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バイオマスの利活用に関する法規制に関する検討WG 新しいビジネス
2013/10/28 平成25年7月10日(水) 平成25年度 北海道バイオマスネットワーク会議 事例報告・検討会 「バイオマスの地域循環、その実用化ステージにおける連携と課題」 利活用検討部会 バイオマスの利活用に関する法規制に関する検討WG 新しいビジネスモデル提案に向けて WGリーダー 石井一英 (北海道大学大学院工学研究院 准教授 NPOバイオマス北海道 理事) ドイツの最終消費エネルギー量に占める再生可能 エネルギーの割合(2012) 出典;Development of renewable energy sources in Germany in 2012 2 1 2013/10/28 電気、熱、燃料に消費量に対する各再生可能 エネルギー源のシェア(2011年と2012年) 出典;Development of renewable energy sources in Germany in 2012 3 ユンデ村のバイオエネルギーシステム 牛ふん コーン (スラリーor 固形) (一部外部より購入) 30 m3/day 液肥 林地残材 バイオガス プラント バイオガス ガスエンジン 700 kW 380 m3/h CH4 53% CHP 売電 1600 kW チップ 熱 550 kW 木質チップボイラー 1 million kWh/y 電力会社 重油ボイラー (冬季) 熱 熱 温水タンク (村で必要な電気料の2倍) 22 cent/kWh 260L/h 乾燥機 4 million kWh/y 5 million kWh/y 重油 1,200 m3/y 35 t/day 温水 50 kL×2 温水配管網 温水 145世帯 配管長 5.5 km 温度 50-60度(夏), 80度(冬) (暖房、熱交換(お湯) 2 2013/10/28 ユンデ村のバイオエネルギープロジェクトの経緯 2001年 秋 計画開始 ・ゲッチンゲン大学による公募(17村より4村に絞り、 その後、FSによるユンデ村に決定 ・国、EUからの補助 計画予算:38万ユーロ 内訳: 273,000ユーロ (ドイツ連邦消費者保護食糧農業省補助) 56,000ユーロ (EUによる補助) 37,000ユーロ (ユンデ村の自己資金) 2005年 プラント建設開始 事業者:組合方式 ・熱利用者、農家、他の村の人、スポンサー(20%以下) 建設コスト:540万ユーロ 内訳: (利率4%) 500,000ユーロ(契約世帯からの出資金、最低1500ユーロ/世帯) 3,400,000ユーロ(銀行からの借入) →国などの補助があるから投資した。 1,500,000ユーロ(国などからの補助) 1,322,000ユーロ ドイツ連邦消費者保護食糧農業省と再生可能な資源委員会 96,000ユーロ(ニーダザクセン州) 100,000ユーロ(ゲッチンゲン郡) 2005年 9月 木質チップボイラーによる熱供給開始 2006年 冬 バイオガスプラント本格稼働 ユンデ村の成功要因 ○学祭的組織(1998年発足)によるバイオエナジービレッジ構想 (社会学者、心理学者、政治学者、経済学者、農学者、地質学者) ○“国”のキーパーソンも組織に参加していた。 (なお、補助金等のプログラムのために2年間かかった。) ○構想実現できる村を探していたところ、立候補する村があった。 (17村に対してアンケート調査等を行い、4村に絞った後、 FSにより1村(ユンデ村)に決定) ○立候補した村では下記の問題を抱えていた。村長の決断が大きい。 ・農村での新たなビジネス展開の模索 ・穀物価格の下落、価格変動 ・環境問題の改善(悪臭、地球温暖化) ○熱利用者が自ら出資をする組合方式を採用し、住民のコンセンサス を得たこと(200人~2000人で成功。10,000人だと難しい) 3 2013/10/28 ユンデ村組合の収支(2007年) (ユーロ) 支出 1 資源作物の購入 459,000 Maize(コーン) 189,000 Triticale(ライ麦) 231,000 木 27,000 化石燃料 12,000 2 雇用 58,526 3 メインテナンス 165,872 4 金利 107,100 5 減価償却費 339,970 6 出資者への還元(1人3%) 81,670 合計 1,212,138 収入 (38%) 1 売電収入 2 売熱収入 3 減価償却基金 合計 901,212 173,926 137,000 1,212,138 (74%) (14%) (11%) (100%) (5%) (14%) (9%) (28%) (7%) (100%) 売電収入の目安:約 5,000,000 kwh/y×20 cent euro/kwh =1,000,000 euro FIT終了後は、エネルギー料金が現在よりも高騰している社会になっているので、 FIT終了後も、採算はとれると考えられている。 (20 m3/day) (28 t/day) 11農家(240ha)+500t/y購入 5酪農家 所有者 11農家+5酪農家+1非農家 = 17人 建設費:3.2 million euro (国内の約1/3~1/2) 従業員:1.5人 4 2013/10/28 液肥搬出タンク トラック スケール スラリー受入 タンク 攪拌機(22kW) (牛ふん尿:20 m3/day) 第1 発酵槽 3200m3 38℃ 固形物受入 槽 (Maize silage:28 t/day) 2重メンブレン構造 第2 発酵槽 3000m3 スラリー 熱交換器 液肥 貯留槽 5600m3 (液肥貯留槽からも 全体の5~10%は バイオガス回収できる) 80m3/h バイオガス 熱 CHP 売電 脱硫 (7680m3/day) CH4 = 52.5% 800kW 熱 固形堆肥 (含水率40%) 液肥乾燥設備 バイオガスプラント 発酵槽手間の二つのタンクは ふん尿受入ピット 5 2013/10/28 液肥を脱水、乾燥 (40%含水率堆肥に変換) 地域熱(電気併用)供給の法制度上の課題 ○参考資料 経済産業省 「まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用に関する研究会」 平成23年5月17日 第1回会議 7月 4日 第6回会議 8月 1日 中間取りまとめ http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy/nestu_energy/report01.html ○概要 1.基本的な考え方 ●まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用とは ●まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用の促進 2.検討の方向性 ●まちづくりと一体となった熱の有効利用の促進のための環境整備 ・推進のための枠組み、支援措置、都市基盤施設の複合化 ●熱エネルギーの有効利用に関する諸制度について ・熱供給事業法、道路占有・共同溝利用、河川熱利用、下水熱利用、地下水利用、 工場立地法 6 2013/10/28 「まちづくりと一体となった熱エネルギーの有効利用に関する研究会」 より抜粋 ・再開発地域の計画初期段階から仕組みづくり ・需要と供給サイドが一体 ・長期的な視点から、公共性がある基盤施設としての位置づけ (土木計画、都市計画、建築計画などの統合) ・老朽化が進む既成市街地での熱供給のあり方の検討 ・エリアマネジメント、区域指定(特区)が必要 ・既存熱供給地域での接続義務化 ・容積率割増などの規制緩和 ・地方公共団体による積極的な熱エネルギー有効利用 ・都市基盤施設の複合機能化 ・下水道事業と熱事業の複合 など ・支援措置 ・熱導管整備・更新・維持管理に対する支援措置が必要 ・熱供給事業者への税制優遇 課題解決に向けた法制度上のアイデア(私案) 1.目的の明確化 ・最上位の目的は、化石(輸入)燃料の利用割合を低減し、 自給率を向上させること。 (地域レベル、北海道レベル、日本レベル) 2.将来にむけた需要拡大(成長)戦略の必要性 ・重油(灯油)ボイラー更新時は、バイオマスボイラーを導入 ・地域熱供給地域での接続義務化 ・都市再開発地域での地域熱供給施設導入の義務化 3.事業採算 ・熱導管施設の公共化 ・熱利用者:利用量に応じた還元(ポイント制) ・事業者:税金の控除、利用者からの出資制(生協のような) 7 2013/10/28 H25年度の活動予定 バイオマス利活用ビジネスプランニングWG ・これまで蓄積された海外のバイオマス利活用ビジネス モデルを参考に、 ・北海道で実践可能なバイオマス利活用ビジネス モデルを検討する。 ・法制度のあり方や規制緩和、新たな法制度も 含めて議論 ・特に、熱エネルギーの有効利用に着目 8