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関節リウマチの話 −その2− 関節リウマチの治療は病気の早期から炎症
関節リウマチの話 −その2− 関節リウマチの治療は病気の早期から炎症の抑制に努め、患者さんの生活の質を高いレベルに保つ ことを目標として行う基礎治療、薬物治療、手術治療、リハビリテーションの四つを基本とします。 基礎治療 基礎治療とは病気の正しい理解、日常生活の工夫、気持ちで負けないための指導などです。 薬物治療 リウマチの腫れや痛みなどを抑える基本的治療です。主に非ステロイド系消炎鎮痛剤(非ス 剤)や副腎皮質ホルモン(ステロイド)、あるいは抗リウマチ薬が用いられます。 以前は非ス剤から始め効果の不足に応じ切れ味のよい薬剤を追加していくピラミッド方式が 原則でしたが、近年は早期からステロイドや抗リウマチ薬など切れ味のよい薬で寛解を得てから 副作用の少ない薬剤に変えていく方式が一般化しています。 抗リウマチ薬の一つメトトレキサート(商品名リウマトレックス)は、副作用に対する充分な 注意が必要ではありますが、とくに優れた効果が認められ多くの人々に使用されています。 手術治療 関節の腫れや痛みの解決策として関節の滑膜組織の切除術があります。既に破壊されてしま った関節には人工関節の手術が、断裂した手の腱には再建術が行われますが、失われた歩行能力 や手指の機能を取り戻すために必要な手段であり成績は良好です。 リハビリテーション 関節リウマチに対するリハビリテーションの目的は、病気に侵された関節が動かなくなるこ とや四肢の筋力の低下、あるいは骨粗鬆症の進行を防ぐことです。関節を保護しつつ、1日何回 かの曲げ伸ばしにより関節がかたくなるのを予防し、筋力強化訓練を行います。 病院では医師の処方により理学療法士が実施しますが、これは毎日行うのがよいので患者さ んにも自主訓練を行って頂くようにしています。 最 後 に 患者さんの全国組織として「リウマチ友の会」があります。日本リウマチ財団はリウマチ登 録医制度を、日本リウマチ学会では専門医制度をもうけて、それぞれリウマチにくわしい医師を 紹介、育成しています。リウマチの治療にあたり御利用いただくとよいでしょう。 (社)日本リウマチ友の会事務局(03)3258−6565 阿南病院 副院長 千葉 英史 (整形外科専門医、リウマチ学会専門医、リウマチ財団登録医)