Comments
Description
Transcript
廿日市市立廿日市中学校長 二学期終業式 式辞
平成 28 年度二学期終業式 式辞 今年も今日を入れてあと 10 日 こうして年も迫った終業式で、皆さんの元気な顔を見ることができて幸せです この一年、皆さんは多くの出来事を体験しました。 入学式、命の大切さについて考える日、赤ちゃん先生、体育祭、森源太や古市佳央さんの講演、野外活動、修学 旅行、文化祭、職業人講話、幼児ふれあい体験、廿日市学習、そして地域の行事における多くのボランティア活 動など、挙げればきりがありませんが、共通していることは、こうした出来事であなたが得た体験、そのときの 感情、そのとき出会った方々は、必ず皆さんの今からの人生に良い効果として現れるということです。 ただし、それには条件があります。それは、それぞれの出来事に真剣に取り組み、真剣に聴いて、真剣に受け止 めていたかどうかということです。 来年もまた多くの出来事や人々が、皆さんの前に現れるはずです。 どうか楽しみにしておいてください。楽しいか、そうでないかは、皆さんの意識、心が決めます。 せっかくですから、笑顔で一緒に楽しみましょう。 さて、話は変わりますが、世界にはめちゃくちゃ有名な人が沢山います。 例えば、歌手のジャスティン・ビーバーさん。 ジャスティン・ビーバーさんのツイッターのフォロー数は、世界中で約 9000 万人と言われていますが、このビ ーバーさんが、今年 9 月にツイッターでお気に入りの動画を紹介しました。 PPAP です。そうです。ピコ太郎さんです。 ヒョウ柄の衣装にパンチパーマのピコ太郎さんが、英単語のみの簡単な歌を歌いながら、奇妙に踊るユーチュー ブのたった 1 分間の動画を、お気に入りの動画として紹介したのです。 動画の配信は、エグザイルや三代目 J ソウルブラザーズが所属している、日本のエイベックス・ミュージックか ら世界に向けて行われました。 ジャスティン・ビーバーさんがお気に入りということで、世界中に瞬く間にこの動画が広まりました。今でも拡 大し続けています。 ユーチューブの再生回数はギネス記録となり、いまや、10 億回の再生回数といわれています。 しかも、世界中の有名なアーティストたち、一般の大人も子供も、キャラクターたちも、競ってピコ太郎さんの 真似をし、動画を配信し続けています。 先日読んだある雑誌のインタビュー記事で、エイべックスの松浦社長さんは、これまでも、多くの動画を世界に 配信し続けてきたが、これほど地球規模の反響があったことはなかったと言われていました。 これまで、地球上にどのようなマスメディアがあって、そのようなルートで繋がっているのかさえ、つかむこと ができなかったのに、このピコ太郎さんの動画のお陰で、地球上のあらゆるマスメディアから、ピコ太郎さんの 出演依頼が殺到していて、何もしなくても、今まで知りたかったルートが分かるようになったと、言われていま した。 今まで、どのようにしても分からなかったのに、今では向こうから情報がやってくると。 そして、ピコ太郎さんは、これで一生引っ張りだこだろうと分析しておられました。 国内ではなくて、地球上のあらゆるところからオファーがあるからです。 それほど、地球規模というものは、想像を超えた影響があるということです。 なぜ、ピコ太郎さんの歌と踊りが、たった数ヶ月で世界規模で広まったのか、人気が出たのでしょうか。 例えば、歌詞がシンプルな英語だから、歌と踊りが、記憶に強烈に残るものだから、と理由がいろいろ考えられ るのでしょうが、今、世界中の経済学者や社会学者が、このピコ太郎現象を、必死で分析しているといわれてい ます。 いままで、誰もできなかったからです。想像もしていなかったことです。 それほど、このピコ太郎現象は凄いことなのです。 グローバルの常識を変えてしまった訳です。今皆さんは、世の中の常識が変わろうとしている瞬間を見ています。 既に、日本はこうしたグローバル、国際化の波の中にいます。ここ廿日市市も世界遺産の宮島に世界中から観光 客が押し寄せています。 修学旅行に行った 2 年生、3 年生は、大阪や京都で、外国人の多さに驚いたはずです。 この傾向は、2020 年の東京オリンピックに向けて、さらに加速するといわれています。 このような社会の中で、皆さんは日本人として、誇りを持って、堂々と自分の意見を外国の人に伝え、外国の人 の意見や発想を柔軟に受け止め、理解しようと努力し、協力して問題を解決していくようなときが、必ずやって きます。 なぜ必ずかというと、例えば、近い将来、日本の労働者の数が、足りなくなることが分かっているからです。 機械化や人口知能でも足りない部分は、日本以外の方に補ってもらう必要があるからです。 皆さんが社会に出て、働く頃には、そういう時代に突入している可能性があります。 昨年度、本年度と、廿日市中学校では、本気で生きている人の本気の話を本気で聴く!ということを、授業を通 じて、数多く展開してきました。 これは、皆さんが、グローバル化の社会を生き抜いて、幸せな人生を歩むことができるようにと、広島県と廿日 市市が進めている、学びの変革アクションプランの中の、廿日市中学校としての取り組みの一つです。 立腰で静かな環境を整える。 人の話をしっかりと聴く。自分の考えになかった相手の意見は、赤で書きとる。 自分の意見を、相手にしっかり伝える。 廿中復習シートで、記憶を定着させる習慣をつける。 感動し、心が揺さぶられる体験を何度も経験する。 平素、皆さんがやっていることは、すべて、グローバル化、国際化の社会を生き抜いて、幸せな人生を歩むこと ができるようにという目的の上に、行われています。 さらに、近いうちに、大きく変わることになっている高校入試や大学入試にも、必ず役に立ちます。 来年からは、さらにこうした取組を強化していきますので、皆さん、しっかり意識しておいてください。 冬休みはあっという間でしょうが、ご家族との時間を大切にして、ご家族の方が笑顔になるような、行動を心掛 けてください。感謝と笑顔を忘れないようにしましょう。 では、みなさん、良い年を迎えてください。そして、三学期は全員、元気な顔を見せてください。 終わります。