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ジャングルジム付きすべり台
ジャングルジム付すべり台事故事例の調査報告 「事故情報収集制度」に基づき、平成 8年度に収集された事故事例の中で、 事故品の入手ができたものに対し、破面解析を行った。 1.事故概要 室内遊具のジャングルジム付すべり台のプラスチック製すべり台の下から 10㎝上の中央部(ゲート口部分)に、約7㎝のき裂が生じた。 使用期間は約7か月である。 2.「事故情報収集制度」に基づく処理テスト ゲート部付近に対し、SG基準に基づき耐衝撃テストを実施したところ、 3回目で破壊した。 3.今回の調査内容 (1) IRによる分析 すべり台から試験片を切り出し、FT−IRにより測定したところ、 PEであった。 (2) 破面解析(図1∼図5参照) 下の図に示したき裂周辺の点線に沿ってき裂部分を切り出し、液体窒素に 浸してき裂部分の左右の割れていない部分を割り、破面を観察した。 破断面は、PEの典型的な疲労破壊による破面である。起点はリブの辺りで あり、起点を中心として波紋状の縞模様(スロークラック)が確認された。 したがって、繰り返し荷重が加わったことによる疲労破壊と推定される。 (参考) *SGマーク制度 SGマーク制度とは、一般消費者の生命又は身体に対して危害を及ぼす おそれがあると認められる製品に対し、製品安全協会が認定基準を定め、 基準に適合した製品に対しSGマークを表示することができる制度である。 現在、乳幼児用品、家具・家庭・厨房用品、スポーツ・レジャー用品等 100品目を超える品目が対象となっている。 *すべり台のSG基準(耐衝撃試験) 3.6㎏の鋼球を130㎜の高さから落下させる。 図1 全体(表側) 図3 き裂部分拡大(表側) 図2 全体(裏側) 図4 き裂部分拡大(裏側) 図5 き裂部分の下側の破面