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障害者と健常者が共に暮らす まちに開かれたシェアハウス
2013 年度 修士設計 障害者と健常者が共に暮らす まちに開かれたシェアハウス Disabled Persons And Physically Unimpaired Persons Live Together ∼Open Shared-House∼ 2014 年 1 月 高知工科大学大学院 工学研究科 基盤工学専攻 社会システム工学コース 1155074 小谷 慎吾 指導教員 吉田 晋 副指導教員 大谷 英人 Disabled Persons And Physically Unimpaired Persons Live Together ∼Open Shared-House∼ Infrasteucture Systems Engineering Course 1155074 Shngo Odani Abstract ・ Housing Problem Of Disabled Persons After injury, cannot be admitted to the hospital forever disabled persons. When you leave the hospital one day will come. However, in the "public housing", occupancy number of units for disabled persons is not enough current state of housing in Japan. Then, it refused to live in the "apartment house." And, there are situations that cannot be repaired. As a result, the leave hospital is delayed house to live in be not found. It is to be admitted to different hospitals. It led to the "independence" is delayed. It is the purpose of that by taking advantage of the characteristics of the share house in order to solve the housing problems of disabled persons, and disabled persons live with "independence". ・ Com m unity There was a community in Japan in the past. However, the community is now no longer in urban areas in particular by modernization. Decline of the community, is also involved in social participation of disabled persons. There is prejudice and discrimination against disabled persons in Japan. So, I want to eliminate prejudice and discrimination against disabled persons. To do so, I will increase the chance of contact with disabled persons. In the vicinity of the "National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities", there is a community. "National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities" is a hospital where I was admitted last year. I develop it more. I design a share house as the method. 障害者と健常者が共に暮らす まちに開かれたシェアハウス 社会システム工学コース 1155074 小谷 慎吾 1-1 研 究 の 背 景 1-1-1 障 害 者 の 住 宅 問 題 障害者は受傷後、いつまでも病院に居られる分けではなく、いつか退院する時が来る。 しかし、日本の住宅の現状は『公営住宅』では、障害者の入居戸数が足りない。『マンショ ン・アパート』では入居を断られる・改修ができないという状況がある。そして、住む家 が見つからず。退院が遅れたり、違う病院や施設に入所することになり『自立』が遅れる ことに繋がっている。持ち家を改修出来る人は良いがそうでない人は沢山いる。 1-1-2 コ ミ ュ ニ テ ィ の 必 要 性 日本のコミュニティの移り変わりとして、日本は農耕民族で先祖代々受け継がれた土地 で農業を行い暮らしてきた歴史があり、そこでは密な近所付き合いや地域の集まりがあっ たが、社会の都市化・産業化が進むにつれ近所付き合いが少なくなり都市部ではそれが無 くなりつつある。この問題は、超高齢社会を迎えた日本において、高齢者が孤独死する事 にも繋がる話である。一方、地域との関わり合いが密な地域では、災害時に多くの命が助 かっている事も事実である。 また、このコミュニティの衰退は、障害者が社会参加出るかという事にも繋がっている。 日本では障害者に対する差別や偏見が今なお存在する。これは、日本の義務教育制度のあ り方に問題がある。小学生になると特別支援学級という形で障害をかかえる児童は別のク ラスにさせられる。福祉が進む国では、障害をかかえる児童も一般のクラスでみんなと一 緒に学んでいる。この違いが差別や偏見を生む始まりだと思う。障害者と接する機会が諸 外国に比べ著しく少ない日本において、障害者は閉鎖的なイメージを持たれがちだ。その マイナスイメージで周囲になかなか障害を理解してもらえず、閉じこもり気味になる者も 少なくない。そこで、私は障害者に対する差別や偏見を無くすために、障害者と接する機 会を増やすしてやれば、障害者が社会参加をし易い環境が生まれると考えている。 1-2 研 究 の 目 的 1-2-1 シ ェ ア ハ ウ ス で の 「 自 立 」 障害者の住宅問題を解決するためにシェアハウスの特徴である共有部が充実している事 や安全である事(他人と共に暮らす事で車椅子からの落車した時も助けを呼べる)など、障害 者が暮らすためのメリットが多くあるシェアハウスを設計し、障害者が「自立」して暮ら す事を目的としている。 1-1-2 コ ミ ュ ニ テ ィ の 形 成 私が昨年入所していた「国立障害者リハビリテーションセンター」の周辺では、障害者 と地域住民が気軽に声を掛け合える環境があった。それをもっと発展させたいと思い障害 者の住まいに地域住民が訪れやすい環境をつくることで、今ある障害者に対する偏見が無 くなりみんなが助け合って暮らしていくコミュニティを生む事を目的にしている。そして、 障害者も地域住民と交流していく中で外に出る機会も増えていくと考えている。 1 はじめに 1 1-1 研究の背景 1-1-1 障害者の住宅問題 1-1-2 コミュニティの必要性 1-2 研究の目的 1-2-1 シェアハウスでの『自立』 1-1-2 コミュニティの形成 2 社会的背景 2 2-1 福祉のまちづくり 2-2 バリアフリーのまちづくりからユニバーサルデザインのまちづくりへ2-3 福祉の分野での『自立』の定義 2-4 『自立』の代わりに『基本的人権を享有する個人としての尊厳』 2-5 障害者の定義 2-5-1 WHO での障害者の定義 2-5-2 日本での障害者の定義 2-5-3 障害者の定義まとめ 3 シェアハウスの歴史と分類 3-1 シェアハウスの歴史 3-2 集まって住む形 3-3 コモンスペースの分類と定義 3-3-1 三松のコモンスペースの分類 3-3-2 コモンスペースの分類 『居住者コモン』 3-3-3 コモンスペースの分類 『外部者とのコモン』 3-3-4 コモンスペースの定義 3-4 個室-共用部機能分類 3-4-1 個室機能分類 3-4-2 共用部機能分類 3-5 シェアハウスの事例 3-6 事例資料集 3-6-1 事例データ 3-6-2 事例コモンスペースの分類 3-6-3 事例 個室-共用部機能分類 7 4 障害者の住環境 31 4-1 車椅子使用者(下肢障害者)の住環境 4-2 つえ使用者(下肢障害者)の住環境 4-3 上肢障害者の住環境 4-4 内部障害者の住環境 4-5 視覚障害者(全盲)の住環境 4-6 視覚障害者(弱視等) の住環境 4-7 聴覚障害者(全ろう) の住環境 4-8 聴覚障害者(難聴) の住環境 5 シェアハウスの共用部の条件設定 5-1 対象とする者(障害者) 5-2 シェアハウスの共用部の条件設定までの流れ 5-3 障害の特徴、困ること 5-4 障害同士の環境共存度 5-5 シェアハウスのタイプを決定 5-6 共用部の条件を設定 5-6-1 トイレの条件を設定 5-6-2 玄関の条件を設定 5-6-3 浴室の条件を設定 5-6-4 キッチンの条件を設定 5-6-5 ランドリーの条件を設定 5-6-6 洗面の条件を設定 5-6-7 リビングの条件を設定 5-6-8 ダイニングの条件を設定 5-7 シェアハウスの共用部の条件を設定 5-7-1 フラット型 シェアハウス 共用部の条件を設定 5-7-2 ステップ型 シェアハウス 共用部の条件を設定 35 6 障害者と健常者が共に暮らす まちに開かれたシェアハウス 6-1 コンセプト 6-2 計画対象敷地の概要 6-2-1 高知県高知市長浜地区の位置 6-2-2 高知市長浜地区の概要 6-3 対象敷地の選定 6-3-1 国立障害者リハビリテーションの模式図 6-3-2 シェアハウスと地域の関係性 6-3-3 病院と学院が近隣にある敷地『長浜地区』 6-3-4 津波への配慮 6-4 対象敷地の位置 6-5 敷地写真 6-6 ダイアグラム 6-6-1 コモンスペースの配置 イメージ 6-6-2 まちに開くための建築的提案『L 字のハコ』 6-7 フラット型 シェアハウス概要 6-8 ステップ型 シェアハウス概要 6-9 居住者と周辺住民の関係性 6-10 平面図 6-10-1 フラット型 シェアハウス 平面図 6-10-2 ステップ型 シェアハウス 平面図 6-11 鳥瞰図 6-12 断面図 6-12-1 フラット型 シェアハウス 断面図 6-12-2 ステップ型 シェアハウス 断面図 6-13 立面図 6-13-1 フラット型 シェアハウス 立面図 6-13-2 ステップ型 シェアハウス 立面図 6-14 アクソノメトリック 6-14-1 フラット型 シェアハウス アクソノメトリック 6-14-2 ステップ型 シェアハウス アクソノメトリック の提案 56 6-15 パース 6-15-1 フラット型 シェアハウス パース 6-15-2 フラット型 シェアハウス パース説明 6-15-3 ステップ型 シェアハウス パース 6-15-4 ステップ型 シェアハウス パース説明 7 まとめ 参考文献、参考資料 84 図目次 fig.1 ひつじ不動産(左)東京シェアハウス(右) fig.2 シェアハウスの歴史 fig.3 集まって住む方 fig.4 三松のコモンスペースの分類 fig.5 コモンスペースの分類 『居住者コモン』 fig.6 コモンスペースの分類 『外部者とのコモン』 fig.7 SHAREyaraicho 写真 fig.8 SHAREyaraicho 平面図 fig.9 THE SHARE 写真 fig.10 THE SHARE 平面図 fig.11 ヨコハマアパートメント写真 fig.12 ヨコハマアパートメント 平面図 fig.13 事例 個室-共用部機能分類 グラフ fig.14 国立障害者リハビリテーションセンター写真 fig.15 国立障害者リハビリテーションセンター写真 fig.16 多目的トイレ開閉ボタン fig.17 オストメイト対応の多目的トイレ fig.18 視覚障害者(全盲)が使う案内(駅の案内) fig.19 視覚障害者(弱視)が見やすいサイン fig.20 聴覚障害者が使用するライト fig.21 聴覚障害者が使用するライト fig.22 障害の特徴 fig.23 シェアハウスの共用部の条件設定までの流れ フローチャート fig.24 障害者の特徴とシェアハウスのタイプを決定の円グラフ fig.25 長浜地区の位置図 fig.26 国立障害者リハビリテーションセンター 模式図 fig.27 シェアハウスと地域の関係性 模式図 fig.28 愛宕病院分院 fig.29 高知医療学院 fig.30 対象敷地の津波避難困難地域 fig.31 対象敷地の候補 fig.32 対象敷地の位置図(広域) fig.33 対象敷地の位置図 fig.34 フラット型 シェアハウスの敷地写真 fig.35 ステップ型 シェアハウスの敷地写真 fig.36 コモンスペースの配置 イメージ平面 fig.37 コモンスペースの配置 イメージ断面 fig.38 L 字のハコが出来るまでの流れ フローチャート fig.39 L 字のハコ ダイアグラム fig.40 フラット型 シェアハウス まちへの開き方 fig.41 ステップ型 シェアハウス まちへの開き方 fig.42 フラット型 シェアハウス 1F 平面図 fig.43 フラット型 シェアハウス 2F 平面図 fig.44 ステップ型 シェアハウス 1F 平面図 fig.45 ステップ型 シェアハウス 2F 平面図 fig.46 鳥瞰図 fig.47 フラット型 シェアハウス x-x 断面図 fig.48 ステップ型 シェアハウス y-y 断面図 fig.49 フラット型 シェアハウス 南率面図 fig.50 ステップ型 シェアハウス 東立面図 fig.51 フラット型 シェアハウス アクソノメトリック fig.52 ステップ型 シェアハウス アクソノメトリック fig.53 フラット型 シェアハウス 外観パース 1(パース番号①) fig.54 フラット型 シェアハウス 外観パース 2(パース番号②) fig.55 フラット型 シェアハウス 内観パース 1(パース番号③) fig.56 フラット型 シェアハウス 内観パース 2(パース番号④) fig.57 ステップ型 シェアハウス 外観パース 1(パース番号①) fig.58 ステップ型 シェアハウス 外観パース 2(パース番号②) fig.59 ステップ型 シェアハウス 外観パース 3(パース番号③) fig.60 ステップ型 シェアハウス 内観パース 1(パース番号④) 表目次 表 1 集まって住む形 表 2 個室機能分類 表 3 共用部機能分類 表 4 事例データ 表 5 事例コモンスペースの分類 表 6 事例 個室-共用部機能分類 表 7 障害の特徴 表 8 障害によって困ること 表 9 障害同士の環境共存度 表 10 シェアハウスのタイプを決定 表 11 トイレの条件を設定 表 12 玄関の条件を設定 表 13 浴室の条件を設定 表 14 キッチンの条件を設定 表 15 ランドリーの条件を設定 表 16 洗面の条件を設定 表 17 リビングの条件を設定 表 18 ダイニングの条件を設定 表 19 フラット型 シェアハウス 共用部の条件を設定 表 20 ステップ型 シェアハウス 共用部の条件を設定 表 21 フラット型 シェアハウスのコモンスペース 使われ方 表 22 ステップ型 シェアハウスのコモンスペース 使われ方 表 23 両方のコモンスペース 使われ方 1 は じ め に 1-1 研 究 の 背 景 1-1-1 障 害 者 の 住 宅 問 題 障害者は受傷後、いつまでも病院に居られる分けではなく、いつか退院する時が来る。 しかし、日本の住宅の現状は『公営住宅』では、障害者の入居戸数が足りない。『マンショ ン・アパート』では入居を断られる・改修ができないという状況がある。そして、住む家 が見つからず退院が遅れたり、違う病院や施設に入所することになり『自立』が遅れるこ とに繋がっている。持ち家を改修出来る人は良いがそうでない人は沢山いる。 1-1-2 コ ミ ュ ニ テ ィ の 必 要 性 日本のコミュニティの移り変わりとして、日本は農耕民族で先祖代々受け継がれた土地 で農業を行い暮らしてきた歴史がある。そこでは密な近所付き合いや地域の集まりがあっ たが、社会の都市化・産業化が進むにつれ近所付き合いが少なくなり都市部ではそれが無 くなりつつある。この問題は、超高齢社会を迎えた日本において、高齢者が孤独死する事 にも繋がる話だ。一方、密な近所付き合いをしている地域では、災害時に多くの命が助か っている事も事実である。 また、このコミュニティの衰退は、障害者が社会参加出るかという事にも繋がっている。 日本では障害者に対する差別や偏見が今なお存在する。これは、日本の義務教育制度のあ り方に問題があると私は考える。小学生になると特別支援学級という形で障害をかかえる 児童は別のクラスにさせられる。福祉が進む国では、障害をかかえる児童も一般のクラス でみんなと一緒に学んでいる。この違いが差別や偏見を生む始まりだと私は思う。障害者 と接する機会が諸外国に比べ著しく少ない日本において、障害者は閉鎖的なイメージを持 たれがちだ。そのマイナスイメージで周囲になかなか障害を理解してもらえず、閉じこも り気味になる者も少なくない。そこで、私は障害者に対する差別や偏見を無くすために、 障害者と接する機会を増やしてやれば、障害者が社会参加をし易い環境が生まれると考え ている。 1-2 研 究 の 目 的 1-2-1 シ ェ ア ハ ウ ス で の 『 自 立 』 障害者の住宅問題を解決するためにシェアハウスの特徴である共有部が充実している事 や安全である事(他人と共に暮らす事で車椅子からの落車時も助けを呼べる)など、障害者が 暮らすためのメリットが多くあるシェアハウスを設計し、障害者が『自立』して暮らす事 を目的としている。 1 1-1-2 コ ミ ュ ニ テ ィ の 形 成 私が昨年入所していた『国立障害者リハビリテーションセンター』の周辺では、障害者 と地域住民が気軽に声を掛け合える環境があった。それをもっと発展させたいと思い障害 者の住まいに地域住民が訪れやすい環境をつくることで、今ある障害者に対する偏見が無 くなりみんなが助け合って暮らしていくコミュニティを生む事を目的にしている。そして、 障害者も地域住民と交流していく中で外に出る機会も増えていくと考えている。 2 社 会 的 背 景 2-1 福 祉 の ま ち づ く り 「ハンディキャップを持つ人もそうでない人も、普通の生活を営む権利があるとするノ ーマライゼーションの理念に基づいている。近年では、社会参加を可能とするために、年 齢・性別・国籍・個人の能力にかかわらず、はじめからできるだけ多くの人が利用可能な ように、利用者本位・人間本位の考え方に立って快適な環境をデザインするユニバーサル デザインの考え方が浸透しつつある。障害を持っている人々が社会的不利(ハンディキャッ プ)を感じるかどうかは、周囲の社会的・物的環境による。つまり環境がハンディキャップ を創り出すのである」1。 1 引用:三船 康道+まちづくりコラボレーション(2009). まちづくりキーワード事典 第三版(p174) 学芸出版社 2-2 バ リ ア フ リ ー の ま ち づ く り か ら ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン の ま ち づ く り へ 「リハビリテーションとノーマライゼーションの実現のために、まちや社会に障壁(バリ ア)があれば、それは取り除かなければならない。障害者が自由に社会活動を行い、社会参 加できる仕組みをつくり、実現することが『バリアフリーのまちづくり』である」2。 ↓ その『バリアフリーのまちづくり』から「市民の大多数に配慮することは、一人ひとり が健常状態から障害状態まで経験する中で、誰もが活動し、生活しやすい、人に優しいま ちづくりを目指すことである『ユニバーサルデザインのまちづくり』に変わっていった」2。 まちづくりに対しては、大勢の人が利用する事を想定した『ユニバーサルデザイン』が 適切と思うが、住宅においても『ユニバーサルデザイン』を謳っている物がある。今回取 り扱う共同住宅に対しては、障害の違いにより誰かが我慢を強いられるという問題が発生 する。そのため、ある程度の制約が必要だと私は考えた。 2 参考文献: 樗木 武(2005). ユニバーサルデザインのまちづくり(p10-13) 森北出版 2 2-3 福 祉 の 分 野 で の 自 立 の 定 義 一般的な『自立』は、「他の援助を受けずに自分の力で身を立てることだが、福祉分野で の『自立』は、人権意識の高まりやノーマライゼーションの思想の普及を背景として、『自 己決定に基づいて主体的な生活を営むこと』、『障害を持っていてもその能力を活用して社 会活動に参加すること』の意味として用いられている」3。これは、つまり他者からの援助 を受けながらでも、『自立』は成り立つということだ。そして、障害者の自己決定権・選択 権を最大限に尊重されている限り、どんなに重い障害を持つ人でも『自立』があり得るこ とを示したものである。今回の修士設計では、障害者同士で交流ができる。その結果、情 報交換をする事で選択肢が増えたり、お互いに刺激を与え合う事で『自立』への意欲が高 まると考えている。また、周辺住民との交流では、障害者が出来ない事をボランティアと いう気持ちで来てもらうのではなく、イベントにして周辺住民の方に講師として訪れても らい、周辺住民の方も一緒に楽しみながら生活して行こうという想定をしている。その逆 で、障害者が講師としてアートの手本を見せたりする事も想定している。イベントにする 事で初めは、ある程度の距離感があるかもしれないが、周辺住民にはイベント以外にもシ ェアハウスのコモンスペースを利用してもらう事で密な関係が築ける事を目標にシェアハ ウスを設計する。 3 引用:厚生労働省 第 9 回社会保障審議会 (http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/04/s0420-6b2.html) 3 2-4 『 自 立 』 の 代 わ り に 『 基 本 的 人 権 を 享 有 す る 個 人 と し て の 尊 厳 』 『自立』の代わりに、新たに、 『基本的人権を享有する個人としての尊厳』を明記した『障 害者総合支援法』4 が平成 25 年 4 月 1 日施行されている。 ・『障害者基本法』の目的 『基本的人権を享有する個人としての尊厳』が明記されている『障害者基本法』の目的で は、「この法律は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有する かけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのつとり、全ての国民が、障 害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生す る社会を実現するため、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本原 則を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社 会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び 社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。」5 今回の修士設計では、法律の施策を建築という形あるもので提案している。コミュニテ ィの『集いの場』に障害者の居場所を作る事で障害者と健常者が平等な関係で生活する事 ができると考えている。そこでは、障害者も講師役になり一緒に活動して行くという光景 が見られる。このように自立だけでなく社会参加も行えるシェアハウスを設計する。 4 厚生労働省 法律の概要 法律の事項別概要 (http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sougo ushien/dl/sougoushien-06.pdf) 5 引用: 内閣府 共生社会政策(http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kihonhou/s45-84.html) 4 2-5 障 害 者 の 定 義 2-5-1 W HO で の 障 害 者 の 定 義 ・障害者の定義 「障害とは、身体の損傷、活動の制約、参加の制限が含まれる包括的な用語である。͒損 傷は身体における機能もしくは構造に対するものを指し、活動の制約は個人が仕事や行動 を行う際に直面する困難を指し、参加の制限は個人が生活する中で体験する問題である。͒ したがって、障害は複雑な現象であり、ある個人の肉体が持つ特徴と、その人が生きる社 会の特徴とがもたらす相互作用の反映である」6。 ・『 国 際 障 害 分 類 ( I C I D H )』 (1980 年 発 表 ) 6 (1)機能障害: 病気や心身機能の変調が永続化した状態。 (2)能力低下: そのために諸活動の遂行が制限又は欠如すること。 (3)社会的不利: その結果として社会の中で様々な個人に生じた不利益。 ・『 国 際 生 活 機 能 分 類 (I C F ) 』 (2001 年 発 表 ) 6 (1)心身機能・構造: 心身機能は身体系の生理的機能(心理的機能を含む)である。 心身構造は器官・肢体とその構成部分などの,身体の解剖学的部分 である。 (2)活動: 課題や行為の個人による遂行のことである。 (3)参加: 生活・人生場面(life situation)への関わりのことである。 (4)環境要因: 人々が生活し,人生を送っている物的な環境や社会的環境,人々の社会的 な態度による環境を構成する因子のことである。 これらが障害とされる状態を次に示す。 (1)機能障害(構造障害を含む): 著しい変異や喪失などといった,心身機能または身体 構造上の問題である。 (2)活動制限: 個人が活動を行うときに生じる難しさのことである。 (3)参加制約: 個人が何らかの生活・人生場面に関わるときに経験する難しさのことである。 6 引用:・障がいと福祉のまとめサイト(http://cwj.moo.jp/?p=34) ・『国際生活機能分類‐国際障害分類改訂版‐』(日本語版)の厚生労働省ホームページ掲載について (http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0805-1.html) 5 2-5-2 日 本 で の 障 害 者 の 定 義 ・『 障 害 者 基 本 法 』 障 害 者 の 定 義 (昭 和 45 年 5 月 21 日 法 律 第 84 号 ) 5 (最 終 改 正 : 平 成 25 年 6 月 26 日 法 律 第 65 号 ) (1)障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害 がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制 限を受ける状態にあるものをいう。 (2)社会的障壁 障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような 社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。 2-5-3 障 害 者 の 定 義 ま と め 国際障害分類では『機能障害』『能力低下』『社会的不利』の3つに区分されている。ど れも、障害はマイナス面として捉え考えられている。それが国際生活機能分類では、様々 な活動を通じて障害を個性として認めたり、社会の中でもお互いを認め共に暮らしていこ うというノーマライゼーションの意識が高まった結果、 『環境因子』が加えられた」4。そし て、WHO の障害の定義は『障害は複雑な現象であり、ある個人の肉体が持つ特徴と、その 人が生きる社会の特徴とがもたらす相互作用の反映である』というものになった。つまり、 障害は環境が変われば障害ではなくなるということだ。 日本においても、障害者基本法 障害者の定義で『障害及び社会的障壁により継続的に日 常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう』とある。これも、社会 生活に相当な制限がなくなれば社会参加のレベルが向上する事を意味している。 WHO の定義の方が踏み込んだ考え方をしている。それは、1500 項目という細かい分類 がなされている事からも分かる。ハードだけでなく人間関係などソフトも項目の中に含ま れている。日本でも、ICF の日本語版が平成 14 年(2002 年)に、厚生労働省により発行さ れている。 今回の修士設計では、WHO の定義の様に細かい項目による条件設定は出来ていない。そ して、究極の目標である障害がなくなるという事は用意に実現できる事ではないと考えて いる。しかし、日本の定義の様に社会参加のレベルが向上出来る仕組みは作る事を心がけ 設計を行う。 6 3 シ ェ ア ハ ウ ス の 歴 史 と 分 類 3-1 シ ェ ア ハ ウ ス の 歴 史 7 複数の個人が集合して一つの住宅や敷地を共同利用するという住まい方は、近年突如と して出現してきたものではないが、1990 年代ごろから来日外国人を中心に取り入れられ始 められたものだと言われている。それを機に日本人の間でも普及していったと考えられて いる。理由としては、高度経済成長期からポストバブルの時代、日本人の若者が設備共有 の寮や下宿を敬遠し新たに台頭してきたワンルール物件に大移動を始める中、空きが目立 ち始めた水回り共同の間取りを持った住宅が、来日した外国人向けの住宅は、通称『ガイ ジンハウス』といわれ普及して行く。 1998 年から 2000 年の前半にかけて、日本人学生の海外留学数がそれ以前に比べ急激に 伸びている。こうした世代の海外居住では、主にホームステイやシェアハウス、または学 生寮が選択される事が多かった。海外留学を経験した日本人学生が、シェアハウス居住へ の拒否感を和らげる要因となったといわれる。 こうして、広まり出した住まい方は、インターネットの普及にともない、さらに認知さ れて行く事となる。2002 年には、日本ではじめてのルームシェア解説書『ルームシェアす る生活』が発売され、2004 年の NHK ドラマ『ルームシェアの女』によって、それまで一 部の間だけで広がっていた住まい方が、多くの人に知られるきっかけとなった。 2005 年には株式会社ひつじインキュベーション・スクエアが運営するシェアハウス住居 の総合メディアが運営する『オシャレオモシロフドウサンメディア ひつじ不動』のサー ビスが開始された。このひさじ不動産は国内最大のシェア住居専門メディアとなり、2010 年には入居者同士の交流や独特の共有空間を事例で商会する単行本『東京シェア生活』を 発売する。 fig.1 ひつじ不動産(左)東京シェアハウス(右)8 8 引用:ひつじ不動産(http://www.hituji.jp/) 7 フジテレビ系) ドラマ『ラスト・フレンズ』でシェアハウスの生活が取り上げられ、シ ェアハウスという言葉が使われ始めた影響で、シェアハウスという言葉は認知度をさらに 上げて行った。シェアハウス住居という文化の拡大と歩みを合わせ、その時々の市場全体 の様々な課題の解消などに向き合いつつ、日々地道な取り組む事を目的とした。 2011 年には、『Colish(コリッシュ)-コンセプトのあるシェアハウス生活はじめよう』 というシェアハウスを仲介するサービスを行うサイトなども登場した。 TBS 系) バラエティー『ひみつの嵐ちゃん』の嵐シェアハウスやフジテレビ系) リアリ ティーショー『テラスハウス』など、シェアハウスはたびたびメディアに取り入れられ、 認知度をましていった。それにともない、シェアハウスという住まい方も受け入れられて きている。 fig.2 シェアハウスの歴史 8 3-2 集 ま っ て 住 む 形 ひとくくりにシェア住居といっても、シェアルームやシェア住居と称される。一重戸に 少人数の他人と住むものから、各個人のプライベート空間以外に共用部 (リビングやキッチ ンなど)を大きく確保し入居者に開放した集合住宅を事業者が運営する形態のゲストハウス まで、その種類は多岐にわたる。また、その定義もさまざまであるため、下記の表と図で 整理する。 契約形態 管理人 ゲスト 運営業者との 運営業者 ハウス 契約 シェア 運営業者との ハウス 契約 ルーム 個人同士によ 基本的に不 シェア る契約 在 寮 運営業者との 運営業者 部屋 個室 食事 共有キッチン 家具 備え付け 運営業者との ウス 契約 グループ 運営業者との ホーム 契約 短期間滞在を目的 とする住居 運営業者 個室 共有キッチン 備 え 付 け (共 有 部屋のみ) 相部屋/個室 共有キッチン 無し 相部屋 食堂 備え付け 契約 コレクティブハ 要項 教育機関、企業な どが設置する 運営業者 個室 共有キッチン/ 無し 専用キッチン 運営業者 相部屋/個室 食堂 表 1 集まって住む形 9 コモンスペースを完 備 備え付け 専門スタッフ等 fig.3 集まって住む方 7 引用: 三松 元気 (2012). 『街に開くシェアハウスの設計』 高知工科大学大学院 工学研究科 基盤工学専攻 社会システム工学コース 修士設計(p3 10 7) 3-3 コ モ ン ス ペ ー ス の 分 類 と 定 義 3-3-1 三 松 の コ モ ン ス ペ ー ス の 分 類 9 以下は、昨年 三松が行った修士設計でシェアハウスのコモンスペースの分類である。 このコモンスペースの分類する事は、居住者のプライバシーを確保しながらまちに開くシ ェアハウスを実現するのに適した物だと思う。しかし、三松の作品でのコモンスペースの 定義は曖昧な物であった。それにより、高知工科大学の学生を対象として行ったアンケー トの結果に意見が引っ張られ、最終的にこのコモンスペースの分類が設計においてあまり 利いておらず、まちに開くシェアハウスの設計において新しい提案が出来ていない様に思 える。そこで、私はこのコモンスペースの分類の時点でソフト面も含め分類を行う事で利 用の仕方が明確になり、まちに開くシェアハウスの新しい提案が出来ると考えた。 fig.4 三松のコモンスペースの分類 9 引用: 三松 元気 (2012). 『街に開くシェアハウスの設計』 高知工科大学大学院 工学研究科 基盤工学専攻 社会システム工学コース 修士設計(p8) 11 3-3-2 コ モ ン ス ペ ー ス の 分 類 『 居 住 者 コ モ ン 』 その昨年、三松が行った修士設計の『コモンスペースの分類』を引用した。三松は学生 を対象としてコモンスペースを『クローズコモン』『オープンコモン』に分けていた。それ を『クローズコモン』を『コモン(屋内)』、『オープンコモン』を『コモン(屋外)』に言い換 えた。そして、私は更に『誰が利用するか』ということを追加して 4 つに細分化した。居 住者が利用する『居住者コモン』。居住者と周辺住民が利用する『外部者とのコモン』に分 けた。 『居住者コモン』は、シェアハウスの居住者である『障害者同士』の交流。そして、『障害 者』と『福祉を学ぶ学生』の交流ができる。 fig.5 コモンスペースの分類 『居住者コモン』 12 3-3-3 コ モ ン ス ペ ー ス の 分 類 『 外 部 者 と の コ モ ン 』 外部のコモンは、『シェアハウスの居住者』と『周辺住民』の交流ができる。 fig.6 コモンスペースの分類 『外部者とのコモン』 13 3-3-5 コ モ ン ス ペ ー ス の 定 義 ○コモン(屋内)の定義 ・コモンスペースが屋内にある。 ・『土間』は扉で仕切られているためコモン(屋内)とする。 ・『縁側』は窓・雨戸等で仕切る事で完全に室内になるものをコモン(屋内)とする。 ・『テラス』は窓等で仕切る事で完全に室内になるものをコモン(屋内)とする。 ・ガラス張りのコモンスペースは屋内であるためコモン(屋内)とする。 ○コモン(屋外)の定義 ・コモンスペースが屋外にある。 ・ 『縁側』は窓・雨戸等で仕切られておらず完全に室内にならないものコモン(屋外)とする。 つまり、窓・雨戸等で仕切られていない軒下空間をコモン(屋外)とする。 ・『テラス』窓等で仕切られておらず完全に室内にならないものコモン(屋外)とする。 ・『ルーフテラス(屋上庭園)』は屋外にあるためコモン(屋外)とする。 ・カーテンにより仕切られたものはコモン(屋外)とする。 ・ 『中庭』は屋外であり周りが建物により周辺からは遮断されているがコモン(屋外)とする。 ・『庭』は屋外にあるためコモン(屋外)とする。 14 3-4 個 室 -共 用 部 機 能 分 類 個室と共用部に『玄関・トイレ・浴室・キッチン・ランドリー・洗面』6 つの機能が、ど の程度備わっているかというのを分類した。ここでいう『玄関』とは共用部にエントラン ス等の『玄関』を持つか持たないかで判断している。つまり、共用のエントランス『玄関』 がなくそのまま個室へ出入りできる造りになっている場合は個室に『玄関』があるという 判断をしている。一方、共用のエントランス『玄関』がある場合は、個室に『玄関』がな いという判断をしている。 3-4-1 個 室 機 能 分 類 表 2 個室機能分類 3-4-2 共 用 部 機 能 分 類 表 3 共用部機能分類 15 3-5 シ ェ ア ハ ウ ス の 事 例 3-5-1 SHAREyaraicho (事 例 番 号 No.16) ■作品名 SHAREyaraicho ■設計 篠原 聡子/空間研究所 +内村 綾乃/ A studio ■コモンスペースの分類 ・居住者コモン(屋内) ・居住者コモン(屋外) ■個室機能分類 D 完全不備 ■共用部機能分類 d 完備 ■所在地 東京都新宿区 ■住宅形態 シェア型賃貸住宅 ■戸数(何人部屋) 7 戸(1 人部屋) fig.7 10 SHAREyaraicho 写真 10 引用: JA+U(https://www.japlusu.com/news/shareyaraicho) 16 common terrace work area1 hall work area2 fig.8 11 引用: 新建築 SHAREyaraicho 平面図 11 2012. 8 ■敷地面積 ■コモンスペース面積 hall 15.48 ㎡ 128.60 ㎡ work area1 22.77 ㎡ ■建築面積 work area2 7.98 ㎡ 76.68 ㎡ common terrace 7.42 ㎡ ルーフテラス(屋上) 69.42 ㎡ 合計 123.07 ㎡ ■延床面積 184.27 ㎡ ■個室面積 12.28 ㎡ 18.38 ㎡ 17 ・建物概要 東京都新宿区の古くからの落ち着いた邸宅地の一画に 7 人が入居するシェアハウス 『SHAREyaraicho』が建っている。3 階建ての金属の門型フレームにテント張りという大 きな箱のような建物に 20 代∼40 代の性別も職業も異なる 7 人が、キッチンやリビングやト イレ・バスルームなどを共有しながら、一人ずつ個室を持つというシステムの中共同生活 をしている。そのファサードに張られたテントには鍵の付いたジッパーがあり、それを上 げると入口になるというユニークな発想の入口になっている。1 階の作業場では住人が共同 で使用する家具などを製作し、『住みこなし』を体験し実践している。 ・コモンスペースの分類 『hall』『work area2』は、屋内で居住者のみが利用する『居住者コモン(屋内)』に分類 されている。 『work area1』『common terrace』は、半透明な防水シートにより仕切られた半屋外空 間で居住者のみが利用する『居住者コモン(屋外)』に分類される。 屋上にあるルーフテラスは、屋外で居住者のみが利用する『居住者コモン(屋外)』に分類 される。 これによって、『work area1』『common terrace』は半屋外にあるものの積極的には周 辺住民との交流を促すものにはなっていない。 ・ 個 室 -共 用 部 機 能 分 類 個室は、『玄関』『トイレ』『浴室』『キッチン』『ランドリー』『洗面』の機能がないため 『D 完全不備』に分類される。 共用部は、『玄関』『トイレ』『浴室』『キッチン』『ランドリー』『洗面』の機能が全て備 わっているため『d 完備』に分類される。 これによって、『SHAREyaraicho』は、一人ずつ個室を持つ事でプライベートは確保さ れつつ、共用部が生活の中心にあるということになる。 18 3-5-2 THE SHARE (事 例 番 号 No.14) ■作品名 THE SHARE ■設計 ジーク ■コモンスペースの分類 ・外部者とのコモン(屋内) ・外部者とのコモン(屋外) ■個室機能分類 C 半不備 ■共用部機能分類 c 充実 ■所在地 東京都渋谷区 ■住宅形態 シェア型賃貸住宅 ■戸数(何人部屋) 64 戸(1 人部屋) fig.9 THE SHARE 写真 12 19 fig.10 THE SHARE 平面図 12 12 引用: THE SHARE TOKYO SOCIAL STANDARD (https://www.the-share.jp/) ■敷地面積 -㎡ ■コモンスペース面積 6th パプリック 349.09 ㎡ コミュニティガーデン 170.28 ㎡ 合計 519.37 ㎡ ■建築面積 -㎡ ■延床面積 3,823 ㎡ ■個室面積 11.60 ㎡、18.10 ㎡、21.30 ㎡ 20 ・建物概要 『THE SHARE』は、東京都渋谷区にある S H O P・O F F I C E・A P A R T M E N T 機 能が一つになった 6 階建ての新しい複合シェア施設。建物内に内包された様々なコンテン ツやモノ・コトをシェアし、集う・暮らす・創造するといった͒時間を楽しく、魅力的に過 ごせる空間を目指している。 ・コモンスペースの分類 『6th パブリック』は、屋内で居住者と周辺住民が利用する『外部者とのコモン(屋内)』 に分類されている。オフィス入居者も利用しているこの『6th パブリック』はパーティも 行われる他、イベント事にも使われている。 『コミュニティガーデン』は、屋外空間で居住者と周辺住民が利用する『外部者とのコ モン(屋外)』に分類される。 『6th パブリック』同様『コミュニティガーデン』もオフィス 入居者も利用していてパーティやイベント事に使われている。 よって、 『THE SHARE』のコモンスペースは積極的に周辺住民と交流を促すものになっ ている。そして、1F の SHOP は居住者と周辺住民とを繋ぐコミュニティハブとなる空間で あり、ここでも地域コミュニティの場となるようなイベントも開催している。 ・ 個 室 -共 用 部 機 能 分 類 個室は、『玄関』『トイレ』『浴室』『キッチン』『ランドリー』の機能がないが『洗面』だ け備わっているため『C 半不備』に分類される。 共用部は、『玄関』『トイレ』『浴室』『キッチン』『ランドリー』の機能が全て備わってい るが『洗面』だけ備わっていないため『c 充実』に分類される。 これによって、 『THE SHARE』は、一人ずつ個室を持つ事でプライベートは確保されつ つ、共用部が生活の中心にあるということになる。 21 3-5-3 ヨ コ ハ マ ア パ ー ト メ ン ト (事 例 番 号 No.11) ■作品名 ヨコハマアパートメント ■設計 西田司+中川エリカ ■コモンスペースの分類 ・外部者とのコモン(屋外) ■個室機能分類 B 一部不備 ■共用部機能分類 b 付加 ■所在地 神奈川県横浜市 ■住宅形態 共同住宅 ■戸数(何人部屋) 4 戸(1 人部屋) fig.11 ヨコハマアパートメント写真 13 13 引用: ondesign & Partners Architects Office (http://ondesign.co.jp/) 22 fig.12 ヨコハマアパートメント 平面図 14 14 引用: 新建築 2010. 2 ■敷地面積 140.61 ㎡ ■コモンスペース面積 1F 半外部ラウンジ ■建築面積 83.44 ㎡ ■延床面積 152.05 ㎡ ■個室面積 16.56 ㎡+3 ㎡(倉庫)、17.29+3 ㎡(倉庫)、19.00 ㎡+3 ㎡(倉庫) 23 広場 51.09 ㎡ ・建物概要 神奈川県横浜市にある『ヨコハマアパートメント』は、1階を近所にも開かれた天井高 5mの半外部ラウンジ 広場 、そこから各々の専用階段をぐるっと回って、高くて明るい2 階の居住部屋に入る事が出来るという構成になっている。 ・コモンスペースの分類 『1F 半外部ラウンジ 広場 』は、半透明な防水シートにより仕切られた半屋外空間 で居住者と周辺住民が利用する『外部者とのコモン(屋外)』に分類される。この大きなキッ チンのある 1 階の 広場 で、日常の食事や趣味を楽しむ他 個展やパフォーマンス、シン ポジウムなどのイベントが開催されている。また、地域の集会やワークショップ、講習会 も開催されている。 よって、 『ヨコハマアパートメント』のコモンスペースは積極的に周辺住民と交流を促す ものになっている。 ・ 個 室 -共 用 部 機 能 分 類 個室は、『洗面』だけなく、『玄関』『トイレ』『浴室』『キッチン』『ランドリー』の機能 が備わっているため『B 一部不備』に分類される。 共用部は、『玄関』『トイレ』『キッチン』『洗面』の機能が全て備わっているが、『玄関』 『浴室』『ランドリー』が備わっていないため『b 付加』に分類される。 これによって、 『ヨコハマアパートメント』は、一人ずつ個室を持つ事でプライベートは 確保されている。しかし、機能が個室に備わりすぎていて個室での生活が重視されている。 24 3-6 事 例 資 料 集 3-6-1 事 例 デ ー タ 事例 何人 竣工年 名称 掲載媒体 戸(室)数 番号 No.1 住宅形態 特徴 部屋 1991 再春館製薬女子寮 新建築 1991. 10 20 4人 単身寮 4 人部屋にすることで広々した LDK がある。 1つの住戸に複数の他人と共同生活するという新しい No.2 1992 高島平の集合住宅 新建築 1992. 5 14 1人 共同住宅,店舗 プログラムを持ち、プライバシーは確保されつつも、積 極的な出会いの場、交流の場を所有する住戸形式を 目指した。 No.3 1994 コルテ松波 新建築 住宅特集 1994. 8 22 1人 単身寮 ワンルームタイプ。ランドリーを共有 No.4 1998 YKK 黒部寮 新建築 1998. 11 99 1人 単身寮 部屋にバス・トイレ完備。 No.5 2002 真鶴共生舎 木の家 新建築 2003. 4 10 1人 共同住宅(シルバー) 自立した老後の共同生活の場。バリアフリー。 150 年余前の古民家を改修したシェア型賃貸住宅。 2010 年末日でプロジェクトは終了、200 年 4 月から子 No.6 2002 松陰コモンズ 新建築 住宅特集 2003. 10 7 1人 共同住宅(コレクティブ) 育て世代とさまざまな世代が出会う場として『古民家 mamas』になっている。 No.7 2003 かんかん森 新建築 住宅特集 2003. 10 No.8 2003 久が原のゲストハウス 新建築 2004. 4 No.9 2005 森山邸 新建築 2006. 2 28 - 共同住宅(コレクティブ) 10(9 戸+オ ーナー) 6 船をイメージした外観とおしゃれなお部屋が一番の魅 1人 共同住宅(ゲストハウス) 1人 共同住宅 力。 表 4 事例データ(次のページに続く) 25 多世代型コレクティブハウス。 生活が個室で全て完結する。 事例 何人 竣工年 名称 掲載媒体 戸(室)数 番号 住宅形態 特徴 部屋 ダイニングキッチン、リビング、そしてルーフテラスとい No.10 2008 マージ ュ西国分寺 新建築 2009. 2 9(9 世帯) 世帯 共同住宅(SOHO) う共用スペースを、各部屋とつなげるように設けてい る。1 階部分には SHOP がある。 1階を近所にも開かれた天井高5m の半外部ラウン No.11 2009 ヨコハマアパ ートメント 新建築 2010. 2 4 1人 共同住宅 ジ 広場 、そこから各々の専用階段をぐるっと回っ て、高くて明るい 2 階の居住部屋に入る事が出来ると いう構成になっている。 No.12 2011 京だ んらん東福寺 No.13 2011 シェアプ レイス田園調布南 ひつじ不動産 6 1人 シェア型賃貸住宅 築 80 年を越す京町家を改修したシェア型賃貸住宅。 ひつじ不動産 73 1人 シェア型賃貸住宅 築 41 年の独身寮を、リノベーション工事。 SHOP・OFFICE・APARTMENT 機能が一つになった新 しい複合シェア施設。OFFICE・APARTMENT 入居者 No.14 2011 THE SHARE CASA BRUTUS 2012.2 64 1人 シェア型賃貸住宅 共有のコミュニティガーデンやパブリックスペース(キッ チン、シアタールーム、ラウンジなど)がある。 鎌倉のリノベ No.15 5(4 戸+オ ーション音楽 2012 新建築 住宅特集 ホール付シェアハウス 2012. 8 ーナー) 1人 共同住宅(ゲストハウス) 音楽ホール付シェアハウス。 開口部が防水テント幕で出来ている。1 階の作業場で No.16 2012 SHAREyaraicho 新建築 2012. 8 7 1人 シェア型賃貸住宅 住人が共同で使用する家具などを製作し、『住みこな し』を体験し実践する。 表 4 事例データ 26 3-6-2 事 例 コ モ ン ス ペ ー ス の 分 類 事例 番号 竣工年 No.1 1991 No.2 1992 No.3 1994 No.4 No.5 No.6 No.7 1998 2002 2002 2003 名称 再春館製薬女子寮 Ⅰ 高島平の集合住宅 共有室 Ⅰ 高島平の集合住宅 店舗 Ⅴ コルテ松波 Ⅰ YKK 黒部寮 ミーティング室、和室、ラウンジ、セルフキッチン Ⅲ YKK 黒部寮 レストラン、バー、厨房、ライブラリー Ⅴ YKK 黒部寮 テラス Ⅳ 真鶴共生舎 木の家 食堂、居間、読書室 Ⅰ 真鶴共生舎 木の家 テラス Ⅱ 松陰コモンズ サンルーム、土壁の居間 Ⅰ 松陰コモンズ 座敷、広縁 Ⅲ かんかん森 Ⅰ 久が原のゲストハウス 共用キッチン No.8 2003 Ⅰ 共用スペース(ダイニング、リビング) 久が原のゲストハウス ラウンジ No.9 No.10 2005 2008 No.11 2009 No.12 2011 Ⅰ 森山邸 なし マージュ西国分寺 店舗 Ⅴ マージュ西国分寺 SOHO Ⅵ マージュ西国分寺 コモンダイニング Ⅰ ヨコハマアパートメント Ⅳ 京だんらん東福寺 和室、インナーテラス Ⅰ 京だんらん東福寺 ルーフデッキ、中庭 Ⅱ シェアプレイス田園調布南 ラウンジ、スタディスペース No.13 2011 生活共有空間分類 キッチン、IKADA 屋内、DOTE 屋内、和室、ベースメント シェアプレイス田園調布南 IKADA 屋外、DOTE 屋外、屋上庭園 表 5 事例コモンスペースの分類(次のページに続く) 27 Ⅰ Ⅱ 事例 番号 No.14 No.15 No.16 竣工年 2011 2012 2012 名称 生活共有空間分類 THE SHARE SHOP Ⅴ THE SHARE OFFICE Ⅵ THE SHARE 6th パブリック Ⅲ THE SHARE コミュニティガーデン Ⅳ 鎌倉のリノベーション音楽ホール付シェアハウス Ⅰ SHAREyaraicho hall Ⅰ SHAREyaraicho work area1、common terrace Ⅱ SHAREyaraicho work area2 Ⅰ SHAREyaraicho ルーフテラス Ⅱ 表 5 事例コモンスペースの分類 記号) Ⅰ:居住者コモン(屋内) 、Ⅱ:居住者コモン(屋外) Ⅲ:外部者とのコモン(屋内) 、Ⅳ:外部者とのコモン(屋外) Ⅴ:パブリックスペース 、Ⅵ:その他 ・考察 シェアハウスのコモンスペースが周辺住民に開放されている事例は稀でイベントを開く 目的を元に計画されて物が殆どである。その中で『マージュ西国分寺』の様に店舗や SOHO とシェアハウスが一体になった物もある。近年では規模が大きくなり『THESHARE』の様に 複合施設の中にシェアハウスがある事例も出て来ている。そして、本提案で示した 4 つの コモンスペースが 1 つのシェアハウスに集約された事例は無かった。本提案では、4 つのコ モンスペースを幾つも配置する事で各コモンスペースの配置の違いにより、色々な交流の 仕方が生まれる事を狙っている。 28 3-6-3 事 例 個 室 -共 用 部 機 能 分 類 個室 共有部 個 室 事例 番号 ラ 竣工年 名称 ト キ ン ッ ド ド 分 チ リ 洗 玄 イ 浴 チ リ 洗 関 レ 室 ン ー 面 関 レ 室 ン ー 面 ○ ○ ○ ○ ○ ○ No.2 1992 高島平の集合住宅 No.3 1994 コルテ松波 ○ ○ ○ ○ No.4 1998 YKK 黒部寮 ○ ○ No.5 2002 真鶴共生舎 木の家 ○ No.6 2002 松陰コモンズ No.7 2003 かんかん森 No.8 2003 久が No.9 2005 森山邸 No.10 2008 No.11 2009 ヨコハマアパ No.12 2011 京だ No.13 2011 ○ ○ 2011 No.15 2012 No.16 2012 機 能 分 類 d ○ ○ ○ ○ ○ ○ C c ○ ○ B b ○ ○ ○ ○ ○ ○ C c ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ C d ○ ○ ○ ○ ○ ○ D d ○ ○ B c ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ B b ○ ○ ○ ○ ○ ○ A a マージ ュ西国分寺 A F タイプ ○ ○ ○ ○ マージ ュ西国分寺 G H タイプ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ んらん東福寺 ○ THE SHARE 鎌倉のリノベ 部 D ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ C B A b ○ ○ ○ ○ ○ ○ D d ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ーション 音楽ホール付シェアハウス SHAREyaraicho 表 6 事例 個室-共用部機能分類 記号) 個室-共用部の機能分類の記号は P15 を参照。 29 c ○ シェアプ レイス田園調布南 105 号室以外 No.14 類 用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ シェアプ レイス田園調布南 105 号室 ッ 能 浴 再春館製薬女子寮 ートメント ン イ 1991 ストハウス ト キ 機 玄 No.1 原のゲ ラ 共 C D d C c ○ ○ ○ ○ ○ ○ D d ○ ○ ○ ○ ○ ○ D d fig.13 事例 個室-共用部機能分類 グラフ ・考察 事例の多くが共用部依存-共用部重視である。つまり、共用部が生活の中心にあると言え る。特に近年の事例はそれが顕著に現れている。これは、光熱費削減というよりも他人と の交流を求め入居する者への対応という目的の方が大きいと思われる。本提案でも居住者 である障害者と福祉を学ぶ学生の交流を促すために共用部にトイレなどの機能を備える事 にした。そして、今回対象とする入居者が障害者という一人ひとり特殊な環境で生活する 者なので、機能を個室に備えると入居者の障害、障害区分が偏る原因になると考え上記の 設定にした。 30 4 障 害 者 の 住 環 境 4-1 車 椅 子 使 用 者 (下 肢 障 害 者 )の 住 環 境 車椅子使用者は、タイヤなので段差につまづく、乗り越えられないという事があるので 段差が解消されている。そして、車椅子が回転できる広さが確保されている。また、浴室・ トイレが特殊で車椅子の動ける広さが確保されている。他、重度障害でる頸髄損傷者は座 位バランが悪いため、下記の写真のように車椅子の座面の高さ GL+500 に板を張った平面 ろ台に便器を埋め込んだトイレを使用する者もいる。このトイレは頸髄損傷者の中でも長 座位移乗 (足を伸ばした状態で移乗)する者が使用する。 浴室 トイレ fig.14 国立障害者リハビリテーションセンター写真 4-2 つ え 使 用 者 (下 肢 障 害 者 )の 住 環 境 つえ使用者は、手すりがないと体を預けることができないので手すりが設置されている。 そして、足が上がりにくいので段差を低く設定するか、段差が解消されている。また、椅 子に座って動作することがあるので椅子が設置されている。 浴室 トイレ fig.15 国立障害者リハビリテーションセンター写真 31 4-3 上 肢 障 害 者 の 住 環 境 上肢障害者は、腕に障害があり腕が動きにくい、力が入りにくい。または、細かい作業 ができないという事があるので、大きな取っ手付きの引き戸であったり、鍵はレバー式の 物が使用されている。公共施設の多目的トイレを例に挙げると、自動式引き戸であったり (ボタンにより開閉する物が主流)、鍵は自動でロックされる物が使用し易い。 拡大 fig.16 多目的トイレ開閉ボタン 4-4 内 部 障 害 者 の 住 環 境 内部障害者は、『心臓機能障害』『腎臓機能障害』『呼吸器機能障害』『膀胱・直腸機能障 害』など内部に障害がある。人工肛門、人工膀胱を増設している者がいるため公共施設の 多目的トイレでもオストメイト(人工肛門又は人工膀胱保有者)対応のトイレが使用し易い。 また、体力が低下しているいて長い距離を歩く事ができない者がいるので椅子が設置され ている。 fig.17 オストメイト対応の多目的トイレ 32 4-5 視 覚 障 害 者 (全 盲 )の 住 環 境 視覚障害者(全盲)は、視覚による情報認知が不可能なため部屋の框などの段差や床材(絨 毯なども含む)の変化により危険を察知する。そして、屋外でも誘導用・注意喚起用床材、 手すり、音声案内板、点字などを頼りに行動している。 京都駅 誘導用床材 高知駅の触地図(※)15 fig.18 視覚障害者(全盲)が使う案内(駅の案内) 15 引用:高知県地域福祉部障害保険福祉課 土木部建築指導課. 『高知県ひとにやさしいまちづくり条例 施設整備設計マニュアル』 (p.163) ※触地図とは道路や建物などの地物を凹凸のある線や網目模様で、注記を点字により表現 している。 4-6 視 覚 障 害 者 (弱 視 等 ) の 住 環 境 視覚障害者(弱視等)は、全盲者と同じように床材の変化により危険を察知する者もいる。 弱視なので少し見えている者はサインによって空間を把握する。そのため、サインは大き な文字や色のコントラストをつけた物が確認し易い。そして、サインの位置も重要で白棒 を使用している者は地面にサインがあると分かり易い。 fig.19 視覚障害者(弱視)が見やすいサイン 16 16 引用: トヨタループス(http://www.toyota-loops.co.jp/text/top.html) 33 4-7 聴 覚 障 害 者 (全 ろ う ) の 住 環 境 聴覚障害者(全ろう) は、音が聞こえない(音声による情報認知が不可能)なので、目でわ かる情報が必要。そのため、リビング等に来客者が来た事が分かるようにインターホンと 連動している回転灯(パトライト)やフラッシュランプが設置すされている。そして、聴 覚障害者のために施設の個室にも設置されている。また、危険を認識するためにガス警報 機や火災報知機と連動している回転灯(パトライト)やフラッシュランプが設置されてい る。 回転灯(パトライト)17 フラッシュランプ fig.20 聴覚障害者が使用するライト 17 引用:わかふじ寮歳時記-blog-(http://blog.canpan.info/wakafuji/archive/205) 4-8 聴覚障害者(難聴) の住 環 境 聴覚障害者(難聴)は、音が聞こにくい(音声による情報認知が困難)。全ろう者と同じよう な住環境で生活している者もいる。フラッシュランプは、ドアベルやチャイムの近くに設 置しそれらの音を感知し無線信号を発信する。それを使い来客、電話、目覚まし、赤ちゃ んの泣き声、火災警報を光、振動、音で知らせている。 フラッシュランプ fig.21 聴覚障害者が使用するライト 18 18 引用:自立コム(http://www.jiritsu.com/) 34 5 シ ェ ア ハ ウ ス の 共 用 部 の 条 件 設 定 『シェアハウスの共用部の条件設定』では、住む人が我慢を強いられないように設定し ている。 そして、新しい試みとしては『すべての人にとって使いやすい』というユニバー サルデザインの考え方では、障害者にとって使用できなくて我慢を強いられる事が ある。一方、現在の日本の施設では『視覚障害者』だけ違う棟で生活するなど過度 に 生 活 空 間 を 区 別 し て い る 所 が あ る 。そ こ で 今 回 、『 視 覚 障 害 者 』以 外 の 障 害 者 で も 『視覚障害者』と同じ空間で生活できることを示している。 5-1 対 象 と す る 者 (障 害 者 ) 『身体障害者』と『健常者』を対象とする。『健常者』は福祉を学ぶ者を対象とする。 『身体障害者』の内 以下の 8 つの障害を対象とする。 ・車椅子使用者(下肢障害者) ・つえ使用者(下肢障害者) ・内部障害者 ・視覚障害者(全盲) ・聴覚障害者(全ろう) ・聴覚障害者(難聴) ・上肢障害者 ・視覚障害者(弱視等) fig.22 障害の特徴 19 19 引用:高知県地域福祉部障害保険福祉課 土木部建築指導課. 『高知県ひとにやさしいまちづくり条例 施設整備設計マニュアル』 (p.15) 35 5-2 シェアハウスの共用部の条件設定までの流れ 障害の特徴、困る 共用部(玄関、トイレ、浴室、キッチン、 こと ランドリー、洗面、リビング、ダイニン グ)の条件を設定 ↓ 「違う障害に対応した条件でも問題な く住めるのか」を判断 障害者同士の環境 共存度 シェアハウスの共用部の条件を設定 シェアハウスのタイプを決定 ! (シェアハウスにどの障害を持つ者 設定した条件で「その障害者が問題なく を住まわすかを決定) 住めるのか」を確認 fig.23 シェアハウスの共用部の条件設定までの流れ フローチャート 36 5-3 障害の特徴、困ること 今までの自分の経験と『高知県ひとにやさしいまちづ 障害別 くり条例 施設整備設計マニュアル』 を参考に『障害の特徴』、『障害によって困ること』の表を作成した。 車椅子使用者(下肢障害 つえ使用者(下肢障 者) 害者) 上肢障害者 内部障害者 視覚障害者(全盲) 視覚障害者(弱視等) 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) (視覚による情報認知が ・音が聞こえない。 ・音が聞こにくい。 困難。) (音声による情報認知 (音声による情報 ・色の見分けがつきにく が不可能。) 認知が困難。) 健常者 ・車椅子で移動する。 (タイヤである、前輪が小さ い。) (斜面地の移動や静止が 困難。) ・力が入りにくい。 (動作に一定スペースを必 ・腕が動きにくい。 要とする。) ・杖を使う。 (腕の稼働範囲が 動きの性質特 (車椅子に足乗せ台があ ・手すりにつかま 狭い。) 徴 る。) る。 ・細かい作業がで (両手で車椅子を操作す ・足が上がりにくい。 きない。 る。) (握力が弱い。) (座った状態である。) (指が動かない。) ・装具等への充電が 必要。 ・人工肛門、人工膀 ・視覚による情報認知が不可能。 ・音で確認する。 胱を増設している。 ・さわって確認する。 ・体力が低下する。 ・手すりを伝う。 (力が入りにくい。) ・目が見えにくい。 (疲れやすい。) ・車椅子から乗り移りす る。 (手すりを使う。) ・体の支えが必要。 表 7 障害の特徴 19 20 参考文献:高知県地域福祉部障害保険福祉課 土木部建築指導課. 『高知県ひとにやさしいまちづくり条例 施設整備設計マニュアル』 (p.15-26) 37 い。 - 障害別 車椅子使用者(下肢障害 つえ使用者(下肢障 者) 害者) 上肢障害者 内部障害者 視覚障害者(全盲) 視覚障害者(弱視等) 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 ・表示が読めない。 ・危険がわからない。 ・タイヤで段差につまづく、 ・誘導用、注意喚起用床材が過剰に 乗り越えられない。 ・凸凹の床面や厚い絨毯 では、車椅子が操作しにく い。 ・(出入り口等)幅が狭いと 車椅子が通れない。 ・便房が狭いと車椅子が 回転できない。 ・足乗せ台が当たるため、 困ること 水飲み器、電話台、窓口カ ウンター、記載台等に近づ けない。 ・開き戸の場合車椅子を操 作しながらでは開きにく い。 ・傘を差すことができない。 ・高いところは、見えない (手が届かない)。 ・背もたれのない椅子や便 座は使えない。 設置されているとわかりにくい。 ・アナウンス情報、 ・健康保持、その他 ・戸があることがわからず、ぶつか 危険や緊急事態 の障害を補うための る。 ・小さな字や下地と同系 ・床面によって、杖 ・重い戸は開けに 機器への充電が必 ・トイレ、浴室の出入り口がわからな 色のサインは情報が識 ・アナウンス情報、危険 ・高音域の警報が が滑って転ぶ。 くい。 要。 い。 別しにくい。 や緊急事態がわからな 聞こえないことが ・手すりがないと、体 ・取っ手等の位置 ・トイレで排泄用装 ・音声案内板の音が反響して聞き取 ・階段の段鼻が目立たな い。 ある。 を預けることができ (遠い、高いなど) 具を交換するスペー りにくいことがある。 いと段の見分けができず ・目でわかる情報が必 ・目でわかる情報 ない。 によって使えな スや置き場がない。 ・トイレで水洗ボタンがセンサー式の 転倒する。 要。 が必要。 ・手すりの位置によ い。 ・トイレで排泄の際、 場合、手をかざす位置がわからな ・廊下の幅が広い場合、 ・エレベーターが緊急 ・エレベーターが っては、力が入らず ・細かい仕様の取 通常の便座では低く い。 足元が暗く見えにくい。 停止した時等、外の様 緊急停止した時 使いにくい。 っ手等の操作がで 使いにくい。 ・トイレで非常ボタンの位置がわから ・ガラス戸は見分けがつ 子がわからない、外部 等、外の様子がわ ・小さな段でもつま きない。 ・重いものが持てな ない。 きにくくぶつかる。 との連絡も取れない。 からない、外部と づく。 ・コンセントからプ い。 ・トイレで非常ボタンと水洗ボタンを ・同系色の表示は色の見 ・電話での意思疎通が の連絡も取れな ・段の蹴上げが高い ラグを引き抜く操 ・早く歩けない、長 間違える。 分けがつきにくいので、 できないため、緊急時 い。 と上がれない。 作が難しい。 時間歩けない。 ・歩道と車道を段差で判断するた 危険を見落とすことがあ に連絡が取れない。 ・電話での意思疎 ・階段での移動が難 め、段差がないと危険。 る。 しい。 ・建物では手すりを頼りに目的場所 め、緊急時に連絡 へ行くことが多いが手すりがないこと が取れない。 - もある。 ・階段を昇降する際、何階にいるか わからない。 表 8 障害によって困ること 19 20 がわからない。 参考文献:高知県地域福祉部障害保険福祉課 土木部建築指導課. 『高知県ひとにやさしいまちづくり条例 施設整備設計マニュアル』 (p.15-26) 38 通ができないた 5-4 障 害 者 同 士 の 環 境 共 存 度 『障害の特徴』、『障害によって困ること』の表から『障害者同士の環境共存度』を判断した。『障害者同士の環境共存度』とは、違う障害に対応した環境条件でも生活できるのかというものだ。 『車椅子使用者』はタイヤで段差につまづくいたり、段差を乗り越えられない。また、凸凹の床面や厚い絨毯では車椅子では操作しにくいという事がある。一方、『視覚障害者』は部屋の框などの段差や床材(絨毯 なども含む)の変化により危険を察知するので一緒に暮らすとなると、どちらかが我慢を強いられる。 『視覚障害者』は音声機能による情報が必要である。一方、『聴覚障害者』は目でわかる情報が必要なので一緒に暮らすとなると、どちらかが我慢を強いられる。 車椅子使用者(下肢 つえ使用者(下肢障 障害者) 害者) 上肢障害者 内部障害者 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 車椅子使用者(下肢障害者) つえ使用者(下肢障害者) ○ 上肢障害者 ○ ○ 内部障害者 ○ ○ ○ 視覚障害者(全盲) ○ ○ ○ 視覚障害者(弱視等) ○ ○ ○ 聴覚障害者(全ろう) ○ ○ ○ ○ 聴覚障害者(難聴) ○ ○ ○ ○ 健常者 ○ ○ ○ ○ 視覚障害者(全盲) 視覚障害者(弱視 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 等) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 表 9 障害同士の環境共存度 記号) ○: 違う障害に対応した環境条件でも生活できる(一緒に暮らしても問題ない)。 ! : 違う障害に対応した環境条件では生活できない(一緒に暮らすとなると、どちらかが我慢を強いられる)。 5-5 シ ェ ア ハ ウ ス の タ イ プ を 決 定 ステップ型 シェアハウス 『シェアハウスのタイプを決定』では、 『障害者同士の環境共存度』の表から『シェアハウスにどの障害を持つ者を住まわすか』を決 シェアハウス番号 フラット型 シェアハウス 車椅子使用者(下肢障害者) ○ つえ使用者(下肢障害者) ○ ○ ェアハウスは一つ作ろうと考え『シェアハウスの共用部の設定』を行っていたが、今回取り扱うシェアハウスでは、障害の違いにより 上肢障害者 ○ ○ 全ての人が同じ空間で生活すると、誰かが我慢を強いられるという問題が発生したため『シェアハウスのタイプを決定』を行った。そ 内部障害者 ○ ○ の結果、少なくとも 2 つのタイプのシェアハウスが必要だという所にたどり着いた。 視覚障害者(全盲) ○ フラット型 シェアハウスは、『車椅子使用者』を中心に使用する事を考えて設定している。一緒に暮らすとなると、我慢を強いられ 視覚障害者(弱視等) ○ る『視覚障害者』は住む事を考えていない。ステップ型 シェアハウスは、『視覚障害者』を中心に使用する事を考えて設定している。 定した。これは、初めユニバーサルデザインの考え方である『大多数の人が利用可能なようにデザインする』という事を尊重して、シ 聴覚障害者(全ろう) ○ 一緒に暮らすとなると、我慢を強いられる『車椅子使用者』『聴覚障害者』は住む事を考えていない。『聴覚障害者』は『視覚障害者』 聴覚障害者(難聴) ○ との環境共存度の方にコミュニケーションが取るのが難しいため住む事を考えていない。 健常者 ○ 表 10 シェアハウスのタイプを決定 ○ こ の『 障 害 者 の 住 む 場 所 を 決 定 』は 、『 障 害 者 と 健 常 者 が 共 に 暮 ら す 記号)○: 住む事を想定している。 39 まちに開かれたシェアハウス ! : 住む事を想定していない。 の 提 案 』で 使 わ れ る 。 fig.24 障害者の特徴とシェアハウスのタイプを決定の円グラフ 40 5-6 共 用 部 の 条 件 を 設 定 『障害の特徴』、『障害によって困ること』の表+『各共用部の細かい使用』から共用部の条件を設定した。 共用部である『トイレ、玄関、浴室、キッチン、ランドリー、洗面、リビング、ダイニング』の条件を設定した。 『違う障害に対応した条件でも問題なく住めるのか』を判断した。こ の 表 は シ ェ ア ハ ウ ス の 設 計 だ け で な く 、 病 院 や 施 設 の 設 計 に も 使 え る 。 5-6-1 ト イ レ の 条 件 を 設 定 車椅子使用者(下肢 つえ使用者(下肢障 障害者) 害者) 上肢障害者 △ 車椅子使用者(下肢障害者) 内部障害者 視覚障害者(全盲) 視覚障害者(弱視 等) 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 △ つえ使用者(下肢障害者) ○ △ △ △ △ △ △ △ 上肢障害者 △ △ △ △ △ △ △ △ 内部障害者 △ △ △ △ △ △ △ △ 視覚障害者(全盲) △ △ △ △ ○ △ △ △ 視覚障害者(弱視等) △ △ △ △ ○ △ △ △ 聴覚障害者(全ろう) △ △ △ △ △ △ ○ △ 聴覚障害者(難聴) △ △ △ △ △ △ ○ 健常者 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ・段差がない。 ・自動式引き戸もし ・引き戸にする。 くは、大きな取っ手 ・酸素ボンベ運搬車 付きの引き戸とす 等を使用できるよう 条件 る。 に段差が無いか、 る広さをとる。 ・出入り口は広くと る。 ・手すりを設置す ・出入り口の段差が 無いか、段差が低 い。 ・手すりを設置す る。 る。 ○ ・サインは認識しや ・重い戸ではない。 ・車椅子が回転でき △ ・鍵はレバー式もしく 段差が低い。 は自動でロックされ ・オストメイト(※)対 るものにする。 応トイレ。 ・出入り口に段差が ある。 ・水洗ボタン、手洗 すいものにする。 い場の水栓はセン ・水洗ボタン、手洗 サー式でないものと い場の水栓はセン する。(センサー式 サー式でないものと の場合は、手をかざ する。(センサー式 す位置を点字で表 の場合は、手をかざ 示する。) す位置を点字で表 ・出入り口に段差が 示する。) ある。 ・出入り口に段差が ある。 表 11 トイレの条件を設定 ※ オストメイト:人工肛門又は人工膀胱保有者 記号) ○ : 比較する障害を持つ者が問題なく住む事が出来る。 : 比較する障害を持つ者が一緒に住む事が出来ない。 △ : 比較する障害を持つ者の中で住む事が出来る者もいるし、出来ない者もいる。 41 ・トイレ使用時に使用していることが分かる ・バリアフリーがされ ように工夫(ランプをトイレの外に設置する ていない。 など)する。 ・出入り口に段差が ・出入り口に段差がある。 ある。 5-6-2 玄 関 の 条 件 を 設 定 車椅子使用者(下肢 つえ使用者(下肢障 障害者) 害者) 上肢障害者 △ 車椅子使用者(下肢障害者) 内部障害者 視覚障害者(全盲) 視覚障害者(弱視 等) 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 △ つえ使用者(下肢障害者) △ △ ○ △ △ △ △ △ 上肢障害者 △ △ △ △ △ △ △ △ 内部障害者 △ ○ △ △ △ △ △ △ 視覚障害者(全盲) △ △ △ △ △ △ △ △ 視覚障害者(弱視等) △ △ △ △ ○ △ △ △ 聴覚障害者(全ろう) △ △ △ △ △ △ ○ △ 聴覚障害者(難聴) △ △ △ △ △ △ ○ 健常者 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ ・道から玄関まで安 全に移動できるよう に注意喚起用床材 ・段差がない。 ・引き戸にする。 条件 ・車椅子が通れる幅 を確保する。 ・出入り口は広くと る。 ・段差が無いか、段 差が低い。 ・手すりを設置す る。 ・椅子に座って靴を 履く事ができるよう に椅子を設置する。 ・重い戸ではない。 (点字ブロック)、誘 ・自動式引き戸もし 導用床材(線状ブロ くは、大きな取っ手 ・酸素ボンベ運搬車 ック)、手すり等を適 付きの引き戸とす 等を使用できるよう 切に設置する。 る。 に段差が無いか、 ・階段は、転倒の恐 ・鍵はレバー式もしく 段差が低い。 れがあるので踏み はオートロックにす ・休憩のための椅子 面の端部にライン る。 を設置する。 (滑りにくい素材)を ・段差がある(出入り 引く。 口の段差、階段)。 ・階段には、手すり を設置する。 ・段差がある(出入り 口の段差、階段)。 表 12 玄関の条件を設定 42 ・サインは認識しや すいものにする。 ・階段は、転倒の恐 れがあるので段の 識別をしやすいため に踏み面の端部に ライン(識別しやすい 色で滑りにくい素材) を引く。 ・階段には、手すり を設置する。 ・段差がある(出入り 口の段差、階段)。 ・バリアフリーがされ ・カメラモニター付きインターホンを設置。 ていない。 ・段差がある(出入り口の段差、階段)。 ・段差がある(出入り 口の段差、階段)。 5-6-3 浴 室 の 条 件 を 設 定 車椅子使用者(下肢 つえ使用者(下肢障 障害者) 害者) 上肢障害者 内部障害者 視覚障害者(全盲) △ △ △ △ 視覚障害者(弱視 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ ○ △ △ △ △ △ △ ○ △ 等) △ 車椅子使用者(下肢障害者) つえ使用者(下肢障害者) ○ 上肢障害者 △ △ 内部障害者 ○ ○ △ 視覚障害者(全盲) △ △ △ △ 視覚障害者(弱視等) △ △ △ △ ○ 聴覚障害者(全ろう) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 聴覚障害者(難聴) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 健常者 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ・自動式引き戸もし ・椅子に座って洗体 ・触れて確認するた くは、大きな取っ手 をするため椅子を設 め浴槽や出入り口 付きの引き戸とす 置する。 の近くの床材の素 る。 ・脱衣所にも椅子を 材を替える等工夫 ・鍵はレバー式のも 設置する。 する。 のにする。 ・出入り口に段差が ・出入り口に段差が ・出入り口に段差が ある。 ある。 △ ○ ・段差がない。 ・シャワーキャリー の操作の邪魔にな らないように適度な 大きさの洗い場が 必要。 ・椅子または台に移 条件 って洗体をするため 椅子または台を設 置する。 ・台を設置した場 合、脱衣室そして浴 槽の台の高さを車 ・出入り口の段差が 無いか、段差が低 い。 ・手すりを設置す る。 ・床材は滑らないも のにする。 ・椅子に座って洗体 をするため椅子を設 置する。 ・重い戸ではない。 ある。 椅子の高さに合わ せる。 表 13 浴室の条件を設定 43 ・サインは認識しや すいものにする。 ・お風呂にお湯を張る時に、お湯を張って ・床材の素材、色を いるのを忘れて浴槽からお湯が溢れない ・バリアフリーがされ 替える事でコントラ ように自動的に止めてくれる器具を付け ていない。 ストをつけて確認し る。 ・出入り口に段差が やすくする。 ・段差がある。 ある。 ・出入り口に段差が ・(入浴中 補聴器を外している。) ある。 5-6-4 キ ッ チ ン の 条 件 を 設 定 車椅子使用者(下肢 つえ使用者(下肢障 障害者) 害者) △ 車椅子使用者(下肢障害者) 上肢障害者 内部障害者 視覚障害者(全盲) △ △ △ △ ○ △ 視覚障害者(弱視 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ ○ △ △ △ △ △ △ ○ △ 等) つえ使用者(下肢障害者) △ 上肢障害者 △ △ 内部障害者 △ △ △ 視覚障害者(全盲) △ △ △ △ 視覚障害者(弱視等) △ △ △ △ ○ 聴覚障害者(全ろう) △ △ △ △ △ △ 聴覚障害者(難聴) △ △ △ △ △ △ ○ 健常者 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ ・ペースメーカー使 用者にとって IH 調 条件 ・素材や色のコント ・車椅子で使用でき 理器、IH 炊飯器は るようにキッチンの 近づく、あるいは使 ・音声ガイド付きの ・棚の戸は大きな取 用すると影響が出る キッチン。 っ手にする。 と思われるものなの ・火の加減がボタン で他のものにする。 一つで出来るもの。 下部は、車椅子の 足乗せ台が奥に入 るだけの空間を設 ける。 ・椅子に座って作業 するため椅子を設 置する。 ・椅子に座って作業 するため椅子を設 置する。 表 14 キッチンの条件を設定 44 ラストをつける。(シ ・人の気配を目視で判断するため、キッチ ンクとその他の部分 ンの後ろに通路を設けたりしない。つまり の素材や色を替え 対面型キッチンにする。左右に出入り口を たり、棚の取っ手は 設けない(人の出入りが分かりやすくするた 色を替えて分かりや めに)。 すくする等。) ・バリアフリーがされ ていない。 5-6-5 ラ ン ド リ ー の 条 件 を 設 定 ランドリーに関しては、段差解消+ドラム式洗濯機+椅子の設置をすれば全て○になる。 車椅子使用者(下肢 つえ使用者(下肢障 障害者) 害者) 車椅子使用者(下肢障害者) 上肢障害者 内部障害者 △ 視覚障害者(全盲) 視覚障害者(弱視 等) 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 △ つえ使用者(下肢障害者) △ △ ○ △ △ △ △ △ 上肢障害者 ○ ○ ○ △ △ △ △ △ 内部障害者 △ ○ △ △ △ △ △ △ 視覚障害者(全盲) ○ ○ ○ ○ ○ △ △ △ 視覚障害者(弱視等) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ 聴覚障害者(全ろう) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ 聴覚障害者(難聴) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 健常者 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ ・音声機能付き洗濯 ・出入り口の段差が 条件 ・出入り口の段差が 無いか、段差が低 ・洗濯機の扉の取っ 無い。 い。 手を大きなものにす ・車椅子で使用しや ・椅子に座って作業 る。 すいドラム式洗濯機 するため椅子を設 ・タテ型洗濯機、ドラ にする。 置する。 ム式洗濯機でも可。 ・設置場所の段差 ・椅子に座って作業 ・出入り口に段差が 解消。 しやすいドラム式洗 ある。 濯機にする。 ・酸素ボンベ運搬車 ・音声機能付き洗濯 機。 等を使用できるよう 機。 ・タテ型洗濯機、ドラ に出入り口の段差 ・タテ型洗濯機、ドラ ム式洗濯機でも可。 が無いか、段差が ム式洗濯機でも可。 ・サインは認識しや 低い。 ・部屋の床材を部屋 すいものにする。 ・休憩のための椅子 と廊下で替えたり、 ・床材の素材、色を を設置する。 段差をつけて確認し 替える事でコントラ ・椅子に座って作業 やすくする。 ストをつけて確認し しやすいドラム式洗 ・出入り口に段差が やすくする。 濯機にする。 ある。 ・出入り口に段差が ある。 表 15 ランドリーの条件を設定 45 ・表示が見やすい洗濯機。 ・タテ型洗濯機、ドラム式洗濯機でも可。 ・出入り口に段差がある。 ・タテ型洗濯機、ドラ ム式洗濯機でも可。 ・出入り口に段差が ある。 5-6-6 洗 面 の 条 件 を 設 定 車椅子使用者(下肢 つえ使用者(下肢障 障害者) 害者) △ 車椅子使用者(下肢障害者) 上肢障害者 内部障害者 視覚障害者(全盲) △ △ △ △ ○ ○ 視覚障害者(弱視 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ ○ △ △ △ △ △ △ ○ △ 等) つえ使用者(下肢障害者) △ 上肢障害者 △ △ 内部障害者 △ △ △ 視覚障害者(全盲) △ △ △ △ 視覚障害者(弱視等) △ △ △ △ ○ 聴覚障害者(全ろう) △ △ △ △ △ △ 聴覚障害者(難聴) △ △ △ △ △ △ ○ 健常者 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ っ手にする。 るように洗面台の足 元は、足が中に入る 条件 ようにする。 ・蛇口はシャワー式 にしてホースが伸び る物にする(髪が洗 えるようにする)。 ○ ・サインは認識しや ・棚の戸は大きな取 ・車椅子で使用でき △ ・コンセントからプラ ・椅子に座って作業 グを抜く操作が難し ・椅子に座って作業 するため椅子を設 いので、コンセント するため椅子を設 置する。 の差し込み口等か 置する。 ら簡単にプラグを引 き抜けるソケットを ・水栓はセンサー式 すいものにする。 でないものとする。 ・水栓はセンサー式 (センサー式の場合 でないものとする。 は、手をかざす位置 (センサー式の場合 ・使用中に後ろから来る人の気配が分かる ・バリアフリーがされ を点字で表示す は、手をかざす位置 ように鏡を設置する。 ていない。 る。) を点字で表示す ・出入り口に段差が る。) ある。 ・出入り口に段差が 備える。 ある。 表 16 洗面の条件を設定 46 5-6-7 リ ビ ン グ の 条 件 を 設 定 車椅子使用者(下肢 つえ使用者(下肢障 障害者) 害者) 上肢障害者 △ 車椅子使用者(下肢障害者) 内部障害者 視覚障害者(全盲) 視覚障害者(弱視 等) 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 △ つえ使用者(下肢障害者) ○ △ △ △ △ △ △ △ 上肢障害者 △ △ △ △ ○ △ △ △ 内部障害者 △ △ △ △ △ △ △ △ 視覚障害者(全盲) △ △ △ △ ○ △ △ △ 視覚障害者(弱視等) △ △ △ △ ○ △ △ △ 聴覚障害者(全ろう) △ △ △ △ △ △ ○ △ 聴覚障害者(難聴) △ △ △ △ △ △ ○ 健常者 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ ・酸素ボンベ運搬車 等を使用できるよう に出入り口の段差 ・段差がない。 ・引き戸にする。 ・車椅子の操作能 力が落ちる床材は 条件 避ける(厚い絨毯等 の設置は避ける)。 ・車椅子が通れる幅 を確保する。(椅子 やソファー等の配置 を工夫する)。 が無いか、段差が ・出入り口の段差が 低い。 無いか、段差が低 ・障害によっては急 い。 ・重い戸ではない。 に体調が悪くなる人 ・床材によって杖が ・大きな取っ手付き もいるので、一時的 滑るので、水にぬれ の引き戸とする。 に休めるように(楽 ても滑らない床材に ・出入り口に段差が な姿勢になれるよう する。 ある。 に)ソファーベッドを ・椅子やソファーを 設置する。 設置する。 ・ペースメーカーに 影響がある強い電 磁波を発生させる電 子機器は設置しな ・自分の現在の位 置やモノの確認は、 触れて確認するた め触れても怪我をし ・サインは認識しや ないような素材にす すいものにする。 る(勢いよく足にモノ ・床材の素材、色を があたる事があ 替える事でコントラ る)。 ストをつけて確認し ・床材の素材を替え やすくする。 る等(また絨毯等を ・出入り口に段差が 敷くなど)の工夫を ある。 する。 ・出入り口に段差が ある。 い。 表 17 リビングの条件を設定 47 ・来客者が来た事が分かるようにインター ホンと連動している回転灯(パトライト)やフ ラッシュランプを設置する。 ・ガス警報機や火災報知機と連動している 回転灯(パトライト)やフラッシュランプを設 置する。 ・出入り口に段差がある。 ・バリアフリーがされ ていない。 ・出入り口に段差が ある。 5-6-8 ダ イ ニ ン グ の 条 件 を 設 定 車椅子使用者(下肢 つえ使用者(下肢障 障害者) 害者) 上肢障害者 △ 車椅子使用者(下肢障害者) 内部障害者 視覚障害者(全盲) 視覚障害者(弱視 等) 聴覚障害者(全ろう) 聴覚障害者(難聴) 健常者 △ つえ使用者(下肢障害者) ○ △ 上肢障害者 △ △ 内部障害者 △ △ △ 視覚障害者(全盲) △ △ △ △ 視覚障害者(弱視等) △ △ △ △ ○ 聴覚障害者(全ろう) △ △ △ △ △ △ 聴覚障害者(難聴) △ △ △ △ △ △ ○ 健常者 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ・車椅子の操作能 力が落ちる床材は 避ける。 条件 ・車椅子が通れる幅 を確保する。(椅子 等の配置を工夫す る。) ・なるべく椅子を設 置しない。 △ △ △ △ △ △ △ ○ △ △ △ △ △ △ △ △ ○ △ △ △ △ △ △ ○ △ △ ○ ・自分の現在の位 ・段差がない。 ・引き戸にする。 △ ・出入り口の段差が 無いか、段差が低 い。 ・床材によって杖が 滑るので、水にぬれ ても滑らない床材に する。 ・椅子を設置する。 ・重い戸ではない。 ・大きな取っ手付き の引き戸とする。 ・出入り口に段差が ある。 ・酸素ボンベ運搬車 置やモノの確認は、 等を使用できるよう 触れて確認するた ・サインは認識しや に出入り口の段差 め触れても怪我をし すいものにする。 が無いか、段差が ないような素材にす ・床材の素材、色を ・手話で会話できるように(顔を見合わせて ・バリアフリーがされ 低い。 る(勢いよく足にモノ 替える事でコントラ コミュニケーションを取れるように)席の配 ていない。 ・ペースメーカーに があたる事があ ストをつけて確認し 置を工夫する。 ・出入り口に段差が 影響がある強い電 る)。 やすくする。 ・出入り口に段差がある。 ある。 磁波を発生させる電 ・床材の素材を替え ・出入り口に段差が 子機器は設置しな る等の工夫をする。 ある。 い。 ・出入り口に段差が ある。 表 18 ダイニングの条件を設定 48 5-7 シ ェ ア ハ ウ ス の 共 用 部 の 条 件 を 設 定 『障害者の住む場所を決定』+『共用部の条件を設定』の表からシェアハウスの共用部の条件を設定した。 そして、設定した条件で『その障害者が問題なく住めるのか』を確認した。 こ の 『 シ ェ ア ハ ウ ス の 共 用 部 の 条 件 を 設 定 』 は 、『 障 害 者 と 健 常 者 が 共 に 暮 ら す まちに開かれたシェアハウス の提案』で使われる。 5-7-1 フ ラ ッ ト 型 シ ェ ア ハ ウ ス 共 用 部 の 条 件 を 設 定 共用部 玄関 トイレ 玄関 1 トイレ 1(多目的トイレ) トイレ 2(車椅子使用者排便用トイレ) トイレ 3 車椅子使用者(下肢障害者) ○ ○ ○ つえ使用者(下肢障害者) ○ ○ △ 上肢障害者 ○ ○ △ 内部障害者 ○ ○ △ 視覚障害者(全盲) △ ○ △ 視覚障害者(弱視等) △ ○ △ 聴覚障害者(全ろう) ○ ○ △ 聴覚障害者(難聴) ○ ○ △ 健常者 ○ ○ ○ ・段差がない(出入り口も段差なし)。 ・大きな取っ手付きの引き戸とする(重い戸ではない)。 条件 ・段差がない(出入り口も段差なし)。 ・鍵はレバー式にする。 ・車椅子が通れる幅を確保する。 ・車椅子が回転できる広さをとる。 ・出入り口は広くとる。 ・出入り口は広くとる。 ・手すりを設置する。 ・手すりを設置する。 ・椅子に座って靴を履く事ができるように椅 ・椅子に座って靴を履く事ができるように椅子を設置す 子を設置する。 る。 ・大きな取っ手付きの引き戸とする(重い戸で ・オストメイト対応トイレ(汚物流し設置)。 はない)。 ・水洗ボタン、手洗い場の水栓はセンサー式でないものと ・鍵はレバー式にする。 する。 ・カメラモニター付きインターホンを設置。 ・サインは認識しやすいものにする。 長座位移動型(車椅子の座面の高さ GL+500 に板を張った平面台に便器を埋 め込んだトイレ)。頸髄損傷者の中でも長 ・バリアフリーがされていない。 座位移動(足を伸ばした状態で移動)する 者が使用する。 ・トイレ使用時に使用していることが分かるようランプをト イレの外に設置する(使用中はランプが光る)。 個数 1 3 4 表 19 フラット型 シェアハウス 共用部の条件を設定(次のページに続く) 49 3 浴室 共用部 洗面 浴室 1 浴室 2((車椅子使用者向け) 洗面 車椅子使用者(下肢障害者) △ ○ ○ つえ使用者(下肢障害者) ○ ○ 上肢障害者 ○ ○ 内部障害者 ○ ○ 視覚障害者(全盲) ○ ○ 視覚障害者(弱視等) ○ ○ 聴覚障害者(全ろう) ○ ○ 聴覚障害者(難聴) ○ ○ 健常者 ○ ○ ・段差がない。 ・シャワーキャリーの操作の邪魔にならないように適度な大きさの洗い場が必要。 条件 ・椅子または台に移って洗体をするため椅子または台を設置する。 ・車椅子で使用できるように洗面台の足元は、足が中に入るようにする。 ・手すりを設置する。 ・蛇口はシャワー式にしてホースが伸びる物にする(髪が洗えるようにす ・床材は滑らないものにする。 ・段差がない。 る)。 ・椅子に座って洗体をできるように椅子を設置する。 ・長座位移動型(洗い場の床の ・つえ使用者(下肢障害者)、内部障害者は使用時に椅子を設置する。 ・重い戸ではない。 高さを車椅子の座面の高さ ・棚の戸は大きな取っ手にする。 ・大きな取っ手付きの引き戸とする。 GL+500 に設定している)。頸髄 ・コンセントからプラグを抜く操作が難しいので、コンセントの差し込み口 ・鍵はレバー式のものにする。 損傷者の中でも長座位移動(足 等から簡単にプラグを引き抜けるソケットを備える。 ・脱衣所にも椅子を設置する。 を伸ばした状態で移動)する者 ・水栓はセンサー式でないものとする。 ・サインは認識しやすいものにする。 が使用する。 ・サインは認識しやすいものにする。 ・触れて確認するため浴槽や出入り口の近くの床材の素材を替える。 ・鏡を設置する(使用中に後ろから来る人の気配が分かるようにするた ・床材の素材、色を替える事でコントラストをつけて確認しやすくする。 め)。 ・お風呂にお湯を張る時に、お湯を張っているのを忘れて浴槽からお湯が溢れないように 自動的に止めてくれる器具を付ける。 個数 2 2 表 19 フラット型 シェアハウス 共用部の条件を設定(次のページに続く) 50 5 ランドリー リビング ダイニング ランドリー リビング 1 団らんダイニング 1(地域に開かれたダイニング) 車椅子使用者(下肢障害者) ○ ○ ○ つえ使用者(下肢障害者) ○ ○ ○ 上肢障害者 ○ ○ ○ 内部障害者 ○ ○ ○ 視覚障害者(全盲) ○ △ ○ 視覚障害者(弱視等) ○ △ ○ 聴覚障害者(全ろう) ○ ○ ○ 聴覚障害者(難聴) ○ ○ ○ 健常者 ○ ○ ○ 共用部 ・段差がない(出入り口も段差なし)。 ・出入り口の段差が無い。 ・設置場所の段差解消。 ・車椅子、椅子で使用しやすいドラム式洗濯 機にする。 ・椅子に座って作業しやすいドラム式洗濯機 にする(可動式の椅子を設置する)。 ・洗濯機の扉の取っ手を大きなものにする。 条件 ・音声機能付き洗濯機。 ・床材の素材、色を替える事でコントラストをつ けて確認しやすくする。 ・乾燥機も車椅子と椅子で使用出来る高さに 個数 1(洗濯機 3 機、乾燥機 3 機) ・床材によって杖が滑るので、水にぬれても滑らない床材にする。 する。) ・椅子の設置位置を工夫する。 ・床材によって杖が滑るので、水にぬれても滑らない床材にする。 ・椅子を設置する。 ・大きな取っ手付きの引き戸とする(重い戸ではない)。 ・内部障害者の中には障害によっては急に体調が悪くなる人もい ・大きな取っ手付きの引き戸とする(重い戸ではない)。 ・ペースメーカーに影響がある強い電磁波を発生させる電子機器は設置しない。 ・自分の現在の位置やモノの確認は、触れて確認するため触れても怪我をしない ような素材にする(勢いよく足にモノがあたる事がある)。 ・ペースメーカーに影響がある強い電磁波を発生させる電子機器 ・床材の素材を替える等の工夫をする。 は設置しない。 ・来客者が来た事が分かるようにインターホンと連動している回転 ・表示が見やすい洗濯機。 ・車椅子が通れる幅を確保する。(椅子等の配置を工夫する。) ・車椅子が通れる幅を確保する。(椅子やソファー等の配置を工夫 ベッドを設置する。 ・サインは認識しやすいものにする。 ・車椅子の操作能力が落ちる床材は避ける。 避ける)。 るので、一時的に休めるように(楽な姿勢になれるように)ソファー ・部屋の床材を部屋と廊下で替える。 設置する。 ・段差がない。 ・車椅子の操作能力が落ちる床材は避ける(厚い絨毯等の設置は 灯(パトライト)やフラッシュランプを設置する。 ・ガス警報機や火災報知機と連動している回転灯(パトライト)やフ ・サインは認識しやすいものにする。 ・床材の素材、色を替える事でコントラストをつけて確認しやすくする。 ・手話で会話できるように(顔を見合わせてコミュニケーションを取れるように)席の ラッシュランプを設置する。 1 表 19 フラット型シェアハウス 共用部の条件を設定(次のページに続く) 51 配置を工夫する。 1 キッチン 共用部 触れ合いキッチン 1(地域に開かれたキッチン) 触れ合いキッチン 2(地域に開かれたキッチン) 車椅子使用者(下肢障害者) ○ ○ つえ使用者(下肢障害者) ○ ○ 上肢障害者 ○ ○ 内部障害者 ○ △ 視覚障害者(全盲) △ ○ 視覚障害者(弱視等) ○ ○ 聴覚障害者(全ろう) ○ ○ 聴覚障害者(難聴) ○ ○ 健常者 ○ ○ ・車椅子で使用できるようにキッチンの下部は、車椅子の足乗せ台が奥に入るだけの 条件 空間を設ける。 ・車椅子で使用できるようにキッチンの下部は、車椅子の足乗せ台が奥に入るだけの空間を設ける。 ・椅子に座って作業するため椅子を設置する(可動式の椅子を設置する)。 ・椅子に座って作業するため椅子を設置する(可動式の椅子を設置する)。 ・棚の戸は大きな取っ手にする。 ・棚の戸は大きな取っ手にする。 ・ペースメーカー使用者にとって IH 調理器、IH 炊飯器は近づく、あるいは使用すると影 ・音声ガイド付きのキッチン。 響が出ると思われるものなので他のものにする。 ・火の加減がボタン一つで出来るもの。 ・素材や色のコントラストをつける。(シンクとその他の部分の素材や色を替えたり、棚 ・素材や色のコントラストをつける。(シンクとその他の部分の素材や色を替えたり、棚の取っ手は色を替えて分 の取っ手は色を替えて分かりやすくする等。) かりやすくする等。) ・人の気配を目視で判断するため、キッチンの後ろに通路を設けたりしない。つまり対 ・人の気配を目視で判断するため、キッチンの後ろに通路を設けたりしない。つまり対面型キッチンにする。左 面型キッチンにする。左右に出入り口を設けない(人の出入りが分かりやすくするため 右に出入り口を設けない(人の出入りが分かりやすくするために)。 に)。 個数 1 3 表 19 フラット型 シェアハウス 共用部の条件を設定 52 5-7-2 ス テ ッ プ 型 シ ェ ア ハ ウ ス 共 用 部 の 条 件 を 設 定 共用部 玄関 トイレ 玄関 2 トイレ 1(多目的トイレ) 車椅子使用者(下肢障害者) ○ ○ つえ使用者(下肢障害者) ○ ○ △ 上肢障害者 ○ ○ △ 内部障害者 ○ ○ △ 視覚障害者(全盲) ○ ○ △ 視覚障害者(弱視等) ○ ○ △ 聴覚障害者(全ろう) ○ ○ △ 聴覚障害者(難聴) ○ ○ △ 健常者 ○ ○ ○ ・段差がない(出入り口も段差なし)。 ・段差がない(出入り口も段差なし)。 ・車椅子が通れる幅を確保する。 ・大きな取っ手付きの引き戸とする(重い戸ではない)。 ・出入り口は広くとる。 ・鍵はレバー式にする。 ・手すりを設置する。 ・車椅子が回転できる広さをとる。 ・椅子に座って靴を履く事ができるように椅子を設置する。 ・出入り口は広くとる。 ・大きな取っ手付きの引き戸とする(重い戸ではない)。 ・手すりを設置する。 ・鍵はレバー式にする。 ・椅子に座って靴を履く事ができるように椅子を設置する。 ・道から玄関まで安全に移動できるように注意喚起用床材(点字 ・オストメイト対応トイレ(汚物流し設置)。 ブロック)、誘導用床材(線状ブロック)、手すり等を適切に設置す ・水洗ボタン、手洗い場の水栓はセンサー式でないものとする。 る。 ・サインは認識しやすいものにする。 ・サインは認識しやすいものにする。 ・トイレ使用時に使用していることが分かるようランプをトイレの外に ・カメラモニター付きインターホンを設置。 設置する(使用中はランプが光る)。 1 3 条件 個数 表 20 ステップ型 シェアハウス 共用部の条件を設定(次のページに続く) 53 トイレ 3 ・バリアフリーがされていない。 3 浴室 洗面 リビング 浴室 1 洗面 リビング 2 車椅子使用者(下肢障害者) △ ○ △ つえ使用者(下肢障害者) ○ ○ ○ 上肢障害者 ○ ○ ○ 内部障害者 ○ ○ ○ 視覚障害者(全盲) ○ ○ ○ 視覚障害者(弱視等) ○ ○ ○ 聴覚障害者(全ろう) ○ ○ 聴覚障害者(難聴) ○ ○ 健常者 ○ ○ ○ 必要。 ・蛇口はシャワー式にしてホースが伸び ・出入り口の段差が無いか、段差が低い。 ・椅子または台に移って洗体をするため椅子または台を設置する。 る物にする(髪が洗えるようにする)。 ・床材によって杖が滑るので、水にぬれても滑らない床材にする。 ・手すりを設置する。 ・つえ使用者(下肢障害者)、内部障害者 ・大きな取っ手付きの引き戸とする(重い戸ではない)。 ・床材は滑らないものにする。 は使用時に椅子を設置する。 ・内部障害者の中には障害によっては急に体調が悪くなる人もいるので、一 ・椅子に座って洗体をできるように椅子を設置する。 ・棚の戸は大きな取っ手にする。 時的に休めるように(楽な姿勢になれるように)ソファーベッドを設置する。 ・重い戸ではない。 ・コンセントからプラグを抜く操作が難しい ・ペースメーカーに影響がある強い電磁波を発生させる電子機器は設置しな ・大きな取っ手付きの引き戸とする。 ので、コンセントの差し込み口等から簡単 い。 ・鍵はレバー式のものにする。 にプラグを引き抜けるソケットを備える。 ・自分の現在の位置やモノの確認は、触れて確認するため触れても怪我をし ・脱衣所にも椅子を設置する。 ・水栓はセンサー式でないものとする。 ないような素材にする(勢いよく足にモノがあたる事がある)。 ・サインは認識しやすいものにする。 ・サインは認識しやすいものにする。 ・床材の素材を替える等(また絨毯等を敷くなど)の工夫をする。 ・触れて確認するため浴槽や出入り口の近くの床材の素材を替える。 ・鏡を設置する(使用中に後ろから来る人 ・サインは認識しやすいものにする。 ・床材の素材、色を替える事でコントラストをつけて確認しやすくする。 の気配が分かるようにするため)。 ・床材の素材、色を替える事でコントラストをつけて確認しやすくする。 5 1 共用部 ・段差がない。 ・シャワーキャリーの操作の邪魔にならないように適度な大きさの洗い場が 条件 ・お風呂にお湯を張る時に、お湯を張っているのを忘れて浴槽からお湯が 溢れないように自動的に止めてくれる器具を付ける。 個数 2 表 20 ステップ型 シェアハウス 共用部の条件を設定(次のページに続く) 54 ダイニング キッチン ダイニング 2 キッチン 2 車椅子使用者(下肢障害者) △ △ つえ使用者(下肢障害者) ○ ○ 上肢障害者 ○ ○ 内部障害者 ○ △ 視覚障害者(全盲) ○ ○ 視覚障害者(弱視等) ○ ○ 聴覚障害者(全ろう) △ △ 聴覚障害者(難聴) △ △ 健常者 ○ ○ 共用部 ・出入り口の段差が無いか、段差が低い。 ・床材によって杖が滑るので、水にぬれても滑らない床材にする。 ・椅子を設置する。 条件 ・大きな取っ手付きの引き戸とする(重い戸ではない)。 ・椅子に座って作業するため椅子を設置する(可動式の椅子を設置する)。 ・ペースメーカーに影響がある強い電磁波を発生させる電子機器は設置しない。 ・棚の戸は大きな取っ手にする。 ・手話で会話できるように(顔を見合わせてコミュニケーションを取れるように)席の配置を工 ・音声ガイド付きのキッチン。 夫する。 ・火の加減がボタン一つで出来るもの。 ・自分の現在の位置やモノの確認は、触れて確認するため触れても怪我をしないような素 ・素材や色のコントラストをつける。(シンクとその他の部分の素材や色を替えたり、棚の取っ手は色を替 材にする(勢いよく足にモノがあたる事がある)。 えて分かりやすくする等。) ・床材の素材を替える等の工夫をする。 ・サインは認識しやすいものにする。 ・床材の素材、色を替える事でコントラストをつけて確認しやすくする。 個数 1 1 表 20 ステップ型 シェアハウス 共用部の条件を設定 55 6 障 害 者 と 健 常 者 が 共 に 暮 ら す まちに開かれたシェアハウス の提案 6-1 コ ン セ プ ト 周りからの偏見がある障害者において、人と人とのコミュニケーションを誘発するまち に開かれたシェアハウスを提案する。そこでは障害者同士の交流、障害者と健常者の交流 が出来る。そして、障害者が『自立』して暮らす事を目的としている。 6-2 対 象 敷 地 の 概 要 6-2-1 高 知 県 高 知 市 長 浜 地 区 の 位 置 fig.25 長浜地区の位置図 6-2-1 高 知 市 長 浜 地 区 の 概 要 「長浜地区は、高知市の南部に位置し、南は太平洋、東は浦戸湾、北は鷲尾山・宇津野 山の稜線に囲まれ、北部の横浜・瀬戸、南部の長浜・御畳瀬、浦戸地区などにより構成さ れている。地区全体が海・山・川の豊かな自然に恵まれており、観光地として名高い桂浜 から雄大な太平洋に沿って美しい海岸線がのび、玉島、衣ヶ島、ツヅキ島が浦戸湾特有の 景観を醸し出している。また、浦戸湾に面した御畳瀬、浦戸地区では古くからの漁港集落 特有のたたずまいが見られる。」21 21 引用: 高知市 都市整備部都市計画課. 『高知市都市計画マスタープラン-新・土佐の城下町づくり-(2003 年)』(p125) 56 6-3 対 象 敷 地 の 選 定 6-3-1 国 立 障 害 者 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン セ ン タ ー 模 式 図 私は昨年一人暮らしをする事を目的として、『国立障害者リハビリテーションセンター』 に入所し自立訓練を行った。その『国立障害者リハビリテーションセンター』の模式図を 元に『障害者』と『健常者』がより緊密な関係を築く事が出来るシステムを考えた。 私が昨年入所していた国立障 害者リハビリテーションセンタ ーでは、訓練中はみんな自立し ようと思ってこの施設に来てい るので、 「利用者」と「職員」と いう立場からある程度の距離が ある。しかし、訓練外では敷地 内にある学院の学生と食事に行 ったり、職員と遊びに行った事 で、 「障害者」と「健常者」の距 離は緊密な物になった。「障害 者」と「健常者」という立場を 宿舎と学院宿舎をシェアハウスに 超えた分け隔てない関係が築け た。 この経験から国立障害者リハ ビリテーションセンターの「学 院宿舎」と「障害者宿舎」を同 じ建物に集約する事でより緊密 な関係が生まれるのではないか と考えた。その建物を今回、共 有部が充実している事や安全で ある事(他人と共に暮らす事で 車椅子からの落車した時も助け を呼べる)など、障害者が暮らす ためのメリットが多くある「シ ェアハウス」として設定した。 fig.26 国立障害者リハビリテーションセンター 模式図 57 6-3-2 シ ェ ア ハ ウ ス と 地 域 の 関 係 性 前ページを要約するとシェアハウスには『障害者』と『福祉を学ぶ学生』を入居させる ということだ。以下の図は、6-3-1 で行った物を今回のシェアハウスの条件に落とし込んだ 物になっている。6-3-1 で行った物から病院と学院は近隣にあった方が良いと考えた。そし て、シェアハウスは 2 棟で周辺住民と交流出来る物にする。このシステムにより、研究の 目的である障害者の住まいに地域住民が訪れやすい環境をつくり、今ある障害者に対する 偏見を無なくしみんなが助け合って暮らしていくコミュニティを生むシェアハウスを目指 す。そして、障害者も地域住民と交流していく中で外に出る機会も増えていくと考えてい る。 fig.27 シェアハウスと地域の関係性 模式図 58 6-3-3 病 院 と 学 院 が 近 隣 に あ る 敷 地 『 長 浜 地 区 』 まず、高知県にある福祉関係の学校をピックアップし、その学校から近隣に病院がある のかを見た。幾つかの候補地が挙がったが、その中でも中心市街地から少し離れた落ち着 いた環境である『長浜地区』を選んだ。この地域にある病院は『愛宕病院分院』で、学院 は『高知医療学院』である。 ○愛宕病院分院 fig.28 愛宕病院分院 ■病院名 医療法人新松田会 愛宕病院分院 ■診療科目 内科・リハビリテーション科 ■病床数 療養病棟、病床数 180 床 (医療保険適用 60 床、介護保険適用 120 床) ○高知医療学院 fig.29 高知医療学院 ■学校名 リハビリテーション専門学校 高知医療学院 ■定員 理学療法学科 定員40名(男・女) ■終業年数 3年(昼間) 59 6-3-4 津 波 へ の 配 慮 fig.30 対象敷地の津波避難困難地域 fig.31 対象敷地の候補 初め、対象敷地を『緑の円』にしようと考えたが、津波避難困難地域であるため違う候 補を考えた。病院と学院の近隣で、尚かつ周辺住民との交流を考えて住宅地であるという 条件の元『紫の円』と『赤の円』が候補に挙がった。その中でも主要道路に近く落ち着い た環境である『赤の円』に対象敷地を決めた。 60 6-4 対 象 敷 地 の 位 置 フラット型 シェアハウスは、海岸堤防から 750m・愛宕病院分院から 780m・南海中学 校から 600m に位置している。ステップ型 シェアハウスは、海岸堤防から 690m・愛宕病 院分院から 795m・南海中学校から 720m に位置している。そして、それぞれ桂浜からおよ そ 3.5km に位置していて、高知市の中心市街地に繋がる道路 県道 34 号『桂浜はりまや線』 の西に位置している。 fig.32 対象敷地の位置図(広域) fig.33 対象敷地の位置図 61 6-5 敷 地 写 真 fig.34 フラット型 シェアハウスの敷地写真 fig.35 ステップ型 シェアハウスの敷地写真 汎用性を持たせるため、どこにでもあるような住宅地を対象敷地に選んだ。 62 6-6 ダ イ ア グ ラ ム 6-6-1 コ モ ン ス ペ ー ス の 配 置 イ メ ー ジ 平面はひだ状に入り組んだ形になっている。そうする事で、各コモンスペースの配置が いくつも存在する。各コモンスペースの配置の違いにより、色々な交流の仕方が生まれる。 fig.36 コモンスペースの配置 イメージ平面 断面 1 断面 2 断面 3 fig.37 コモンスペースの配置 イメージ断面 63 6-6-2 ま ち に 開 く た め の 建 築 的 提 案 『 L 字 の ハ コ 』 まちに開くために内部にあるリビングを前面道路側に配置する。 (問題発生) プライバシーが確保できない。 (解決案) 前面道路からの視線が適度(プライバシーを確保しながらまちに開く)に抜 けるように 4,000mm!3,000mm の『ハコ』を 2 つ 組合わせた 『L 字の ハコ』 をリビングと全面道路の間に配置する。 (発展) 『L 字のハコ』 を馴染ませるために内部にある部屋やコモンスペースも L 字のハコ で構成した。 fig.38 L 字のハコが出来るまでの流れ フローチャート 64 4,000mm 3,000mm という 寸法は、個室の大きさから来 ている。 ハコの組合わせ方により視線の抜けが変わってくる。そして、L 字の組み合わせに方よって も視線の抜けが変わってくる。 ハコの説明 fig.39 L 字のハコ ダイアグラム 前ページより 前面道路からの視線が適度(プライバシーを確保しながらまちに開く)に抜けるように 4,000mm!3,000mm の『ハコ』を 2 つ 組合わせた 『L 字のハコ』 をリビングと全面道路の間 に配置する。 『L 字のハコ』 を馴染ませるために内部にある部屋やコモンスペースも L 字のハコ で構成した。 65 6-7 フ ラ ッ ト 型 シ ェ ア ハ ウ ス 概 要 ・まちへの開き方 内部にあるリビングを南側の前面道路側に配置する。そして、 『外部オープンコモン』で ある『L 字のハコ』をリビングと前面道路の間に配置し積極的にまちに開く形になっている。 また、居住者コモン(屋内)と外部者とのコモン(屋内)が接する様に配置する事で屋外だけに 開くのではなく、屋内同士の関係についてもまちに開く事を試みました。 広場の空間は、屋外でのイベントに使われる他、増築できるように残してある。 fig.40 フラット型 シェアハウス まちへの開き方 ・戸数:10 戸 ・階数、構造種別:RC2 階建て ・面積 ■敷地面積 2,207.00 ㎡ ■建築面積 740.00 ㎡ ■延床面積 751.00 ㎡ ■個室面積 120.00 ㎡ ■コモンスペース合計面積 2,149.00 ㎡ □居住者コモン(屋内)面積 132.00 ㎡ □居住者コモン(屋外)面積 314.40 ㎡ □外部者とのコモン(屋内)面積 72.00 ㎡ □外部者とのコモン(屋外)面積 1,626.60 ㎡ 66 6-8 ス テ ッ プ 型 シ ェ ア ハ ウ ス 概 要 ・まちへの開き方 北の道路から南の道路に抜ける路地を意識的に作った。内部にあるリビングを路地に面 する配置する。そして、『外部オープンコモン』である『L 字のハコ』をリビングと路地の 間に配置し積極的にまちに開く形になっている。また、居住者コモン(屋内)と外部者とのコ モン(屋内)が接する様に配置する事で屋外だけに開くのではなく、屋内同士の関係について もまちに開く事を試みました。路地には周辺住民も自由に入れる。 fig.41 ステップ型 シェアハウス まちへの開き方 ・戸数:10 戸 ・階数、構造種別:RC2 階建て ・面積 ■敷地面積 723.93 ㎡ ■建築面積 441.85 ㎡ ■延床面積 496.61 ㎡ ■個室面積 120.00 ㎡ ■コモンスペース合計面積 761.32 ㎡ □居住者コモン(屋内)面積 138.00 ㎡ □居住者コモン(屋外)面積 107.95 ㎡ □外部者とのコモン(屋内)面積 34.50 ㎡ □外部者とのコモン(屋内)面積 480.87 ㎡ 67 6-9 居 住 者 と 周 辺 住 民 の 関 係 性 (外 部 者 と の コ モ ン の 使 わ れ 方 ) 周辺住民との交流では、障害者が出来ない事をボランティアという気持ちで来てもらうのではなく、イベントにして周辺住民の方に講師と して訪れてもらい、周辺住民の方も一緒に楽しみながら生活して行こうという想定をしている。その逆で、障害者が講師としてアートの手本 を見せたりする事も想定している。イベントにする事で初めは、ある程度の距離感があるかもしれないが、周辺住民にはイベント以外にもシ ェアハウスのコモンスペースを利用してもらう事で緊密な関係が築ける事を目標にシェアハウスを設計する。 コモンスペース コモンスペースの分類 まちの先生 料理が得意な人(漁 キッチン 外部者とのコモン(屋外)、 師の奥さん)。障害を 外部者とのコモン(屋内) 持ちながら料理をし ている人。 ダイニング 外部者とのコモン(屋外)、 外部者とのコモン(屋内) カーシェアリング 外部者とのコモン(屋外) 集会場 外部者とのコモン(屋内) - 運転が得意・好きな 人 - どのような使われ方? 料理が苦手な居住者のために料理教室(魚のさばき方や漁師の家特有の料理を教えてもら うなど)を行う。周辺住民の中でも若い母親などは魚のさばき方など教えてもらいたい人は いると思う。障害を持ちながら料理をしている人は教わる事により、切り方など沢山工夫 しながら料理をしているので、料理ができないと思っていた障害者も出来る事を発見出来 る。 料理教室で作ったものを食べる場。昼は集いの場として近所の多くの人が利用する。夜は、 お酒を飲む場として大人が利用する。 週に 1 2 回、ドライブに行く。そのついでに買い物など近所では買えない物を買う。1人 では運転が不安な障害者も助手席に誰かると助かる人もいる。視覚障害者は、運転が出来 ないので助かる。 周辺住民の話し合いに使われる。 茶道は畳なので、車椅子だと敬遠される。車椅子使用者側も気を使う部分がある(杖や足に 茶室 外部者とのコモン(屋内) 茶道が教えられる人 装具を付けている人も同じである)。そこで、この茶道は障害者が利用できる物になってい る。住宅地に茶道はあまり無いと思う。周辺住民も訪れ易く敷居が低い茶室になっている。 表 21 フラット型 シェアハウスのコモンスペース 使われ方 68 コモンスペース コモンスペースの分類 まちの先生 どのような使われ方? 障害者の中にはアートの才能に恵まれた人が多くいる。アウトサイダー・アート(特に芸術 アートスタジ オ・ギャラリー 外部者とのコモン(屋外) アートを制作してい の伝統的な訓練を受けていない者が、自然に表現するアート)と呼ばれるもので、高知県で る人 も『藁工ミュージアム』があるが、ここでは作品制作の場として使われる。つまり、障害 者が先生になり周辺住民を招きワークショップを行う事もある。 障害児の運動の場として、近所の子供も一緒に運動(遊び)をする。重度障害を持つ児童は、 外部者とのコモン(屋外)、 障害児の体操教室 外部者とのコモン(屋内) 運動療法士 リハビリ以外に運動する場がなかなか無い。この学校では対応できない事を専門家が付き スポーツを行う事ができる。リハビリとは違う形で楽しく運動できる。広場や路地といっ た屋外でも運動する。 ルーフガーデン 外部者とのコモン(屋外) 農家、花が好きな人 農家や花が好きな人に講師として来てもらい、野菜や植物の育て方を学ぶ。ここで作られ た物をシェアハウス 1 のキッチンで料理して、シェアハウス 1 のダイニングで食べる。 表 22 ステップ型 シェアハウスのコモンスペース 使われ方 コモンスペース コモンスペースの分類 全ての共用部分 の掃除 全てのコモンスペース+共 用部 まちの先生 どのような使われ方? 掃除が得意な人に来てもらい、掃除の仕方を教わる。掃除が出来ないと思っている障害者 掃除が得意な人 も何か工夫して掃除を行うようにする。共用部の掃除を業者に委託するのではなく、出来 る事は自分たちでしようというスタンスだ。 表 23 両方のコモンスペース 使われ方 69 ࠉᖹ㠃ᅗ 居住者 コモン ( 屋外 ) ࠉࣇࣛࢵࢺᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉᖹ㠃ᅗ 外部者との コモン ( 屋内 ) 外部者との 浴室 棚 周辺住民 椅子 +500 車椅子使用者 排便用トイレ 物置 0 多目的 トイレ 個室 EV 椅子 物入 集会場 物入 ④ 0 ゴミ 椅子 0 椅子 棚 物入 トイレ 椅子 UP (冷) UP ③ 椅子 倉庫 スロープ 1/15 K x ラウンジ 棚 K 椅子 テレビ台 UP 靴箱 椅子 茶室 x 居住者コモン ( 屋内 ) シェアハウスの居住者 ( 障害者 + 福祉を学ぶ学生 ) (冷) 乾燥機 シアタールーム 浴室 脱衣室 ランドリー +500 ( 車椅子使用者向け ) コモン ( 屋外 ) L 倉庫 トイレ D 多目的 UP トイレ ゴミ置場 広場 分別棚 駐車場 UP 防水シート 椅子 UP カーシェアリング 0 スロープ スロープ 1/15 1/17 0 D UP D UP -400 ② UP 防水シート UP 0 UP UP UP 椅子 -400 ① 6 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 N -400 m 20 30 ILJࠉࣇࣛࢵࢺᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉ)ࠉᖹ㠃ᅗ 40 50 居住者 コモン ( 屋外 ) 外部者との コモン ( 屋内 ) 外部者との コモン ( 屋外 ) 浴室 シェアハウスの居住者 ( 障害者 + 福祉を学ぶ学生 ) +500 浴室 ( 車椅子使用者向け ) 居住者コモン ( 屋内 ) 脱衣室 周辺住民 椅子 棚 椅子 +500 車椅子使用者 クローゼット 多目的 EV トイレ トイレ 排便用トイレ 椅子 個室 物入 吹抜 キャットウォーク バルコニー x K 吹抜 x D D キャットウォーク 吹抜 D D D 防水シート バルコニー N m 6 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 20 30 ILJࠉࣇࣛࢵࢺᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉ)ࠉᖹ㠃ᅗ 71 40 50 ࠉࢫࢸࢵࣉᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉᖹ㠃ᅗ y -400 スロープ 誘導用床材 1/15 -400 椅子 ギャラリー UP UP スロープ 1/13.75 UP 0 アートスタジオ 椅子 椅子 椅子 トイレ 物入 居住者 +200 EV +100 K 居住者コモン ( 屋内 ) (冷) 物置 椅子 物置 周辺住民 0 UP 椅子 スロープ -400 UP シェアハウスの居住者 ( 障害者 + 福祉を学ぶ学生 ) 0 ③ -400 椅子 障害児の体操教室 ① 0 UP (冷) 0 0 避難用出口 0 トイレ UP 多目的 スロープ 1/12.5 トイレ UP 倉庫 椅子 N -400 ② y コモン ( 屋外 ) コモン ( 屋内 ) 棚 ④ UP 外部者との +100 テレビ台 コモン ( 屋外 ) 外部者との L 0 -400 m S.1:250 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 20 30 ILJࠉࢫࢸࢵࣉᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉᖹ㠃ᅗ 72 40 50 y クローゼット 椅子 椅子 EV 居住者 コモン ( 屋外 ) 吹抜 キャットウォーク 個室 外部者との 浴室 脱衣室 居住者コモン ( 屋内 ) 棚 ルーフガーデン シェアハウスの居住者 ( 障害者 + 福祉を学ぶ学生 ) トイレ 周辺住民 多目的 トイレ 棚 コモン ( 屋外 ) 脱衣室 浴室 多目的 トイレ 物入 椅子 トップライト N y 外部者との コモン ( 屋内 ) m 6 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 20 30 ILJࠉࢫࢸࢵࣉᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉ)ࠉᖹ㠃ᅗ 73 40 50 ࠉ㫽▔ᅗ 広場 路地 N m S.1:1000 0 100 200 ILJࠉ㫽▔ᅗ 74 300 ࠉ᩿㠃ᅗ ࠉࣇࣛࢵࢺᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉ᩿㠃ᅗ ゴミ置場 ラウンジ L K D D K 吹抜 倉庫 D トイレ 多目的 トイレ ILJࠉࣇࣛࢵࢺᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉ[[̓ࠉ᩿㠃ᅗ ࠉࢫࢸࢵࣉᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉ᩿㠃ᅗ 個室 個室 渡り廊下 EV 障害児の 体操教室 L EV m S.1:200 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 20 30 ILJࠉࢫࢸࢵࣉᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉ\\̓ࠉ᩿㠃ᅗ 75 40 50 ࠉ❧㠃ᅗ ࠉࣇࣛࢵࢺᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉ❧㠃ᅗ ILJࠉࣇࣛࢵࢺᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉ༡⋡㠃ᅗ ࠉࢫࢸࢵࣉᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉ❧㠃ᅗ m S.1:200 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 20 30 ILJࠉࢫࢸࢵࣉᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉᮾ❧㠃ᅗ 76 40 50 ࠉࢡࢯࣀ࣓ࢺࣜࢵࢡ ࠉࣇࣛࢵࢺᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉࢡࢯࣀ࣓ࢺࣜࢵࢡ ILJࠉࣇࣛࢵࢺᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉࢡࢯࣀ࣓ࢺࣜࢵࢡ ࠉࢫࢸࢵࣉᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉࢡࢯࣀ࣓ࢺࣜࢵࢡ ILJࠉࢫࢸࢵࣉᆺࢩ࢙ࣁ࢘ࢫࠉࢡࢯࣀ࣓ࢺࣜࢵࢡ 77 6-15 パ ー ス 6-15-1 フ ラ ッ ト 型 シ ェ ア ハ ウ ス パ ー ス fig.53 フラット型 シェアハウス 外観パース 1(パース番号①) fig.54 フラット型 シェアハウス 外観パース 2(パース番号②) 78 fi g.55 フラット型 シェアハウス 内観パース 1(パース番号③) fig.56 フラット型 シェアハウス 内観パース 2(パース番号④) 79 6-15-2 フ ラ ッ ト 型 シ ェ ア ハ ウ ス パ ー ス 説 明 ・フラット型 シェアハウス 外観パース 1(パース番号①) 前面道路からリビングを見たものだ。前面道路から『外部オープンコモン』である『L 字 のハコ』そして中庭を通してリビングが見える。つまり、前面道路からリビングまで視線 が抜けている。 ・フラット型 シェアハウス 外観パース 2(パース番号②) 広場からの視点だ。広場から団らんダイニング(地域に開かれたダイニング)・触れ合いキ ッチン(地域に開かれたキッチン)を見たものだ。広場は居住者と周辺住民のくつろぎの場所 になる。 ・フラット型 シェアハウス 内観パース 1(パース番号③) パース番号①を逆からの視点だ。中庭を介した事で外部とはある程度の距離感が生まれ ている。 ・フラット型 シェアハウス 内観パース 2(パース番号④) ラウンジからの視点だ。 居住者コモン(屋内)と外部者とのコモン(屋内)が接する様に配置する事で屋外だけに開くの ではなく、屋内同士の関係についてもまちに開く事を試みている。 80 6-15-3 ス テ ッ プ 型 シ ェ ア ハ ウ ス パ ー ス fig.57 ステップ型 シェアハウス 外観パース 1(パース番号①) fig.58 ステップ型 シェアハウス 外観パース 2(パース番号②) 81 fig.59 ステップ型 シェアハウス 外観パース 3(パース番号③) fig.60 ステップ型 シェアハウス 内観パース 1(パース番号④) 82 6-15-4 ス テ ッ プ 型 シ ェ ア ハ ウ ス パ ー ス 説 明 ・ステップ型 シェアハウス 外観パース 1(パース番号①) 路地からリビングを見たものだ。路地からリビングまで視線が抜けている。路地は周辺 住民が自由に通り抜けできる路地になっている。 ・ステップ型 シェアハウス 外観パース 2(パース番号②) 南の前面道路から路地を見たものだ。路地を魅力的にするために椅子やテーブルも配置 している。そうすることで、興味が湧き通り抜けし易いようになる。 ・ステップ型 シェアハウス 外観パース 3(パース番号③) 路地から渡り廊下が見える視点だ。そして、障害児の体操教室の様子も伺う事ができる。 その奥には、居住者コモン(屋内)があり徐々にまちに開く様な形になっている。 ・ステップ型 シェアハウス 内観パース 1(パース番号④) リビングを見たものだ。ステップ型ではリビングに段差を設け視覚障害者が空間把握し やすいようにしている。そして、アートスタジオとも接していて屋内同士の関係について もまちに開く事を試みている。また、路地に視線が抜けているが庭を介した事で外部とは ある程度の距離感が生まれている。 83 7 ま と め 今回の修士設計では、障害者と健常者が共に暮らすシェアハウスを設計した。この修士 設計を通して、障害者に関する事で今まで知らなかった知識を学べ、改めて障害者の住宅 問題への深刻さを感じた。そこで、公営住宅やマンションで解決するのではなく、今まで 日本では行われていなかった障害者の住むシェアハウスを取り上げて、違うアプローチか ら障害者の住宅問題に向き合った。その結果、設計を通して実感した事は、健常者より障 害者の方が共同生活に向いていて、まちに開かれた住宅が実現し易いという事だ。なぜな ら、障害者の方が病院や施設といった場所での共同を生活した経験が遥かに多いからだ。 そして、まちに開かれた住宅が実現し易い理由としては、障害者は健常者より誰かの助け を借りて生活していることから家に血縁状態以外の人が入る率が高くまちに開きやすい性 質を持っている。このように、今まで病院や施設から退所する時の選択肢としてなかった シェアハウスが加わる事で、障害者の住宅問題、そして社会復帰、社会参加といった観点 から見た時に障害者の新しい生活モデルになると考えている。 そして、障害者がコミュニティに与える影響として、コミュニティの維持に障害者が一 定の役割を果たすのではないだろうかと感じた。それは、健常者は人の助けを借りなくて も生活でき、人と人との関わりが気薄になりコミュニティの衰退に繋がっているが、上記 にも書いた障害者は健常者より誰かの助けを借りて生活していることから密な人付き合い が実現し易い性質を持っているからだ。また、今回の提案の様にコミュニティの『集いの 場』に障害者の居場所を作る事で障害者と健常者が平等な関係で生活する事ができると考 えている。提案のアートスタジオなどでは障害者も『まちの先生』と名付けた講師役にな ると想定している事から障害者がコミュニティの重荷にならない事も主張している。この 様な関係が成熟したコミュニティの維持には必要だと考えている。つまり、コミュニティ に障害者や高齢者などの社会的弱者も加えなければ、一部の人だけのコミュニティで終わ ってしまい成熟したコミュニティとは言えないという事である。超高齢化を迎えた日本で は、高齢者の居場所が無く孤独死するという問題がある。このような問題も解決するため、 コモンスペースを周辺住民に開放するという今回の提案をし障害者がコミュニティに積極 的に参加する事で高齢者も使い易い場になると考えた。 最後に、この提案を多くの人に知ってもらい、少しでも障害者の住宅問題が解決されれ ばと願う。 84 謝辞 12 歳で障害を抱え、同じ様に障害を抱えた方々の生活をもっと充実したものにしたいと 考え建築の道に進み早 7 年が経ちました。途中リハビリのため休学という寄り道もしまし たが、気持ちが切れずここまで来られたのは多くの人の支えがあったからです。大学生活 で学んだ事を活かし、建築家としてもっと精進して障害者の生活環境を改善するべく尽力 して行きたいと考えています。 本修士設計の制作にあたって、指導して頂いた吉田 晋准教授、大谷 英人教授、渡辺 菊 眞准教授大変お世話になりました。また、国立障害者リハビリテーションセンターの資料 を提供して頂いた国立障害者リハビリテーションセンター 作業療法士 田中 匡様、『シェ アハウスの共用部の条件設定』でアドバイスを下さいました老人保健施設みなと荘 理学療 法士 片岡 保憲様には感謝しています。 最後に、7 年間もの大学生活を支えて下さいました家族、特に毎日の様に送り迎えをして 下さいました母親には心より御礼申し上げます。 本当にありがとうございました。 85 参考文献、参考資料 ・三船 康道+まちづくりコラボレーション(2009). まちづくりキーワード事典 第三版 学芸出版社 ・樗木 武(2005). ユニバーサルデザインのまちづくり 森北出版 ・高知県地域福祉部障害保険福祉課 土木部建築指導課. 『高知県ひとにやさしいまちづくり条例 施設整備設計マニュアル』 ・三松 元気 (2012). 『街に開くシェアハウスの設計』 高知工科大学大学院 工学研究科 基盤工学専攻 社会システム工学コース 修士設計 86