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『Boa tarde ブラジル-遠くて近い国 ブラジルから学ぶ-』(PDF
実践報告書(村山弘子) 170 実践報告書(村山弘子) ≪実際の様子≫Bor tarde ブラジル ∼遠くて近い国 ブラジルから学ぶ∼ ≪第1時≫飛行機で旅立とう (1)飛行機の上からのビデオを見て飛行機に乗っている疑似体験をする。→シミュレーション 児童の様子 自分たちが実際に飛行機に乗ったつもりになるように搭乗体験をする。 自分の椅子に座りアナウンスを聞く。→担任が英語と日本語でアナウンスをする。 同時に機内の写真やビデオを流す。安全ベルトをしめた (2)飛 行 機 の 上か ら 撮 っ たブ ラ ジ ル 総合 国際交流 ア マ ゾ ン 上空 の 朝 日 の写 真 を 見 てイ メ ー ジ を高 め る 。 ブラジルについてもっと知って ブラジル 1、ブラジルへ行こう ( 飛 行 機 ) の いきたくてワクワクします。 旅 朝日がきれい ビデオを見ているうちに本当に飛行機に乗 でうれしい っている気持ちになってきました。 朝日がきれいです。これからの勉強が楽しみ ビデオを見て 児童の様子 写真の効果で子どもたちの目が一段と輝いていた。 ≪第2時≫ブラジルを知ろう (1)「ブラジルってどんな所」をテーマに各自のイメージをグループでブレーンストーミングする。 児童の様子 みんなでワイワイと賑やかにいろんなことを語り合っていた。 ブラジルの学習への期待値の高さがうかがわれた。 (2)模造紙に書き出す。イメージ図作り 児童の様子 各グループ共、伸びやかに絵や言葉を使って表現していた。 書きたいものがいっぱいあふれていた。 ラクダがいそう。 ふしぎなくだものが ありそう。 あついだろうな∼ ジャングル。 いろんな生き物 171 アマゾン川にも ジャングルにも 不思議な生き物が いっぱい。 実践報告書(村山弘子) (3)他のグループの書いたものを見て回って「いいところ」の付箋を貼っていく。 児童の様子 お互いの良さを認め合うことができ、付箋がいっぱい貼られていた。 ≪第3時≫(1)ブラジルクイズをやってみよう。 個人でブラジルクイズに挑戦 児童の様子 各自真剣にかつ、楽しみつつやっていた。 (2)飛行機から降りる前に「何考えてるんだよ」ゲームをする。シュミレーションゲーム ・その国にはその国のルールがあることを知る。 ・良い解決方法を考える。 児童の様子 お互いの国のルールを知らなかったので、わけのわからなさに戸惑ったり、嫌な気分 になったり、中には「喧嘩したくなった。」「こうなったら戦争だ。」なんていう発言 も出た。そういう状況の中で、いったいどうすればいいのかを考え合い、相互理解の 方法を思考していった。 ≪第4∼8時≫さあ!いよいよブラジルだ! (1) 子どもたちが興味を示した様々なジャンルの写真をフォトランゲージで見せて 「ブラジルか日本か」考えさせる。 ・個人で予想する→グループで考える→答えを発表する。 ・この時できるだけ写真のバックにブラジルとか日本とわかるものが入った物や説明を入れる。 ①生き物 ②植物 ③食べ物 (*生活については生活表を比較 ぼくは、こんな大 きなへんな魚見 たことがないな ∼ きっとブラジル のアマゾン川で とれたんだよ。 172 これさわって∼ ピラルクっていう 魚のウロコだっ これは暑い国ブラジルの虫だ ⑤人 日本の生活ブラジルの生活→自分や家族の生活と比較) て・・・かたい すごい大きな虫 ④生活 実践報告書(村山弘子) は∼い たらいいのにな。 川をきれいにでき りした。 な川なんてびっく でいる川が、こん カピバラの住ん 予想があたっていたよ。 ブラジルのおかし わ∼あまい・・・ これはブラジルの有名 な料理だって。 お肉がブラジルではい っぱい ブラジルでは、夜は 早く寝て、朝は7時 り大きいぞ 前から学校へ行くん このバッタはぼくの手よ だよ こ れ は 、原生 林 の なかに あ っ た ドングリのもとだって。 すごい∼私の手のひらより 大きいよ。わ∼ 173 ほら、見て見て 色もこんなにきれいなんだよ 実践報告書(村山弘子) 児童の様子 生き物、植物、食べ物、それぞれにフォトランゲージされた物の中から ブラジルの物 と日本の物を当てていく事に興味を大きく持ちどの子も意欲的に参加することが出来 た。さらに答えの発表の時にその背景を知ったりする驚きの表情と吸い寄せられるよう に聞き入る姿が印象的だった。 ≪第9時≫思いを知ろう! (1)何人かをピックし、それぞれの人の思いを知る。 *アグロフォレストリー→小長野さん日系1世 ・コスト(お金もうけ)だけで農場を経営しているのではなく土地を守るためのこともしっかり考えている。「私 は日本人でもあります。日本人は昔から自分たちの土地を大切に守り、何世代も引き継いていくというす ばらしい人種です。だから私もブラジルの土地を世界のために守っていける農法でやっていきたいので す。」 (アグロフォレストリーとは、ひとつの作物では土地は1世代でだめになってしまうので、 3つの作物がうまく一年間で交代で収穫できるように考えて栽培している新しい農法) *人→日系人・ブラジル人・日本人 ・ある日系3世の男性がスーパーで荷物をくずしたまま立ち去っていった日本人を見たらすごくおこった。 「日本人はそういうことはしない。してはいけない。日本人はしつけができていて、社会的ルールをきちん と守るすばらしい人たちだから。」 ・彼のおばあちゃんは日系1世。彼はおばあちゃんが作ったお菓子屋さんを引き継いでがんばっている。メ インのお菓子の味は「月餅」という日本のお菓子そっくりでお店の名前を「KASUTERA」と言う。 *日系人と結婚が決まって幸せそうな日本の女性 ・ブラジルに少しいて、日本に帰ったけれどやっぱりブラジルがよくてもどってきた。 「ブラジルの人は優しい。温かい。そして明るい。」と幸せそうに語る姿。 *原生林→日系1世のご夫妻 ・自分の土地にある原生林を自費で保護して守っている姿。「これからの人々ために水を大切に。」 *村作り、ブラジル人の教育環境を整える、養殖指導、環境教育→日系1世及川さん ・「自分の人生はこれにかけている。ブラジルの人々に今必要なのは教育だ。」ほこらしげに熱く語ってくれ た及川さんの生き方 *越知学園の学長 越知学園を作った人→越知さん ・日本の教育システムを少しずつ取り入れ私立学校を作り、一日勉強できるような体制(給食も含め)を作 っている。学校では英語や日本語も教えている。 *赤い鳥居 →ベレンの日系人のみなさん。日系の存在をたくさんの人々に知って欲しい。 日系一世の人は自分の土 地にある原生林を自分の お金で守っているんだね、 児童の様子 子どもたちの素直な感動ととらえが、ここまで継続してきた学習の積み重ねを感じさせてくれた。 174 実践報告書(村山弘子) ≪第10時≫自分の生活・自分のまわりをふりかえろう どんな人がいるかな 支えられている 自分 児童の様子 とっても楽しそうに意欲的にやっていた。 175 タイムラインやイメージ図 実践報告書(村山弘子) ≪第11時≫ 児童の様子 ≪第12時≫ 児童の様子 ≪成果と課題≫ Letter を書こう 自分が今 支えられている人に手紙を書こう 真剣に一生懸命に書いていくことが出来た。どの手紙もあったかかった。 ブラジルでがんばっている人に手紙を書こう。 自分たちのここまでの学習の経緯を入れつつ心を込めて一生懸命に書き込んでいた。 成果=○ 課題=▲ ○ブラジルについて学習し知識が増えていくことによってブラジルをより身近に感じることができた。 ○ブラジルでがんばっているブラジル人や日本人や日系の人々の存在を知ることによって「自分も自分 に出来ることをしてみよう。」という気持ちを持つことができた。 ○アマゾンの自然豊かな世界を知り、自然を守ることの大切さを知った。 ○この学習を通して自分を支えてくれている人がいることに気がつき感謝の心を持ったり、自分も人の 役に立ちたいと考えることができるようになってきた。 ▲これを機会にもっと国際理解をすすめたり、国際平和を考えていけたりできるようにここからの発展 教材も少しあるといいなと感じた。 176