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地域活性化のための技術開発について
説明資料
平成21年 2月
地域経済の視点から見た農業・食品産業
農水産業と食品産業(食品製造業、食品流通業、
外食産業)は相互に密接な関係にあり、両者は
「車の両輪」となって地域の経済を支える構造。
特に、北海道、東北、九州、沖縄といった地域
では、製造業出荷額に占める食料品・飲料製
造の比率が高い。
「農」がかかわる産業の特徴
同じ品種・品目であっても産地の気象条件や栽培管理によって品質の
異なるものが生まれる。
特徴ある素材(地域の伝統作物や地域の条件に合致した新品種など)
を核にすることで、一層の差別化が可能となる。
地域の産業として発展・存続していく上でプラスに働く可能性
農研機構の取り組み
「農業・食品産業を核に地域の活性化を」
特徴ある品種を核に地域の産学官が連携研究を行った事例
■新品種「アヤムラサキ」の開発
民間企業
大学
■用途開発基礎研究、新技術開発
→企業に技術提供
■成分分析
技術提供
原料
提供
連携
農研機構
農研機構が中核になり
産学官連携コンソーシ
アムによる共同研究
技術提供
生産指導
△γ-GTP(IU/L)
■機能性解明研究
肝機能改善効果(ヒト試験)
20
原料
提供
農家(生産者)
エキス
ペースト
(n=12)
-20
-60
一次・二次加工業者
対照群
0
-40
食用色素
約10億円
ジュース
約6億円
食用酢
約2億円
その他あわせて、推定
40億円以上の市場を形成
消費者
(n=11)
紫イモジュー
ス飲用群
「紫色=健康」のイメージ
が定着し、紫色製品がよく
売れるようになった
紫イモジュース飲用期間
BL 2
4
6
8
10 12週
需要が拡大し、南九州の
サツマイモ産地が活性化
パウダー
農研機構が開発した特徴ある品種(1)
「はいいぶき」
ギャバが2~3倍の巨大胚芽米。
胚芽残存歩合が高く発芽
玄米だけでなく胚芽精米
としても利用可。
「紫こぼし」
「すずさやか」
極小粒の紫黒米糯品種。 肉色が純白、裂根が極めて
青臭みの原因となる脂質酸
少ない外観が美しいヤーコン。 化酵素「リポキシゲナーゼ」
プチプチした食感。
食物繊維やCa等を多く 貯蔵性が優れる。
を完全になくした大豆品種。
含む。
「エムエスティワン」
「ミラクルルージュ」
「ミラクルシンフォニー」
日持ちのよいカーネーション。
老化を促すエチレン生成が
ほとんど行われないため花持ち
がよい(適環境下で約3週間)。
「アンデスの雪」
世界初の花粉を出さない
トールフェスク。花粉症の
原因となる花粉を出さな
い。道路法面や公園緑地
などの緑化用に用いられ
る。
「すいおう(翠王)」
「クイックスイート」
茎葉が美味しく栄養・機能性
に富むサツマイモ品種。
ポリフェノールやルテイン
などの機能性成分が豊富。
青果用サツマイモ品種。
デンプンの糊化温度が
通常品種より20℃程度
低いため短時間加熱(電
子レンジ調理)でも食味
が良い。
お問合せ:https://form.affrc.go.jp/naro/inquiry-jr/form.html
農研機構が開発した特徴ある品種(2)
「とよむすめ」
ルチンが多く、食味が優
れるそば品種。
東北南部から中国地方
の秋そばに適する。
「にたきこま」
加熱料理しても煮崩れせず、
風味豊かなクッキングトマト
品種。心止まり性とジョイント
レス性を備え省力栽培が可
能。
「北海T10号」
「あのみのり」
ルチンを豊富に含むだったん
そば品種。スプラウトはアント
シアニン含量が高く、赤色を
呈する。
「そうふう」
これまでの緑茶用品種に
ない甘い花香を有し、新香
味緑茶、半発酵茶に適す
る。緑茶の場合うま味・色
沢・水色良好。
花粉が受粉しなくても果実
が肥大する単為結果性で
省力栽培可能なナス品種。
果実外観・食味は良好。
「ごまぞう」
機能性リグナン含有量が
高くセサミン・セサモリン
は既存品種「真瀬金」の
約1.5~2倍。種子は褐色
で濃淡があり特徴的。
「祝い茜」「祝い茜(酸性処理)」
「祝い紫」
「おきこがね」
観賞用水稲品種。
芒、穎が色づき、穂ぞろい期
には穂全体が赤色・紫色に
見える。切り花やドライフラ
ワー等として利用できる。
β-アミラーゼ活性がない
ため、加熱しても甘くならな
いサツマイモ品種。低でん
粉でコロッケなどバレイショ
のような料理ができる。
お問合せ:https://form.affrc.go.jp/naro/inquiry-jr/form.html
農業技術開発における異分野連携について
農業分野では、これまでも、他分野で開発された技術を積極的に
取り入れようとしてきたところ
しかしながら、他分野で開発された技術の中には、そのままでは農
業分野への適用に当たっての課題が多く、実用化に至らないものも
あった。
農業特有の背景を考慮した技術開発を行えば、異分野の連携がこれ
までより進展する可能性
農業特有の背景とは
地域性、環境に大きく左右される
小規模分散型
生物を取り扱う
等
他分野との連携による農業技術開発について(事例1)
未利用農産物からの機能性素材の開発
1.自然界には多数の高分子の未利用農産物がある
これまでの未利用資源利用の研究の主流
は、これら高分子化合物を完全にばらば
らにするようなハードな処理を施し、C, H,
O源として利用しようとしている。
〔注〕工学系で言うマイルドな処理は、
農学系ではかなりハードな処理に相当する。
2.高分子の未利用農産物には、機能性を発
現する部位を含んでいる場合が多い。
機能性を発現する部位
機能性の発現部位が残るような
マイルドな処理を施せば、活用
法がもっと広がるのに・・・・
3.農と工が手を結び、基礎的研究がうまくいけば、
新たな産業を興すことができるかも・・・・
「農」の得意分野
○分析
○機能性評価
「工」の得意分野
○工業的処理
新産業創出へ
他分野との連携による農業技術開発について(事例2)
農業のIT化を目指したフィールドサーバの開発
1.農業では環境条件や作物の生育状況などのデータを的確に収集して栽培管理を行う必要がある。
2.広い農地に分散する農業データを効率的・安価に収集する技術がなかった 。
フィールドサーバ:
無線LANとインターネットを使って、屋外の気象データや画像などの計測データを遠隔地
から収集・管理できる小型のモニタリング装置
気温、湿度、日射量センサ、
ネットワークカメラを搭載
CO2濃度、土壌水分、害虫カウン
タなどのセンサも搭載可能
産学官連携でさらに研究加速
計測したデータを遠隔地で保存・解析
都市部におけるホットスポットと同様の役
割も果たす
都市エリア、地球環境モニタリン
グなどに応用範囲拡大中
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