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ボランティアのおこり
11 雑 学 キ ー ワ ード ボランティアのおこり 1995(平成7)年は「日本のボランティア元 「社会福祉法人」として規定を設けられます。その 年」といわれています。これは、その年の1月 後、各都道府県や市区町村に設置された社会福 17日に起こった阪神・淡路大震災の折、関西地 祉協議会の発展とともにボランティアセンター 区はもとより全国各地から約140万人の“ボラン の活動が盛んになり、今日の日本青年奉仕協会 ティア”が駆けつけ物資の仕分け、避難所の運 (JYVA)の発足(1967年)などにつながってい 営、炊き出し、医療介護などの活動にあたった ことが、被災者はもとより全国的に評価された ことによるものです。 きます。 最近では、各地域でも清掃活動やリサイクル 活動など、無償の社会貢献が盛んになってきて この“ボランティア”とは「広義の社会福祉 いるように見受けられます。これらに参加する の領域で、自発的に報酬を期待せず、社会的な ことが災害時のボランティア活動の普及にも結び 目的実現に参加することを志す人」という意味 ついていくのではないでしょうか。消防庁ホー で使われていますが、ラテン語の「欲する」を ムページ(http://www.fdma.go.jp)では、誰も 意味とした動詞“volo”から派生した「自由意 が災害ボランティア活動に関する必要な情報を 志」を示す名詞“voluntas”に由来していると 得られるよう「災害ボランティア・データバンク」 いわれています。イギリスのオックスフォード としてインターネット上に公開しています。 大辞典に初めて“volunteer”という言葉が登場 これからの社会にとっては、災害時の助け合 したのは1647年のことでした。当時はピューリ いはもとより普段からボランティア精神を持つ タン革命による内戦で治安が乱れており、自ら ことがより大切な意味を持つものになってくる 家族や居住区を守るために「自警団」が組織さ のではないでしょうか。 れていましたが、“volunteer”はこの自警団へ の「参加者」を意味していました。その後、19 世紀末頃には貧困問題への戦いに「自ら志願する 者」という意味に変わっていきます。ちなみに、現 在のアメリカでは、日本の消防団員や自主防災 組織の隊員にあたる人を“volunteer firemen” と呼んでいるようです。 日本に“ボランティア”という言葉が入って きたのは明治時代後半から大正時代前半といわ れていますが、実際に一般の人々に馴染みがあ る言葉となったのは第二次大戦以降のことでし た。1940年代には共同募金活動や赤十字奉仕団 が活躍するようになり、1951(昭和26)年には 社会福祉事業法が制定され、民間福祉団体は 参考文献:imidas 2003(集英社) 現代実用外来語辞典(ぎょうせい)