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資料:地方自治法などの「住民」について
第 20 回市民WT会議・資料(23.8.1) 資料:地方自治法などの「住民」について ●行政書士の試験問題より 地方自治法上で用いられている「住民」という概念の範囲を説明した次の記述のうち、正し いものはどれか。 ①住民とは、自然人を対象とした概念であるから、法人は住民として扱われることはない。 ②住民とは、 日本国民を対象とする概念であるから、 外国人が住民として扱われることはない。 ③住民とは、 地方公共団体の区域内に住所を有することを前提として成立する概念であるから、 住民基本台帳法上の登録をしない者は住民として扱われることはない。 ④住民自治の具体化である直接請求制度は、当該地方公共団体の議会・長の選挙権を有する日 本国民たる住民でなければ利用することができない。 ⑤納税者訴訟とも呼ばれる住民訴訟は、前年度の住民税の納税実績のある住民でなければ提起 することができない。 ○地方自治法 第二章 住民 第10条 市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民 とする。 2 住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく 受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。 第11条 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属す る普通地方公共団体の選挙に参与する権利を有する。 第12条 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属す る普通地方公共団体の条例(地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に関す るものを除く。 )の制定又は改廃を請求する権利を有する。 2 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通 地方公共団体の事務の監査を請求する権利を有する。 第13条 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属す る普通地方公共団体の議会の解散を請求する権利を有する。 2 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、この法律の定めるところにより、その属する普通 地方公共団体の議会の議員、長、副知事若しくは副市町村長、選挙管理委員若しくは監査委員 又は公安委員会の委員の解職を請求する権利を有する。 3 日本国民たる普通地方公共団体の住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方 公共団体の教育委員会の委員の解職を請求する権利を有する。 第13条の2 市町村は、別に法律の定めるところにより、その住民につき、住民たる地位に関 する正確な記録を常に整備しておかなければならない。 1 第 20 回市民WT会議・資料(23.8.1) ○外国人登録法 第1条 この法律は、本邦に在留する外国人の登録を実施することによって外国人の居住関係及 び身分関係を明確ならしめ、もって在留外国人の公正な管理に資することを目的とする。 法人等 市民税の納税義務者 税 金 納税義務者 均等割 法人税割 普通法人 ○ ○ 公益法人等で収益事業を営む者 ○ ○ 公益法人等で収益事業を営まない者 ○ × 協同組合等 ○ ○ 人格のない社団又は財団で収益事業を営む者 ○ ○ 人格のない社団又は財団で収益事業を営まない者 ○ × 上記法人で市内に事業所等はないが寮や宿泊所がある者 ○ × 普通法人 株式会社、合同会社、企業組合、医療法人など 公益法人等 財団法人、学校法人、社会福祉法人、宗教法人、NPO法人など (ただし、収益事業を営まない社会福祉法人や学校法人などは非課税) 協同組合等 農業協同組合、商工組合、信用金庫など 人格の無い社団又は財団 同業者団体などで一定の要件を備えた者 【行政書士の試験問題・答え】 ①誤り:地方自治法で言う「住民」とは、その地方公共団体の区域内に住所を有する者を指し、 法人も含まれる(地方自治法第 10 条第 1 項)。 ※「者」とは、法律上の人格をもつもの(自然人や法人)を表す。 ②誤り:地方自治法で言う「住民」とは、その地方公共団体の区域内に住所を有する者を指し、 外国人も含まれる(地方自治法第 10 条第 1 項) 。 ③誤り:その地方公共団体の区域内に生活の本拠を持つ者は、住民基本台帳上の登録等の特別 の行政手続をしなくとも住民として扱われる。 ④正しい:直接請求権は普通地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する日本国民であ る住民に認められている。すなわち、外国人には直接請求権は保障されていない(地方自治 法第 74 条第 1 項) 。 ⑤誤り:住民訴訟を提起しうる住民については、住民税の納税実績にかかわらず住民であれば 提起できる(地方自治法第 242 条の 2 第 1 項) 。 2