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私たちの生活と経済
社会科学習指導案(公民的分野) 串木野市立羽島中学校 教 1 2 単 元 名 諭 上 白 石 修 「私たちの生活と経済」 単元の目標 (1) 上 位 目 標 行 動 身近な店(ラーメン店)の経営に関する簡単なシミュレーションを通して、経済 活動に関する興味を引き出し、見通しを持って「生産・流通・消費」の基本的な流 れ を 理 解さ せ る 。 (2) 下位目標行動 ① ラーメン店の経営に関する簡単なシミ ュレーションを通して、経済活動の面白 さや不思議さを味わい、経済活動に関する興味・関心を持つ。 ② 所得と消費、貯蓄の関係を理解し、消費者としての合理的な商品選択のあり方 を考える。 ③ 具体的な商品を扱いながら、消費者主権の意義や新しい動きについて考える。 ま た 、 行 政 の 対 応 の 仕 方 に つ い て P L法 を 中 心 に 理 解 す る 。 ④ 流通のしくみについて、特に「コンビニ」をテーマに取り扱い、フランチャイ ズを中心とした商業活動のあり方を理解する。 ⑤ 3 資本主義社会の生産活動のあり方について、株式会社の経営方法を中心に理解 させる。 デジタルコンテンツ活用の意図 本 単 元 で は 、「 世 の 中 カ タ ロ グ 」( h t t p : / / w w w . y o n o k a t a . n e t / l a n d / ) の サ イ ト 内 の 「ラーメン屋ゲーム」を導入単元で扱い、生徒が難しいと感じている「経済活動」の単 元に対する抵抗感を和らげるために活用する。 しかし、シミュレーションゲームという性質上、単に生徒の興味や関心だけで取り組 ませるのは、本来の目的から外れる可能性が高い。そこで、まず、ゲームの説明をかね て教師の方で実際にやって見せ、その後、代表の生徒がみんなに披露する形で実施した。 このように、2段構えで実施することによって、何の目的で行うものであるのかを十 分に理解させるだけでなく、ゲームそのものへの関心を高め、また、友人の方略にふれ させ る 中 で 、 一 人 一 人 の 考 え 方 の 違 い に 気 づ か せ る と い う 効 果 が 期 待 で き る 。 今回の授業では、第1時の導入として位置づけたばかりでなく、第2時の始めに、実 際に全員にこのシミュレーションを体験させた。その中で、経営のノウハウについて話 し合う時間を設定したことで、さらに単元に関する興味を引き出すことができたと考え る。 このように、シミュレーションゲームの授業への導入は、生徒自身がゲームを身近な も のと 考 え て い る た め に 、 導 入 し や す い と い う 利 点 が あ る 。 ま た 、 疑 似 体 験 を 通 す こ と によって、実際の経済活動に参加し、机上の論理による学習でなくなるために、一つ一 つの事項に関連性を持たせやすく、見通しを持った学習が成立しやすいと考える。市販 されているソフトウエアの中にも、公民的分野における授業での活用が期待できるもの が多く、普通教室での活用が今後さらに期待できる。 尚、本ウェブサイトは、学級活動における仕事調べや自分の適性検査など、多様なコ ンテンツが用意され、進路指導の一環としての活用が十分に期待される。 1 4 時 消費と貯蓄 消費者の権利と保護 3 題 ラーメン店を経営しよう 1 ︵ 本 時︶ 2 単 元 の 指 導 計 画 お よ び 評 価 計 画 ( 全 5時 間 ) 学 習 活 動 ・ポストテストによって前単 元での学習内容を確認する。 ・シミュレーションを見て、 経済単元 に関心を持つ。 ・経済活動に関する3つの流 れについて説明を聞く。 ・単元の流れを確認する。 指 導 上 の 留 意 点 ・ 前 時 ま で の 定 着 状 況 を 知 り、形成評価に役立てる。 ・ ゲームの内容だけでなく、 意義について押さえる。 ・ 生産、流通、消費の流れを 押 さ え 、 単 元 を 概 観 さ せ 具体的な評価の方法 (興味・関心) シミュレーションの把 握状況を観察する。 (知識・理解) ワークシートへの書き 込み状況を確認する。 る。 ・実際にシミュレーションを体 ・ 経 営 に 関 す る 内 容 だ け で な く、一消費者としての視点で 験し、経営への興味を持つ。 捉えさせる。 ・消費者の立場に立って、どん ・ 消費者の特長について考えさ な店が魅力的な店かを考える。 せる。 ・消費に関する説明を聞く。 ・ 消費と貯蓄の関係を捉えさせ ・貯蓄に関する説明を聞く。 る。 。 ・商品に対する消費者と生産者 ・ 生産者と消費者の捉え方の違 (興味・関心) シミュレーションへの 取り組み状況を観察 (知識・理解) ワークシートへの書き込 み状況を確認する。 (思考・判断) の考え方の違いについて考え、 いについて身近な問題を取り 両 方 の 立 場 に 関 す る 捉 発表する 。 上げ、考えさせる。 え方をワークシートか ・消費者の持つ4つの権利につ ・ 権利の暗記でなく、具体的な ら読み取る。 いて具体的にあげる。 場面を考えさせる。 (知識・理解) ・消費者保護やPL法に関する教 ・ 主 権 者 と し て の 行 動 の と り 方 ワークシートへの書き込 師の説明を聞く。 に重点を置く。 み状況を確認する。 ・品物が自分の手元に届くまで ・ 身近な商品を例にして、直感 (興味・関心) 4 流通のしくみ の過程を自由に考えさせる 。 的に捉えさせる。 発 表 の 様 子 を 観 察 す ・コンビニの経営にあり方に関 ・ コンビニとその他の商店との る。 する教師の説明を聞く。 違いについて強調する。 (資料活用・表現) ・ い く つ か の コ ン ビ ニ の HP を 参 ・ 経 営 の あ り 方 を フ ラ ン チ ャ イ 適 切 な 情 報 と し て の H P 照しながら経営の特徴を知る。 ズに絞って見させる。 の活用がなされている ・流通の改革の中で、新しい商 ・ 流通革命を題材に、ネットワ か を 観 察 を も と に 確 認 業の形態をつかむ。 ークの影響を考えさせる。 する。 ・ 企 業 と 会 社 の 違 い を 構 造 図 か ・ 構 造 図 か ら 企 業 の 種 類 を カ テ ( 表 現) 生産のしくみ 5 ら理解する。 ゴライズさせる。 構造図を使って正しく説 ・自分の保護者の仕事を構造図 ・ 正しく説明できない場合に補 明できているかを確認す に沿って説明する。 佐する。 る。 ・株式会社の特長について説明 ・ 資本主義社会における役割に (知識・理解) を聞く。 ついて十分に理解させる。 ワークシートへの書き込 み状況を確認する。 2 5 本 時 の 実 際( 1/5 ) (1) 主 題 ラーメン店を経営しよう (2) 本 時 の 目 標 経済単元の導入として、簡単なシミュレーションゲームを活用し、天気や前後の集 客状況から店の経営を体験することによって、経済活動の概略について知り、単元へ の興味・関心を持たせる 。 (3) 本 時 の 展 開 過程 導入 7’ 学 習 活 動 形態 指 導 上 の 留 意 点 評価 1 「経済活動」という言葉から連想する 一斉 1 生徒が日頃考えている「経済」に関する、直感 語句を発表する。 的な考えを出させる。 2 本時の学習課題を確認する。 2 〈学習課題〉 「ラーメン店経営」という、身近に感じる言葉 ラーメン店を経営して、経済 活動の概要を知ろう。 3 を出し、生徒の興味や関心を引き出すことができ ◎興味関心 るようにする。 一斉 webコンテンツを活用して、ラーメン 3 ラーメン店経営を web上のゲームを通して行い、 店の経営をシミュレートすることを確認 その中で、経済の基本を理解することができるよ する。 うに、シミュレーションの概要を紹介する。 4 ラーメン店を開くときにどんなことを 一斉 4 一つ一つの意見を取り上げ、経営に必要な要素 をカテゴライズしていく。同時に、シミュレーシ ◎思考判断 (観察) ョンに必要な用語を押さえさせる。 考えて経営していくべきなのかについて 自分なりの考えを発表する。 5 経営するうえでの重要な要素について 一斉 5 い く つ か の 簡 単 な 経 営 に 関 す る HP を 示 し な が HPを参考にした教師の説明を聞く。 6 ら、天気や仕入れ、予想などの必要性を示す。 教師が実際に行うシミュレーションを みて、やり方を理解する。 6 ○興味関心 (観察) あとでやることを示しながら、基本的な操作方 一斉 7 実際に行われた経営について、何が失 展開 (観察) 法と意義について理解させる。 教師のシミュレーションを振り返り、生徒の直 ◎思考判断 7 敗や成功の原因だったかについて、班の 小集団 感的な感想と失敗の原因を引き出しながら、ワー (観察・ シート) 中で話し合い、意見を発表する。 クシートに書かせる。 37’ 8 教室内のパソコンで学級の代表2人が 一斉 8 シミュレーションを実際にやってみる。 代表者2人の考えを引き出しながら、見ている 生徒に意見を言わせる。 9 二人の経営の仕方について、班で話し 小集団9 2人の結果に対する意見を出させ、経営に必要な ◎思考判断 合い、意見を発表する。 考え方を引き出す。 (観察) 10 シミュレーションの結果をもとにした 一斉 10 単純なゲームとしての位置づけでなく、経済の基 教師の「経済活動」の概略に関する説明 本として生産者、消費者、流通の流れが存在し、 を聞く。 それを考えていくことが経済活動そのものである ことに気づかせる。 11 個人評価・班別相互評価を行う。 終末 6’ 12 次時の内容の確認をする。 小集団11 ワークシートの個人評価、班別評価カードを用い ◎全体評価 個 一斉 指定された観点 で評価されているかを確認する。 (個 人・ 班別 12 次時で、 全員がシミュレーションを実際にやるこ 評価カード) とを示し、作戦を考えてくるように指示する。 (4) 本 時 の 評 価 経済単元の導入として、簡単なシミュレーションゲームを活用し、天気や前後の集 客状況から店の経営を体験することによって、経済活動の概略について知り、単元へ の興味・関心を持つことができたか。 3