たりの助成台数は 25 台以上 100 台以下の範囲としており、最高 5,000 万円で
ある。
助成する台数には区域全体で 545 台の上限枠を設けてあり、さらに区域内で分散配
置を図るため、5 つに分割したゾーンごとに上限台数を設定している。
金沢市まちなか業務用駐車場整序促進助成金制度適用区域
下堤・尾山町ゾーン
(上限:218 台)
武蔵・高岡町ゾーン
(上限:260 台)
高岡町ゾーン
(上限:201 台)
尾山町ゾーン
(上限:200 台)
香林坊2丁目ゾーン
(上限:162 台)
70
今後の取り組み
① まちなか駐車場届出制度を活用した駐車場の適正配置
まちなか駐車場区域は、中心商業地区、中心業務地区、その他まちなか駐車場地区の
3 つに区分され、それぞれの土地利用の特性を考慮した基準を設けている。この制度の
適切な施行により、まちなか駐車場の適正配置を図っていく。
② まちなか業務用駐車場整序促進助成金制度を活用した駐車場の集約化
この制度を活用して、立体駐車場への集約化を進めていく。
71
1
まちなかゾーン(歩行者・公共交通優先ゾーン)
(3)
マイカーの流入抑制
④ マイカー流入抑制のさらなる措置
現状と展望
以上のように、まちなかゾーンについては、歩行者・公共交通優先であることを条例
化し市民への啓発・周知を図るとともに、バス専用レーンの拡充・遵守の徹底、まちな
か駐車場の適正配置に向けた指導・支援を実施するなどによって、まちなかへのマイカ
ー流入を抑制し、公共交通の利用を促進していこうと考えている。
しかしながら、これらの施策を実施してもまちなかへのマイカーの流入が減らなかっ
たり、この取り組みによって多くの市民が公共交通に転換したにもかかわらず、一部の
人が車が減って通行しやすくなったまちなかに、より一層マイカーで乗り入れるような
事態が生じた場合には、状況に応じて、さらに強力にまちなかへのマイカー流入を抑制
する施策を導入することも検討する必要がある。
以下に参考として、他都市で実施しているまちなかへのマイカー流入抑制策を掲げる。
(参考)
① 交通規制による取り組み
(まちなかに進入できない、または通り抜けできないような交通規制)
【海外事例】
■ ミュンヘン(ドイツ)
概
要
人口 130 万人
1972 年のオリンピック開催決定を契機に“歩行者優先の活気ある街”の方向性を打
ち出し、下記の複合施策を実施
・中心部に歩行者専用ゾーンを設置
約 10ha、モール全長 15km
・中心部に入る道路には、意図的に車の通過が不便なように迂回やUターンの交
通規制を導入
・バス、地下鉄、路面電車ネットワークを再編
・駐車場を 2 万台から 8,000 台に削減
・駐車場課金制度を導入
・自転車専用道路、駐輪場を整備
効
果
・ミュンヘンの市街地を訪れる人の約 90%が公共交通を利用
・歩行者ゾーンの整備前後で、歩行者交通量は約 7 万人から約 24 万人に増加
72
■ ストラスブール(フランス)
概
要
まちなかを歩行者や公共交通主体の交通体系とし、都心部を貫く幹線道路を遮断、一方
通行や通行禁止など大規模な交通規制を実施し、自動車が流入しにくい道路形態とした
広域圏人口 45 万人(27 コミューン)
1988 年時点で公共交通の利用率は低く、都心部の自動車交通の 40%が通過交通であっ
たが、1989 年新市長就任で方針を転換
大気汚染、交通渋滞対策、中心部の活性化から新しい交通計画を策定
1)交通サーキュレーションの導入
1992 年に都心を貫く幹線道路(日交通量 25,000 台)を都心中央で遮断。
2)歩行者空間の拡大
1)にあわせ幹線道路をトランジットモール化
3)トラム、公共交通サービスの増大
トラムの整備
1994 年∼2000 年にかけて
4線総延長 38.4km を整備
バスの運行距離を 30%拡大
4)駐車場政策(1992 年∼1997 年)
郊外に P&R 用駐車場を整備、都心部では短時間駐車を主体とし、長時間駐車を抑制
効
果
1990 年→2000 年
公共交通利用者が 43%増加
都心部の歩行者が 20%以上増加、買い物客が 33%増加
参
考
フランスでは 1971 年交通負担金の税制度(VT)を創設
一定規模以上の事業所が直接交通当局に納入(所得の最高 1.75%)
公共交通の収入のうち約 37%を交通負担金でカバーしている
都心部を通過できないよう幹線道路を遮断した交通規制の概念図(ストラスブール)
【従来(∼1992 年)】
【現 在】
外環状
幹線道路
中心市街地
P
2.0 万台
2.5 万台
内環状
P
P
73
通行禁止や一方通行など大規模な交通規制を実施
環状道路整備、交通規制 → 通過交通の誘導・排除
一方通行、右左折規制
→ 別のブロックへ行くには外に出るトラフィックセルによる誘導的な抑制
重要地区は進入禁止(浮沈式ボラードによる関所あり)
トラム導入にあわせ車道の車線を削減
74
【国内事例】
■ 浜松市(静岡県)
概
要
・中心市街地を歩行者空間とし通過する自動車を制限する中心市街地交通管理計画
を昭和 60 年度に策定
地区内を歩行者優先空間とし通過する自動車を制限
地区内の道路を一方通行化
外周道路を拡張
地区外縁部に駐車場を整備
地区内を楽しく歩けるような環境整備(モール整備、コミュニティ道路整備、
トランジットモール整備)
・平成 11 年度に実現に向けたトランジットモール社会実験を実施
実施日時:平成 11 年 3 月 15 日∼3 月 28 日(2 週間)
車道を 6 車線から 2 車線に変更し、バスと自転車、歩行者のみ通行可
実験結果
雨や確定申告最終日という条件が重なり、周辺道路が渋滞
平成 16 年度現在、地元のフォローアップ中
中心市街地交通管理計画のイメージ
トランジットモール社会実験の様子
75
■ 松山市(愛媛県)
概
要
松山市中心部の歩行者と自転車の交通環境の改善を図るための交通実験を平成 14
年 9 月の 30 日間実施。
(1) 車線削減による自転車走行レーンの設置
(2) アーケード内での自転車走行レーンの確保
(3) 観光レンタサイクルまちなか誘導実験
実験結果
・歩行者・自転車の環境が向上し、通行量の増加した地点もあったが、商店街関係
者との調整が課題。
・外周道路に誘導された自動車交通量は平日で約 1 割減少したが、渋滞長が実験前
に比べ増加した。
車道の車線を削減して自転車走行レーンを設置
社会実験の概要
76
② ロードプライシング(まちなかへの流入車両に対する課金制度)
ロードプライシングとは、まちなかへの過剰な自動車の乗り入れによる交通渋滞や大気汚染を
緩和するため、まちなかの一定範囲内に限り、自動車の公道利用を有料化とし、流入する自動車
の交通量を制限する施策であり、海外のいくつかの都市で実施されている。
■ シンガポール
概
要
国土の狭いシンガポールでは、渋滞を緩和するための道路の拡張には限界があるた
め、1975 年の入域許可証制度、道路通行料制度を経て、1998 年より道路料金自動
徴収制度を実施。緊急車両以外の全車種が対象。
対象地域
市中心部の規制区域 725ha 及び規制区域につながる高速道路及び幹線道路
※料金ゲート(ガントリー)44 箇所
対象時間
規制区域は平日 7:30∼19:00、その他の道路は平日 7:30∼9:30
徴収方法
車載器・ガントリー間の電波(DSRC)により料金を自動的に徴収
課 金 額
車種・時間・流入地点により変動。3 ケ月毎に改定される。
※平成 13 年 4 月∼の場合
乗用車$0.50∼3.00(約 36∼216 円)、普通貨物車$0.60∼3.40(約 43∼245 円)
大型貨物車$0.75∼4.50(約 54∼324 円)
効
果
料金自動徴収方式導入時(1998 年時点)では、朝のピーク時間帯のゲート通過車両
が 15%減少。
ガントリー(料金ゲート)
ガントリー裏の監視カメラ
77
■ ロンドン(イギリス)
概
要
慢性的な交通渋滞の緩和対策として、2003 年 2 月より導入。現在課金区域の拡大を
検討中。二輪車、タクシー、緊急車両等を除く全車種が対象
対象地域
セントラルロンドンと呼ばれるエリア
対象時間
平日 7:00∼18:00
徴収方法
課金区域内で運転するドライバーが車両ナンバーをロンドン交通庁に登録し、料金
を支払う。
課 金 額
全車一律 1 日 8 ポンド(約 1,600 円)(2005 年 7 月より 5 ポンドから値上げ)
課金区域内の居住者は 9 割引、事前支払が原則で当日 10 時以降は割り増し
効
果
課金区域の混雑度が平均 30%減少し、課金時間の入域交通が 18%減少
バスの運行の乱れによる待ち時間が 30%減少
50∼60%が公共交通へ転換し、バス会社の利益が 43%増加
窒素酸化物、粒子状物質の排出量が 12%減少
二酸化炭素排出量が 19%減少、燃料の 20%を節約
課金区域のエリア図
セントラルロンドンと呼ばれるエリア〔地図のオレンジの部分〕で、
官庁街や金融街シティー、バッキンガム宮殿などがあるロンドンの中心地
渋滞課金ゾーンや出入口の標識や路面表示
78
③ まちなか駐車場への賦課金制度
まちなか駐車場への賦課金制度とは、まちなかの駐車場に対して賦課金をかけることによって、
まちなかへの自動車流入を抑制するとともに、公共交通の充実等を実施する自主財源を確保する
施策である。
都市名
ミュンヘン
(ドイツ)
制度の概要
歳出の用途
中心部からの距離に応じて駐車場の設置できる台 交通特定財源として公共交
数割合を制限。中心街のオフィスでは従業員用駐 通の充実・改善等
車場を従業員の 10%までしか設置することが出来 (P&R 駐車場の整備)
ず、残り 90%分の費用換算分を市に支払う。一方従
業員は公共交通機関の定期を半額で購入すること
ができる。(※2000 年時点)
バンクーバー
(カナダ)
2006 年より、ショッピングモール、店舗、オフィスビル トランスリンク(公共交通機
に併設されている駐車場へ課税。1 ㎡あたり 1.02 ド 関運営団体)の収入
ルが課せられる(車一台分当たりに年間 30 ドル程
度)。(※2006 年時点)
大宰府市
(福岡県)
太宰府天満宮周辺の時間貸有料駐車場を利用す 基金を設置し、その運用に
る観光客などの車に対し、1 回の利用当たり普通車 より、以下の用途に用いる。
で 100 円、29 人乗り以上の大型バスで 500 円の税 観光推進、産業振興、交通
金を、駐車場の利用料金に上乗せし徴収する。
施設整備、歴史・文化の保
ただし、駐車場税は 2004 年度∼2006 年度まで。
全と創造
(※2004 年時点)
ロンドン
(イギリス)
イギリスでは、2000 年に交通法が成立し、大規模な 交通特定財源として公共交
駐車場を多数抱えている企業に対して自治体が税 通の充実・改善等
金を課すことができる駐車場課金制度が法制化。事
業所及び従業員専用駐車場に課税するが、実施に
は至っていない。(※2006 年時点)
※駐車場があると、マイカー通勤を助長するという趣
旨から、企業に対して課税
ノッティンガム
(イギリス)
職場に駐車する通勤用の車(市内車両すべてが対 交通特定財源として公共交
象)1台分につき 150 ポンドを課金。
年間 500 万ポンド∼1500 万ポンドを見込む。
実施には至っていない。(※2004 年時点)
79
通の充実・改善等
80
Fly UP