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建築物の省エネルギー政策の動向 - 一般社団法人 日本サステナブル

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建築物の省エネルギー政策の動向 - 一般社団法人 日本サステナブル
建築物の省エネルギー政策の動向
国土交通省 住宅局
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
1.住宅・建築物の省エネルギー施策について
建築物部門(住宅・非住宅)におけるエネルギー消費
●他部門(産業・運輸)が減少する中、建築物部門のエネルギー消費量は著しく増加し(90年比で約34%増、73年比で約2.4倍)、
現在では全エネルギー消費量の1/3を占めている。
⇒建築物部門の省エネルギー対策の抜本的強化が必要不可欠。
【最終エネルギー消費の推移】
【シェアの推移】
1990年比
(ペタジュール)
(ペタジュール)
8,000
産業部門
▲12.5%
7,000
18,000
16,000
(73年比▲15.9%)
14,000
6,000
建築物部門
+33.5%
5,000
(73年比+144.3%)
4,000
12,000
産業部門
10,000
43.0%
50.3%
運輸部門
3,000
2,000
▲0.7%
8,000
(73年比+75.7%)
6,000
非住宅 +44.6%
(73年比+186.0%)
1,000
住宅 +20.0%
(73年比+101.1%)
65.5%
4,000
2,000
18.1%
非住宅 9.2%
住宅 8.9%
建築物部門
26.5%
非住宅 14.6%
住宅 11.9%
23.2%
運輸部門
34.5%
非住宅 20.6%
住宅 14.0%
22.5%
16.4%
(年度)
出典:平成25年度エネルギー需給実績(速報)(資源エネルギー庁)
0
1973
1975
1977
1979
1981
1983
1985
1987
1990 1989
1991
1993
1995
1997
1999
2001
2003
2005
2007
2009
2011
2013
1973
1975
1977
1979
1981
1983
1985
1987
1989
1990
1991
1993
1995
1997
1999
2001
2003
2005
2007
2009
2011
2013
0
(年度)
出典:平成25年度エネルギー需給実績(速報)(資源エネルギー庁)
省エネ基準適合率の推移
• 大規模建築物(非住宅)については、これまでの規制強化により、省エネ基準適合率が約9割に達している。
• 住宅については、かつては20%未満であった省エネ基準適合率が、近年約3~5割で推移している。
新築建築物(非住宅)における
省エネ判断基準適合率(推計値)※の推移
(単位:%)
(単位:%)
(平成11年[1999年]基準)
100
85
90
80
70
87
85
83
85
88
93
74
69
50
50
40
34
34
59
64
53
35
90
全体推計
80
届出 第一種(2,000㎡以上)
70
届出 第二種(300~2,000㎡)
60
50
43
43
40
30
第一種(2,000㎡以上)
20
第二種(300~2,000㎡)
10
0
(平成11年[1999年]基準)
100
93
85
70
60
新築住宅における
省エネ判断基準適合率(推計値)※の推移
30
20
10
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2003年4月より省
エネ措置の届出
を義務付け
2010年4月より省
エネ措置の届出対
象を拡大
※ 当該年度に建築確認された建築物のうち、省エネ判断基準(平成11年
基準)に適合している建築物の床面積の割合
26
0
3
7
9
12
15
15
15
16
47
44 42
53
49
43
18
34
1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
2006年4月より省
エネ措置の届出
を義務付け
2010年4月より省
エネ措置の届出対
象を拡大
※ 全体推計は住宅の断熱水準別戸数分布調査による推計値(戸数の割合)。
第1種、第2種は当該年度に届出された建築物のうち、省エネ判断基準
(平成11年基準)に適合している建築物の床面積の割合
住宅・建築物の省エネ施策の展開 (S54~H26)
分類
1970~
1980~ 1990~
2000~
2010~
・1979年~ 省エネ法(努力義務)
・2003年~
① 省エネ法に
基づく規制
(届出義務)
{2000㎡以上の非住宅建築物の建築}
・2006年~ (届出義務の拡大)
・1980年~
{2,000㎡以上の住宅の建築}
{2,000㎡以上の住宅・建築物の大規模改修等}
・2009年~ (住宅トップランナー制度の導入)
省エネ基準1980年版
{住宅事業建築主(150戸/年以上)が新築する戸建住宅}
・1992年~
・1993年~
住宅1992年版(強化)
非住宅1993年版(強化)
・1999年~
・2010年~ (届出義務の拡大)
{300㎡以上の住宅・建築物の建築}
省エネ基準1999年版(強化)
・2013年~
省エネ基準2013年版(一次エネルギー消費量基準)
・2000年~ <住宅の品質確保の促進等に関する法律> 住宅性能表示制度
② 省エネ性能の
表示・情報提供
・2001年~ 建築環境総合性能評価システム( CASBEE)
・2009年~ <省エネ法>住宅省エネラベル
・2014年~ 建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)
融
資
・2007年~ フラット35S(住宅ローン金利優遇)
・2008年~ 住宅・建築物省CO2先導事業
予
・2008年~ 省エネ改修推進事業
・2010年~ 住宅エコポイント
算
③ インセンティブ
の付与
・2012年~ 住宅のゼロ・エネルギー化推進事業
・2014年~ 長期優良リフォーム推進事業
・2014年~ スマートウェルネス住宅等推進事業
・2008年~ 省エネリフォーム促進税制
税
・2013年~ 建築物の省エネ投資促進税制
制
・2009年~ <長期優良住宅の普及の促進に関する法律>
長期優良住宅認定制度(住宅ローン減税、固定資産税引き下げ等)
・2012年~<都市の低炭素化の促進に関する法律>
低炭素建築物認定制度(住宅ローン減税等)
新しいエネルギー基本計画 (平成26年4月11日閣議決定)
<住宅・建築物の省エネ施策関連抜粋>
第2節 徹底した省エネルギー社会の実現と、スマートで柔軟な消費活動の実現 (本文)
1.各部門における省エネルギーの強化
(1)業務・家庭部門における省エネルギーの強化
(略)
さらに、省エネルギー性能の低い既存建築物・住宅の改修・建て替えや、省エネルギー性能等も含
めた総合的な環境性能に関する評価・表示制度の充実・普及などの省エネルギー対策を促進する。ま
た、新築の建築物・住宅の高断熱化と省エネルギー機器の導入を促すとともに、より高い省エネルギ
ー性能を有する低炭素認定建築物の普及促進を図る。
政府においては、公共建築物の他、住宅やオフィスビル、病院などの建築物において、高断熱・高
気密化や高効率空調機、全熱交換器、人感センサー付LED照明等の省エネルギー技術の導入により
、ネット・ゼロ・エネルギーの実現を目指す取組を、これまでに全国約4,000件支援してきてい
るところである。
今後は、このような取組等を通じて、建築物については、2020年までに新築公共建築物等で、
2030年までに新築建築物の平均でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を実現することを
目指す。また、住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅
の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指す。
さらに、こうした環境整備を進めつつ、規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、
2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準の適合を義務化する。
(略)
「日本再興戦略」改訂2014
(平成26年6月24日閣議決定)
テーマ2:クリーン・経済的なエネルギー需給の実現 (本文)
<平成25年6月14日閣議決定>
(2)個別の社会像と実現に向けた取組 ③エネルギーを賢く消費する社会
Ⅱ)解決の方向性と戦略分野(市場・産業)及び当面の主要施策
(略)また、近年エネルギー消費量が著しく増大(石油危機以降2.5倍)している家庭・業務部門を中心と
した省エネの最大限の推進を図る。そのため、燃料電池の導入や住宅・ビルの省エネ基準の段階的適合義務
化、既存住宅・ビルの省エネ改修の促進、トップランナー制度の適用拡充、ネット・ゼロ・エネルギー化等
を図る。また、生活の質を向上させつつエネルギー消費量を削減するライフスタイルの普及を進める。
○住宅・建築物の省エネ基準の段階的適合義務化
• 規制の必要性や程度、バランス等を十分に勘案しながら、2020年までに新築住宅・建築物について段階的
に省エネ基準への適合を義務化する。これに向けて、中小工務店・大工の施工技術向上や伝統的木造住宅
の位置付け等に十分配慮しつつ、円滑な実施のための環境整備に取り組む。
• 具体的には、省エネルギー対策の一層の普及や住宅・建築物や建材・機器等の省エネルギー化に資する新
技術・新サービス・工法の開発支援等を実施する。
中短期工程表「クリーン・経済的なエネルギー需給の実現⑤」 <平成26年6月24日閣議決定>
2013年度
エネルギーを賢く消費する社会
の実現①
2013年度
2014年度
通常国会
通常国会
2015年度 2016年度 2017年度~
概算要求
2014年度 秋
税制改正要望等
概算要求
税制改正要望等
秋
年末
2015年度
通常国会
年末
通常国会
2016年度
2017年度~
KPI
KPI
<住宅・建築物の省エネ基準の段階的適合義務化>
・省エネ基準に一次エネルギー消費量基準を導入
(2013年4月、10月施行)
・一次エネルギー消費量等級を住宅性能評価基準に導
入(2014年2月)。「建築物省エネルギー性能表示制度
(BELS)」を開始(2014年4月)。
・環境・ストック活用推進事業等による住宅・建築物の
省エネ化の推進
・大工・工務店向け省エネ技術講習会を実施
新築住宅・建築物の省
エネ基準への段階的適
合義務化(建築物・大
規模から)
ZEBの実現・ZEHの加速的な普及
(住宅・建築物)
・新築住宅・ビルの
省エネ基準適合率
100%(2020年目
途)
・(住宅)2030年の
新築住宅が平均で
ZEHを実現
・(建築物)2030
年の新築建築物が
平均でZEBを実現
2.改正省エネルギー基準の概要
省エネ法に基づく省エネルギー基準の見直しの必要性
 現行の省エネ基準は、建物全体の省エネ性能を客観的に比較しにくいこと等から、一次エネルギー消費量を指標とし
て建物全体の省エネ性能を評価できる基準に見直す必要。
現行の省エネルギー基準の課題
 外皮の断熱性や設備の性能を建物全体で一体的に評価できる基準になっておらず、建築主や購入者等が
建物の省エネ性能を客観的に比較しにくい。
 住宅と建築物で省エネ性能を評価する指標や地域区分が異なる。
 省エネ効果以外にも、太陽光発電の設置による自家消費について積極的に評価する必要がある。
<建築物の基準特有の課題>
<住宅の基準特有の課題>
• 外皮の断熱性及び個別設備の性能を別々に評価する基準
となっており、建物全体で省エネ効果の高い取組を適切に評
価できない。
• 外皮の断熱性のみを評価する基準となっており、省エネ効
果の大きい暖冷房、給湯、照明設備等による取組を評価で
きない。
• 基準が「事務所」、「ホテル」など建物用途ごとに設定されて
いるため、複合建築物の省エネ性能を適切に評価できない。
• 一次エネルギー消費量による評価を行う住宅トップランナー
基準でも、120㎡のモデル住宅における省エネ性能しか評
価できない。
省エネルギー基準の見直しの方向性
 住宅と建築物の省エネ基準について、国際的にも使われている一次エネルギー消費量を指標として、同一の考え
方により、断熱性能に加え、設備性能を含め総合的に評価できる基準に一本化。
 その際、室用途や床面積に応じて省エネルギー性能を評価できる計算方法とする。また、太陽光発電の設置によ
る自家消費については積極的に評価する。
H25省エネルギー基準の見直しの全体像
●外皮の断熱性能及び設備性能を総合的に評価する一次エネルギー消費量を導入
(複合用途含め建築物全体の省エネ性能を比較することが可能)
●非住宅建築物の外皮基準をPAL*(パルスター)に見直し(一次エネルギー消費量基準と整合がとれた外皮基準)
●住宅の外皮基準を外皮平均熱貫流率(UA)等に見直し(住宅の規模・形状の影響を受けにくい基準。UA等の簡易計算法も策定。)
●簡易評価法・仕様基準を見直し(非住宅モデル建物法、住宅の外皮・設備の仕様基準等)
【性能基準(計算ルート)】
改正前(平成11年基準)
非
住
宅
建
築
物
PAL
外皮
空調
CEC/AC
空調※1
換気
CEC/V
換気
給湯
CEC/HW
給湯
照明
CEC/L
照明
CEC/EV
昇降機
住宅
外皮 年間暖冷房負荷
または
Q値(熱損失係数)
μ値(夏期日射取得率)
暖冷房
なし
換気
なし
給湯
なし
照明
なし
改正前
改正後(平成25年基準)
外皮
昇降機
【非住宅建築物の簡易評価法】
判断基準
外皮
PAL*(パルスター)
一次エネルギー消費量
簡易な
ポイント法
モデル建物法
外皮
外皮
PAL*簡易評価法
空調
空調
換気
-
給湯
給湯
照明
照明
昇降機
-
改正前
換気
仕様基準
一次エネルギー消費量
外皮の仕様
(共同住宅の共用部分については、昇降機も対象)
一次エネ
簡易評価法
【住宅の仕様基準】
暖冷房※1
照明
設計施工指針
ポイント法
UA値(外皮平均熱貫流率)
ηA値(冷房期の日射熱取得率)
給湯
(共同住宅の共用部分については、換気、照明、昇降機が対象)
改正後
暖冷房:なし
改正後
仕様基準
(当分の間※2)
外皮の仕様※3
暖冷房設備の仕様
換気
:なし
換気設備の仕様
外皮 UA、ηA簡易計算法(部位別仕様表)
給湯
:なし
給湯設備の仕様
暖冷房※1等
照明
:なし
照明設備の仕様
※1 外皮性能を考慮。
一次エネルギー消費量
※2 設計施工指針附則に規定。
※3開口部比率に応じて、基準値を見直し。
非住宅 施行スケジュール
H25/4/1
外皮
判
H
断
1
基
1
準
PAL
ポイント法
簡易なポイント法
PAL*
H26/4/1
H27/4/1
経過措置(新築・改築は1年)
廃止
経過措置(改修等は当分の間)
経過措置(1年)
廃止
1/31
公布
PAL(存置)
判
H
断
2
基
5
準
H25/10/1
9/30
公布
※低炭素認定基準も改正
[告示改正]
施行
試行版
プログラム
(モデル建物法(PAL*))
適用開始
[告示の運用]
設備・一次エネ
判
H
断
1
基
1
準
CEC
ポイント法
簡易なポイント法
1/31
公布
判
H
断
2
基
5
準
一次エネ
(主要室入力法)
(モデル建物法(一次エネ))
[告示の運用]
経過措置(新築・改築は1年)
廃止
経過措置(改修等は当分の間)
完全施行
施行
試行版
プログラム
適用開始
完全施行
3.非住宅に係る省エネルギー基準の改正
従前の建築物の省エネ基準
●建築物の省エネ基準は、建築計画や外皮設計(ガラスの仕様、断熱材の厚さ等)などの断熱性能に関わる
基準「PAL」と建築設備の省エネルギー性能に関わる基準「CEC」からなる。
●「CEC」は、建築設備毎に基準を規定している。【CEC/AC(空調設備)、CEC/V(機械換気設備)、CEC/L(照
明設備)、CEC/HW(給湯設備)、CEC/E(昇降機)】
●省エネ基準「PAL」および「CEC」は、建物用途別に規定している。
【事務所、ホテル、病院、物販店舗、飲食店、学校、集会所、工場】
●省エネ基準は1980(昭和55)年に制定され、1993(平成5)年、1999(平成11)年に順次強化。
●各省エネ基準に適合する建築物における
エネルギー消費量の比較
●建築物の省エネルギー対策のイメージ
◇空調
・風量制御 など
1
1
0.925
0.9
0.85
0.8
◇照明
・昼間の明るさを利用して、
照明エネルギーの削減
・高効率照明の採用
0.75
0.7
0.6
25%点灯 50%点灯 70%点灯
昼光
750lx 750lx 750lx
750lx
0.5
S55年基準以前
◇日射量のコントロール
日射
屋外側
ルーバー(日よけ)
日射量カット
室内側
◇外壁等の断熱
◇エレベーター
・省エネ型機器の採用
◇給湯器
・省エネ型機器(ヒートポ
ンプ等)の採用
・配管の断熱
S55年基準
H5年基準
H11年基準
※ S55年基準以前(従来型)の建築物におけるエネルギー消費量
を1としたとき、それと同等の室内環境等を得るために必要な
エネルギー消費量(エネルギー消費指数)
非住宅建築物の省エネ基準の見直し【一次エネ:平成25年4月1日施行(経過措置1年),平成26年4月1日完全施行】
【PAL*:平成26年4月1日施行(経過措置1年),平成27年4月1日完全施行】
見直し後の省エネ基準
○一次エネルギー消費量に関する基準
○外皮の熱性能に関する基準
・外皮性能の重要性や温熱環境の確保の
観点から、現行省エネ基準(H11基準)レベ
ルの断熱性等を求める。
・ただし、指標については一次エネルギー消
費量と整合を図るため、PALからPAL*
(パルスター)へ見直す。
・外壁や窓の断熱性
・以下の設備の性能
・空調
・照明
・換気
・給湯
・昇降機
・太陽光発電等による創エネルギーの取組
+
総合的に評価
(参考)現行の省エネ基準
○外壁や窓の断熱性と空調、照明、換気、給湯、
昇降機の設備の効率を個別に評価
◇外壁、窓等
○昭和55年に制定され、平成5年、平成11年に順次強化
1
1
0.925
・断熱材による外壁の断熱性強化 等
・空調機、熱源機の高効率化 等
◇照明設備
・高効率照明器具の導入 等
◇換気設備
・インバータによる風量制御 等
◇給湯設備
・高効率給湯器の採用 等
◇昇降機
・速度制御方式の導入 等
0.9
それぞれ個別評価
◇空調設備
0.85
0.8
0.75
0.7
0.6
0.5
S55年基準以前
S55年基準
H5年基準
H11年基準
※S55年基準以前(従来型)の建築物におけるエネルギー消費量
を1としたとき、それと同等の室内環境等を得るために必要な
エネルギー消費量(エネルギー消費指数)
非住宅建築物の省エネルギー基準等の改正(概要)
改正前
(平成11年基準)
改正後
注1
(平成25年基準)
PAL
PAL*
設
備
CEC
一次エネルギー消費量
【通常の計算法/主要室入力法】
外
皮
ポイント法(外皮)
簡易なポイント法(外皮)注3
モデル建物法注2
(PAL*)
設
備
ポイント法(設備)
簡易なポイント法(設備)注3
モデル建物法注2
(一次エネルギー消費量)
外
皮
指標の見直し
5,000㎡以下の
簡易評価法の見直
し
注2
注1 平成25年基準の内容は、公布時期によって施行する時期が異なる(経過措置後、全て施行されるのは平成27年4月)
注2 主要室入力法は低炭素認定基準にも適用(モデル建物法は適用しない)
注3 2,000㎡以下に限る
① PAL(年間熱負荷係数)に代わる外皮の評価方法について
【平成26年4月1日施行(経過措置1年)】
【平成27年4月1日完全施行】
新たな外皮基準(PAL*)の考え方
■旧PALの考え方を踏襲しつつ、計算条件等を一次エネルギー消費量計算の条件と統一
■計算を簡略化(一次エネルギー消費量の計算用WEBプログラムを改良し、自動計算を可能とする)
(1)PAL*の定義
旧PAL同様、ペリメーターゾーン(屋内周囲空間)の年間熱負荷
をペリメーターゾーンの床面積で除した値とする。
PAL*=
ペリメーターゾーンの年間熱負荷
ペリメーターゾーンの床面積
(2)計算の前提
①年間熱負荷の計算条件について
PAL*の計算条件を、一次エネルギー消費量計算の条件と統一
・地域区分
(旧PAL:12地域区分
一次エネ:8地域区分)
・建材の物性値 (旧PAL:住宅と非住宅で異なる
一次エネ:住宅と非住宅で同じ)
・室使用条件
(空調時間、内部発熱、換気量等)
・外気負荷及び内部発熱について潜熱も考慮
②ペリメーター面積の算出方法について
・煩雑な手計算が必要であったペリメーター面積の算出方法を簡略化
・算出方法の見直しにより、規模補正係数を廃止
(3)基準値の設定
①基準値の考え方
・求められる外皮性能については旧PALと同水準に設定
・旧PALとの相関分析を行うことにより、基準値を決定。
②基準値の細分化
・ホテル、病院、集会所について、使用条件が大きく異なる室用途で基準値を細分化(例:ホテルの客室と宴会場部)
②-1建築物の一次エネルギー消費量基準の考え方
【平成25年4月1日施行(経過措置1年)】
【平成26年4月1日完全施行】
 評価対象となる建築物において、①共通条件の下、②設計仕様(設計した省エネ手法を加味)で算定した値(設計一次エネルギー
消費量)が、③基準仕様で算定した建築設備(暖冷房、換気、照明、給湯、昇降機)に係る一次エネルギー消費量に、事務機器等
に係る一次エネルギー消費量を足した値(基準一次エネルギー消費量)以下となることを基本とする。
<建築物の一次エネルギー消費量基準における算定のフロー>
①共通条件(地域区分、室用途、床面積等)
空調エネルギー消費量
ESAC
EAC
③基準仕様
EL
ESL
EW
ESW
【負荷の削減】
給湯エネルギー消費量
• 外皮の断熱化
• 日射の遮蔽
• 照明制御
• 節湯型器具の採用
• 太陽熱温水器の設置
+
ESEV
EEV
+
昇降機エネルギー消費量
+
事務・情報機器等
エネルギー消費量※ EM
事務・情報機器等
エネルギー消費量※ EM
-
ES
基準一次エネルギー消費量
照明エネルギー消費量
+
+
昇降機エネルギー消費量
換気エネルギー消費量
+
+
給湯エネルギー消費量
【効率化】
設備効率の向上
EV
ESV
+
照明エネルギー消費量
②設計仕様 (省エネ手法を加味)
+
+
換気エネルギー消費量
空調エネルギー消費量
EST
≧
ET
エネルギー利用効率化設備
によるエネルギー削減量
事務・情報機器等の省エネ手法は考慮しない
【エネルギーの創出】
太陽光発電設備、コージェネレーション設備の
設置
設計一次エネルギー消費量
※ 事務・情報機器等エネルギー消費量(建築設備に含まれないため、省エネルギー手法は考慮せず、床面積に応じた同一の値を設計一次エネルギー消費量及び基準一次エネルギー消費量の両方に使用する。
②-2建築物の室用途ごとの床面積に応じた基準一次エネルギー消費量の設定
 建物全体の基準一次エネルギー消費量は、室用途毎・設備毎に定める基準一次エネルギー
消費量を用いて算出。
①室用途毎に分類し床面積を集計
②室用途毎の基準一次エネルギー消費量を用いて、
設備毎の基準一次エネルギー消費量を算出 [例:空調]
<建築物>
事務室
会議室
ロビー
室用途
空調の基準値
(GJ/㎡・年)
床面積
各室用途毎の合計(GJ/年)
(基準値×床面積)
事務室
1.0
2,000
2,000
会議室
0.8
1,000
800
ロビー
0.9
500
450
更衣室
1.0
200
200
3,700
3,450
合計
更衣室
設備毎の基準
一次エネルギー
消費量(GJ/年)
全室用途
=∑
室用途毎の設備毎の
基準一次エネルギー
消費量(GJ/㎡・年)
室毎の
×面積(㎡)
③設備毎の基準一次エネルギー消費量を合計し、建物全体の基準一次エネルギー消費量を算出
全設備
建物全体の基準一次エネルギー
消費量(GJ/年)
=∑
設備毎の基準一次エネルギー
消費量(GJ/年)
②-3室用途ごとの床面積あたりの基準一次エネルギー消費量の設定の考え方
 室用途の構成によるエネルギー消費量の違いが考慮できるよう、201の室用途ごとに、基準一
次エネルギー消費量を設定。(現行のPAL/CECでは、建物用途ごとに基準値を設定。)
○ 各設備毎に実態調査による設備使用時間等に基づき、エネルギー負荷を算出。
設備
空調設備
換気設備
照明設備
給湯設備
項目
年間空調時間、照明発熱、在室者数、機器発熱 等
年間換気時間、換気回数、換気方式、全圧損失 等
年間点灯時間、設定照度、器具形式、保守率 等
年間給湯日数、単位湯使用量 等
○ 平成22~23年度に届出が行われた省エネ計画書に基づき、基準値の基となる躯体及び設備の仕様を設定し、基準
一次エネルギー消費量を算出。
○事務所等
8建物用途
設備
設備
室用途
設備
室用途
設備
空調
換気
照明
給湯
室用途
設備
空調
換気
照明
給湯
室用途
設備
空調
換気
照明
給湯
室用途
設備
空調
換気
照明
給湯
設備
872
0
498
16
事務室 室用途
空調
換気
照明
給湯
室用途
換気
照明
給湯
室用途 空調
空調
換気
照明
給湯
空調
換気
照明
給湯
912
0
231
39
会議室
事務所等
ホテル等
病院等
物販店舗等
学校等
飲食店等
集会場等
工場等
[単位:MJ/㎡・年]
それぞれ
室用途に展開
更衣室
780
138
202
768
2,677
0
1,171
36
・・・・
中央監視室
201室用途
③一次エネルギー消費量計算の入力簡略化【主要室入力法】について
【平成26年4月1日適用開始】
主要室入力法の考え方
□建物全体のエネルギー消費に占める割合の少ない小部屋の入力作業の簡略化を目的に、計算対象室
について、「主要室」と「非主要室」に分類。
□「非主要室」については、外皮や設備の仕様入力は省略し、その設計一次エネルギー消費量は、非主要
室の基準一次エネルギー消費量に一定の割増し係数を掛けて算出
□割増し係数については、標準仕様よりも性能の劣る仕様が採用された場合を想定して設備ごとに設定。
□標準入力法(通常の計算法)よりも若干安全側の計算結果となる。
主要室入力法のイメージ
=
基準値EST ≧ 設計値ET
主要室の設計一次エネルギー消費量
+非主要室の基準一次エネルギー消費量
×割増し係数
事務所1階
■:主要室
■:非主要室
□:計算対象外の室
主要室の省エネ性を高める必要があるが、入力の簡素
化が図られる。
④旧ポイント法に代わる簡易評価法【モデル建物法(PAL*)】について
【平成26年4月1日適用開始】
モデル建物法(PAL*)の考え方
旧ポイント法に代わる外皮の簡易評価法(モデル建物法(PAL*))は、基本的な計算方法はPAL*と同様
としつつ、入力簡素化を図る。
適用規模は、旧ポイント法と同じ5000㎡以下とする。
□PAL*同様、ペリメーターゾーン(屋内周囲空間)の年間熱負荷をペリメーターゾーンの床面積で除した値を指標とし、
その基準値は、PAL*の基準値と同じ値とする。
□建物形状を単純化、室用途区分を簡略化して扱うことにより、外皮面積の拾い作業・入力作業を削減。
・室用途を空調室、非空調室の2用途として計算(PAL*は201室用途毎に外皮面積を拾い、室用途ごとに計算。)
機械室*
湯沸室
社員食堂
会議室
事務室
エレベーター
シャフト※
事務室
空調室
エレベーター
シャフト
(事務室として計算)
電気室*玄関ホール 喫茶店客室
<PAL*イメージ(事務所)>
・※で示す室を非空調室として計算。
・それ以外の室は、室ごとに計算。
<モデル建物法(PAL*)イメージ(事務所)>
・1階から最上階まで平面図上で同位置
にあるエレベーターシャフト等の非空調コア
部のみを非空調室として計算。
・それ以外の室は、空調室(事務室)として計算。
□PAL*の通常の計算法に比べて、計算が簡易な代わりに計算結果は安全側(旧ポイント法と同等)になるよう設定。
□簡易評価法用のWebプログラムを開発。
⑤旧ポイント法に代わる簡易評価法【モデル建物法(一次エネルギー消費量)】について
【平成26年4月1日適用開始】
モデル建物法(一次エネルギー消費量)の考え方
□旧ポイント法に代わる設備の簡易評価法(モデル建物法(一次エネルギー消費量)は、基本的な計算方法は、
標準入力法(通常の計算法)と同様としつつ、入力の簡素化を図る。
□適用規模は旧ポイント法と同じ5000㎡以下とする。(評価項目も旧ポイント法とほぼ同様)
・ 建物用途毎に設定するモデル建物により、各室の面積・天井高の入力など大幅削減。(入力数約120→約
60)。
・ モデル建物に、採用する各設備や外皮の主な仕様のみを入力。
・ 標準入力法に比べて、計算が簡易な代わりに計算結果は安全側(旧ポイント法と同等)になるよう設定。
モデル建物法(一次エネルギー消費量)のイメージ(標準入力法(通常の計算法)との比較)
標準入力法
(通常の計算法)
各室面積+各室の外皮・設備仕様
を入力し計算
標準入力法による設計値
標準入力法による基準値
当該建物
WEB プログラム
モデル建物法
BEI
モデル建物
モデル建物に、採用する各室の主な
外皮・設備仕様のみをweb上で選択
入力し計算(面積計算は不要)
モデル建物法による設計値
モデル建物法による基準値
事務所モデル建物1階
【参考】 非住宅評価ツールの組合せ
□独立行政法人建築研究所(協力:国土交通省国土技術政策総合研究所)にて、外皮及び一次エネルギー消
費量の各種評価ツールが開発されている。
□外皮と一次エネの評価において、採用できるツールの組合せは複数あるが、外皮と一次エネを評価する際に
重複作業等が生じないよう各ツールが作成されている。
□具体的には、「PAL*算定用WEBプログラムと一次エネルギー消費量算定用WEBプログラム」、「外皮・一
次エネともにモデル建物法入力支援ツール」の組合せを想定し、外皮仕様の入力項目において重複作業が
発生しないよう配慮がなされている。
外皮の評価ツール
PAL*算定用WEBプログラム
一次エネの評価ツール
一次エネルギー消費量
算定用WEBプログラム
標準入力法
(通常の計算法)
or
主要室入力法
簡易評価ツール(5,000㎡以下に限る)
モデル建物法入力支援ツール
モデル建物法入力支援ツール
(PAL*)
(一次エネルギー消費量)
住宅・建築物の省エネルギー基準及び低炭素建築物の認定基準に関する技術情報(建築研究所HP):http://www.kenken.go.jp/becc/index.html
参考
非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(H25.10)
背景
●省エネ性能の高い建築物が市場で評価され、省エネ改修等を促すような環境整備が必要。
●現状、非住宅建築物については、省エネルギー性能に特化した表示の統一的な指標が無い。
※総合的な指標としては、CASBEEが活用されている。
●今般、省エネ基準、低炭素建築物認定基準において、建築物全体の省エネルギー性能を評価
可能な「一次エネルギー消費量基準」を導入(H25.1)。
対応
● 省エネ基準等と整合のとれた設計一次エネルギー消費量計算をベースとして、
非住宅建築物の省エネルギー性能に係る評価・表示の考え方・留意点をまとめたガイドライン
を公表[H25.10国土交通省住宅局]
<ガイドラインのポイント>
○設計時の省エネルギー性能(一次エネルギー消費量)をベースに評価
○既存建築物においても簡便に評価
・図面が残っていない場合でも、デフォルト仕様を選択することにより評価可能
・旧省エネ基準等で評価された建物も、共通指標に読み替えることにより評価可能
○専門知識を有しない者にとっても、分かりやすい表示
○規模・用途が異なる建築物の省エネルギー性能が比較評価できる評価・表示
評価機関等がこれを参考に、任意の評価・表示(第三者認証)を行うことを想定
建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の概要
[平成26年4月25日開始]
(BELS:Building Energy-efficiency Labeling System)
■非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン
(2013.10国土交通省住宅局)に基づき、 (一社)住宅性能評価・表示協会
において、省エネルギー性能に特化したラベリング制度を構築。
項目
概要
制度運営
主体
一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
対象建物
新築及び既存の非住宅建築物
評価対象
建築物全体の設計時の省エネルギー性能
※評価手法によっては、フロア単位等も可能
評価指標
・一次エネルギー消費量及び
BEI(Building Energy Index)=設計一次エネ/基準一次エネ
【評価スキーム】
表示プレートのイメージ(案)
good
申請( WEBプログラム等を
用いて省エネ性能を計算)
評価実施機関
一般申請者
評価の実施
(評価書交付、表示プレート発行)
BEI(設計値/基準値)
評価者
評価実施機関による第三者評価
評価実施者:一級建築士、建築設備士等で
第三者が行う講習を受講し修了した者
0.0
0.5
0.7
0.9
1.0
1.1
★★★★★
BEI≦0.5
★★★★ 0.5<BEI≦0.7
★★★ 0.7<BEI≦0.9
0.9<BEI≦1.0
★★
1.0<BEI≦1.1
★
BEIと☆との関係
※既存のみ
諮問「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について」(平成26年10月27日)
諮問
「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について」(平成26年10月27日
国土交通大臣より社会資本整備審議会長へ諮問)
諮問理由(抜粋)
審議経過
•我が国の業務・家庭部門におけるエネルギー消費量は、最終エネルギー消費全体の約
1/3を占めるに至っている。
•業務・家庭部門におけるエネルギー消費量の更なる削減が求められている。
•平成26年4月に閣議決定された新たなエネルギー基本計画においては、より合理的
平成26年10月27日(月)
建築分科会・建築環境部会①
「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策
のあり方について」諮問、付託
なエネルギー需給構造の実現と、温室効果ガスの排出抑制を進めていくために、徹底
した省エネルギー社会の実現や再生可能エネルギーの導入加速等が位置づけられた。
•中でも、住宅・建築物の省エネルギー化に関しては、「新築の建築物・住宅の高断熱
化と省エネルギー機器の導入」、「既存建築物・住宅の改修、建て替え」、「評価・
表示制度の充実」等を進めるとともに、将来的な目標として、2030年までに新築
建築物及び新築住宅についてそれぞれ平均でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビ
平成26年12月18日(木)
建築環境部会②
「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策
のあり方について(第一次報告)」(骨子案)
パブリックコメント
ル)、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を実現すること等を目指すこと
とされた。
•さらに「2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準の適
合を義務化する」こととされたところである。
•段階的な義務化のあり方については、建築物の規模や住宅・非住宅の別等によって、
省エネルギー措置による効果、建築主・設計者・施工者等の能力・資力及び行政等執
平成27年1月16日(金)
建築環境部会③・建築分科会
「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策
のあり方について(第一次報告)」
取りまとめ
行側に求められる体制等が異なることに留意して検討を進める必要がある。
•このような状況を踏まえ、今後の住宅・建築物の省エネルギー対策の具体的なあり方
について検討する必要がある。
1月28日(水)
「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策の
あり方について(第一次答申)」
社会資本整備審議会 第一次答申(平成27年1月28日)
「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について(第一次答申)」の概要
はじめに
・我が国はエネルギーの大半を海外に依存し、特に東日本大震災以降、エネルギー需給構造の安定化が不可欠
・建築物分野で消費されるエネルギーは、我が国全体の1/3を占め、他部門と比べ増加が顕著
→建築物分野の省エネルギー化が喫緊の課題
1 民生部門の省エネルギー化に向けた規制的手法のあり方関連
(1)建築物及び省エネルギー基準の特性に応じた規制的手法のあり方
新築の際の基準適合義務化、特例的扱いの対象(文化財再現建築物等、仮設建築物等)、伝統的構法の扱いについて検討必要 等
(2)段階的な基準適合義務化のあり方
1)当初義務化する際の対応関連
対象:新築の大規模非住宅建築物
基準:一次エネルギー消費量基準
審査体制:民間機関の活用
2)義務化対象範囲の拡大に向けた対応関連
中規模建築物に対する指導強化(勧告→指示等)、執行体制の充実強化、設計者・中小工務店等の負担軽減
※住宅の義務化については、建築主に一般消費者が含まれること(注文住宅)、基準適合率、中小工務店・大工の対応状況、審査側の体制、
断熱化の意義等を総合的に勘案し、義務化する時期、手法、基準の内容・水準を検討する必要がある
特に小規模建築物の義務化については、資格者の関与による手続きの合理化や建築主の特性に応じた規制のあり方等の検討が必要
(3)既存建築物における適切な対応を確保する方策のあり方
増改築時届出の際の指導強化、改修工事に係る届出対象の合理化、維持保全状況に係る定期報告の廃止
2 新築時の高度な省エネルギー対応、既存建築物の省エネルギー性能向上、エネルギーの使用の合理化を誘導する方策のあり方関連
(1)新築時の高度な省エネルギー対応を誘導する方策関連
高度な省エネルギー対応を認定・支援、環境性能の評価・表示制度の普及・活用、ZEH・ZEB等の推進、住宅事業建築主による性能向上、
支援制度や表示制度等を通じた外皮性能の確保、賃貸住宅の省エネルギー化
(2)既存建築物の省エネ性能向上及びエネルギー使用の合理化を誘導する方策関連
規制合理化による改修円滑化、段階的・計画的な改修の推進、先導的対応支援、評価・表示制度、スマートウェルネス住宅の推進、
マネジメントの適正化に向けた支援、省エネルギー行動等の推進
(3)その他
集約型都市構造への転換、街区・まちづくりレベルでの総合的な取組みの推進
●建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律
<施行予定日:規制措置は公布の日から2年以内、誘導措置は公布の日から1年以内>
■社会経済情勢の変化に伴い建築物におけるエネルギーの消費量が著しく増加していることに鑑み、建築物のエネルギー消費性能の向上を図るため、住
宅以外の一定規模以上の建築物のエネルギー消費性能基準への適合義務の創設、エネルギー消費性能向上計画の認定制度の創設等の措置を講ずる。
背景・必要性
○我が国のエネルギー需給は、特に東日本大震災以降一層逼迫しており、国民生活や経済活動への支障が懸念
○されている。
○他部門(産業・運輸)が減少する中、建築物部門のエネルギー消費量は著しく増加し、現在では全体の1/3を
○占めている。
⇒建築物部門の省エネ対策の抜本的強化が必要不可欠。
法律の概要
● 基本方針の策定(国土交通大臣)、建築主等の努力義務、建築主等に対する指導助言
特定建築物
一定規模以上の非住宅建築物(政令: 2000㎡ )
省エネ基準適合義務・適合性判定
規 制 措 置
① 新築時等に、建築物のエネルギー消費性能基準(省エネ基準)への適合義務
② 基準適合について所管行政庁又は登録判定機関(創設)の判定を受ける義務
③ 建築基準法に基づく建築確認手続きに連動させることにより、実効性を確保。
建築主事又は指定確認検査機関
建築確認
所管行政庁又は登録判定機関
適合判定通知書
適合性判定
着工
建築物使用開始
誘 導 措 置
建築物の所有者は、建築物が省エネ基準に適合
することについて所管行政庁の認定を受けると、
その旨の表示をすることができる。
届出
一定規模以上の新築、増改築に係る計画の所管行政庁への届出義務
<省エネ基準に適合しない場合>
必要に応じて所管行政庁が指示・命令
住宅事業建築主*が新築する一戸建て住宅 *住宅の建築を業として行う建築主
住宅トップランナー制度
住宅事業建築主に対して、その供給する建売戸建住宅に関する省エネ性能の
基準(住宅トップランナー基準)を定め、省エネ性能の向上を誘導
<住宅トップランナー基準に適合しない場合>
一定数(政令:年間150戸)以上新築する事業者に対しては、必要に応じて大臣
が勧告・公表・命令
検査
エネルギー消費性能の表示
その他の建築物 一定規模以上の建築物(政令: 300㎡ ) ※特定建築物を除く
省エネ性能向上計画の認定、容積率特例
新築又は改修の計画が、誘導基準に適合すること
等について所管行政庁の認定を受けると、容積率
の特例*を受けることができる。
*省エネ性能向上のための設備について通常の建築物の
床面積を超える部分を不算入
● その他所要の措置(新技術の評価のための大臣認定制度の創設 等)
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