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4 年2 組 体育科 ねらって うって タイムリーヒット -ベースボール型ゲーム

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4 年2 組 体育科 ねらって うって タイムリーヒット -ベースボール型ゲーム
4 年 2 組 体育科
ねらって うって タイムリーヒット -ベースボール型ゲーム-
酒井 哲央
1 子供と単元
(1)問題追求の状況と子供への願い
前単元「足を合わせてスーパージャンプ-幅跳び-」では,仲間の跳び方を比較してポイントとなる動きを見いだし,自分に合った
動きを選択しながら試技を繰り返した。助走の距離や踏み切り足,着地の姿勢に着目して,仲間と跳び方を相互評価することで,より
遠くに跳ぶための自分に合った助走や踏切り,着地の仕方を身に付けてきた子供たちである。
本単元では,打球の軌跡や得点場面の映像を基に,ねらったところに打つためのポイントを見いだし,打つ前にどこをねらって打つ
と得点できるかについて仲間と話し合いながらゲームをする。出塁している仲間の走力や守備位置に着目して状況をとらえることで,
ねらう方向を決めて打ったり,強弱を付けて打ったりする技能を身に付けていく子供の姿を期待する。
(2)教材の価値とはぐくみたい資質・能力
本単元では,ティーボールを基にしたゲームで得点を競い合う。ベースボール型ゲームは,攻守が分かれていることや攻防が連続し
ないことから,ゲームの状況がとらえ易い。しかし,練習した打ち方や話し合った作戦がゲームで発揮されなかったり,子供の技能と
作戦がかけ離れたりすることがある。そこで,ボールを素手で打つことや塁を一つにして折り返すことなど,規則を易しくしたゲーム
をする。また,出塁なしのゲームから,出塁ありのゲームへと規則を変更する。これらのことにより,出塁している仲間の走力や守備
位置に応じて,どこをねらって打つとよいか判断していく子供の姿が期待できる。
子供たちは,出塁なしのゲームから出塁ありのゲームにすることで,どこをねらって打つと仲間を本塁に返すことができるかについ
て考えてくる。そこで,得点につながった場面の打球の軌跡を記録したゲームシートや映像を提示する。このことにより,守備を越え
る打ち方や守備の手前に転がす打ち方など,複数の打ち方を見いだしていく。その後,自分に合った打ち方を選択してゲームを重ねて
いくと,同じ打ち方をした場合でも仲間を本塁に返せる時と返せない時があることから,出塁している仲間の走力や守備位置に着目し
てくる。そこで,出塁している仲間の走力や守備位置を基に,ねらったところに打つための打ち方を試したり,どこをねらって打つと
よいかについて話し合ったりする。ゲームでは,打つ前に短い作戦タイムを設ける。このことにより,出塁している仲間の走力や守備
位置の状況をとらえ,どこをねらって打つとよいか判断し,打ち方を変えていく子供の姿を期待する。
そこで,本単元の中核となる学習内容を「出塁している仲間の走力や守備位置に応じて打ち方を変えること」とおさえた。また,本
単元と関連する単元ではぐくみたい資質・能力は以下の通りである。
第 2 ステージ
小1
ねらって 投げて モンスターをやっつけろ -ボールゲーム第 3 ステージ
小4
ねらって うって タイムリーヒット -ベースボール型ゲーム第 4 ステージ
小6
連携プレーでグランドスラム-ベースボール型-
動きの高まりを
求めること
的を倒すための投げ方のよさや不十分
さを動きの模倣や比較からとらえる。
動きを伝え表し,
違いを認め合うこと
的を倒すための投げ方や仲間の動き
を言語や動作で伝え合う。
自分の動きに,新たな見方や考え方を
生かすこと
的を倒すための投げ方に対する見方や
考え方を自分の投げ方に取り入れる。
ねらったことをにボールを飛ばすため
の打ち方や出塁している仲間を本塁に
返すための打ち方のよさや不十分さを
動きの比較からとらえる。
仲間を進塁させるための打ち方や進塁
させない守備のよさや不十分さを動き
の比較や図やモデル教材の分析などか
ら多角的にとらえる。
ねらったところに打つための動きや
仲間を本塁に返すための打ち方につ
いて,ゲームシートを基に相互評価し
ながら伝え合う。
仲間を進塁させる打ち方や進塁させ
ない守備の仕方について,図や映像を
基に相互評価したりアドバイスした
りして伝え合う。
出塁した仲間を本塁に返すための打ち
方に対する見方や考え方を自分の打ち
方に取り入れる。
仲間を進塁させる打ち方や進塁させな
い守備の仕方に対する新たな見方や考
え方を自分やチームに取り入れる。
2 「協働型学習」の構想
(1)本単元における「協働」場面の位置付け
どこに打つと出塁した仲間を本塁に返すことができるのかについて見通しをもったり,チームの仲間と,どこに打つかについて話し
合ったり,試したりするところに「協働」場面を位置付ける。
(2)本単元の問題解決のサイクルにおける「協働」場面の位置付け
本単元では,問題解決のサイクルの「見通しをもつ」と「問題を解決する」の過程に,「協働」場面を位置付ける。
問題をとらえる
見通しをもつ
解決する
新たな問題を見いだす
(3)「協働」場面をつくる手だて
1場面・目的意識に関わる手だて 2交流相手 3交流させるものに関わる手だて 4交流方法・形態に関わる手だて 5記録方法に関わる手だて
1
2・3
4
5
「協働」場面①
どこをねらって打つとよいかはっきりさせたいとい
う,不確かさを感じる状況をつくる。そのために,複
数の打ち方の中から自分に合った打ち方を選択して試
す場を設定する。
「協働」場面②
どこをねらって打つと出塁した仲間を本塁に返すことができるか仲間と試し
たり,話し合ったりしたいという一人で解決することに困難を感じる状況を
つくる。そのために,打球の軌跡と進塁の成否を可視化したゲームシートを
提示する。
チームの仲間と選択した打ち方のよさや違いにについて
交流させる。
ゲームシートの記録を基に,チームの仲間と話し合う活
動を組織する。
出塁した仲間を本塁に返すための打ち方について記述す
る学習カード。
ゲームシートを基に,チームの仲間とどこをねらって打つとよいかについて交流
させる。
仲間の走力や守備位置に応じた打ち方について話し合ったり,試したりする。
打球の軌跡を記録するゲームシートや選択した打ち方について振り返る学習カ
ード。
3 単元の目標
どこをねらって打つと得点できるのかについて,ゲームシートやゲームの映像を基に,ねらったところに打つための打ち方を試した
り,仲間と話し合ったりする中で,出塁している仲間の走力や守備位置に応じて打ち方を変えることが大切なことに気付き,状況に応
じてねらう方向を決めて打ったり,強弱を付けて打ったりすることができる。
4 単元計画(全 7 時間 本時 5/7)
1 次 ねらって打って得点しよう
<抽出児 A さん>
仲間のよい動きを真似して,自分の動きや
チームの作戦を考えていく子。
<留意点>
<抽出児 B さん>
直感的に判断し,一つの動きにこだわって
動きを追求していく子。
① ・ねらって打って本塁をめざそう。
アウトゾーンから離れたところをねらいた ボールを打つのって楽しいな。どうしたら,
い。どうやって打つとねらったことろに打 もっと遠くにボールを打つことができるの
てるのかな。仲間の打ち方を見てみたい。 だろう。
② ◎ねらったところに打つためのポイントを見付けよう。
体の向きを変えるとよいことが分かった。 手をグーにして打つポイントを使えば,も
このポイントを使ってみたい。
っと遠くに飛ばせるはずだ。
③ ・打ち方を選んで本塁をねらおう。
体の向きを変えたら,ねらったところに打 手をグーにして打ったら,遠くに飛ばすこ
つことができた。でも,守りに捕られて得 とができた。でも,本塁まで返って来るこ
点できなくなってきた。どこをねらえばい とができなくなってきた。もっと得点でき
いのだろう。
る規則にしたい。
〇どのような打ち方をすると得点
できるかについて,話し合う活
動の組織
〇ゲームシートや映像を基に,打
ち方のポイントについて話し合
う活動の組織
〇選択した打ち方を試したり,相
互評価したりする場の設定
方向を決めて打ったり,強弱を変えて打ったりする打ち方ができるようになってきた。
でも,守備に捕られて本塁まで返ってくることができなくなってきた。規則を変えたり,
打ち方を工夫したりして,もっと得点したい。
2 次 ねらいを決めてタイムリーヒットを打とう
④ ・出塁している仲間を本塁に返そう。
⑤
本
時
⑥
手前に転がす打ち方にしたらタイムリーヒ 遠くをねらう打ち方でタイムリーヒットを
ットを打つことができた。でも,アウトに 打てていたけれど,だんだん相手に守られ
なることもあった。どうして,得点できる るようになってきた。守備に読まれてきて
時とできない時があるのだろう。
いると思う。
◎出塁した仲間を本塁に返すにはどこに打つとよいか。
前にいる守備の上を越えるように打った 塁にいた F さんは足が速いし,守備も下が
ら,タイムリーヒットを打つことができた。 っていたから,手前に転がす打ち方にした
他のチームでも仲間の走力や守備位置を見 ら,タイムリーヒットを打つことができた。
て打ち方を変えるとよいのか試したい。
この作戦を他のチームでも試したい。
・仲間の走力や守備の位置を考えて,どこに打つか決めよう。
仲間の走力と守備位置を考えてねらうとこ 守備が後ろにいる時は,手前をねらうとタ
ろを変えたら,タイムリーヒットを打つこ イムリーヒットを打つことができた。仲間
とができた。次は,いろいろなチームと対 の走力を考えた打ち方で,いろいろなチー
戦したい。
ムに勝ちたい。
○出塁している仲間を本塁に返す
ためには,どこをねらって打つ
とよいかについて話し合う活動
の組織
〇仲間の走力や守備位置を基に,ど
こをねらって打つとよいかにつ
いて話し合う活動の組織
「協働」場面①②
・打つ前に短い作戦タイムを入れる。
○仲間の走力や守備位置を基に判
断した打ち方を試す場の設定
□仲間の走力や守備位置以外の視
点も認める。<複線化>
タイムリーヒットを打つためには,出塁している仲間の走力や守備位置に応じて打ち方
を変えるとよいことがわかった。いろいろなチームと対戦して勝利したい。
3 次 ハンドベースのリーグ戦をしよう
⑦ ◎対戦するチームによって打ち方を変えて得点しよう。
守備が前にいる時は,守備を越える打ち方
で,守備が後ろに下がっている時は,手前
をねらう打ち方にしたら,タイムリーヒッ
トが打てた。得点できてよかった。
守備位置によって,ねらう方向や打つ強さ
を変えたら,タイムリーヒットを打つこと
ができたし,相手リームにも勝つことがで
きた。ハンドベースっておもしろい。
○守備位置など,相手チームの傾
向について話し合う場の設定
相手の守備位置によって,ねらいを変えて打つと得点できる。相手チームに勝つために
は,出塁している仲間の走力や守備位置を考えて打つことが大切だ。ハンドベースって
おもいしろい。
5 評価
〇「動きの高まりを求めること」の評価:自分に合った打ち方を選択し,試技や練習への取り組み方(動きの観察・発話・記述)
〇「動きを伝え表し,違いを認め合うこと」の評価:チームの仲間との関わり方(動きの観察・発話・記述)
〇「自分の動きに,新たな見方や考え方を生かすこと」の評価:仲間の走力や守備位置に応じた打ち方の工夫(動きの観察・発話・記述)
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