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は じ め に - 兵庫県こころのケアセンター

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は じ め に - 兵庫県こころのケアセンター
平 成 年 度 事 業 報 告 書
26
兵庫県
こころのケアセンター
平成26年度事業報告書
公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構
兵庫県こころのケアセンター
兵庫県こころのケアセンター
はじめに
は じ め に
兵庫県こころのケアセンターは、阪神・淡路大震災の経験と教訓を踏まえ、全国初の「こころ
のケア」に関する拠点施設として平成16年4月にオープンして、11年目をむかえました。
この間、平成23年3月に発生した東日本大震災をはじめ、JR福知山線脱線事故、新潟県中越地震、
兵庫県北西部豪雨、中国四川大地震、更には子どもへの虐待やいじめなど、国内外で大きな社会
問題となった災害、事故、事件などが多発しました。
このような状況の中、当センターは社会の要請に応えるべく、調査研究、研修、相談、診療、
地域支援活動など多様な取組みを進めて参りました。平成26年度においては、限られた予算、人
員の中で、子どもに対する「こころのケア」体制の強化や東日本大震災復興支援に力点を置きつつ、
職員の努力や工夫のもと各事業を有機的に連動させ、できる限り効果的、効率的に実施したとこ
ろです。
調査研究では、
「災害時こころのケア活動に関する包括的検討と今後の展望に関する研究」など
をテーマにした短期研究や「阪神・淡路大震災が被害者のこころの健康にもたらした長期的な影
響に関する研究」などをテーマにした長期研究に取り組みました。
研修では、子どものこころのケアへの支援強化のため「発達障害とトラウマ」のコースを新設
しました。また、自主事業として特別研修「子どものトラウマへの根拠に基づく治療~ TF-CBT
概論~」を開催いたしました。
診療では、薬物治療、カウンセリングに加え、長時間暴露療法(PE療法)やトラウマフォーカ
ス認知行動療法(TF-CBT)などのトラウマに特化した専門治療を提供しました。
地域支援活動としては、東日本大震災では、引き続き、被災者の健康調査実施に関する支援、
被災地のこころのケアセンター運営への助言、研修会・講演会などへの講師の派遣などできる限
りの支援活動を行いました。
情報の収集発信では、平成26年12月1日に阪神・淡路大震災20年と当センター 10年の筋目として、
国内外の講師をお招きして「こころのケア国際シンポジウム:災害とこころのケア」を開催いた
しましたところ、240名の参加者を得て、盛会裏に終了することができました。
本報告書は、平成26年度における当センターのこのような活動をまとめたものです。
当センターでは、今後とも一層高まる「こころのケア」に対する社会的ニーズに対応できるよう、
職員が一丸となり取組みを進めていく決意を新たにしているところです。
そのためにも、本報告書をお読みいただき、忌憚のないご意見を頂戴できれば幸いです。
(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構
兵庫県こころのケアセンター
センター長 加
藤 寛
目 次
目
次
Ⅰ 兵庫県こころのケアセンターの概要
1 機能… …………………………………………………………………………………………3
2 施設概要(ゾーン配置) ……………………………………………………………………4
3 組織… …………………………………………………………………………………………4
Ⅱ 平成26年度の取り組み
1 実践的調査研究の展開… ……………………………………………………………………7
2 多様な研修の実施… ……………………………………………………………………… 10
3 相談室の運営… …………………………………………………………………………… 21
4 診療所の運営… …………………………………………………………………………… 24
5 地域支援活動の実施… …………………………………………………………………… 26
6 兵庫県こころのケアチーム「ひょうごDPAT」体制整備事業………………………… 28
7 「こころのケア国際シンポジウム」の開催……………………………………………… 29
8 「兵庫県こころのケアセンター」をよりよく知っていただくために………………… 29
9 ひょうごヒューマンケアカレッジ事業の実施… ……………………………………… 30
10 その他受託事業… ………………………………………………………………………… 35
11 外部評価の実施… ………………………………………………………………………… 36
Ⅲ 参 考
1 「こころのケア国際シンポジウム」(抄録)
… …………………………………………… 41
・東日本大震災被災地の現状:福島からの報告……………………………………… 42
・災害時の心理的援助の方法…………………………………………………………… 52
2 研究員の活動実績… ……………………………………………………………………… 64
Ⅰ 兵庫県こころのケアセンターの概要
1 機 能
兵庫県こころのケアセンターは、平成 16 年 4 月、「こころのケア」に関する多様な機能を有する全国
初の拠点施設として、HAT 神戸にオープンした。
本センターは大きく分けて五つの機能を持っており、それぞれの機能は次のとおりである。
(1)研究機能
四つの研究部門を設け、精神科医、臨床心理士や精神保健福祉士の研究員が「こころのケア」に関する
実践的研究を行っている。
部門
研 究 内 容
第 1 部門
災害、事故等、同時に一つの出来事に遭遇した集団を対象とする、トラウマ・
PTSD が与える影響及びその対応策に関する研究
第 2 部門
災害、事故、犯罪被害等、単発的な出来事に遭遇した個人を対象とする、
トラウマ・PTSD の治療法や対処法に関する研究
第 3 部門
児童虐待、DV 等、反復性のある出来事に遭遇した個人を対象とする、トラ
ウマ・PTSD の治療法や対処法に関する研究
第 4 部門
様々なストレスによって生じる精神疾患の予防等に関する研究
(2)人材養成・研修機能
保健・医療・福祉・教育等の分野で「こころのケア」に携わっている方々を対象に、各種課題への対処
法等について学ぶ「専門研修」と、「こころのケア」に関する知識や理解を深める「基礎研修」等を実施
している。
(3)相談・診療機能
「こころのケア」に関する専門的な相談に応ずるとともに、診療所を運営している。
(4)情報の収集発信・普及啓発機能
「こころのケア」に関する事例等を収集し、センターの研究成果と併せて、広く情報発信するとともに、
普及啓発を行っている。
(5)連携・交流機能
「こころのケア」に取り組む関係機関等の連携・
交流の促進を図り、広域的なネットワ-クづくり
を進めている。
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
3
2 施設概要(ゾーン配置)
3F
2F
1F
施設規模
地上3階建 延床面積:5,094.06㎡
会議室
*精神保健福祉全般を扱う兵庫県精神保健福祉センターが併設されており、同センターとの連携のもとに、
各種の取り組みを進めている。
3 組 織
主幹(調整担当)
副センター長
(事務)
事業部長
研修情報課
事 業 課
センター長
研究部門
副センター長
(技術)
研究部長
診 療 所
相 談 室
(職員構成)
区 分
常 勤
非常勤
精神保健福祉センター兼務
臨 時
日々雇用
計
4
(人)
事 務
5
2
1
1
3
12
医 師
3
臨床心理士
1
3
保健師
1
精神保健福祉士
2
3
4
1
2
看護師
1
1
計
12
5
1
1
4
23
Ⅱ 平成26年度の取り組み
Ⅱ 平成26年度の取り組み
1 実践的調査研究の展開
年度完結の「短期研究」と、3年程度の研究期間を設定し、長期的な視点に立って行う「長期研究」の
2本立てで調査研究を行った。
また、「こころのケア」に関連した研究に取り組んでいる研究機関による協議会を開催し、意見聴取や
情報交換等を通じ、研究内容の向上を図った。
【短期研究】
研究テーマ
概 要
本研究では、大規模災害後のこころのケア活動を効果的に行うため、
災害時こころのケア活動に関
する包括的検討と今後の展望
に関する研究
現在まで行われてきた支援実績から今後必要な仕組みや課題を抽出し
検討した。また厚生労働省から出された「災害派遣精神医療チーム整
備事業実施要綱」に基づき、兵庫県 DPAT 運用のための基礎的資料と
して DPAT マニュアルを作成し、DPAT に登録した構成員への研修を実
施した。
自殺未遂者への対策は自殺予防における重要な課題であり、自殺未
遂者支援で掲げられる重要事項の一つに家族支援がある。自殺未遂者
自殺未遂者家族への支援の重
の家族支援は、再度の自殺企図を予防するといった視点からだけでな
要性と課題
く、家族の精神的な安定のためにも必要である。本研究では、自殺未
遂者家族支援の現状と課題について検討するために、文献レビューを
行った。
労働者の精神健康上の問題による離職・休職は大きな社会問題となっ
職 場 の 実 態 把 握( ス ト レ ス
ている。特に、精神健康に影響を与える要因として近年問題となって
チェック)を基にした職場改
いるパワーハラスメントに焦点をあてた調査を行い、被害者の精神健
善プログラムの試み
康への影響の程度、労働生産性への影響、発生要因として組織要因の
検討を行った。
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
7
【長期研究】
研究テーマ
概 要
災害に関連した長期的なこころの問題に関しての知見がいまだ十分
阪神・淡路大震災が被害者の
こころの健康にもたらした長
期的な影響に関する研究
ではない。本年度は、当センター利用者(利用終了者を含む)の中で、
阪神・淡路大震災の被災者を抽出して、診療記録の調査を行った。ま
た精神科受診歴のない被災者に対して質的面接を実施して、阪神・淡
路大震災 20 年後の現在の心理状態及び過去 20 年間の心理状態の回顧
的評価を行った。
本研究では、東日本大震災からの復興期に生活支援相談員等が抱え
東日本大震災の復興期の支援
る住民支援に際しての課題や支援に向けたニーズを探索的に検討した
に関する研究
上で、住民が抱える不安や自殺念慮への対応等の支援者向けの研修を
実施し、今後の生活支援相談員等への支援のあり方を検討した。
本研究は、子どものトラウマ体験を同定し、外傷症状と PTSD 症状
子どものトラウマの標準的な
評価方法に関する研究
を評価することが可能である DSM-5 版 UCLA 外傷後ストレス障害イン
デックスの信頼性と妥当性を検証することを目的とし、A 県下の子ど
も家庭センターの協力を得て 80 名弱の児童・青年を対象にデータ収
集および解析を行った。
人命救助に係る災害救援組織
のハラスメントに関する調査
研究
本年度は、西日本の 4 組織に所属する消防職員を対象に調査を行っ
た。ハラスメント関連の研修の実施状況、ハラスメントの認識度合い、
心身の健康への影響などについて実態を明らかにした。この結果を基
に、次年度は予防プログラムを開発する予定である。
*長期研究の研究期間は平成25年度から平成27年度とする。
*「短期研究」及び「長期研究」の研究成果等詳細については、兵庫県こころのケアセンター研究報告書(平成26年
度版)及び心的トラウマ研究第11号を参照。
【こころのケア研究推進協議会】
(開催年月日) 平成27年3月19日(木)
(参 集 機 関) 大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター
神戸大学大学院保健学研究科
兵庫県こころのケアセンター
8
Ⅱ 平成26年度の取り組み
【兵庫県こころのケアセンター倫理審査委員会】
兵庫県こころのケアセンターに所属する研究員等が行う、人間を直接対象とした研究に関し、ヘルシン
キ宣言の趣旨に即して行われるよう、個人の尊厳及び人権の尊重、個人情報の保護、その他の倫理的及び
科学的観点から審査することを目的として、兵庫県こころのケアセンター倫理審査委員会を設置している。
審査状況は下記のとおりである。
回数
1
2
開催日
受付番号
研 究 課 題 名
判定結果
(判定日)
26-1
人命救助に係る災害救援組織のハラスメントに関す
る調査研究
承 認
(H26.6.4)
26-2
職場の対人関係ストレスと精神健康、組織要因の関
連-職場いじめ被害の発生要因の検討-
承 認
(H26.6.4)
26-3
東日本大震災の復興期における生活支援相談員等へ
の支援に関する研究
承 認
(H26.6.4)
26-4
子どもの心的外傷関連障害の標準的な評価方法につ
いての研究
承 認
(H26.6.4)
26-5
阪神淡路大震災 20 年後の心理的影響に関する研究
条件付承認
(H26.11.19)
同 上
承 認
(H26.12.9)
H26.6.4
H26.11.19
26-5 の
2
26-6
大規模自然災害が児童思春期の被災者に与える心理
承 認
的影響に関する中長期的研究」-四川大地震復興支
援こころのケア人材育成プロジェクト終了時評価 (H26.11.19)
データの 2 次解析-
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
9
2 多様な研修の実施
平成 26 年度は、2 期(1 期:平成 26 年 7 月~ 10 月、2 期:平成 26 年 12 月~ 3 月)に分け、以下
の研修体系に基づき、専門研修 13 回、基礎研修 1 回の計 14 回実施した。
研修の実施にあたっては、よりニーズに即したものとなるよう、受講者へのアンケート結果等をもとに、
研修コース等について見直しを行った。昨年度からこどものこころのケアに関するコースの充実を図って
きたが、今年度は「発達障害とトラウマ」のコースを新設するとともに、国内唯一の SPR 認定トレーナー
の資格を持つ当センターの研究員による「被害者や被災者の中長期の回復を支えるこころのケア-サイコ
ロジカル・リカバリースキル(SPR)-」コース等を実施した。
全体の受講者数(特別研修を除く)は 602 人で、定員(500 人)を超える受け入れを行った。
これらの研修以外に、今年度より特別研修として、子どものトラウマへの第一選択治療として推奨され
ているトラウマフォーカスト認知行動療法を概説する研修である「子どものトラウマへの根拠に基づく治
療~ TF-CBT 概論~」を実施した。
また、研修内容の一層の向上をめざし、「こころのケア」に関連した研修を行っている関係機関による
連絡調整会議を開催し、意見交換や情報交換等を行った。
その他、独立行政法人国際協力機構関西国際センター(JICA 関西)からの委託を受け、チリ国の国家
緊急対策室等の職員を対象に「災害時等におけるこころのケアモデルの構築」研修を行った。
【研修体系】
防災・地域保健
課題研修
犯罪被害
専門研修
学 校
「こころのケア」
研修
児童虐待・DV
技術研修
基礎研修
10
業務関連ストレス
Ⅱ 平成26年度の取り組み
【実施状況】
(単位:人)
期
区
分
コース名
期 間
対 象
消防職員のための惨事スト
レスの理解と予防
7/16・17
(2 日間)
消防職員
定員
受講
者数
35
58
35
41
35
42
35
47
30
23
25
26
25
23
80
86
300
346
35
21
保健・医療・福祉関係の対人支援業務従事者(保
対人支援職のためのセルフ
ケア
8/6・7
(2 日間)
悲嘆の理解と遺族への支援
9/17・18
(2 日間)
健師、ケースワーカー、各種相談員、福祉施設指
導員等)、教職員、スクールカウンセラー、保育
職員
医療・保健・福祉・心理臨床の分野で活動する者
及び遺族支援に携わる者
母子自立支援員、女性相談員(婦人相談員)、婦
1
期
専
門 DV被害者のこころのケア
9/24
(1 日間)
人保護施設職員、母子生活支援施設職員、家庭問
題相談員、保健師、福祉事務所職員、こども家庭
センター(児童相談所)職員等DV被害者相談支
援関係職員
警察職員のためのストレス
マネジメント
10 月 1 日
(1 日間)
被災者や被害者をささえる
ために-サイコロジカルフ
ァーストエイドを学ぶ-
10/8・9
(2 日間)
学校・社会福祉協議会・保健師・病院等の精神保
犯罪被害とこころのケア
10/16・17
(2 日間)
保健・医療・福祉・教育・司法・警察・消防関係
基 子どものトラウマの基礎知
礎 識
7 月 30 日
(1 日間)
保健・医療・福祉・教育・司法・警察・消防関係
警察職員
健福祉関係者
等職員
等職員
小 計
被害者や被災者の中長期の
回復を支えるこころのケア
-サイコロジカル・リカバ
リースキル(SPR)-
12/10・11
(2日間)
対人支援職のためのセルフ
ケア
1/8・9
(2日間)
保健・医療・福祉関係の対人支援業務従事者(保
健師、ケースワーカー、各種相談員、福祉施設指
導員等)、教職員、スクールカウンセラー、保育
職員
35
41
消防職員のための惨事スト
専 レスの理解と予防
2
門
期
発達障害とトラウマ
1/21・22
(2日間)
消防職員
35
43
35
80
25
30
35
41
200
256
500
602
1/29
(1日間)
消防職員のための惨事スト
レスの理解と予防(ステッ
プアップ) 3/4・5
(2日間)
子ども達のいじめのケア-
加害と被害の連鎖-
2/18
(1日間)
医師、臨床心理士、看護師、保健師、精神保健福
祉士、その他関連領域の関係者
こども家庭センター(児童相談所)職員、福祉事
務所職員、保健所職員、教職員、スクールカウン
セラー、保育職員等
消防職員
教職員、スクールカウンセラー、教育委員会職員、
児童相談所職員、いじめ相談窓口の相談員、保育
職員等
小 計
合 計
※ コースによって 1,300 円~ 4,000 円の受講料を徴収
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
11
(県内・県外の別)
(人)
県内
県外
計(%)
353
(58.6)
249
(41.4)
602
(100.0)
〈県外の内訳〉
(人)
大阪
京都
宮城
奈良
鳥取
愛媛
高知
愛知
滋賀
香川
広島
岡山
大分
59
31
15
15
13
13
12
10
9
9
8
7
6
長野
静岡
三重
島根
新潟
山口
徳島
福島
岐阜
富山
4
4
4
4
3
3
3
2
2
1
熊本 北海道 東京
4
3
和歌山 福岡
1
1
(男女別)
(人)
12
男性
女性
計(%)
218
(36.2)
384
(63.8)
602
(100.0)
3
Ⅱ 平成26年度の取り組み
【コース別実施内容】
消防職員のための惨事ストレスの理解と予防
1
目
2
受 講 者 数
的
大規模災害時等、極めて悲惨な現場において活動したことにより生じる惨事ストレスに対する理解を深める。
58 人
(1) 県内・県外の別
県内 26 人、県外 32 人
(2) 性
別
男性 57 人、女性 1 人
平成 26 年 7 月 16 日(水)・17 日(木) 2 日間
3
期
間
4
日
程
1日目〈7月16日〉
10:30
10:45
12:00
13:00
15:00
15:15
第 1 期:専門
2日目〈7月17日〉
9:50
開講・オリエンテーション
講義「惨事ストレスとは」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
休憩
事例検討「惨事ストレスへの対応」
神戸市消防局:星野誠治 警防部警防第1担当課長
西宮市消防局:山下俊郎 総務部長
【進行】
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
10:00
12:00
13:00
13:30
14:30
14:40
事務連絡
講義「ストレスマネジメント」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
休憩
施設見学 ※希望者のみ
講義「リスニング・カウンセリングの基礎」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
休憩
演習
「リスニングのロールプレイ」
休憩
講義「惨事ストレスマネジメント」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
グループ討議
・予想される事態
・職場での対応
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
大澤智子 研究主幹 兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
16:30
16:45
大澤智子 研究主幹
受講証交付・アンケート記入
16:30
対人支援職のためのセルフケア
1
目
的
2
受 講 者 数
対人支援業務によって生じる自らのストレスを理解し、その対処法を習得する。
41 人
(1) 県内・県外の別
県内 32 人、県外 9 人
(2) 性
別
男性 5 人、女性 36 人
平成 26 年 8 月 6 日(水)・7 日(木) 2 日間
3
期
間
4
日
程
1日目〈8月6日〉
10:30
10:45
12:15
13:15
開講・オリエンテーション
講義「ストレスとは」
兵庫教育大学大学院:市井雅哉 教授
休憩
講義「ストレスマネジメント」
質疑応答
14:45
15:00
2日目〈8月7日〉
9:50
10:00
12:00
13:00
13:30
兵庫教育大学大学院:市井雅哉 教授
事務連絡
講義「二次受傷とは」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
休憩
施設見学(希望者のみ)
演習「キャリアの振り返り」
質疑応答・総括
休憩
(ファシリテ-ター)
講義「ストレスマネジメント」
質疑応答
16:30
第 1 期:専門
兵庫教育大学大学院:市井雅哉 教授
16:30
16:45
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
受講証交付・アンケート記入
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
13
悲嘆の理解と遺族への支援
1
目
2
受 講 者 数
的
死別を経験した際に生じる悲嘆反応の知識について学び、遺族への対応と治療の実際を知る。
42 人
(1) 県内・県外の別
県内 19 人、県外 23 人
(2) 性
別
男性 9 人、女性 33 人
平成 26 年 9 月 17 日(水)・18 日(木) 2 日間
3
期
間
4
日
程
1日目〈9月17日〉
10:30
10:45
12:15
13:15
13:45
15:15
15:30
第 1 期:専門
2日目〈9月18日〉
10:20
開講・オリエンテーション
講義「悲嘆の基本的理解:症候学的位置づけ」
神戸松蔭女子学院大学:大和田攝子 准教授
休憩
10:30
12:00
13:00
施設見学 ※希望者のみ
講義「複雑性悲嘆について」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
休憩 グループ討議「遺族の体験に学ぶ」
*遺族の方にお話を聞く
講義「遺族対応の基本」
(ファシリテーター)
甲南女子大学:瀬藤乃理子 准教授
休憩
14:30
講義「日常臨床でのグリーフケア」
神戸赤十字病院:村上典子 心療内科部長
17:00
事務連絡
14:45
16:15
16:30
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
休憩 講義「自死遺族の対応」
兵庫県こころのケアセンター:赤澤正人 主任研究員
受講証交付・アンケート記入
DV被害者のこころのケア
1
目
2
受 講 者 数
的
DV 被害者のこころのケアに関する対処法等について理解を深める。
47 人
(1) 県内・県外の別
県内 20 人、県外 27 人
(2) 性
別
男性 2 人、女性 45 人
平成 26 年 9 月 24 日(水) 1 日間
3
期
間
4
日
程
9月24日
10:30
10:45
12:15
13:15
13:45
15:15
15:30
17:00
17:15
14
開講・オリエンテーション
講義「トラウマ・PTSDの理解」
兵庫県こころのケアセンター:田中英三郎 主任研究員
休憩
施設見学 ※希望者のみ
講義「DV被害者との関わり方-被害者心理を踏まえて-」
神戸市看護大学:髙田昌代 教授
休憩
講義「DV家庭で育った子どもの心理的影響とそのケア」
兵庫教育大学大学院:有園博子 教授
受講証交付・アンケート記入
第 1 期:専門
Ⅱ 平成26年度の取り組み
警察職員のためのストレスマネジメント
1
目
2
受 講 者 数
的
相談業務等によって生じる自らのストレスを理解し、その対処法を習得する。
23 人
(1) 県内・県外の別
県内 22 人、県外 1 人
(2) 性
別
男性 11 人、女性 12 人
平成 26 年 9 月 30 日(水) 1 日間
3
期
間
4
日
程
第 1 期:専門
9月30日
9:00
9:05
事務連絡
「被害者支援の現状」
兵庫県警察本部警務部被害者支援室:野口岳志 室長
10:05
10:15
10:30
12:00
13:00
13:30
15:00
15:15
16:45
17:00
(兵庫県警察職員のみ)
休憩
開講・オリエンテーション
講義「惨事ストレス概要」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
休憩
施設見学
講義「二次受傷概要」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
休憩
講義「ストレスマネジメント」
ひょうご被害者支援センター:堀口節子 支援コーディネーター
受講証交付・アンケート記入
被災者や被害者をささえるために -サイコロジカルファーストエイドを学ぶ-
1
目
的
2
受 講 者 数
第 1 期:専門
万が一の大災害や大事故で被害を受けた人たちに対して、直後に行える介入としてのサイコロジカルファーストエイドの
基本についての理解を深める。
26 人
(1) 県内・県外の別
県内 9 人、県外 17 人
(2) 性
別
男性 9 人、女性 17 人
3
期
間
平成 26 年 10 月 8 日(水)・9 日(木) 2 日間
4
日
程
1日目〈10月8日〉
10:30
10:45
12:15
13:15
14:40
14:50
17:00
5
そ
開講・オリエンテーション
講義「
『こころのケア』とは」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
休憩
講義「災害時の支援受入調整の現状と課題」
人と防災未来センター:髙田洋介 研究員
休憩・移動
人と防災未来センター施設見学及び「語り部講話」
の
他
2日目〈10月9日〉
9:50
10:00
12:00
13:00
13:30
16:30
16:45
事務連絡
講義「サイコロジカルファーストエイド」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
休憩
こころのケアセンター施設見学 ※希望者のみ
講義「サイコロジカルファーストエイド」(演習を含む)
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
受講証交付・アンケート記入
人と防災未来センターとの共催により実施
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
15
犯罪被害とこころのケア
1
目
2
受 講 者 数
的
犯罪(事件・事故)被害の及ぼす心理的影響を理解し、被害者支援の観点に立った、犯罪被害者への対処法を習得する。
23 人
(1) 県内・県外の別
県内 7 人、県外 16 人
(2) 性
別
男性 11 人、女性 12 人
平成 26 年 10 月 16 日(木)・17 日(金) 2 日間
3
期
間
4
日
程
1日目〈10月16日〉
10:30
10:45
12:15
13:15
13:45
15:00
15:15
第 1 期:専門
2日目〈10月17日〉
9:50
開講・オリエンテーション
10:00
講義「被害者・遺族の心理的影響」
兵庫県こころのケアセンター:田中英三郎 主任研究員
事務連絡
講義「被害者・遺族の声を聞く」
*被害者・遺族の方が実体験を語られる。
(ファシリテーター)
休憩
ひょうご被害者支援センター:
施設見学 ※希望者のみ
堀口節子 支援コーディネーター
講義「警察による被害者支援」
兵庫県警察本部警務部被害者支援室:野口岳志 室長
休憩
12:30
13:30
講義「民間支援のあり方」
休憩
グループ討議
・どのような支援を行うか
ひょうご被害者支援センター:
・二次被害を防ぐための方法
堀口節子 支援コーディネーター
16:45
兵庫県こころのケアセンター:田中英三郎 主任研究員
(ファシリテーター)
ひょうご被害者支援センター:
堀口節子 支援コーディネーター
15:30
16:30
16:45
兵庫県こころのケアセンター:田中英三郎 主任研究員
全体討議
・支援に求められるもの
受講証交付・アンケート記入
子どものトラウマの基礎知識
1
目
2
受 講 者 数
的
こころのケア(子どものトラウマ)に関する全般的な基礎知識を習得し、理解を深める。
86 人
(1) 県内・県外の別
県内 62 人、県外 24 人
(2) 性
別
男性 11 人、女性 75 人
平成 26 年 7 月 30 日(水) 1 日間
3
期
間
4
日
程
7月30日
10:15
10:30
12:00
13:30
開講・オリエンテーション
「子どものトラウマの理解とケア」
兵庫県こころのケアセンター:亀岡智美 副センター長兼研究部長
休憩 ※施設見学は希望者のみ
施設見学①(12:00 ~ 12:30 ) 施設見学②(13:00 ~ 13:30 )
ワーク「心理教育の実践と子どものトラウマのアセスメント」
兵庫県こころのケアセンター:藤森紗英子 主任研究員
15:00
15:15
16:45
17:00
16
山本沙弥香 主任研究員
休憩
「災害・事件におけるこころのケア」
兵庫教育大学大学院:冨永良喜 教授
受講証交付・アンケート記入
第 1 期:基礎
Ⅱ 平成26年度の取り組み
被害者や被災者の中長期の回復を支えるこころのケア
- サイコロジカル・リカバリースキル(SPR)-
1
目
的
第 2 期:専門
「サイコロジカル・リカバリースキル(SPR)」はアメリカで開発された、被災者の回復を支えるための心理支援法である。
被災者が苦痛をやわらげ、被災後のストレスやさまざまな困難にうまく対処するためのスキルを身につけられるよう、構
成されている。日本唯一の SPR 認定トレーナーが演習を交えながら適切な「こころのケア」のスキル習得を目指す。
2
受 講 者 数
21 人
(1) 県内・県外の別
県内 6 人、県外 15 人
(2) 性
別
男性 8 人、女性 13 人
3
期
間
平成 26 年 12 月 10 日(水)、11 日(木) 2 日間
4
日
程
1日目〈12月10日〉
10:00
10:15
2日目〈12月11日〉
9:50
開講・オリエンテーション
10:00
講義「SPRの概要」 事務連絡
スキル4「心身の反応に対処する」
スキル1「情報を集め、支援の優先順位を決める」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
12:15
13:15
13:45
(臨床心理士・SPR認定トレーナー)
休憩
15:25
12:00
13:00
休憩
スキル5「役に立つ考え方をする」
施設見学 希望者のみ
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
スキル2「問題解決のスキルを高める」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
15:15
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
東北大学大学院:高橋葉子 精神看護専門看護師
東北大学大学院:高橋葉子 精神看護専門看護師
14:30
14:40
東北大学大学院:高橋葉子 精神看護専門看護師
休憩
スキル6「周囲の人とよい関係を作る」
休憩
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
スキル3「ポジティブな活動をする」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
東北大学大学院:高橋葉子 精神看護専門看護師
16:55
16:10
16:20
東北大学大学院:高橋葉子 精神看護専門看護師
受講証交付・アンケート記入
対人支援職のためのセルフケア
1
目
2
受 講 者 数
的
対人支援業務によって生じる自らのストレスを理解し、その対処法を習得する。
41 人
(1) 県内・県外の別
県内 29 人、県外 12 人
(2) 性
別
男性 6 人、女性 35 人
平成 27 年 1 月 8 日(木)・9 日(金) 2 日間
3
期
間
4
日
程
第 2 期:専門
1日目〈1月8日〉
10:30
10:45
12:15
13:15
14:45
15:00
16:30
開講・オリエンテーション
講義「ストレスとは」
兵庫教育大学大学院:冨永良喜 教授
休憩
講義「ストレスマネジメント」
兵庫教育大学大学院:冨永良喜 教授
2日目〈1月9日〉
9:50
10:00
12:00
13:00
13:30
休憩
事務連絡
講義「二次受傷とは」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
休憩
施設見学 ※希望者のみ
演習「キャリアの振り返り」
(ファシリテ-ター)
講義「ストレスマネジメント」
兵庫教育大学大学院:冨永良喜 教授
16:00
16:30
16:45
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
質疑応答・総括
受講証交付・アンケート記入
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
17
消防職員のための惨事ストレスの理解と予防
1
目
2
受 講 者 数
的
大規模災害時等、極めて悲惨な現場において活動したことにより生じる惨事ストレスに対する理解を深める。
43 人
(1) 県内・県外の別
県内 11 人、県外 32 人
(2) 性
別
男性 41 人、女性 2 人
平成 27 年 1 月 21 日(水)・22 日(木) 2 日間
3
期
間
4
日
程
1日目〈1月21日〉
10:30
10:45
12:00
13:00
2日目〈1月22日〉
9:50
開講・オリエンテーション
10:00
講義「惨事ストレスとは」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
休憩
西宮市消防局:山下俊郎 総務部長
15:15
12:00
13:00
事例検討「惨事ストレスへの対応」
神戸市消防局:星野誠治 警防部警防第1担当課長
15:00
第 2 期:専門
【進行】
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
13:30
14:30
14:40
休憩
事務連絡
講義「ストレスマネジメント」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
休憩
施設見学 ※希望者のみ
講義「リスニング・カウンセリングの基礎」
兵庫県こころのケアセンター:大澤智子 研究主幹
休憩
演習「リスニングのロールプレイ」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
講義「惨事ストレスマネジメント」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
16:30
16:45
グループ討議
大澤智子 研究主幹 受講証交付・アンケート記入
・予想される事態
・職場での対応
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
大澤智子 研究主幹
16:30
発達障害とトラウマ
1
目
2
受 講 者 数
的
発達障害とトラウマへの理解を深める。
80 人
(1) 県内・県外の別
県内 63 人、県外 17 人
(2) 性
別
男性 9 人、女性 71 人
平成 27 年 1 月 29 日(木) 1 日間
3
期
間
4
日
程
1月29日
10:30
10:45
12:15
13:00
13:30
15:00
15:15
16:45
17:00
18
開講・オリエンテーション
講義「発達障害とトラウマをめぐる諸問題」
兵庫県こころのケアセンター:亀岡智美 副センター長兼研究部長
休憩
施設見学 ※希望者のみ
講義「成人期の発達障害とトラウマ」
大久保クリニック:大久保圭策 医院長
休憩
講義「学童期の発達障害とトラウマ」
大阪大学大学院:酒井佐枝子 准教授
受講証交付・アンケート記入
第 2 期:専門
Ⅱ 平成26年度の取り組み
消防職員のための惨事ストレスの理解と予防(ステップアップ)
1
目
的
2
受 講 者 数
第 2 期:専門
「消防職員のための惨事ストレスの理解と予防研修」を修了した消防職員に対して、大規模災害等、きわめて悲惨な現場
において活動したことにより生じる惨事ストレスについて、より理解を深める。
30 人
(1) 県内・県外の別
県内 20 人、県外 10 人
(2) 性
別
男性 30 人、女性 0 人
平成 27 年 3 月 4 日(水)・5 日(木) 2 日間
3
期
間
4
日
程
1日目〈3月4日〉
10:00
10:15
2日目〈3月5日〉
9:50
開講・オリエンテーション
グループ討議「惨事ストレス(メンタルヘルス)対策を
行う際の組織が抱える問題点」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
12:00
13:00
大澤智子 研究主幹
10:00
12:00
13:00
休憩
13:40
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
14:40
大澤智子 研究主幹
休憩
洲本健康福祉事務所:柿本裕一 所長
休憩
講義「メンタルヘルス対策計画時の留意点」
大澤智子 研究主幹
グループ討議「メンタルヘルス対策の立案」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
15:40
演習「サイコロジカルファーストエイド」
大澤智子 研究主幹
各グループの発表・総括
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
15:50
講義「職場におけるメンタルヘルス対策」
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
講義「惨事ストレス対策の具体例-ピアサポート制度と
サイコロジカルファーストエイド」
14:30
事務連絡
大澤智子 研究主幹
各グループの発表
16:30
16:40
大澤智子 研究主幹
受講証交付・アンケート記入
兵庫県こころのケアセンター:加藤 寛 センター長
大澤智子 研究主幹
16:40
子ども達のいじめのケア-加害と被害の連鎖-
1
目
2
受 講 者 数
的
子ども達のいじめによるこころのケアに関する対処法等について理解を深める。
41 人
(1) 県内・県外の別
県内 27 人、県外 14 人
(2) 性
別
男性 9 人、女性 32 人
平成 27 年 2 月 18 日(水) 1 日間
3
期
間
4
日
程
第 2 期:専門
2月18日
10:15
10:30
12:00
13:00
13:30
15:00
15:15
開講・オリエンテーション
講義「いじめの基本概念」
兵庫県こころのケアセンター:亀岡智美 副センター長兼研究部長
休憩
施設見学 ※希望者のみ
講義「いじめや問題行動による被害-加害の理解と支援」
大阪大学大学院:野坂祐子 准教授
休憩
ワーク
「被害-加害の連鎖をとめる心理教育とアクティビティ」
大阪大学大学院:野坂祐子 准教授
兵庫県こころのケアセンター:藤森紗英子 主任研究員
16:45
山本沙弥香 主任研究員
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
19
【こころのケア研修連絡調整会議】
(開催年月日)
(参 集 機 関)
平成27年3月13日(金)
兵庫県広域防災センター兵庫県消防学校
兵庫県中央こども家庭センター
兵庫県精神保健福祉センター
兵庫県社会福祉協議会社会福祉研修所
心の教育総合センター
兵庫県こころのケアセンター
【チリ国別研修「災害時等におけるこころのケアモデルの構築」コース】
(開催年月日) 平成27年2月3日(火)~平成27年2月13日(金)
(対 象 国) チリ
(対 象 者) 日本の事例を参考に、チリにおいて、こころのケアモデルの構築するための中核となり
うる専門家
(参 加 者) 15名
(実 施 場 所) 兵庫県こころのケアセンター、宮城県仙台市
【消防職員等のメンタルヘルスケアの実施】
神戸市及び西宮市から委託を受け、メンタルヘルスに関する指導・相談を行うとともに、研修会を実施した。
(神戸市)
開 催 日:平成26年4月17日(木)~平成27年2月17日(火) 計6日間
開催場所:神戸市防災学校
参 加 者:201名
(西宮市)
開 催 日:平成26年10月16日(木)・17日(金) 計2日間
開催場所:西宮市消防局
参 加 者:60名
【特別研修】
「子どものトラウマへの根拠に基づく治療~ TF-CBT概論~」
1 期 間 平成26年8月29日(金)・30日(土)2日間
2 日 程
(1)1日目(8月29日) 講師 兵庫県こころのケアセンター副センター長:亀岡智美
ファシリテーター 兵庫県こころのケアセンター主任研究員:藤森紗英子、山本沙弥香
被害者支援都民センター犯罪被害相談員:新井陽子
10:15 ~ 10:30:開講・オリエンテーション
10:30 ~ 12:15:講義Ⅰ 子どものトラウマ治療とは?
13:20 ~ 14:50:講義Ⅱとワーク:一般的な心理教育とトラウマアセスメント
15:00 ~ 16:30:講義Ⅲとワーク:トラウマタイプに特化した心理教育とリラクゼーション
16:30 ~ 17:00:本日のふりかえり
(2)2日目(8月30日)
講師 兵庫県こころのケアセンター副センター長:亀岡智美
ファシリテーター 大阪大学大学院准教授:野坂祐子
目白大学助教:齋藤梓
10:00 ~ 11:30:講義Ⅳとワーク ペアレンティング・スキルと感情表出/調整 12:45 ~ 14:15:講義Ⅴとワーク 認知コーピングと実生活内の練習 14:30 ~ 16:00:講義Ⅵとワーク トラウマナラティブの作成とプロセッシング 16:00 ~ 16:30:総合討論 16:45 ~ 17:00:受講証交付、アンケート回収
3 受講者数 42名
20
Ⅱ 平成26年度の取り組み
3 相談室の運営
相談室は、地域の医療・保健・福祉・教育・司法等の関係機関や一般の方を対象に、トラウマ・PTSD等「こ
ころのケア」に関する専門相談の窓口として、平成16年4月から業務を開始した。
「こころのケア」に関する電話相談及びトラウマ・PTSD等で医療が必要な方への面接相談を中心に地域
との連携窓口としての役割も担っている。
また、当センター診療所における受診者への医療、保健、福祉サービス等の情報提供や諸制度の手続き、
関係機関への連絡調整、更に、当センターでの治療に伴う心理療法が必要な方へは臨床心理士によるカウ
ンセリングを実施している。
(1)専門相談の体制
(相 談 日) 火曜日~土曜日(祝日、年末年始除く)
※ただし、月曜日がハッピーマンデー(成人の日、海の日、敬老の日及び体育の日)
又は振替休日(祝日が日曜日にあたるときのその翌日)の場合、その前の週の土曜日は休館。
(相談時間) 9:00 ~ 12:00 13:00 ~ 17:00
(相談方法) 電話又は面接、FAX、訪問など
(担 当) 保健師、精神保健福祉士、臨床心理士
(2)相談受理状況
(延べ件数) (延べ件数)
相談方法
初回相談
再相談
計(%)
509
(38.2)
823
(61.8)
1332
(100.0)
来 所
電 話
その他
332
(24.9)
974
(73.1)
26
(2.0)
計(%)
1332
(100.0)
・相談方法としては電話が最も多く7割以上を占めている。その他は、信書、FAX、E-mail等である。
①月別受理件数
(延べ件数)
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
96
(7)
70
(0)
129
(0)
146
(3)
102
(1)
113
(0)
118
(0)
103
(0)
109
(0)
105
(0)
122
(0)
計
119 1332
(0) (11)
・月別相談件数は、表のとおりである。( )内は、JR福知山線脱線事故関連の再掲である。
②相談経路
(件)
医療機関 H・P等 相談機関(※) 教育機関 行政窓口 司法関係 マスコミ その他
不明
再相談
計(%)
95
116
55
42
34
26
18
49
74
823
1332
(7.1) (8.7) (4.1) (3.2) (2.6) (2.0) (1.3) (3.7) (5.5) (61.8)(100.0)
・相談室への経路は、「HP等」が最も多く、次いで「医療機関」である。
・その他は、「知人」、「電話帳」、「通りがかり」等である。
※相談機関とは、こども家庭センター、保健所、市町相談窓口等である。
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
21
③地域別相談者数
(ブロック別)
(人)
北海道・東北
関東
中部
近畿
中国・四国 九州・沖縄
2
(0.2)
12
(0.9)
27
(2.0)
1195
(89.6)
2
(0.2)
2
(0.2)
その他
不明
0
(0.0)
計(%)
92
1332
(6.9) (100.0)
・ブロック別では全国各地から相談があった。全体の約9割は近畿地区からの相談である。
(近畿地区都道府県別)
(人)
兵庫
大阪
京都
滋賀
奈良
和歌山
計(%)
1032
(86.4)
124
(10.4)
2
(0.1)
1
(0.1)
31
(2.6)
5
(0.4)
1195
(100.0)
④相談内容
(延べ件数)
トラウマ・PTSD
一般精神
こころの健康
その他
計(%)
905
(68.0)
280
(21.0)
143
(10.7)
4
(0.3)
1332
(100.0)
・事故、事件、DV、虐待等に関連するトラウマやPTSDについての相談が、全体の約7割を占める。
・一般精神相談は約2割、こころの健康1割である。その他は、生活相談等である。
⑤トラウマ・PTSDの内訳
交通事
故被害
犯罪
被害
事故
被害
(延べ件数)
暴力
被害
事故
性被害 死別
目撃
DV
虐待
パワ
ハラ
震災
いじめ その他 計(%)
45
70
30
35
11
160
82
137
185
20
29
49
52
905
(5.0)(7.7)(3.3)(3.9)(1.2)(17.7)(9.1)(15.1)
(20.4)(2.2)(3.2)(5.4)(5.8)(100.0)
・トラウマ・PTSDの内訳は、「虐待」「性被害」「DV」の順である。
⑥性別・年齢別相談者数
(性別)
(延べ人数)
男性
女性
計(%)
341
(25.6)
991
(74.4)
1332
(100.0)
・相談の内、7割以上は女性である。
(年齢別)
区分
9歳以下
10代
20代
(延べ人数)
30代
40代
50代
42
43
63
104
326
65
(3.2) (3.2) (4.7) (7.8) (24.5) (4.9)
118
249
103
133
346
69
IP(※)
(8.9) (18.7) (7.7) (10.0) (26.0) (5.2)
相談者
60歳以上
計(%)
40
649
1322
(3.0) (48.7) (100.0)
26
288
1322
(1.9) (21.6) (100.0)
・相談者及びIPの年齢別では、いずれも40代が最も多い。
・IPの約3割が20歳未満である。
※「IP」とは、Identified patient の略で「問題となっている人」である。
22
不明
Ⅱ 平成26年度の取り組み
⑦相談結果(処遇)
(延べ件数)
当センター紹介 他機関紹介
432
(32.4)
制度等紹介
102
(7.7)
傾聴・助言 関係機関連絡
26
(2.0)
616
(46.2)
154
(11.6)
その他
計(%)
2
(0.1)
1332
(100.0)
・相談の結果、全体の約3割は当センターの診療所を紹介し、約5割は傾聴・助言で終了となっている。
・1割は精神保健福祉センターや保健所、福祉事務所等の関係機関への連絡である。
・その他は、相談の中断等である。
(3)カウンセリングの状況
カウンセリングは診療所を受診し、PTSD症状等のトラウマに起因する心理的影響を認め、治療の対象
と判断された患者のうち、心理治療が適当であると判断されたケースについて行っている。
①内容別件数
(延べ件数)
事故
DV
性被害
犯罪被害
親子関係
虐待
死別
その他
21
(6.1)
106
(30.8)
56
(16.3)
15
(4.4)
21
(6.1)
43
(12.5)
30
(8.7)
計(%)
52
344
(15.1) (100.0)
・カウンセリング対象者の内訳は、「DV」「性被害」「虐待」の順である。
・その他は、「いじめ」「パワーハラスメント」等である。
②性別・年齢別実施人数
(性別)
(延べ人数)
男性
女性
計(%)
46
(13.4)
298
(86.6)
344
(100.0)
・全体の8割が女性である。
(年齢別)
(延べ人数)
9歳以下
10代
20代
30代
40代
50代
60歳以上
計(%)
5
(1.5)
49
(14.3)
63
(18.3)
71
(20.6)
115
(33.4)
33
(9.6)
8
(2.3)
344
(100.0)
・カウンセリングを受けた年齢は40歳代が最も多い。
③セッション別件数
(延べ件数)
心理療法
遊戯療法
心理テスト
その他
計(%)
293
(85.2)
19
(5.5)
32
(9.3)
0
(0.0)
344
(100.0)
・セッションの8割以上は心理療法である。
(4)自殺対策への取り組み
自殺問題の深刻化に伴い、兵庫県では「いのち対策室」の設置、自殺対策センターの開設をはじめと
する様々な取り組みが進められている。当センターにおいては「自死遺族ケア」という観点から、県い
のち対策室、精神保健福祉センターと連携を図かりながら相談機能の充実に努めている。
また、自殺の再企図防止への取り組みとして、兵庫県災害医療センターと連携して医療的支援を行っ
ている。
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
23
4 診療所の運営
診療所は、PTSD症状などのトラウマに起因する心理的影響に関する治療を行っており、受診について
は原則として関係機関からの紹介制である。
(1)診療所の体制
(診 療 日) 火曜日~土曜日(祝日、年末年始除く)
※ただし、月曜日がハッピーマンデー(成人の日、海の日、敬老の日及び
体育の日)又は振替休日(祝日が日曜日にあたるときのその翌日)の場
合、その前の週の土曜日は休診。
(診療時間) 9:00 ~ 12:00 14:00 ~ 16:00
(担 当) 精神科医
(2)月別診療件数
4月
5月
222
(5)
200
(7)
(延べ件数)
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
211
275
231
224
239
(5) (10) (4) (10) (6)
305
(6)
225
(5)
231
(5)
224
(5)
3月
計
229 2816
(6) (74)
・診療は、災害・事件・事故等のトラウマやPTSD等に関する治療となるため、1件当たりの診療時間は1
時間以上を要することがある。( )内はJR福知山線脱線事故関連の再掲である。
(3)専門治療件数
長時間暴露療法
(PE療法)
(件)
トラウマ・フォーカ 眼球運動による脱
複雑性悲嘆療の認知
スト認知行動療法
感作と再処理法
行動療法
(TF-CBT)
(EMDR)
103
(9)
55
(8)
29
(7)
13
(1)
計
200
(25)
( )内は実人員である。
(4)初診者の状況
①受診経路(紹介元)
医療機関
23
(56.1)
(件)
相談機関(※) 教育機関
5
(12.2)
1
(2.4)
司法関係
その他
紹介なし
計(%)
3
(7.4)
8
(19.5)
1
(2.4)
41
(100.0)
※相談機関とは、こども家庭センター、保健所、市町相談窓口等である。
※その他とは、通院患者の家族が患者として受診した場合等である。
②ブロック別
(人)
北海道・東北
関東
中部
近畿
0
(0)
1
(2.4)
1
(2.4)
39
(95.2)
中国・四国 九州・沖縄
0
(0)
・ブロック別ではほとんどが 近畿地区からの受診である。
24
0
(0)
計(%)
41
(100.0)
Ⅱ 平成26年度の取り組み
③近畿地区都道府県別
(人)
兵庫
大阪
京都
滋賀
奈良
和歌山
計(%)
29
(74.3)
8
(20.5)
1
(2.6)
0
(0)
0
(0)
1
(2.6)
39
(100.0)
・都道府県別では兵庫県内からの受診が最も多い。
④性別・年齢別
(性別)
(人)
男性
女性
計(%)
10
(24.4)
31
(75.6)
41
(100.0)
・受診者の7割以上が女性である。
(年齢別)
(人)
9歳以下
10代
20代
30代
40代
50代
60代以上
計(%)
6
(14.6)
8
(19.5)
8
(19.5)
12
(29.3)
3
(7.3)
4
(9.8)
0
(0)
41
(100.0)
・年齢別では、30代が最も多く、次いで20代、10代である。
・初診者の3人にひとりは20歳未満である。
⑤診療内訳
犯罪
被害
交通事
故被害
(件)
暴力
被害
性被害
事故
目撃
死別
震災
DV
虐待
パワ
ハラ
いじめ その他 計(%)
2
2
2
4
0
7
1
4
8
1
2
8
41
(4.9) (4.9) (4.9) (9.8) (0) (17.0)(2.4) (9.8)(19.5)(2.4) (4.9)(19.5)(100.0)
・初診内訳は、「虐待」「死別」「性被害」「DV」の順である。
・その他は、「ストレス」「家庭環境の問題」等である。
⑥受診状況
診療継続
28
(68.3)
(人)
医療機関紹介等 セカンド・オピニオン
0
(0)
3
(7.3)
終了
中断
計(%)
9
(22.0)
1
(2.4)
41
(100.0)
・平成27年3月末現在の受診者の状況は表のとおりである。
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
25
5 地域支援活動の実施
災害・事件・事故等の発生により、「こころのケア」が必要な事態が発生した場合には関係機関との連携・
調整窓口として、支援体制整備についての助言をはじめ、「こころのケアチーム」の編成・現地への職員
派遣など地域支援に関する活動を行っている。
今年度の主な活動状況は次のとおりである。
①東日本大震災(平成23年3月から継続)
(主 な 支 援 先) 岩手県、宮城県、福島県
(対 応 職 種) 医師、臨床心理士、精神保健福祉士、保健師
(支 援 回 数) 延べ 25 回
(支援対象人数) 延べ 1,014 人
(支 援 内 容) 現地でのコンサルテーション、研修講師、当センター施設見学等
うち現地派遣
・自殺対策事業、心のケアセンター運営への助言、支援者への研修
(主 な 支 援 先) 気仙沼保健所、みやぎ心のケアセンター、南三陸町 等
(対 応 職 種) 医師、精神保健福祉士
(支 援 回 数) 10回
(支援対象人数) 延べ455人
・こどもの問題行動へのコンサルテーション、支援者への研修 (主 な 支 援 先) 東日本大震災中央子ども支援センター、小学校 等 (対 応 職 種) 医師
(支 援 回 数) 5回
(支援対象人数) 延べ 306人
・サイコロジカル・リカバリー・スキルの普及啓発、支援者への研修
(主 な 支 援 先) 大船渡保健所、ふくしま心のケアセンター、気仙沼市 等
(対 応 職 種) 医師、臨床心理士
(支 援 回 数) 5回
(支援対象人数) 延べ 212人
②丹波市豪雨災害
(主 な 支 援 先) 丹波健康福祉事務所 丹波市 等
(対 応 職 種) 医師、臨床心理士、保健師
(支 援 回 数) 12回
(支援対象人数) 延べ 131人
うち現地派遣
(対 応 職 種) 医師、臨床心理士、保健師
(支 援 回 数) 4回
(支援対象人数) 延べ 122人
26
Ⅱ 平成26年度の取り組み
③洲本市殺害事件
(主 な 支 援 先) 洲本健康福祉事務所・洲本市
(対 応 職 種) 医師、臨床心理士、保健師
(支 援 回 数) 12回
(支援対象人数) 延べ 40人
うち現地派遣
(対 応 職 種) 保健師
(支 援 回 数) 2回
(支援対象人数) 延べ26人
④幼稚園駐車場での交通死亡事故
(主 な 支 援 先) 幼稚園
(対 応 職 種) 医師、臨床心理士、精神保健福祉士、保健師
(支 援 回 数) 3回
(支援対象人数) 延べ 5人
⑤自殺によるポストベンション(事後対応)
(主 な 支 援 先) 県内の事業所
(対 応 職 種) 医師、臨床心理士、精神保健福祉士、保健師
(支 援 回 数) 13回
(支援対象人数) 延べ 45人
うち現地派遣
(対 応 職 種) 医師、精神保健福祉士、保健師
(支 援 回 数) 1回
(支援対象人数) 延べ31人
⑥その他のコンサルテーション
(主 な 支 援 先) JICA、都道府県、市町、最高裁判所、保健所、保健センター、消防、教育機関、
こども家庭センター 等
(支 援 回 数) 延べ 52 回
(支援対象人数) 延べ 1,030 人
(対 応 職 種) 医師、臨床心理士、精神保健福祉士、保健師
(支 援 内 容) 研修企画、ストレス・メンタルヘルス対策の企画、
支援者のケア啓発用資料作成の助言、施設見学 等
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
27
6 兵庫県こころのケアチーム「ひょうご DPAT」体制整備事業
災害派遣医療チームを平時から設置する必要があることから、兵庫県と連携して災害発生時の支援体制
の確立を図っている。
今年度の取り組み状況は次のとおりである。
①ひょうごDPAT運営委員会への参加
障害福祉課・精神保健福祉センター・こころのケアセンターの3機関で構成
第1回運営員会 5/21
災害時こころのケアシステムと各機関の役割について
ひょうごDPATの体制について
ひょうごDPAT活動マニュアル、研修会について
第2回運営委員会 10/10 丹波市豪雨災害における初期支援体制についての振り返り
ひょうごDPATの体制とマニュアルについて
第3回運営委員会 3/13
今年度の振り返りと次年度計画について ②兵庫県こころのケアチーム「ひょうごDPAT」活動マニュアル ver1.0の作成
③兵庫県こころのケアチーム「ひょうごDPAT」研修会の開催
目 的 被災地における基本的な活動について学び支援できる
効果的なDPAT活動ができるような体制づくり
参加者数 60名 (ひょうごDPATチーム登録者等)
日 程 平成27年2月7日(土) 10:30 ~ 17:20
内 容
時間
10:00
10:10
内 容
講 師
あいさつ
オリエンテーション
健康福祉部 福祉監 柏由紀夫
災害時のこころのケア活動
①過去の災害時の活動
②受け入れた側の経験
兵庫県こころのケアセンター センター長 加藤 寛
兵庫県精神保健福祉センター 医療参事 高 宣良
宮城県精神保健福祉センター
技術副参事兼技術課長 小原聡子
12:20 ~ 13:20
昼食・休憩
13:20
①こころのケアシステムと DPAT について
② DPAT 派遣体制について
③ひょうご DPAT 活動の実際
兵庫県こころのケアセンター センター長 加藤 寛
兵庫県こころのケアセンター
主任研究員 福井貴子
障害福祉課
主査 長岡美佐
15:20
サイコロジカル・ファーストエイド概要
兵庫県こころのケアセンター
研究主幹 大澤智子
16:20
意見交流会
ひょうご DPAT 活動に向けて
兵庫県こころのケアセンター センター長 加藤 寛
17:20
閉会
28
Ⅱ 平成26年度の取り組み
7 「こころのケア国際シンポジウム」の開催
阪神・淡路大震災20年及び兵庫県こころのケアセンター開設10周年の節目にあたり、「災害とこころの
ケア―復興と心の回復―」をテーマに、国際シンポジウムを開催した。
(主
催) こころのケア国際シンポジウム実行委員会
(兵庫県、(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構)
ひょうご安全の日推進県民会議
(開催日時) 平成26年12月1日(月)13:00〜18:00
(開催場所) 神戸国際会議場
(参 加 者) 240名
(内
容)「Ⅲ 参考」編 参照
8 「兵庫県こころのケアセンター」をよりよく知っていただくために
「兵庫県こころのケアセンター」とは、どのようなところで、どのような機能を持っているのかといっ
たことについて、広く知っていただくため、ホームページの運営やパネル展示など、様々な取り組みを行っ
た。
(1)ホームページの運営
本センターの活動紹介をはじめ、研修等の開催案内や研究成果(概略版)等を掲載したホームページを
運営した。
アクセス件数は月平均 6,510件で、昨年度より5.4%減となった。
http://www.j-hits.org
(2)パネル展示
本センターの機能等を紹介したパネルをエントランスホールにて常設展示している。
また、「兵庫県こころのケアセンターからのお知らせ」コーナーでは、相談室・診療所の利用案内等を
掲示するとともに、「子どものこころのケア」を開設し、小児科医・精神科医、保護者などへの情報提供
に努めた。
(3)施設見学の受け入れ
見学希望については、可能な限り受け入れるとともに、「こころのケア」研修開催時にも受講者を対象
に施設見学を実施した。
(回数)29回 (人数)572人
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
29
9 ひょうごヒューマンケアカレッジ事業の実施
阪神・淡路大震災の経験と教訓から培った、いのちの尊厳と生きる喜びを高める総合的アプローチであ
る「ヒューマンケアの理念」に基づいた保健・医療・福祉分野における新たな専門的人材養成の講座や、
この理念に関する多様なニーズに対応した知識や技術の普及啓発と実践を担う県民向けの各種講座を開設
し、「ひょうごヒューマンケアカレッジ事業」を実施した。
1 専門的人材養成講座
(1)音楽療法講座
音楽療法の実践をめざす者に対し、音楽療法に関する知識や技術のほか、実践者としての資質等を
身に付ける機会を提供することにより、保健・医療・福祉・教育等の様々な分野において地域で活動
する県独自の音楽療法士の養成を図った。
①基礎講座
音楽療法の概要、音楽が心身に及ぼす効果、実践者としての役割や資質など、音楽療法の専門的な
学習に向けた基礎知識を提供した。
②専門講座
音楽療法実践論、関連領域及び実技の3分野で構成し、音楽療法の実践に必要な専門知識・技術を
学習するとともに、実践者としての豊かな人間性や倫理観を養った。
また、専門講座修了者に対して、その実践経験活動のための指導、助言等を行った。
(2)音楽療法士の認定審査
県独自の技能認定である「兵庫県音楽療法士」の認定のための審査を行った。また、新規認定後、
3 ~ 5年経過した者を対象に、更新認定のための審査を行った。
(3)音楽療法講演会・実践活動発表会
保健・医療・福祉・教育施設等への音楽療法の普及を図るため、講演会と実践活動発表会を実施した。
(4)兵庫県音楽療法士現任研修
「兵庫県音楽療法士」の資質向上を図るため、フォローアップの研修を実施した。
2 ヒューマンケア実践普及講座
(1)ターミナルケア講座
最後まで人間としての尊厳を保ちつつ、自らの望む人生を全うできるよう終末期患者を支援するた
め、在宅等での看取りの知識・技術を体系的に学ぶ機会を提供した。
(2)悲嘆を学ぶ講座
死別による喪失とそれに伴う悲嘆(グリーフ)に関する理解を深めることにより、悲しみや苦しみ
との向きあい方について考える機会を提供した。
(3)災害ボランティアこころのケア講座
被災地での支援活動の実態を知り、災害ボランティアとしての役割や心構えを学び、こころに寄り
添う支援について学ぶ機会を提供した。
30
Ⅱ 平成26年度の取り組み
3 事業実績
(1)講座関係
区 分
講 座 名
実施期間(回数)
受講者数
基礎講座
H27. 1.28~H27. 2.25(5回)
66 名
専門的人材
音楽療法
専門講座<実践論分野>
H26. 6. 7~H26.9.18(17回)
30 名
養成講座
講座
専門講座<関連領域分野>
H26. 6. 5~H26.9.17(16回)
32 名
専門講座<実技分野>
H26.10. 4~H27.3.11(19回)
28 名
ターミナルケア講座
H26. 7.22~H26. 9.10(8回)
70 名
悲嘆を学ぶ講座
H26.10.15~H26.12.16(8回)
49 名
災害ボランティアこころのケア講座
H27. 2. 7~H27. 2.28(3回)
19 名
ヒューマンケア実践
普及講座
(2)音楽療法士の認定審査
① 新規認定の審査
音楽療法講座専門講座修了者のうち、一定の実践経験を積んだ者を対象に、県独自の技能認定で
ある「兵庫県音楽療法士」の認定のための審査を行った。
(a)面接・実技審査日 平成 26 年 12 月 25 日(木)
(b)認定審査会開催日 同 上
(c)認定申請者数 22 名
(d)認定者数 17 名
② 更新認定の審査
「兵庫県音楽療法士」の新規認定後 3 ~ 5 年経過した者のうち、更新要件(新規認定後 3 年間以
上の実践経験等)を満たす者を対象に、更新認定のための審査を行った。
(a)認定審査会開催日 平成 26 年 5 月 1 日(木)
(b)認定申請者数 9 名
(c)認定者数 9 名
(3)音楽療法講演会・実践活動発表会
保健・医療・福祉・教育施設等への音楽療法の普及を図るため、県主催の音楽療法士認定証交付式
に併せ、記念講演会と音楽療法士による実践活動発表会を実施した。
①日 時 平成 27 年 3 月 10 日(火)午後 1 時~午後 4 時(うち交付式 1 時~ 1 時 30 分)
②場 所 兵庫県こころのケアセンター
③内 容 講演「音楽療法士の成長 実践と教育を通して」
加藤 美知子 氏(日本音楽療法学会常任理事)
平成 26 年度新規認定音楽療法士実践活動発表(2 例)
・「楽器や動きを使って高齢者の声を出しやすくする集団での音楽療法」
・「うつ症状のある対象者に集団音楽療法の中で意欲向上を目指した試み」
④参加者 保健・医療・福祉・教育施設関係者、兵庫県音楽療法士、音楽療法に関心を持つ者、
一般県民 130 人
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
31
(4)兵庫県音楽療法士現任研修
「兵庫県音楽療法士」の資質向上を図るため、フォローアップの研修を実施した。
①開催日 平成 27 年 3 月 28 日(土)午前 10 時~午後 4 時
②開催場所 兵庫県こころのケアセンター大研修室
③参加者 兵庫県音楽療法士 計 35 名
④内容 講義「音楽療法士に必要な即興・伴奏・作曲の技術とは」
講師 大垣女子短期大学准教授 小西(菅田)文子氏
回
年 月 日
曜
時 間
区分
【平成 26 年度 音楽療法 基礎講座 日程表】
内 容 (概要)
12:45~
13:00
27
2.0
13:00~
15:00
2.0
15:00~
17:00
2.0
13:00~
15:00
2.0
15:00~
17:00
2.0
13:00~
15:00
2.0
15:00~
17:00
2.0
12 木
21 土
25 水
17:00
~17:20
計
32
「音楽療法の流れ」
情報収集、目標設定、治療計画、実施、
振り返り、評価
「音楽の理解」
音楽の構成要素、心身作用とそのメカニズム
「健康と音楽」
健康の概念、
日常の音楽行動の意義
音楽療法の理念・役割
「音楽によるコミュニケーション(1)」
コミュニケーションとしての音楽
「音楽によるコミュニケーション(2)」
簡易楽器を用いた自己表現・対話
「実践者をめざして」
音楽療法士の役割、資質、倫理
討論
15:00~
17:00
水
「音楽療法の手法と分類」
個人・集団、精神的・訓練的、
受動的・能動的、心理療法的療法
講義
2.0
演習
13:00~
15:00
「基礎講座まとめ」
班別討議による総合的理解
修了式
20.0
向陽病院
音楽療法士
森本 恵美子
武庫川女子大学
准教授
一ノ瀬 智子
講義
2.0
講義
2
15:00~
17:00
「音楽療法とは」
音楽療法の定義、対象者と目的、歴史と現状 武庫川女子大学
名誉教授
益子 務
「音楽療法の原理」
音楽の機能、治療理論、治療構造
講義
⑤ 27
2
2.0
講義
④ 27
2
4
13:00~
15:00
講義
③ 27
2
28 水
講義
② 27
1
開講式及び受講説明
講義
①
講師(敬称略)
大阪音楽大学
非常勤講師
後藤 浩子
頌栄短期大学
名誉教授
阿部 恩
阿部 恩
森本 恵美子
Ⅱ 平成26年度の取り組み
【平成26年度 ターミナルケア講座 日程表】
回
数
曜
日
日
7
14:00
こころの ~ 14:20
22 火 ケアセン
14:20
ター
~ 16:20
②
7
死にゆく(ターミナル期の)
こころの
14:00
人の特徴とケア
畿央大学 健康科学部
29 火 ケアセン
~ 17:00 「身体的・心理的・社会的・霊 教授 河野 由美
ター
的な痛み」
③
8
④
8
こころの
14:00
在宅ターミナルケアと疼痛の 関本クリニック
21 木 ケアセン
~ 17:00 コントロール
院長 関本 雅子
ター
8
カトリック大阪大司教区司祭
こころの
スピリチュアルペインの理解
14:00
上智大学大阪サテライト
26 火 ケアセン
とスピリチュアルケアの実践
~ 17:00
キャンパス長ガラシア病院
ター
へのヒント
チャプレン 松本 信愛
⑥
8
亀田総合病院緩和ケア室
チャプレン
ターミナルケア・グリーフケア
13:00
上智大学グリーフケア研究所
こころの ~ 15:00 -仏教の視点から-
客員所員
29 金 ケアセン
真宗大谷派僧侶 瀬良 信勝
ター
六甲病院緩和ケア病棟元看護師長
15:10
家族によるターミナル期の
関本クリニック 看護師
~ 17:10 患者の看護
久保山 千鶴
⑦
9
①
⑤
⑧
9
6
5
場 所
時 間
講 座 内 容
講師予定者
所属・氏名 ※敬称略
月
開講式
オリエンテーション
(公財)ひょうご震災記念
ヒューマンケアとターミナル
21世紀研究機構
ケア
顧問 野尻 武敏
こころの
ターミナルケアにおけるセラ あしや音楽療法研究会主宰
14:00
日本音楽療法学会認定音楽療法士
水 ケアセン
ピーの活用
~ 17:00
ター
「音楽療法とターミナルケア」 堀 早苗
こころの
在宅ターミナルケアと介護
14:00
但馬長寿の郷
金 ケアセン
「苦痛を軽減する姿勢と介助
~ 17:00
理学療法士 小森 昌彦
ター
方法」
上智大学特任教授
こころの
上智大学グリーフケア研究所特
14:00
全人的ターミナルケアの理解
ケアセン
任所長
~ 17:00 と実践
ター
「生と死を考える会全国協議会」
10 水
会長 髙木 慶子
こころの
17:00
ケアセン
閉講式
~ 17:15
ター
計
24.0
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
33
(参 考)
音楽療法について
1 音楽療法の定義等
音楽療法とは、音楽の持つ、生理的、心理的、社会的働きを、心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、
生活の質の向上、問題となる行動の変容に向けて、治療者が意図的、計画的に活用して行う行為である。
わが国においては、1960年代後半から導入され、①精神障害への心理療法やリハビリテーション、②
神経症や心身症などに対する心理療法的音楽療法、③障害児に対する発達療法的音楽療法、④認知症等の
高齢者に対する音楽療法、⑤ターミナルケアにおける音楽療法などが行われている。
2 「兵庫県音楽療法士」認定・更新の流れ
ひょうごヒューマンケアカレッジ
専門的人材養成講座「音楽療法講座」
(20時間)
基 礎 講 座
修了
受講者選考試験
専 門 講 座
(約250時間) 音楽療法
実践論分野
関連領域
音楽療法
分野
実技分野
修了
兵庫県音楽療法士補認定
実 践 経 験
(約6か月間)
申請
認 定 審 査
兵庫県音楽療法士認定(5年間有効)
実 践 経 験 等
申請
更新認定審査
更 新 認 定
34
Ⅱ 平成26年度の取り組み
10 その他受託事業
(1) 海上保安庁職員へのストレスチェック
国土交通省共済組合第五管区海上保本部支部から委託を受け、組合員を対象にメンタルヘルス対策
としてストレスチェックを行った。
実施時期:平成26年5月~ 8月
実施人数:1,092人
(2) 子どものこころのケアに関するパンフレット作成
地方独立行政法人宮城県立病院機構から委託を受け、災害後の子どものこころのケアの推進を図る
ためのパンフレットを作成した。
種 類:「保護者向け」及び「教職員向け」の2種類
数 量:各30,000部 合計60,000部
(3) 企業のメンタル等推進事業
① メンタルヘルスチェック等事業
(公財)兵庫県健康財団との連携により、兵庫県健康づくりチャレンジ企業として登録している事
業所の従業員を対象としてストレスチェックを行った。
処理件数:7事業所 365件
② 中小企業のメンタルヘルス改善支援事業
兵庫県からの委託を受け、上記①のストレスチェックを実施した事業所に、臨床心理士を派遣し、
メンタルヘルス対策のアドバイスや職場研修等を実施した。
派遣件数:4事業所 延べ5回
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
35
11 外部評価の実施
多様な事業を適正かつ効果的、効率的に行っていくため、有識者からなる外部評価委員会を設置し、外
部評価を実施した。
平成26年9月19日(金)に外部評価委員会を開催し、平成25年度実施分について評価を受けた。
委員名及び評価結果は以下のとおり。なお、評価結果については、兵庫県に報告するとともに、本セン
ターのホームページ上で公表した。
(委員名)
岩井 圭司 兵庫教育大学大学院教授(委員長)
瀧野 揚三 大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター教授
高田 裕彦 独立行政法人国際協力機構関西国際センター次長
長谷川京子 弁護士
見野 耕一 神戸市立医療センター西市民病院精神・神経科部長
(評価結果)
個別事業評価
評価対象事業
評価
研修事業
S
情報の収集発信・普及啓発事業
A
連携・交流事業
S
相談事業
A
附属診療所の運営
A
ヒューマンケアカレッジ事業(音楽療法士養成講座)
A
ヒューマンケアカレッジ事業(実践普及講座)
A
センター業務運営の効率化
A
※評価基準
S:年度計画を大きく上回り、中期計画を十分に達し得る優れた業績を上げている。
A:年度計画どおり、中期計画を十分達し得る可能性が高い。
B:年度計画どおりといえない面もあるが、工夫若しくは努力によって中期計画を達し得る。
F:年度計画を大きく下回っている。又は中期計画を達成し得ない可能性がある。
36
Ⅱ 平成26年度の取り組み
総合評価
・トラウマ・PTSDに関する専門的な相談・診療、教育研修・研究機関として、10年が経過し、精力的な
活動展開と運営努力により、独自の役割機能に関する全国的な認知の広がりと積極的な活用の好循環を
生み出している。
・研修事業については、 講座の内容や実施回数が多いのにもかかわらず、安定して多数の受講実績につ
ながっており、参加者は県内にとどまらず、他府県からの参加者があること、研修満足度が高いことが
評価できる。「子どものこころのケア」に関する「子どものトラウマへのケア」、「子ども虐待をめぐ
る保護者への支援」の新設と災害復興期の回復をささえるこころのケアのため「サイコロジカル・リカ
バリースキル」の講座はセンターの特色ある研修として、今後も継続することを期待する。
また、ヒューマンケアカレッジ事業では、音楽療法士の養成と認定及び音楽療法の新規導入施設の開
拓を行っていることは評価できる。基礎講座の受講者数は定員を上回り、目標数を達成しているととも
に、受講者からも高い評価を得ている。
・「情報の発信」では、「DVによって傷つく子どものこころ」をテーマとしたシンポジウムの開催によ
り、研究員がこれまで蓄積してきた研究成果について情報発信する場となり、参加者から高い評価を
得ている。また、ホームページに関しては、内容の充実を図ったことでアクセスが増加したことをみれ
ば、多くの人たちに活用され、貴重な社会貢献を果たしたといえる。今後とも各地での支援活動状況を
紹介するパネル展示を順次更新していくとともに、本年12月1日開催予定の「こころのケア国際シンポ
ジウム」等を通じた更なる情報発信を期待する。
・連携・交流事業については、当該中期計画中に発生した東日本大震災について、継続的に支援者支援を
実施しているとともに、国内に止まらず四川大震災の被災地等での支援活動は、現地にこころのケアの
必要性と方法を普及させる契機となり、現地NGOにより継続されることとなっており、期待される効
果をあげたものと評価する。平成25年度においては、宝塚市役所庁舎火災事件後の時宜を得た支援が
特筆できる。
・相談・診療事業については、トラウマ・PTSDに関連した相談・診療件数が増えており、当センターの
特色が認知され、その役割が一層充実する方向にあると思われる。
・児童精神科医の活躍によって児童トラウマの治療が充実するというような面に現れているように、当セ
ンターの先進的な活動は、職員の熱意に支えられているところが大きいと考えられる。今後とも「当セ
ンターにしかできないこと」を中心とした事業展開が期待されるが、そのためには、設置者である兵庫
県による財政及び人員の措置に関する、特段の配慮が望まれる。
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
37
38
Ⅲ 参 考
1 「こころのケア国際シンポジウム」(抄録)
(開催主旨)
阪神・淡路大震災の経験は、さまざまな分野で継承されてきたが、こころのケアの分野においても、そ
の後発生した大災害後に積極的に参照されてきた。それは日本国内にとどまらず、海外、とりわけアジア
諸国で発生した災害においても、阪神・淡路大震災の知見は活かされ、被災者に対する心理的支援の重要
性が認識され、それぞれの文化背景、社会資源に最適な方法で展開されてきた。このシンポジウムでは、
阪神・淡路大震災を起点に、国内外の災害後に行われてきた、こころのケア活動の状況と課題について知
り、被災者の心理的回復のために何が重要で、支援体制はどうあるべきか、有効な支援方法は何か、など
について議論する。それをとおして、いまだ多くの課題に直面している東日本大震災の活動が充実される
ことに寄与するとともに、近い将来発生が予想されている巨大災害に向けて、どのような準備をすればい
いのか、考える機会としたい。
(主
催) こころのケア国際シンポジウム実行委員会
(兵庫県、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構)
(日
ひょうご安全の日推進県民会議
時) 平成26年12月1日(月)13:00〜18:00
(開催場所) 神戸国際会議場 3F 国際会議室
(参 加 者) 240名
(内
容)
・開会挨拶
・兵庫県こころのケアセンター 10年を振り返って
加藤 寛〔兵庫県こころのケアセンター センター長〕
・講演1:東日本大震災被災地の現状:福島からの報告
【演者】前田 正治〔公立大学法人福島県立医科大学 医学部 災害こころの医学講座 教授〕
・講演2:災害時の心理的援助の方法
【演者】メリッサ・ブライマー〔米国国立子どもトラウマティック・ストレスセンター テロ・災害対策部門長〕
・パネルディスカッション「こころのケアの連携を巡って」
<パネリストからの報告>
松本 和紀〔東北大学大学院 医学系研究科 准教授〕
張 広雲〔中華全国婦女連合会国際部アジア局 局長〕
<パネリストディスカッション>
座長:加藤 寛〔兵庫県こころのケアセンター センター長〕
金 吉晴〔国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所災害時こころの情報支援センター センター長〕
パネリスト:メリッサ・ブライマー〔米国国立子どもトラウマティック・ストレスセンター テロ・災害対策部門長〕
前田 正治〔公立大学法人福島県立医科大学医学部 教授〕
松本 和紀〔東北大学大学院 医学系研究科 准教授〕
張 広雲〔中華全国婦女連合会国際部アジア局 局長〕
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
41
「東日本大震災被災地の現状:福島からの報告」
前田 正治
公立大学法人福島県立医科大学医学部
災害こころの医学講座 教授
司会
亀岡 智美
兵庫県こころのケアセンター
副センター長 兼 研究部長
亀岡
司会を務めさせていただきます亀岡です。どう
ぞよろしくお願いいたします。それではトップ
バッターとして前田正治先生に、「東日本大震災
被災地の現状、福島からの報告」ということでお
れてしまったということで、私どもは本当に前田
先生の背中を見せていただきながら、たくさんの
ことを学ばせていただいております。
それでは早速、先生、よろしくお願いいたし
ます。
話を頂きます。
前田先生は、非常にご著名な先生でいらっしゃ
前田
いますので、あらためてご紹介するまでもござい
亀岡先生、過分なご紹介をありがとうござい
ませんが、恒例ですので少しご紹介させていただ
ました。今ご紹介いただきました、福島県立医
きます。先生は 1984 年に久留米大学医学部をご
科大学の前田でございます。よろしくお願いい
卒業になり、同講座の講師、准教授を務められま
たします。
した。そして 2013 年からは現職の福島県立医科
本日、こういう 10 周年の栄えある場にお招き
大学医学部災害こころの医学講座の主任教授をな
いただきまして、ありがとうございました。講演
さっています。そして翌年の 2014 年からは、放
に入る前に、少し加藤先生とのことをお話しさせ
射線医学県民健康管理センターの健康調査部門の
ていただこうと思います。私は神戸こころのケア
部門長、それから、ふくしま心のケアセンターの
センターができ、それから兵庫県こころのケアセ
副所長をなさっています。
ンターができて、最初は私自身、大きな災害に
一方、日本トラウマティックストレス学会とい
遭ったのが 2001 年のときの、先ほど加藤先生に
う学術集団がございますが、その学会の第一線で
ご紹介いただいたえひめ丸沈没事故という事故で
もご活躍になり、ちょうど 2010 年から 2013 年
した。これは日米間の国際関係にも発展するよう
までは学会長を務めていらっしゃいました。この
な、当時の総理大臣が事後の処理を巡って辞職す
間に東日本大震災が発災したわけです。前田先生
るというような事態に陥るような大変な事件でし
はその後、いち早く学会として中長期まで持続可
た。そのとき、私の前任地の大学で愛媛県から委
能な支援の枠組みを構築することに尽力されまし
託を受けて調査支援に入ったのですが、これは非
た。その一方、自ら被災地に駆け付けられ、被災
常に大変な事件で、とても手に負えないとなりま
3 県の中で最も支援が困難だと言われていた福島
した。そこで、当時はこころのケア研究所と言っ
で、ずっと今に至るまで支援を続けておられます。
ていたでしょうか、そのときの研究部長であった
そして、とうとう 2013 年からは福島の方になら
加藤先生の方にご連絡して、すぐに支援に来てい
42
Ⅲ 参 考
ただいて、非常に助けていただいたという思い出
た。普通は大体、災害が発災したところだけが問
がございます。
題となるのですけれども、福島では 200 万人の県
それから、何と言っても、今、亀岡先生の方か
民の方がおられますが、もう全体が被災圏になっ
らご紹介いただきましたが、このたびの東北で起
ています。福島に来ると、どこが被災地かよく分
こった東日本大震災のときには、私はたまたまあ
からないということがございます。
る学会の会長をしており、そのときに加藤先生に
最初に何枚かの写真をお見せします。福島の風
はいち早く震災対応の責任者になっていただい
物詩です。私は九州の人間なのですけれども、すっ
て、こころのケアセンターの活動を通じて東北の
かり福島県に浸っておりまして、これは野馬追と
支援の戦略的な面でのご指導をいろいろと頂きま
いう沿岸部の南相馬というところで行われている
した。それは本当に感謝しております。
お祭りです。これはすごく勇壮なお祭りです。そ
私は現在、ふくしま心のケアセンターの副所長
れから、わらじ祭りは福島市のお祭りです。これ
も併任しておりますが、このふくしま心のケアセ
は須賀川というところで行われている、日本三大
ンターでも、現在顧問として加藤先生にはいろい
火祭りの一つと言われているもので、これもまた
ろな支援を頂いております。今週金曜日には、ま
勇壮な火祭りです。これは会津のお祭りです。
た福島に来ていただきまして、心のケアセンター
それから、お酒もうまいですし、そばもうまい。
のこの 3 年間の活動を振り返ってという大きな会
そして、温泉です。九州も温泉がいいのですけれ
をしますが、そこにご参加いただき、またいろい
ども、福島の温泉は九州から行っても本当にすご
ろなアドバイスを頂こうと思っております。
いなと思うぐらいです。それから、素晴らしい錦
こういう次第で、本当に日頃から、兵庫県ここ
秋と言いましょうか、紅葉です。これは安達太良
ろのケアセンターの活動には本当に感謝しており
山という山の紅葉で、私も登ったのですが、本当
ます。福島県民を代表して、まず感謝したいと思っ
に素晴らしいところです。
ております。ありがとうございました。
福島にはもともとこういう素晴らしい風土が
あって、また、こういった風物詩があったわけで
さて、本題に入りたいと思います。福島で起こっ
ている災害は、皆さんご存じのように非常に特異
すが、一方現在、もう一つの顔があります。これ
からその写真をお見せします。
です。ただ、特異な災害というのはたくさんある
福島に来られると、多分、皆さんすぐに目にす
のですけれども、福島で起こっている災害の特徴
るのが、このモニタリングポストと言われている
は、特異なだけではなく、非常に規模が甚大で、
ものです。町のあちこちにあります。
多数の人が被災者になっているということです。
これはまた来られたら少しびっくりされる方も
もちろん福島でも津波被害、地震の被害はもちろ
多いのですけれども、天気予報などの後に毎日こ
んあったのですが、これはこの後に東北大学の松
うやって今日の福島県の各地のセシウムの線量が
本先生が津波被災地については詳しくお話しにな
出てきます。空中線量です。今はかなり低くなり
ると思います。私は専ら、福島の方では最大の問
ましたが、やはりこういった数値を県民の方々は
題となっている原発災害にまつわる心の問題につ
何となく意識しているのだということです。ずっ
いてお話をしたいと思っております。
と生活していますと、やがては慣れてしまうので
さて福島県は、浜通りといういわゆる沿岸部の
ところと、中通りという新幹線が通っているとこ
すけれども、こういったことが出てきているとい
うことは福島ならではのことだろうと思います。
ろ、そしてまた会津という、文化的にも全く違う
それから、これは新聞の折り込みチラシの写真
ようなところが一緒になっているような非常に大
です。福島では本当に人不足が激しくて、さまざ
きな県です。もちろん原発災害はここでありまし
まな職員さんを募集していますけれども、特にこ
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
43
れは除染の作業員の方の募集です。これもそうで
こういった福島で起こっている問題は非常に複
す。こういう、復興事業と言っても、特に原発関
雑です。無理やりに 1 枚のスライドにまとめてみ
連の作業の方をたくさん募集しています。このよ
ました。
うな募集も福島ならではです。
一つは、原発事故への近接遭遇で、非常にトラ
これは富岡町です。原発から 10km ぐらいのと
ウマティックな体験を被ったことによる恐怖反
ころにある町です。今でもこのような状況です。
応、いわゆる PTSD の反応がまず第一にあるだろ
これは津波が発生して 1 カ月ぐらいであれば、東
うと思います。この問題は、基本的には津波でも
北はあちこちこのような感じだったのですけれど
地震でも起こってくるのです。ただ、非常に特殊
も、3 年経ってもまだこのような当時のままの状
なのが、放射線の降下物に対する不安・恐怖です。
況だということです。
それから、さらに福島ならではという問題が、被
これは駅の周辺です。このように野生化した動
ばくしたと思われることへの不安です。こういっ
物がうろうろしているというようなことが今でも
た問題が起こってくるのだろうと思います。この
あります。
辺を一個ずつ、時間もありませんので少し足早に
これは楢葉町といって原発の南の方の町なので
見ていきたいと思います。
すけれども、来年度の帰町宣言をした町です。こ
さて、沿岸部では原発事故当時、遺書を書いた
の町に限らず非常に問題になっているのが、黒い
という方が結構おられるのですね。今となっては
シートで囲まれている、いわゆる汚染された土壌
割と淡々と言われますけれども、「私も遺書を書
や物質です。どこにも置き場がありません。今度、
きました、あのときは」ということを言われます。
揉めた挙げ句、中間貯蔵施設化が決まりましたが、
情報が何も入らない中でどんどん追い詰められて
除染するのはいいのですが、その後の処理物をど
いったという状況です。
のように保管するかということが最大の問題で
そして、こういう恐怖体験を味わいますと、こ
す。これも福島ならではの光景だろうと思います。
れは津波でも全くそうなのですが、非常にトラウ
それから、第一原発の今度は北側の方に行きま
マティックな体験、トラウマ性の記憶が植え付け
すと、これは浪江町という町です。これも大体
られていき、非常に神経過敏な状態が生じて、そ
20km 圏内、十何キロぐらいのところだと思いま
こを避けるようになります。一連の自律神経系の
すけれども、このような状況です。
反応を伴うような、大きな脳の機能失調のような
この辺は浪江の駅です。これは少し古いデータ
状態が訪れてきます。それに加えて認知の歪みも
だと思いますけれども、2μSv と、かなり高い値
起こってきます。これはいわゆる外傷性ストレス
です。
障害(PTSD)と言われているもので、これが日本
さて津波の跡地ですが、このように津波当時の
光景が手つかずで続いています。多分、岩手や宮
で最初に着目されたのが、もちろん言うまでもな
く阪神淡路大震災のときでした。
城ではもうこのようなものは更地になっていると
今からお示しするデータは、私が県民健康調査
思うのですけれども、更地にもできていない。つ
の心の調査を担当しておりますので、そのデータ
まり、この辺は線量が高いために、作業員の方が
です。福島県立医科大学が行っている大規模な調
入れずに放置されているという状態です。現在は
査で、詳しくは後で言いますが、沿岸部約 20 万
こういった地域にいけますので、もしチャンスが
人の方々への調査です。それで見ますと、PTSD
あったら、ぜひ行ってご覧になってください。こ
のリスクを持った方が非常に高い率、5 分の 1 ぐ
ういった光景には、ある意味で本当に衝撃を受け
らいの率でおられるということです。この値は
ます。
ニューヨークの 9.11 のテロのときのレスキュー
の方たちとほぼ同じぐらいのデータということ
44
Ⅲ 参 考
で、悪いデータです。
ています。この方もそうです。この方などは保育
ただ、ではこういった体験をした人たちが、中
園の再建事業をされていて、自らも母親です。一
通り、例えば郡山や福島に多いかというと、多分
生懸命に頑張られているお母さんで、偉いことを
そのようなことはないのだと思います。比較した
されているのですけれども、このお母さん自体が
データがないのですけれども、むしろ沿岸部の
泣きながら、このようなことしていいのだろうか
方々特有の反応だろうと思っています。
ということを思っていらっしゃいます。この罪責
一 方、 福 島 に お い て は、 よ り 複 雑 な 問 題 が、
降下物、Fall out に対する不安や恐怖ということ
です。
感情が非常に母親を苦しめているのではないかと
思います。
これは発災から割と間もない時期に北條先生と
放射線被害は、よく言われるのですが、目に見
いう福島市で開業されている小児科の先生が調べ
えないこと、それから長期的であるということで
たデータです。たくさんけんかをする、外で遊ば
す。それから、被害実態が非常に不明瞭です。津
ないので体力が低下する、赤ちゃん返りするなど
波の被災地に行けば、これは津波の被災地だとい
という子どもさんの問題をいっぱいおっしゃって
うことは分かりますが、福島県に来ると、どこが
いるのですけれども、そのお母さん方を見ると、
被災地か分からないことがあります。福島市や郡
お母さん方自体の不安も非常に強い。このときは、
山市に行ったら、全く物理的被害はないのです。
多くのお母さんが引っ越したいと思っているけれ
建物の被害はないのですが、しかし、放射線被害
ども、実際に引っ越しの計画を持っている方は少
という面ではそこもやはり被災地であるというこ
ないということで、こういった不安の中で子育て
とです。それから、これが他の災害ではほとんど
をやっているということがあります。
見られないことですけれども、スティグマ、偏見
ところでもちろん、子どもさんは、何マイクロ
という問題がございます。これも少し後で触れた
シーベルトが危ないとか、年間積算量がどうのこ
いと思います。
うのとかということはよく分かりません。ですか
こういった福島の原発事故の特徴から、先ほど
ら、お母さんの不安の表情を見て、あるいは不安
のトラウマティックな体験に基づく恐怖反応だけ
な行動を見て、子どもも不安になっていきます。
ではなくて、福島で生活していることに対する何
例えば外で子どもが遊んでいると、お母さんはす
となくの不安がある、特にそれは幼い子どもを持
ぐに「そこは駄目よ!」と言ったり、ものすごく
つお母さんが強いという特徴がございます。これ
過敏にと言うか、そういう反応をされます。です
は既にスリーマイル島の調査や、チェルノブイリ
からそういったものを見て、子どもさんも不安に
等ではよく言われたことです。特に約 20 年後の、
なっていくと。不安になる子どもさんを見て、お
いわゆる有名な WHO レポートの中では、女性、
母さんもまた不安になっていくという悪循環の
特に幼い子どもを持つ母親がうつ病や PTSD にな
ようなものが起こってくるのだろうと思います。
りやすいのだということを、さまざまな研究のレ
従って、子どもさんの不安が強いときは、大体ほ
ビューとして結論しております。
とんどお母さんの不安も強いので、どちらも併せ
そして、これは福島でも全く当てはまり、お母
てケアする必要があるだろうと思います。
さま方が強く不安を持っていらっしゃいます。た
実際に私たちが行っている調査で見ても、これ
だ、私が見ていて特徴があるのが、不安なだけで
は子どもさんたちの状態を、多くはお母さんが記
はなくて罪責感情があることです。ここで生活さ
録しているものですが、大体、問題を持っている
せていいのだろうか、子どもを生活させていいの
だろうと言われる子どもさんを持っている割合
だろうか、ここで子どもを育てていいのだろうか
は、これは実は九州のデータなのですけれども、
というような罪の意識を非常に多くの方が持たれ
日本の一般的なデータでは 9.5%ぐらいです。我々
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
45
の調査では、年代を 4 ~ 6 歳、7 ~ 12 歳、13 ~
するということです。こうやって家族がばらばら
15 歳と三つに分けていますが、どの年代を取って
になっていきます。もちろん家族によって考え方
もこの九州のデータよりも多いということです。
が変わってくるので、残る家族もいれば去る家族
年が経って少し下がってきています。これは非常
もいるという状態です。
に良いことです。お母さま方の不安が下がってき
それから、発災後しばらくは見られなかったこ
たのだろうと思います。ただ、特徴の一つとして、
となのですけれども、例えば今、いわき市は 2 万
小さな子どもさんの方が具合が悪い傾向がありま
人を超す避難民を受け入れています。そういった
す。つまり、小さな子どもさんを持っているお母
ところでは、もともといるいわき市の住民の方々
さん方の不安が高いということが、このデータか
と避難して来られた住民の方々の間で軋轢が起
らも読み取れると思います。
こっています。例えば、土地代が値上がりした、
それから、これも複雑な問題ですけれども、コ
ミュニティーの分断が福島では起こっています。
治安が悪くなったなど、いろいろなことで、いつ
までいるのだという感じです。これは避難先のコ
例えば南相馬市の小高というところで、これは
ミュニティーを決して責められません。これは通
2 年前の春にはもう通れるようになったのです。
常の避難というよりも、むしろ難民的な状況に置
ただ、生活はしてはいけないという非常に複雑な
かれているのかもしれません。こういった複雑な
状態に現在も置かれています。こういう全く壊れ
軋轢も起こっていますし、こういった問題が、コ
てしまった家では住めないということは誰しもが
ミュニティーが持っているもともとの結束力を弱
分かることですが、他はほとんど一見すると住め
めてしまうのではないだろうかということが懸念
るような家なのです。けれども、物理的には存在
されるわけです。もともと自然災害では PTSD の
するのだけれども、自分の家としての機能を失っ
発生率は、性犯罪などに比べれば決して高くない
ているということで、こういったとてもあいまい
のです。それは、やはりコミュニティの結束力が
な喪失状況が続いています。こういった中で多く
あるからだと思います。しかしながら、こういう
の被災者の方が、なかなか心の切り替えが行いに
状況ではなかなかそれが発揮できないということ
くいということです。先ほど加藤先生が、お金を
があります。
もらうことの難しさをおっしゃっていましたけれ
いまだに 12 万人の方が避難しています。この
ども、では、どうしたらいいか。もう住めないよ
ようなことは、私は、発災したときには予想もし
と言われれば、もちろんそこに補償のお金が下り
ていなかったことです。この中で一体、自分たち
ます。ですが、近い将来ここは住むようになるこ
はどうしたらいいのか。特に将来に関しては男性
とが想定されているところなのです。そういった
の不安も非常に強いのです。私のような中高年男
あいまいな中で、では、いつから住めるのかとい
性の不安が非常に強いです。「1 日、何もすること
うのがよく分からないということがございます。
がなく、パチンコで時間を過ごしているなど、彼
非常に難しい状況です。これも自然災害であまり
らは希望を失っているように見える」。これは地
見られないことだろうと思います。
元の保健所のスタッフが記録したものを取ってき
福島に非常に特徴的なのは、強制的に避難され
たのですが、このように見えます。
る方も、これはある意味でやむを得ないことなの
つまり、仕事が見つからない、家族と共に生活
ですが、住民の方が自主的に避難を決めなければ
ができない、避難先のコミュニティーに溶け込め
いけないという、家族の自主的な判断に任せられ
ない、住民票を移して自分は別なところで働くの
ているということがあります。従って、よくある
だとか、あるいは、自分はふるさとに戻るのだな
ことは、夫は仕事のために残ろうと決めたけれど
どという決断がなかなかできない状態がだらだら
も、奥さまの方は子どもさんと一緒に県外に避難
と続いているということで、そういった状況が被
46
Ⅲ 参 考
災者のアイデンティティの危機を招いています。
もちろんこれは当然、うつ病に直結しやすい問
ということを隠しているなど、こういったこと
が起こっています。
題だと思われます。これは私どもの大学で行って
これは容易にアナロジーを見つけるのは、長崎
いる調査で、うつ病の症状を持った方がどれくら
や広島の被ばく者たちです。彼らもまた、特に若
いおられるかをチェックしたものです。これは一
い女性の方々は自分たちの体験を言いませんでし
般住民では 3%ぐらいのデータですけれども、そ
た。被ばく者と言われることで、結婚もできない、
れが先ほどの沿岸部になると一気に 10%を超え
子どもが差別されるといった恐れがあったわけで
るようなデータになっていくということです。非
す。福島ではそれがあるのだと思います。
常に高いデータになっています。
こういったうつ病の発生が増えると、当然、心
配されるのが自殺です。これは新聞報道から切り
抜いてきたものですが、皆さんご存じのように、
ここで一つ皆さまに考えていただきたい、非常
に私にとって印象深いエピソードがありますの
で、それをお話ししたいと思います。
福島県立医科大学では、発災後、毎年、医学部
福島では震災の関連死が直接死を上回っている状
の学生さんや看護学生さんたちを集めて、福島の
態が続いています。特徴は、他県では年を追えば
ことを理解していただこうというセミナーを開い
少し下がっているのですけれども、年を追っても
ているのです。今年もそれを行い、夏に医学部の
あまり下がっていかないということです。これは
学生さんに参加してもらって、いろいろ勉強会な
震災に関連する自殺者数を見たものですが、大体、
どをしました。夜は食事会をして、私も食事会に
岩手は下がっています。宮城は実は去年上がった
出たのです。そうしたら、これは九州の大学の学
のです。今年は分からないのですけれども、福島
生さんで、非常にまじめな学生さんだったのです
は毎年上がっており、現在、57 名ぐらいの方が
が、彼がこのような話をしてくれたのです。彼の
震災で自殺したと認定されています。これはかな
ところではボランティアのグループと一緒になっ
り厳しいクライテリアを満たした方ですので、本
て、発災後、毎年、夏になると福島の子どもたち
当はもっとたくさんの方がこういった残念な結果
をキャンプに熊本へ呼んでいたというのです。熊
になっているのではないかと思われます。自殺対
本で阿蘇山など、ああいったところで遊ばせたの
策は福島では喫緊の課題です。
だと思います。子どもさんも非常に喜んでいて、
それから、福島で難しいのは放射能スティグマ
という問題もあるということです。
放射能汚染は他人に移るのではないかなど、何
今年もそれをして、たくさんの子どもさんたちが
遊びに来たということです。
ただ、そのときにお呼びした、地元のある方が、
となく福島というとあいまいな感情があるわけで
福島の子どもはかわいそうだなと言って、シイタ
す。実はこういった問題は、福島にいるときには
ケのようなものを持ってきて、これを食べたら放
あまりぴんと来ないのですが、福島から出ていっ
射能が全部抜けるのだと言って、無理やり子ども
たときにすごく感じることです。例えば福島の女
さんたちに食べさせたのです。この方はもちろん
性に対する妊娠などへの懸念などです。
悪気があってやったわけではありません。福島の
そして福島の女性、特に若い女性の方々にも
子どもさんのことを思ってやったわけです。ただ、
特有の不安があります。これは海外でレポート
子どもさんの 1 人はその場で泣き出してしまって、
されたものなので、若い女性ですが、他の人々
自分たちはそんなにおかしいのか、自分たちはそ
から見下されているのではないかと不安に思っ
んなにけがれているのかということをおっしゃっ
ているということです。また、これはロサンゼ
たという話をしていました。その学生さんが初め
ルスタイムスの記事ですけれども、女性の方が
てそのときはっと気が付いて、福島の子どもはか
福島県外に行った後に、自分は福島で被災した
わいそうなのだろうかと。かわいそうだから自分
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
47
たちが呼んでいたのだけれども、本当にそうだっ
委員会を通して行った調査研究が、被災地の自治
たのだろうかということを考え直したのだという
体職員に対する調査でした。これを簡単にご紹介
ことの話をされていました。
したいと思います。
私は、このエピソードは、スティグマという問
この調査は、いわゆるアンケート調査もしてい
題を考える上で非常に重要なことではないかと
ますけれども、一番重要なのは面接をしたという
思っています。つまり、放射線のリスクに関する
ことです。精神科医と臨床心理士のペアで 5 組の
いろいろな議論はあってもいいし、いろいろな感
ペアをつくり、5 日間にわたって調査を行いまし
情を持っても構わないと思うのですが、ただ、言
た。1 人 1 時間ずつかけたのです。90 人ぐらい
葉には非常に気を付けていただきたいということ
の小さな市町村だったのですが、こういった面接
です。福島の方は非常にその辺は敏感です。そう
調査は、あまり手間暇がかかることなので、あま
いったことを考えさせてくれたエピソードではな
りしないのですけれども、このときは行いました。
いかと思っています。
時間もありませんので、結果だけ足早にご紹介
スティグマの問題に関しては、やはりしばらく
したいと思います。男性 70 人ぐらい、女性 20
は、こういったことを言うとかえってスティグマ
人ぐらいで、平均在職期間が 14 年ということで
が広がるのではないかという恐れもありました
す。平均的な地方公務員の姿だろうと思いますが、
が、私はこういったことを、特に県外では伝えて
結果は非常に深刻なものでした。
いく必要があるのではないだろうかと思ってい
ます。
これはうつ病の方々のデータです。うつ病の
方々の発生率が 15%です。これは、今までにうつ
さて、ここで福島で起こっている非常に深刻な
病になった率ではなくて、そのときにうつ病だっ
問題を皆さま方に提示したいと思います。それが
たという率で、途方もなく多い数です。日本人が
この支援者の疲弊という問題です。後で松本先生
一生のうちにうつ病になるだろうと言われている
も同じような話をされるかもしれませんが、福島
確率が大体 6%ぐらいです。1 年間になるだろう
県の状況についてお話をしたいと思います。
と言われている率が 3%ぐらいですから、この数
福島は、先ほどから述べておりますように復興
字はとてつもない大きな数字だということがすぐ
プロセスがとても遅れている中、多くの支援者の
に分かろうかと思います。深刻なのは、自殺のリ
方々が持続する過労状況に置かれています。とり
スクがあると判断された方が 8%ぐらいおられた
わけ福島の特徴は、住民の方々の怒りや不満に暴
ということです。こういう具合の悪い集団は、私
露されることが多いということです。自然災害で
はかつて見たことがありません。また、この町の
は、もうこれはお天道さまのやることだからやむ
特徴は、これは沿岸部の町なのですけれども、特
を得ないということもありましょうが、福島では、
にひどくダメージを受けた町ではなく、沿岸部で
原発災害は人為災害ですから、やはり、なぜこの
は平均的な町だったということです。ただ、もし
ようなことが起こったのだ、なぜ自分たちはこの
かしたらこの町特有の何か問題があったのかもし
ような目に遭わなければいけないのだという怒り
れない、代表的な集団ではないかもしれないとい
がどうしても身近な支援者に向いてしまうという
うこともあります。
ことがあります。そして支援者の方の多くがまた
そこで別の町に対しても同様の調査を行ってみ
自らが別居していたり、避難をしていたりという
ましたが、やはりそこでもうつ病の方が 20%お
被災者であるという、支援者と被災者という二重
られたのです。もっと悪かったということです。
の役割を背負っているということがあります。
そして、やはり自殺のリスクがある方が 1 割近く
そういったことがございましたので、私が去年
10 月に福島県立大学に赴任してから最初に倫理
48
おられたということです。
こうやって見ますと、この二つに町はともに避
Ⅲ 参 考
難を余儀なくされた町なのですが、現在でもこの
ンターの支援のシステムを少しご紹介したいと思
ような状況です。他にまだこういった町はたくさ
います。
んございます。それと、他の町も大体似たり寄っ
私どもの講座は昨年 10 月にスタートしました。
たりではないだろうかと思いますと、これは大
スタートと言っても、最初は私 1 人だったので、
変な状況になっていると思うわけです。とりわ
スタッフがそろったのはこの春からでした。そし
け、ここまで悪いと、個人のケアであるとか、従
てやっと半年を過ぎたというところです。珍しい
来のラインで行うケア、上司が部下をケアをする
のは、環境省のサポートを受けてできた講座だと
といったことでは解決し得ない問題だろうと思い
いうことです。今日お話しするのは、まず大学に
ますので、早急に何らかのケアのシステムが必要
ある県民健康管理センター、先ほどずっとデータ
だろうと思って考えています。これは大学と心の
をお示ししましたけれども、その調査を行ってい
ケアセンターの共催で行った調査だったのですけ
る学内のセンターです。学外では、心のケアセン
れども、この結果を見て、私たちだけではとても
ターや、なごみと言われている、相双地区で支援
できないということで、通るかどうか分かりま
活動を行っている NPO、その他、国の方の災害こ
せんが、今、復興庁の方に、自治体職員ケアセン
ころの情報センター、そして兵庫県こころのケア
ターのようなものをつくってほしい、被災自治体
センター等々と連携していますが、特に今日はふ
の職員をケアする専従の機関をつくってほしいと
くしま心のケアセンターのお話も少ししたいと思
いう要望を出しています。これはこころのケアセ
います。
ンターの加藤先生が先べんを付けられたお仕事で
すけれども、災害に従事する消防隊などの方々へ
私どもの講座が深く関わっているのは、放射能
のメンタルヘルスが非常に重要なのだということ
医学県民健康管理調査という、日本で行われてい
を、兵庫のこころのケアセンターではずっと訴え
る非常に大きな国家規模のプロジェクトです。こ
られていたのです。私は、確かに消防隊員、自衛
れを少しご紹介したいと思います。
隊も大変だと思うのですが、この福島にあっては
ここでは、どのくらいの方がどのような被ば
自治体の職員がまさに復興の先兵で、彼らが疲弊
くをしたかという外部線量の調査、基本調査を
してダウンしてしまうと復興どころではなくなっ
まず行っておりまして、それに加えて詳細調査
てしまうということで、非常に危機感を持ってい
といって、これは今よくテレビで出てきますが、
ます。実際、ある町ではもう離職者が 2 割出てい
甲状腺の検査、それから健康診査、こころの調査、
るのです。公務員の方が離職するという現象は、
妊産婦の調査を行っています。私は健診とここ
ちょっと想像がつかないと思いますが、私は「夕
ろと妊産婦の三つの部門を統括しておりますが、
張現象」と呼んでいるのです。かつて財政破たん
今日は特にこころのことを少しお話ししたいと
した北海道の夕張です。非常に深刻な事態が今進
思います。
行しているところで、ここを何とかしなければい
けないと思っているところです。
先ほどずっとお示ししたデータがこころの調査
のデータです。これは、うつ病や PTSD など精神
疾患についてどのようになっているかということ
さて、最後、残り 10 分ぐらいの時間で支援の
話を少ししてみたいと思います。
を調べるということがございますが、その他、大
事なことは、電話や文書送付によるケアや介入も
こういった非常に複雑な福島の中で、今どのよ
実施しているということです。また、必要に応じ
うな支援のシステムをつくるべきか。たくさんの
て市町村や心のケアセンター等と連携を取ってい
支援のネットワークがあるのですが、私が関わっ
ます。
ている県立大学の方の支援システムと心のケアセ
調査やケアの対象は、実は私どもの大学はもと
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
49
もと福島県の 200 万人全体に対して本当はしなけ
もっと相談があってしかるべきだなど、いろいろ
ればいけないのですが、とてもその余力はござい
なご批判を受けましたので、私は着任してしばら
ません。従って、沿岸部の避難を余儀なくされた
く経ってから、私どものチームを引き連れて 13
自治体 13 個、大体 21 万人の方々を対象にした
市町村を全部回りました。最初は謝罪から入って、
調査を行っています。ただ、この 21 万人の方々
本当に申し訳ありませんでした、今後ともご協力
を毎年調査するということは途方もなく大変なこ
をお願いいたしますという形で、大学というとこ
とで、今、本当に試行錯誤しながらこの調査を行っ
ろはついつい上から目線と言われるのですけれど
ているところですが、いろいろな調査項目を用い
も、そうではない、市町村の皆さまの意見をよく
ていますし、日常生活がどのようになっているか
お聞かせくださいということで、1 カ月半ぐらい
ということも把握しています。特に問題となるの
かけて全市町村を回りました。大変だったのです
は、お酒と睡眠というあたりです。こういったこ
が、これは私は非常に良かったと思います。
とを把握しようとしています。
今度は心のケアセンターというところと連携を
結果は既に今までお示ししましたので、今度は
組むために、こちらの方にもずっと今、訪問して
少しケアについてお話ししたいと思います。私
いるところですけれども、この心のケアセンター
どもの大学には、臨床心理士からソーシャルワー
は宮城、岩手にも同様のものがございまして、日
カー、保健師さんたちから成る 15 名ぐらいの
本では 5 番目にできたセンターです。県の委託を
チームがございまして、具合の悪い方、具合の悪
受けています。ただ、突然 60 名ぐらいの多職種
そうな方に電話でまずファーストタッチをして、
チームが集められてつくられたということです。
場合によってはそれからいろいろなところにご
ほとんど面識もない人が、ある日突然 60 人集まっ
紹介するという形を取っています。ただ、いかん
たのです。非常に実験的な活動だったと思います。
せん 20 万人の方がおられて、たくさんの方にお
そして、これは兵庫のこころのケアセンターの活
電話をしていますと、平均 10 分ちょっとぐらい
動から学んだことですが、アウトリーチ主体の活
の電話をしたとしても 3 ~ 4 カ月かかってしま
動に加え、サロン活動やいろいろな教育啓発活動
うというありさまで、なかなかこの辺が難しいと
を展開しているさなかです。
ころです。
これは初年度の結果ですが、40%ぐらいの返
一方、どうしても心のケアセンターにとても足
りなかったのは研修・調査の部門ですので、そこ
信率がございました。大人でいったら大体 1 万
をてこ入れするために、私が副センター長として、
5000 人の方、子どもさんで 2500 人ぐらいの方
この部門の責任者となりました。そして講座とし
にメンタルヘルスケアを実施しています。こう
ても支援するという形を取っています。
いった枠組みをどのぐらい有効に続けていけるか
さてケアセンターは、福島県は広いものですか
ですけれども、想像してみればすぐに分かるとお
ら、全部で六つの方部がありますが、今日はこの
り、こういった電話による支援には明らかに限界
中で、いわき方部のことを少しお話ししたいと思
がございます。ですから、いかに他のところと連
います。
携を組むかが非常に重要なことです。今日はその
これが、いわき方部センターという名前を取っ
一つの重要な機関である「ふくしま心のケアセン
ていますけれども、そこでの会議の模様です。大
ター」のことに少しだけ触れたいと思います。
体全部で 7 ~ 8 名ぐらいのスタッフだと思います。
まず私が赴任してから、実はこの調査は不人気
決して豊富ではございません。心理士さんが 3 人
な面もありました。この質問紙を書くのに大体
とナースが 4 人ぐらい、あとはソーシャルワーカー
30 分ぐらいかかるのです。なぜこのような手間
の方がお二人です。そういった構成だと思います。
暇かかる調査をずっとされるのか、実施する前に
いわきは、まさに福島の問題を凝縮している地
50
Ⅲ 参 考
域で、いわき市という町はもちろん被災している
ら集められて、いきなりつくられ、ほとんど知己
町なのですけれども、ここに他からの被災市町村
がない人たちが集められたのです。チームとして
の仮役場が集中しているのです。ですから、いわ
まとまりを築くのは大変で、しかも県外からたく
き市で支援しているにも関わらず、実は別の町の
さん来られているのです。それから、離職者も非
支援をしているということです。こういうたくさ
常に多かったのですが、最近いわきや、県中、郡
んのステークホルダーと連携していってやらなけ
山の方での活動が非常に充実してきて、ようやく
ればいけないということで、心のケアセンターの
心のケアセンターが少しというか、かなりという
いわき方部は、多分、今の何倍かのスタッフがい
か、福島県でやった支援ネットワークの重要な役
ないと本当は充足できないぐらいの状態です。し
割を担えるようになったのではないかと私は自負
かもいわきには 2 万人を超える避難者の方々が集
しております。
まっているということで、大変なのです。
ただ、問題も多くて、特にスタッフの疲弊が激
結局いわき方部センターが今担当しているのが
しいです。五十数名のスタッフをどうやって疲弊
双葉郡 8 町村、9 個の町に加えて、県の出先機関
することなく支援していくか、そして、今後まだ
です。その他、いわき市自体があります。いわき
福島は 10 年、20 年と続きますから、どのように
市に 7 個の地区センターがあるということで、非
息の長い活動を行っていけるかというのが、私ど
常に膨大なエリアを管轄しているというところで
もセンターの中では最も大きな課題となっていま
す。スタッフも本当に疲弊している状態です。
す。ここは本当に、加藤先生が先ほどおっしゃっ
これはいわき市に上方の大阪の落語家をお呼び
ていましたけれども、確かに福島型の災害という
して公演をしたところですけれども、こういった
のはまさに新しい戦争だと思うのです。けれども、
ものをやったり、それから、これは他の方部でも
私たちはこれが初めての戦いで、今後どのように
やっていることですが、いろいろなサロン活動を
なるかというのは、やはり神戸のお知恵をぜひ拝
している写真です。このようにいろいろなものを
借したいと思っております。今週また来ていただ
行っています。特に最近では、これは消防隊員、
きますので、そのときにはぜひ助言を頂き、そし
そしてこちらは市町村の職員の方たちでしょう
てまたスタッフを励ましていただければと心から
か。こういった形で、支援者支援にする講演や講
思っております。
和などをたくさん行っているところです。最近で
福島の現状はこういった状況で、まだまだ皆さ
は、アルコールの問題、危険ドラッグの問題など、
まの支援が非常に必要です。今後ともどうぞよろ
さまざまな問題が特にいわき市では問題として叫
しくお願いいたします。ありがとうございました。
ばれており、そういった問題に対応していかなけ
ればいけないという状況です。
亀岡
これが半年間で実施した活動内容ですけれど
前田先生、どうもありがとうございました。福
も、5700 件ぐらいの相談を受けています。電話
島の状況を多面的にお話しいただきまして、現時
相談は 262 件です。ただ、去年と比べて飛躍的に
点での課題を分かりやすくお話しいただいたと
増えているのが、先ほど言った支援者に対する支
思います。質問したいとおっしゃられる方もい
援です。市町村の疲弊をそのまま反映している形
らっしゃるかもしれませんけれども、後のパネル
でなっています。
ディスカッションもございますので、いったんこ
ただ、心のケアセンターには大きな課題がござ
こで締めさせていただきます。もう一度、前田先
います。これはぜひまた加藤先生などからお知恵
生に拍手をお願いいたします。ありがとうござい
を拝借したいところなのですけれども、先ほど言
ました。
いましたように 50 名を超えるスタッフが各所か
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
51
「災害時の心理的援助の方法」
メリッサ・ブライマー
米国国立子ども
トラウマティック・ストレスセンター
テロ・災害対策部門長
司会
大澤 智子
兵庫県こころのケアセンター研究主幹
大澤
今回、講演 2 の司会を務めさせていただく大澤
です。よろしくお願いいたします。
ました。2 週間に 1 回、コネチカットへ行き、今
でも継続的に後方支援を続けています。加えて、
昨今、黒人の少年が警察官に撃たれて亡くなった
講演 2 は「災害時の心理的援助の方法」と題し
ことで、大規模なデモがアメリカのいろいろなと
て、アメリカからメリッサ・ブライマー先生に来
ころで起こっています。こようなことが起こって
日していただきました。彼女は臨床心理の分野で
も、後方支援に関わっていらっしゃいます。
トレーニングを受けた後、1999 年にユニセフが
今日は 45 分という非常に短いお時間ではある
コソボで行っていた、子どもを対象にした社会心
のですが、彼女の 10 年以上の現場での経験の中
理プログラムのコンサルタントを務めました。そ
で、こころのケアをするに当たってどんなことが
れを皮切りに、翌年からは UCLA が行っているさ
重要であるのかという最新の教訓、知見について
まざまな子どもを対象にしたトラウマケアの部門
お話を伺いたいと思っています。ここで皆さんに
で経験をお積みになっています。そして、2005
一つお願いがあります。アメリカの専門家とはい
年から、現職であるトラウマティック・ストレス
え、アメリカで教訓とされたことが、本当に日本
センターのテロ・災害対策部門の責任者として、
で有効なのかということを言う日本の専門家が実
国内のみならず、私たちが日本のニュースで見る
際にいます。もしも自分あるいは自分の大切な人
ような事案にも対応されています。世界でも非常
がひどい目に遭ったときに、今からブライマー先
に有名な方でいらっしゃいます。
生が言うようなことが提供されたとするならば、
当センターとブライマー先生との関わりについ
役に立つのだろうか、と考えながら、耳を傾けて
てお話しします。2005 年に、先ほどセンター長
いただければと思います。それではブライマー先
の話にあったスマトラ沖地震で津波があった後
生、どうぞよろしくお願いします。
に、翌年より当センターが JICA から委託を受けて、
被災国の専門家にこころのケアの知識を習得して
いただくというプログラムを 5 年間行いました。
そのときに、アメリカから毎年来ていただいてい
ました。
メリッサ・ブライマー
今日はお招きいただき、ありがとうございます。
日本へは今回が 5 回目か 6 回目になります。
ここ 10 年間、兵庫県こころのケアセンターは
2 年前に、マサチューセッツ州のニュータウン
素晴らしく、重要なお仕事をなさってきたと思い
というところで、20 名以上の児童生徒や関係者
ます。そして、今後、日本で、また国際的な活動
が銃乱射事件で死傷するという大きな事件があり
をするにあたり、何が可能なのかについて、お話
52
Ⅲ 参 考
をしたいと思います。しかし、それよりも最初に
ことです。
申し上げたいことは、心の傷を受けた人々、その
中でも最も影響が大きい、大事な家族を失った
ドメスティックバイオレンス、医療トラウマな
人々の心にも気を十分に配らなければならないと
ど、トラウマにはさまざまなタイプがあります。
いうことです。こういった会合では、復興や再建、
竜巻や地震。また、残念ながらアメリカでは学校
教訓が分かち合われたりするわけですが、大切な
で銃乱射、殺傷などのさまざまな事件も起こって
人を亡くした人にとって、それらの話しに耳を傾
います。国で何かが起こった際に、われわれ専門
けることがとてもつらい場合があるからです。な
家は協働していかなければなりません。私が所属
ぜならば、大切な人を亡くした人にとっては、そ
するセンターは、アメリカ政府からの援助も受け
の人たちのことを思うだけで、あっという間に 20
ていますが、われわれの仕事は、お互いに協力す
年前に戻ることができるからです。亡くなった人
ることです。従って、われわれのプログラムは、
についての記憶を持ち続けることは重要です。彼
他の専門家との協調のもと、運営されています。
らから学んだこと、彼らと分かち合ったこと、そ
そして、共に協力しながら、ケアの質を改善しよ
ういった記憶をこれからも持ち続けることによっ
うと考えています。先ほどシンクタンクという
て、現在の状況にどう適応していけるのかという
話がありましたが、われわれは一緒になってやっ
ことを考えることができるからです。
ていくことが非常に重要だと思っています。そし
家族、または各コミュニティが、今後、自らに
起こったことをどのようにとらえていけばいいの
て、日本でもそういったことが重要だろうと考え
ます。
か。トラウマにどう対処していけばいいのか。回
また、回復を考える際に重要なもう一つのこと
復というとどうしてもそのようなことにばかり気
は、備えをしっかりしておくということです。何
が行きがちですが、喪失についても考えていかな
か事が起こる前から、コミュニティでしっかりと
ければなりません。トラウマにばかり目が奪われ、
準備をしていくことが重要です。兵庫県こころの
喪失に対して十分な注意が払われないことがあり
ケアセンターもさまざまな専門家を対象に、研修
ます。トラウマと喪失はその過程が異なります。
を行っていると思います。私たちも継続的に研修
その違いにも心を向けながら、今日はお話をして
を行っています。例えば消防や警察などの災害救
いきたいと思います。大切な人がいない 2 回目の
援者、保健領域の方々、公衆衛生に関わっておら
10 年間を過ごしていった人たちのことに想いを
れる保健師などです。そして、何かが起こった際
はせながら。
は、みんな備えができているということ、同時に、
何のために備えているのかを関係者が理解してい
私は、海外でも、また、アメリカ国内においても、
るということがとても大切です。
さまざまな経験をしてきました。その中で、どの
また、さまざまなサービスを継続的に提供する
ようにすれば災害後のこころのケアを最新のもの
ことも重要です。先ほどの講演者の方から、サー
にできるのか、回復を促すことができるのかを学
ビスを現在のシステムに統合して提供することが
んできました。今日、まず申し上げたいのは、専
重要だという話がありました。従って、教育シス
門家が集い、共に学び合うことが重要だというこ
テムや保健システムにこういったものを取り入れ
とです。国立子どもトラウマティックストレス・
ることが重要です。そうすることによって、重複
ネットワークは、78 のセンターをアメリカ全土
しないように、また、継続的に提供していくこと
に設けています。その役割はケアの質を向上する
ができるようにしなければなりません。5 年、10
ことと、そしてトラウマによって心に傷を負った
年、20 年という長い時間で、傷ついた人々をど
子どもと家族にサービスがいきわたるようにする
う手助けしていけばいいのかを考え続けられるよ
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
53
うな、必要なサービスを提供できるようなものを
つくっていかなければなりません。
の高い人と言えるのです。
また、医療の支援が必要な人もそうです。酸素
全ての起こりうる脅威について考えることも重
吸入が必要であるとか、定期的に何らかの医療介
要です。「ここでは絶対に起こらない」などと思
入が必要であるとか、そういった人々も、アメリ
わないことです。どのようなことでも起こり得る
カではリスクの高い人々として災害前から特定さ
という意識を持たなければいけません。津波や地
れています。こういった人々が、できるだけ早く
震といった自然災害も、そして人的災害、例えば、
必要な医療機関にアクセスできるような状況をつ
列車事故についてのお話がありましたが、犯罪も
くることを行っています。
起こり得るのだということを考えて備えなければ
なりません。
そして、効果的なパートナーシップを構築する
コミュニケーション、医療、自立(自活)性、
見守り(監視)、移動の領域で、一つ以上の助け
を抱える人を、リスクが高い人々として挙げてい
ことも重要です。パートナーシップを構築する際
ます。例えば、子どもたちには大人の見守り(監視)
は、それぞれの役割と責任についても明確化しな
が必要な場合がありますし、交通の便に影響が出
ければなりません。そして、そのことについて話
た場合は、被災地から逃げることができる手段を
し合いがなされていることも重要です。また、災
提供しなければなりません。
害が起こった初期にどうすれば効果的にサービス
を提供できるかを考えなければなりません。
効果的な災害後の公衆衛生精神保健プログラム
それから、加藤先生からもありましたが、共通
も不可欠です。効果的なケアを提供することが必
の慣習と手段も重要です。また、サイコロジカル・
要です。災害が起こった際に必要なことを、考え
ファーストエイドを提供することも必要です。こ
てみましょう。
ういったものについては、教育システムや保健シ
まず、サービスをケアシステムの一部として提
ステム、災害救援システムが最初に対処するわけ
供することが重要です。先ほどの講演にもありま
ですが、こういった人々や組織は、共通の認識と
したが、回復のフェーズでは、今必要とされてい
共通の手続きをもって、災害後、何がゴールかと
るのは何かということを理解しておくことが重要
いうことを一元化することによって、お互いの利
です。定期的に、被災者や被災地域にはどんなニー
益が衝突することのないようにしなければなりま
ズがあるのか、そのニーズはどう変わっていくの
せん。
か、その変わりゆくニーズにどう適応していくの
どういった人々が最もリスクが高いのかという
ことも考えなければなりません。過去にはリスク
かということを常に考えなければなりません。
次に、組織的にデータを収集することによって、
の高い人としては、子ども、あるいは高齢者が考
どういったニーズがあるのかを理解することが大
えられていました。最近、アメリカでは、リスク
変重要です。
の高い人々として、社会機能に困難をかかえる
そして、その地域の強みは何なのか、その地域
人々も挙げています。例えば、コミュニケーショ
にはどういった資源があって、その地域ではどう
ンに問題がある人です。私を例にしてみましょう。
いったことが自立的にできるのかということも考
今、日本で何か起これば、どうすればいいのか分
えなければなりません。その上で、どういった援
かりません。日本語が話せないからです。どこへ
助、導き、コーチングを提供することができるの
行けばいいのか、どういった慣習があるのか、ど
かということを考えるのです。そうすれば、自分
こに避難すればいいのか分からないので、誰かに
たちで自分たちのコミュニティの自助をすること
手助けをしていただかなければなりません。従っ
もできるでしょう。地域が既存の強みだけで何が
て、コミュニケーションに問題がある人はリスク
できるのかを考えるということです。そして、兵
54
Ⅲ 参 考
庫県こころのケアセンターのような地域に根ざし
ついて見ていきたいと思います。さまざまな文献
たセンターをつくって、そのコミュニティで何が
から、五つの原理原則があることを特定しました。
起こっているのかをしっかりと観察することも非
これは災害が起こった直後のケアでも、この神戸
常に重要なことです。
で、20 年を迎えるというような長期的なケアでも、
それから、どのようなケアを提供するにしても、
同じことが言えます。
実行可能、達成可能、そして実践的なものでなけ
一つ目は、安全・安心を提供することです。災
ればなりません。他の地域でうまくいったやり方
害の後に少しでも安全・安心を感じてもらうとい
が、今回被災した地域でもうまくいくのかといっ
うことです。災害が起こると、家族は大丈夫だっ
たことについても考えなければなりません。その
たのか、けがはしていないのか、家は大丈夫か、
地域で効果をもたらすためにどこに変更を加える
引っ越さなければならないのかといった、さまざ
必要があるのかを考えるのです。ついで、その地
まな懸念が出てくるでしょう。場所によっては、
域で誰が援助を提供できるのか。県レベル、国レ
引っ越さなければいけなかったり、コミュニティ
ベル、そして世界レベルへとだんだん広がってい
の安全性の問題で住むことができなかったりしま
くわけですが、まずはその地域で何ができるのか
す。また、新しい地域に移ったとしても、犯罪が
を考えなければなりません。
あったり、薬物の問題などから家庭内でも安全で
最新の技術を用いて、どういったサポートを提
なかったりする場合もあるでしょう。残してきた
供することができるのかということも考えなけれ
家の安心・安全についての懸念もあるでしょう。
ばなりません。テクノロジーは、災害後のメンタ
従って、安全の面から、各個人、家庭、地域がど
ルヘルスケアを提供するにあたり非常に有益で
ういう状況にあるのかを調べることが非常に重要
す。オンラインのトレーニングプログラムがその
です。
一例です。インターネット上でトレーニングを受
二つ目に重要なことは、心をおだやかにするこ
けることができれば、被災地外の人が現地に赴い
とです。不安や懸念、悲嘆は、回復の過程で非常
てトレーニングをする必要性もなくなります。イ
に大きな影響を個人や家族に及ぼします。睡眠障
ンターネットを通じて、さまざまな知識やサービ
害に陥ったり、怒りやフラストレーションがた
スの情報を得ることもできるでしょう。ただ、実
まったり、行政からの不十分なサポートに対する
際に対面で行わなければならないこともあるだろ
怒りをコントロールできなかったりします。こう
うとは思います。それから、さまざまなスマート
いった気持ちになっている人に対して、どうやっ
フォンのアプリもあります。こういったアプリに
て援助を提供したら、おだやかな心を保ってもら
よって、どこにサービスがあるのか、どんなサー
えるのかということを考えなければなりません。
ビスを必要としているのか、どこに行けばサービ
これも回復フェーズを通して提供しなければなら
スが受けられるのかといった情報を得ることもで
ないサービスです。
きるでしょう。サイコロジカル・ファーストエイ
三つ目はつながりです。最も多くの調査研究が
ドも、日本語アプリがあり、無料でダウンロード
行われている要因です。しっかりとした健全なつ
ができます。また、兵庫県こころのケアセンター
ながりがあること、家族とのつながりやコミュニ
がすでに行っているように、被災地域の専門家に
ティとのつながりを保持することがとても重要で
対して、継続的に知識・サービスを提供すれば、
す。災害が起こると、見えない壁ができてしまっ
すぐに地元のニーズに対応していくことができる
て、このつながりが阻害されてしまうことがあり
と思います。
ます。例えば、誰ともこの話をしたくないという
心の状況になることもあります。何かを話せば、
早期介入時の経験に基づいた五つの原理原則に
人を傷つけてしまうのではないかという思いにと
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
55
らわれたり、人に分かってもらえないという孤独
失われたものや破壊についてのみ報道するのでは
感を抱いたりします。先ほど、自殺のリスクが上
なくて、いかに地域がお互いに支え合っているの
がっているというお話もありました。しかし、つ
かということも報道するように促さなければなり
ながりを持つことができれば、そして自分がどこ
ません。そして、どういったところが安全なのか、
かに属している、家族に属しているという気持ち
その事象についてどのような健康上の問題がある
を持つことは、自殺のリスクを減らすという意味
のかということについても、正確な情報を提供す
でも、非常に重要なことです。
るように促さなければなりません。
四つ目は、自己・地域の効力感です。これにつ
それから、親や家族が子どもたちを支えられる
いても考えなければなりません。どのような地域
ようになるための情報を流す必要があります。子
であっても、強みがあるはずです。自分の中にも、
どもに何らかの影響が出る可能性があるのかを伝
自分の家族をサポートすることができる強みがあ
える必要があります。あるいは、そういった懸念
るでしょう。また、それだけではなくて、コミュ
を持っている親に対して、状況をどのように子ど
ニティ、自治体としての強みもあるでしょう。例
もに説明すればいいのかを伝えることも非常に有
えばどういった資源がその地域にあるのか、癒し
用でしょう。
に活用できる資源にはどのようなものがあるのか
ということを考えなければなりません。専門家が、
おだやかさについてです。これにもさまざまな
回復については、自分たちが一番よく分かってい
スキルが必要です。学校も保健教育などを通して、
るのだという態度を取ってしまえば、こういった
行うことができるでしょう。また、心配事がある
地域が持っている強みを奪ってしまうことにもな
場合は、基本的な対処スキル、例えば、身体の緊
りかねません。従って、その地域が回復するため
張を緩めたり、深呼吸をしたりすることも役に立
にどういったことをしているのかということを見
つかもしれません。
極めなければなりません。そして、回復を進めて
メンタルヘルス・ファーストエイドは、日本で
いく上で追加的な援助としては何が必要なのかと
も導入されているプログラムだと聞いています
いうことを考えるのです。
が、どういった精神症状が出るのかということだ
五つ目は希望です。明日は来る、明日になれば
けではなくて、どこでどういう援助を受けること
大きな影響を受けた心を調整することができる、
ができるのかといった情報も伝えることが重要で
気持ちを切り替えることができるという気持ち
す。そうすれば、被災者自らが援助を求めること
にさせることです。また、こういった経験からど
ができるようになります。
んなことを学ぶことができるのか。例えば、他の
人々と一つになること、将来の新しい方向性を見
自己効力感についてです。被災者が自分たちで
い出すこと、そういう希望を持つことも非常に重
復興計画をつくり、どういった問題があるのかを
要です。
話し合うことが挙げられます。そのためには、例
えばタウン(ホール)ミーティングを開催して、
では、この5つの要素を詳しく見て行きましょ
話し合うのです。集団が協力しながら、何か解決
う。まず、安心・安全についてです。このような
方法はないのかを話し合う。そして、家族が亡く
介入の戦略というのは、個人のレベルでもつくる
なったような場合に、集団での癒しの儀式を行う。
ことができますし、より幅広い公衆衛生の観点か
そうやって、コミュニケーションを取っていくの
らつくることもできるでしょう。
です。
また、メディアには、安全について伝えるよう
災害が起こると、往々にして、そういった悲し
に求めなければなりません。メディアには、単に
い気持ちをあまり話さない傾向があります。しか
56
Ⅲ 参 考
し、その声には耳を傾けるべきだと思います。早
全ての災害に対して、同じような対応ができる
期から、被災者の声に耳を傾け、プログラムをつ
わけではありません。それぞれの災害の特徴や、
くっていくことが重要です。そうすれば、被災者
その地域について理解しなければなりません。過
の気持ちをプログラムに取り入れることができ、
去にもさまざまな災害が起こった地域なのか、あ
重要な学びを得ることができるのです。
るいは今回の災害に対する反応に何らかの影響を
もたらすような別の変化を最近、経験しているの
それから、地域の効力感を育むことが大切です。
か。あるいは、地域にとって大切なお祭りなどの
自己効力感に満ちている地域は、市民の幸福感を
行事予定があるのかといったことを理解すること
促進するからです。単にこの災害で最も影響を受
が重要です。
けた被災者だけではなくて、災害に関わったすべ
例えば福島の場合は、原発があって、情報が十
ての人、災害救援者や復興に何らかの形で関わる
分ではなかったことが非常に大きなリスクでし
人を含む、地域全体の声に耳を傾けることが必要
た。また、後にお話するサンディフックのように
です。メディアを見るだけも大きな負の影響を起
小さな子どもたちが大きな影響を受けている場合
こすことが知られています。ですので、メディア
も通常の災害とは異なる対応が必要になるかもし
を通して、この災害から影響を受けた人が、心を
れません。常に、その地域が持っている回復に寄
落ち着けることができるような取り組みも必要不
与する文化や習慣が何なのかに注意を向けなけれ
可欠です。
ばなりません。さらに、その地域特有の儀式やし
将来の希望について話し合うことも大切です。
きたりについて学ぶ必要があります。そういった
何がうまくいっているのかについて分かち合うこ
理解を深めることによって、回復プロセスを有効
と。そして、お互いを励まし合うことや、誰かが
に助けることができます。
助けてくれるのだということを伝えることも重要
です。
ここでビデオをお見せしたいと思います。これ
は子どもが作ったビデオです。われわれのネット
つながりについてはすでにお話しましたが、つ
ワークでは、子どもに関するプログラムはたくさ
ながりを促すような関わりが大切です。そして、
ん行っているのですが、子どもたち自身の声を周
そのつながりが健全なものであることも重要で
囲の人が聞く機会が実はあまりありません。そこ
す。ですので、私たちがこころのケアを提供する
で、デジタルストーリーというものを作ろうと考
際、被災者がつながりを保てるように心をくばり
えました。これは 8 歳、10 歳、15 歳の子どもた
ます。
ちが作ったものです。ストーリーを作ってくださ
いというお題を出して、その際に、「こういった
希望についてです。お互いに意味を見いだすこ
災害が起こった際に、どんなことが手助けになり
とが重要です。この災害が人生にどんな影響を与
ましたか」という質問をしました。初めの子ども
え、それが何を意味するのか、自分たちはそこか
は竜巻の被災者です。まずは見ていただいて、そ
ら何を学んだのかを、考えてみるということです。
の後でお話をしたいと思います。
また、兵庫県こころのケアセンターは、被災者が
発信するこういった重要なメッセージを受け取
***ビデオ上映***
り、保管できる立場にもあるわけです。これらの
データが失われず、後世に残されることは大切な
意味を持つでしょう。
これは 8 歳の女の子が竜巻で被災した後の経験
を語ったものです。自分の家が完全に壊れてしま
いました。当時、家族はお店にいましたが、その
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
57
お店は最も死傷者が多かったところで、長い間、
されることがあるということです。このビデオに
家族がどうなったのか分からなかったのです。幸
よって、家族同士が話し合う機会を得ることがで
運にも、家族は無事だということが後で分かりま
き、回復のどのフェーズにいるのかということに
した。その次の日はシェルターに行きましたが、
ついて、お互いに理解を深めることができるわけ
また竜巻の警報が出てしまい、汚水が流れている
です。
ようなシェルターに 12 時間もいなければなりま
せんでした。その後はアパートに移り、12 人と
次にサンディフック小学校の話をしたいと思い
犬 2 匹の生活が始まります。その後 2 年間にわ
ます。ご存じない方もいるかもしれないので、少
たって、何度も引っ越しをしなければなりません
し背景を説明します。2012 年 12 月 14 日、アメ
でした。ただ、このビデオの中で、彼女は新しい
リカですら想像を絶することが起こりました。20
家と新しい部屋ができたのだと話しています。
「今
歳の男性が小学校に侵入し、二つの 1 年生のクラ
はいとこの隣に住んでいて、いつも遊んでいるよ」
スで、4 分間に 20 人の子どもたちと 6 人の先生
と言っています。
を殺害し、犯人は自殺したという事件がありまし
また、竜巻の影響を受けた子どもたちがサービ
た。さらに、学校に向かう前に彼は自分の母親も
スを受けることができる兵庫県こころのケアセン
殺してしまっていたのです。私はコネチカットで
ターのような場所やセラピストの話もしていまし
生まれ育ちました。コネチカットのニュータウン
た。また竜巻が来るのではないかととても心配に
は、人口が 2 万 6000 人の小さな町です。こんな
なっていたけれども、その心配をどのように対処
ことは絶対に起こらないと、みんなが思っていた
すればいいのかが分かるようになったと言ってい
ような地域でした。しかし、残念ながら 2 年前に、
ました。そして、他の子どもたちともこういった
来週で 2 周年となりますが、こういった事件が起
話をしているそうです。今も怖いときがあるけれ
こってしまいました。
ども、その怖さを克服するために、家族と一緒に
この事件に関する回復プログラムをつくった
いたといいます。それから、自分の人生で新しい
際に考えていたのは、小規模にするのか、大規模
家と新しい学校を楽しむようにしたということ、
にするのかということです。まず、影響を受けた
セラピストに教えてもらったこころのケアを学ん
コミュニティについて考えました。結果、単に銃
で対処したということを話していました。もちろ
乱射事件が起こったサンディフック小学校だけ
ん子どもたちは怖い思いをしているわけですが、
ではなくて、7つの全学区を対象にすることとし
それだけではなく、それにどう対応すればいいの
ました。
かということ、例えば家族と一緒に過ごしたり、
また、学校ベースのメンタルヘルスプログラム
セラピストから学んだことを活用したりするとい
を提供することにしました。そうすることによっ
うことを分かっていただいたと思います。
て被害を被った小学校のみならず地域全ての生徒
これは週末に作っています。金曜日から作り
と教師にサポートを提供することができると考え
はじめて、日曜日に作り終わりました。そして、
たのです。非常に小さなコミュニティなので、こ
作ったビデオは、友達あるいは家族と共有してい
ういった事件が起こった際の影響や悲嘆は非常に
ます。このプロジェクトから学んだことがありま
広範囲だろうと考えました。当時、何人の犯人が
す。家族は子どもたちのことを分かっていると
校内にいるか分からず、校舎から多くの関係者が
思っているのです。しかし、このビデオを見ても
飛び出したのです。誰もが次に何が起こるのか分
らうと、子どもたちのことを誤解していたことに
からず心底おびえる経験をしたのです。こういっ
気付きます。自分が思っていたこととは違うこと
た背景も考慮に入れ、プログラムを開始しました。
を子どもは考えていたということに、親が気付か
58
Ⅲ 参 考
この回復プログラムですが、先ほども申し上げ
ションがあります。第 1 層は全員を対象にしてい
たとおり、学校自体が持っている強み、学校のス
ます。学校もそうですし、コミュニティ全員を対
クールシステムについて目を向けました。そこで、
象にしているものです。例えば心理教育やサイコ
スクールナースやソーシャルワーカー、学校心理
ロジカル・ファーストエイド(PFA)がここでは
士などを追加配置しました。そうすることによっ
使用されます。WHO 版もありますが、米国トラ
て、長期的な回復プロセスを手助けしようとした
ウマティックセンター・PTSD ネットワーク版の
のです。また、安全性を確保することができなけ
サイコロジカル・ファーストエイドの原則を用い
れば、生徒も学校や地域へ帰ってくることはない
ています。被災者が元々持っている回復力を前面
と思い、警察官やガードマンを過去 2 年間にわたっ
に引き出し、回復させていくことができるのか、
て配置し、安全性への懸念が払拭できるようにし
それを長期的にどうやって育てていくのかといっ
ています。それから、コミュニティに常駐できる
た、一般人向けの介入です。兵庫県こころのケア
精神保健の専門家も用意しました。効果があるこ
センターでもトレーニングを行っています。
とが分かっているトラウマと悲嘆の治療トレーニ
第 2 層は専門的介入です。これは准専門家によ
ングを受けた専門家です。さらに、学校の専門家
る、トラウマや深い悲しみに焦点を当てたスキル
に対してトレーニングを行っています。
ベースの短期的なものです。そして、解決策を見
メンタルヘルスセンターは徐々に縮小していっ
つけていくのです。これがサイコロジカル・リカ
ています。学校の専門家が対処することができる
バリー・スキル(SPR)です。このプログラムも
ようになってきていると考えているからです。ま
兵庫県こころのケアセンターが日本でのトレーニ
ずは関係者に対するトレーニング。これは兵庫県
ングを行っています。
こころのケアセンターのような立場の組織が行い
第 3 層が地域に根ざした専門的介入です。こ
ます。その後、コンサルテーションを継続的に行
れは精神科医療の専門家やトラウマに特化したト
い、各地元で対処できるようにしています。そう
レーニングを受けた専門家によって行われるもの
することによって、こちらの関与を徐々に縮小し
です。トラウマに焦点を当てた認知行動療法(TF-
ていくのです。
CBT)が多く使われます。この治療法は日本でも使
われています。それ以外には、眼球運動による脱
サンディフック小学校銃乱射事件後に、どのよ
うなサービスを学校関係者、生徒、保護者に対し
感作および再処理法(EMDR)も治療として使っ
ています。
て継続的に提供したのかをご紹介したいと思い
ます。
サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)と
は、具体的には何でしょうか。PFA というのは、
世界中の子どもたちや人々から、事件が起こっ
エビデンスに基づいて、災害やテロの直後に、子
た学校に手紙が寄せられました。共感を表したく
ども、思春期の人、大人、家族を支援する際に使
て、手紙をくださったわけです。箱がすぐに一杯
用できる効果が既に知られている方法です。必要
になるくらい、どんどんお手紙を受け取りました。
な部分だけを取り出して使えるように構成したも
1 ヶ月で 4 キロの手紙が届きました。コミュニティ
のです。
が国内にも世界にも影響を与えて、悲しみにくれ
例えば列車事故や SARS などの、とにかく緊急
ている人たちに、どうにかして共感を伝えたかっ
の事態が起こったときに、すぐに使える、直後の
たということがお分かりいただけると思います。
対応になります。例えば災害直後、発生して 2 ~
3 時間から 2 ~ 3 日後まで使えるものです。コミュ
私たちのサービスには、三つの多層介入のオプ
ニティが分断されてしまって、心理状態が非常に
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
59
悪くなった場合は、数ヶ月の単位で使われること
もしれません。そうすると、ニーズが変わるかも
もあります。
しれません。ですから、対処に役立つ情報を引き
続き提供していかなくてはいけません。状況が変
PFA の提供者は、災害救援者、精神保健専門家、
わっていくからです。そのときに、例えば、被災
学校・宗教関係者、災害ボランティア、保健関係
した家を片付けている間、子どもの面倒を見てく
の専門家です。
れる人が必要になることもあれば、職を失ってし
どこでも、どのような状況でも提供可能です。
まい新たな職を見つける必要があるかもしれませ
病院やトリアージの現場でも、家族支援施設でも
ん。つまり、サイコロジカル・ファーストエイド
提供することができます。避難所や学校でももち
とは、単発の働きかけではなく、相手の状況を踏
ろん提供できますし、ホットライン(電話相談)
まえた上で、回復の場としての生活が安定するた
という形で提供することも可能です。
めに何が必要なのかを考えながら行うことをいう
のです。
サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)に
は 8 つの要素があります。まずは活動を始めま
実際にトレーニングを受けることが難しい方の
す。災害の影響を受けている人たちとどう出会う
ために、オンラインのコースもあります。利用者
のか。被災者の多くに、自分に助けが必要だとい
は 3 万 5000 人で、ここで具体的かつ基本から
う自覚があるとは限りません。ですから、自ら助
なことを学ぶことができます。サイコロジカル・
けを求めることはありません。よって、アウトリー
ファーストエイドとは何なのかということを学ぶ
チが必須です。例えばメディアやホームページな
ことができます。
どを使って、こういう助けがあるということを伝
えていかなくてはいけません。
そして、現在の安全を考えます。家族への心配、
会場の中に、スマホを持っていらっしゃる方は
いらっしゃいますか。PFA には iPhone や Android
生活の安全を脅かすもの、自身の安全を脅かすも
用のアプリがあります。日本語版も入手できます。
のを取り除いていくことが必要です。
PFA Mobile では、例えば子どもの親であるとか、
次は安定化です。機能に支障がある場合、安定
思春期の子どもを持つ親であるといった状況に応
させるためには、落ち着かせて、安定化をさせる
じて、被災者のニーズにそった情報を提供するの
ためには何ができるのかということを考えます。
に役立つこともあります。
その次は、さまざまな基本情報が必要になりま
す。ここで必要とする情報とは、PTSD、うつなど
サイコロジカル・リカバリースキルは、災害か
の調査研究のためではありません。現在のニーズ
ら数ヶ月、数年後の復興期に利用できるものとし
は何なのかという、基本的なことです。例えば、
て開発しました。日本語版もあります。
洋服、食料、シェルター、避難所。自分の電話が
使えなくなってしまい、家族と連絡を取るための
サイコロジカル・リカバリースキルは、スキル
手段が必要になるケースもあるでしょう。そう
に基づいた介入ということになります。もちろん
いった実際的なことに対応します。
専門家のスーパーバイザーがいるに越したこと
そして、現実的な問題を解決していきます。そ
はありませんが、精神保健の訓練を受けたことが
れから、周囲の人々との関わりを促進していきま
ない方でも使用できるように開発しました。兵庫
す。家族や同僚など、周りの人との関わりを深め
県こころのケアセンターではコンサルテーショ
る助けをしています。
ンを行っています。このサイコロジカル・リカバ
ある災害が起こった後に、別の災害が起こるか
60
リースキルは六つに分かれています。このプログ
Ⅲ 参 考
ラムは教育プログラムなので、各スキルを習得
要かもしれません。思い起こすものを引き金と呼
し、自分のものにするために、練習しなければな
んでいますが、こうした引き金に対処していくと
りません。
いうことです。ですので、心身の反応に対処する、
最初に行うのは、目の前の被災者がどのような
というスキルでは、このような引き金があること
状況にいるのかの情報を集めて、支援の優先順位
を伝えます。そして、残念ながらこの引き金を取
を決めることです。精神科的介入が必要なのか、
り去ることはできないけれど、それに対処する術
入院が必要なのか、を見極めます。次いで、その
を習得することは可能だ、と伝えます。引き金が
問題を解決するために、どのスキルが必要なのか
引かれ動揺した場合、どうやって自分の気持ちを
ということを考えていくわけです。「問題解決の
なだめたり、落ち着かせたりするのかを学ぶので
スキルを高める」ことが必要なのか。未解決のま
す。その方法はさまざまで、書くことで達成でき
ま放置されている問題を解決する方略を学ぶ。
「ポ
ることもあれば、呼吸法が役に立つこともありま
ジティブな活動をする」ことが一番重要なのか。
す。どのような方法であれば、引き金とうまく付
ここでいうポジティブな活動とは、生活の中で幸
き合えるようになるかを学ぶのです。
福感を抱ける瞬間を作り出すことです。
次のスキルは、「役に立つ考え方をする」です。
災害の後、あるいは大切な人を失った後という
私たちの考え方が、自分が望むことの妨げになる
のは、自分自身のケアを怠りがちです。ですから、
ことがあります。もちろん、そのような考え方が
自分自身から意味を見つけ出していく必要があり
間違っている、あるいは正確ではない、と言いた
ます。食生活や睡眠なども含めて、ポジティブな
いわけではありません。なぜなら、正確な場合も
活動を実践することが重要になってきます。コ
あるからです。しかし、そのような考え方は私た
ミュニティによっては、多くの人が苦しんでいる
ちの回復にとって、大きな妨げとなることがあり
のに、セルフケアをするなんてありえない、と考
ます。例えば、行政が何もしてくれなかったとい
えることもあります。あるいは、自分はセルフケ
うことを、怒りとしてずっと持ち続けることがあ
アをするだけの価値がない、と考える被災者もい
ります。しかし、その怒りは前進する力の妨げに
ます。しかし、それほど大変で辛い状況だからこ
なることもあります。ですから、考え方が私たち
そ、ポジティブな活動をすることが必要になって
の感情にどういう影響を与えるのかということを
いくと思います。
理解して、それが回復の妨げになっていないかを
それから、
「心身の反応に対処する」ことも重要
考えていかなくてはいけません。
です。例えば、ある引き金がきっかけで自分の大
健全な「周囲の人と良い関係を作る」というこ
切な人が 20 年もいないことに気づかされることが
とが回復を考える際に非常に重要な鍵となりま
あるでしょう。また、気候が引き金となることも
す。自分が抱えるネットワークを見つめ、それを
あります。アメリカの 9.11 は、秋の天気の良い日
利用しているのか、あるいは孤立しているのかど
に起こりました。ですから、
秋の天気が良い日には、
うかを考えるのです。同時に、社会的な活動を促
9.11 のテロがあったことを思い出したりします。
すこともあります。誰かに何かをしてあげるとい
こういう思い出させる要素というものをどのよう
うのは、実はサポートを受けるのと同じぐらいの
に扱っていくのかということを考えなくてはいけ
効果をもたらすからです。
ません。例えば家の色を変えたり、住んでいると
ころを変えたり、ちょっとした変化によって状況
次のビデオを見てください。ハリケーン・カト
が変わるかもしれません。何かを見たり触れたり
リーナの被害を受けた子どもの体験談です。この
することによって、何か反応が起こってしまうと
地域は、石油流出の被害を受けました。漁村だっ
いうことであれば、それを変えてあげることが必
たので、石油流出の被害は非常に大きかったわけ
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
61
です。結果、大きな経済的損失を被りました。こ
どありません。ただ、このような形で、彼女は自
のビデオは数ヶ月前に作成されました。ここは貧
分の新しい家族を見つけることができました。結
しい地域で、この地域の子どもたちはこれまで自
果、彼女の成績も上がりましたが、それ以上に、
分の災害体験を話していないことが分かりまし
健全な人間関係の中に身をおくことで、セルフケ
た。また、被災体験のみならず、虐待や大切な人
アの術を学ぶに至ったのです。また、今では、彼
を失ったという体験があるということが分かった
女は小学生の子どもたちの面倒を見るまでになり
のです。
ました。これは健全な関係性が、健全な変化を引
ある女の子の例を見てみましょう。彼女は SPR
き起こした例だと思います。
を受けた女の子です。彼女が通っている学校の生
徒は全員が受けました。問題解決のスキルを高め、
子どもやその家族がトラウマに苦しむとき、情
ポジティブな活動を行い、身体的な反応へ対処し、
報源になるようなさまざまな資料があります。
役に立つ考え方をし、周囲の人とのよい関係作り
ネットで検索できます。
をしました。ただ、この女の子が周囲の人々のと
のよい関係作りを始めた時、「健全な関係」とい
もちろん、医療従事者、災害救援者やこころの
う部分で、彼女は行き詰まってしまいました。自
ケアの専門家に対しても、さまざまな情報源があ
分のネットワークを眺めた際に、自分が抱える人
ります。PFA モバイルもすでにご紹介したように
間関係の多くは健全でない、と気づいたのです。
日本語のアプリが無料で入手できます。
そして、その関係から彼女が学んでいたのは、否
定的な対処方法だったのです。そこで、彼女は、
最後になりますが、サンディフックでの悲劇の
自分の人生に変化をもたらすために、新しい社会
後に、こういうことが生まれました。痛みを経験
的なつながり、周囲の人とのつながりを自分でつ
すると、最終的に怒りや傷つきにつながって、コ
くっていこうと、決断したのです。では、彼女の
ミュニティが分断されることがあります。ただ、
作品を見ていただきましょう。
怒りや苦痛を優しい心で迎えることができたらど
うでしょうか。怒りではなく、反対の感情である
***ビデオ上映***
思いやりと優しさとで包むことができたらという
ことです。最後に、私が神戸の同僚から受けたさ
この女の子のお父さんは亡くなりました。そし
まざまなやさしさに対してお礼を申し上げて終わ
て、彼女のお兄さんが父親の役割を果たすことに
りの言葉としたいと思います。兵庫県こころのケ
なったのですが、そのようなストレス下において
アセンターの同僚が、神戸、日本、海外で行って
お兄さんがとった対処方法は、お母さんと彼女自
きたことは重要なことで、それに対して感謝を申
身を虐待する、というものでした。また、お兄さ
し上げます。この場に来ることが出来なかった
んは薬物にも手を染めており、彼女はそんな不健
私の上司であるパイヌス先生から加藤先生にメッ
全な対処方法を学んでいたのです。結果、彼女自
セージがあります。「私たちのセンターにとって
身も学校でさまざまな問題を起こしていました。
も、20 年に亘り作り上げてきた私たちのパート
そんな中、彼女はボーイフレンドを作ります。最
ナーシップ関係は非常に有意義だったと思いま
終的にはこのボーイフレンドとは別れてしまうの
す。今後もお互いから学び、お互いに貢献し合う
ですが、このボーイフレンドの両親が、彼女を引
ことを続けていけると思います。兵庫県こころの
き取ることを決めました。そして、これまでとは
ケアセンターのこれまでの活動と活躍に対して大
異なるお手本や対処方法を学ぶのです。16 歳を
きな賞賛をささげます。私たちはさまざまな違い
養子に迎えるということは、アメリカでもほとん
のあるシステムの中で活動していますが、お互い
62
Ⅲ 参 考
を刺激し合ってきたと思います。また、日本で災
存在していることを伝えていただきたいと思いま
害後のトラウマへのケアに対する公衆衛生的なモ
す。そして、自分自身に対しても優しくあってく
デルを築き、活動し続けたことは簡単なことでは
ださい。好きな 物を食べてもいいですし、ちょっ
ないと思います。」また、大澤先生は、災害救援
と運動してもいいですし、自分自身に対する優し
者である警察官や消防職員、看護職員、そして保
さ、思いやりも持っていただけたらいいと思いま
健師らを対象に多くの研修や調査研究を行ってき
す。ありがとうございました。
ました。災害関係の仕事をしていると、二次受傷
の影響は看過できません。そういった意味でも、
大澤
今後も協力体制、協働できることを楽しみにして
ブライマー先生、どうもありがとうございまし
います。お互いに思いやりを持つ心をコミュニ
た。皆さん、いかがでしたでしょうか。国や災害
ティにおいても持って欲しいと思います。
の内容を問わず、人間が心身ともに健康で幸福感
皆さんも、コミュニティのことを考えてみてく
を抱いて生活するために必要なことばかりだった
ださい。もし周りに辛い思いをしている人がいた
のではないかと思います。最後に限っては、この
ら、物事がうまくいくことを祈ってあげてくださ
ような公の場で褒められるのは気恥ずかしい感じ
い。次に、家族のこと考えてみてください。しば
もしなくはなかったのですが、大変ありがたかっ
らく連絡していない家族がいるならば、あるいは、
たと思います。
今、まさに辛い経験をしている家族がいるなら
それでは、もう一度、ブライマー先生に大きな
ば、職場で問題を抱えていたり、人間関係で苦し
拍手をもって感謝の意を伝えたいと思います。あ
んでいたりするならば、電話あるいはメールを送
りがとうございました。
り、ぜひその人に、あなたがその人たちのために
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
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2 研究員の活動実績
(1)刊行物
【公表論文】 ・ 亀岡智美.子どもの食事に関する問題.教育と医学 62(4)68-74.2014
・ 亀岡智美.トラウマフォーカスト認知行動療法.育ちの科学 22;10-14.2014
・ 亀岡智美.思春期を取り巻く諸問題の精神医学.思春期学 32(1)80-82.2014
・ 亀岡智美.被災後の子どもへのトラウマ焦点化認知行動療法の日本での標準化に関する研究.厚生労働科学研究
費補助金地域医療基盤開発推進研究事業「被災後の子どものこころの支援に関する研究」(研究代表者:五十嵐隆)
平成 25 年度総括・分担研究報告書.109-119.2014
・ 亀岡智美.トラウマを抱えた子どもの回復に向けて―トラウマフォーカスト認知行動療法―.保健の科学 56(10)
662-665.2014
・ 亀岡智美.虐待を受けた子どものトラウマケア.日社精医誌 24;87-92.2015
・ 齋藤梓,新井陽子,鶴田信子,亀岡智美,飛鳥井望.被害者支援都民センターにおける子どものトラウマケア.
日社精医誌 24;80-86.2015
・ 田中英三郎、亀岡智美.阪神淡路大震災とこころのケア.精神科 26(2); 109-113. 2015
・ 赤澤正人,松本俊彦,勝又陽太郎,小高真美,川上憲人,江口のぞみ,白川教人,立森久照,竹島正,過去に自
殺企図歴のない成人男性における自殺リスク要因の検討.精神科治療学 29(4)p519-526. 2014
・ Manami Kodakae, Toshihiko Matsumoto, Yotaro Katsumata, Masato Akazawa, Hisateru Tachimori, Norito
Kawakami, Nozomi Eguchi, Norihito Shirakawa, Tadashi Takesima: Suicide risk among individuals with sleep
disturbances in Japan: A case-control psychological autopsy study. Sleep Medicine 15, 430–435. 2014
【著書・翻訳】
・ 加藤寛,新野幸次郎 , 井戸敏三 , 貝原俊民 , 五百旗頭真他 . 飛べフェニックスⅡ .363-388.(公財)ひょうご震災記
念 21 世紀研究機構
・ 亀岡智美.PTSD 評価尺度.子どもの心の処方箋ガイド.齊藤万比古総編集.24-25.中山書店.2014
・ 亀岡智美.急性ストレス障害.子どもの心の処方箋ガイド.齊藤万比古総編集.309-314.中山書店.2014
・ 亀岡智美.PTSD 関連障害.臨床医のための小児精神医療入門.日本精神神経学会小児精神医療委員会監修.8487.医学書院.2014
・ 亀岡智美.家族・身近な人の死による子どものトラウマ.子どもの PTSD- 診断と治療-.友田明美、杉山登志郎、
谷池雅子編.77-83.診断と治療社.2014
・ 亀岡智美.子どものトラウマフォーカスト認知行動療法.子どもの PTSD- 診断と治療-.友田明美、杉山登志郎、
谷池雅子編.262-268.診断と治療社.2014
・ 亀岡智美.第 3 章神経発達障害 : 概念上の問題.第 6 章サービス立案のための疫学利用:概念上のアプローチ.
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Ⅲ 参 考
43-55.93-104.新版児童青年精神医学.マイケル・ラターら編.長尾圭造ら監訳.明石書店.2015.Rutter's
Child and Adolescent Psychiatry FIFTH EDITION. Blackwell Publishers Limited.2008
・ 赤澤正人,松本俊彦. テキスト臨床死生学 日常生活における「生と死」の向き合い方.第 7 章 自傷と自殺
行為 勁草書房.p85-95. 2014
・ 赤澤正人,河野稔明,長沼洋一. 精神保健福祉白書編集委員会(編)、精神保健福祉白書 2015 年版 . 第 9 章 資料 中央法規出版.p187-237. 2014
【その他刊行物】 ・ 亀岡智美.不登校/ひきこもり予防の実践~不登校・ひきこもりの多角的理解~.平成 25 年度清水が丘学園児
童心理臨床セミナー [ 公開講座」シンポジウム記録.2-8.2014
・ 亀岡智美.家族を亡くした子どもの心のケアについて.平成 25 年度交通事故被害者サポート事業報告書.138145.2014
・ 亀岡智美.精神科医療に関すること.平成 25 年度学齢期からの引きこもり予防モデル事業報告書.23-26.
2014
・ 亀岡智美.第 13 回日本トラウマティック ・ ストレス学会印象記.精神療法,40(6)152.2014
・ 亀岡智美.「子どもと家族の認知行動療法」書評.児童青年精神医学とその近接領域,55(4)506-507.2014
(2)学会・研究会における発表 【特別講演、教育講演、パネルディスカッション、シンポジウム、一般演題、ワークショップ等】
・ 亀岡智美、藤森紗英子、山本沙弥香.子どものトラウマへの治療~ TF-CBT 概論~.第 13 回日本トラウマティッ
ク・ストレス学会プレコングレス.2014/5/16. 福島
・ 亀 岡 智 美. 精 神 科 医 か ら 見 た 小 児 ~ 思 春 期 の 発 達 障 が い. 第 32 回 日 本 小 児 心 身 医 学 会 シ ン ポ ジ ウ ム.
2014/9/13.大阪
・ Satomi kameoka, Saeko Fujimori, Sayaka Yamamoto, Sachiko Nosaka, Monica Fitzgerald, et al.TF-CBTResearch
and Dissemination in Japan-A Pilot Study on the Implementation of TF-CBT for Abused Children in Japan-.12th
International Congress on Child Abuse and Neglect.2014/9/14.Nagoya
・ 亀岡智美.国際的な治療法を学ぶ -TF-CBT-. エビデンスのある心のケアを学ぶシンポジウム&ワークショップ.
26 年度厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業).2014/12/19. 東京
・ 亀岡智美.児童福祉領域における Trauma informed care と TF-CBT.第 4 回学校危機メンタルサポートセンター
・ シンポジウム.大阪教育大学.2015/3/8.池田 ・ 高橋葉子、大澤智子、上田一気、加藤寛、松本和紀.災害復興期の心理支援方である Skills for Psychological
Recovery(SPR)の普及を通した支援者支援.第 13 回日本トラウマティックストレス学会.2014/05/18.福島
・ 田中英三郎.国際精神保健の取り組み-四川 JICA プロジェクトの経験より.第 4 回海外邦人メンタルヘルス連絡
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
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協議会.2014/8/3.東京
・ 田中英三郎.四川大地震から学ぶこころのケア.日本国際保健医療学会西日本地方会ユースフォーラム.
2015/2/28.鹿児島
・ 田 中 英 三 郎.The application of Disaster Mental Health could also be expanded to incorporate and benefit the
mental health of all people. アジア精神医学会(シンポジウム)2015/3/5. 福岡
・ Masato Akazawa, Manami Kodakae, Toshihiko Matsumoto, Yotaro Katsumata, Hisateru Tachimori, Norito
Kawakami, Nozomi Eguchi, Norihito Shirakawa, Tadashi Takesima. Suicide risk among individuals with sleep
disturbances: A case-control psychological autopsy study in Japan. WPA Section on Epidemiology and Public
Health. 2014/10/17 Nara
・ 牧田潔,山本沙弥香,小田美代子.看護職員間のパワーハラスメント(職場のいじめ)とその被害者の精神的健
康について.第 13 回日本トラウマティック・ストレス学会 2014/5/17.福島
・ 山本沙弥香.兵庫県におけるストレスチェックを活用した中小事業所のメンタルヘルス対策支援の取組 第 21
回日本産業精神保健学会 2014/7/11. 福岡
・ 藤森紗英子,亀岡智美,加藤 寛,藤井千太,明石加代,浅野恭子,三宅和佳子,岩切昌弘,飛鳥井 望.UPID 児
童版の信頼性に関する研究.2014/5/17.福島
・ Saeko Fujimori, Sayaka Yamamoto, Satomi Kameoka, Hiroshi Kato. Reliability of Japanese version of UCLA PTSD
Index for DSM- Ⅳ(UPID). 9th International Conference on Child and Adolescent Psychopathology. 2014/7/15.
London"
(3)講演
・ 加藤寛.第 31 回東北六県神社庁関係者連絡協議会基調講演.秋田県神社庁.2014/6/25.秋田
・ 加藤寛.災害時における支援者のためのメンタルヘルス研修会.沖縄県立精神保健福祉センター.2014/8/6.沖
縄
・ 加藤寛.精神保健関係職員現任研修.災害時のこころのケア.大阪市こころの健康センター.2014/9/24.大阪
・ 加藤寛.名古屋医療マネジメント研究会.名古屋医療マネジメント研究会.2014/10/4.名古屋
・ 加藤寛.平成 26 年度気仙地域災害看護研修会.看護職として被災者と自分を守るためのメンタルヘルス.
2014/10/22.岩手
・ 加藤寛.復興期におけるこころのケア研修 .2014/11/20. 気仙沼保健所
・ 加藤寛 . 災害時のこころのケア .2014/11/13. 丹波健康福祉事務所
・ 加藤寛.精神保健福祉研修(専門研修).災害・事故・事件におけるこころのケア体制.2015/2/25.京都
・ 加藤寛 , 大澤智子.リスニング・カウンセリングの基礎.消防職員の惨事ストレス研修会.新潟県精神保健福祉協会.
2014/9/11.十日町
・ 加藤寛 , 大澤智子.リスニング・カウンセリングの基礎.消防職員の惨事ストレス研修会.新潟県精神保健福祉協会.
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Ⅲ 参 考
2014/9/17.魚沼・亀岡智美.性虐待が与える心身への影響とその回復~子どもたちの SOS を受けとめるために
~.公開講座.性暴力被害者支援センター・ひょうご.2014/5/25.尼崎
・ 亀岡智美.特別支援教育におけるこどもの心のケアの必要性について.平成 26 年度第 1 回総会.兵庫県特別支
援学校知的障害教育研究協議会.2014/5/30.出石
・ 亀岡智美.被害を受けた子どものこころのケアについて~ TF-CBT を中心に~.平成 26 年度一泊臨床研修会.佐
賀県臨床心理士会.2014/6/7-8.佐賀
・ 亀岡智美.児童養護施設で暮らす子ども達へのトラウマケア.第 46 回近畿児童養護施設研究協議会大阪大会.
近畿児童養護施設協議会.2014/6/11.大阪
・ 亀岡智美.子どものトラウマの理解とそれを支える職員のセルフケアについて.第 1 回職員研修会.河内会.
2014/6/20.寝屋川
・ 亀岡智美.精神疾患を持つ母親へのかかわりについて.まつばら子育てサポーター養成講座.児童虐待防止協会.
2014/6/24.松原
・ 亀岡智美.虐待をする養育者の理解と支援のあり方.平成 26 年度子育て支援総合コーディネート研修会.松山
市要保護児童対策地域協議会.2014/7/11.松山
・ 亀岡智美.こころにトラウマを抱える人への支援を考える~トラウマ理解を通して~.平成 26 年度大阪府自殺
対策研修.大阪府こころの健康総合センター.2014/7/22.大阪
・ 亀岡智美.こころにトラウマを抱えた人への支援について~生きづらさの背景にあるもの~.平成 26 年度守口
保健所管内関係機関職員研修会.大阪府守口保健所.2014/7/25.守口
・ 亀岡智美.困難な事例の特徴と関わりの基本 - 精神科いの視点から.平成 26 年度児童虐待防止協会オープン講座.
児童虐待防止協会.2014/8/8.大阪
・ 亀岡智美.精神疾患を抱えた親の理解と支援.平成 26 年度児童虐待対応保健職員指導者研修.子どもの虹情報
研修センター.2014/8.27.横浜
・ 亀岡智美.虐待・性暴力・DV が与える心身への影響とその回復.DV 等女性への暴力防止セミナー.伊丹市立女性・
児童センター.2014/9/19.伊丹
・ 亀岡智美.TF-CBT の 臨床実践.Trauma-Focused Cognitive Behavioral Therapy ワークショップ.IFCA.
2014/9/23.東京
・ 亀岡智美.発達障害とトラウマをめぐる諸問題.平成 26 年度第 3 回自閉症診療セミナー.大阪自閉症研究会.
2014/9/25.大阪
・ 亀岡智美.施設におけるトラウマアセスメント.平成 26 年度こころケア研修.大阪府子ども家庭センター.
2014/9/26.大阪
・ 亀岡智美.二次的トラウマの理解を支援へ.子ども虐待への心理的援助を考える会研修会.子ども虐待への心理
的援助を考える会.2014/9.27.大阪
・ 亀岡智美.トラウマ・虐待と自殺未遂について - 生きづらさを抱える人に私たちができること -.自殺未遂者相談
支援事業事例検討会.大阪府岸和田保健所.2014/10/7.岸和田
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
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・ 亀岡智美.子どものトラウマの理解とアセスメント.平成 26 年度中堅心理司研修(前期).京都府家庭支援総合
センター.2014/10/24.京都
・ 亀岡智美.学校における子どもの心のケアのとらえ方とその対応.子どものこころのケア対策研修会.宮城県教
育委員会,文部科学省.2014/10/30.仙台
・ 亀岡智美.こどものトラウマケアから見た児童虐待.平成 26 年度こども家庭センター児童心理司等職員研修.
兵庫県中央こども家庭センター.2014/11/4.明石
・ 亀岡智美.TF-CBT 概論.平成 26 年度中堅心理司研修(前期).京都府家庭支援総合センター.2014/11/11.京
都
・ 亀岡智美.DV 被害と PTSD.DV 被害者支援者養成講座.NPO 法人女性と子どもの支援センターウィメンズネット・
こうべ.2014/11/23.神戸
・ 亀岡智美.トラウマとトラウマ治療について学ぶ.平成 26 年度第 2 回北摂合同研修会.北摂児童施設連盟.
2014/12/2.吹田
・ 亀岡智美.子どもの発達と被虐待の影響について~その理解と対応~.平成 26 年度処遇困難事例検討会議.大
阪府立修徳学院.2014/12/16.柏原
・ 亀岡智美.PTSD 関連障害.厚生労働省こころの健康づくり対策事業思春期精神保健対策医療従事者専門研修.国
立国際医療研究センター.2014/12/19.市川
・ 亀岡智美.発達障害の人達の傷つき体験を理解するために.平成 26 年度発達障がい講演会.徳島県発達障がい
者総合支援センター.2015/1/10.徳島
・ 亀岡智美.発達障害とトラウマをめぐる諸問題.平成 26 年度発達障がい講演会.徳島県発達障がい者総合支援
センター.2015/1/10.徳島
・ 亀岡智美.精神疾患を抱える妊産婦の支援について.児童虐待対応における医療機関との連携のあり方研究会.
京都市保健福祉局.2015/1/13.京都
・ 亀岡智美.発達障害とトラウマ.児童虐待防止プロジェクト講演会.大阪精神科診療所協会.2015/1/15.大阪
・ 亀岡智美.児童思春期のトラウマの理解とケア.平成 26 年度思春期関連問題支援者向け研修.大阪市こころの
健康センター.2015/1/20.大阪
・ 亀岡智美.災害や事件 ・ 事故発生などに伴う児童 ・ 生徒の心のケア.子供の心のケア対策研修会.三重県教育委員会.
文部科学省.2015/1/23.津
・ 亀岡智美.メンタルヘルス.教育訓練.神戸市消防学校.2015/1/30.神戸
・ 亀岡智美. 子 ど も 虐 待 へ の 臨 床. 第 8 回 子 ど も の 心 の 診 療 医 専 門 研 修 会. 国 立 成 育 医 療 研 究 セ ン タ ー.
2015/1/31.東京
・ 亀岡智美.精神疾患をもつ保護者への理解.平成 26 年度児童虐待発生予防対策事業.大阪府岸和田保健所.
2015/2/2.岸和田
・ 亀岡智美.精神疾患を抱えた親の理解と支援.平成 26 年度葛城保健所管内全体研修会.葛城保健所管内保健師
部会.2015/2/13.大和高田
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Ⅲ 参 考
・ 亀岡智美.虐待に見るこどものこころの問題.厚生労働省思春期精神保健研修事業コメディカル専門研修.国立
国際医療研究センター.2015/2/23.市川
・ 亀岡智美.子どものトラウマについての理解とケア~アタッチメントと発達障害~.平成 26 年度処遇困難事例
検討会議.東大阪子ども家庭センター.2015/2/27.東大阪
・ 亀岡智美.子どものトラウマ.厚生労働省「こころの健康づくり対策事業」PTSD 対策専門研修.国立精神 ・ 神経
医療研究センター.2015/3/3.大阪
・ 亀岡智美.精神科領域からの養育者の支援.大阪府内保健師児童虐待予防研修事業.児童虐待防止協会.
2015/3/13.大阪
・ 亀岡智美.子どものトラウマへの根拠に基づく治療~ TF-CBT 概論~.職員専門研修会.福岡市こども総合相談
センター.2015/3/17.福岡
・ 亀岡智美.子どもと女性のトラウマの理解とケア.福岡県精神科病院協会・SOS 子どもの村 JAPAN 共催学術講演
会.特定非営利活動法人 SOS 子どもの村 JAPAN.2015/3/17.福岡
・ 大澤智子.裁判員の精神的負担の軽減について.刑事法研究会.最高裁判所.2014/4/17.名古屋
・ 大澤智子.傾聴と相談の基礎.受け入れ担当者研修会.自治体国際化協会.2014/4/18.唐津
・ 大澤智子.惨事ストレス対策.消防団員災害救援ストレス対策研修.消防団員等公務災 害補償等共済基金.
2014/4/23.舞子
・ 大澤智子.事故・災害後の心身の変化とその対応について.こころの健康に関する相談 担当者研修会.京都府
中丹広域振興局.2014/4/24.福知山
・ 大澤智子.消防職員のための惨事ストレスの理解と予防.健康管理講演会.守口市門真 市消防組合消防本部.
2014/5/20 ~ 5/21.門真
・ 大澤智子.消防職員のためのストレスマネジメント.神戸市消防学校初任科教育.2014/5/23. 神戸
・ 大澤智子.平成 26 年度第 1 回カウンセリング担当者研修会.一般社団法人自治体国際化協会 JET プログラム事
業部研修・カウンセリング課.2014/5/28.東京
・ 大 澤 智 子. 惨 事 ス ト レ ス. 近 畿・ 中 国 自 動 車 道 消 防 協 議 会 定 例 総 会. 近 畿・ 中 国 自 動 車 道 消 防 協 議 会.
2014/6/3.吹田
・ 大澤智子.職場におけるストレスと対処法について.消防士長昇任課程.神戸市消防学校.2014/6/17.神戸
・ 大澤智子.災害復興期の回復を支えるこころのケア サイコロジカル・リカバリースキル(SPR)研修.東北大学
大学院医学系研究科予防精神医学寄附講座.2014/6/18 ~ 6/19.仙台
・ 大澤智子.災害時のこころのケア.平成 26 年度春期災害対策専門研修「マネジメントコース」エキスパート B.
公益財団法人ひょうご震災記念 21 世紀研究機構.2014/6/20.神戸
・ 大澤智子.消防職員のための惨事ストレスの予防と対策.初級幹部科.広島県消防学校.2014/6/24.広島
・ 大澤智子.裁判員の精神的負担の軽減について.刑事法研究会.最高裁判所.2014/6/25.広島
・ 大澤智子.安全管理(メンタルヘルス・惨事ストレス対策).平成 26 年度消防職員初任教育第 31 期.鳥取県消防学校.
2014/7/15.米子
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
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・ 大澤智子.裁判員の精神的負担の軽減について.刑事法研究会.最高裁判所.2014/7/18.高松
・ 大澤智子.メンタルヘルス.平成 26 年度初任教育.兵庫県消防学校.2014/8/5.三木
・ 大澤智子.職場におけるメンタルヘルス対策.職務倫理青年警察官リーダー専科第 15 期.兵庫県警察本部警務
部教養課.2014/8/8.芦屋
・ 大澤智子.学校における事件・事故後のこころのケア~サイコロジカル・ファーストエイドから学ぶ~.平成 26
年度播磨東地区養護教諭研究協議会夏季研修会.播磨東地区用語共有研究協議会.2014/8/19.明石
・ 大澤智子.裁判員の精神的負担の軽減について.刑事法研究会.最高裁判所.2014/9/9.仙台
・ 大澤智子.支援者のメンタルケア.2014 年度被害者支援養成講座.認定 NPO 法人大阪被害者支援アドボカシー
センター.2014/9/26.大阪
・ 大澤智子.SPR フォローアップ研修.災害復興期の回復を支えるこころのケア.東北大学大学院医学系研究科予
防精神医学寄附講座.2014/10/2.仙台
・ 大澤智子.消防職員のための惨事ストレスの予防と理解.職員研修会.大垣消防署.2014/10/7.大垣
・ 大澤智子.裁判員の精神的負担の軽減について.刑事法研究会.最高裁判所.2014/10/8.札幌
・ 大澤智子.災害後のこころのケア.平成 26 年度心身科学研究所講演会.愛知学院大学.2014/10/10.
・ 大澤智子.災害時等のこころのケア~サイコロジカル・ファーストエイドを中心に~.平成 26 年度災害時等こ
ころのケア研修.大分県こころとからだの相談支援センター.2014/10/18.大分
・ 大澤智子.災害救援者と惨事ストレス.平成 26 年度幹部教育上級幹部科.兵庫県消防学校.2014/10/22.三木
・ 大澤智子.災害時のこころのケア.平成 26 年度秋期災害対策専門研修「マネジメントコース」エキスパート B.
公益財団法人ひょうご震災記念 21 世紀研究機構.2014/10/23.神戸
・ 大澤智子.職場のメンタルヘルス.管理職研修会.第 5 管区海上保安本部.2014/10/28.神戸
・ 大澤智子.消防職員のための惨事ストレス研修 ステップアップ.職員研修会.高知消防.2014/10/29.高知
・ 大澤智子.SPR 研修会.ふくしま心のケアセンター.2014/11/6 ~ 11/7.いわき
・ 大澤智子.警察職員の惨事ストレス研修会.職員研修会.千葉県警察本部.2014/11/12.千葉
・ 大澤智子.消防職員のための惨事ストレス研修.消防長研修会.島根江津市消防本部.2014/11/18 ~ 11/19.
江津
・ 大澤智子.消防職員のための惨事ストレス研修.職員研修会.熊本県精神保健福祉センター.2014/11/21.熊
本
・ 大澤智子.職場のメンタルヘルス.担当者研修会.第 5 管区海上保安本部.2014/11/25.神戸
・ 大澤智子.消防職員に係る惨事ストレスについて.平成 26 年度消防職員安全衛生研修会.広島県消防長会.
2014/11/26.広島
・ 大 澤 智 子. 惨 事 ス ト レ ス の 理 解 と 予 防. 平 成 26 年 度 消 防 職 員 幹 部 教 育 中 級 幹 部 科. 滋 賀 県 消 防 学 校.
2014/11/28.
・ 大澤智子.消防職員のための惨事ストレスの理解と予防.職員研修会.伊達消防本部.2014/12/18 ~ 12/19.
伊達
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Ⅲ 参 考
・ 大澤智子.惨事ストレスに対するメンタルヘルス.メンタルヘルス研修.吹田市消防本部.2015/1/13.吹田
・ 大澤智子.惨事ストレスに対汁メンタルヘルス.メンタルヘルス研修.吹田市消防本部.2015/1/20.吹田
・ 大澤智子.裁判員の精神的負担の軽減について.刑事法研究会.最高裁判所.2015/1/30.福岡
・ 大澤智子.児童擁護施設職員のためのセルフケア.職員研修会.風の会.2015/2/13. 西宮
・ 大澤智子.メンタルヘルスケア.平成 26 年度消防司令補昇任課程.神戸市消防学校.2015/2/17.神戸
・ 大澤智子.悲惨な場面に遭遇した人への支援について.平成 26 年度地域精神保健担当者研修.北海道精神保健
福祉センター.2015/2/19.札幌
・ 大澤智子.SPR 研修.支援者研修.NPO 法人みんなの隣組.2015/2/21.南相馬
・ 大澤智子.相談員のセルフケア.第 2 回岐阜県外国人コミュニティ支援人材スキルアップ研修.岐阜県国際交流
センター.2015/2/24.岐阜
・ 大澤智子.心理援助について.こころの健康づくり対策事業.独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター.
2015/3/3.大阪
・ 大澤智子.消防職員のための惨事ストレス研修.メンタルヘルス研修会.摂津市消防本部.2015/3/13.摂津
・ 大澤智子.SPR フォローアップ研修.災害復興期の回復を支えるこころのケア.東北大学大学院医学系研究科予
防精神医学寄附講座.2015/3/17.本吉
・ 大澤智子.消防職員のための惨事ストレス研修.警防専科.京都府消防学校.2015/3/18.京都
・ 大澤智子.消防職員のための惨事ストレス研修.メンタルヘルス研修会.摂津市消防本部.2015/3/20.摂津
・ 大澤智子.支援者のためのセルフケア研修.メンタルヘルス研修会.大橋渡保健所.2015/3/24.気仙
・ 田中英三郎.災害、事件・事故発生後の緊急対応について.兵庫県臨床心理士会被害者専門委員会主催「ひょう
ご HEART」研修会.2014/9/21.神戸
・ 田中英三郎.災害を起点とした精神保健活動の発展-阪神淡路から四川、そして東北へ-.第 5 回災害復興メン
タルヘルス研修.2015 年 1 月 24 日.東京
・ 田中英三郎.災害とこどものこころのケア.香美町立兎塚小学校校内研修.2015 年 2 月 23 日.兵庫
・ 赤澤正人.被災後の心理ケア.徳島県短期防災推進員養成研修.2014/6/28.徳島
・ 赤澤正人.被災後の心理ケア.徳島県新任研修会.2014/8/20.徳島
・ 赤澤正人.大切な人を失っておこる心身の変調と遺族への支援.徳島県保健所「自死遺族に対する相談支援」関
係者等研修会.2014/7/25.徳島
・ 赤澤正人.子どものこころの SOS にどう向き合うか.兵庫県 若者自殺予防対応能力向上研修会.2014/8/5.
兵庫
・ 赤澤正人.ストレスに対するマネージメント.兵庫県消防学校 救急救命士養成課程.2014/10/17.兵庫
・ 赤澤正人.職場のメンタルヘルスについて~気づきと対応、セルフケア~.兵庫県警衛生管理者等セミナー.
2014/10/21.兵庫
・ 赤澤正人.メンタルヘルス・惨事ストレス.兵庫県消防学校中級幹部課・警防科合同講義.2014/11/13.兵庫
・ 赤澤正人.子どものこころを考える~自傷行為の理解と対応~.近畿学校保健・養護教諭担当指導主事研修会.
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
71
2014/12/14.大阪
・ 赤澤正人.職場におけるメンタルヘルス.兵庫県消防学校救急科.2015/2/23.兵庫
・ 赤澤正人.生きるを支える断酒会.市民公開セミナー「お酒の問題と自殺予防」.2015/3/1.香川
・ 山本沙弥香.メンタルヘルス講習会 職員研修.社会福祉法人正和会 2014/4/20.兵庫
・ 山本沙弥香.ストレスとうまく付き合うために-働く人と組織ができること-.健康ひょうご 21 県民運動北播
磨会議 総会・研修会. 2014/7/1.兵庫
・ 山本沙弥香.職場のハラスメントの予防と対応.宝塚市 子ども未来部. 2014/9/10.兵庫
・ 山本沙弥香.メンタルヘルス講習会 職員研修.株式会社カネカフード 2014/8/8.兵庫
・ 山本沙弥香. 職 場 で い き い き と 働 け る 職 場 づ く り の ポ イ ン ト. 健 康 ひ ょ う ご 21 県 民 運 動 但 馬 会 議. 2014/11/26.兵庫
・ 山本沙弥香.メンタルヘルス講習会 職員研修.社会福祉法人愛和会 2015/2/13.兵庫
・ 山本沙弥香.メンタルヘルス講習会 職員研修.株式会社カネカフード 2015/2/20.兵庫
・ 山本沙弥香.メンタルヘルス講習会 職員研修 日本精鉱株式会社. 2015/3/16.兵庫
・ 藤森紗英子,亀岡智美.日本語版 UPID-5 の実施方法について.大阪府中央子ども家庭センター.2014/7/25.
大阪
・ 藤森紗英子,亀岡智美.施設におけるトラウマアセスメント- UPID 標準化調査報告.大阪府中央子ども家庭セ
ンター.2014/9/26.大阪
・ 藤森紗英子.虐待を受けた児童・生徒に対するケアと対応.丹波市教育委員会.2014/12/14.丹波
(4)学会活動
【座長】
・ 亀岡智美.シンポジウム 「 回復への力となる治療を目指して-現在の到達点とさらなる歩み」.第 13 回日本トラ
ウマティック・ストレス学会.2014/5/18.福島
・ 亀岡智美.シンポジウム「児童青年精神医療への認知行動療法の普及」.第 14 回日本認知療法学会.2014/9/12.
大阪
・ 亀岡智美.一般口演「少年事件・司法関連」.第 55 回日本児童青年精神医学会.2014/10/11.浜松
・ 大澤智子、大川貴子.シンポジウム 東日本大震災・福島第一原発事故後の支援者たちの葛藤:回復に向けての
方策を考える.第 13 回日本トラウマティック・ストレス学会.2014/05/18.福島
【学会役員・委員】 ・ 加藤寛.2001 年度~現在 . 日本トラウマティック・ストレス学会理事
72
Ⅲ 参 考
・ 加藤寛.2011 年度~現在 . 日本トラウマティック・ストレス学会 東日本大震災特別 委員会委員長 ・ 亀岡智美.日本トラウマティック・ストレス学会理事
・ 亀岡智美.日本トラウマティック・ストレス学会東日本大震災特別委員会委員
・ 亀岡智美.日本トラウマティック・ストレス学会犯罪被害者支援委員会委員
・ 亀岡智美.日本児童青年精神医学会評議員
・ 亀岡智美.日本児童青年精神医学会福祉に関する委員会委員
・ 亀岡智美.日本児童青年精神医学会認定医審査委員会委員
・ 亀岡智美.兵庫県児童虐待防止委員会委員 ・ 亀岡智美.近畿児童青年精神保健懇話会代表世話人
・ 亀岡智美.児童分析臨床研究会運営委員
・ 亀岡智美.大阪自閉症研究会運営委員
・ 亀岡智美.日本子ども虐待医学研究会評議員
・ 亀岡智美.第 111 回日本精神神経学会学術総会コアプログラム委員会委員
・ 亀岡智美.文部科学省スポーツ・青少年局 学校における子どもの心のケアリーフレット作成委員会委員
・ 亀岡智美.兵庫県中央こども家庭センター家庭復帰等評価委員会委員
・ 大澤智子.1994 年度~現在.自治体国際化協会カウンセリングシステム委員会 委員
・ 大澤智子.2008 年度~現在.日本トラウマティック・ストレス学会理事 ・ 大澤智子.2008 年度~現在.日本トラウマティック・ストレス学会 国際委員会 委員
・ 大澤智子.2010 年度~現在.日本トラウマティック・ストレス学会 副会長
・ 大澤智子.2010 年度~現在.日本トラウマティック・ストレス学会 事務局長
・ 赤澤正人.2014 年 8 月~現在 日本社会精神医学会評議員
(5)地域支援活動
・ 加藤寛 , 赤澤正人.東日本大震災におけるこころのケア活動.2014/5/21 ~ 22,2015/2/18 ~ 19.気仙沼
・ 加藤寛.東日本大震災におけるこころのケア活動.2014/8//27.福島県庁 ・ 加藤寛 , 赤澤正人.東日本大震災におけるこころのケア活動.2014/9/3 ~ 4.気仙沼
・ 加藤寛.東日本大震災におけるこころのケア活動.2014/10/23,2015/3/26.石巻
・ 加藤寛.東日本大震災におけるこころのケア活動.2014/11/26.ふくしま心のケアセンター
・ 加藤寛.東日本大震災におけるこころのケア活動.2015/1/28.みやぎ心のケアセンター他
・ 亀岡智美.いわてこどもケアセンター.症例検討会など.2014/5/27.盛岡
・ 亀岡智美.東日本大震災 宮城県への児童精神・子どものこころの診療活動.2014/7/14 ~ 7/15.東松島
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
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・ 亀岡智美.東日本大震災 宮城県への児童精神・子どものこころの診療活動.2014/11/17 ~ 11/18.東松島
・ 亀岡智美.東日本大震災 宮城県への児童精神・子どものこころの診療活動.2015/1/25 ~ 1/26.東松島
・ 亀岡智美.東日本大震災 宮城県への児童精神・子どものこころの診療活動.2015/2/23 ~ 2/24.東松島
(6) その他
・ 亀岡智美.2013 年~.大阪府子ども家庭センター 「TF-CBT 症例検討ワーキングプロジェクト」講師
・ 大澤智子.2014/4/9 ~ 2015/3/16.国立大学法人兵庫教育大学 非常勤講師
・ 大澤智子.2014/4/1 ~ 2015/3/31.第五管区海上保安本部メンタルヘルス対策アドバイザー
・ 大澤智子.2014/4/1 ~ 2015/3/31.一般財団法人兵庫県警察互助会「生きがい教室開催支援」事業 講師
・ 大澤智子.2004 年度~現在.兵庫県警察本部 犯罪被害相談員
・ 大澤智子.2004 年度~現在.千葉県警察本部 外部スーパーバイザー
・ 大澤智子.2010 年度~現在.総務省消防庁 緊急時メンタルサポートチーム
・ 大澤智子.2013 年度~現在.第五管区海上保安本部 メンタルヘルス対策アドバイザー
・(注)本センターの刊行物掲載分及び主催事業分等は除く。
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Ⅲ 参 考
兵庫県こころのケアセンター・平成26年度事業報告書
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兵庫県こころのケアセンター 平成26年度事業報告書
公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構
兵庫県こころのケアセンター
〒651-0073 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目3番2号
TEL(078)200−3010
FAX(078)200−3017
平 成 年 度 事 業 報 告 書
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兵庫県
こころのケアセンター
平成26年度事業報告書
公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構
兵庫県こころのケアセンター
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