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心に響く 「豊かな朗読の世界」 を創造する
心に響く 「豊かな朗読の世界」 を創造する 小出 史 氏 (熊本市) プロフィール ・元NHK熊本放送局のニュース番組のキャスター、 熊本朝日放送アナウ ンサーやディレクターを経て1998年にフリーランスに ・その後、 朗読家 西川小百合氏 (東京在住) に師事 ・以来、 勉強を重ね朗読の公演や県内の小、 中学生などへ朗読の指導を 行う 朗読の舞台は、 聞き手の心の中にあるのではないかと考えます。 そのためには黙読して得ら れる以上の「何か」を伝えてこそ 「真の朗読」 と言えるのではないでしょうか…。 こう気付いた時、 朗読の奥深さと魅力に取りつかれました。 では、 いかに 「聞き手」 に届く 朗読をするか、 豊かな読みとは?表現力とは?など、 聴き手の心に響く真の朗読を求めて。 日々 その世界の創造に努めています。 ◎作品を朗読と音楽を交えて表現する ・ 「イルカの星」(作:葉祥明)……ギター演奏(池崎剛氏)とともに ・ 「光の道を (細川コレクションオープニング記念朗読劇)」 …琴、 尺八、 フルート、 パーカッションとともに ・ 「葉っぱのフレディ」…音楽家、 滝本泰三氏のピアノ即興演奏と ともに ・ 「人魚姫」 …ピアニスト、 中田由希子氏の弾く北欧のピアノ曲と 全国読書フェスティバルでの胡弓 ともに との共演 ・ 「ハンセン病救済に捧げたリデル・ライトの一生」…賛美歌とともに ・ 「ルーテル学院80年の歴史」 …在校生の歌、 楽器演奏とともに ◎芸術作品と朗読会 ・絵画 「二本木遊廓に生きた遊女たちに捧ぐ」 によせて ・ 「賢者の贈りもの」 (O・ヘンリー作) …4枚の手描きの絵付け皿とともに 他多数 「朗読の豊かさ」 とは、 作品が有している力と聞き手の聞く力や感受する力、想像力、 そし て読み手の読みの力と声の持つ力とがうまく調和したものだと捉えます。 読み手である私は、 まず作品の内容をいかに読み深めていくか、 そのために黙読する力を養うことに重きを置いて います。 その上で作品をどう表現するかに取り組みます。 例えば、 印象的な場面をどのような 声で届けるか、 さらには、 聞き手の想像力を豊かなものにするために音楽が必要か否かなどを 考えその世界を創造していくのです。 複雑化する社会の中で、 未来を担う子どもたちが読書や朗読を聞くことを通して感性を磨き、 表現力を高め、 想像力を豊かにすることはとても重要だと感じます。 願わくば 「音読」 (書か れた文字を単に声に出す) を越え、 きちんと読み取って考えて声に出す 「朗読」 の力を身につ けてほしいと思います。 そして、 豊かな朗読の輪が広がり、 ひいては朗読を 「文化芸術」 とし て高めていくことができればと願っています。 ― 119 ―