...

PDF 611KB

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Description

Transcript

PDF 611KB
資料2
その他資料
■丸亀市環 境 基 本 条 例
制定
平成 17 年3月 22 日条例第 137 号
目次
第1章
総則(第1条―第6条)
第2章
快適な環境の保全及び創造に関する施策の基本方針等(第7条―第9条)
第3章
快適な環境の保全及び創造に関する施策等(第 10 条―第 22 条)
附則
第1章
総 則
(目的)
第1条
この条例は、快適な環境の保全及び創造について基本理念を定め、市、事業者及び市
民の責務を明らかにするとともに、快適な環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事
項を定めることにより、その施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民
の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条
(1)
この条例において、
次の各号に掲げる用語の意義は、
当該各号に定めるところによる。
快適な環境
大気、水、土壌、動植物その他の環境の自然的構成要素及びそれらと一体
をなしている歴史的・文化的な遺産などが保全され、人間性豊かな文化を創造し、発
展させていくなどの基礎となる環境をいう。
(2)
環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、
環境の保全上の支障の
原因となるおそれのあるものをいう。
(3)
地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又は、オゾン層の破壊の進行、海洋
の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を
及ぼす事態に係る環境の保全であって、市民の福祉に貢献するとともに健康で文化的
な生活の確保に寄与するものをいう。
(4)
公害 環境の保全上の支障のうち、
事業活動その他の人の活動に伴って生じる相当範囲
にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化するこ
とを含む。
)
、土壌の汚染、騒音、振動、地盤沈下(鉱物の採掘のための土地の掘削に
よるものを除く。
)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係
のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下
同じ。
)に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条
快適な環境の保全及び創造は、健全で恵み豊かな環境がすべての市民の健康で文化的
な生活に欠くことのできないものであることを考慮し、これを将来にわたって維持・向上さ
せ、かつ、現在及び将来の市民がこの恵沢を享受することができるように積極的に推進され
なければならない。
60
2
快適な環境の保全及び創造は、環境への負荷が少なく、持続的に発展することができる都
市の実現を目的として、すべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われな
ければならない。
3
地球環境の保全が人類共通の課題であるとともに、市民の健康で文化的な生活を将来にわ
たって確保するうえで極めて重要であることから、すべての者は、これを自らの問題とし
てとらえ、快適な環境の保全及び創造に積極的に貢献しなければならない。
(市の責務)
第4条
市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。
)にのっとり、本市の自然的・
社会的条件に応じた基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施しなければならない。
。
(事業者の責務)
第5条
事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生
ずるばい煙、汚水、廃棄物の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するた
めに必要な措置を講じなければならない。
2
前項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに
伴う環境への負荷の低減その他の快適な環境の保全及び創造に自ら積極的に努めるととも
に、市が実施する快適な環境の保全及び創造に関する施策に協力しなければならない。
(市民の責務)
第6条
市民は、基本理念にのっとり、その日常生活に伴う廃棄物の排出、生活排水等による
環境への負荷の低減に努めなければならない。
2
前項に定めるもののほか、市民は、基本理念にのっとり、快適な環境の保全及び創造に自
ら積極的に努めるとともに、市が実施する快適な環境の保全及び創造に関する施策に協力
しなければならない。
第2章 快適な環境の保全及び創造に関する施策の基本方針等
(施策の基本方針)
第7条
市は、基本理念にのっとり、快適な環境の保全及び創造に関する施策を策定し、実施
するに当たっては、次に掲げる基本方針に基づき、総合的かつ計画的に行わなければならな
い。
(1)
人の健康が保護され、生活環境及び自然環境が適正に保全されるよう大気、水、土壌、
動植物その他の環境の自然的構成要素を良好な状態に保持すること。
(2)
生態系の多様性の確保、
野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保を図るととも
に、地域の特性に応じて、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境を体系的に
保全することにより、人と自然との豊かな触れ合いを確保すること。
(3)
歴史的・文化的遺産を保存し、その活用を図るとともに、地域の個性を生かした美しい
景観を形成することにより、潤いと安らぎのある快適な都市環境を創造すること。
(4)
地球の温暖化の防止
オゾン層の保護等の推進を図ることにより、
地球環境の保全に資
すること。
61
(環境基本計画)
第8条
市長は、
快適な環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、
丸亀市環境基本計画(以下「環境基本計画」という。
)を策定しなければならない。
2
環境基本計画は、地域の自然的・社会的特性を考慮して、次に掲げる事項について定める
ものとする。
(1)
快適な環境の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な目標及び施策の大綱
(2)
前号に掲げるもののほか、
快適な環境の保全及び創造に関する施策を推進するために必
要な事項
3
市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ丸亀市環境審議会の意見を聴か
なければならない。
4
市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく公表しなければならない。
5
前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(環境報告書)
第9条
市長は、市民に環境の状況並びに快適な環境の保全及び創造に関する施策の状況等を
明らかにするため、毎年度、丸亀市環境報告書を作成し、公表しなければならない。
第3章 快適な環境の保全及び創造に関する施策等
(施策の策定等に当たっての配慮)
第 10 条
市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、実施するに当たっては、快適
な環境の保全及び創造について十分配慮しなければならない。
(規制の措置等)
第 11 条
市は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講じ
なければならない。
2
前項に定めるもののほか、市は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な措置を講ず
るように努めるものとする。
(環境の保全に関する公共的施設の整備等)
第 12 条
市は、下水道、廃棄物の公共的な処理施設その他環境の保全上の支障を防止するため
の公共的施設の整備を推進するものとする。
2
市は、公園、緑地その他の快適な環境の保全及び創造のための公共的施設の整備及び利用
のための事業を推進するものとする。
(快適環境資源の活用等)
第 13 条
市は、潤いと安らぎを与える水辺や緑等の自然的資源、先人から引き継いだ丸亀城等
の歴史的資源、地域を特徴づける美しい街並み等の景観的資源その他の快適環境資源を確保
し、活用に努めるものとする。
(資源の循環的な利用等の推進)
第 14 条
市は、環境への負荷の低減を図るため、資源の循環的な利用、エネルギー・水の有効
な利用、廃棄物の減量及び再利用等が推進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
62
(地球環境の保全の推進)
第 15 条
市は、地球環境の保全のため、地球の温暖化の防止、オゾン層の保護等に関する施策
を実施するとともに、その普及及び啓発に努めなければならない。
(環境教育及び学習の振興等)
第 16 条
市は、
市民及び事業者が自ら快適な環境の保全及び創造についての理解を深めるとと
もに、環境への負荷の低減のための活動が促進されるよう、環境に関する教育及び学習の振
興並びに広報活動の充実その他必要な措置を講ずるものとする。
(市民等の自発的な活動の促進)
第 17 条
市は、市民、事業者及び民間団体(以下「市民等」という。
)の快適な環境の保全及
び創造に関する自発的な活動を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(情報の提供)
第 18 条
市は、第 16 条に規定する環境に関する教育及び学習を振興するとともに、前条に規
定する市民等の自発的な活動を促進するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、
環境の状況その他快適な環境の保全及び創造に関する必要な情報を適切に提供するよう努め
るものとする。
(指導、助言及び助成)
第 19 条
市は、
快適な環境の保全及び創造のために必要があると認めるときは、
市民等に対し、
指導、助言及び助成を行うことができる。
(調査の実施等)
第 20 条
市は、
快適な環境の保全及び創造に関する施策の策定に必要な調査を実施するものと
する。
2
市は、環境の状況を把握し、快適な環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するた
めに必要な監視、測定及び検査の体制を整備するものとする。
(施策の調整等)
第 21 条
市は、
快適な環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に実施するに当た
っては、これを調整し、推進するために必要な措置を講ずるものとする。
2
市は、市民等とともに、快適な環境の保全及び創造に関する施策を推進するための協力体
制の整備に努めるものとする。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第 22 条
市は、
快適な環境の保全及び創造に関する広域的な取組を必要とする施策については、
国及び他の地方公共団体と協力して推進するよう努めるものとする。
附 則
この条例は、平成 17 年3月 22 日から施行する
63
■計 画 策 定 の 経 緯
年度
H17
H18
月日
経緯内容
議事等
7 月 21 日(木) 第 1 回環境審議会
・環境審議会委員委嘱
・
「環境基本計画」策定の諮問
8 月中旬
∼9 月上旬
・「丸亀市総合計画」に関するア
ンケート実施
市民アンケート
1 月 5 日(木) 1 月第 1 回定例庁議
・「環境基本計画」策定に係る環
境に配慮した施策・事業調査依頼
3 月 20 日(月) 3 月第 1 回定例庁議
・「環境基本計画」策定に係る概
要の報告
3 月 27 日(月) 第 3 回環境審議会
・「環境基本計画」策定に係る進
捗状況の報告・
9 月 22 日(金) 第 1 回環境審議会
・「環境基本計画」策定に向け意
見集約
9 月 29 日(金)
パブリックコメント実施
∼10 月 30 日(月)
・「丸亀市環境基本計画」中間案
のパブリックコメント実施
11 月 10 日(金) パブリックコメント結果公表
・「丸亀市環境基本計画」中間案
のパブリックコメント実施結果
公表(ホームページ)
11 月 29 日(水) 第 2 回環境審議会
・
「環境基本計画」
(案)審議
12 月 18 日(月) 12 月第 1 回定例庁議
・
「環境基本計画」
(案)報告
1 月 25 日(木) 市議会生活環境委員会
・
「環境基本計画」
(案)報告・意
見聴取
2 月 22 日(木) 第 3 回環境審議会
・
「環境基本計画」最終答申(案)
審議
2 月 22 日(木) 「環境基本計画」市長答申
・
「丸亀市環境基本計画」最終(案)
を市長に答申
3 月 30 日(金) 「環境基本計画」公表
・「自然と歴史が調和し 人が輝
く田園文化都市」の実現を目指し
「丸亀市環境基本計画」を公表
64
■地球にやさしい暮らし」の手引き
「地 球にや さ し い 暮らし」
の手引き
私たちの足元から地球環境を考えた行動を
65
私たちの生活が地球環境に影響を
地 球 の 誕生
〔 地 球の誕生 〕
およそ 47 億年前に、宇宙のチリのようなものが集まって、地球が誕生しました。
始めにできた地球は小さかったのですが、次々と宇宙のチリや小さな星がぶつかって大きく
なりました。また、宇宙のチリや小さな星がぶつかるときのエネルギーで地球の温度も上がり
ドロドロの状態になりました。
それからしばらくして、星などのぶつかる数が減り、表面が冷えてカラ (地殻)ができまし
た。これが地面です。
しかし、中からはどんどんとマグマが吹き出し、火山が一杯ありました。
そして、この火山の煙の中の水蒸気は冷えて水となり、その水がたまって海となりました。
〔 生 命の誕生 〕
地球に始めて生きものが生まれたのは、今からおよそ 35 億年前です。
始めに生まれた生きものは、細菌(バクテリア)や藻の仲間のプランクトンでした。このこ
ろの空気は、二酸化炭素(炭酸ガス)と窒素が主なものでした。
しかし、プランクトンは太陽の光と地球をおおっていた二酸化炭素を利用して繁殖し酸素を
発生させました。
この酸素が今の地球の空気をつくり、魚、鳥、爬虫類、恐竜、そして人類などの酸素を利用
する高等生物を生み育ててまいりました。
〔 人 類の誕生 〕
人類の祖先である原人が生まれたのは、今からおよそ百万年前です。
これは、地球に生きものが生まれてから今までを1年に例えると、12 月 31 日の午後 9時半
ごろになります。
生きものの中では、とても遅く生まれた新米者です。
しかし、その人類が、今、地球の環境に大きな影響を与え、私たち人類を含む全ての生きも
のの生存を危うくしています。
※ 人口 の増加
わずか 400 年前、江戸幕府が できたころの世界 の人口はおよそ4億 人でした 。
しかし、2000 年 にはおよそ 61 億人となり、2050 年 には 93 億 人になると予想されてい
ます 。
66
−人類の文明が地球に負荷を−
地球に生きものが生まれ、人類が生まれてからは瞬間ともいえる短い時間に、人間は高度な
文明を維持することと引き換えに、地球に大きな重荷となるほど資源やエネルギーを大量に消
費しています。
地 球 環 境への 影響 は
〔 地 球 の温度 が上がっています 〕……… 温暖化の問題
温度が上がるしくみや原因は
日があたると暖かくなるのは、太陽からくる光の中の可視光線や赤外線によるものです。地
球に来た光のエネルギーの約三分の一は、赤外線として、また宇宙に逃げていきます。
しかし、地球をとりまく大気の中にある二酸化炭素などが赤外線を吸収し、逃げにくくして
います。もし、大気がなければ、地球の平均気温はマイナス 18 度になるといわれています。
ところが、この大気の中の二酸化炭素が増えすぎると、私たちが必要以上に厚着をしている
ようになり、地球全体の温度が高くなってしまいます。
私たち人類のエネルギー消費による二酸化炭素の排出は、地球環境に大きな影響を与えてい
ます。今、世界のエネルギー源の 90%は二酸化炭素が発生する石油、石炭、天然ガスなどです。
地球温暖化*1 を防ぐためには、エネルギーや資源の消費を少なくし、無駄なく上手に使うこ
とや、二酸化炭素を吸収する森(緑)を守り育てていくことが大切です。
地球への影響は
既に、
大気中の二酸化炭素の濃度は 18 世紀の産業革命以前に比べて、
約 30%増えています。
世界中で氷河が溶けだしたり、南極周辺の氷も小さくなっています。
南極や北極の氷が溶け、海の水がふくらむと、海面より低い土地は大変なことになります。
また、天候も変わり、今、食料をたくさん作っている地域の雨が少なくなり、干ばつが増え
ます。このため、小麦、大豆、トウモロコシなどの干ばつに弱い穀物の収穫量は激減すること
になります。そのうえ、熱帯や亜熱帯の病気や害虫、雑草などが日本などの温帯地域に増えて
くることになります。
67
日本 への影響 は
沿岸部の都市 が水没の 危険
こ こ 100 年間 で、海面 の水位 が 10∼ 25 ㎝上がっています。2℃の気温上昇で 海面はさらに 15
∼ 95 ㎝上 昇するといわれています。
東京 の都心部 や日本沿岸にある 都市圏の 多くが水 没の危険 にあります。
水不足や 水害が深 刻に
集中豪雨による水害や 干ばつによる渇水 が各地で 起こり 、飲料水や農業用水の不 足が深刻 にな
ります。
〔 す っ ぱい雨が降っています 〕……… 酸性雨の問題
酸性雨*2 になるしくみや原因は
石炭や石油を燃やすと、その中に含まれているイオウ*3 が燃えて出てきます(イオウ酸化物
*4
)
。また、石炭や石油を燃やしたときに空気中のチッ素と酸素がくっつきチッ素酸化物と
なります。
これらのガスは酸性ガスで、大気中に放出され、雨の中に溶けると雨が酸性となります。
車の排気ガスや工業による石炭や石油の燃焼から、イオウ酸化物やチッ素酸化物*5 が大気中
に放出されており、これから工業化や車社会が進む開発途上国からの放出が増え大きな問題と
なるでしょう。
地球への影響は
酸性の雨が降ると、木の葉が痛んで木が弱ります。土の中には植物にとって良い働き(植物
にとって健康な土を造る)をする細菌や小さな虫たちが住んでいますが、このような虫が生き
られなくなります。また、土の栄養も酸によって溶けだします。
そうなりますと、多くの木が枯れ森がなくなります。
既に、ヨーロッパやカナダでは森の木の 15%∼60%がいたんでいます。
また、土が酸性になると森の木が枯れるだけでなく、農作物の収穫も減ります。酸性雨はコ
ンクリートや大理石を溶かし鉄をサビやすくし、建物や彫刻、大切な遺跡をいためます。
68
〔 熱 帯 雨林が減少 しています 〕 ……… 熱帯雨林の問題
熱帯の森が減っている原因は
世界の森が減っています。
地球上の森林面積はおよそ 39 億㌶で地球の陸地面積のおよそ 29%
で、そのうち熱帯地方にある森林は 16 億㌶です。
熱帯林には、地球全部の植物の半分以上があり、また多くの種類の生き物が住んでいます。
熱帯林は命の宝庫であり、人が作れない大切な遺伝子資源です。
しかし、1年間に日本のおよそ半分の面積がなくなっています。
この原因は、牛や羊などの家畜をたくさん放牧しすぎて、草木を食べ尽くさせてしまったり、
焼き畑農業によるものや、木材として切り取ったりするためです。
日本は、熱帯林や針葉樹の世界一の輸入国です。
地球への影響は
森がなくなると砂漠化が進みます。毎年、本州の半分ぐらいの面積が砂漠化しています。食
料の生産ができないやせた土地が増え、多くの人が食べ物に困ることになります。
また、熱帯林は薬になる貴重な植物が多くあり、病気への治療に役立っていますが、このよ
うな資源がなくなります。
野性の生きものは、暮らしの場が壊されて生きてゆけなくなります。
現在、地球の生きものの種類は、 500 万種類から 3,000 万種類いるといわれており、そのう
ち、分かっているのは 160 万種類です。熱帯林が減ると、2020 年までに 5∼15%の生きものが
地球上からなくなるといわれています。
〔 オ ゾ ン層 *6 が破壊 されていま す 〕……… 有害な紫外線の問題
オゾン層が破壊される原因は
地球のまわりの空気は、地面に近いところでは地球の自転や海や山の影響で風が吹き混ざっ
ており、対流圏といいます。この高さは約 11 ㎞です。
その上はあまり空気がまわらないところで成層圏といいます。
この成層圏では、空気の中の酸素が太陽からくる紫外線でオゾンに変えられ、オゾン層がで
きています。
このオゾン層がなければ、強い紫外線が地球にそそぐことになり、生きものは生きていられ
ません。地球上の生きものの命を守る大切なバリアとなっています。
しかし、冷蔵庫、自動車のクーラーやスプレーなどに使われているフロンガス*7 が大気中に
放出されますと、成層圏で紫外線にあたりフロンが壊れ活発な塩素に変わります。この塩素は、
たった1個で何万個ものオゾンを壊します。
そして、オゾン層に穴が開いたようになります。
(オゾンホール*8)
69
地球への影響は
成層圏のオゾン層に穴が開くと有害な紫外線が地上に降りそそぎます。
紫外線が増えると皮膚ガンになったり、白内障という目の病気を引き起こします。
また、病気に対する抵抗力を弱くしたり、農産物などの植物にも悪い影響を与えます。
始 め よ う。地球 にやさしい 暮ら しを!
私たちは、次の世代に豊かな地球の恵みをより良い環境で引き継いでいく責任があります。
そのために、今、私たちは何をすればよいのでしょうか。
ともに考え、ともに行動することが大切です。
さあ、始めましょう。
身近な暮らしの中から。
70
暮 ら し の中か ら
さあ 始めよう
「 居 間でできること 」
〔照 明〕
・ 必要のない照 明は、 こ ま め に消す 。
・ 照明は 、白 熱 灯より 蛍光灯 を選ぶ。( インバーター式 *9 なら、 さらに 20%
の節電)
・ 強い照 明の必 要がないところは、 ワ ッ ト数の低 い電球 や蛍 光 灯に切 り換え
る。
〔冷暖房 〕
・ 部屋の 冷暖房機器を こ ま め に消す 。
・ 服装で 暑さ寒 さを調 節し、 部屋の 冷やしすぎ、 温めすぎに注 意する 。
・エ ア コ ンの設定温度 は、冷 房 28℃ 暖 房 20℃を 目安にする。 (冷 房 時に1 ℃高
め暖房時 に2℃ 低めにすると 10%の 省エネルギー )
・ 長期間 、使 用し な いエアコンは コンセントを抜 いて「 待機電力」 をカ ッ トす
る。
・エアコンの フィルターは こ ま め に掃除 する。
( ほ こ り が詰まると効 率が落 ちる )
・ エ ア コ ンの 室外機 は、風 通しの 良い日 陰に設置 するか 、ひさし板 を置くなど
の日除け の工夫 をする。(冷 房 時に直射日光 が 当たると 効きが 悪く な る)
〔テレビ 、ビデオ等 の電化製品 の使 用〕
・ 必要のないときは、 テレビ をこまめに 消す。
・ テレビ 、ビデオ、CDプ レ ー ヤ ーな ど は、リモコンで スイッチを 切った 後も
「待 機 電 力」によって電 力を消 費しています。寝る前などは主電源を 切るか
コンセントを抜 く。
・ ア イ ロ ンは、 ま と め て か け る。
・ 掃除機 のフィルター はこまめに掃 除す る。(ほこりが詰 まると 効率が 落ちる )
・ パ ソ コ ンやワープロ のつけっぱなしを 止める。( 待 機 電 力の消 費を減 らす)
・ 必 要 以 上の大 型の製 品は買 わない 。
・ なくてもすむ 製品は 安易に 買わ な い。
71
「 台 所でできること 」
〔調理器 〕
・ 圧力なべなど 効率のよい調理器具 を選 ぶ。
・コ ン ロの火 が強すぎないようにする。
( なべの底 か ら は み出る 炎は無 駄なエ
ネルギー の消費 )
・濡れ た な べ やヤ カ ンは、底を拭 いてからかける。
(水 滴がついていると余 分
な熱エネルギー が必要 )
・ ヤカン は底が 平たいものを 使用す る。(熱効率 が良い )
・ 水から 沸かすより、 給湯器 の湯を 加熱 する。(効率的で す)
〔給湯器 〕
・ 給湯器 の設定温度を 高くしすぎないようにする 。
・ 食器洗 いでお 湯を使 うときはでき る だ け低い温 度で使 用する 。
〔冷蔵庫 〕
・ 扉の開 閉の数 を減ら す。開 けたらなるべく早く 閉める 。
・ 熱いものは、 冷ましてから 入れる 。
・ 冷蔵庫 の温度 は季節 により 調整す る。
・食品 の詰め 込みすぎをしない。
(冷気 の循環が 悪く な り、電力を 4∼5 %余
分に使う )
・ パ ッ キ ンの劣 化に注 意する。(紙を は さ ん で ず り落ちるようなら交 換を)
・ 日当たりの良 い窓の 側やガ ス レ ン ジの 側に置かない。
〔そ の他 〕
・ 電気ポットは 、就 寝 時など 長 時 間 使わ な い と き は電源 を切る 。
・炊 飯 器で長時間ご 飯を保 温し な い。
(新 たに炊飯 す る よ り消費電力が 多くな
る)
・ 電子レンジで 解凍す る と き は半 解 凍で 行う。(味 もよく 、電力 も節約 )
〔エコクッキング *10〕
・ 無駄な 料理はしない。(必要以上はつくらない 、味 噌 汁な ど は人 数 分を)
・ 野菜くずを生 かした 料理を 工夫す る。
・ 余った 食材を 生かす。(残っ た ご は ん や お か ず は捨てない工 夫を す る)
・ 季節の 旬の食 材を使 う。
・ 食用油 は、濾 過して 使用す る。
72
「 風 呂場、洗面所 、トイレ でできること 」
〔風呂場 〕
・ お湯は 温め直 さないですむよう、 家族 で続けて 入る。
・ 次の人 が入るときも 、す ぐ に風呂 ぶたをする。
・ シ ャ ワ ーの使用時間 は短めにする 。
〔洗 濯〕
・お風 呂の残 り湯で 洗濯す る。
( ぬるま 湯 は洗濯物 の汚れ が落ちやすい 効果も)
・ 洗剤は 適量を 使う。
・ 洗濯は ま と め て適量 で行う。(洗濯機容量 の 80%が効率的)
・ 衣類乾燥機の 利用は で き る だ け さ け、 日光で乾 かす。( 日光の 殺 菌 効 果も)
〔トイレ 〕
・便座 ヒ ー タ ーはなるべく 使わ な い。
( 布 カバーな ら冬で も冷たくありません)
・ おしり 洗浄器 の主 電 源をこまめに 消す 。
・ トイレットペーパー は、古 紙 100%の 製品を使 う。
「 自 家用車の使用 においてで きること 」
〔アイドリングストップ *11 運 動〕
・ 自動車 をしばらく停 車さ せ る と き は、 エンジン を止め る。
・ 人待ち 、荷物 の積み 降ろ し の際は 、エンジンを 止める 。
〔効率的 な運 転や利 用〕
・ エ ン ジ ンの空 ぶ か し は し な い。
・ 急発進 、急 加 速を避 け、経済速度 で走 行する。
・ ゴルフバッグ など重 い荷物 を積み 放しにしない。(燃費 が悪くなる)
・ カーエアコン の使用 は控えめに。( 燃 費が悪くなる)
・ タイヤ の空 気 圧を定期的に チ エ ッ クす る。(空 気 圧が低 いと燃 費が悪 い)
〔洗 車〕
・洗車す る と き は、バケツ の水を 使う。
(ホース で使う 場合の 約 1/8 で 済む)
・ 風呂の 残り湯 を利用 する。( 雨上が り も洗車の チ ャ ン ス)
〔買 い替 え〕
・ 燃費の 良い車 を選ぶ 。
・ 低 公 害 車の車 を選ぶ 。
73
・ 必 要 以 上に大 きな排気量の 車は選 ば な い。
「 買 い 物やごみの 減量 、リサイ クル *12 においてできること 」
〔買 い物 〕
・ なくてもすむものは 買わ な い。(衝 動 買いはしない)
・ 使い捨 て商品 は買わない。
・再生品 の製品 を選ぶ。(トイレットペーパー 、ティッシュ 、ノート は古紙利用 100%を)
・ 過 剰 包 装は断 る。買 い物袋 を持参 し、 レジ袋は 断る。
・ 飲料水 はビン 製品のものを 選ぶ。
・ シャンプーや 洗剤は 詰め替 えができる 製品を購 入する 。
・ 野菜や 果物は 、バラ 売り、 はかり 売りのものを 買う。
・ 野菜や 果物は 、ハ ウ ス栽培 も の よ り露地栽培や 旬のものを選 ぶ。
・なるべく近 くでとれた食 材を選 ぶ。
(産 地の遠いものは 輸送エ ネル ギ ーを消
費)
・電池 は非常時以外 は使用 を避ける 。
( ラジオ 、CD プレーヤーは 家庭の 電源
で)
・ 電池を 使う場 合は、 充電式 で繰り 返し 使用で き る も の を利用 する。
・ 衣類リストを 作りタンスに 備え、 不 必 要な衣類 は買わない。
〔ご み減 量〕
・ 使い捨 てのコップ、 皿、フォーク な ど は使用しない。
・ テ ー ブ ルを拭 く と き はペーパータオル を使用しないで 、台ふきんを 使う。
・ ラップ やア ル ミ ホ イ ルの使 用を少 なくする。(タッパー などの 利用)
・ 裏の白 いチ ラ シは、 メモ用 紙と し て利 用する。
・ い ら な いダ イ レ ク ト メ ー ルは、 受け取 り拒否したり郵 送し な い よ う申し 入
れる。
・赤ち ゃ ん の お む つ は、で き る だ け布おむつを使 用する。
(外出時な ど最 低 限
に)
・ 生ご み は、庭 に埋めたりコ ン ポ ス ト *13 で堆肥化 し利用 する。
・ 生ご み は、よ く水を 切ってから出 す。
〔リサイクル 〕
・ 市の資源回収 (月1 回)時 に、分 別し て出す。
(紙類 、布 類、アルミ缶 、スチール缶 、ビン類 、ペットボトル、 紙パ ッ ク
など)
74
・ 家庭の 中に分 別ボックスを 備える。( 不要な容 器や段 ボール 箱な ど を利用)
・ 食品トレイは 、資源 として 回収し て い る店に も っ て い く。
・ 不要になった 子供服 や玩具 などは 、親 戚や近所 で使い 回しをする。
・ 不要に な っ た家 具 類や電化製品 などは 、使い回 しや再 利 用 可 能 粗 大ご み と
して市に 出す。
・ 壊れたものは 、修理 して使 用できるか 調べる。
・ 使えるものは 捨てないで、 不 用 品 交 換 会やバ ザ ーに出 す。
「 庭 や空き地に緑を増やす 」
・ ベ ラ ン ダや庭 を緑化 し、緑 を増や す。
・ 空きスペース には立 木を植 える。
・ 家の囲 いは、 できるだけ生 け垣にする 。
「 そ の他、暮らし の中ででき ること 」
・ 掃除をするときは、 片づけてから 行う 。
・ 自動販売機を な る べ く使わない。
・ 太陽温水器な ど自然 のエネルギー を利 用する。
・ 家を新 築し た り、改 築し た り す る と き は熱を逃 が さ な い構造 にする 。
・ 近くにいくときは自動車を 使わないで 、自転車 を利用 する。
・ できるだけ公共交通機関を 利用す る。(コミュニティバスや 電車な ど)
・ 遠方でない通 勤は自転車を 利用す る。
・ 雨水をできるだけ地 下に浸 透させたり 、溜めて 打ち水 などに 利用す る。
・ 庭に小 鳥の巣 箱やエ サ台を 作る。
・ 山や森 の植物 や小動 物をむやみにとらない。
・ 家族で 山や川 、海などの自 然と ふ れ あ う機会をつくる 。
家族で話 し合い 協力し て、できることから 一つひとつ取 り組み ま し ょ う
75
用
語
集
*1
【地球温暖化】
大気中には地球から放出される熱を逃がしにくい二酸化炭素、メタン、フロン、亜酸化窒素、一酸
化二窒素などの温室効果ガスが含まれている。この温室効果ガスが増えすぎ、宇宙空間へ放出される
熱が地表面に戻され、地上の気温が上昇する現象をいう。
*2
【酸性雨】
石炭や石油などの化石燃料の燃焼などに伴って、大気中に放出された硫黄酸化物や窒素酸化物など
が雲に取り込まれ、複雑な化学反応を繰り返して、最終的には、硫酸イオン、硝酸イオンなどに変化
し、酸性(PH5.6 以下)の雨となる現象をいう。
*3
【イオウ】
酸素族元素の一。単体は無臭の黄色結晶。温泉や火山帯に産する。水には溶けない。斜方硫黄・単
斜硫黄などの同素体がある。空気中で熱すると青い炎をあげて燃え、悪臭のある二酸化硫黄(亜硫酸
ガス)を生じる。火薬・マッチ・医薬品の原料、ゴム製造などに使用。元素記号 S。
*4
【イオウ酸化物】
硫黄の酸化物の総称。大気汚染物質の一。石油など硫黄を含む物質の燃焼によって生じる二酸化硫
黄(亜硫酸ガス)が空気中で酸化されて三酸化硫黄となり、さらに水分を含んで硫酸の微粒子となる。
化学式の Sox から「ソックス」ともいう。
*5
【チッソ酸化物】
酸化窒素の総称。ふつう大気汚染物質である一酸化窒素と二酸化窒素の混合物をいう。化学式の NOx
から「ノックス」ともいう
*6
【オゾン層】
オゾンを高濃度に含んでいる地表から 20∼25km の下部成層圏にある層をいう。オゾン濃度が高く、
太陽から有害な紫外線を遮断する役割を果たす領域である。近年、大気中に放出されたフロンなどが、
下部成層圏で 200∼220nm の太陽紫外線を受けて分解し、生成した塩素酸化物(CIOx)がオゾン層と反
応してオゾンを減少させている。
*7
【フロンガス】
正式にはクロロフルオロカーボンといい、炭素とフッ素の化合物です。無毒性、不燃性、化学的安
定性といった優れた性質をもっており、それによって空調機器や冷凍庫・冷蔵庫などの冷媒として広
く一般的に使用されています。ほとんどの種類のフロンは、普通の環境では分解されず大気中に留ま
るが、長い時間かけて成層圏まで上昇し、そこで強い紫外線により分解されて塩素を放出する。この
塩素が次々とオゾン分子を分解し、オゾン層を破壊する。
*8
【オゾンホール】
オゾン層の濃度が、南極大陸の上空で毎年 9∼10 月に急激に下がり、穴のあいているようになる現
象。また、その部分。オゾン分子を破壊することによって起こり、地球温暖化をもたらし、皮膚癌(ひ
ふがん)を引き起こす。原因は、大気中に放出されたフロンガスが有力とされる。
*9
【インバータ式】
グロー球に替わるスターター機能を電子化して内部に組み込むことで、スイッチを入れると同時にあ
かりもオン。点灯までのタイムラグがありません。また、
「ブーン」という不快音も解消されています。
*10
【エコクッキング】
「食」を通して、
「身近な題材で、環境問題を体験的に楽しく考える」というコンセプトのもと、買い
物から料理、片付けに至るまでの一連の流れを通して環境に配慮する食生活を意味します。
*11
【アイドリングストップ】
アイドリングとは、自動車の変速機のチェンジレバーをニュートラルの位置にして、エンジンを無負
荷で低速回転させている状態のことをいう。アイドリングストップ運動とは、必要以上の暖気運転、運
転者が車から離れている間、荷物の積み降ろしの間等、不要と考えられる場合において、アイドリング
を止め、エンジンを停止することの励行を推進する運動をいう。
*12
【リサイクル】
(recycle)
再循環させること、再生利用することという意味から、もう一度資源として利用し再生して使用す
ることを意味する。
なお、リフューズ、リデュース、リユース、リサイクルで「4R」ともいう。また、リデュース、
リユース、リサイクルで「3R」ともいう。
*13
【コンポスト】
生ごみなどの有機性廃棄物からできた堆肥、または堆肥化手法のこという。
76
丸亀市環境基本計画
発行年月: 平成 19 年 3 月
発
行: 丸亀市大手町二丁目 3 番 1 号
丸亀市 生活環境部 環境課
電
F
話: 0877-24-8836
A
X: 0877-24-8838
E - m a i l: [email protected]
編集協力: パシフィックコンサルタンツ㈱
Fly UP