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動きの楽習システム ~見てわかる!楽しく学ぶ!
がくしゅう ~見てわかる!楽しく学ぶ!~ ●システム開発の背景と目的-課題を抱える技術伝承 日本のものづくり産業は、優れた技術を持つ熟練者がいながら、それが暗黙知として埋もれて おり、さらに教育方法論が欠如しているため、伝承に大きな課題を抱えている。 本プロジェクトではこれを解決するシステム提案を行う。 ●課題を解決するために、作りたいシステム ・工場、あるいは職業訓練校にて、ある工程を一から学習したい非熟練者向け ・熟練者から暗黙知を効果的に引き出し、初心者にわかりやすく楽しませながら伝えるシステム ┗本プロジェクトにおける暗黙知の定義 個人として明確には気づいていない、または組織として共有していない有用な知恵。 前者を「個人としての暗黙知」、後者を「組織としての暗黙知」とする。 ここで有用とは、熟練者と非熟練者を比較して時間、手数などのコスト差が明らかなことを意味する。 システムの概要 モード1: 熟練者の動きの データ取得 モード2: 熟練者の動きの解析 (暗黙知の抽出) ・複数カメラによる撮影 ・インタビュー ・ビデオ分析 ・インタビュー解析 ・モーションキャプチャ解析 モード4: 非熟練者の動きの 可視化と提示 モード3: 非熟練者への 動きの伝達 ・楽しさを用いた継続可能な学びの導出 ・動画をベースにした教材の提供 ・モーションキャプチャ解析 ・学習成果の履歴提示 ●システムが生み出す価値 ・これまで当事者間では伝えにくかった熟練者の持つ動きのコツを、 第三者の目線から抽出し、容易かつ効果的に伝えられるようにする ・システムの提供する楽しさにより、非熟練者が自ら成長できる技術伝承の仕組みを実現する メンバー:寺本 吉慶, 韓 超, 田端 秀輝, 吉田 育代 主担当教員:橋本 洋志 教授 副担当教員:越水 重臣 准教授, 網代 剛 助教 熟練者からの暗黙知抽出 ~砥石の研磨作業での実験~ 実験対象:㈱京浜工業所 砥石メーカー ①ものづくり技術の作業動作を対象に モーションキャプチャで解析し、暗黙知の所在を探る ②現場志向のインタビューで 熟練作業者の意識や判断からも暗黙知を引き出す ③双方を融合した分析で、精度の高い暗黙知抽出を実現する 砥石の研磨作業風景 暗黙知抽出フロー [1] 現場志向型 インタビューの 作成 [2] 撮影 [3] インタビュー 0.2 回転盤 0.15 熟練者 右手の軌跡 0.1 [4] ビデオ分析 非熟練者 右手の軌跡 0.05 水平方向位-z [m] タイムラインを洗い出し、コスト差を算出! 熟練者 右手の軌跡(平ら出し 時) 0 -0.2 -0.15 -0.1 -0.05 0 0.05 0.1 0.15 0.2 -0.05 -0.1 -0.15 -0.2 水平方向位置x[m] 熟練者は研磨するとき、円を描くように手 を動かしていることがわかった。 [5] モーション キャプチャ解析 [6] インタビュー 解析 熟練者は 熟練者 平らだし時 回転盤中心からの右手距離 0.16 必要に応じて砥石が反るようなイメージで 力を加えていることなどがわかった。 0.14 回転盤中心からの距離[m] 0.12 0.1 [7] 照合 0.08 0.06 0.04 0.02 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 経過時間[秒] 熟練者は削る量が多いとき、研磨盤の外周 側をよく使用していることがわかった。 再インタビューで確認できた暗黙知 [8] 再インタ [8] 再インタビュー ビュー (1・2…個人としての暗黙知 3・4…組織としての暗黙知) 1.研磨盤に近づき砥石を上から見下ろすことで、力をかけやすくし、研磨を容易にしている 2.研磨する砥石の面によって、研磨盤上で線速度が速い位置、そうでない位置を使い分けている 3.砥石の持ち方によって砥石の削る部分を調節している 4.研磨盤をまんべんなく使うことで、研磨盤の摩耗を遅らせ寿命を長く保たせている 結論:熟練者・非熟練者・工場長・社長に確認、「いわれてみればそうしている」との声をいただく。 本プロジェクトの提唱する手法で暗黙知を抽出することができた。 非熟練者への暗黙知伝達 ~楽しい学びを動きで実現~ WEBアプリケーションとして構築 ・たとえば研修所のPCで :座学で流れを見る ・たとえばタブレットPCで :現場でコツを見直す 技術要素マップ画面 目標と達成を表現する 変化のある目次 自分で道を切り開く楽しさ →【随時目標選択手法】 進捗にあわせて 目標(学習項目) が増える! +好きな順番で学べる! 触ったら変わる楽しさ 〒達成する楽しさ →【逐次達成度提示手法】 クリックすると 学習にあわせて画面が変化! 技術習得の達成 を可視化 作業ポイント画面 ビデオ再生とそれに連動した 文字、図を用いて抽出した暗黙知を伝える 非熟練者の動きの可視化と提示 熟練者との比較 非熟練者の実習の様子を モーションキャプチャで記録。 熟練者のモーションキャプチャ・ データと比較する機能。 [構想] 過去の自分との比較 非熟練者の実習ログを残し、 過去と現在の自分を比較する 機能。そこで自己の成長を 実感させる。 本機能は、現在の自分のモー ションキャプチャ・データと、 過去の自分or熟練者のデータを 比較し、評価する技術開発によ り実装可能である。