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4.4 MB - 光産業技術振興協会

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4.4 MB - 光産業技術振興協会
2013
— CONTENTS —
ごあいさつ………………………………………………………………………………………………… 1
光産業動向調査
1 .はじめに……………………………………………………………………………………………… 2
2 .光産業の国内生産額及び全出荷額………………………………………………………………… 2
3 .情報通信分野………………………………………………………………………………………… 9
4 .情報記録分野………………………………………………………………………………………… 9
5 .入出力分野…………………………………………………………………………………………… 10
6 .ディスプレイ・固体照明分野……………………………………………………………………… 11
7 .太陽光発電分野……………………………………………………………………………………… 12
8 .レーザ加工分野……………………………………………………………………………………… 13
9 .センシング・計測分野……………………………………………………………………………… 14
10.光産業リソース……………………………………………………………………………………… 15
11.IOA会議に見る国際動向……………………………………………………………………………… 15
光技術動向調査
1 .はじめに……………………………………………………………………………………………… 17
2 .光無機材料・デバイス……………………………………………………………………………… 17
3 .光通信ネットワーク………………………………………………………………………………… 18
4 .情報処理フォトニクス……………………………………………………………………………… 19
5 .加工・計測…………………………………………………………………………………………… 20
6 .光エネルギー………………………………………………………………………………………… 20
7 .光有機材料・デバイス……………………………………………………………………………… 22
8 .光ユーザインタフェース…………………………………………………………………………… 23
9 .特許動向調査委員会………………………………………………………………………………… 23
技術戦略策定
1 .はじめに……………………………………………………………………………………………… 25
2 .光テクノロジーロードマップ……………………………………………………………………… 25
新規事業の創造
1 .はじめに……………………………………………………………………………………………… 27
2 .技術指導制度………………………………………………………………………………………… 27
3 .新規事業創造支援…………………………………………………………………………………… 27
研究会・懇談会
1 .はじめに……………………………………………………………………………………………… 28
2 .フォトニックデバイス・応用技術研究会………………………………………………………… 28
3 .光材料・応用技術研究会…………………………………………………………………………… 28
4 .多元技術融合光プロセス研究会…………………………………………………………………… 29
5 .光ネットワーク産業・技術研究会………………………………………………………………… 30
標準化
1 .はじめに……………………………………………………………………………………………… 31
2 .ファイバオプティクス標準化委員会……………………………………………………………… 40
3 .光ファイバ標準化委員会…………………………………………………………………………… 42
4 .光コネクタ標準化委員会…………………………………………………………………………… 43
5 .光受動部品標準化委員会…………………………………………………………………………… 44
6 .光能動部品標準化委員会…………………………………………………………………………… 45
7 .光増幅器標準化委員会……………………………………………………………………………… 46
8 .光サブシステム標準化委員会……………………………………………………………………… 47
9 .光測定器標準化委員会……………………………………………………………………………… 47
10.レーザ安全性標準化委員会………………………………………………………………………… 49
11.ISO/TC 172/SC 9国内対策委員会… ……………………………………………………………… 50
12.光ディスク標準化委員会…………………………………………………………………………… 52
13.高速車載LAN用光伝送サブシステムの試験方法に関する標準化(Ⅴプロ)…………………… 53
14.光通信システムのスマート化に適用した光部品の国際標準化に関する調査研究(Tプロ)
…… 54
15.レーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会……………………………………………… 56
人材育成・普及啓発等
1 .はじめに……………………………………………………………………………………………… 57
2 .レーザ安全スクール………………………………………………………………………………… 57
3 .レーザ機器取扱技術者試験………………………………………………………………………… 57
4 .シンポジウム………………………………………………………………………………………… 58
5 .次世代フォトニックスイッチング・フォーラム………………………………………………… 60
6 .光産業技術マンスリーセミナー…………………………………………………………………… 60
7 .インターオプト……………………………………………………………………………………… 60
8 .第29回櫻井健二郎氏記念賞(櫻井賞)……………………………………………………………… 61
9 .普及・啓発活動……………………………………………………………………………………… 62
◆◆◆◆◆
2013(平成25)年度の各種委員会等… ………………………………………………………………… 64
賛助会員名簿……………………………………………………………………………………………… 65
賛助会員ご入会のおすすめ……………………………………………………………………………… 66
光産業技術標準化会ご入会のおすすめ………………………………………………………………… 66
研究会 会員募集… ………………………………………………………………………………………… 67
一般財団法人光産業技術振興協会
専務理事 小谷 泰久
光産業技術振興協会が2013(平成25)年度に実施した調査・研究開発活動の概要をまとめ、ここに
技術情報レポートとして皆様方にお届けいたします。
さて、2013年度は光産業にとって、がまんの時から抜け出し、明るい未来に向けてビジネスの活性
化を図れる年度でした。近年の経済的低迷の一番大きな要因は超円高の進行でしたが、この点につい
ては政権交代後のアベノミクス、日銀の異次元緩和の効果により急速に好転しました。残された課題
であるエネルギーの安定供給、法人税の低減なども政府で活発に議論されており、今後、改善されて
いくことが期待されます。また、光産業を取り巻く環境としても、価格の低迷は依然として続いてい
るものの、需要不足、過少投資は徐々に改善しつつあります。
この結果、当協会で毎年実施している光産業動向調査によれば、国内生産額は2012年度の▲2.9%の
マイナス成長から2013年度は+20.7%の8兆6,182億円へと大幅な増となりました。また、全出荷額につ
いても2012年度の▲5.9%のマイナス成長から2013年度は+12.7%のプラス成長で17兆286億円となりま
した。特に、政策的な支援のもと、太陽光発電、LED照明器具はそれぞれ全出荷額で+84.1%、+26.2%
と大幅な伸びを示しています。2013年度は増分のほとんどがこの2分野ですが、他の光産業合計も微
増とはいえプラス成長であり2014年度のジャンプアップに期待というところです。
このように経済的な環境が整いつつある現在は、新たなビジネスモデル、製品、サービスなどを開
発していく好機であり、そのための技術開発戦略、事業化戦略、標準化戦略などの策定はますます重
要なものとなります。当協会は、多くの有望な光技術の中から産業として発展していく可能性のある
ものを選び出し、こうした可能性を着実に現実のものとするため、①光産業技術に係る現状及び将来
動向の調査・研究 ②技術開発の推進 ③標準化の推進 ④新規事業創造・人材育成を重点課題に掲げ、
これらの課題に対応して事業を展開しております。2013年度もこれらの事業に力を注ぐとともに、そ
の成果をもとに光産業技術に係る普及・啓発、国際交流・協力及び情報・資料の提供活動を実施して
まいりました。
個別事業の活動内容や成果については本レポートをご覧いただくとして、ここでは2013年度の特筆
すべき事項についてご紹介したいと思います。まず、光産業の発展に資する指針として活用されるこ
とを期待し、今後ますます応用が広がると思われる「光ユーザインタフェース」分野についてロード
マップを作成しました。また、次世代の光スイッチ技術の開発を目指したフォトニックスイッチング・
フォーラムを開催いたしました。今後の新たな技術開発プロジェクトとして進展していくことを期待
します。さらに、標準化分野では、レーザ安全性のIEC基本規格の改正が年度末に最終段階を迎え、
IEC規格の発行に対して数か月遅れでJISが発行できるようJIS改正の作業を進めました。
当協会といたしましては、光産業技術の発展のため、経済産業省をはじめとした政府関係諸機関の
ご指導の下、賛助会員を始めとする産業界、重要なパートナーである学界等多くの方々のご理解、ご
協力を得て、ニーズに合致した事業活動のさらなる充実強化を図ってまいりたいと考えております。
皆様方にはどうぞ一層のご指導、ご支援、ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
技術情報レポート
2013年度OITDA
1
光産業動向調査
6.レーザ加工
1. はじめに
我が国の産業経済は、世界的な経済の低迷、超円高、長引
: レーザ応用生産装置、レーザ発振器、i線光
加工装置
7.センシング・計測 : 光センシング機器、光測定器
くデフレーションという厳しい環境にさらされてきたが、アベノ
8.その他
ミクスにより円安・株高が進み、企業・一般消費者のマインドが
: 非通信用個別受光素子、複合光素子など
点線下線:2009(平成21)年度調査から、光製品に加えた項目。
注)
一重下線:2010(平成22)年度調査から、光製品に加えた項目。
二重下線:2012(平成24)年度調査から、光製品に加えた項目。
一点鎖線:2013(平成25)年度調査から、光製品に加えた項目。
上向きになり、設備投資・消費動向などが向上して景気が回復
に向かっている。このように経済状況が改善しつつある中で、
先端技術を生み出し産業化して我が国の経済成長に大きく貢
献してきた光産業分野には、更に飛躍して産業界の牽引役を
2.2 2 012&2013年度国内生産額、2014年度国内生産
の定性的予測の調査結果概要
担うことが求められている。
こうした中で、当協会では、1980年の設立以来毎年度、関係
2 012年度国内生産実績額、2 013年度国内生産見込 額、
企業の多大なるご協力と関係委員の精力的な活動の基に「光
産業動向に関する調査」を行い、30年以上に及ぶ継続的な
2014年度国内生産の定性的予測の総括表を表1に示す。
データの集積は光産業の動向を示す基礎資料として高い評価
●2012年度(実績)は7兆1,398億円、成長率▲2.9%
太陽光発電分野と固体照明分野が前年度比プラス成長
を受けてきた。
で、他の6分野はマイナス成長となり、特に、ディスプレイ、情
この光産業動向の調査は、光産業動向調査委員会を設置
し、
「光産業動向調査委員会(親委員会)の下に情報通信、情
報記録と入出力分野は1,000億円を越える減少になった。
報記録、入出力、ディスプレイ・固体照明、太陽光発電、レーザ
●2013年度(見込額)は8兆6,182億円、成長率20.7%
太陽光発電分野が大幅に伸びると見込まれ、情報通信、
加工、センシング・計測専門委員会を設置して活動を行う」など
ディスプレイ・固体照明、レーザ加工とセンシング・計測分野
8項目の基本方針を策定して活動を行っている。
がプラス成長と見込まれている。一方、情報記録と入出力分
2. 光産業の国内生産額及び全出荷額
野は減少が見込まれている。
2.1 光産業国内生産額及び全出荷調査
●2014年度(定性的予測)はやや増加
光産業の国内生産額及び全出荷額調査は、次のようにして取
太陽光発電分野が成長への牽引役を果たし増加、ディス
り組んだ。
プレイ・固体照明、レーザ加工、センシング・計測分野はやや
日本国内の光製品(光機器・装置、光部品)関連生産企業
増加が予測されている。情報通信と入出力分野は横ばいが
に対して、国内生産額と海 外 生産を含む全出荷額に関する
予測されている。一方、情報記録分野はやや減少が予測され
2012年度実績額、2013年度見込額及び2014年度定性的予測
ている。
のアンケート調査(アンケート調査発送時期:2013年10月、回
2.3 2 012&2013年度全出荷額、2014年度全出荷の定
性的予測の調査結果概要
収時期:2013年12月~2014年2月、対象企業348社)を行っ
た。その結果を基に、光産業動向調査専門委員会の下に設置
2012年度全出荷額、2013年度全出荷見込額、2014年度全出
されている7つの製品分野別調査専門委員会において検討・
荷定性的予測の総括表を表2に示す。
審議を行い、さらに光産業動向調査委員会においてデータの
●2012年度(実績)は15兆1,117億円、成長率▲5.9%
妥当性について再度確認し、日本全体の光産業の国内生産額
太陽光発電分野が大幅に伸びて前年度比プラス成長で、
及び全出荷額としてとりまとめた。
固体照明と情報通信分野もプラス成長した。一方、情報記
光産業は光機器・装置と光部品を合わせて次の7分野とそ
の他に分類している。
録、入出力、ディスプレイ、レーザ加工とセンシング・計測分
1.情報通信
野は減少した。特に、ディスプレイ分野は1兆円を越える減
: 光伝送機器・装置、光ファイバ融着機、発
光素子、受光素子、光ファイバ、光コネクタ、
光受動部品など
2.情報記録
: 光ディスク装置(再生専用装置、記録・再生
装置)、光ディスク媒体、半導体レーザなど
3.入出力
: 光学式プリンタ、M FP(複合機 )
( 光学式
MFP、インクジェット式MFP)、デジタルカメ
ラ(レンズ交換式(一眼レフ、ミラーレスタイプ
(両者ともレンズを除く本体のみ)、コンパク
トタイプ))、デジタルビデオカメラ、カメラ
付き携帯電話など
少になった。
●2013年度(見込額)は17兆286億円、成長率12.7%
太陽光発電分野が大幅に伸びると見込まれ、情報通信、
ディスプレイ・固体照明、レーザ加工とセンシング・計測分野
がプラス成長と見込まれている。一方、情報記録と入出力分
野は減少が見込まれている。
●2014年度(定性的予測)はやや増加
太陽光発電分野が成長への牽引役を果たし増加、ディス
プレイ・固体照明、レーザ加工、センシング・計測分野はやや
4.ディスプレイ・固体照明: フラットパネルディスプレイ装置・素子、プロ
ジェクションディスプレイ装置、固体照明器
具・装置、発光ダイオード(照明用、表示用)
など
5.太陽光発電
増加が予測されている。情報通信と入出力分野は横ばいが
予測されている。一方、情報記録分野はやや減少が予測され
ている。
: 太 陽 光 発 電 システム 、太 陽 電 池 セ ル・モ
ジュール
2
技術情報レポート
2013年度OITDA
表1 光産業の国内生産額(総括表)
(各分野の集計値は :光機器・装置と :光部品とを単純合計したもの。単位百万円,%)
2011 年度実績
2012 年度実績
2013 年度見込
2014 年度予測
生産額(百万円)
成長率(%)
生産額(百万円)
成長率(%)
生産額(百万円)
成長率(%)
情報通信分野
506,457
▲ 6.6
470,847
▲ 7.0
508,417
8.0 横ばい
光伝送機器・装置
244,184
▲ 1.1
219,749
▲ 10.0
237,294
8.0 横ばい
幹線系(MUX を含む)
57,815
▲ 4.2
58,887
1.9
85,179
44.6
やや増加
メトロ系
47,165
▲ 0.5
50,508
7.1
45,363
▲ 10.2
横ばい
加入者系
73,518
11.7
54,059
▲ 26.5
52,988
▲ 2.0
横ばい
光インターフェイスが装着できるルータ / スイッチ
21,157
26.7
23,490
11.0
22,111
▲ 5.9
横ばい
映像伝送(CATV 等)
5,462
▲ 69.4
5,521
1.1
5,427
▲ 1.7
横ばい
光ファイバ増幅器
11,673
▲ 13.5
8,972
▲ 23.1
9,605
7.1
横ばい
その他(ATM、電力検針用装置他)
27,394
8.0
18,312
▲ 33.2
16,621
▲ 9.2
横ばい
光ファイバ融着機
16,806
5.9
17,631
4.9
19,490
10.5 やや増加
発光素子
23,876
▲ 14.8
28,642
20.0
30,153
5.3 やや増加
受光素子
6,776
▲ 8.8
8,291
22.4
8,337
0.6 横ばい
光伝送リンク
47,531
▲ 23.5
37,133
▲ 21.9
48,672
31.1 やや増加
光ファイバケーブル
107,384
▲ 5.7
98,583
▲ 8.2
101,034
2.5 やや増加
光コネクタ
21,897
▲ 9.1
21,120
▲ 3.5
21,383
1.2 やや減少
光受動部品
26,242
▲ 26.1
24,230
▲ 7.7
23,987
▲ 1.0 やや減少
光回路部品
10,629
47.4
13,662
28.5
16,267
19.1 やや減少
その他(リモコン受光ユニット、半導体増幅素子、IrDA)
1,132
▲ 0.8
1,806
59.5
1,800
▲ 0.3 減少
情報記録分野
394,354
▲ 6.5
237,816
▲ 39.7
235,209
▲ 1.1 やや減少
光ディスク
379,270
▲ 2.0
227,298
▲ 40.1
224,894
▲ 1.1 やや減少
光ディスク装置
351,234
▲ 0.4
200,405
▲ 42.9
203,288
1.4
やや減少
再生専用型(CD, MD, DVD, BD)
262,146
25.9
164,719
▲ 37.2
164,964
0.1
やや減少
記録型(MD, MO, CD, DVD, BD(民生 ・ 業務用))
89,088
▲ 38.3
35,686
▲ 59.9
38,324
7.4
減少
光ディスク媒体(BD には民生 ・ 業務用を含む)
20,976
▲ 17.0
19,661
▲ 6.3
17,818
▲ 9.4
横ばい
その他(光ヘッド,製造・検査装置)
7,060
▲ 23.8
7,232
2.4
3,788
▲ 47.6
減少
半導体レーザ
15,084
▲ 56.1
10,518
▲ 30.3
10,315
▲ 1.9 横ばい
入出力分野
1,646,616
▲ 4.9 1,465,452
▲ 11.0 1,194,347
▲ 18.5 横ばい
入出力装置
1,373,348
▲ 6.2 1,182,688
▲ 13.9
895,204
▲ 24.3 横ばい
光学式プリンタ
47,268
1.9
38,305
▲ 19.0
36,008
▲ 6.0
横ばい
MFP(複合機)
96,955
▲ 22.8
85,448
▲ 11.9
81,070
▲ 5.1
横ばい
デジタルカメラ
499,748
▲ 3.5
510,572
2.2
401,794
▲ 21.3
やや増加
デジタルビデオカメラ
72,927
▲ 42.2
46,527
▲ 36.2
45,155
▲ 2.9
横ばい
カメラ付き携帯電話
622,407
0.5
466,805
▲ 25.0
295,021
▲ 36.8
やや減少
その他(バーコードリーダ、タブレット他)
34,043
153.9
35,031
2.9
36,156
3.2
横ばい
受光素子
273,268
2.3
282,764
3.5
299,143
5.8 横ばい
ディスプレイ・固体照明分野
2,741,947
▲ 23.5 2,475,865
▲ 9.7 2,694,036
8.8 やや増加
ディスプレイ装置
695,719
▲ 44.3
326,563
▲ 53.1
317,557
▲ 2.8 横ばい
フラットパネルディスプレイ装置
633,540
▲ 44.6
258,335
▲ 59.2
247,645
▲ 4.1
横ばい
プロジェクションディスプレイ装置
59,517
▲ 35.8
65,073
9.3
65,125
0.1
やや増加
大型ディスプレイ装置
2,662
▲ 79.8
3,155
18.5
4,787
51.7
やや増加
フラットパネルディスプレイ素子
1,538,446
▲ 21.1 1,486,941
▲ 3.3 1,605,764
8.0 やや増加
固体照明器具・装置
200,979
135.4
318,742
58.6
399,607
25.4 増加
LED 照明器具(OLED を含む)
158,191
192.0
304,767
92.7
382,964
25.7
増加
LED ランプ
42,788
37.1
13,975
▲ 67.3
16,643
19.1
やや増加
発光ダイオード
306,803
2.9
343,619
12.0
371,108
8.0 やや増加
太陽光発電分野
1,338,817
7.9 1,883,529
40.7 3,287,839
74.6 増加
太陽光発電システム
759,691
22.7 1,242,888
63.6 2,650,668
113.3 増加
太陽電池セル・モジュール
579,126
▲ 6.8
640,641
10.6
637,171
▲ 0.5 増加
432,075
25.0 やや増加
レーザ加工分野・その他光加工装置
421,331
27.0
345,724
▲ 17.9
レーザ応用生産装置
263,021
▲ 3.9
192,228
▲ 26.9
237,998
23.8 やや増加
炭酸ガスレーザ
80,019
15.1
52,287
▲ 34.7
70,004
33.9
横ばい
固体レーザ
31,245
▲ 25.2
28,799
▲ 7.8
28,407
▲ 1.4
やや増加
エキシマレーザ
147,718
▲ 7.3
104,794
▲ 29.1
132,586
26.5
やや増加
その他
4,039
32.5
6,348
57.2
7,001
10.3
やや増加
その他光加工装置
95,494
99,671
4.4
132,199
32.6 やや増加
レーザ発振器
62,816
8.3
53,825
▲ 14.3
61,878
15.0 横ばい
センシング・計測分野
189,001
10.1
159,491
▲ 15.6
161,788
1.4 やや増加
光センシング機器
175,572
7.7
146,819
▲ 16.4
148,685
1.3 やや増加
光測定器
13,429
55.4
12,672
▲ 5.6
13,103
3.4 横ばい
その他分野
114,628
▲ 1.2
101,063
▲ 11.8
104,494
3.4 横ばい
医療用レーザ装置
9,939
▲ 0.4
複合光素子
26,511
▲ 8.6
33,519
26.4
36,701
9.5 横ばい
光ファイバ イメージファイバ等
4,249
7.1
3,506
▲ 17.5
3,686
5.1 横ばい
受光素子
20,331
17.5
17,632
▲ 13.3
16,721
▲ 5.2 横ばい
その他(光回路部品・微小光学部品)
53,598
▲ 3.9
46,406
▲ 13.4
47,386
2.1 横ばい
項 目
項 目
光機器及び装置 小計
光部品 小計
計
2011 年度実績
2012 年度実績
2013 年度見込
2014 年度予測
生産額(百万円)
成長率(%)
生産額(百万円)
成長率(%)
生産額(百万円)
成長率(%)
4,184,664
▲ 7.5 3,972,974
▲ 5.1 5,260,056
32.4 やや増加
3,168,487
▲ 12.4 3,166,813
▲ 0.1 3,358,149
6.0 やや増加
7,353,151
▲ 9.7 7,139,787
▲ 2.9 8,618,205
20.7 やや増加
太陽光発電分野において、システムに部品として含まれる太陽電池モジュールの生産額が重複しないよう合計した生産額は次の通りである
2011 年度実績
2012 年度実績
2013 年度見込
項 目
2014 年度予測
生産額(百万円)
成長率(%)
生産額(百万円)
成長率(%)
生産額(百万円)
成長率(%)
太陽光発電分野
964,718
5.5 1,309,832
35.8 2,667,866
103.7 増加
技術情報レポート
2013年度OITDA
3
光産業動向調査
表2 光産業の全出荷額(総括表)
(各分野の集計値は :光機器・装置と :光部品とを単純合計したもの。単位百万円,%)
2011 年度実績
2012 年度実績
2013 年度見込
2014 年度予測
出荷額(百万円)
成長率(%)
出荷額(百万円)
成長率(%)
出荷額(百万円)
成長率(%)
情報通信分野
562,539
▲ 1.5
584,985
4.0
629,374
7.6 横ばい
光伝送機器・装置
258,257
▲ 3.5
238,278
▲ 7.7
254,007
6.6 横ばい
幹線系(MUX を含む)
60,189
▲ 11.7
61,519
2.2
88,035
43.1
やや増加
メトロ系
47,165
▲ 0.5
50,481
7.0
45,374
▲ 10.1
横ばい
加入者系
73,486
10.5
62,206
▲ 15.3
58,425
▲ 6.1
横ばい
光インターフェイスが装着できるルータ / スイッチ
29,595
7.9
23,490
▲ 20.6
22,111
▲ 5.9
横ばい
映像伝送(CATV 等)
5,462
▲ 69.3
6,048
10.7
5,934
▲ 1.9
横ばい
光ファイバ増幅器
13,650
▲ 8.8
10,035
▲ 26.5
11,628
15.9
やや増加
その他(ATM、電力検針用装置他)
28,710
13.2
24,499
▲ 14.7
22,500
▲ 8.2
増加
光ファイバ融着機
16,828
6.0
18,337
9.0
19,848
8.2 横ばい
発光素子
26,484
▲ 8.0
34,045
28.5
36,176
6.3 やや増加
受光素子
6,776
▲ 5.5
8,919
31.6
9,853
10.5 やや増加
光伝送リンク
59,736
▲ 7.4
58,740
▲ 1.7
71,724
22.1 やや増加
光ファイバケーブル
124,699
7.7
155,474
24.7
166,562
7.1 やや減少
光コネクタ
25,409
▲ 9.8
24,991
▲ 1.6
24,591
▲ 1.6 横ばい
光受動部品
32,020
▲ 11.7
26,594
▲ 16.9
25,401
▲ 4.5 横ばい
光回路部品
10,705
48.5
14,451
35.0
17,376
20.2 やや増加
その他(リモコン受光ユニット、半導体増幅素子、IrDA)
1,625
22.9
5,156
217.3
3,836
▲ 25.6 やや減少
情報記録分野
1,693,465
18.5 1,315,366
▲ 22.3 1,205,093
▲ 8.4 やや減少
光ディスク
1,647,334
18.7 1,283,398
▲ 22.1 1,171,576
▲ 8.7 やや減少
光ディスク装置
1,440,119
21.6
1,142,146
▲ 20.7
1,063,580
▲ 6.9
やや減少
再生専用型(CD, MD, DVD, BD)
715,551
12.4
726,866
1.6
693,880
▲ 4.5
減少
記録型(MD, MO, CD, DVD, BD(民生 ・ 業務用))
724,568
32.3
415,280
▲ 42.7
369,700
▲ 11.0
やや減少
光ディスク媒体(BD には民生 ・ 業務用を含む)
59,127
▲ 17.4
53,131
▲ 10.1
46,897
▲ 11.7
減少
その他(光ヘッド,製造・検査装置)
148,088
12.4
88,121
▲ 40.5
61,099
▲ 30.7
やや減少
半導体レーザ
46,131
9.9
31,968
▲ 30.7
33,517
4.8 やや減少
入出力分野
4,345,411
3.3 4,068,357
▲ 6.4 3,838,847
▲ 5.6 横ばい
入出力装置
3,958,592
0.5 3,679,276
▲ 7.1 3,419,144
▲ 7.1 横ばい
光学式プリンタ
143,210
▲ 11.4
138,691
▲ 3.2
141,753
2.2
横ばい
MFP(複合機)
592,818
▲ 10.1
551,070
▲ 7.0
562,869
2.1
横ばい
デジタルカメラ
1,688,896
12.8
1,626,505
▲ 3.7
1,349,225
▲ 17.0
やや増加
デジタルビデオカメラ
170,541
▲ 31.5
144,641
▲ 15.2
110,882
▲ 23.3
横ばい
カメラ付き携帯電話
1,258,008
▲ 5.1
1,113,077
▲ 11.5
1,068,569
▲ 4.0
やや減少
その他(バーコードリーダ、タブレット他)
105,119
295.5
105,292
0.2
185,846
76.5
やや減少
受光素子
386,819
44.9
389,081
0.6
419,703
7.9 やや増加
ディスプレイ・固体照明分野
7,253,080
▲ 6.8 6,207,408
▲ 14.4 6,424,416
3.5 やや増加
ディスプレイ装置
4,680,318
▲ 9.6 3,536,005
▲ 24.4 3,486,643
▲ 1.4 やや増加
フラットパネルディスプレイ装置
4,439,206
▲ 10.8
3,343,497
▲ 24.7
3,260,653
▲ 2.5
やや増加
プロジェクションディスプレイ装置
196,247
6.1
144,532
▲ 26.4
154,876
7.2
やや増加
大型ディスプレイ装置
44,865
208.3
47,976
6.9
71,114
48.2
やや増加
フラットパネルディスプレイ素子
2,002,592
▲ 10.0 1,876,508
▲ 6.3 1,960,482
4.5 増加
固体照明器具・装置
265,156
229.3
408,883
54.2
482,127
17.9 増加
LED 照明器具(OLED を含む)
158,191
192.0
309,591
95.7
390,846
26.2
増加
LED ランプ
106,965
306.2
99,292
▲ 7.2
91,281
▲ 8.1
横ばい
発光ダイオード
305,014
2.3
386,012
26.6
495,164
28.3 やや増加
太陽光発電分野
1,423,291
▲ 5.3 2,245,643
57.8 4,134,461
84.1 増加
太陽光発電システム
797,835
10.8 1,260,440
58.0 2,669,975
111.8 増加
太陽電池セル・モジュール
625,456
▲ 20.1
985,203
57.5 1,464,486
48.6 増加
448,259
25.1 やや増加
レーザ加工分野・その他光加工装置
429,532
25.8
358,244
▲ 16.6
レーザ応用生産装置
271,222
▲ 4.3
201,303
▲ 25.8
249,580
24.0 やや増加
炭酸ガスレーザ
83,115
22.5
59,679
▲ 28.2
78,877
32.2
やや増加
固体レーザ
31,968
▲ 29.6
31,197
▲ 2.4
31,219
0.1
やや増加
エキシマレーザ
149,218
▲ 10.2
101,976
▲ 31.7
130,323
27.8
やや増加
その他
6,921
78.2
8,451
22.1
9,161
8.4
増加
その他光加工装置
95,494
99,617
4.3
132,199
32.7 やや増加
レーザ発振器
62,816
8.3
57,324
▲ 8.7
66,480
16.0 横ばい
センシング・計測分野
218,543
6.7
213,157
▲ 2.5
223,353
4.8 やや増加
光センシング機器
204,925
4.2
200,519
▲ 2.2
209,930
4.7 やや増加
光測定器
13,618
66.2
12,638
▲ 7.2
13,423
6.2 横ばい
その他分野
129,039
12.7
118,519
▲ 8.2
124,783
5.3 やや増加
医療用レーザ装置
9,939
0.9
複合光素子
40,922
41.1
43,094
5.3
49,618
15.1 やや減少
光ファイバ イメージファイバ等
4,249
7.1
3,506
▲ 17.5
3,686
5.1 横ばい
受光素子
20,331
5.3
18,067
▲ 11.1
17,191
▲ 4.8 横ばい
その他(光回路部品・微小光学部品)
53,598
2.5
53,852
0.5
54,288
0.8 横ばい
項 目
項 目
光機器及び装置 小計
光部品 小計
計
2011 年度実績
2012 年度実績
2013 年度見込
2014 年度予測
出荷額(百万円)
成長率(%)
出荷額(百万円)
成長率(%)
出荷額(百万円)
成長率(%)
12,112,553
0.2 10,938,694
▲ 9.7 12,108,452
10.7 やや増加
3,942,347
▲ 3.1 4,172,985
5.9 4,920,134
17.9 やや増加
16,054,900
▲ 0.6 15,111,679
▲ 5.9 17,028,586
12.7 やや増加
太陽光発電分野において、システムに部品として含まれる太陽電池モジュールの生産額が重複しないよう合計した全出荷額は次の通りである
2011 年度実績
2012 年度実績
2013 年度見込
項 目
2014 年度予測
出荷額(百万円)
成長率(%)
出荷額(百万円)
成長率(%)
出荷額(百万円)
成長率(%)
太陽光発電分野
1,011,048
▲ 0.4 1,314,837
30.3 2,701,626
105.5 増加
4
技術情報レポート
2013年度OITDA
2.4 光産業国内生産額の動向
2.4.1 光産業国内生産額の推移
した。しかし、2001年のITバブル崩壊以降の展開は、分野毎に
大きく異なる様相になった。
1980年度から2013年度までの34年間の国内生産額の推移
入出力分野は2001年度に余り落ち込まずに2002年度以降も
を対前年度成長率(2001年度~)とともに図1に示す。尚、光産
順調に成長したが、2008年度以降はマイナス成長に転落し、
業の国内生産規模の推移を日本経済、他業種の規模の推移と
2011年度に漸く下げ止まりの様相が見えたと思われたが、2012
比較するために、名目GDPと電子工業国内生産額も参考のため
年度そして2013年度と再びマイナス成長軌道に乗ってしまって
に載せてある。
いる。ディスプレイ・固体照明分野は多少の波はあるものの順
光産業は、国内生産額の調査開始年度である1980年度には
調に成長し続けていたが、2010年度をピークに急降下し始め
約800億円の規模で、1980年代は日本経済とともに成長した。
た。特に、フラットパネルディスプレイ装置は2011年度からの2
1991年には国内生産額で電子工業全体の1/10となり、一貫して
年間で国内生産額は凡そ80%も減少してしまっている。しか
プラス成長を持続したまま、2000年度には7兆円の大台に乗っ
し、2013年度は漸く下げ止まりの様相がみられる見込みになっ
た。IT不況の影響で2001年度は調査開始以来、初めてのマイ
ている。一方、本分野に埋没してしまっているが、固体照明分
ナス成長を記録したが、急回復して2003年度に10兆円の大台
野は2011年度3桁、2012年度2桁、そして2013年度も2桁成長
に近付くと、以降はマクロ経済の影響を大きく受け、GDPや電
が見込まれており、大きく成長を果たした分野の一つになって
子産業と連動した動向を示すようになっている。2007年度まで
いる。太陽光発電分野も昨今の光産業分野の成長頭になって
は緩やかに成長したが、2008~2009年度は世界金融不況の
おり、2008年度以降急勾配の上昇が見られている。特に、2012
影響を受けて2年連続のマイナス成長となり、2010年度には一
年7月に固定価格買取制度(Feed in Tariff: FIT)が導入され
端回復傾向を示したものの勢いは弱く、2011~2012年度は再
て以降、産業用・電力事業用が大幅に伸びて、2013年度には
びマイナス成長へ入り込んでしまった。しかし、2013年度はアベ
国内生産額では構成比率が第一位の分野になる見込みになっ
ノミクスにより、名目GDP2.5%の成長見通しが示すように景気
ている。情報記録分野は長期低落を継続しており、2012年度
が回復し、設備投資・一般消費が増えて、久し振りに2桁成長
には3,000億円を割り込み、2013年度も継続している。他(情
を果たす見込みになっている。
報通信、レーザ加工、センシング・計測)の分野は国内市場がメ
1991年度実績から2013年度見込みまでの23年間の分野別光
インになっており比較的に国内景気の影響を受け易く、景気動
製品国内生産額の推移(その他を除く7分野)を図2に示す。
向に似た様相が見受けられ、2013年度は景気回復による設備
国内生産額は、1990年代は、ディスプレイ、入出力、情報通
投資などが増えて、やや増加から増加が見込まれている。
信と情報記録分野は順調に伸び、いずれも2000年には1兆円
超の国内生産額に成長した。また、レーザ加工、センシング・計
測と太陽光発電分野においても、生産金額は2000年において
5千億円未満と規模は小さかったが、1990年代は順調に推移
30
9.6
生産金額(兆円)
25
▲1.8
7.0
20
▲12.0
5
0
▲3.5
1.3
▲4.6
▲3.2
6.5
2.3
▲18.2
15
10
0.5 0.7 0.8
▲0.7 0.8 0.2
1.0
▲0.8
▲7.9
0.3
29.2 1.1 0.1
光産業国内生産額
11.2
名目GDP(×1/20)*1
13.1
▲26.7
▲2.7
▲16.7*3
▲9.5*3
3.2
▲14.5
7.3
2.7*3
電子工業国内生産額*2
3.3
▲1.4
数字:対前年度成長率
5.3 0.6
2.5
▲10.7
20.7
▲9.7 ▲2.9
▲15.1
予測
年度
見込
80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
*1 内閣府発表資料より(26経済見通し及び財政運営 2014/1/24)
*2 電子情報産業の世界生産見通し、JEITA、2013/12/15
*3 カメラ付き携帯電話の調査開始年度(02)、太陽光発電システムの調査開始年度(08)及び固体照明の調査開始年度(09)の対前年度成
長率には調査開始項目は含まれない
図1 光産業国内生産額、名目GDP、電子工業国内生産額の推移(1980~2014)
技術情報レポート
2013年度OITDA
5
光産業動向調査
4.0
情報通信分野
情報記録分野
入出力分野
ディスプレイ・固体照明分野
太陽光発電分野
レーザ加工分野
センシング・計測分野
3.5
生産金額(兆円)
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
92
93
94
95
96
97
98
99
00
01
02
03
04
05
06
07
08
年度
09
10
11
12
13
見込
91
図2 分野別光製品国内生産額の推移
前の旺盛な需要に対する反動並びに円高と継続的な価格低下
2.4.2 光 産業国内生産額の分野別構成比率と寄与度
の推移
による海外生産シフトにより、この2年間で80%近く減少し、一
方、固体照明は省エネ意識の高まりにより大幅に続伸している
国内生産額の2011年度実績~2013年度見込みの3年間の
が、落ち込みをカバーするまでには至らず、結果、構成比率は
光製品国内生産額の分野別構成比率の推移を図3に、光製品
2011年度から2013年度までに6ポイント減少が見込まれてい
国内生産増減額の分野別寄与度推移を図4示す。
る。入出力分野はデジタルカメラ・カメラ付き携帯電話などの
図3の分野別構成比率を見ると、ディスプレイ・固体照明、
低調により8.5ポイント減少が見込まれている。
入出力及び太陽光発電の3分野で全体の約80%を占めている
次に、分野別寄与度(図4)は、2012年度は唯一太陽光発電
が、2009年度の世界金融不況の影響を受けた大きさに対し、
分野のみがプラスになっている。ディスプレイ・固体照明分野
その後の回復の度合いの違いにより構成比率は大きく変化し
は2011年度に比べるとマイナス幅は小さくなっているが、入出
ている。太陽光発電分野はFIT、余剰電力買取制度と補助金
力と情報記録分野はマイナス幅が大きくなっている。レーザ加
などにより飛躍的に続伸し、2012年度に第二位になり、2013年
工分野はプラスからマイナスへ反転している。2013年度は太陽
度には第一位に躍り出る見込みである。ディスプレイ・固体照
光発電をはじめとした5分野がプラスとなり、マイナスは情報記
明分野は、フラットディスプレイ装置の国内生産が2011年の地
録と入出力の2分野に止まる見込みである。
上デジタル放送(地デジ化)への完全移行終了後に、その移行
100%
90%
5.4%
5.7%
80%
6.9%
70%
18.2%
1.6%
2.6%
3.3%
4.8%
6.6%
1.4%
2.2%
26.4%
22.4%
5.9%
1.2%
1.9%
38.1%
60%
50%
2.7%
5.0%
20.5%
40%
13.9%
その他分野
センシング・計測分野
情報記録分野
レーザ加工分野
情報通信分野
太陽光発電分野
入出力分野
ディスプレイ・固体照明分野
30%
20%
37.3%
34.7%
2011年実績
7兆3,532億円
2012年実績
7兆1,398億円
31.3%
10%
0%
2013年見込
8兆6,182億円
図3 光産業国内生産額の分野別構成比率推移
6
技術情報レポート
2013年度OITDA
金額(億円)
16,000
15,000
14,000
13,000
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
-1,000
-2,000
-3,000
-4,000
-5,000
-6,000
-7,000
-8,000
-9,000
ディスプレイ・固体照明分野
入出力分野
太陽光発電分野
情報通信分野
情報記録分野
レーザ加工分野
センシング・計測分野
その他分野
光製品 合計
14,784億円
2012年度実績
2011年度実績
2013年度見込
▲2,134億円
▲7,864億円
図4 国内生産増減額の分野別寄与度推移
2.5 光産業全出荷額の動向
2.5.1 光産業全出荷額と分野別全出荷額の推移
長(但し、内、固体照明分野は省エネ意識の高揚と品揃えに充
実により大幅に増加)となり、入出力分野も海外勢が勢力を伸
全出荷額及び分野別全出荷額の2009年度実績から2013年
ばしてカメラ付き携帯電話が減少するなどによりマイナス成長
度見込みの5年間の推移を図5に示す。2012年度は15.1兆円
になった。2013年度は入出力と情報記録分野を除いて、5分野
に減少したが、2013年度は17兆円台に乗ることが見込まれて
がプラス成長になる見込みである。特に、太陽光発電分野は
いる。
FIT導入により前年度比84.1%と飛躍的な伸びが見込まれてい
2012年度は太陽光発電分野がFIT導入により産業・電力事
る。また、ディスプレイ・固体照明分野もディスプレイ装置の減
業用途が牽引して大幅に増加し、情報通信分野も光ファイバ
少が緩やかになり、固体照明分野の伸びに支えられて3年ぶり
ケーブルが新興国の情報通信インフラ投資が進み輸出が増加
にプラス成長へ転換が見込まれている。レーザ加工分野も半
するなどによりプラス成長した。情報記録とディスプレイ・固体
導体メーカなどの設備投資が回復して増加し、センシング・計
照明情報記録分野は前年の地デジ化への移行とエコポイント
測分野も自動車産業などの設備投資が回復してやや増加し、
の終了による需要の反動と継続的な価格低下によりマイナス成
プラス成長が見込まれている。一方、情報記録分野は民生用途
9.0
16.2%
出荷金額(兆円)
8.0
15.3%
17.0%
16.1%
(兆円)
18.0
16.0
15.1%
7.0
14.0
6.0
12.0
5.0
10.0
4.0
8.0
3.0
6.0
2.0
4.0
1.0
2.0
出荷合計の縦軸:右側
ディスプレイ・固体照明分野
入出力分野
太陽光発電分野
情報記録分野
情報通信分野
レーザ加工分野
09
10
11
12
年度
13
見込
0.0
図5 分野別光製品全出荷額の推移
技術情報レポート
2013年度OITDA
7
0.0
センシング・計測分野
出荷合計
光産業動向調査
の市場が縮小してディスク装置・媒体とも減少し、マイナス成長
ラスを計上し、情報通信分野も僅かだがプラスになっている。
が見込まれている。入出力分野もデジタルカメラが減少するな
他の5分野はマイナスになっているが、特に、ディスプレイ・固
ど海外市場が低迷して、マイナス成長が見込まれている。
体照明分野はフラットパネルディスプレイ装置の不振により
1兆円を越す減少になっている。2013年度は太陽光発電をは
2.5.2 光産業全出荷額の分野別構成比率と寄与度推移
じめとした5分野がプラスとなり、特に、太陽光発電分野の伸
全出荷額の2011年度実績~2013年度見込みの3年間の光
びは著しい。また、ディスプレイ・固体照明分野もディスプレイ
製品全出荷額の分野別構成比率の推移を図6に、光製品全出
装置の減少が緩やかになり且つ固体照明が伸びてプラスへと
荷増減額の分野別寄与度推移を図7示す。
転じる見込みである。尚、マイナスは情報記録と入出力の2分
分野別構成比率(図6)は、2012年度は太陽光発電分野が
野に止まる見込みである。
伸ばし、ディスプレイ・固体照明分野が低下している。2013年
各分野の詳細な分析については、以降の3章から9章で述
度には太陽光発電と入出力分野が入れ替わり、太陽光発電分
べる。
野が9.4ポイント伸ばして第二位になる見込みになっている。
分野別寄与度(図7)は、2012年度は太陽光発電が大きくプ
100%
3.5%
90%
10.5%
0.8%
1.4%
2.7%
80%
60%
8.7%
3.7%
0.8%
1.4%
2.4%
7.1%
14.9%
8.9%
70%
3.9%
27.1%
24.3%
26.9%
50%
22.5%
40%
30%
45.2%
20%
0.7%
1.3%
2.6%
41.1%
37.7%
その他分野
センシング・計測分野
レーザ加工分野
情報通信分野
情報記録分野
太陽光発電分野
入出力分野
ディスプレイ・固体照明分野
10%
0%
2012年実績
15兆1,117億円
2011年実績
16兆549億円
2013年見込
17兆286億円
金額(億円)
図6 全出荷額の分野別構成比率
20,000
19,000
18,000
17,000
16,000
15,000
14,000
13,000
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
-1,000
-2,000
-3,000
-4,000
-5,000
-6,000
-7,000
-8,000
-9,000
-10,000
-11,000
ディスプレイ・固体照明分野
入出力分野
太陽光発電分野
情報通信分野
情報記録分野
レーザ加工分野
センシング・計測分野
その他分野
光製品 合計
2011年度実績
▲960億円
19,169億円
2012年度実績
2013年度見込
▲9,432億円
図7 全出荷増減額の分野別寄与度推移
8
技術情報レポート
2013年度OITDA
3. 情報通信分野
がない状況となっているが、海外生産額が増加傾向を示して
ここ数年のブロードバンド無線アクセス、特に3.9世代のユー
いる。光ファイバケーブル全体生産額の9割以上を占める石英
ザ 獲 得 の 勢 い は す さ まじ く、つ い に F T T H 契 約 数
系シングルモードファイバの2013年度生産見込み額は920億円
(2千5百万)を抜き去り3千万加入を超えた。無線LANルー
(同1%)となっており、ここ数年の国内生産額の状況は、
タとしてもスマートフォンを利用するテザリング機能を利用する
FTTH契約数の伸びが鈍化していることや携帯基地局のエリ
ユーザの増加によって固定回線離れも進んでいる。これを逆風
ア拡大が一段落している状況が反映していると思われる。
要素としてFTTH契約数の増加率は年々低下しており、その市
石英系マルチモードファイバは国内生産額に比べ全出荷額
場も飽和傾向にある。しかし、携帯電話や無線LANの基地局
が大きく伸びており、海外拠点での生産の拡大などが現れてい
もネットワーク側は光ファイバで接続されることが多く、いわゆ
ると推測される。主な用途は構内光LANシステムやデータセン
る「モバイルバックホール」向けとしてメディアコンバータ関連の
タの機器間LAN配線用であり、ここ数年インターネット上にお
需要は増加している。情報通信分野全体でみると国内生産額
ける動画コンテンツの増加、スマートフォンの爆発的な普及やク
はここ数年ほぼ5千億円レベルであるのに対して、海外生産を
ラウドサービスの発展などにより、特に海外のデータセンタに
含む全出荷額は2013年には6千億円を超える見通しとなって
おいて新築や増築が進められており、これらのLAN関係の需
いる。これは光ファイバ等で需要の多い中国などの現地製造
要動向が現れているものと考えられる。
拠点における生産量の増加が海外生産額を伸ばしているもの
4. 情報記録分野
とみられる。
本調査専門委員会では、光技術を用いた情報記録(光ディ
各カテゴリごとに内容をみると、光伝送機器及び装置は、
キャリア及びサービスプロバイダによる40Gさらには100G送受
スク)の装置・媒体についての国内生産額及び海外生産を含む
信機を搭載した基幹系装置への投資が国内生産高を牽引して
全出荷額の調査とその結果の分析、及び特徴的な市場トピック
おり、2012年度終盤から徐々に回復が見られ始め、2013年度
スの調査を行った。なお、次年度の予測については、他の分野
の国内生産見込みも前年度比成長率が8%で増加に転じてい
と同様に前年度の調査結果に対して増加、横ばい、減少など
る。基幹系ネットワークは大容量化への対応が進み、北南米、
定性的な表記を用いている。平成25年度報告書では、製品別
欧 州 、中国 及び 豪 州 等 の 幹 線 系ネットワークに おいては
の市場動向分析を、⑴再生専用装置、⑵記録・再生装置、⑶光
100Gbps送受信機を搭載した装置の導入が進んでおり、日本
ディスク媒体の順に記載し、注目すべき動向として、光ディスク
でも導入が始まった。加入者系ではモバイルアクセスサービス
のアーカイブ及び医療での展開について報告している。
の拡大及び高速化、動画に代表されるコンテンツの大容量化、
再生専用装置のカテゴリでは、CD再生装置(音楽CDプレイ
及びクラウドサービスの利用などによるデータセンタへのアクセ
ヤ、CD-ROMユニット)、DVD再生装置(映像、ゲーム、パソコ
スなどが増加し、通信ネットワークのトラヒックは継続的に増加
ン、カーナビ)、BDプレイヤが対象で、昨年まで対象としてい
し続けている。またスマートフォン等の移動系超高速ブロード
たMDプレイヤは、国内生産額及び全出荷額共にほとんどゼロ
バンドサービスの爆発的な普及によるインフラ帯域の枯渇に
と見込まれ、本年度より調査対象から外すことにした。再生専
対する解決策として、光回線と無線回線の融合による効率的な
用装置の全出荷額は、2011年度実績7,156億円から2012年度
通信インフラの構築へ、10Gbpsを超える次世代大容量光加入
実績7,269億円と堅調な伸びを示したのに対し、2013年度は、
者網の適用が期待される。
前年度比4.5%減の6,939億円となる見込みである。また、国内
CATV市場は年額55億円程度(国内)で安定した推移が見
生産額においては、逆に2011年度実績2,621億円から2012年度
込まれている。これはCATV業者による地域WiMAXの提供
実績1,647億円と大きく減少したが、2013年度は、前年度に対
や、公衆回線LANを拡充する動きがみられるためである。膨
し横ばいの1,650億円となる見込みである。全体の傾向として
大なコンテンツ量と地域に根付いたサービスとしてのCATVが
は、調査対象から外したMDプレイヤの影響はほとんどなく、
デジタルデバイド対策として有効であることから、今後も一定
CD、DVD、BDの再生専用装置の市場は下げ幅が落ち着いて
規模での市場が見込まれる。
きたと予想することができる。国内生産も、昨年度まで急速に
光伝送リンクの国内生産額は、2011年度、2012年度と減少
進んだ海外工場へのシフトがようやく飽和してきたと考えられ
が続いたが、2013年度は487億円(前年度成長率31.1%)と大
る。一方、全出荷額の内訳でDVD装置が全体の50%以上を占
幅な回復が見込まれている。特に100Gbps光伝送リンクの生産
める傾向は、今年度も変わっておらず、次世代DVDと位置づけ
額の急激な増加が寄与している。この製品が本格的に運用に
られるBD装置が爆発的な伸びを示してないことから、引き続
採用されはじめたことで、ユーザの需要が100Gbpsに移ってい
きこの状況は続くと考えられる。
るのではないかと想像される。100Gbpsのような超高速域の光
記録・再生装置では、光磁気ディスク(MO)装置及びMini
伝送リンクでは、長距離伝送を可能とするために受信信号と単
Disc(MD)装置の市場が大幅に縮小しているため、両装置の
色光源を干渉させた後に電気信号に変換しデジタル信号処理
調査を行わないこととした。このため、パーソナルコンピュータ
を施すことで、電気的に波形歪みを補償するデジタルコヒーレン
(PC)向けの記録形DVD/BDドライブ及びDVD/BDレコー
ト受信方式が採用されており、主にコアネットワーク製品にお
ダが調査の対象で、これらカテゴリ全体の海外生産分も含む
いて使用されている。
2012年度全出荷額実績は約4,153億円、国内生産額は357億円
であり、2013年度は、全出荷額は前年度比11%減の3,697億
光ファイバケーブルの国内生産額はここ数年では大きな変化
技術情報レポート
2013年度OITDA
9
光産業動向調査
5. 入出力分野
円、国内生産額は前年度比7%増の383億円となる見込みであ
入出力調査専門委員会は、入出力機器全体の市場動向、生
る。BD関連機器は、2012年度の全出荷額実績の60%、2013
年度は63%が見込まれており、国内が主要市場であるBDレ
産動向、及び本分野における特徴的な市場・製品動向の調
コーダについては、2011年7月の地上波TV放送のアナログ停
査・分析を行っている。主な対象製品は、光学式プリンタ、光
波に伴うTV・レコーダの買い替え特需が一時的に発生した
学式MFP(複合機)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ及
2010年から2011年の反動や、録画用に外付けUSBハードディス
びカメラ付き携帯電話である。なお、今 年度からイメージス
クドライブ(HDD)接続可能なTVの普及などにより、2012年度
キャナ用密着イメージセンサ、プリンタ用LEDヘッド、プリンタ
は急激な需要縮小が発生し、全出荷額実績の前年度比で半減
用スキャナユニットの3項目を、その他の項目に含め、また3Dプ
したものと思われる。また、2013年度は、ほぼ横ばいとなるこ
リンタの動向調査を追加した。調査対象製品と調査項目の見
とが予想され、国内生産額は、2012年度実績に対して、2013年
直しを行なったが、これまでの調査結果との連続性に大きな影
度は微増が見込まれており、海外生産シフトは一旦留まったよ
響をおよぼす変更ではない。
うに見える。PC向けの記録・再生DVD及びBDドライブの動向
5.1 光入出力機器の国内生産額
については、光ディスク装置の低価格化により、国内Notebook
PCの中級機種にも記録形BDドライブ搭載モデルが拡がり、
2003年度~2007年度までの国内生産額は、概ね3兆5,000
USBバスパワー駆動のコンパクトな外付けBDドライブなども多
億円程度であったが、2 0 0 8年度以降大きく減少している。
く販売されているが、一方でNotebook PCの薄型化・軽量化や
2012年度は、ようやく下げ止まると思われたが、その後も下がり
タブレットPCの普及により、光ディスク装置そのものを搭載し
続け、1兆1,900億円程度と、最盛期の1/3程度に縮小してい
ないPCも増えている。また、全世界的には、PC内蔵光ディスク
る。2013年度は、いわゆるアベノミクスによる上昇が期待できる
ドライブの主流は記録形DVDドライブで、2012年度実績の全
はずであるが、2012年度よりもさらに減少することが予想され
出荷額の大半はPC向けであると考えられ、2013年度全出荷額
ている。生産設備のほとんどが海外に移転してしまっているた
は減少見込みで、更なる低価格化や台数減が続いていると思
め、好景気や円安が国内生産の上昇に結び付かなくなっている
われる。
ものと思われる。
光ディスク媒体においては、2012年度の国内生産額は、BD
5.1.1 光学式プリンタ
では増加が見られたものの、CD-Rや記録型DVDの国内生産
が大きく減少したことにより、前年度比6.3%減の197億円と
国内生産額は、2006~2008年度まで1,100億円を超える規
なった。2013年度は、CD-Rや記録型DVDの需要減による国
模を維持していたが、リーマンショックの影響で大きく縮小し、
内生産の更なる減少が見込まれることに加え、BDの国内生産
2013年度は360億円まで下落する見込みである。ただし、全出
の伸びが鈍化することが見込まれており、全体では前年度比
荷額は、前年度比2.2%増の1,400億円程度の見込みである。依
9.4%減の178億円となる見込みである。一方、海外生産を含め
然として海外への生産シフト戦略が変わらないことが窺える。
た2012年度の全出荷額は、BDは増加したものの、CD-Rと記
5.1.2 光学式MFP(複合機)
録型DVDの減少が大きく、前年度比10.1%減の531億円となっ
2012年度の国内生産額は、782億円(前年度比11.6%減)
た。2013年度は、BDの伸びが見込めないため、全体では前年
で、数年来、年率10%台前半の減少が続いている。2013年度
度比11.7%減の469億円になる見込みである。
なお、統計の数字にはまだ現れていないが、全世界的に急
は、754億円(前年度比3.6%減)と小幅ながら引き続き減少す
増しているデジタルデータの長期保存先として、長期保存性能
ると見込まれる。全出荷額も前年度比10%を超える減少が続
を特徴とするアーカイブ仕様の光ディスクが出荷され始めてお
いたが、2013年度は下げ止まり、2012年度並みの560億円の見
り、この光ディスクに対応した光ディスク装置も登場している。
込みである。新興国を中心にモノクロMFPの数量が伸びてい
これら業務用途の記録・再生装置の普及による市場の拡大に
るためと考えられる。
期待したい。
5.1.3 デジタルカメラ
注目すべき技術動向としては、データの長期保存に着目した
アーカイブ及び医療分野における光ディスクの活用について報
国内生産金額は、2009年度から昨年度まで順調に回復傾向
告した。アーカイブ用光ディスクの認証に関する仕組みづくりが
であったが、2013年度は約4,018億円(前年度比約21%減)と
始まっており、今後の活用が広がることが期待されている。ま
見込まれる。ピーク時の9,823億円(2007年度)と比較すると約
た、医療分野における光ディスクの活用が進んでおり、医療IT
41%という低い水準である。コンパクトデジタルカメラの需要が
の 拡 大 、診 断 技 術 の 向 上、治 療 技 術 の 向 上、患 者 Q o L
一巡し、またスマートフォンをコンパクトカメラの代替として利
(Quality of Life)の改善、という方向性を背景に画像、医療
用しているユーザが多いことが主な原因と考えられる。
データなど記録されるデータ量も拡大していることから、保存
5.1.4 デジタルビデオカメラ
コストをかけずに、安全に長期保存されるべきであり、光ディス
2013年度の国内生産金額は、2008年度以降の減少傾向か
クの担うべき一つの領域といえる。
らようやく下げ止まり、2012年度(465億円)と比べて、やや減
少か同額レベルに推移すると見込まれる。この金額は2003年
10
技術情報レポート
2013年度OITDA
6.1 ディスプレイ分野の産業動向
のピーク時(5,880億円)のわずか7.9%程度であり、デジタルビ
デオカメラの国内生産の厳しさが窺える。デジタルカメラやス
ディスプレイ分野の調査は従来通り、消費者に近い製品レベ
マートフォンの動画機能の進化、低価格なアクションカメラなど
ルであるディスプレイ装置と、産業基盤としてのディスプレイ素
の台頭が減退の主な要因であると思われる。
子とに分けて行っている。
5.1.5 カメラ付き携帯電話
6.1.1 ディスプレイ装置
2012年度の国内生産額は、約4,670億円(前年度比25.0%
フラットディスプレイテレビの国内生産額は、大型化、高精細
減)となった。2013年度は約2,950億円(前年度比36.8%減)の
化、色再現性の改善、などテレビとしての性能向上が進化した
見込みで、2年間で半減したことになる。また、2012年度の全
ものの、市場として地上デジタル放送への完全移行に伴う需要
出荷額は、約1.1兆円(前年度比11.5%減)となったが、2013年
の反動、円高の長期化、単価ダウンの継続等の影響により、
度は、ドコモのiPhone採用等で一時的に歯止めがかかり、約
2012年度実績で2,130億円(同61.6%減)と大幅な減少となっ
1.0兆円(前年度比4.0%減)を見込んでいる。
た。これに対し、2013年度見込では、テレビの大画面・高精細
化に伴う単価上昇や景気低迷の一服感等により、2,037億円
5.2 海外生産動向調査
(同4.4%減)と減少に歯止めがかかると予測している。今後の
入出力装置の海外生産比率は、2012年度48.6%、2013年度
テレビは、超高精細化とスマートテレビ化の2大潮流が進展し
見込み5 6 . 3%である。調査の精度を考慮すると、概ね5 0~
ていくものと考えられ、テレビ産業が再び成長軌道に乗ること
60%程度で飽和していると思われるが、短期間のうちに国内
が期待される。
生産に回帰する兆候は見られない。特にカメラ付き携帯電話
国内の有機ELの生産高の動向はここ数年横ばいであり、
は、急速に国内生産が消滅しつつある。海外出荷比率は、比
2013年度は2012年度の生産額79億円(実績)を僅かに上回る
率の低いカメラ付き携帯電話を除くと、2011年度80.8%、2012
81億円を見込んでいる。有機ELテレビの普及と、有機ELフレキ
年度85.5%、2013年度見込み84.5%と高止まりしている。
シブルディスプレイの利用拡大による2014年以降の有機ELの
市場の成長が期待されている。
5.3 本年度の注目すべき動向
2013年度の大型表示装置の国内生産額(見込み)は約48億
光学式MFPでは、各社、クラウドサービスやスマートフォン
円(同51.7%増)となったが、好景気時の30%程度の生産額に
連携などのソリューション系ビジネスに力を入れており、また操
留まっており、大型表示装置市場は依然として厳しい。その主
作パネルにスマートフォンライクなユーザインタフェースが採用
な原因としては、長期の円高による国内企業の生産拠点流出、
されてきている。
新興国企業の台頭による競争力の低下等が考えられる。2014
最近注目されているアクションカメラの2013年出荷台数は、
年度以降については、公共投資の増額の中で行なわれる交通
250万台と推測される。スポーツ、車載カメラ、水中撮影などの
インフラの整備での情報表示装置需要が期待され、微増傾向
用途に活用されて、2013年以降も拡大すると推測される。
が見込まれている。
カメラ付き携帯電話では、電気通信事業者の端末調達戦略
プロジェクタは継続的な価格の下落や欧州市場低迷の影響
等の理由によりモデル数が減少している。また、様々な利活用
により、2012年度の実績は全出荷額が1,445億円(同26.4%
シーンが生まれており、通信の高速化に伴い更なるサービスの
減)となったが、国内生産額については、国内生産の中心が付
高度化が期待される。
加価値の高い大型装置となったことから、金額ベースでは651
3Dプリンタには、光造形法、インクジェット法、積層法などが
億円(同9.3%増)と微増となった。新たな用途展開として、
ある。現在、市場は僅かであるため、まだ大手企業は参入して
LEDやレーザを光源として用いた小型プロジェクタ内蔵のス
いないが、一気に市場が拡大する可能性を有しており、今後、
マートフォンやビデオカメラ、ヘッドマウントディスプレイ等が発
動向を注目して行く。
売されており、今後の動向が注目されるほか、近年話題となっ
ているプロジェクションマッピングやデジタルサイネージなども
6. ディスプレイ・固体照明分野
期待される。
ディスプレイ・固体照明分野全体の国内生産額は、2012年度
6.1.2 フラットパネルディスプレイ素子
実績では2兆4,759億円(前年度比9.7%減)と前年度に引き続
いての減 少となった。これに対し、2 013 年度見込みは2兆
フラットパネルディスプレイ素子の国内生産額は、2012年度
6,940億円(同8.8%増)と2010年度以来の増加に転じた。この
実績では1兆4,787億円(同3.1%減)と微減となったものの、
増加傾向には、ディスプレイ分野ではテレビの大画面・高精細
2013年度見込では1兆5,974億円(同8.0%増)と増加に転じる
化・高機能化に伴う単価上昇やスマートフォンやタブレット端末
と予測されている。2011年度には大型パネルが需要減と価格
用の中小型液晶高精細パネルの市場拡大等の要素と、背景と
ダウンの影響を大きく受け、テレビ用に生産を集中していた国
して景気の好転感等が寄与していると思われる。また固体照
内メーカ各社が生産減と海外生産シフトを進めたが、2012年
明分野では、価格の下落傾向を数量増加でカバーすることで、
度以降は国内生産の中心を付加価値の高い中小型高精細パネ
成長率は鈍化したものの金額ベースでの市場拡大が継続して
ルに切り替えたことで、金額ベースでの伸びを確保できている
いる。
ものと考えられる。
技術情報レポート
2013年度OITDA
11
光産業動向調査
2014年度以降は中小型パネル事業を核に需要が拡大し、高
のと予測している。
機能化するスマートフォンや携帯ゲーム機器、タブレット端末と
7. 太陽光発電分野
いった用途の拡大を背景に、成長を続けることが期待される。
7.1 2012年度出荷状況
技術的には大容量表示が可能な高精細画面・高色再現性・
2012年度におけるわが国の太陽電池総出荷量は表4に示す
タッチパネルの搭載が進み、国内メーカの得意とする高付加価
ように、対前年比62.8%増の4,371MWとなり、これまでの記録
値品を軸に需要が拡大すると予測される。
を大幅に更新した。2006年度のマイナス成長後、2011年度を除
6.2 固体照明分野の産業動向
いて毎年前年の成長率を上回り続けてきており、2012年度の成
固体照明の市場は近年急激に拡大し、ディスプレイ・固体照
長率は62.8%に達した。これは2011年度に制定された再生可
明分野の国内生産額の一割以上を占めるに至っている。その
能エネルギー法により、固定価格買取制度が2012年7月よりス
中で、2007年ごろから本格的に市場に登場した電球形LEDラ
タートしたことで、国内市場が一気に拡大したからである。こ
ンプに数年遅れて直管LEDランプも2011年頃から普及が始
れまでの政府による太陽光発電システムの普及支援事業が住
まっており、2011年度からこれを合算して報告している。2012
宅市場中心であったものが、固定価格買取制度への移行で、
年度LEDランプの全出荷額は、993億円(前年度比7.2%減)で
公共・産業用及び電気事業用にも広がり、さらに、太陽光発電
あった(直管LEDランプを含む)。2013年度は、全出荷額で
システム価格の低下により、国内市場は本格的な成長軌道に
913億円(同8.1%減)になるものと予測される。2011年度は電
乗り始めた。
球形LEDランプが大きな伸びを示したが、2012年度以降は販
材料別にみると、表5に示すように、単結晶Si、多結晶Si、
売単価の低下により出荷額は減少傾向となっている。またLED
a-Si・その他のすべての材料にわたって大幅に伸びている。
ランプ単体の生産は、2011年3月の東日本大震災を契機に海
2011年度は多結晶Siと単結晶Siは拮抗したが、2012年度は多
外移転が急速に進み、国内生産額のウエイトが2011年度には
結晶Si型が20%以上上回り、従来どおりの比率となった。多結
40%程度、2012年度には14%程度まで低下したものの、全配
晶Si型は、2011年度のマイナス成長から一転してほぼ倍増し、
向型等の高機能製品の国内生産により、2013年度は18%程度
初めて2GWを突破した。多結晶Si型は、公共・産業用及び電
に回復する見込みである。
気事業用における中心的な太陽電池であることから、国内需
一般照明用LED照明器具の国内出荷金額は2012年度実績
要の拡大により大幅な伸びとなった。単結晶Si型はa-Si/単結
3,048億円(前年度比92.7%増)、2013年度見込みは3,799億円
晶Siというヘテロ接合タイプの単結晶Si型太陽電池と、バックコ
(同24.7%増)である。全照明器具出荷台数に対するLED照
ンタクト型の単結晶Si太陽電池が中心となっており、このタイプ
明器具出荷台数の比率(LED照明器具出荷台数/全照明器
の太陽電池は変換効率が高いことから、住宅市場を中心に上
具出荷台数)と全照明器具出荷金額に対するLED照明器具出
昇基調を持続している。一方、a-Si型及びその他は、CIS薄膜
荷金額の比率(LED照明器具出荷額/全照明器具出荷額)
型太陽電池が中心で毎年着実に伸びており、1GWレベル目前
は、2012年度は台数比で40%、金額比で48%にまで伸張し、
である。CIS型太陽電池は、日本のみが大規模商業生産に成
2013年度の見込では台数比、金額比とも60%近くまでになるも
功しており、GWレベルの生産に向けて世界的な注目を集めて
表4 2010年度~2012年度における用途別太陽電池出荷量
用途
2010年度
出荷量
(MW)
2011年度
シェア
(%)
出荷量
(MW)
2012年度
シェア
(%)
出荷量
(MW)
シェア
(%)
対前年
増加量
(MW)
対前年
伸び率
(%)
民生用
0.8
0.0
0.3
0.0
0.3
0.0
0.0
7.6
電力用
2,533.8
99.8
2,684.7
100.0
4,370.4
100.0
1685.7
62.8
その他(含 研究用)
計
4.2
0.2
0.6
0.0
0.6
0.0
0.0
0.0
2,538.8
100.0
2,685.6
100.0
4,371.3
100.0
1685.7
62.8
出典:光産業技術振興協会及び太陽光発電協会資料
表5 2010年度~2012年度における材料別太陽電池出荷量
材料
2010年度
出荷量
(MW)
2011年度
シェア
(%)
出荷量
(MW)
2012年度
シェア
(%)
出荷量
(MW)
シェア
(%)
対前年
増加量
(MW)
対前年
伸び率
(%)
単結晶Si
832.3
32.8
1,028.0
38.3
1,555.3
35.6
527.3
51.3
多結晶Si
1,320.5
52.0
1,021.1
38.0
2,013.3
46.1
992.2
97.2
a-Si・その他
計
386.1
15.2
636.4
23.7
802.6
18.4
166.2
26.1
2,538.8
100.0
2,685.6
100.0
4,371.3
100.0
1,685.7
62.8
出典:光産業技術振興協会及び太陽光発電協会資料
12
技術情報レポート
2013年度OITDA
28,000
26,678
26,000
太陽光発電産業規模(億円)
24,000
22,000
20,000
18,000
16,000
14,000
13,098
12,000
10,000
8,000
9,143
6,000
9,647
4,000
2,000
0
149
95
96
97
98
99 2000 01
02
03
04
05
06
07
08
年度
09
10
11
12
13
見込
94
注:太陽光発電産業規模は2007年度までは太陽電池生産額を、2008年度以降は太陽光発電システム生産額を示す
出典:光産業技術振興協会及び太陽光発電協会資料
図8 日本における太陽光発電産業規模推移
いる。
経済低迷等が影響している。2012年度はこの状況に拍車がか
かり、さらに大幅な2 5.6%の減少という結果になった。一方
7.2 太陽光発電産業規模の実績、見込み及び予測
2013年度は、2012年12月の政権交代とアベノミクス効果にとも
太陽電池のこれまでの生産額は図8に示すように、政府によ
なう金融緩和ならびに超円高の是正により日本経済が回復に
る新エネルギーに対する各種の導入支援事業や導入環境整備
向かい、23.8%の増加が見込まれている。2012年度の調査で
の実施により、2005年度まで毎年驚異的な伸びを持続してい
は2013年度はやや増加の予測であったが、これは多くのアン
たが、2006年度は国内市場が振るわず1.48%の減少となり、こ
ケートの回答が2012年12月の総選挙前に寄せられたためであ
れまでの成長に大きなブレーキがかかった。しかし2007年度及
り、実際にはこの予測を大きく上回る結果となった。2014年度
び2008年度になるとヨーロッパ市場を中心に輸出が大きく伸び
も引き続き好調を維持し、やや増加の予測である。
始めた。2009年度には住宅用太陽光発電システムへの補助金
分野別シェアは2012年度と比較すると大きな変化はない。エ
が復活するとともに、優遇価格での余剰電力購入制度がスター
キシマレーザ加工分野が例年通り全体の54.8%と過半数を占
トしたので、太陽光発電産業規模は拡大基調を取り戻した。さ
めているが、これはエキシマレーザリソグラフィ装置が1台当た
らに、2012年度には固定価格買取制度の開始により、住宅市
りの設備費が桁違いに大きいためである。次に炭酸ガスレー
場に加えて非住宅市場も加わり、36%増の13,098億円へと急
ザが30.6%、固体レーザが11.7%と続いている。固体レーザは
成長した。2013年度は非住宅市場の急拡大、太陽光発電シス
2012年度の16.1%と比較するとシェアを減らしており、2011年度
テム価格の更なる低下による市場拡大が進むので、104%増の
のシェアに戻った形である。その他のレーザは全体に占める割
26,678億円が見込まれている。
合は2.9%と少ないが、年々確実にシェアを拡大している。この
増加はファイバレーザ、半導体レーザが牽引している。
8. レーザ加工分野
8.1 全般
8.2 市場動向分析及び本年度の注目すべき動向
レーザ加工分野の動向として、2000年のIT産業の落ち込み
炭酸ガスレーザ応用生産装置の生産額は、2012年度は再び
により大きく後退した生産額は、2003年度からは明確な回復
30.1%の大幅減へと転じてしまった。これは急激な円高にとも
基調になり堅調に生産額は伸びてきた。しかし2008年度後半
なう輸出環境悪化に加え、欧州経済危機の長期化や、中国を
に米国に端を発した世界同時経済不況により、2008年度は大
はじめとする新興国市場の成長鈍化等による世界的な景気減
きな減少に転じ、さらに2009年度はその影響が拡大しさらに
速感が影響している。特にこの分野の圧倒的なシェアを占める
大幅な落ち込みを示した。一方20 09年度後半から半導体業
切断・穴あけの31.4%減少という大きな落ち込みが、炭酸ガス
界、液晶業界では景気回復の兆しが見られ、2010年度は前年
レーザ応用生産装置の生産額の大幅な減少の要因となった。
比53.3%増のV字回復を果たすも、2011年度は3.9%減というマ
2013年度は、アベノミクスの円安効果により33.3%増加の見込
イナス成長になった。これには円高に伴う輸出環境悪化、欧州
みであり、2011年度に近いレベルまでの回復が見込まれてい
技術情報レポート
2013年度OITDA
13
光産業動向調査
る。2014年度は特に切断・穴あけ分野で増加が予測されている
型、高輝度、低価格、低環境負荷、高ビーム品質等その優れた
が、それ以外の分野はほぼ横ばいの予測である。分野別では、
性能により、いくつかの分野で固体レーザや炭酸ガスレーザ応
これまで同様切断・穴あけが96.7%と圧倒的なシェアを誇って
用生産装置との置き換わりが進展しているためである。
おり、2013年度生産額は前年度比34.8%増加の見込みであ
半導体レーザ直接加工装置は、2012年度は112.2%の増加
る。特に2013年度のプリント基 板穴あけ加工機の生産額は
となり、ファイバレーザとの生産額の差をつめる結果となった。
71.1%の大幅増の見込みで、3次元Si集積回路実装を実現する
2013年度も9.5%増加と堅調に伸びる見込みである。このような
ガラスインタポーザの穴あけ(TGV: Through Glass Via)にお
好調な増加の要因として、半導体レーザの出力及びビーム品質
いても、炭酸ガスレーザが将来技術として期待される。一方切
が向上したことにより、テーラードブランク溶接以外に、自動車
断においても22.5%の増加であるが、ファイバレーザへの置き
構造部品であるルーフ、ドア、トランク等のレーザブレージング
換わりが着実に進んでいる。
加工(ロウ付け)用途として製造組立てラインに導入され始め
固体レーザ応用生産装置は、2012年度は炭酸ガスレーザ応
たことがあげられる。また自動車産業以外の用途にも、金型や
用生産装置の30.5%の大幅なマイナス成長に対し7.8%の減少
タービンブレードのレーザクラッディング加工(肉盛り加工)の
にとどまったが、2013年度は炭酸ガスレーザの33.3%増加に対
普及も寄与している。
し固体レーザは1.4%の微減の見込みとなっている。2012年
9. センシング・計測分野
度、2013年度の減少は、ファイバレーザや半導体レーザへの置
光測定器は、光のエネルギー、周波数、波形、伝搬特性など
き換わりによるものと考えられる。分野別では、切断・穴あけが
スマートフォンやタブレット端末関連のガラス切断やセラミック
光の基本的な性質を計測する測定機器と、測定用光源に関連
ススクライバ、レーザダイシング用途等において好調であり、こ
する製品群である。また光センシング機器は、強度、位相、波
の分野を牽引している。その結果数年前までは各分野のシェア
長、周波数などの光の何らかの性質を利用したセンサやセンシ
は拮抗していたが、2013年度では切断・穴あけが39.5%のシェ
ング機器、システム全般を含んでいる。
アを占めるようになった。溶接・接合及びマーキング装置につい
センシング・計測機器は国内光産業の中で約2%を占めてい
ては、2011年度以降ほぼ横ばいであり、景気回復に呼応する動
て、その規模は国内生産額1,595億円となっている。また、全出
きが見られない。これは固体レーザ応用生産装置からファイバ
荷額は2,132億円で、国内生産率は75%となっていて、昨年度よ
レーザへの移行が著しいためである。トリミング・リペア用途は
り12%減少している。比較的単純な機能の製品が海外で生産
さらに落ち込みが激しく、2011年度24.0%、2012年度41.7%、
されていると思われる。センシング・計測機器は、あらゆる産業
2013年度39.9%と3年連続大幅減である。これは2013年度前
機械の基盤であり、新しい生産設備の投資、産業機器の開発
半までの半導体・液晶産業全体の停滞が影響している。2014
や光通信網などのインフラの整備のために必要不可欠のもの
年度においては、トリミング・リペアならびにその他が増加、溶
である。また、いったん設備投資を行うと、しばらく更新するこ
接・接合がやや増加から増加、切断・穴あけはやや増加から
となく使用する傾向があり、景気の動向と比較して立ち上がり
横ばいといった予測がなされている。
が遅れる傾向となっている。光測定器は、これまで情報インフ
エキシマレーザ応用生産装置は2012年度は落ち込みが拡大
ラ分野が中心であったが、今後、健康・医療関連、社会インフ
し、29.1%のマイナス成長となった。この生産額の変動はエキ
ラ分野の伸びにも注視する必要がある。以下、光測定器と光セ
シマレーザ応用生産装置の生産額の91.8%を占めるリソグラ
ンシング機器の概略を述べる。
フィ装置の変動によるものである。すなわち2011年度には、東
光測定器は、可視領域から近赤外領域の波長帯を利用する
日本大震災とそれに引き続いた原発事故、タイの洪水、欧州経
光デバイス・光モジュール・光通信システムなどの研究・開発・
済の混迷が一因であると思われる。またフォトリソ市場で国内
製造及び、光ファイバの敷設・保守に使用される光学特性を測
メーカのシェアが低下していることも原因である。2012年度は、
定する際、使用される基本的な機器である。そのため、光測定
中国やインドを中心としたアジア市場成長の鈍化、スマートフォ
器の生産額は、光通信ネットワークの拡充と強い相関をもつ。
ン、タブレット端末市場拡大の反動によるPC需要の低下によ
調査項目は、光スペクトラムアナライザ(波長計含む)、測定器
り、半導体関連の設備投資計画に勢いはなく生産額の大幅減
用光源、OTDR、光パワー測定システム、光波形測定器、光
少見込みの要因となっている。一方、2013年度は世界経済も回
ファイバ心線対照器、色差計・色彩計、医療用光測定器、光波
復の局面を迎え、年度半ばから半導体メーカの設備投資が一
距離計等である。2012年度の国内生産額は、前年度から5.6%
部再開されたことにより26.5%の増加が見込まれているが、本
減と若干マイナス成長となっているが、2013年度は3.4%の増加
格的な投資拡大には至っていない。2014年度は、アベノミクス
が見込まれている。世界的には、スマートフォンなどのモバイル
効果の着実な成果ならびに欧米各国、中国、韓国、台湾などの
端末は、LTEサービス等による高速化も進み、利用急増のクラ
堅調な成長が見込まれることから、生産額は増加するものと予
ウドサービスも加え、トラフィックが急増しており、バックボーン
測される。
回線の高速化等のインフラ増強が急務であり、それらを支える
ファイバレーザ応用生産装置は、着実に生産額が伸びてお
伝送装置や光デバイス製造向けに光測定器の需要は継続する
り、2011年度、2012年度もそれぞれ37.5%、36.3%の増加となっ
と考えられる。ただし、海外メーカの低価格な小型ハンディ機
た。2013年度はその増加にややブレーキがかかったが、10.7%
器のシェアが増加しているため、今後、国内生産の大幅な伸び
の増加が見込まれている。ファイバレーザが好調な要因は、小
は難しいと思われる。出荷率(全出荷額/国内生産額)は99%
14
技術情報レポート
2013年度OITDA
10.3 前年度からの増減
(2013年度見込み、2014年度予測)
10.3.1 常時雇用従業員数
であるが、来年度以降、出荷率は増加していくと予測される。
光センシング機器は、光の性質を何らかの形で利用したセン
サやセンシング機器全般を指す。個々のセンサの生産規模は決
して大きくはないものの、多種多様な製品が存在し、研究開発
2013年度は、前(2012)年度より増加したという企業が8
部門や生産部門の広範なニーズに応えている。従って、光電ス
社、同等が 3 2 社、減 少 が 11社であった。2 014 年度は、本
イッチ、人体センサ、温度センサ・放射温度計、火災・煙・炎セ
(2013)年度より増加させるという企業が7社、同等が36社、
ンサ、ロータリエンコーダ・リニアスケール、変位・測長センサ、
減少が8社であった。
速度センサ、カラーセンサ、電流・電圧・磁界・電界センサ、振
回答社数の多い上位3つの増減の傾向(2013年度→2014年
動・圧力・音響センサ等は、生産設備投資に大きく左右され
度)は、⑴同等→同等(27社)、⑵同等→減少(7社)、⑶増加
る。また、赤外線カメラとその応用機器、セキュリティ機器、
→増加(5社)であった。
レーザレーダ・距離画像センサ等は安全、安心に関わる機器で
10.3.2 研究開発者数
今後の発展が期待される。レーザ顕微鏡、外観検査装置、成
分分析装置、環境センサ及び機器、画像センシング機器等はシ
2013年度は、前(2012)年度より増加したという企業が10
ステムとして販売されるため1台あたりの金額が大きいと思わ
社、同等が 3 1社、減 少 が 10 社であった。2 014 年度は、本
れる。光センシング機器の国内生産額は、2011年度は前年度か
(2013)年度より増加させるという企業が6社、同等が38社、
ら7.7%と小幅な増加であった。2012年度は16.4%の減少となっ
減少が7社であった。
たが、2013年度には1.3%の増加傾向を見込み、景気は底を
回答社数の多い上位3つの増減の傾向(2013年度→2014年
打った感がある。国内生産率(国内生産額/全出荷額)は73%
度)は、⑴同等→同等(25社)、⑵同等→減少(7社)、⑶同等
で、センサ分野では安価で性能を限ったセンサは海外生産や
→増加(6社)であった。
国外メーカのシェアが増加している。セキュリティ機器の全出
10.3.3 研究開発投資額
荷額は2012年度実績で100.4%増、2013年度見込みで28.7%増
といずれも大幅な増加を見せている。環境計測、成分分析機
2013年度は、前(2012)年度より増加したという企業が11
器、セキュリティ機器など安全、安心にかかわる機器の今後の
社、同 等が 3 1社、減 少 が6社であった。2 0 14 年度は、本
伸びに期待したい。
(2013)年度より増加させるという企業が14社、同等が31社、
減少が6社であった。
10. 光産業リソース
回答社数の多い上位3つの増減の傾向(2013年度→2014年
10.1 はじめに
度)は、⑴同等→同等(22社)、⑵同等→減少(6社)、⑶増加
光関連の企業に対し、常時雇用従業員数、研究開発者数、
→増加(6社)であった。
研究開発投資額についての調査を行った。
10.3.4 国内生産額(参考)
調査内容は昨年度と同様であり、2013年度見込みについて
の数字を求める定量的アンケート調査と、前年度に対して「増
2013年度は、前(2012)年度より増加したという企業が14
加」、
「減少」あるいは「同等」なのかという定性的アンケート
社、同等が 1 9 社、減 少 が 1 8 社であった。2 014 年度は、本
調査を2013年度見込み、2014年度予測について実施した。
(2013)年度より増加するとした企業が21社、同等が21社、減
尚、参考のために光産業国内生産額の総額も調査項目に加え
少が9社であった。
回答社数の多い上位3つの増減の傾向(2013年度→2014年
ている。今年度は、51社から回答頂き、そのまとめた結果を報
度)は、⑴同等→同等(11社)、⑵増加→減少(8社)、⑶増加
告する。
→増加(7社)であった。
10.2 2013年度の光産業リソース(見込み)
10.2.1 常時雇用従業員数及び研究開発者数
11. IOA会議に見る国際動向
11.1 はじめに
人的リソースとして、51社の中央値は、常時雇用従業員数は
100人~149人になっている。また、研究開発者数の中央値は、
光産業の振興を目的とし、世界に先駆けて我が国に光産業
研究開発者数40人~49人になっている。同じ累積社数同士で
技術振興協会(光協会、以下OITDAという)が設立されたの
比較すると常時雇用従業員のうち概略1/5~1/2が研究開発者
は1980年であるが、その後90年代に入って世界各地で類似の
であると考えられる。
組織が設立されるようになった。20 07年度からIOA(Inter­
national Optoelectronics Association)と称しており、2000年
10.2.2 研究開発投資額及び国内生産額(参考)
代に入り参加団体が増え続け、現在は9団体である。
資金のリソースとして、51社の中央値は、研究開発投資額は
今年度(2013年度)は、IOAとなってから7回目(通算第18
2億円以上5億円未満になっている。また、国内生産額は20億
回)の会議が、EPICがホスト団体となり12月にベルギーのブ
円以上50億円未満になっている。同じ累積社数同士で比較す
リュッセルで開催された。ここでは、この会議での発表資料を
ると国内生産額に対して概略1/25~1/10が研究開発投資額で
ベースに世界及び主要国の光産業の動向について概説する。た
あると考えられる。
だし、光産業のカテゴリの定義は各団体ともOITDAの分類を
技術情報レポート
2013年度OITDA
15
光産業動向調査
一応ベースにしているが、団体による独自性もあるため、我が
してから徐々に回復して来たが、2012年は20%近くの減少と
国との厳密な意味での相互比較はできない。
なった。この原因は、太陽電池分野の急減である。レーザ加工
分野と画像処理分野が牽引役であり、太陽電池分野も18%の
11.2 世界の光産業の動向
11.2.1 世界全体の光産業の動向
シェアを占めているが、今後は徐々にシェアが減少して行くこと
が予想されている。
毎年定期的に世界及び台湾の光産業の動向をレポートして
いるPIDA(台湾)は、今回の報告では世界市場規模の1996~
2012年までの実績を図9のように示した。2008年に4%減少、
2009年に16%減少と2年連続で縮小した世界市場は2010年に
一気に33%増加と回復し、2011年も12%増加となった。しか
し、2012年は-9%となり、停滞期に入ったことが示された。全
体的には、この期間において、世界の光産業は徐々に成長して
きたと言える。
11.2.2 各国の光産業の動向
アジア地域において毎年自国の光産業の動向を報告してい
るのは、OITDAの他ではPIDA(台湾)のみである。台湾で
は、2012年に-7%と減少したが、2013年には4%と若干の増
加を見込んでいる。市場を牽引しているのはフラット・パネル・
ディスプレイであるが、ほぼ横ばいの状態である。また光記録
及び太陽電池分野が減少傾向にあることが示された。
米国での分野別光産業生産額(2012年)を見ると、太陽電
池分野が大きなシェアを占めており、センサ関連及び通信分野
がこれに続いている。なおLED分野の生産額は、全体の6%
程度と小さなシェアであった。
ドイツでは、光産業市場が順調に増大しており、市場の牽引
役は、レーザ加工分野である。しかしディスプレイを含む情報
通信分野や光源分野は、今後減少傾向になると予想されてい
る。また太陽電池分野は、2012年をピークにシェアは減少して
いる。
スイスでの光産業の出荷額の推移を見ると、2009年に急減
10億米ドル
600
60%
50%
500
40%
30%
400
10%
成長率
20%
300
0%
200
-10%
100
0
-20%
-30%
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
107
104
122
142
160
145
160
176
202
273
331
402
384
321
427
480
437
Growth Rate 11%
-3%
18%
16%
13%
-9%
10%
10%
15%
35%
21%
22%
-4%
-16%
33%
12%
-9%
WW Market
図9 世界の光産業市場の動向(PIDA資料)
16
技術情報レポート
2013年度OITDA
光技術動向調査
1. はじめに
では、従来の幹線系10~40Gbps用1550nm帯電界吸収型光変
当協会では、光技術動向調査事業として、毎年、光技術動向
調器から、最近のイーサネット系100~400Gbps用1300nm帯
調査委員会を設置し、国内外の光関連技術について最新動向
電界吸収型光変調器へと市場、波長帯、技術が拡大してい
を調査・分析している。2013年度は、下記の7つの調査項目に
る 。また、ドライバ ー 内 蔵 の I n P 系 D P- Q P S K( D u a l
対応した分科会及び合同専門委員会を構成し、調査を行った。
Polarization-Quadrature Phase Shift Keying)変調器モ
調査結果は、2014年10月15日~17日に開催されるインターオプ
ジュールでは従来のニオブ酸リチウム(LN)に比べ、約1/3の
ト2014の光技術動向セミナーで紹介される予定である。また、
小型化が実現されている。
最新の技術動向として、Web機関紙オプトニューズのテクノロ
一方、Si系材料では主にSiとGeが用いられており、変調器、
ジートレンドで、それぞれの分野のトピックスを21件の記事とし
導波路、受光器が作製可能である。近年、動作速度としては
て掲載した。
25Gbps以上の報告が増えており、サイズや駆動電圧は化合物
半導体より大きいが、動作速度だけに着目すれば60Gbpsの高
2. 光無機材料・デバイス
速動作が実現されている。Si変調器の駆動電圧低減や小型化
光無機材料・デバイスの分科会では波長域が100µm付近の
に向けては、バンドギャップが小さなSi基板上のGeやSiGe混
テラヘルツ域から200nm付近の紫外域における、デバイス、材
晶を用いることが有効である。波長の範囲はSi添加による組成
料、アプリケーションを調査した。
変化と歪応力によってL帯(1,560~1,620nm)からO帯(1,260
~1,360nm)まで対応可能である。一方、光源の作製法として
2.1 テラヘルツ域
はSi基板上にInP系半導体を貼り合わせてからレーザ加工す
テラヘルツ(THz)波の発生器としてはフェムト秒レーザと非
る方法とSi基板上のプラットフォームにInP系半導体レーザを
線形光学材料を用いた波長変換技術によるものが既に製品化
フリップチップボンディングする方法とが検討されている。さら
されているが、汎用性の拡大や小型化に向けて半導体の光デ
に光電子集積化技術として、集積光回路と集積電子回路をプリ
バイスや電子デバイスの開発が進んでいる。単体の量子カス
ント電気配線基板上に搭載する検討も進んでおり、集積度、伝
ケードレーザの場合、THz域では200K程度の低温動作にな
送距離、デバイス性能などによって集積の形態は異なる。要素
る。一方、電子デバイスの場合、ミリ波の高周波化に向け出力
技術として、Si導波路は小型化、集積化が容易であることから
は小さいが、室温でのTHz波発生が達成されている。THz域
8×8の集積型多ポート光スイッチが検討されており、石英平
の電子デバイスにはいくつかの種類があるが、現在、共鳴トン
面光回路に比べ1/100以下の小型化が報告されている。将来的
ネルダイオードと微細スロットアンテナを集積化した素子の発
なデバイスとしてはSi基板上のグラフェンを用いた光変調器が
振周波数が最も高く、室温、出力1~10µW、基本波発振周波
検討されており、グラフェンの特異な物性からゲート電圧制御
数1.31、1.4THzなどが報告されている。また1THz以下ではア
により広範囲な波長域を短い素子長で変調することなどが期
ンテナ構造の最適化で400µWの高出力化も報告されている。
待されている。
一方、トランジスタの高周波化も進んでおり、InP系のヘテロ接
2.3 可視・紫外域
合バ イポ ーラトランジスタで 最 大 発 振 周 波 数( f m a x )
1.15THz、発振回路での基本波発振周波数0.57THzが報告さ
紫外域では物理的気相輸送法とハイドライド気相成長法に
れている。THz波の受信器についてはショットキーバリヤダイ
より透明で低欠陥密度のAlN基板が作製され、さらに有機金
オードによる直接検波やヘテロダイン検波、共鳴トンネルダイ
属気相成長法で紫外域のAlGaN系LEDがAlN基板上に作製
オードによる直接検波などがある。これらの高周波デバイスの
された。LED特性としては波長265nm、光出力36mW、外部量
アプリケーションとしては無線通信応用がある。まもなく、ミリ
子効率は3.1%、素子寿命は6,000時間以上と良好であった。可
波の高周波化として120GHz帯(伝送速度10~20Gbps)が周
視域では白色LEDの低コスト化に向け、大面積のSi基 板上
波数割当される予定であり、300GHz帯(伝送速度40Gbps)は
GaN系LEDが進展している。Si基板の口径は5~8インチであ
研究開発段階である。THz波の別の応用としては医薬品や食
り、製品レベルで100lm/W、波長の均一性も1σ<3nmとサ
品検査、工業材料の非破壊検査、薬物や爆発物などの非破壊
ファイヤ基板上のGaN系LEDと同等レベルの値が得られてい
検査などがあり、THz波のイメージングに向けたTHz波カメラ
る。一方、白色LED照明では、リモートフォスファーやシリカ
が室温、リアルタイムで動作可能となって来ている。
コーテング技術の進歩により、演色性が良くても耐湿性や熱消
光に課題のあった蛍光体が再検討されている。また、自動車の
2.2 近赤外域(光通信用の波長域)
ヘッドライトなどの大光量高輝度照明用途では、ワットクラスの
光通信用の波長域では既存の材料やデバイスが成熟しつつ
青色レーザ光を光ファイバー経由で伝送し、離れた場所にある
あることから、Si、GeなどのⅣ族半導体材料の光通信応用、光
蛍光体を励起する方式が検討され、レーザ光を使うことから懸
デバイスと電子デバイスの集積化、新方式や新たなアプリケー
念されたスペックルコントラストは青色LEDと同程度であり、
ションなどが進んでいる。面発光レーザではデバイス構造を最
5,000lm級の光束でHID(High Intensity Discharge Lamp)
適化することで40Gbps以上の高速動作及び108fJ/bの極低消
ランプを超える140Mcd/m2[色度(x, y)=(0.364, 0.367)]の
費電力化、さらに従来の2値ではなく4値動作による60Gbps
高輝度な性能が実現された。
の直接変調動作などが報告された。化合物半導体の光変調器
技術情報レポート
2013年度OITDA
17
光技術動向調査
3. 光通信ネットワーク
3.2 フォトニックノード
我が国の高度に発達した情報化社会は、光通信ネットワーク
エラスティック光ネットワークに関する研究開発が更なる拡が
の技術革新によって支えられてきた。1980年代以降の日本は、
りを見せている。スペクトラム資源効率化等のエラスティック光
世界に先駆けて光ファイバ通信技術の研究開発実用化を進
ネットワークの利点の定量的比較や、これを生かすためにSDN
め、1980年代の長距離基幹網の光化、1990年代のメトロ網へ
でエラスティック光ネットワークを管理・制御する検討が数多く
の10Gb/s光リングシステム導入、2000年代のアクセス網の光化
なされており、データセンタの効率化を意図したものも報告され
を経て、今日の光通信ネットワーク構成へと発展を遂げた。コ
ている。またノードを構成するキーコンポーネントであるWSSの
ア網には光増幅中継を繰り返して超長距離2点間を結ぶ高密
さらなる多ポート化の必要性も示されている。さらに基幹伝送
度 波 長 多重( DW D M : D e n s e Wa ve l e n g t h D i v i s i o n
で検討されているマルチコアファイバに対応したノードの検討
Multiplexing)システム、メトロ網には光分岐挿入と増幅を行う
も見られた。標準化では、ITU-TG.709をベースに、次世代の
OADM(Optical Add/Drop Multiplexer)ノードで構成され
光伝達網(OTN: Optical Transport Network)インタフェー
るDWDMリング網システム、アクセス網には光分岐(下り)と
ス実現へ向けた議論が活発化している。
光時分割多重(上り)を行うPON(Passive Optical Network)
3.3 光ネットワーキング
システムがそれぞれ導入されている。
昨年度(2012年度)を振り返ってみると、基幹光伝送及び光
光ネットワーキング分野では、周波数利用効率を高めトータ
ファイバ技術では、100Gシステム商用化の着実な進展に加え
ル容量を増大し、また必要に応じて変調方式を変更し伝送距
て、空間多重伝送技術の進展により伝送容量のトップデータが
離延伸・再生中継器の削減を可能となるエラスティック光ネット
更新され、遂に1Pb/sの時代が拓かれた。また、フォトニック
ワークに関する検討が引き続き活発に議論されている。また、
ノードでは波長選択スイッチ(WSS: Wavelength Selective
光ネットワークのSDN/OpenFlow制御に関する研究開発が注
Switch)に代表される光スイッチの大規模化・小型化、光ネット
目を集めており、特にONF(Open Networking Foundation)
ワーキングでは、フレキシブルグリッドを用いたエラスティック
においては、新たにOTWG(Optical Transport Working
ネットワーク技 術 の 検 討、S D N( S o f t w a r e D e f i n e d
G r o u p)が 2 0 1 3 年3月に発 足し 、ネットワークモデル や
Networking)技術の適用とその可能性の探究も進展した。ア
OpenFlowプロトコルのOTNやWDM、TDMクライアントなど
クセスネットワークでは、次世代大容量アクセスを志向した
のポート拡張に関する議論等が行われている。
NGPON2(Next Generation PON phase2)の標準化が開始
3.4 アクセスネットワーク
され、10G級光アクセスの多分岐化・長延化が進展した。モバ
イルトラヒックの急増を背景に、携帯電話基地局の収容回線と
40Gb/s~100Gb/sの大容量化を目指した光アクセスシステム
して適用できる光ファイバ無線(RoF: Radio over Fiber)技術
で あ る N G P O N 2 の 標 準 化 に 加 え、D W D M 、O F D M
の 検 討も進 んで いる。データコムで は 4 0 G b E(4 0 G b /s
(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、OCDM
Ethernet)の長距離版や100GbEの短距離I/F規格の議論が
(Optical Code Division Multiplexing)等を使った次々世代
展開されている。またIEEE802.3ではデータセンタ適用を視野
PONも検討されている。モバイルトラヒックの急増を背景に、
にFEC(Forward Error Correction)を活用した長距離化も
携帯電話基地局の収容回線として適用できるDWDM技術や
検討されている。
RoF技術も議論されている。
以上のような背景の下、第2分科会では、2013年度の技術動
3.5 光LAN/インターコネクト
向を以下ように6つの分野ごとにまとめた。
データコム分野では、40GbE・100GbE規格が活発に議論さ
3.1 基幹光伝送システム
れており、2013年5月には400GbE規格の議論がスタートした。
昨年達成された1Pb/sからのさらなる高速化を目指した
IEEE802.3の中でも100名を超える参加者はこのプロジェクト
100Gbaudを超えるシンボルレートへの挑戦や、1024QAM(直
だけであり、様々な分野から今後の動向が注目されている。ス
交振幅変調)や2048QAMといった究極的な多重化へのトライ
トレージ向け規格では引き続き大容量化に向け進展している。
アルがあった。また、このような多値化の際に課題となる雑音
サーバ向けでは、データセンタ向けのアプリケーションが高速
耐力、非線形耐力の向上に着目した検討もひとつのトレンドと
化を牽引しており、ケーブル伝送、ボード伝送ともに電気伝送
なっている。加えて、これら超大容量転送では複数キャリアを
の限界が近づいていることから、極近距離(数m以下)の接続
用いるスーパーチャネル的なアプローチが台頭してきており、こ
を除き、ファイバによる光伝送への移行が検討されている。
れらサブキャリア間の高密度多重を可能とする信号光スペクト
3.6 光ファイバ技術
ルの制御に関する検討も盛んである。一方で、伝送媒体そのも
のの見直しの軸では、伝送容量拡大という点で進展は見られな
伝送用では、コア数をさらに増やしたMCF(Multi-Core
かったが、帯域と距離の積である「帯域距離積」の指標が注目
Fiber)や、各コアをFMF(Few-Mode Fiber)にしたFM-
され、1Eb/s・kmを超える報告もあった。
MCF(Few-Mode Multi-Core Fiber)など、さらなる伝送容
量増大に向けた報告がなされた。また、MCF及びFMFとそれ
らの増幅器、入出力デバイスを用いた伝送実験が報告され、
18
技術情報レポート
2013年度OITDA
基幹伝送における容量距離積の向上に寄与している。非通信
倍に達する。このデバイス性能の伸びとシステムの情報処理量
用途では、微 細構造光ファイバ(MOF: Microstructured
ニーズの伸びとのギャップを埋める方法は、基本的にはデバイ
Optical Fiber)や希土類添加光ファイバ、高非線形光ファイバ
スの数を増やして並列処理するしかなく、LSIチップ内のメニー
等の特殊光ファイバを用いてファイバに種々の機能を持たせた
コア化からデータセンタやスーパーコンピュータ内のクラスタ化
報告があった。
まで、ITシステムのあらゆる階層でIT資源の並列化が進展して
いる。また、この並列化されたIT資源を機能毎にブロック化・
4. 情報処理フォトニクス
仮想化することでより効率的かつ柔軟に運用しようとする提案
昨年度より情報処理フォトニクスとして、光メモリ、光インター
もなされている。単純化のためにフルメッシュ接続を仮定する
コネクト、光演算の3つの分野に分けて技術動向調査を行って
と、その接続数はノード数(デバイス数)のほぼ2乗に比例して
いる。デジタル情報の生成速度が急激に加速している中、これ
増加するので、ITシステム全体の性能・コスト・消費電力等に
らを情報処理する能力やデータ保存する技術もより一層の加速
対するインターコネクトの影響は今後ますます増加する。
が求められている。このような超大容量かつ超高速な情報処理
光インターコネクトは、電気信号に対する光信号の優位性
技術の実現に向けて光技術に対する期待は大きく、これらに向
(広帯域、低遅延、低損失、低相互干渉等)により、まず接続
けた技術の芽を調査することを念頭に置きつつ、従来から調査
距離が比較的長いものから使われて来ており、現状、スーパー
している技術動向についても合わせて調査を行った。
コンピュータやデータセンタ内のラック間やボード間のインター
コネクトに対してVCSELの直接変調またはシリコンフォトニク
4.1 光メモリ
スによる外部変調を用いたアクティブ光ケーブル(AOC)等が
光メモリでは昨年度に引き続き、ビット型大容量記録技術と
2
実用化されており、伝送密度としては数十Gbps/cm 、エネル
して、多層、2光子吸収、超解像、近接場を取り上げた。この領
ギー効率としては十数mW/Gbps(=pJ/bit)程度が実現されて
域における注目される技術としては、ガイド層を有する超多層
いる。より短距離のボード内やチップ間に光インターコネクトを
光ディスクがある。この超多層ディスクではトラッキングを行う
適用するためには、更なる高伝送密度化や高エネルギー効率
ためのガイド層を1層のグルーブを元に行うため、ディスク製造
化、低コスト化が求められている。高速電気信号の品質は伝送
コストの低減に繋がるものとして注目されている。2020年に東
距離が延びるに従って急速に劣化するため、高速のチップ間イ
京オリンピックが開催されることが決まり、スーパーハイビジョ
ンターコネクトを実現するためには、出来るだけLSIチップの近
ン放送の実現も期待される。その録画・再生に向けた光ディス
くで電気/光信号間の変換を行うことが重要である。これらの
クの開発動向などが今後注目される。また、次世代大容量記録
観点から、L SIモジュール内で電気/光変換を行なう光イン
方式として研究発表の多くを占めるホログラフィック記録につ
ターポーザや、最終的にはLSI電子回路と光回路をモノリシッ
いても調査した。ISOM ’13における日立LGの基調講演におい
ク集積することを目指すシリコンフォトニクスは、LSIチップ間
てもホログラフィックメモリへの移行が競合技術との記録容量
インターコネクトの必然的なアプローチであると言える。
の比較から必須であることが描かれている。ホログラフィックメ
4.3 光演算
モリにおける大容量記録化に向けては問題点が整理されつつ
光の持つ情報処理能力を利用しようとする試みは、レーザ
あり、そのブレークスルーとなる技術が出始めている。
今年度の調査における特徴としては、光ディスクメモリの将
が発明されて以来、様々な要素技術が融合されながら続けられ
来的な利用として期待されているアーカイブ用途が挙げられ
てきた。近年の大容量かつ様々な情報がやり取り可能な基盤
る。これはデータの長期間保存におけるトータルコストという
が造られつつある中で、様々な分野への組み込みが可能な光
観点から光ディスクメモリが見直されていることによる。更に、
演算は新たな期待がもたれている。光演算の基本は情報媒体
光ディスク技術のバイオ分野への応用も盛んに展開されてい
とする超並列、超高速の高分解能空間信号制御にあるが、そ
る。光ディスクメモリに限らずに広い意味で光インタコネクショ
の実現のためには光源、レンズ、ミラーなどの受動光学素子、
ンや光演算に応用可能な高速光メモリや新規材料(相変化材
空間光変調器、光制御素子などの能動的光学素子、さらにフォ
料)も注目される。
トディテクターやCCDなどのイメージセンサを巧みに組み合わ
せてシステムが創出される。これらは、必要に応じて基礎科学
4.2 光インターコネクト
から産業技術まで広がる横断的な分野からの要素が臨機応変
近年のビッグデータによるデータマイニング等に対するニーズ
に融合され、これまでにない機能をもつシステムとして創出され
の高まり等に伴い、データセンタに求められる処理能力は、従
る。近年の光要素技術の結実や計算機性能の飛躍的な向上か
来のウエブページの検索からデータの統計処理等の演算性能
ら、光と電子技術の両者のメリットを存分に利用した次世代の
をより重視するものとなり、よりスーパーコンピュータに近くなっ
光情報・計測システムを構築する動きが加速され、注目されて
てきている。そこで処理される情報量のニーズは今後も飛躍的
いる。新しい演算機能や定量位相、偏光など、光のもつ様々な
に増加し、その増加ペースは単一のプロセッサやメモリの性能
特性を利用した計測機能が付加され、多次元計測や情報処理
の伸びを大きく上回ると予測されている。例えば、プロセッサや
が可能となってきた。
メモリの集積度の伸びは約4年で4倍(ムーアの法則)である
光演算は、光メモリ、光計測、光インターコネクト、光通信分
のに対して、スーパーコンピュータの性能の伸びは約4年で10
野、情報通信科学の基礎課題に至るまでに組み込みが可能で
技術情報レポート
2013年度OITDA
19
光技術動向調査
ある技術であり、さらに多くの分野にも展開できる大きな可能
直接変換されるのではなく、光照射により蓄えられたエネル
性を持っている。
ギーが応力印加により解放されて発光する材料が開発されて
いる。塗膜により面センサとして利用でき、応力の二次元分布
5. 加工・計測
が可視化される画期的なセンサと言える。
今年度の加工・計測分科の調査では、光源技術として「海外
テラヘルツ波の光源・計測デバイスの技術進展により、様々
のファイバレーザ動向」、
「コヒーレントビーム結合」を、加工技
な分野の研究者が容易にテラヘルツ波装置を扱える環境が整
術として「Additive Manufacturingの現状と最新情報」、
「ガ
いつつある。特に、化学物質や生体関連物質の検出・分析にお
ラスのレーザ加工」を、計測技術としては「応力発光センサ」、
けるテラヘルツ波の活用が期待されており、テラヘルツケミスト
「テラヘルツケミストリー」を、医療関連技術として「脳神経外
リーという分野が確立しつつある。医薬品分野におけるテラヘ
科における光線力学的診断・治療」と「内視鏡OCT」を取り上
ルツ応用に大きな期待が寄せられている。
げた。
5.4 医療関連技術
5.1 光源技術
医療関連技術では、脳神経外科における光線力学的診断・
国内と海外のファイバレーザ開発動向を隔年で調査してい
治療と内視鏡OCTの研究動向を調査した。光線力学的診断・
る。今回は海外の動向をまとめてもらった。CWの高出力化に
治療は、腫瘍等に集積しやすく光に反応する薬剤を生体内に
おいてはとうとう100kW機が市販されるようになってきている。
投与して行われる。蛍光を発する薬剤であれば診断に使える
しかも、その一台が日本に納入されたということである。また、
し、ラジカルを発生する薬剤であればレーザ光を照射すること
パルス幅のバリエーションと共に波長域でもファイバレーザの
で組織に傷害を与えて治療に利用できる。腫瘍への選択性が
バリエーションが広がってきている。中赤外2.9µmから紫外
高い薬剤や殺細胞力が高い薬剤が開発され臨床試験が進め
355nmの波長範囲で数10Wレベルの製品が続々と発表されて
られている。
いる。
OCT(光コヒーレンス・トモグラフィ)はすでに眼科で網膜の
高出力レーザの開発は熱との闘いである。1台のレーザ装置
三次元断層イメージを取得するのに使われている。測定深さは
から高出力を得ようとすると、光出力の数倍の励起エネルギー
数mmであるが、高い空間分解能と非侵襲性が特徴である。こ
を投入しなければならず様々な熱的課題(熱レンズ効果、熱複
の技術を体内で利用するために内視鏡型やカテーテル型の
屈折、熱破壊等)に直面する。このような課題を回避するために
OCTが開発されている。気管支や大腸、脳を診断する様々な
コヒーレント結合技術の開発が進められている。熱制御が可能
プローブが開発されている。
なレベルの出力でビーム品質が高いレーザを複数本束ねて位
6. 光エネルギー
相や波面を揃えると、あたかも1本の高出力レーザとして取り扱
2012年度は、市場の中心は欧州で、世界全体で31.1GWの太
うことが可能となる。集光性能が高いkWクラスのレーザを実
陽光発電システムが導入された。日本では、2012年7月に日本
現する手法として注目されている。
版Feed in Tariff(FIT)がスタートし、設備認定は2013年10月
5.2 加工技術
時点で24.5GWだが、同月時点で運転を開始した設備は5.7GW
これまでの「削って作る」に対して、
「積んで作る」製造技術
に止まっている。一方、材料開発での特徴はペロブスカイト型
が 注目を 集 めて いる。今 はやりの 3 Dプリンティングは、
太陽電池の驚異的と言える変換効率の向上である。このペロ
Additive Manufacturing(付加製造)、略してAM、と呼ばれ
ブスカイト材料の発見はまだまだ未知の鉱石が眠っている可
ている。樹脂のAMは安価な装置が家電量販店でも市販され
能性を意味している。尚、今年度より「光触媒」「光電気化学
ているが、金属のAMはまだまだ発展の余地があるようであ
反応」「熱蓄積」「熱化学」を加えた。
る。また、レーザ溶融と電子ビーム溶融、粉末床溶融と粉末噴
6.1 結晶系シリコン太陽電池
射溶融など様々なバリエーションがあり、それぞれの特徴を活
低コスト化のため、セルプロセスでは基板の薄型化を進め、
かした製造技術開発が進むものと期待される。
携帯電話等の内部にある回路基板の穴開けにレーザが使わ
表面(裏面)パッシペーションの高度化はAl 2 O 3とSiNxとのス
れ、レーザ加工無くして携帯は作れない、と言われていた。半
タック構造で実現しつつある。更に、薄いSiOx(50Å以下)を熱
導体素子の高密度化に伴い発熱密度が増加し基板の材料が
酸化により形成して高品質化を図っている。高効率セルに向け
樹脂からガラスへと移行しているとのことである。ガラス基板
て、①p型基板を用いて裏面にパッシベーション膜を配置し、ポ
の導通用貫通穴(直径100µm以下)を開けるのにCO2レーザが
イントコンタクトを用いる、②p型に代えてn型基板を用いる、
脚光を浴びている。
③アモルファスシリコンと結晶シリコンのヘテロ接合を利用した
H I T 構 造 等がある。H I T 構 造 の 変 換 効 率では薄 型 基 板
5.3 計測技術
(98µm)を用いて24.7%が報告されている。
計測技術では、応力発光センサとテラヘルツケミストリーの
6.2 シリコン薄膜系太陽電池
調査を行った。応力発光センサは応力を加えると発光を示す
産総研が単接合セルの開放電圧521mV、変換効率10.5%を
無機化合物を利用したセンサである。加えられた応力が光に
20
技術情報レポート
2013年度OITDA
達成した。最高安定化効率としては、a-Si: H/nc-Si: H/nc-Si:
デミーはセル変換効率18.3%(非集光時)を報告している。
Hの3接 合 セルで1 3 . 4%( L G e l e c t r o n i c s 社)と1 3 . 6%
6.7 評価技術
(UniSolar社)、a-Si: H/nc-Si: Hの2接合セルで12.3%(カネ
カ)、nc-Si: Hの単接合セルで10.7%(EPFL/IMT)、a-Si: H
性能評価関連で、分光感度・入射角依存度・動作温度測定
の単接合セルで10.1%(TEL Solar社)、SPC-polySiの単接合
法IEC 61853-2が発行予定である。今年度は多接合型太陽電
セルで10.4%(CSG solar社)が確認された。
池の電流電圧特性の評価方法に関するIEC 60904-1-1及び分
光感度特性測定方法に関するIEC 60904-8-1の審議が開始さ
6.3 化合物薄膜太陽電池
れた。評価技術ではLEDソーラシミュレータの開発が進み、開
ZSW(Zentrum fur Sonneenergie und Wasserftoff-
発段階では波長350~1,300nmでスペクトル合致度クラスAが
Forshung:独)が小面積セルで2 0. 8%を達成した。また、
報告されている。
EMPA(スイス連邦材料科学・材料工学研究所)は高温耐性の
6.8 モジュール部材
ないポリイミド樹脂を基板として、CIS系光吸収層内のGa分布
を精密に制御する等で20.4%を達成した。First Solar社は
結晶シリコン系では、酸による劣化が支配的であるため、酸
CdTe太陽電池技術で今年からの4年間で0.25US$/Wのコス
を滞留させないモジュール構造の開発や、酸を発生させない封
ト削減を計画し、達成すると断トツのプライスリーダになる可能
止材の開発が重要であり、薄膜シリコン系では酸に加えて水蒸
性がある。
気そのものでも劣化が生じるため、水蒸気バリア性が高いバッ
クシートの開発が重要である。また、最近では運転後短期間で
6.4 色素増型太陽電池
モジュール性能が大幅に低下する電圧誘起劣化(PID)問題が
シャープの新規Ru錯体色素を用いて11.9%を達成以降、記
ある。原因は白板強化ガラスからのNaの拡散と言われ、対策と
録更新は無い。ソニーは蓄電機能付きの太陽電池(Annabell)
しては体積抵抗率の高い封止材を用いる、セルの反射防止膜
を発表する等、実用化への用途開発に向けた動きが進んでい
をシリコンリッチにすることなどが報告されている。更に、高温
る。また、海外ではSolaronix社(スイス)がCongress Center
高湿試験耐性が高い封止材の大半でPID耐性が高いことも確
2
のファサードへ300m (パネル355枚/発電量2,000kW)の設
認されている。
置が始まっている。一方、光吸収とキャリア輸送の機能を備え
6.9 メガソーラー技術
たペロブスカイト太陽電池が世界中で活発に研究され、変換
効率は既に16%を超えている。但し、構成元素にPbを含むた
メガソーラーの多くは、電力会社の主要電圧の6.6kVの高圧
めその影響や代替材料開発の検討、また、発電原理等には不
系統への接続が容易な設備容量2MW以下の高圧連係システ
明な点があり、今後解明が必要である。
ムになっている。期待される発電量としては、フィールド条件を
考慮してカタログ値の10%減とし、直流・交流配線、パワーコン
6.5 有機薄膜太陽電池(OPV)
ディショナ、変圧器等の損失を加味してシステム効率80%以上
高効率を狙い多接合セルが成果を上げている。Heliatek社
になるように設計するのが一般的である。
(独)は低分子蒸着三接合タンデムのセル構成で変換効率
6.10 アジア諸国の開発動向
12%を達成した。また、モジュール効率もセルに近い値が得ら
れており、フィルム基板へのロール・ツ・ロール、大面積均一蒸
中国は、市場の縮小から政府は参入条件を設定して健全化
着、レーザによる精密スクライブが量産のキー技術となる。
を図り、300社以上あった企業が100社程度に絞られた。今年
OPVの実用化は当面難しく、電子機器の電源等の用途として
度のモジュール生産量は26GWと見込まれ、10GWが国内設置
市場ニーズを掘り起こしていくことになろう。
される見込みである。新FIT制度が導入され、中部・東部地域
に“分子型”と呼ばれる分散型PV発電システムを重点的に導入
6.6 超高効率太陽電池
している。台湾は、過去2年の市場低迷より脱出しつつあり、
Ⅲ-Ⅴ系集光型太陽電池は、シャープより三接合型(InGaP/
現設備容量約9GWに対し、約11GWへ増産計画が練られてい
GaAs/InGaAs)太陽電池セルにて変換効率44%(集光倍率
る。技 術 的には 裏 面パッシベーションと局 部 B S F( B a c k
302倍)、Fraunhofer ISEでは、Wafer Bonding技術を用いて、
Surface Field)を用いたPERL(Passivated Emitter Rear
GaInP/GaAsとGaInAsP/GaInAsの4接合型太陽電池セル
Locally diffused)型セルが量産態勢に入った。
で、集光倍率2 9 7倍、受光面積5. 2 0mm 2 において変換効率
6.11 エネルギー蓄積
44.7%、パナソニックからは、集光用レンズに直接小型集光型
太陽電池セルを貼り付けるモジュールで集光倍率300倍、変換
光エネルギーを光触媒あるいは光電気化学反応を用いて水
効率34.7%が報告されている。第3世代太陽電池では、中間バ
素などの化学エネルギーに変換する技術、光エネルギーを集め
ンド量子ドット型で光出力電流を増大させるための方法として、
て熱エネルギーを生成して利用する熱蓄積及び熱化学反応の
中間層として量子ドットとは逆向きの格子ひずみ量を一旦ゼロに
開発が進められている。光触媒では粉末光触媒と多孔質光電
戻しながら多層化を行うと、欠陥密度が低い高品質な量子ドッ
極による水の完全分解化が研究されている。光電気化学反応
ト結晶が作製できる。研究開発段階であるが、ロシア科学アカ
では単結晶、多結晶、ナノ結晶等の半導体電極を用いて酸素あ
技術情報レポート
2013年度OITDA
21
光技術動向調査
るいは水素などを生成する研究が進んでいる。熱蓄積では太
一方最高性能を引き出すことができる塗布単結晶FETデバ
陽光エネルギーを熱として貯蔵して発電を行うもので、既に商
イスの大面積化は、今後のディスプレイやウエラブルコンピュー
業プラントとして実用化されている。熱化学では太陽光を集光
タへの応用を鑑みると非常に重要である。エッジキャスト法[淵
して作られる太陽熱エネルギーを幾つかの化学反応と組み合
(エッジ)に保持した半導体の溶液を乾燥させることにより単
わせて段階的に水分解を行い、より低温で水素を生成する研
結晶性有機半導体薄膜を得る手法]において連続的に半導体
究が進められている。
溶液を供給しながらエッジ基板を動かすことにより、基板上へ
の連続的な単結晶成長が可能な「連続エッジキャスト法」が開
7. 光有機材料・デバイス
発され、本手法によりインチサイズの単結晶薄膜の作製に成功
光有機エレクトロニクス分野では有機ELデバイスやタッチパ
した。本手法は、プリンテッド及びフレキシブルエレクトロニク
ネルなどが生活の中に浸透しているが、今後は軽量で壊れにく
スデバイス応用上重要な大面積化に向けて大きな一歩を踏み
いフレキシブルデバイス、ウエアラブルデバイスへと進展してゆ
出したと言える。
くものと考えられている。本分科会では、それらの製品の中に
7.3 透明導性電材料
利用されている材料や将来開発が期待される材料・デバイス
透明導電膜はその名の通り、可視領域で高い透明性(光透
について調査した。
2013年はRGBオール印刷方式による大面積有機ELディスプ
過率T:約80%以上)と、適度な導電性(電気抵抗率ρ:約1×
レイや曲面ディスプレイの発表など、新規プロセスによる製造
10 -3Ω・cm以下)を有する材料である。各種酸化物半導体系、
が盛んになってきた1年であった。有機材料は無機材料と異な
細線金属、薄膜金属、高分子系、新炭素材料系を中心に様々
り、塗布で極薄のデバイスを創ることができることが最大の特
な検討が進められている。特性と量産化技術に関して向上が
徴であろう。有機EL(ディスプレイ・照明)、有機トランジスタ、
認められた。また、塗って乾燥させるだけで金属並みの導電性
有機太陽電池が現在の3本柱であり、世界中で活発な研究が
が得られる金属ナノインク材料についても、製法・特性などで
行われている。ここ数年、ディスプレイ業界では韓国勢、太陽
進展があった。
電池業界では中国勢が力を持ち、エレクトロ二クス産業は厳し
7.4 光機能性材料
い環境となっていたが、従来より基礎研究のレベルが高く、大
手化学メーカ、精密機械メーカが高い技術力を保有している日
今年度は、高屈折率・低屈折率材料とエレクトロクロミック
本では印刷・塗布による「ものづくり」によって巻き返しを図る
材料を取り上げた。前者については、有機-無機ハイブリッド
チャンスが巡ってきたと言える。2020年に東京オリンピックが
材料が注目された。高機能を発現しながら、透明性をいかに確
開催されることも決まり、開発のモチベーションが高まっている
保するかが重要な観点となるが、まだ応用研究の端緒についた
ように感じる。
段階である。一方後者は、電気(電流・電圧)を用いて光学的
性質が可逆的に可変できる材料と定義され、調光ガラスへの
7.1 有機発光材料
応用が期待されている。こちらは、2011年頃から商品化され、
有機エレクトロルミネッセンス(EL)の評価指標の一つとし
徐々に普及が進んでいる。
て内部EL量子効率がある。この内部EL量子効率は注入され
7.5 人工光合成
た電流(キャリア数)に対する、EL発光として取り出せる光子
数の割合で定義される。この内部EL量子効率に関する重要な
人工光合成の一例として、光触媒を用いた水からの水素生
支配因子の一つとして、励起子生成確率がある。この励起子生
成に関する世界の研究開発動向について調査した。米国では
成確率は、発光層として励起一重項状態(S1)からの発光を用
アメリカ合衆国エネルギー省(DOE)が主体となり、2007年か
いる蛍光材料の場合と励起三重項状態(T1)からの発光を用
らHeliosプロジェクト、2 010年からThe Joint Center for
いるリン光材料の場合で、大きく異なる。電流励起において
Artificial Photosynthesis(JCAP)プロジェクトなど、また、ア
75%の確率で形成される三重項励起子をS1へ逆項間交差させ
メリカ国立科学財団(NSF)では2008年からPowering the
ることによって、S1の励起子生成確率を増加させる新しい方法
Planetプロジェクトなど太陽エネルギー利用に関する大きな研
が提案された。
究投資が進んできた。日本でも経済産業省が2012年より人工
光合成プロジェクトを発足させ研究促進を行っている。長波長
また、膜中における発光分子の配向を利用した光取り出し
効率の向上が確認された。
の光まで有効に使える光触媒の開発が、最も注目されている。
7.2 有機半導体材料
7.6 共通技術
今年度は、塗布型単結晶有機半導体材料及び印刷プロセス
今年度は、有機ELの劣化解析技術について取り上げた。高
による配向制御と塗布単結晶FETついて調査した。分子設計
い発光効率と優れた耐久性の両立が有機ELの重要な課題で
指針に基づいて開発された、分子の屈曲部位に硫黄元素を導
あり、高効率化のための材料開発研究と並行し劣化機構を理
入したV字型及びN字型化合物材料は、高化学的安定性、高溶
解するための基礎研究が活発に行われている。有機EL素子中
解性に加えて、これまでの塗布型材料では実現困難であった熱
で劣化の生じる位置や原因は、用いたデバイス構造や有機材
耐久性を有する新材料である。
料に強く依存する。劣化に関して最大の問題は、素子作製過程
22
技術情報レポート
2013年度OITDA
8.5 ディスプレイ技術
で混入する水や酸素といった小さな分子が有機ELと反応して
ディスプレイの高精細化、大画面化、低コスト化は年々進化
しまうことであると推察されている。
し、徐々にその傾向は鈍化しつつあるが、ディスプレイ技術の
8. 光ユーザインタフェース
進化への期待は相変わらず大きく、性能向上に加え、新たな価
2013年度の光ユーザインタフェースに関する光技術動向調査
値創造が期待されている。LCD、OLED、電子ペーパ、バック
は、光技術動向調査委員会と技術戦略策定委員会の配下に光
プレーン技術、プロジェクタ、立体表示、タッチパネル技術、高
ユーザインタフェース技術合同専門委員会を設置し、2030年代
精細技術が注目されている。
に向けた光ユーザインタフェース技術のロードマップ策定の一
8.6 バーチャルリアリティ技術
環として実施した。技術応用面から、医療・ヘルスケア、車載・
テレマティクス、コミュニケーション・教育、エンタテインメント、
バーチャルリアリティ(VR)は、コンピュータによって合成さ
基盤技術面から、ディスプレイ技術、バーチャルリアリティ技
れた人工的な世界に入り込み、そこで様々な疑似体験をするこ
術、ビジョン・画像処理技術、光センシング技術を取り上げた。
とを可能にするシステム及び技術である。VRは“究極の現実感
の再現”を目指す方向性だけではなく、要素技術と他の技術の
8.1 医療・ヘルスケア領域における動向
融合や、他の用途への転用で、新たなシステム作りを目指すこと
健康寿命の延伸には、日常生活での健康モニタリング、診
が多くなっている。その例として、拡張現実感あるいは複合現
断・治療の各段階での医療の高度化が求められ、医師と患者
実感とよばれる技術があり、現実環境への付加情報の提示に
とをつなぐインタフェース技術が重要となる。光技術により、医
よる利便性の提供を目指している。
師への付加価値を高めた視覚情報の提供、非侵襲な手法によ
8.7 ビジョン・画像処理技術
る安全な生体情報の取得が可能となる。この領域では、内視
鏡を中心とした診断用技術、手術支援ロボットを中心とした治
画像処理は、人が理解しやすいよう画質を改善する高画質
療用技術、健康寿命を維持するために予防医療に関わるヘル
化と、機械(コンピュータ)が撮影対象を理解するための処理
スケア用技術が注目されている。
とに分けられる。前者は画像工学や画像(信号)処理、後者は
コンピュータビジョンと呼ばれ、ロボットの視覚への適用やコン
8.2 車載・テレマティクス領域における動向
ピュータグラフィックスとの融合などの研究開発が行われてい
自動車の安全システムは、エアバックなど衝突後の搭乗者を
る。入力情報として、カラー情報に距離情報が付加されるよう
保護するための「衝突安全」、衝突を未然に防止するための
になり、3次元形状の取得、物体の表面反射特性などの同時
「予防安全」に大別でき、さらに「予防安全」は、
「運転支援」
推定、実時間でのジェスチャー認識などで距離情報が用いら
と「危険回避」とに分類できる。運転者の運転行為を補助する
れるようになった。画像認識では、人工ニューラルネットワーク
「運転支援」、自動車の自発的な判断で人の運転行為の目的
による新しい学習方法で、認識率が従来方式より大幅に向上
を推定し新たな運転行為を付加する「危険回避」、さらに、自
した。また、コンピュテーショナルフォトグラフィや圧縮センシン
動運転、次世代移動手段が注目されている。
グなど、撮影後に所望の画像を再構成する技術が実用化され、
リフォーカス機能などが話題になった。
8.3 コミュニケーション・教育領域における動向
8.8 光センシング技術
ネットワーク技術の進歩や高解像度ディスプレイの低価格化
などで、高画質の映像伝送が可能になり、高精細で臨場感の
光センシングデバイスは固体と真空管の二つに大別され、大
高い映像通信を行うアプリケーションが普及し始めている。従
きな技術進化と市場規模の大幅な拡大が期待される固体光セ
来は特別で高価な機器やネットワークを必要としたが、個人用
ンシングデバイスが注目されている。イメージセンサの画素微
モバイル端末でも手軽に利用できる環境が整い始めている。
細化は、技術開発ベースでは画素ピッチが1µmを下回る領域
テレビ会議/テレビ電話、ソーシャル・ネットワーキング・サービ
まで半導体プロセスの微細化が進み、物理的な画素開口が可
ス(SNS)、放送/配信、テレワーク、遠隔教育、博物館/科学
視光の赤色の波長とほぼ等価なサイズにまで達し、光センシン
館/美術館での応用などが注目されている。
グデバイスとしての競争軸は、微細化による高画素・高画質競
争から測距撮像やプレノプティックカメラ、コンピュテーショナ
8.4 エンタテインメント領域における動向
ルフォトグラフィなどの高機能化競争に移行しつつあり、今後
エンタテインメントでは、低コスト化が重要視されるため、低
の進化が期待される。
価格にして手ごろになってきた映像出力装置やセンサを用いる
9. 特許動向調査委員会
傾向が強く、それらをうまく使いこなし、コンテンツ自体のおも
9.1 光技術に関する特許動向調査
しろさに結び付けていることが重要になる。映画館、劇場、ア
ミューズメント施設におけるアトラクションや業務用ゲーム機、
昨年度と同様、ワーキング・グループ別に調査・分析を実施し
家庭用据え置き型ゲーム機、携帯型ゲーム機の入出力等に光
た。光通信ネットワーク、光メモリ、ディスプレイ、太陽光エネル
技術が取り入れられている。
ギーの各産業分野の特許出願動向の定点観測に加え、光技術
のトピックスとして、本年度は「マルチコアファイバ(昨年度から
技術情報レポート
2013年度OITDA
23
光技術動向調査
継続調査)」「ROADMのCDC機能」「次世代光ディスク技
術」「太陽電池の技術要素・本体材料」を取り上げ、その詳細
な特許動向分析を実施した。さらに今年度は、
「レーザ加工」
「LED照明」の2分野を調査に追加した。
なお定点観測においては、従来は日米欧3極の調査を実施
していたが、昨年度より中国韓国の調査を部分的に導入してい
る。新分野を調査に追加したことと併せ、光産業の新たな市場
とグローバルな勢力図に対応した取り組みとしている。
9.2 特許庁との懇談会(2013年12月20日)
特許庁からは特許審査第一部 瀬川勝久 光デバイス 審査
監理官はじめ5名の方々にご出席いただき、特許動向調査委員
会からは、児玉委員長はじめ10名が出席した。本年度は、当協
会より、
「光技術産業の特許出願動向と特許庁への要望」と題
して児玉委員長が講演を行なった。
また特許庁より、“今後の特許審査の重点施策”と題して、瀬
川審査監理官に講演いただいた。その後、これら講演内容をふ
まえて、出席者間で熱心な意見交換が行なわれた。
9.3 特許フォーラム(2014年3月7日)
本年度の特許動向調査結果の報告と特別講演からなる光協
会特許フォーラムを学士会館(東京都千代田区)で開催し、賛助
会員、一般参加、合わせて80名以上の方々にご出席いただい
た。
本年度の特別講演は昨年に引き続き、元キヤノン㈱ 専務
取締役で金沢工業大学大学院客員教授の丸島儀一弁理士を
お招きし、
「企業における特許戦略のあり方(事業・技術・知財
をつなげるために)」のご講演をいただいた。
24
技術情報レポート
2013年度OITDA
技術戦略策定
1. はじめに
するものを更に発展させ、専門委員をニーズ側とテクノロジー側
当協会では、今後の光産業の発展を見定め、光技術の研究
に分けて選出することで、利用分野の発展から想定されるサー
開発を方向づけることを目的に、1996年度より光テクノロジー
ビスと、技術の進化から創出されるサービスをうまく融合させ、
ロードマップ策定活動を実施している。この活動は、情報通
ニーズとテクノロジーが一体となったロードマップを策定するこ
信、情報記録、ディスプレイ、光エネルギー、光加工の分野にお
とを目指した。
いて、多くの国家プロジェクトの発足の基盤の一つとして、光産
今後顕在化してくる高齢化、地球温暖化、産業構造の変化
業技術の発展に幅広く貢献してきた。2011年度からは、新たに
などの社会課題を俯瞰したうえで、豊かな生活ができる将来社
“2030年代に向けた光技術のロードマップ”の策定を開始した。
会とするために、ビジネスへの展開のしやすさ、ビジネス規模な
光技術分野として、今後の発展が期待される、情報処理フォト
どを考慮したうえで、応用技術面から、医療・ヘルスケア、車
ニクス、安全・安心フォトニクス、光ユーザインタフェース、光情
載・テレマティクス、コミュニケーション・教育、エンタテインメン
報通信、光加工・計測の5分野を選定し、5ヶ年計画で、年度
トを対象領域として、これらの領域でのサービスを提供するた
ごとに各分野のロードマップを策定している。単に技術を羅列
めに必要となる基盤技術面から、ディスプレイ技術、バーチャ
するのではなく、社会像をまず描くことで課題を想定し、解決
ルリアリティ技術、ビジョン・画像処理技術、光センシング技術
に必要となる技術に展開していく手法を採用しており、社会
を取り上げ深堀した。
ニーズを出発点としていることが特長としてあげられる。
ディスプレイ技術は、高精細化、大画面化、低コスト化が
3年目にあたる2013年度の光ユーザインタフェース・テクノロ
年々進化しているが、さらなる性能向上に加え、新たな価値創
ジーロードマップ策定にあたり、技術戦略策定委員会と光技術
造が期待されている。バーチャルリアリティ(VR)技術は、コン
動向調査委員会の配下に、この技術領域における産学9名の
ピュータによって合成された人工的な世界に入り込み、そこで
専門家で構成される光ユーザインタフェース技術合同専門委員
様々な疑似体験をすることを可能にするものである。VRは、要
会を設置して、ロードマップの策定作業を進めた。ロードマップ
素技術と他の技術との融合や他の用途への転用により、拡張
策定にあたっては、高度化・複雑化する情報システムを容易に
現実感など現実環境への付加情報の提示による利便性の提
使いこなせる光ユーザインタフェースにより、“生活を豊かにす
供など重要性を増している。ビジョン・画像処理技術としては、
る”ことを目的に、2030年代の社会ニーズを明確化し、その実現
人が理解しやすいよう画質を改善する高画質化や、コンピュー
に必要となる光技術や要求性能と関係づけることで、光ユーザ
タが撮影対象を理解するための処理技術が進化する。光セン
インタフェース・テクノロジーロードマップを完成させ、報告書と
シング技術は、イメージセンサの画素微細化が進んだ結果、競
して取りまとめた。対象領域としては、ニーズとなる応用技術面
争軸は、微細化による高画素・高画質競争から測距撮像、プレ
では、医療・ヘルスケア、車載・テレマティクス、コミュニケー
ノプティックカメラ、コンピュテーショナルフォトグラフィなどの
ション・教育、エンタテインメント、基盤技術面ではディスプレ
高機能化競争に移行しつつある。これらの光基盤技術に対し
イ技術、バーチャルリアリティ技術、ビジョン・画像処理技術、
て、応用技術領域での各種サービスを実現するために求められ
光センシング技術を取り上げている。
る性能を数値化することでロードマップを完成させた。
2. 光テクノロジーロードマップ
2.1 医療・ヘルスケア領域ロードマップ
近年、技術革新による情報量の大幅な増加に伴い、情報シ
健康寿命を延伸していくために、日常生活での健康モニタリ
ステムが益々高度化・複雑化してきている。全ての人々が情報
ングや診断・治療の各段階での医療の高度化が求められ、今
化社会の恩恵を享受するには、システムや機器を意識すること
後益々、医師と患者をつなぐインタフェース技術が重要となって
なく、人の自然な行動や直感的な操作で使うことができる人に
くる。あたかも医師がそこにいるかのように体内を描写したり、
優しいインタフェースを備えることが求められる。2013年度の
見落とす可能性がある病変部を指摘したりする高度な医師へ
光テクノロジーロードマップ策定では、“生活を豊かにする”こと
のサポートや、患者に大きな負担をかけない非侵襲診断を実
を目的に、2030年代の社会ニーズの明確化と関係分野の技術
現するために、高感度・高速なセンシング、高精度なビジョン・
動向調査から光ユーザインタフェース・テクノロジーロードマッ
画像認識、高画質、高色再現、感覚の記録・再生などの光基盤
プを完成させた。
技術の開発が重要となる。また、医学・工学の壁を越えた融合
ユーザインタフェースにおける光技術は、非接触で自由度が
による技術開発なども必要となる。
高いこと、高速・高精度・高感度・高信頼性など高度な性能が
2.2 車載・テレマティクス領域ロードマップ
得られること、小型化・軽量化が可能になることなど多くのメ
リットがあり、大きな技術革新が期待される。生活を豊かにす
高齢化社会の到来で、高齢者による運転機会が増加するた
る光技術の利用分野は幅広いことから、今回の策定では、人と
め、将来社会でも交通事故対策は重要な課題として存在する
人とのインタフェースで光技術とかかわりが深く情報量が多い
であろう。衝突を未然に予防するための“予防安全”技術が重
視覚に密接に関わる分野に絞り、かつ、進化したインタフェー
要となり、特に自動運転の実現に向けた研究開発の推進が求
ス技術が相互に連携し合うことで、より豊かな生活が訪れるこ
められる。その実現のために、車外3D測距、車内ドライバの状
とをイメージした。ロードマップ策定においては、従来のような
況観察、低遅延での画像認識などの技術開発や、処理遅延を
デバイス・要素技術の進化を中心に技術トレンドの延長を予測
克服するための予測技術の立ち上げの必要性があげられる。
技術情報レポート
2013年度OITDA
25
技術戦略策定
2.3 コミュニケーション・教育領域ロードマップ
ネットワーク技術の進歩や高解像度ディスプレイの低価格化
などで、高画質の映像伝送が可能になり、高精細で高臨場感
のある映像通信を行うアプリケーションが普及し始めている。
このような空間を共有できる技術を高度化するには、感覚情報
の取得・表現、人間の知覚特性の利用、低遅延伝送、高速画
像処理などの技術開発や、自然な対話を実現するための先読
み技術の立ち上げの必要性があげられる。
2.4 エンタテインメント領域ロードマップ
心の豊かさを提供するエンタテインメント領域では、コンテン
ツが重要であることは当然のことであるが、低コスト化が重要
視されるため、低価格で手ごろになった映像出力装置やセンサ
を用いる傾向が強い。低コストで、手軽さ、新鮮さを提供でき
る技術として、運動視差つき立体視、体 積走査型ディスプレ
イ、NUI(Natural User Interface)などの開発と空間像再生
技術の早期実用化の必要性があげられる。
高度化していく情報システムの価値を最大化するためには、
まず、人が簡単に使いこなせることが求められる。その実現に
おいて、ユーザインタフェースが担うべき役割が大きいことは、
誰も否定しないであろう。人の五感のうち情報量が多い視覚に
密接に関わる光ユーザインタフェース技術を、将来の情報システ
ムを誰もが自由に使うための技術として発展させていくことは、
光産業の発展に寄与するものであり、今回、光ユーザインタ
フェース・テクノロジーロードマップとして提示できたことは、大
きな意義を持つものである。本ロードマップが生活を豊かにす
るための光技術の研究開発の方向性の指針となることを期待
する。
26
技術情報レポート
2013年度OITDA
新規事業の創造
1. はじめに
通り多かった。レーザ安全の国内規格であるJIS C 6802は、国
成支援のため、2013年度は以下の二つの活動を実施した。
3月に改正されたものである。また、レーザを除くLEDを含む
◦技術指導制度
ランプシステムにおける光生物学的安全性については、IEC
光協会では光産業分野に係る新規事業の積極的な創業・育
際規格であるIEC 60825-1の2007年改正に準拠して、2011年
光分野のベンチャー・中小企業等からの相談・質問に応じ
62471に準拠したJIS C 7550が2011年12月に制定された。
て技術指導を行う技術指導制度において、17件のアドバイス
当協会としては、レーザ安全やLEDを含むランプシステムの
活動を行った。
標準化動向を注視していきながら、技術相談の窓口としてもそ
◦新規事業創造支援
れを補完していきたい。
本年度は「インターオプト2013」への出展支援を10社、
「注
3. 新規事業創造支援
目される光技術セミナー」への講演支援を9社に実施した。
光技術を応用した光機器、光装置あるいはシステムの研究、
2. 技術指導制度
開発、製造、販売にかかわる中小企業、ベンチャー企業(大学
本制度は、光技術に関わる新規事業創造を支援するための
発ベンチャー等を含む)に対し、
「インターオプト2013」への出
技術指導を行う目的で運営されており、光関連ベンチャー・中
展支援及び、
「注目される光技術セミナー」への講演支援を実
小企業等からの相談・質問に応じて技術指導員を紹介し、回
施した。実施概要を表1に示す。
答を行うものである。相談分野は新規事業創造に関するもの
だけでなく、新商品開発や販売などで必要となる技術相談も
行っている。
相談・質問を受託する場合は、内容が本制度の趣旨に合致
するかどうかを判断し、本制度を適用する場合は最適と思われ
る技術指導員を選定し、対応している。
なお技術相談例は、件名を協会のホームページで公開してい
る。
2013年度の相談総数は17件で、技術指導員を選定して指導
を実施した。内容としては、レーザ安全にかかわる相談が例年
表1 インターオプト2013及び注目される光技術セミナーへの支援社一覧
出展社
展示内容
株式会社 QD レーザ
・1µm 帯短パルス DFB レーザ
・コンパクト可視レーザモジュール
・高温動作量子ドットレーザ
通信・産業用の GaAs 基板上の新し
い半導体レーザ
株式会社トリマティス
・光高速制御・統合技術
近距離用 LIDAR システム
株式会社フォトニックラティ
・2次元複屈折評価技術/装置
フォトニック結晶を用いた2次元複
屈折評価
株式会社ケミトックス
・太陽電池モジュールの性能評価と安全性評価技術
太陽電池モジュールの PID の動向と
塩水噴霧試験の概要
シナジーオプトシステムズ
株式会社
・光通信・光インタコネクション分野の光学測定技術/装置
光インタコネクション分野の光学測
定技術動向
株式会社アルネアラボラトリ
・低消費電力型光増幅器やオールインワン型測定器(ポータ
ブル型)、場所を選ばない小型高機能短パルス光源等
光サンプリングによる高速光多値変
調信号の監視技術紹介
株式会社クレブ
・大阪大学との産学共同開発。分光分析システム CrevPEM
・世界初 ! リアルタイムでプラズマ発光のバックグラウンド
除去を自動除去。
プラズマ分光分析におけるリアルタ
イム・バックグラウンド除去
株式会社タキオン
・弊社保有の開発 IC ラインナップ紹介
・弊社保有の応用 LED 照明機器商品群紹介
・力率向上、大容量化のデモ
・ちらつきのないトライアック調光応用デモ
ハイテク情報サービス
株式会社
・プラダンを使った光学機器向け通い箱
・20 ~ 30kg 対応の光学機器向け製品梱包箱
・光学部品向け標準品梱包箱
ハイテク・クッションによるトータ
ルコスト削減
ホロニクスインターナショナル
株式会社
・洗浄度検査装置 サーフェイスクオリティーモニター
新素材太陽電池検査用ソーラーシミ
ュレーター
技術情報レポート
2013年度OITDA
27
セミナー テーマ
研究会・懇談会
1. はじめに
学会・産業界に貢献するために当協会では「研究会・懇談
会」を設け、最新情報の収集及び意見交換を行っている。2013
講演テーマ
講師(敬称略)
希土類シリケート結晶を用いた集積化光導波路
増幅器の開発
一色 秀夫
(電気通信大学)
年度は「フォトニックデバイス・応用技術研究会」、
「光材料・
シリコンフォトニクスを用いた
集積化バイオセンサー
応用技術研究会」、
「多元技術融合光プロセス研究会」、
「光
Group IV Photonics(2013)学会報告
ネットワーク産業・技術研究会」の4つの研究会・懇談会を設
動を展開した。
光ファイバー通信の新たなる
ブレイクスルーに向けて
2. フォトニックデバイス・応用技術研究会
40G/100G 光トランシーバの最新動向
当研究会は1986年に設立され、その名称を「OEIC技術懇
懇談会」
(1993~2004年)、
「フォトニックデバイス・応用技術
8K・スーパーハイビジョンの光伝送技術
研究会」
(2005~)と改称しながら活動しており、その設立から
ウェアラブルコンピューティングの急展開
新しいフォトニック・ディスプレイデバイスの
需要について
25年以上を経た伝統ある研究会である。当初のOEIC技術に
加えて光インターコネクション技術、光デバイス全般及びその
LED を活用した植物工場事業と
6 次産業への取り組み
合い、産学官会員相互の情報交換と討論を通じて光産業にお
ける本技術分野の育成と振興をはかるべく、上智大学理工学
事により運営されている。また本年度の本研究会の会員数は47
名(幹事含む)であった。
本年度の活動内容を表に示す。例年と同様、会員以外も参加
できる一般公開方式のワークショップ1回を含む計6回の研究
会を開催し、毎回活発な討議・情報交換を行った。本年度も、
談会を行った。講師の方と会員間でのより深い議論ができる貴
岸野 克巳
(上智大学)
馬場 俊彦
(横浜国立大学)
から現在の「光材料・応用技術研究会」となり、2013年度はそ
の第6次3ヶ年事業の1年目として活動した。
本研究会は、光材料の産業応用への積極的な展開を図るた
め、光学結晶・光材料から関連デバイス、応用技術までの幅広
い分野について産学官の会員相互の交流・情報交換の場を提
供することを目的としている。
今年度の研究会の講演題目を表に示す。研究会では先端技
術・研究について紹介し、これを元に毎回活発な討議が行われ
た。第1回研究会では「光情報・通信技術の最前線」をテーマ
に講演5件、国際会議報告1件を行った。第2回研究会では
第3回(2013/10/9)
シリコンフォトニクス
シリコンフォトニクスを用いた高密度チップ間
光インターコネクト技術
豊田 誠治
(日本電信電話)
の主要テーマに活動・運営を適合させ活動してきた。1998年度
望月 敬太
(三菱電機)
平本 清久
(日本オクラロ)
横山 士吉
(九州大学)
晶研究会」「光学材料・デバイス研究会」と改称して、その時々
竹本 享史
(日立製作所)
次世代 400GbE 標準化の動向と
光トランシーバの実現に向けた最新技術動向
ポリマー変調器の最前線及び
光インターコネクトへの応用
員会」に起源をもち、1990年度以降「LN結晶研究会」「光学結
第2回(2013/7/24)
光通信用デバイス大容量化の最前線~ 400 G/1 Tbps への鍵 米田 昌博
(住友電気工業)
竹中 充
(東京大学)
この研究会は1989年度に発足した「OEIC用LN結晶評価委
加藤 千幸
(東京大学)
InP 系 90°ハイブリッド集積型 pin-PD とこれ
を用いた 100Gb/s 小型コヒーレントレシーバ
異種半導体集積 CMOS 及びフォトニクス
融合への展望
3. 光材料・応用技術研究会
湊 龍一郎
(古河電気工業 )
ハイブリッド集積技術を用いた
100GbE 向け光送受信モジュール
岡崎 聖一
(キーストーンテクノロジー)
高橋 亮
(日本電信電話)
フォトニック結晶を用いたバイオセンシング
講師(敬称略)
第1回(2013/5/29)
光インターコネクション
装置内光インターコネクト向け
100Gb/s CMOS 光トランシーバの開発
岡田 至崇
(東京大学)
ナノコラム結晶による窒化物半導体発光素子の
新展開
もワークショップ1回を含む計6回の研究会を計画している。
学会報告(OFC2013)
塚本 昌彦
(神戸大学大学院)
光電子融合型光パケットスイッチ技術及び
データセンタ内ネットワークへの応用
電気光学結晶 KTN を用いた光偏向器の
高速動作と応用
重かつ有用な場として会員の方には大変好評であった。来年度
京による大規模流体解析の最新の成果
中戸川 剛
(NHK 放送技術研究所)
第5回(2014/3/3)
新しいフォトニクス応用技術
ワークショップ以外は毎回、講演会後にポスターセッション&懇
小川 剛/山田 和義
(ソニー)
奥村 幸彦
(NTT ドコモ)
第4回(2014/1/30)
最新の光電子融合技術
部 機能創造理工学科 下村和彦教授を代表とする13名の幹
半導体実装技術を使った光通信モジュール
津村 英志
(住友電気工業)
高効率量子ドット太陽電池開発の現状と課題
関連技術、応用技術分野について、現状及び動向・展望を話し
鯉渕 道紘
(国立情報学研究所)
中沢 正隆
(東北大学)
将来無線アクセスネットワークの実現に向けて
談会」
(1986~1992年)、
「OEIC・光インターコネクション技術
低遅延ネットワークの最前線
~ HPC 光インターコネクトの現状と
革新的な展開~
庄司 雄哉
(東京工業大学)
ワークショップ(2013/11/20)
光技術の最先端トレンドと新ビジネスへのヒント 置し、産学官の各界の会員により各々の技術分野に応じた活
講演テーマ
横山 新
(広島大学)
「材料、薄膜技術」をテーマに講演4件、国際会議報告1件を
行った。第3回研究会では「新領域技術/固体光源新展開」を
賣野 豊
(PETRA)
メインテーマに講演6件と「これからの時代の光材料・デバイ
スの本命は?」をテーマにした総合討論を実施した。宿泊開催
28
技術情報レポート
2013年度OITDA
4. 多元技術融合光プロセス研究会
の利点を活かして夜遅くまで活発な討議・交流が行われ、貴重
ファイバレーザや超短パルスレーザなどの光プロセス技術
な情報交換の場となった。第4回研究会では「新たな地平を拓
くレーザー・非線形光学」をテーマに講演5件、国際会議報告
を、従来の枠を超えた幅広い産業分野に導入するためには、今
1件を行なった。
までの光源や光学系に関する技術分野だけでは不十分であ
り、加工する材料や構造、製品の種類や用途に応じて、物理化
本年度の会員は幹事・顧問を合わせて40名で、皆方代表幹
学現象、前後工程、制御系や計測・分析技術など、多元的な技
事初め11名の幹事により運営した。
講演テーマ
術を効果的に融合する必要がある。こうした多様な技術を持つ
講師(敬称略)
産官学のエキスパートが一堂に会し、議論するための場を提供
第1回(2013/6/7)
光情報・通信技術の最前線
することが本研究会の目的である。今年度も下表のように時代
いまさら聞けない光通信の基礎
皆方 誠
(静岡大学)
エラスティック光ネットワーク技術の
最新動向
神野 正彦
(香川大学)
光信号処理を用いた光シリアル・パラレル
変換技術及び光集積回路への展開
の最先端を行くテーマで計5回の研究交流会を開催し、前年度
を上回る多くの方に参加いただいた。また、初めての試みであ
る会社見学会(株式会社リプス・ワークス)を2013年10月に開
催し好評だった。
植之原 裕行
(東京工業大学)
シリコンフォトニクスを用いた高密度チップ
間光配線技術
賣野 豊
(PETRA)
PPLN の量子暗号通信への応用
荒平 慎
(沖電気)
講演テーマ
レーザ加工機事業における経緯・現状と
将来展望へ向けての取り組み提案(基調講演)
渡辺 俊夫
(NTT)
OFC2013 参加報告
皆方 誠
(静岡大学)
電気光学材料バトルの再燃 やっぱり来た。
強誘電体の王者 PLZT 薄膜技術と高周波光変
調器への応用展開
原 英生、増田 伸
(アドバンテスト)
復活「有機非線形光学」
高性能電気光学ポリマーの現状と今後の展望
横山 士吉
(九州大学)
成膜ばかりが能じゃない
~デバイスの応用先が大きく広がる~
窒化物半導体薄膜の剥離・転写技術
光の空間的・時間的性質を制御するデバイス:
空間光変調器
光照射した無機材料の緩和過程
フェムト秒レーザによるバイオチップの作製
CFRP のレーザ加工技術とその強度特性評価に
関する研究
菰田 卓哉
(パナソニック)
レーザ積層技術の進展
山下 兼一
(京都工芸繊維大学)
テラヘルツ発生とその応用
斗内 政吉
(大阪大学)
水晶の擬似位相整合による
紫外レーザー光発生
村松 研一
(ニコン)
LiTaO3/LiNbO3 の焦電効果を使った X 線発生
阿保 智
(大阪大学)
植物栽培時に発生する N2O のその場測定の
ための 4.6µm 帯差周波光源とガス検出システム
登倉 明雄
(NTT)
テーパーを制御した微細穴加工
GaN を用いた超短パルスレーザー光源
金属光造形複合加工装置の開発と現状
~レーザーで焼結積層しながら切削する~
レーザーを用いたトンネル覆工コンクリート
欠陥検査法の研究
高出力ファイバーレーザー
Photonics West 2014 展示会報告
技術情報レポート
2013年度OITDA
牧村 哲也
(筑波大学)
杉岡 幸次
(理化学研究所)
原田 祥久
(AIST/ALPROT)
京極 秀樹
(近畿大学)
出島 秀一
(光)
第3回(2013/10/3)
3D プリンタを進化させる光プロセス最新動向
3D プリンタは日本に「21 世紀の産業革命」を
もたらすか?
第4回(2014/3/7)
新たな地平を拓くレー ザー・非線形光学
半導体導波路型波長変換デバイス
吉村 政志
(大阪大学)
第2回(2013/8/28)
光応用プロセスの基礎と先端技術
第3回(2013/11/15)
新領域技術/固体光源新展開
導波路結合型プラスチックレーザー
井上 卓
(浜松ホトニクス)
非線形光学結晶 CLBO 等の現状と最新動向
八坂 洋
(東北大学)
有機 EL 照明
榎谷 順
(オプティ)
ファイバレーザ用デバイスとその応用
牧本 俊樹
(早稲田大学)
CLEO2013 参加報告
安井 公治
(三菱電機)
Industrial ultra-high-brightness direct diode
Parviz Tayebati
lasers
(TeraDiode, Inc., USA)
第2回(2013/8/30)
材料、薄膜技術
いまさら聞けないシリーズ:光電子デバイス
の設計・作製・評価2
講師(敬称略)
第1回(2013/7/18)
加工用レーザ、ビームデリバリ光学系、光部品等の最新技術動向
付加製造技術の現状と将来性
新野 俊樹
(東京大学)
金属粉末積層造形複合加工技術による
金型の製作
上田 隆司
(金沢大学)
最先端マイクロ光造形技術
近藤 高志
(東京大学)
AM(3D プリンタ)技術とその最新動向
河野 俊介、渡邊 秀輝、
幸田 倫太郎、宮嶋 孝夫、
倉本 大
(ソニー)
寺田 知太
(野村総合研究所)
世界最速の開発支援から生まれたいのちを救う
プロジェクト
丸尾 昭二
(横浜国立大学)
早野 誠治
(アスペクト)
竹田 正俊
(クロスエフェクト)
第4回(2013/12/17)
グリーンイノベーションを支える多元技術
中野 孝太郎
(福井大学)
御崎 哲一
(西日本旅客鉄道)
菊地 淳史
(IPG フォトニクスジャパン)
田中 佳広
(アーチネクスト)
29
超高効率多接合型太陽電池とその応用
高本 達也
(シャープ)
人工光合成型電荷分離分子の開発と
光触媒反応への展開
大久保 敬
(大阪大学)
光造形法を用いたテラヘルツ波
フォトニック結晶の三次元プリンティング
桐原 聡秀
(大阪大学)
研究会・懇談会
講演テーマ
講師(敬称略)
グラフェンのマテリアルサイエンスと将来展望
吾郷 浩樹
(九州大学)
呼気と皮膚ガスの比較・疾病との関連、及び
健康モニタリングの可能性
講演テーマ
第1回(2013/5/16)
更なる伝送容量拡大/性能向上に貢献する次世代光デバイス技術
津田 孝雄
(ピコデバイス)
第5回(2014/2/20)
高出力レーザ及び加工技術に関する最新動向
ファイバレーザの開発と加工応用
PCF を用いたファイバレーザ増幅器の
研究開発状況
東電福島第1原発事故へのレーザ除染装置の
適用可能性
スズキにおける高出力レーザの適用事例
高出力ファイバレーザの適用状況と将来展望
講師(敬称略)
藤崎 晃
(古河電気工業)
吉田 英次
(大阪大学)
高出力・狭線幅波長可変レーザ
粕川 秋彦
(古河電気工業)
マルチコアファイバ伝送技術の最新動向
高良 秀彦
(日本電信電話)
フレキシブル光ノード技術
青木 泰彦
(富士通研究所)
パネル討論:「デジタルコヒーレント通信技術
の更なる進展は可能か?」
・光通信の進展に向けた集積回路技術
・光デバイスから見た光通信の進展の課題
峰原 英介
(若狭湾エネルギー研究センター)
萩原 宰
(スズキ)
上記講師+
松澤 昭
(東京工業大学)
川西 悟基
(フォトニッククリスタル研究所)
第2回(2013/7/24)
公開討論会「光ネットワーク技術の新たな展開」
三瓶 和久
(前田工業)
スーパーコンピュータ向け
光インターコネクト技術
5. 光ネットワーク産業・技術研究会
「光ネットワーク産業・技術研究会」は、
「フォトニックネット
畑崎 隆雄
(日本ヒューレット・パッカード)
モバイルアクセス向け光アクセス技術
飯田 大輔
(日本電信電話)
デジタルコヒーレント技術を採用した
光海底ケーブルシステム
高橋 英憲
(KDDI)
見学会:展示ホール(光アクセスネットワーク
の設備と技術)、ラボツアー(ビッグデータ、 NTT 武蔵野 R&D センタ
OpenFlow)
ワーク新時代における産業・技術懇談会」を引き継ぐ形で2011
年4月に発足した。本研究会では、幹線系~FTTHの光ネット
第3回(2013/11/14)
公開ワークショップ「次世代光ネットワーク・アーキテクチュア」
-SDN/NFV 時代に光技術の進むべき道を、グローバルな視点から探る-
ワークと光ノード、光ファイバ、光インタコネクション等の光デ
バイスに関する市場動向や技術動向の情報収集と意見交換を
エリクソンのサービスプロバイダー SDN への
藤岡 雅宣
取組みと光伝送への応用
(エリクソン・ジャパン)
行っている。また、それらの将来展望等について産業界の関係
者を中心に学官を交えて討論することで、光ネットワーク分野
の産業の育成と振興を図っている。本研究会は、16人の幹事で
運営され、会員数は60名(幹事を含む)であった。
2013年度は、山林代表幹事(千歳科学技術大学)の下、光
ネットワーク業界の最新テーマを選定し、第1回から第5回の
討論会を開催した。第1回は、
「更なる伝送容量拡大/性能向
SDN に向けた、シスコ ・ オプティカル ・
ネットワーク戦略
NCS: Network Convergence System
~進化したプログラマブル・ネットワークの
ためのイノベーション
阿矢谷 充
(シスコシステムズ)
Open Transport Switch and Carrier SDN
Sharfuddin Syed
(Infinera Asia Ltd.)
上に貢献する次世代デバイス技術」で3講演とショート講演2
より柔軟な大容量光ネットワークを実現する
Software Defined Optics(SDO)の技術動向
件を含むパネル討論を、第2回は「光ネットワーク技術の新た
光通信用デバイスの開発最前線
な展開」で3講演に引続き武蔵野研究開発センタの展示ホール
及び研究室見学会を実施した。第3回は公開ワークショップと
し「次世代光ネットワーク・アーキテクチュア-SDN/NFV時
代に光技術の進むべき道を、グローバルな視点から探る-」と
芳山 俊二
(日本電気)
小林 正宏
(住友電気工業)
LTE/LTE-A 時代のネットワーク要件
斉藤 祐吉
(NTT ドコモ)
NFV ネットワーク機能仮想化の概要
尾花 和昭
(日本電信電話)
第4回(2014/1/24)
公開討論会「最新のデータセンター事情に見る光ネットワーク技術の活用」
題して開催した。3社の海外ベンダ(エリクソン、シスコ、イン
フィネラ)を含む7講演を午前及び午後に分けて実施し、SDN
マルチコアファイバ大容量 ・ 高信頼
光ネットワーク向け光切替装置の動作実証
(Software-Defined Network)、NFV(Network Functions
Virtualisation)、或いは最新モバイル事情から見た光ネット
ワークに関する議論がなされた。第4回では「最新のデータセ
ンター事情に見る光ネットワーク技術の活用」をテーマに、4講
演に引続きパネル討論を実施した。第5回は、
「シリコンとフォ
データセンターネットワークの現状と課題、
及びその解決策
濤川 慎一
(ジュニパーネットワークス)
高品質と省エネを両立するデータセンターの
ご紹介
~「石狩データセンター」の事例を元に~
田中 邦裕
(さくらインターネット)
トニクス(光変調器の最新技術)」をテーマに、3講演に引続
総務省の ICT 研究開発動向
~ネットワーク技術を中心に~
きパネル討論を実施した。
パネル討論
世の中は、ビッグデータ利活用、クラウドサービス、スマート
李 英根
(日立製作所)
荻原 直彦
(総務省)
上記講師
第5回(2014/2/27)
公開討論会「シリコンとフォトニクス(光変調器の最新技術)」
フォン、高精細映像などの発展により、トラヒック量は激増し質
モノリシック集積化シリコンマッハ‐ツェンダ
光変調器
が多様化している。これに対応するネットワークの仮想化や
データセンターの大規模化により、光ネットワーク基盤は大きな
シリコン光変調器の開発
社会変動の渦中にある。2014年度以降も、光ネットワーク産
EO ポリマー光変調器 on Si に向けて
業・技術について多いに討論を進めていく予定である。
パネル討論
30
小川 憲介
(フジクラ)
臼杵 達哉
(PETRA)
大友 明
(情報通信研究機構)
上記講師
技術情報レポート
2013年度OITDA
標 準 化
1. はじめに
な提案へ結びつけることが出来た。
当協会設立以来、標準化事業は協会の活動の重要な一翼を
また、昨年度ひき引き続き「レーザ機器の安全・安心に関す
担っており、広くオプトエレクトロニクスの標準化を推進して来
る調査研究」を補助事業としてJKAから、更に安全性に対す
た。その範疇は光伝送分野を中心に、数々のファイバオプティ
る認識の高まりにより、METIから「新光源プロジェクタ及び
クス応用分野、レーザ分野での国内のみならずIEC、ISO等の
ファイバレーザの安全に関する国際標準化」をそれぞれ受託し
国際標準化活動も対象として、変革する産業構造にも迅速に
た他、例年通り、多数のJIS案件をJSA公募により作成した。
対応すべく、政策的な標準化を各分野別委員会で検討を重ね
当協会が作成したJIS原案は、委員会委員は元より関係諸機
ている。図1に本年度の標準化委員会組織図を示す。
関の多大な御尽力により、本年度も24件の制定・改正がなされ
2011年度、新規事業として、経済産業省(METI)から受託
るに至った。本年度までに当協会各分野別標準化委員会で素
した、国際標準共同研究開発事業「高速車載LAN用光伝送サ
案作成を行い制定されたJISを表1に、またOITDA規格及び技
ブシステムの試験方法に関する標準化」及び国際標準開発事
術資料(TP)を表2示し、以下各委員会の活動について報告
業「光通信システムのスマート化に適用した光部品の国際標準
する。
化に関する調査研究」については、IECへの国際提案も順調に
進展しその業務を完了し、発展的に新年度の課題として新た
ファイバオプティクス標準化委員会
企画調整専門委員会
光産業技術標準化総合委員会
ダイナミックモジュール専門委員会
(標準化総会)
建物内光配線システム専門委員会
光産業技術標準化技術委員会
光ファイバセンサ専門委員会
(技術委員会)
光ファイバ標準化委員会
光コネクタ標準化委員会
光受動部品標準化委員会
光能動部品標準化委員会
光増幅器標準化委員会
光サブシステム標準化委員会
光測定器標準化委員会
TC 76/レーザ安全標準化委員会
ISO/TC 172/SC 9国内対策委員会
光ディスク標準化委員会
メディア専門委員会
アプリケーション専門委員会
フォーマット専門委員会
図1 標準化委員会組織図(2013年度)
技術情報レポート
2013年度OITDA
31
標 準 化
表1 オプトエレクトロニクス日本工業規格(JIS)リスト
(2014年03月31日現在)
委員会
光ファイバ
光コネクタ
規 格 名 称
1
番
光ファイバ通則
号
JIS C 6820
制定改正日
改
2009/12/21
2
光ファイバ機械特性試験方法
JIS C 6821
改
1999/07/20
3
光ファイバ構造パラメータ試験方法-寸法特性
JIS C 6822
改
2009/12/21
4
光ファイバ損失試験方法
JIS C 6823
改
2010/03/23
5
マルチモード光ファイバ帯域試験方法
JIS C 6824
改
2009/12/21
6
光ファイバ構造パラメータ試験方法-光学的特性
JIS C 6825
改
2009/12/21
7
光ファイバ波長分散試験方法
JIS C 6827
改
2005/01/20
8
光ファイバコード
JIS C 6830
改
1998/02/20
9
光ファイバ心線
JIS C 6831
改
2001/08/20
10
石英系マルチモード光ファイバ素線
JIS C 6832
改
2009/03/20
11
多成分系マルチモード光ファイバ素線
JIS C 6833
改
1999/02/20
12
プラスチッククラッドマルチモード光ファイバ素線
JIS C 6834
改
1999/02/20
13
石英系シングルモード光ファイバ素線
JIS C 6835
改
2012/01/20
14
全プラスチックマルチモード光ファイバコード
JIS C 6836
改
1999/04/20
15
全プラスチックマルチモード光ファイバ素線
JIS C 6837
改
2008/10/20
16
テープ形光ファイバ心線
JIS C 6838
改
2001/03/20
17
屋内用テープ形光ファイバコード
JIS C 6839
改
2008/01/20
18
光ファイバ偏波クロストーク試験方法
JIS C 6840
制
2006/03/25
19
光ファイバ心線融着接続方法
JIS C 6841
改
1999/07/20
20
光ファイバ偏波モード分散試験方法
JIS C 6842
制
2012/05/21
21
光ファイバケーブル通則
JIS C 6850
改
2006/01/20
22
光ファイバケーブル特性試験方法
JIS C 6851
改
2006/01/20
23
全プラスチックマルチモード光ファイバ機械特性試験方法
JIS C 6861
改
1999/04/20
24
マルチモード光ファイバモード遅延時間差試験方法
JIS C 6864
制
2008/01/20
25
光ファイバケーブル-第2部:屋内ケーブル-品種別通則
JIS C 6870-2
制
2006/11/20
26
光ファイバケーブル-第2-10部:屋内ケーブル-
1心及び2心光ファイバケーブル品種別通則
JIS C 6870-2-10
制
2008/01/20
27
光ファイバケーブル-第2-11部:屋内ケーブル-
構内配線用1心及び2心光ファイバケーブル細則
JIS C 6870-2-11
制
2009/12/21
28
光ファイバケーブル-第2-20部:屋内ケーブル-
屋内配線用多心光ファイバケーブル品種別通則
JIS C 6870-2-20
制
2008/01/20
29
光ファイバケーブル-第2-21部:屋内ケーブル-
構内配線用多心光ファイバケーブル細則
JIS C 6870-2-21
制
2009/12/21
30
光ファイバケーブル-第2-31部:屋内ケーブル-
構内配線用テープ形光ファイバコード細則
JIS C 6870-2-31
制
2009/12/21
31
光ファイバケーブル-第3部:屋外ケーブル-
品種別通則
JIS C 6870-3
制
2006/11/20
32
光ファイバケーブル-第3-10部:屋外ケーブル-
ダクト・直埋用及びラッシング形架空用光ファイバケーブル品種通則
JIS C 6870-3-10
制
2011/01/20
33
光ファイバケーブル-第3-20部:屋外ケーブル-
自己支持形架空用光ファイバケーブル品種通則
JIS C 6870-3-20
制
2011/01/20
34
偏波面保存光ファイバ構造パラメータ試験方法
JIS C 6871
制
2008/10/20
35
偏波面保存光ファイバビート長試験方法
JIS C 6872
制
2008/10/20
36
偏波面保存光ファイバ素線
JIS C 6873
制
2009/12/21
1
光ファイバコネクタ通則
JIS C 5962
改
2001/03/20
2
光ファイバコネクタ試験方法
JIS C 5961
改
2005/02/20
光ファイバコネクタ試験方法(追補1)
JIS C 5961
改
2009/07/20
3
光ファイバコード付き光コネクタ通則
JIS C 5963
制
2001/03/20
4
光ファイバコネクタかん合標準-第4部:SC形光ファイバコネクタ類(F04形)
JIS C 5964-4
制
2014/03/20
5
光ファイバコネクタかん合標準-第5部:MTコネクタ類(F12形)
JIS C 5964-5
制
2012/05/21
6
光ファイバコネクタかん合標準-第6部:MU形光ファイバコネクタ類(F14形)
JIS C 5964-6
制
2014/03/20
7
光ファイバコネクタかん合標準-第6-1部:MU形光ファイバコネクタ類-
MU-PC簡易レセプタクル(F17形)
JIS C 5964-6-1
制
2014/03/20
32
技術情報レポート
2013年度OITDA
委員会
光コネクタ
規 格 名 称
番
号
制定改正日
8
光ファイバコネクタかん合標準-第7部:MPOコネクタ類(F13)
JIS C 5964-7
制
2010/03/23
9
光ファイバコネクタかん合標準-第20部:LC形光コネクタ類
JIS C 5964-20
制
2009/07/20
10
光ファイバコネクタ光学互換-第1部:シングルモード(1 310 nmゼロ分散形)
光ファイバ用光学互換標準の通則
JIS C 5965-1
制
2009/07/20
11
光ファイバコネクタ光学互換-第2-1部:シングルモード直角PC端面
光ファイバ光学互換標準の指針
JIS C 5965-2-1
制
2011/10/20
12
光ファイバコネクタ光学互換-第2-2部:シングルモード斜めPC端面
光ファイバ光学互換標準の指針
JIS C 5965-2-2
制
2011/10/20
13
光ファイバコネクタ光学互換-第3-1部:シングルモード光ファイバ用直径2.5 mm及び
1.25 mm円筒形全ジルコニア直角PC端面フェルール光学互換標準
JIS C 5965-3-1
制
2011/10/20
14
光ファイバコネクタ光学互換-第3-2部:シングルモード光ファイバ用直径2.5 mm及び
1.25 mm円筒形全ジルコニア8度斜めPC端面フェルール光学互換標準
JIS C 5965-3-2
制
2011/10/20
15
F01形単心光ファイバコネクタ
JIS C 5970
改
2005/12/20
16
F02形単心光ファイバコネクタ
JIS C 5971
改
1998/05/20
17
F03形単心光ファイバコネクタ
JIS C 5972
改
1998/05/20
18
F04形光ファイバコネクタ(SCコネクタ)
JIS C 5973
改
2014/03/20
19
F05形単心光ファイバコネクタ
JIS C 5974
改
1998/05/20
20
F06形単心光ファイバコネクタ
JIS C 5975
改
1998/05/20
21
F07形2心光ファイバコネクタ
JIS C 5976
改
2001/03/20
22
F08形2心光ファイバコネクタ
JIS C 5977
改
1998/05/20
23
F09形単心光ファイバコネクタ
JIS C 5978
改
1998/05/20
24
F10形単心光ファイバコネクタ
JIS C 5979
改
1998/05/20
25
F11形光ファイバコネクタ
JIS C 5980
改
1998/05/20
26
F12形多心光ファイバコネクタ(MTコネクタ)
JIS C 5981
改
2012/05/21
27
F13形多心光ファイバコネクタ(MPOコネクタ)
JIS C 5982
改
2010/03/23
28
F14形光ファイバコネクタ(MUコネクタ)
JIS C 5983
改
2014/03/20
29
F15形光ファイバコネクタ
JIS C 5984
制
2001/03/20
30
F16形光ファイバコネクタ
JIS C 5985
制
2001/03/20
31
F17形光ファイバコネクタ(MU-SRコネクタ)
JIS C 5986
改
2014/03/20
32
F18形光ファイバコネクタ
JIS C 5987
制
2005/12/20
33
F19形光ファイバコネクタ
JIS C 5988
制
2005/12/20
34
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-2部:繰返しかん合試験
JIS C 61300-2-2
制
2011/03/22
35
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-5部:光ファイバクランプ強度試験(ねじり)
JIS C 61300-2-5
制
2013/03/21
36
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-6部:かん合部締結強度試験(軸方向引張り)
JIS C 61300-2-6
制
2014/03/20
37
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-15部:結合部ねじり試験
JIS C 61300-2-15
制
2012/05/21
38
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-27部:ダスト試験(層流)
JIS C 61300-2-27
制
2014/03/20
39
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-1部:外観検査及び機械的検査
JIS C 61300-3-1
制
2013/11/20
40
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-4部:損失測定
JIS C 61300-3-4
制
2011/03/22
41
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-11部:結合力及び離脱力測定
JIS C 61300-3-11
制
2013/03/21
42
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-15部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の頂点偏心量測定
JIS C 61300-3-15
制
2012/05/21
43
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-16部:球面研磨光ファイバコネクタのフェルール端面の曲率半径測定
JIS C 61300-3-16
制
2012/05/21
44
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-17部:斜め研磨光ファイバコネクタのフェルールの端面角度測定
JIS C 61300-3-17
制
2013/11/20
45
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-22部:フェルール押圧力測定
JIS C 61300-3-22
制
2014/03/20
46
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-23部:フェルール端面からの光ファイバ引込み量測定
JIS C 61300-3-23
制
2013/11/20
47
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-24部:偏波面保存光ファイバ付き光ファイバコネクタのキー位置精度測定
JIS C 61300-3-24
制
2012/11/20
技術情報レポート
2013年度OITDA
33
標 準 化
委員会
光コネクタ
光受動部品
規 格 名 称
番
号
制定改正日
48
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-26部:光ファイバとフェルール軸との角度ずれの測定
JIS C 61300-3-26
制
2011/03/22
49
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-27部:多心光ファイバコネクタプラグの穴位置測定
JIS C 61300-3-27
制
2012/05/21
50
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-30部:多心光ファイバコネクタ用フェルールの研磨角度及び光ファイバ位置測定
JIS C 61300-3-30
制
2010/05/20
51
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-34部:ランダム接続時の挿入損失
JIS C 61300-3-34
制
2012/11/20
52
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-36部:光ファイバコネクタフェルールの内径及び外径の測定
JIS C 61300-3-36
制
2012/05/21
1
空間ビーム光用受動部品通則
JIS C 5860
改
1997/11/20
2
干渉フィルタ通則
JIS C 5870
改
2009/03/20
3
干渉フィルタ試験方法
JIS C 5871
改
2011/01/20
4
位相子通則
JIS C 5876-1
制
2009/03/20
5
偏光子通則
JIS C 5877-1
制
2009/03/20
6
偏光子試験方法
JIS C 5877-2
制
2012/01/20
7
光伝送用受動部品通則
JIS C 5900
改
2013/03/21
8
光伝送用受動部品試験方法
JIS C 5901
改
2001/03/20
光伝送用受動部品試験方法(追補1)
JIS C 5901
改
2009/07/20
9
波長選択性のない光ブランチングデバイス-第1部:通則
JIS C 5910-1
制
2014/03/20
10
波長スイッチ通則
JIS C 5912
制
2006/03/25
11
光サーキュレータ通則
JIS C 5914
改
2013/03/21
12
シングルモード光ファイバピッグテール型光サーキュレータ
JIS C 5915
制
2009/12/21
13
光伝送用分散補償器通則
JIS C 5916
改
2012/05/21
14
光ファイバ形分散補償器
JIS C 5916-3
制
2013/11/20
15
光減衰器通則
JIS C 5920
改
2005/12/20
16
シングルモード光ファイバピッグテール型固定光減衰器
JIS C 5921
制
2009/12/21
17
WDMデバイス通則
JIS C 5925-1
制
2011/10/20
18
シングルモード光ファイバピッグテール形C/LバンドWDMデバイス
JIS C 5925-3
制
2011/01/20
19
シングルモード光ファイバピッグテール形980/1 550 nm WWDMデバイス
JIS C 5925-4
制
2011/01/20
20
シングルモード光ファイバピッグテール形中規模1×N DWDMデバイス
JIS C 5925-5
制
2013/11/20
21
光伝送用光フィルタ-第1部:通則
JIS C 5926-1
制
2014/03/20
22
光スイッチ通則
JIS C 5930
改
2005/12/20
23
光スイッチ試験方法
JIS C 5931
制
1988/11/01
24
光アイソレータ通則
JIS C 5932
改
2012/05/21
25
光伝送用光アイソレータ試験方法
JIS C 5933
制
1993/10/01
26
光伝送用レンズ通則
JIS C 5934
制
1999/07/20
27
光伝送用レンズ試験方法
JIS C 5935
制
2005/01/20
28
シングルモード光ファイバピッグテール形光アイソレータ
JIS C 5936-3
制
2011/01/20
29
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第1部:通則
JIS C 61300-1
制
2009/07/20
30
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-1部:正弦波振動試験
JIS C 61300-2-1
制
2012/11/20
31
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-9部:衝撃試験
JIS C 61300-2-9
制
2012/11/20
32
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-12部:落下衝撃試験
JIS C 61300-2-12
制
2011/01/20
33
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-14部:光パワー損傷のしきい値試験
JIS C 61300-2-14
制
2011/01/20
34
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-17部:低温試験
JIS C 61300-2-17
制
2009/07/20
35
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-18部:高温試験
JIS C 61300-2-18
制
2009/07/20
36
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-19部:高温高湿試験(定常状態)
JIS C 61300-2-19
制
2009/07/20
37
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-21部:混合温湿度サイクル試験
JIS C 61300-2-21
制
2012/11/20
34
技術情報レポート
2013年度OITDA
委員会
光受動部品
光能動部品
規 格 名 称
番
号
制定改正日
38
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-22部:温度サイクル試験
JIS C 61300-2-22
制
2012/01/20
39
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-26部:塩水噴霧試験
JIS C 61300-2-26
制
2013/03/21
40
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-45部:浸水試験
JIS C 61300-2-45
制
2009/07/20
41
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-46部:湿熱サイクル試験
JIS C 61300-2-46
制
2011/03/22
42
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-47部:熱衝撃試験
JIS C 61300-2-47
制
2012/01/20
43
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第2-48部:温湿度サイクル試験
JIS C 61300-2-48
制
2010/03/23
44
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-2部:シングルモード光デバイスの光損失及の偏光依存性
JIS C 61300-3-2
制
2012/01/20
45
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-3部:挿入損失及び反射減衰量変化のモニタ方法
JIS C 61300-3-3
制
2009/07/20
46
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-6部:反射減衰量測定
JIS C 61300-3-6
制
2011/01/20
47
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-7部:シングルモード光部品の光損失及び反射減衰量の波長依存性測定
JIS C 61300-3-7
制
2012/11/20
48
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-20部:波長選択性のない光ブランチングデバイスのディレクティビティ測定
JIS C 61300-3-20
制
2009/07/20
49
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-28部:過渡損失測定
JIS C 61300-3-28
制
2009/07/20
50
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-31部:光ファイバ光源の結合パワー比測定
JIS C 61300-3-31
制
2009/07/20
51
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-32部:光受動部品の偏波モード分散測定
JIS C 61300-3-32
制
2013/03/21
52
光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手順-
第3-43部:光ファイバ光源のモードトランスファファンクション測定
JIS C 61300-3-43
制
2012/11/20
1
光伝送用半導体レーザ通則
JIS C 5940
改
1997/08/20
2
光伝送用半導体レーザ測定方法
JIS C 5941
改
1997/08/20
3
再生及び記録用半導体レーザ通則
JIS C 5942
改
2010/05/20
4
再生及び記録用半導体レーザ測定方法
JIS C 5943
改
2010/05/20
5
光伝送用半導体レーザモジュール通則
JIS C 5944
改
2005/04/20
6
光伝送用半導体レーザモジュール測定方法
JIS C 5945
改
2005/04/20
7
光ファイバ増幅器用半導体レーザモジュール通則
JIS C 5946
制
2005/01/20
8
光ファイバ増幅器用半導体レーザモジュール測定方法
JIS C 5947
制
2005/01/20
9
光伝送用半導体レーザモジュールの信頼性評価方法
JIS C 5948
制
2007/03/20
10
光伝送用発光ダイオード通則
JIS C 5950
改
1997/08/20
11
光伝送用発光ダイオード測定方法
JIS C 5951
改
1997/08/20
12
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第1部:総則
JIS C 5952-1
制
2008/09/20
13
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第2部:MT-RJ(F19形)コネクタ付10ピンSFF形光トランシーバ
JIS C 5952-2
制
2008/09/20
14
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第3部:MT-RJ(F19形)コネクタ付20ピンSFF形光トランシーバ
JIS C 5952-3
制
2008/09/20
15
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第4部:PNコネクタ付1×9ピンプラスチック光ファイバ光トランシーバ
JIS C 5952-4
制
2008/09/20
16
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第5部:SC(F04形)コネクタ付1×9ピン光送信・受信モジュール及び光トランシーバ
JIS C 5952-5
制
2008/09/20
17
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第6部:ATM-PON用光トランシーバ
JIS C 5952-6
制
2008/09/20
18
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第7部:LCコネクタ付10ピンSFF形光トランシーバ
JIS C 5952-7
制
2008/09/20
19
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第8部:LCコネクタ付20ピンSFF形光トランシーバ
JIS C 5952-8
制
2008/09/20
20
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第9部:MU(F14形)コネクタ付10ピンSFF形光トランシーバ
JIS C 5952-9
制
2008/09/20
21
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第10部:MU(F14形)コネクタ付20ピンSFF形光トランシーバ
JIS C 5952-10
制
2008/09/20
22
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第11部:14ピン変調器集積形半導体レーザ送信モジュール
JIS C 5952-11
制
2008/09/20
技術情報レポート
2013年度OITDA
35
標 準 化
委員会
光能動部品
光増幅器
規 格 名 称
番
号
制定改正日
23
光伝送用能動部品-パッケージ及びインタフェース標準-
第12部:同軸形高周波コネクタ付半導体レーザ送信モジュール
JIS C 5952-12
制
2008/09/20
24
光伝送用能動部品-性能標準-第1部:総則
JIS C 5953-1
制
2007/03/20
25
光伝送用能動部品-性能標準-
第3部:2.5 Gbit/s変調器集積形半導体レーザモジュール
JIS C 5953-3
制
2007/03/20
26
光伝送用能動部品-性能標準-
第4部:1 300 nmギガビットイーサネット用光トランシーバ
JIS C 5953-4
制
2008/09/20
27
光伝送用能動部品-性能標準-
第5部:半導体レーザ駆動回路及びクロックデータ再生回路内蔵ATM-PON用光トランシーバ
JIS C 5953-5
制
2008/10/20
28
光伝送用能動部品-性能標準-
第6部:650 nm,250 Mbit/sプラスチック光ファイバ伝送用光トランシーバ
JIS C 5953-6
制
2009/03/20
29
光伝送用能動部品-試験及び測定方法-第1部:総則
JIS C 5954-1
制
2008/10/20
30
光伝送用能動部品-試験及び測定方法-
第2部:ATM-PON用光トランシーバ
JIS C 5954-2
制
2008/10/20
31
光伝送用能動部品-試験及び測定方法-
第3部:単心直列伝送リンク用光送・受信モジュール
JIS C 5954-3
制
2013/03/21
32
光伝送用フォトダイオード通則
JIS C 5990
改
1997/08/20
33
光伝送用フォトダイオード測定方法
JIS C 5991
改
1997/08/20
1997/11/20
34
低速光伝送リンク用送・受信モジュール通則
JIS C 6110
改
35
低速光伝送リンク用送・受信モジュール測定方法
JIS C 6111
改
1997/11/20
36
光変調器モジュール通則
JIS C 6114-1
制
2006/01/20
37
光変調器モジュール測定方法
JIS C 6114-2
制
2006/01/20
38
pin-FETモジュール通則
JIS C 6115-1
制
2006/01/20
39
pin-FETモジュール測定方法
JIS C 6115-2
制
2006/01/20
1
光増幅器-通則
JIS C 6121
改
2010/03/23
2
光増幅器-第5-2部:品質評価規格-光ファイバ増幅器の信頼性評価
JIS C 6121-5-2
制
2007/03/20
3
光増幅器-第6-1部:インタフェース-コマンドセット
JIS C 6121-6-1
制
2013/11/20
4
光増幅器-測定方法-
第1-1部:パワーパラメータ及び利得パラメータ-光スペクトラムアナライザ法
JIS C 6122-1-1
制
2011/03/22
5
光増幅器-測定方法-
第1-2部:パワーパラメータ及び利得パラメータ-電気スペクトラムアナライザ法
JIS C 6122-1-2
制
2011/03/22
6
光増幅器-測定方法-
第1-3部:パワーパラメータ及び利得パラメータ-光パワーメータ法
JIS C 6122-1-3
制
2011/03/22
7
光増幅器-測定方法-第3部:雑音指数パラメータ
JIS C 6122-3
改
2011/03/22
8
光増幅器-測定方法-第3-1部:雑音指数パラメータ-
光スペクトラムアナライザ法
JIS C 6122-3-1
制
2011/10/20
9
光増幅器-測定方法-第3-2部:雑音指数パラメータ-
電気スペクトラムアナライザ試験方法
JIS C 6122-3-2
制
2006/01/20
10
光増幅器-測定方法-第4-1部:過渡パラメータ-
二波長法を用いた利得パラメータ測定
JIS C 6122-4-1
制
2013/11/20
11
光増幅器-測定方法-第4-2部:過渡パラメータ-
広帯域光源法を用いた利得パラメータ測定
JIS C 6122-4-2
制
2013/11/20
12
光ファイバ増幅器-測定方法-第5-1部:反射率パラメータ測定方法-
光スペクトラムアナライザを用いた測定方法
JIS C 6122-5-1
制
2001/08/20
13
光ファイバ増幅器-測定方法-第6部:漏れ励起光パラメータ測定方法
JIS C 6122-6
制
1998/02/20
14
光ファイバ増幅器-測定方法-第7部:波長帯域外挿入損失測定方法
JIS C 6122-7
制
1998/02/20
15
光増幅器-測定方法-第10-1部:マルチチャネルパラメータ-
光スイッチ及び光スペクトラムアナライザを用いたパルス法
JIS C 6122-10-1
制
2007/03/20
16
光増幅器-測定方法-第10-2部:マルチチャネルパラメータ-
ゲート付き光スペクトラムアナライザを用いたパルス法
JIS C 6122-10-2
制
2010/03/23
17
光増幅器-測定方法-第10-3部:マルチチャネルパラメータ-
プローブ法
JIS C 6122-10-3
制
2012/01/20
18
光増幅器-測定方法-第10-4部:マルチチャネルパラメータ-
光スペクトラムアナライザを用いた補間法
JIS C 6122-10-4
制
2012/11/20
19
光増幅器-測定方法-第11-1部:偏波モード分散パラメータ-
ジョーンズマトリクス固有値解析(JME)法
JIS C 6122-11-1
制
2010/05/20
20
光増幅器-性能仕様テンプレート-第1部:デジタル用光ファイバ増幅器
JIS C 6123-1
制
2005/01/20
21
光増幅器-性能仕様テンプレート-第4部:マルチチャネル用光増幅器
JIS C 6123-4
制
2008/01/20
22
光増幅器-光増幅器における光損傷及び安全に関する光パワーの許容限界
TR C 0047
公
(継
2007/10/01
2013/03/01)
36
技術情報レポート
2013年度OITDA
委員会
規 格 名 称
番
号
光増幅器
23
光増幅器-一般情報-偏波モード分散パラメータ
TR C 0048
光サブ
システム
1
光ファイバ通信サブシステム試験方法-
中心波長及びスペクトル幅測定
2
光測定器
レーザ
安全性
太陽電池
光ディスク
制定改正日
公
(限
2010/07/01
2015/06/30)
JIS C 61280-1-3
制
2010/05/20
光ファイバ通信サブシステム試験方法-
受信感度及びオーバロード測定
JIS C 61280-2-1
制
2010/05/20
3
光ファイバ通信サブシステム試験方法-
光アイパターン,光波形及び消光比測定
JIS C 61280-2-2
制
2010/05/20
4
光ファイバ通信サブシステム試験方法-
第2-3部:ジッタ及びワンダ測定
JIS C 61280-2-3
制
2013/11/20
5
光ファイバ通信サブシステム試験方法-
Q値測定を用いた低ビット誤り率の決定法
JIS C 61280-2-8
制
2010/05/20
6
光ファイバ通信サブシステム試験方法-
高密度波長分割多重システムの光信号対雑音比測定
JIS C 61280-2-9
制
2010/05/20
7
光ファイバ通信サブシステム試験方法-
第2-10部:レーザ送信器の時間分解チャープ及びアルファファクタ測定
JIS C 61280-2-10
制
2012/01/20
8
光ファイバ通信サブシステム試験方法-
光信号品質評価のための強度ヒストグラム評価を用いた平均化Q値測定
JIS C 61280-2-11
制
2010/05/20
9
光ファイバ通信サブシステム通則
JIS C 61281-1
制
2010/05/20
10
光ファイバ通信システム設計ガイド-
時間分解チャープ測定による分散ペナルティの計算法
TR C 0046-2
公
(限
2012/01/01
2016/12/31)
1
レーザ出力測定方法
JIS C 6180
制
1991/08/01
2
レーザ放射パワー及びエネルギー測定用検出器,
測定器及び測定装置
JIS C 6181
制
1995/01/01
3
レーザビーム用光パワーメータ試験方法
JIS C 6182
制
1991/08/01
1992/09/01
4
光スペクトラムアナライザ試験方法
JIS C 6183
制
5
光ファイバ用光パワーメータ試験方法
JIS C 6184
制
1993/10/01
6
オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(OTDR)試験方法
JIS C 6185
改
2008/01/20
7
オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(OTDR)-第2部:校正方法-
シングルモード光ファイバ用OTDR
JIS C 6185-2
改
2014/03/20
8
オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(OTDR)-第3部:校正方法-
マルチモード光ファイバ用OTDR
JIS C 6185-3
制
2014/03/20
9
光ファイバ用光パワーメータ校正方法
JIS C 6186
改
2008/01/20
10
光波長計試験方法
JIS C 6187
制
1999/07/20
11
光波長計-第2部:校正方法
JIS C 6187-2
制
2014/03/20
12
測定用光減衰器試験方法
JIS C 6188
制
1999/07/20
13
光反射減衰量測定器試験方法
JIS C 6189
制
2004/03/20
14
光ファイバ用光源試験方法
JIS C 6190
制
1993/10/01
2005/04/20
15
波長可変光源試験方法
JIS C 6191
制
16
光スペクトラムアナライザ校正方法
JIS C 6192
制
2008/01/20
17
光ファイバ構造パラメータ測定器校正方法
JIS C 6828
制
2004/03/20
18
光ファイバ波長分散測定器校正方法
JIS C 6829
制
2005/01/20
1
レーザ製品の安全基準
JIS C 6802
改
2011/03/22
2
レーザ製品の安全-光ファイバ通信システムの安全
JIS C 6803
改
2013/09/20
3
レーザ製品の安全-情報伝送のための光無線通信システムの安全
JIS C 6804
制
2008/10/20
1
二次基準CIS系太陽電池セル
TS C 0049
公
(限
2010/8/20
2013/8/19)
2
CIS系太陽電池測定用ソーラシミュレータ
TS C 0050
公
(限
2010/8/20
2013/8/19)
3
CIS系太陽電池セル・モジュール出力特性測定方法
TS C 0051
公
(限
2010/8/20
2013/8/19)
4
CIS系太陽電池分光感度特性測定方法
TS C 0052
公
(限
2010/8/20
2013/8/19)
5
CIS系太陽電池出力電圧・出力電流の温度係数測定方法
TS C 0053
公
(限
2010/8/20
2013/8/19)
1
情報交換用CD-ROMのボリューム構造及びファイル構造
JIS X 0606
改
1998/10/20
2
非逐次記録を用いる追記形及び書換形の情報交換用媒体の
ボリューム及びファイルの構造[要約]
JIS X 0607
制
1996/03/01
非逐次記録を用いる追記形及び書換形の情報交換用媒体の
ボリューム及びファイルの構造[要約]
(追補1)
JIS X 0607
改
2001/03/20
技術情報レポート
2013年度OITDA
37
標 準 化
委員会
光ディスク
規 格 名 称
3
番
号
制定改正日
情報交換用非逐次記録高密度光ディスクの
ボリューム構造及びファイル構造
JIS X 0609
制
1998/02/20
情報交換用非逐次記録高密度光ディスクの
ボリューム構造及びファイル構造(追補1)
JIS X 0609
改
2012/11/20
4
DVD-再生専用ディスクのボリューム構造及びファイル構造
JIS X 0610
制
2006/03/25
5
ユニバーサルディスクフォーマット(UDF)2.01
JIS X 0611
制
2012/02/20
6
DVD-レコーダブルディスク(DVD-R)のボリューム構造及びファイル構造
JIS X 6235
制
2009/10/20
7
DVD-書換形ディスク(DVD-RAM)のボリューム構造及びファイル構造
JIS X 6236
制
2009/10/20
8
DVD-リレコーダブルディスク(DVD-RW)のボリューム構造及びファイル構造
JIS X 6237
制
2009/10/20
9
120 mm DVD-再生専用ディスク
JIS X 6241
改
2004/12/20
10
80 mm DVD-再生専用ディスク
JIS X 6242
改
2004/12/20
11
120 mm DVD-書換形ディスク(DVD-RAM)
JIS X 6243
制
1998/01/20
12
120 mm DVD-RAMディスク用ケース
JIS X 6244
制
1998/01/20
13
80 mm(1.23 GB/面)及び120 mm(3.95 GB/面)DVD-
レコーダブルディスク(DVD-R)
JIS X 6245
制
1999/03/20
14
120 mm(4.7 GB/面)及び80 mm(1.46 GB/面)DVD-
書換形ディスク(DVD-RAM)
JIS X 6246
制
2005/08/20
15
120 mm及び80 mm DVD-RAMディスク用ケース
JIS X 6247
制
2005/08/20
16
80 mm(1.46 GB/面)及び120 mm(4.70 GB/面)DVD
リレコーダブルディスク(DVD-RW)
JIS X 6248
制
2007/01/20
17
80 mm(1.46 GB/面)及び120 mm(4.70 GB/面)DVD
リレコーダブルディスク(DVD-R)
JIS X 6249
制
2009/04/20
18
120 mm(4.7 GB/面)及び80 mm(1.46 GB/面)
+RWフォーマット光ディスク(4倍速まで)
JIS X 6250
制
2009/04/20
19
120 mm(4.7 GB/面)及び80 mm(1.46 GB/面)
+Rフォーマット光ディスク(16倍速まで)
JIS X 6251
制
2009/04/20
20
120 mm(8.754 Gbytes/面)及び80 mm(2.66 Gbytes/面)
2層DVDレコーダブルディスク(DVD-R for DL)
JIS X 6252
制
2011/09/20
21
DVD-R,DVD-RW,DVD-RAM,+R及び+RWディスクのためのデータ移行方法
JIS X 6255
制
2011/05/20
22
130 mm追記形光ディスクカートリッジ
JIS X 6261
制
1991/01/01
23
情報交換用90 mm/2.3 GB光ディスクカートリッジ
JIS X 6270
制
2011/01/20
情報交換用90 mm/2.3 GB光ディスクカートリッジ(追補1)
JIS X 6270
改
2012/11/20
24
130 mm書換形光ディスクカートリッジ
JIS X 6271
制
1991/08/01
25
90 mm書換形及び再生専用形光ディスクカートリッジ
JIS X 6272
制
1992/09/01
90 mm書換形及び再生専用形光ディスクカートリッジ(追補1)
JIS X 6272
改
2012/11/20
26
90 mm/230 MB光ディスクカートリッジ[要約]
JIS X 6275
制
1997/10/20
27
90 mm/640 MB光ディスクカートリッジ[要約]
JIS X 6277
制
1998/07/20
28
情報交換用90 mm/1.3 GB光ディスクカートリッジ
JIS X 6279
制
2011/01/20
情報交換用90 mm/1.3 GB光ディスクカートリッジ(追補1)
JIS X 6279
改
2012/11/20
情報交換用130 mm/9.1 GB光ディスクカートリッジ
JIS X 6280
制
2011/01/20
2006/01/20
29
30
120 mm再生専用形光ディスク(CD-ROM)
JIS X 6281
改
120 mm再生専用形光ディスク(CD-ROM)
(追補1)
JIS X 6281
改
2012/03/21
31
情報交換用120 mm追記形光ディスク(CD-R)
JIS X 6282
制
2009/10/20
情報交換用120 mm追記形光ディスク(CD-R)
(追補1)
JIS X 6282
改
2012/03/21
32
情報交換用120 mmリライタブル光ディスク(CD-RW)
JIS X 6283
制
2009/10/20
情報交換用120 mmリライタブル光ディスク(CD-RW)
(追補1)
JIS X 6283
改
2012/03/21
90 mm/1.3 GB光ディスクカートリッジ(相変化光記録)
[要約]
JIS X 6291
制
1998/07/20
JIS X 6292
制
1998/07/20
33
34
120 mm/650 MB光ディスクカートリッジ
(相変化光記録,PDフォーマット)
[要約]
(注)制定改正日について、制:制定年月日、改:改正年月日を示す。
TRについては、公:公表年月日、限:有効期限年月日、継:継続年月日を示す。
規格名称について、
[要約]は要約JISであることを示す。
38
技術情報レポート
2013年度OITDA
表2 光産業技術振興協会規格(OITDA規格)及びOITDA技術資料(TP)リスト
(2014年03月31日現在)
委員会
光受動部品標準化
1
Polarization mode dispersion measurement using polarization phase
shift method for passive optical components
(日本語訳題名:偏波位相シフト法による光受動部品の偏波モード分散測定
方法)
OITDA-PD01
2004(Ed.1)
制
2004/08/27
2
光ディスクエミュレーションシステム
(Emulation System for Optical Disk)
OITDA-DC01
2005(Ed.1)
制
2005/07/25
光受動部品標準化
3
Chromatic dispersion measurement using polarization phase shift
OITDA-PD02
(PPS)method for passive optical components
2006(Ed.1)
(日本語訳題名:偏波位相シフト法による光受動部品の波長分散測定方法)
制
2006/08/29
新型太陽電池標準化
4
色素増感太陽電池の性能評価方法
OITDA-PV01
(Evaluation method of performance for dye-sensitized solar devices) 2009(Ed.1)
制
2009/03/30
光ディスク標準化
(フォーマット)
5
再配置を少なくするファイル配置方策
(File allocation system with minimized reallocation)
OITDA DC 02
2013(Ed.1)
制
2013/03/07
ファイバオプティクス標準化
(建物内光配線システム)
6
FTTH対応 戸建住宅用光配線システム
(Optical fiber distribution system for detached houses in FTTH)
TP01/BW
(=TP-BW01)
2011(Ed.3)
改
2011/08/03
ファイバオプティクス標準化
(建物内光配線システム)
7
FTTH対応 集合住宅用光配線システム
(Optical fiber distribution system for apartment houses in FTTH)
TP02/BW
(=TP-BW02)
2011(Ed.3)
改
2011/08/03
ファイバオプティクス標準化
(建物内光配線システム)
8
プラスチック光ファイバ(POF)建物内光配線システム
(Plastic optical fiber distribution system for customer premises)
OITDA/TP 03/BW
(=TP-BW03)
2012(Ed.3)
改
2012/06/28
光部品・モジュール安全
信頼性国際標準提案及び
光受動部品標準化
9
通信用光受動部品のハイパワー信頼性に関する調査
(Technical paper of investigation of high-power reliability for passive
optical components for optical communication application)
TP04/SP·PD
2008(Ed.1)
公
2008/08/28
光部品・モジュール安全
信頼性国際標準提案及び
ファイバオプティクス標準化
(ダイナミックモジュール)
10
通信用光部品・モジュールの動作中の振動衝撃試験法に関する調査
(Investigation on operational vibration and mechanical impact test
conditions for optical modules for telecom use)
TP05/SP·DM
2008(Ed.1)
公
2008/08/28
光部品・モジュール安全
信頼性国際標準提案及び
ファイバオプティクス標準化
(ダイナミックモジュール)
11
可変波長分散補償器のGDR測定法に関する検討
(Group delay ripple measurement method for tunable dispersion
compensators-Technical paper)
TP06/SP·DM
2008(Ed.1)
公
2008/10/09
光増幅器標準化
12
光増幅器-光増幅器における四光波混合効果のための応用ガイド
(Application guide for four-wave mixing effect in optical amplifiers)
TP07/AM
2009(Ed.1)
公
2009/05/21
光増幅器標準化
13
光増幅器-光ファイバヒューズに関する一般情報
(General information for optical fiber fuse)
TP08/AM
2010(Ed.1)
公
2010/03/01
Sプロジェクト
重点フォローアップ及び
光受動部品標準化
14
プラグ形固定光減衰器のハイパワー信頼性に関する調査
(Technical paper of investigation of high-power reliability for plugstyle fixed optical attenuators)
TP09/SP·PD
2010(Ed.1)
公
2010/03/25
光能動部品標準化
15
光増幅器励起用及びファイバレーザ励起用半導体レーザモジュールの信頼
OITDA/TP 10/AD
性評価方法に関するガイド
2012(Ed.1)
(Laser modules used for optical amplifiers and fiber lasers-Reliability
assessment guide)
公
2012/07/10
ファイバオプティクス標準化
(建物内光配線システム)
16
ビルディング内光配線システム
(Optical fiber distribution system for customer premises)
OITDA/TP 11/BW
2012(Ed.1)
公
2012/08/22
光通信システムの
スマート化に適用した
光部品の国際標準化提案
17
レセプタクル形光トランシーバの光コネクタ端面清掃に関するガイドライン
(Guideline of optical connector endface cleaning method for
receptacle style optical transceivers)
OITDA/TP 12/TP
2012(Ed.1)
公
2012/11/01
光能動部品標準化
18
光伝送用能動部品-性能標準-GEPON用光トランシーバ
(Fiber optic active components and devices-Performance standards
-GEPON transceivers)
OITDA/TP 13/AD
2013(Ed.1)
公
2013/03/22
光能動部品標準化
19
光伝送用能動部品-試験及び測定方法-GEPON用光トランシーバ
(Fiber optic active components and devices-Test and measurement
procedures-GEPON transceivers)
OITDA/TP 14/AD
2013(Ed.1)
公
2013/03/22
ファイバオプティクス標準化
(ダイナミックモジュール)
20
波長選択スイッチの動的クロストーク測定に関する検討
(Dynamic Crosstalk Measurement for Wavelength Selective Switch)
OITDA/TP 15/DM
2013(Ed.1)
公
2013/10/15
ファイバオプティクス標準化
(ダイナミックモジュール)
21
通信用ダイナミックモジュールの動作環境条件に関する調査
(Investigation on Operating Conditions for Dynamic Modules for
Telecom Use)
OITDA/TP 16/DM
2013(Ed.1)
公
2013/10/15
光能動部品標準化
22
光伝送用能動部品-性能標準テンプレート-DWDM伝送用波長可変レーザ OITDA/TP 17/AD
モジュール
2014(Ed.1)
(Fiber optic active components and devices-Performance standard
template-
Wavelength tunable laser diode module for Dense WDM transmission)
公
2014/03/31
光能動部品標準化
23
光伝送用能動部品-試験及び測定方法-DWDM伝送用波長可変レーザモ
ジュール
(Fiber optic active components and devices-Test and measurement
procedures-Wavelength tunable laser diode module for Dense WDM
transmission)
OITDA/TP 18/AD
2014(Ed.1)
公
2014/03/31
光コネクタ標準化
24
シャッタ付き光アダプタの遮光特性測定に関する調査
(Investigation of examinations and measurements-Light–blocking
performance of optical adaptor with shutter)
OITDA/TP 19/CN
2014(Ed.1)
公
2014/03/31
光ディスク標準化
(フォーマット)
技術情報レポート
2013年度OITDA
規 格 名 称
39
番
号
制定改正年月日
標 準 化
2. ファイバオプティクス標準化委員会
⑷ JIS原案作成の課題
本委員会は、ファイバオプティクス標準化活動を常に先行け
◦プレスリリース
ん引することを目的に、標準化総合委員会傘下にあって企画推
9件のJISが2013年11月に発行される際、これらを紹介す
進的な役割を果たす役割を担っている。
るプレスリリースを行ってはどうかとの要請が経済産業省か
インターネットの急激な拡大をはじめとする情報通信の進
らあり、関係委員の方々の協力を得て、光増幅器標準化委
展、光技術をベースとした情報家電の普及に伴い、光技術は、
員会の2件のJISを中心に紹介資料を作成し、公表した。
その産業における重要性を増すとともに、応用範囲が格段に広
◦用語(IEC訳語)
がりつつある。従って、ファイバオプティクスの標準化も重要性
JISC電子技術専門委員会の審議及びJSA規格調整分
を増すとともに、多様な応用分野への適用を考慮したものに広
科会において指摘を受けJIS作成時の標準に組み入れる
がって行くことが予想される。このような時代背景の中で、もう
作業を行っている。例えば、数式の対数の表記方法(底の
一度ファイバオプティクスの標準化の目的と対象を見直すこと
明記)について指摘があり、調査結果を基に、
「log」に底
により、標準化すべき項目を洗い出し、標準化のあるべき姿を
を明記する(または「ln」を用いる)ことをJISの標準として
求める標準化ビジョンを策定することが重要である。
徹底することにした。さらに、JISでは括弧で囲った中(括
本委員会は、今年度このような問題意識に立脚し、ファイバ
弧書き)の記載事項は全て参考事項であることを徹底する
オプティクス全般に関する調査研究を推進するとともに、JIS化
ことにした。
⑸ OITDA規格及びOITDA技術資料(TP)推進
と国際標準化における問題点の改善・戦略提案について重点
的に取り組んだ。またJIS及び国際標準を補完するために導入
本年度も5件のOITDA技術資料(TP)が公表された。光
した団体規格(OITDA規格)及びOITDA技術資料(TP)に
能動部品標準化委員会からの2件のTPはOITDA規格とす
ついては、標準化の推進のためにそれらの制定・公表等の運
るのが良いのではないかとの指摘もあったが、規格の体裁を
用を発展させていく。
とっているものの業界のコンセンサス形成はこれからという
今 年度は翼下に、企画調 整専門委員会、ダイナミックモ
状況を考慮しTPとした。また、初めて光コネクタ標準化委員
ジュール専門委員会、建物内光配線システム専門委員会及び光
会から1件の公表があった。
ファイバセンサ専門委員会の四つの専門委員会をもち活動を実
施した。
2.2 ダイナミックモジュール専門委員会
2.1 企画調整専門委員会
2.1.1 目的・活動内容
導入されているが、同時にトラフィックの動的な変化や、予期せ
近年、伝送速度100 Gbit/sの大容量光伝送システムが商用
ぬ自然災害による伝送路の寸断などに柔軟に対応できるような
効率的なJIS化及び国際標準化活動に向けて、国際標準化
フレキシブルな光ネットワーク構築が求められている。このよう
をバックアップする視点からのJIS標準化戦略の策定、効率的
なネットワークには、多方路に光パスを切り替えられるROADM
な標準化 原案作成のための問題点抽出と改善 案の検 討、
(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexing)システム
OITDA規格及び技術資料(TP)の推進とアフターケアを継続
が必要不可欠で、それを可能とするのが本専門委員会で審議
して進める。
されるダイナミックモジュールである。IECにおいてもTC 86/
SC 86C/WG 5において標準化活動が活発に行われている。
2.1.2 今年度の活動
以下、本専門委員会の活動状況について報告する。
⑴ 標準化活動の基本スタンス
2.2.1 検討状況
標準化戦略基本方針は、引き続き継続する。なお、国の標
本年度は、動作環境条件に関する性能標準(IEC 62343-1、
準化戦略・社会的要求も変化してきており、関係する事項に
旧IEC 62343-1-4)、ダイナミック波長分散補償器性能標準
関しては必要に応じ見直し・補足を行う。
⑵ IEC状況(ACTEL状況)紹介
(IEC 62343-1-2)、ダイナミックモジュール信頼性品質標準2
昨年度に引き続き、IECの標準管理評議会(SMB)傘下の
版(IEC 62343-2)、OCM性能テンプレート(IEC 62343-3-
アクテル(ACTEL:通信関係のアドバイザリコミッティ)の
2)、ROADM(WSS: Wavelength Selective Switch)テンプ
活動内容について情報を共有した。
レート(IEC 62343-3-3)、WSS制御インタフェース標準(IEC
⑶ 申請JISのJISC・JSA処理状況確認
62343-4-1)、ダイナミック利得傾斜等化器の応答時間測定法
METI、JSA関係者の尽力もあり、申請しているJIS原案の
(IEC 62343-5-1)、WSSの動的クロストーク測定法(IEC
多くのJIS化が進み、今年度はJIS原案提出後2年4ヶ月を要
62343-5-2)、制御インタフェース調査結果テクニカルレポート
したJIS4件及び1年4ヶ月を要したJIS5件が発行に至っ
(IEC/TR 62343-6-2)、ROADMテクニカルレポート(IEC/
た。その他の案件は、さらに短縮される状況にあり、JSAに
TR 62343-6-4)、動作振動衝撃評価技術テクニカルレポート
JIS原案を提出してから発行までに要する日数は、約1年に短
2版(I E C/TR 62 3 4 3- 6 - 5)、O CM(O pt ica l Cha n nel
縮化している。申請中のJIS提案数もまだ多いので、引き続き
Monitor)テクニカルレポート(IEC/TR 62343-6-7)、WSSの
状況をフォローしていく。
動的クロストーク特性に関するテクニカルレポート(IEC/TR
62343-6-9)などのIEC規格審議文書を検討した。
40
技術情報レポート
2013年度OITDA
また、N×M WSS制御インタフェース標準、信頼性試験項目
後の課題としては、接続のスキルレス化、物品コストの低廉化
及びハイパワー試験に関するアンケート、並びにダイナミックモ
等が挙げられている。
ジュール共通制御インタフェースに関する調査、検討を行った。
2.3.2 建物内光配線に関する技術情報収集
なお、OITDA技術資料として、波長選択スイッチの動的クロス
⑴ 光ケーブル技術
トーク測定に関する検討(OITDA/TP 15/DM)、通信用ダイ
ビル/集合住宅の光配線において、縦系の幹線光ケーブ
ナミックモジュールの動作環境条件に関する調査(OITDA/
ル用途に間欠接着型4心光ファイバテープ心線を用いた超細
TP 16/DM)の2件を公表した。
径高密度光ケーブルが製品化された。当該製品は、従来構
2.2.2 国際標準化動向
造のSZ型スロットケーブルと比較すると外径で2割程小さく
⑴ サン・ルイス・オビスポ会合概要(2013年3月15日)
質量で3割程軽くなっており、更に、大幅に単心の分岐接続
性 能 標 準1件( 動 作 条 件)、性 能 テンプ レ ート2件
がしやすくなっている。また、当該光ファイバテープ心線をド
(OCM、WSS)、制御インタフェース1件(WSS)、測定法2
ロップケーブル構造に実装した新細径24心光ケーブルも製
件(WSSなど)、テクニカルレポート2件(ROADM、OCM)
品化された。他に、強風地区での建物内引き込み用として、
の審議が行われた。日本から、マルチキャストスイッチの技
支持線部を回転軸としてケーブル部を長手方向に周期的に
術情報を説明し、ROADM/TRに内容を盛り込むことが決
捻転させたSZ捻れ構造のドロップケーブルが開発された。
⑵ 接続技術
定した。
⑵ シャーロット会合概要(2013年10月30日)
データセンタの機器間の光ファイバの接続にはLCコネクタ
総則1件、性能標準1件、インタフェース標準1件、性能テ
が広く使われ、2連化したLCF型の挿抜性の難点を改善し
ンプレート2件、測定法1件、テクニカルレポート5件の審議
たプシュプル式2連LCコネクタが開発された。融着接続で
が行われた。日本から、ダイナミックモジュール共通制御イン
は、モータで風防を開閉、シースクランプを解放、加熱器蓋
タフェースに関する提案などを行った。
を自動開閉する機構が搭載されたコア直視型融着接続機が
リリースされた。また、耐衝撃性能を高め従来比30%程軽量
2.2.3 今後の活動予定
化した新型光ファイバ切断器が発表されている。
⑶ 施工技術
ダイナミックモジュールは実システムへの導入が活発に進ん
でいる。こうした状況の中、IEC国内委員会へのサポートを積
戸建住宅で私設柱がある場合に、引き込み柱用台座を取
極的に行うことを通じて、日本の意見が国際規格に十分に反映
り付け切断配線クリートあるいは小型キャビネット取り付け
されるよう活動を行うと共に、IECでの標準化動向を監視し、
る方法がある。また、通線器とドロップ/インドア光ファイバ
必要に応じて遅滞なくJIS規格の制定検討を進めて行く予定で
を効率よく連結出来るツールがリリースされた。更に、手の届
ある。
かない隙間の奥にあるドロップ/インドア光ファイバの先端
を把持して引き抜くドロップ引き抜き治具ができている。
2.3 建物内光配線システム専門委員会
⑷ 光システム
総務省の発表によると、2013年9月時点で固定通信向け契
近年、大規模マンション向けにGE-PONシステムが提案さ
約者数が3,936万加入(前年度比1%増)になっている。この
れている。例えば、GE-PON延長装置に波長多重技術を組
内、FTTH契約者数は2,463万加入で前年度比6%の増加に
み合わせて光ファイバ1心にPON4系統が伝送出来、最大
なったが、モバイルブロードバンド契約者数は3,000万人を越え
256分岐可能になっている。また、GE-PONシステム全体を、
ており、固定系の市場は飽和傾向になりつつある。
ONU管理や状態表示及び操作をGraphical user interface
本専門化委員会は、建物内において、居住者または住宅・建
で行い一元管理するマネージャが商品化されている。更なる
物提供者(住宅メーカ/設計者等)らが高速広帯域なデータ・
伝送容量の拡大、長距離化、多分岐化に向け、NG-PON2
映像サービスを受けられるように、光配線技術動向などの情報
が有力視され、そのシステム構成は従来のTDM-PONと
を発信し、また、これらを纏めた技術資料を作成している。
W DM-PONの技術を使用するTW DM-PONになってい
る。
2.3.1 ビル・ホーム内光配線システムに関するアンケー
ト調査
伝送速度は上り2.5 Gbps~10 Gbps×4波長、下り10 Gbps
×4波長(標準)+4波(オプション)、分岐数は64~256、
ビル・ホームにおける光ファイバ配線の現状と今後の課題、
伝送距離は光中継器を設けて60 kmまで可能である。
⑸ POF技術
そして、今後の標準化活動に向けた定量的な情報把握の参考
とする為に、光協会標準化委員と賛助会員並びに光配線システ
P O F 関 連 の国 際 学 会「T h e 2 2 t h I n t e r n a t i o n a l
ムに関連の深い企業へアンケート調査を依頼し、51件の回答を
Conference on Plastic Optical Fibers(ブラジル)」が開催
得た。回答結果は、
「低摩擦インドアケーブルが新たに登場し
され、13ヶ国、68件(ポスター含む)の発表があった。センサ
て半分を占めている」、
「接続は融着とコネクタが同程度で9割
関連の発表が1/3以上を占めていた。また、SI型POFによる
を占めている」、また、標準化の必要性に対しては64%が「分か
宅内ギガビットイーサネット配線(最大伝送距離50 m)を可
らない」、24%が「必要」、12%が「分からない」であった。今
能にする多値変調やTomlinson-Harashima Precoding等
技術情報レポート
2013年度OITDA
41
標 準 化
を採用したPHYチップがリリースされた。
ことを再認識した次第である。
⑹ 市場・業界
2013年度のIEC会合における活動(TC 86/SC 86C/WG 2)
高精細映像が注目され、4K/8K放送の検討が進んでい
月 日
る。臨場感は視距離0.75Hにて8Kで頭打ちになる。2013年
以降、日本各企業及び韓国企業から高精細TVが販売され
ている。また、プレハブ住宅メーカは、ソーラー発電、燃料電
池等を導入したHEMSの普及を促進され、光配線は必須に
審議文書
3/14
San Luis IEC 61757-2-1/Ed1 86C/1096/NP(FBG)
Obispo IEC 61757-3-1/Ed1(DTS)
10/29
IEC 61757-2-1/Ed1 86C/1096/NP(FBG)
Charlotte 86C/1170/RVN(FBG)
IEC 61757-3-1/Ed1 86C/1168/NP(DTS)
なってきている。
2.3.3 他 関連団体に関する情報収集及び建物内光配
線に関する技術情報収集
場 所
2.4.1 委員会の方針
IECの規格案は計測方法に関するものであり、光ファイバセ
⑴ 一般社団法人 情報通信エンジニアリング協会(ITEA)
ンシング全体の工業的な可能性からすると未だ不十分といわざ
第8回光通信工事技能競技会が「ポートメッセなごや」で
るを得ない。しかしながら、最初の規格として発行される意味
開催された。複合設備施工競技等3種目で競われ、従来と
合いは深いものと思われる。従って、現在提示されている規格
異なり3種目の使用される設備がリンクする形で行われた。
案に対して、適時かつ適切に対応するとともに他の標準化すべ
⑵ 一般社団法人 日本電設工業協会(JECA)
き項目等の提案を積極的に実施すべきである。光ファイバセン
公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)のH25年度
シング全体の規格体系を考慮する必要があるものと思われる。
改訂版が発刊された。光ファイバケーブル配線ではノンメタ
また、これらの活動を継続的に維持することが肝要である。
リック型の曲げ半径について記述が追加された。
⑴ 他国が主体として提案してくる規格案への対応方法の確
⑶ NPO高度情報通信推進協議会
立
第42回技能五輪国際大会がライプツィヒ(独)で開催さ
⑵ 我が国からの提案をまとめる方法の確立
れ、
「情報ネットワーク施工」では日本が金賞を受賞し、5連
⑶ 光ファイバセンサ専門委員会の組織運営の在り方の検討
覇を達成した。また、第51回技能五輪全国大会が幕張メッ
⑷ METIとの良好な関係の下で活動するためのプロジェクト
セで開催された。
テーマの選定
⑸ 光ファイバセンシング全体の規格体系を考慮し、我が国が
2.4 光ファイバセンサ
先行して規格化する項目の検討(OITDA規格等)
光ファイバ自体をセンサとして利用する光ファイバセンシング
3. 光ファイバ標準化委員会
システムは、従来の電気的センシングシステムと比較して画期
光ファイバ標準化委員会では、光ファイバ及び関連する部
的モニタリングシステムとして期待されている。国際的にも我が
国においても、二十数年前から、工業的適用が開始されてい
品・装置等の互換性、経済性、信頼性の確保をねらいとして光
る。しかしモニタリングシステムとしての画期的内容があるにも
ファイバの国内標準を作成するための調査研究を続けている。
関わらず、その工業的展開は遅れ気味である。その一因として、
また、国際標準との関係では、新規の国際標準に対応するため
標準化が遅れていることにより、工業製品としての互換性や低
のJIS制定のほか、文書体系のIEC整合化を進めるとともに、
価格化が進んでいないことが指摘されている。国際的には、
国内外の光産業をめぐる動きなどにも注意を払い、タイムリー
IEC/SC 86C/WG 2(Fibre optic sensors)で標準化が開始さ
な標準化を行えるように活動を行っている。
れている。我が国においては、IECのTC 86の国内委員会とし
3.1 偏波面保存光ファイバに関する検討
て、電子情報通信学会(IEICE)の規格調査会のTC 86(光
ファイバ専門委員会)が活動している。TC 86の分科委員会と
今年度の偏波面保存光ファイバに関する標準化活動として、
して対象内容によりSC 86A、B及びCの3つのグループが活動
制定済みJIS規格のIEC標準化への取り組みを行った。以下に
している。IEC本体の分科委員会SC 86Cはワーキンググルー
その詳細を述べる。
プとしてWG 1~WG 5までの5つのグループがある。TC 86に
JIS C 6873「偏波面保存光ファイバ素線」に対応したIEC標
はWG 2に相当するWGがなかった。一昨年経済産業省のFSと
準化活動のサポートを行っている。2013年11月のIEC国際会合
して、OITDAがWG 2の対象となる分野(光ファイバセンサ)に
において標準化作業が合意された。また、JIS C 6840「光ファ
ついてFSを実施した。
イバ偏波クロストーク試験方法」、JIS C 6872「偏波面保存光
本年度はそのいきさつから、IEC/SC 86C/WG 2が主導す
ファイバビート長試験方法」の新規IEC規格の制定、さらに、
る標準化に積極的に係ってきた。IECから提示された2つの規
I EC 6 0 793-2: OP TICA L FI BR E S-Pa rt 2: Product
格案(FBG及びROTDR)を詳細に検討しコメントを提出する
specifications-Generalに偏波面保存光ファイバを追加記載す
とともに、ドイツ及びアメリカで開催された国際会議に参加し
るための改訂についても、同時に作業を進行することとなっ
た。これらの活動を通して、国際的な標準化に遅れることなく、
た。IEC提案用素案の作成を行い、本委員会で審議が終了し
むしろ積極的に係って、光ファイバセンシングの工業的展開に
た。2014年春のIEC会合にて、本素案を提出する予定である。
貢献することは、光ファイバ専門委員会の基本的な任務である
42
技術情報レポート
2013年度OITDA
3.2 光ファイバの標準化に関する検討
石英系GI型マルチモードファイバ(A1カテゴリ)規格(IEC
今年度の光ファイバに関する標準化活動として、既制定JIS
60793-2-10)において、主にデータセンタなどのビル内での短
の見直しについて検討を行った。光ファイバ素線及び試験方法
距離リンクに使用されることを目的とした低曲げロス規格ファイ
に関する規格として、JIS C 6827「光ファイバ波長分散試験方
バを追加する提案がなされている。⑴A1a.2/A1a.3(OM3/
法」及びJIS C 6837「全プラスチックマルチモード光ファイバ
OM4)マルチモードファイバ(MMF)の波長1 300 nmの規格
素線」について、対応する国際規格と整合を取る為、昨年度に
削除、⑵低曲げ損失マルチモードファイバ(BI-MMF)の半径
引き続き審議を継続した。加えて、IECで改訂作業がすすめら
37.5 mm曲げ規格の削除、⑶A1a.2/A1a.3ファイバの帯域測定
れている光ファイバ規格IEC 60793-2-50の改訂に従い、JIS C
のRTMをOMBcとすることの三点が議論され、今後も議論を
6835「石英系シングルモード光ファイバ素線」の改訂素案作成
継続することが合意された。
の検討を開始した。
石英系シングルモード光ファイバ(クラスB)規格(60793-2-
JIS C 6827の改正においては、全プラスチックグレーデッド
50 Ed.5)において、ITU-Tとの整合を図り、ITU-T G.65xの今
インデックス形マルチモード光ファイバ(PGI-200/490, PGI-
会期中の変更を考慮してstability dateを2016年とすることが
120/490, PGI-62.5/245)、石英系シングルモード1 550 nmカッ
合意された。
トオフシフト形光ファイバ(SSMA・T)、石英系シングルモード
3.4.2 光ファイバケーブルに関する標準化動向
1 310 nmゼロ分散・低OH形光ファイバ(SSMA・U)、石英系
シングルモード広波 長 域ノンゼロ分 散シフト形 光ファイバ
IEC/SC 86A/WG 3では、新規文書については、応急布設
(SSME)を試験対象に追加し、各ファイバに適用する試験方
/回収ケーブル、コネクタ付け用屋内ブレイクアウトケーブルの
法を規定した。また、石英系シングルモード分散フラット形光
製品規格は進捗している一方、ドロップケーブル及びMDUケー
ファイバ(SSMC)を試験対象から削除した。加えて、石英系シ
ブルのTRについては依然停滞している。既存文書の改訂につ
ングルモード低OH・曲げ損失低減形光ファイバ(SSMF・A)
いては、分割した光ケーブル試験手順のうち遅れていた機械試
を試験対象に追加し、“干渉法”という試験方法に関する要求事
験もCD回覧まで進み、着実に進捗しており、クロスリファレン
項を削除した。
スと通 則/定 義の統合や、新 規に追 加すべき試 験 方法の
JIS C 6837の改正案においては、全プラスチックステップイン
Amendment等、次のステップの議論がなされた。光ケーブル
デックス形マルチモード光ファイバ素線PSI-980/1 000-A(対
通則や各セクショナルスペック、多くのファミリスペックの見直し
応国際規格のA4a)を2種類に分割し、より低損失で広帯域な
が同時に行われており、より整合性の高い文書体系を目指して
PSI-980/1 000-A2(対応国際規格のA4a.2)を追加した。
活動が行われている。
3.3 光ファイバケーブルの標準化に関する検討
4. 光コネクタ標準化委員会
現在、JIS C 6851に対応するIEC 60794-1-2「Optical fibre
国内の通信トラフィックは引き続き年率40%の増加を続けて
cables-Part1-2: Generic specification-Basic optical cable
いる。LTEを始めとする公衆無線通信技術の普及がトラフィッ
test procedures」は、IEC/SC 86A/WG 3にてEd.3.0の発行
クの伸びを牽引していると思われるが、無線 基地局間のトラ
に向けた改訂作業がすすめられていることを受け、昨年度に引
フィックを支えているのは光通信網であり、光通信網のより一
き続き、IECで改訂作業がすすめられている光ファイバケーブ
層の大容量化が引き続き重要な課題となっている。本委員会で
ル試験方法に関して、その改訂を反映して既存のJISを改訂す
扱っている各種光コネクタは、光通信ネットワークの拡大のた
ることを目的として活動を行った。
めに不可欠のインタフェース部品であるとともに、一般家庭内に
具体的には、IEC 60794-1-2の改訂途中のドラフトをもと
まで普及が始まっており、標準化が極めて重要な部品である。
に、個別の試験項目の内容の審議に先立って、新規の試験項目
WTO TBT協定に基づき、JISを、対応するIEC規格に整合
について国内で使用しうるものであるかという観点からのJIS
させる必要がある。光コネクタは諸外国に比べ我が国において
規格化の要否の検討及びJIS化要と判断された試験項目につ
開発が先行し、JISからIEC提案されたものも数多く存在する。
いての和訳を行っている。
しかし、両者間では規格の体系が異なっているため、これまで
制定してきたJIS規格体系を見直した上で、IEC規格との整合
3.4 国際標準化動向
化作業を進めてきた。今後も個別規格の整合化とともに、次世
光ファイバに関 連する国 際 標 準 化 機 関であるI E C及び
代における各種光コネクタの技術動向に対し、JIS化もしくは
ITU-Tでは、技術の進展に伴い標準化作業も着々と進められ
技術的検証を積極的に進める必要がある。
ており、各会合に参加した当委員会委員よりそれぞれの審議状
況について適宜報告を行いながら委員会活動を進めている。
4.1 委員会調査方針
3.4.1 光ファイバに関する標準化動向
進歩及び製造・使用に対して安全や健康の保持、環境の保護
光コネクタに関わる経済・社会活動の利便性、効率、公正、
日本から提案した通信用途の偏波面保存光ファイバ製品規
のために、光コネクタの規格制定を通じて人為的に少数化、単
格の新規作成が合意され、日本をプロジェクトリーダとして文
純化、秩序化を行う。また、光コネクタ(技術)は汎用的な分野
書作成作業が開始された。
の製品(技術)と位置づけ、互換性の確保に努める。
技術情報レポート
2013年度OITDA
43
標 準 化
利便性:互換性の確保
試験・測定方法の標準化検討
効 率:品種削減を通じての量産化等
◦リエゾン活動
公 正:消費者の利益の確保
IECにおけるリエゾン活動
進 歩:新しい知識の創造や新技術の開発・普及の支援等
JIS光受動部品標準化委員会におけるリエゾン活動
JIS化の判断基準としては、次の点を考慮する。
Tプロジェクトにおけるリエゾン活動
◦ 複数社が製造・販売しているシステムや装置等の製品の
5. 光受動部品標準化委員会
中で汎用的な製品(技術)として実績のある光コネクタ
光受動部品標準化委員会では、新規光受動部品の標準化
(技術)である。
原案及び既制定JIS改正案の作成、光受動部品の試験法・測
◦J ISを策定する上で十分な技術的バックアップが得られる
定法及びJIS性能標準に関する調査・検討、国際的な標準化の
光コネクタ(技術)である。
◦ 関連特許に関する通常実施の支障が無いこと。
動向調査などを行っている。今年度は、委員会の中に3つの
なお、日本で開発された光コネクタ(技術)で世界的にも普
ワーキンググループ(WG)を編成し、委員会を9回開催して標
準化活動を推進した。
及し、IEC規格等の国際標準化の動きが見えるものに関して
は、先行もしくは並行して規格化を進める。また、JISに規格が
5.1 通 則・総則、光学素子、信頼性及びハイパワー評
価に関する標準化(WG 1)
あるが、IECには無い規格については、その必要性を精査し、
適宜IECへ提案を行う。逆に、IECに規格がありJISに無いもの
については、その必要性を精査し、適宜JIS化を推進する。
JIS通則案の作成、IEC総則文書へのコメント対応などを
JIS、IECの廃版、またはIECへ提案する前段階など、必要に応
行っている。JIS C 5910-1(波長選択性のない光ブランチング
じてOITDA規格を策定する。
デバイス-第1部:通則)及びJIS C 5926-1(光伝送用光フィル
タ-第1部:通則)が電子技術専門委員会の審議を受け、JISと
4.2 委員会活動概要
して制定された。JIS C 5877-1(偏光子-第1部:通則)の改正
光コネクタ標準化委員会のWGについて、2004年度から2007
案を作成し、日本規格協会(JSA)に提出した。規格体系・規
年度までIEC文書の体系(通則・総則、かん合標準、性能標
格番号の見直しを経済産業省及びJSAに提案し了承されたた
準、光学互換標準、試験・測定法等)毎にWGを組織し、新JIS
め、J IS C 592 0(光減衰器通則)の改 正にあたり、J IS C
体系が確立した。2008年度より2003年度以前と同じく技術分
5920-1(光伝送用パワー制御受動部品-第1部:通則)として
野毎の編成に戻し、WG 1(多心系光コネクタ)、WG 2(単心系
制定することとし、委員会案の作成を進めた。IEC総則審議文
光コネクタ)、WG 3(試験・測定法)の3つのWGにより対応し
書対応として、光スイッチ総則のCDへのコメント対応、波長選
てきた。しかし、各WG間で対応が必要なIEC規格の件数等が
択性のない光ブランチングデバイスなどのJIS改正時の問題事
異なり、JIS化の進捗度に差が出てきている状況にあったた
項の修正提案を行った。
め、対応IEC規格件数が多いWG 3のJIS化を促進する狙いも
5.2 試験・測定方法に関する標準化(WG 2)
あり、これを進捗の早いWG 1と統合し、2つのWGにより、個
別の規格に関する内容の詳細な議論を中心とした活動を行っ
光受動部品の試験・測定方法に関して、IEC 61300規格群に
ている。本年度は以下の項目について調査、試案化検討及びリ
基づき、JIS化を行っている。今年度は、IEC 61300規格群の試
エゾン活動を行った。WGの構成と分担を表3に示す。
験・測定方法のJIS文書化を継続して進め、JIS C 61300-1
(光
ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本試験及び測定手
◦ 光コネクタ標準化の検討
順-第1部:通則)の改正案を作成し、JSAに提出した。JIS C
光コネクタ個別規格の標準化検討
61300-3-38(光ファイバ接続デバイス及び光受動部品-基本
かん合標準の標準化検討
試験及び測定手順-第3-38部:群遅延、波長分散及び位相
リップルの測定)を制定することとし、委員会案の作成を進め
表3 ワーキンググループ(WG)の構成と分担
WG
WG 1
調査分担
た。また、IEC回覧文書へのコメント対応及びIEC 61300規格
構成メンバ
群の文書の改版作成に対応し、日本IEC委員をサポートした。
多心系かん合標準、性能標準、試験・
渋谷リーダ、大谷、
測定法標準、信頼性、光学互換標準
加藤、舌間、末松、
の素案化、通則・総則の素案化、国
石井、嶋津、中村
際標準との整合
5.3 JIS個別規格・IEC性能標準に関する標準化
(WG 3)
JIS個別規格案の作成、IEC性能標準案の提案及び回覧文
単心系かん合標準、性能標準、信頼性、 平 リ ー ダ、 小 磯、
光学互換標準の素案化、国際標準と 吉田、品川、山内、
WG 2
の整合 Wiggle 試験、端面汚れに関す 柳(オブザーバ:
る調査研究
磯野)
リエゾン
IEC/TC 86/SC 86B
書コメント対応を行っている。JIS C 5925-5(シングルモード光
ファイバピッグテール形中規模1×N DWDMデバイス)及び
JIS C 5916-3(光ファイバ形分散補償器)の個別規格が電子技
渋谷(WG 4)
、
柳(WG 6、JWG 8)
術専門委員会の審議を受け、J ISとして制定された。J IS C
他委員会と
のリエゾン 光受動部品標準化委員 渋谷
会
活動
T プロジェクト
5910-3(波長選択性のない光ブランチングデバイス-第3部:
シングルモード光ファイバピッグテール形1×N及び2×N光ブラ
渋谷
ンチングデバイス)の委員会案を作成し、JSAに提出した。IEC
44
技術情報レポート
2013年度OITDA
の性能標準案として審議中の性能標準文書に対してコメントを
に関する標準化の推進は、機器の低コスト化と共に、世界的技
取りまとめ、IECの審議に反映させるべく日本IEC委員をサポー
術競争に勝ち残りつつ産業の一層の発展を図り、技術の効率
トした。
的利用の拡大を図るために必要不可欠である。
光能動部品関連のJIS規格は、1981年度からOITDAにおい
5.4 海外における標準化動向(IECにおける審議動向)
て進められてきた一連の調査研究の成果を基に制定された。
IEC/TC 86/SC 86Bでは、光ファイバ接続デバイス(光コネ
その後、随時見直し等が行われ、現在では39種類のJIS規格が
クタ、ファイバマネジメントシステム、クロージャ、スプライスな
制定・改正されている。当委員会では、2007年度から新たな標
ど)及び光受動部品に関する標準化を進めており、今年度は
準化ニーズに沿ったJIS素案の検討に着手し、アンケート調査
2013年4月にキスタ(スウェーデン)、11月にシャーロット(米
等によって明らかとなった市場の要求に適応した標準案の作
国)にて会合が開催された。
成を目指して活動を行っている。今年度は、これまでの検討結
果を踏まえ、国際標準化の動向も勘案しつつ規格素案の作成
5.4.1 光受動部品(WG 7)関連
に注力した。
総則、性能標準、信頼性文書及び技術レポートを審議してい
6.1 審議経過概要
6.1.1 JIS規格等の素案作成
る。総則は、機能、用語の定義、分類などが規定されている。
性能標準では、光学特性及び環境試験が規定されている。信
⑴ DWDM用波長可変レーザ
頼性文書は、規格としての信頼性評価基準を規定した文書で
ある。技術レポートは技術情報を提供した文書で規格ではな
2012年度に作成した「DWDM伝送用波長可変レーザモ
い。審議は、総則の改版及び性能標準に関することが中心で、
ジュール性能標準テンプレート」、
「DWDM伝送用波長可変
2014年2月現在、メンテナンス文書を含め、19件の回覧文書が
レーザモジュール測定方法」素案ついて、業界へのアンケー
ある(総則4件、性能標準13件、信頼性2件)。
トを実施するとともに内容の精査を行い、最終素案を完成さ
せた。これを、OITDA技術資料として2014年3月に公表し
5.4.2 試験・測定方法(WG 4)関連
た。今後は、IECへの提案も検討する。
⑵ 半導体光増幅器
試験・測定方法は、61300シリーズで規格化され、光コネクタ
及びクロージャを中心とした光ファイバ接続部品及び光受動部
光増幅器標準化委員会及びIEC/SC 86C/WG 4並びに
品の試験・測定方法が規定されている。そのなかで、61300-2
WG 3国内委員会と連携して、半導体光増幅器の性能仕様テ
シリーズは試験方法、61300-3シリーズは測定方法である。光
ンプレートについて、光ファイバ 増幅 器 の現行 I E C 規 格
受動部品測定法関連では、2014年2月現在、4件の改版文書
(IEC 61292-2)に合体した提案文書を作成し、IEC/SC
が審議されている。なお、IEC 61300-3-9(遠端クロストーク
86C/WG 3-WG 4合同会議に提案した。今後も関連委員会
測定)は、廃版されることが決定した。
と協力して、これらの文書の国際規格化に協力するととも
に、測定方法についても提案文書の検討を進める。
5.5 今後の課題
⑶ 光インタコネクション用E/O・O/Eデバイス
JIS通則については、IECで改版済みもしくは審議中のIEC
単心直列伝送リンク用光送・受信モジュールの性能標準テ
総則に対応し、遅滞なくJIS通則の改訂を進める。光コネクタ
ンプレートについて、2012年度に作成した素案の内容を精査
標準化委員会と共同で進めているIEC 61300規格群の試験・
し、環境カテゴリとの整合、引用規格の整理等を図りJIS素
測定法のJIS化については、JIS C 5901(光伝送用受動部品試
案を完成させた。今後は、本素案のJIS化を図るとともに、測
験方法)及びJIS C 5961(光ファイバコネクタ試験方法)で規
定方法の規格体系として、単心直列伝送リンク用光送・受信
定する試験及び測定項目のうち、JISとして規定を残す必要が
モジュール、単心波長多重伝送(WDM)リンク用光送・受信
ある項目についてはJIS C 61300規格群として早期の制定を目
モジュール、複心並列伝送リンク用光送・受信モジュール等
指す。また、JIS個別規格についても、日本国内で必要性の高い
の規格を検討する。
⑷ GPON/GEPON-OLT/ONU用光トランシーバ
光受動部品について、IECと整合をとりながら滞りなくJIS化を
進める。さらに、JISの通則、試験・測定法及び個別規格案を
2 01 2 年度にOI TDA規 格(技 術 資 料)として公 表した
作成する際に見出されたIEC規格の問題点の修正提案及び
GEPOM用OLT/ONU光トランシーバ性能標準(OITDA
IECへの新規提案などを積極的に行い、この委員会の活動の
TP 13/AD)、同試験及び測定方法(OITDA/TP 14/AD)
成果を国際標準化に反映させることも重要であるため、引き続
に加え、本年度に作成したGPON用光トランシーバ性能標
きIEC国内委員会と連携を保ちながら、IECへの提案、日本の
準、同試験及び測定方法に関しても、アンケート調査を実施
意見表明を行っていく。
し、市場との整合を加味して素案を作成した。今後は、作成
した素案の内容を精査するとともに、OITDA技術資料とし
6. 光能動部品標準化委員会
て公表するよう進める。
⑸ 光 伝送用半導体レーザモジュール信頼性評価方法(JIS
現在、種々の光能動部品が、映像やオーディオ等の民生機
器、情報処理・光伝送システム等の産業用機器の基幹部品とし
C 5948)の改正
て幅広く使用されている。このような状況において、光能動部品
JIS C 5948「光伝送用半導体レーザモジュール信頼性評
技術情報レポート
2013年度OITDA
45
標 準 化
価方法」について、IECで進められている当該規格(IEC
定]
(2013年11月20日公示)
62572-3)の改正作業が終了し、2011年11月にIEC規格とし
◦J IS C 6122-4-2:光増幅器-測定方法-第4-2部:過渡
て発行されたこと、及び、その中の一部の修正が提案され、
パラメータ-広帯域光源法を用いた利得パラメータ測定
審議がほぼ終了したことから、JIS改正に向けて、従来文書
[制定]
(2013年11月20日公示)
からの変更点を点検、修正点をまとめてJISに上程した。今
◦J IS C 6121-6-1:光増幅器-第6-1部:インタフェース-
後、速やかにJIS C 5948の改正が行われるようJIS化作業を
コマンドセット[制定]
(2013年11月20日公示)
支援する。
次のJIS原案2件(平成24年度・区分後期)を完成させ、日
本工業標準調査 会の電子技術専門委員会の審議を経て
6.1.2 国際標準化動向
2014年度に公示の見込みである。
本委員会の扱うテーマに最も関連のある国際標準化組織
◦J IS C 6123-1:光増幅器-性能仕様テンプレート-第1
は、国際電気標準会議(International Electro-technical
部:単一チャネル用光増幅器[改正]
Commission: IEC)にあるSC 86C及びSC 47Eである。これら
◦J IS C 6123-4:光増幅器-性能仕様テンプレート-第4
において、新たに40 Gbit/s超高速光伝送用小型光トランシー
部:マルチチャネル用光増幅器[改正]
バ用パッケージや面発光レーザなどの規格案が提案・審議さ
また、JSAのJIS原案作成公募制度(平成26年度・区分B)
れ、また半導体光増幅器や波長可変レーザモジュール、或いは
を活用して、次のIEC規格に対応したJIS原案2件の作成を
高出力LEDなどの規格化の必要性が議論されている。
進める予定である。
◦I EC 612 9 0 -3-3 Ed.1.0 : Optical amplifiers-Test
6.2 今後の課題
methods-Part 3-3: Noise Figure Parameters-Signal
国際的な規格策定作業とJISが歩調を合わせて進むことによ
to total ASE ratio[JIS制定]
り、国際規格と整合したJISが速やかに制定されるように活動
◦I EC 6129 0-10-5 Ed.1.0: Optical amplifiers−Test
を進めることが望ましいと考えられる。現在、光能動部品標準
methods−Part 10-5: Multichannel parameters-
化委員会で検討を進めているデバイスについて、まだ全ての項
Distributed Raman amplifier gain and noise figure
目について完全とは言えない部分もあるが、今後は形が整った
[JIS制定]
ものからOITDA規格として関係者にオープンにして使ってい
更に、次のIEC/TRに対応したJIS/TRの原案を作成し、
ただくことが必要と考えている。それらについても、必要ならば
経済産業省へ2014年2月に申請した。
アンケート調査等を再度行うなどして着実に内容の充実を図り
◦I EC/TR 61292-6 Ed.1: Optical amplifiers−Part 6:
つつ、国際標準化の動きと整合した形でJISとして規格化を図
Distributed Raman amplification[TR公表]
る必要があると考えている。また、現行の光能動部品関連JIS
また、次のIEC規格、IEC/TRに対応した原案の作成に着
の中には10年以上前に制定されたものも含まれており、その後
手する。
の技術進展に伴い見直しが必要なものも出てきつつある。これ
◦I EC 612 9 0 -4-3 Ed.1.0 : Optical amplifiers−Test
らについては適切な時期に見直しを図る必要がある。
methods−Part 4-3: Power transient parameters in
single channel optical fiber amplifiers for receivers
7. 光増幅器標準化委員会
[JIS制定]
1990年代前半から、エルビウム添加光ファイバ増幅技術の
◦I EC/TR 61292-9 Ed.1.0: Optical amplifiers−Part 9:
研究開発が急速に進められ、IECとCCITT(現在ITU-T)に
Semiconductor optical amplifiers(SOAs)
[TR公表]
おける国際標準化活動が、それぞれ、1991年9月及び1992年2
7.1.2 IEC技術標準報告書(TR)及びOITDA規格の原
案検討
月から開始された。国内では、1994年度に、光ファイバ増幅器
標準化委員会が発足し、2001年度には、IECにおける審議対
象が、ラマンファイバ増幅器、半導体光増幅器などへ拡張され
①ファイバヒューズに関するIEC/TR原案(IEC/TR 61292-
ていることを受け、名称を光増幅器標準化委員会に改め今日
4)、②ハイパワー光増幅器に関するIEC/TR原案(IEC/TR
に至っている。
61292-8)及びOITDA規格、③半導体光増幅器に関するIEC/
当委員会は、⑴IECの規格化審議状況と国情を考慮しなが
TR原案(IEC/TR 61292-9)及び性能テンプレート原案作成、
らJIS案を翻訳作成する、⑵国際標準化動向を把握し国内委員
④利得パラメータ測定方法・IECアンブレラ文書原案(IEC
会経由で適宜提案する、の二つの活動を柱としている。
61290-1)及び光スペクトラムアナライザを用いた利得パラメー
タ測定方法に関するIEC文書改正原案(IEC 61290-1-1)、
7.1 JIS規格等の原案作成活動
7.1.1 JIS化検討
⑤マルチコア光ファイバ伝送用光増幅器に関する技術動向の
検討を実施した。
当委員会で原案を作成したJIS規格3件が、日本工業標準調
7.1.3 その他の活動
査会の審議を経て公示された。
◦J IS C 6122-4-1:光増幅器-測定方法-第4-1部:過渡
JIS C 6121: 2010、JIS C 6122-10-2: 2010、JIS C 6122-11-
パラメータ-二波長法を用いた利得パラメータ測定[制
1: 2010、JIS C 6123-1: 2005の見直し調査を実施した。また、
46
技術情報レポート
2013年度OITDA
昨年度作成した訳語表に、訳語の追加と、日本工業標準調査
2005年度末に、JIS原案作成も順調に進展してきたことから、
会の電子技術専門委員会、日本規格協会の規格調整分科会な
「ファイバオプティックス標準化委員会」においてこの分科会
どからの指示に従った修正と新規訳語の追加を行った。
を発展的に解消し、2006年度に「光サブシステム標準化委員
会」を設立し光サブシステム分科会のメンバを引継ぐと共にそ
7.2 IEC動向調査とIEC活動への協力
の活動を継承した。「光サブシステム標準化委員会」の活動を
IEC/SC 86C/WG 3を中心に、光増幅器関連の国際標準化
開始して8年目である2013年度は、光サブシステムのJIS化及び
状況の調査を行うと共に、IEC/TC 86国内委員会と協力を
国際標準化への提案・支援において活発に活動を行った。
行った。
本年度に得られた成果を要約すると以下の通りである。
①光 サブシステムに関するIEC規格を翻訳したJIS原案の作
7.2.1 既存文書の動向
成を進めた。
9件の改定文書案等の審議を行った。利得パラメータ測定
◦IEC 61280-2-3 ジッタ・ワンダ測定試験手順:
方法に関するIEC 61290-1シリーズ(対応JIS C 6122-1-1~-3)
2013年8月に経済産業省電子技術専門委員会での審
では、測定方法の異なる3文書が存在し、規定される共通項目
議を経て、2013年11月20日に公示された。
を分割したアンブレラ文書の作成が進められている。既存2文
◦IEC 61280-4-4 既設リンクの偏波モード分散測定
書(IEC 61290-1-1 Ed.2.0、IEC 61290-1-3 Ed.2.0)に対して、
法:
アンブレラ文章との整合を図った改定案の審議が行われた。
2013年7月にJIS原案作成公募に応募した。
また、過渡パラメータ-二波長法(IEC 61290-4-1 Ed.1.0)、
◦JIS規格の見直し
波長帯域外挿入損失測定方法(IEC 61290-7-1 Ed.1.0)、マル
制定後5年経った下記2件の改正作業を開始した。
チチャネルパラメータ―光スペクトラムアナライザを用いた補間
◦中心波長及びスペクトル幅測定
法(IEC 61290-10-4 Ed.2.0)、光ファイバ増幅器の信頼性評
◦ 光アイパターン、光波形及び消光比測定
価(IEC 60291-5-2 Ed. 2.0)、光増幅器用部品のパラメータ
②J ISでの技術用語統一のためにこれまでに作成した専門用
(IEC 61292-1 Ed.2.0)、光増幅器の分類、特性及び応用
語の訳語対照リストの更新を継続して進めた。その結果、本
(IEC 61292-3 Ed.2.0)の改定案等について審議した。
年度翻訳した規格に現われた新たな用語14件の追加及び
1件の修正を行い、計314語の日本語訳を確定させた。
7.2.2 新規文書の動向
ファイバオプティックス標準化員会の企画調整分科会で
制定が進められているIEC新規文書6件について、IEC/TC
設置されているIEC訳語共有化WGに対して当標準化委員
86国内委員会と協力して対応を行った[IEC 61290-1(アンブ
会の訳語リストの改定版を提供した。今後も、Web公開に
レラ文書)、IEC 61290-3-3、IEC 61290-4-3、IEC 61290-
向けた光技術用語表の作成に積極的に協力していく。
10-5、IEC 61292-8、IEC 61292-9]。
③I EC/TC 86/SC 86C/WG 1での標準化審議にメンバを
また、多光路干渉測定法、半導体光増幅器に関する性能テ
派遣し、国際標準作成に協力している。本年度はサンルイ
ンプレート、マルチコア光ファイバ伝送用光増幅器について新
スオビスポとシャーロットで開催された2回の会合に参加
規文書化の検討が行われており、IEC会合において当委員会
した。日本が貢献した主な成果は以下の通りである。
での議論結果を報告すると共に、主導的立場に立ち積極的に
◦ソフトウェアトリガリング法を用いたQ値ならびにアイパ
議論を行った。
ターン測定法:日本提案のソフトウェアトリガリングを利
用した非同期サンプリングによる光伝送信号品質の評
8. 光サブシステム標準化委員会
価法がCDV回覧を経て発行されることとなった。
国際標準化機関のワーキンググループであるIEC/TC 86/
◦ジッタ・ワンダ測定法:日本がPLの文書。メンテナンス
SC 86C/WG 1は、光通信システム及びサブシステムの物理層
について審議を行いReconfirmすることとなった(SDは
に関する標準化を扱っており、光システムの設計ガイドラインの
2017年)。
制定及び光システム(システム一般、デジタルシステム、光ケー
◦ 非 線形光学効果に関するガイドライン:日本がPLの文
ブル設備や光リンク)の試験法の規格化を進めている。1990
書。引用文献の追加等を行った改定版を作成し、CD回
年の発足以来、日本からもアナログ系・デジタル系の各種試験
覧へ進めた。
方法を中心に多くの貢献を果たしてきた。しかしこれまで、この
◦シングルモード光ファイバ既設伝送路の損失・反射減衰
ワーキンググループの標準化スコープに対応するJIS化対応組
量測定法の改定:CDV回覧に寄せられたコメントに対す
織が存在しないこともあって、この分野のJIS化が遅れていた。
る審議内容を反映した改訂版を作成し、FDIS回覧へ進
そこで、2002年度に当協会内の「ファイバオプティックス標準化
めることとなった。日本からのコメントは反映された。
委員会」の下に「光サブシステム分科会」を設立し、 SC 86C/
9. 光測定器標準化委員会
WG 1での標準化を支援すると共に、発行済みのIEC規格の中
国際規格に整合するJIS規格を制定すべく、昨年に引き続
で国内ニーズの高いものから順次JIS化を進めてきた。また、日
本が進んでいる技術のより積極的なIECへの提案を促進する
き、国際規格の内容の検討と共にJIS原案の改正等を行った。
ため、新技術の調査と貢献文書 作成の支援を行ってきた。
日本独自提案の国際規格に関しては、2005年にIECに提案し
技術情報レポート
2013年度OITDA
47
標 準 化
た「波長可変光源校 正方法」が、CDV文書の承認により、
Calibration of wavelength/optical frequency meas-urement
2014年2月にIEC規格として制定された。JIS原案の改正に関し
instruments−Part 1: Optical spectrum analyzersのCD2文
ては、現行JISの見直しとして検討を継続していた「光波長計
書が発行されている。光測定器標準化委員会では、この改訂
試験方法」
(JIS C 6187)の改正JIS原案を作成し、その改正
作業に合わせて、2011年度より本規格の翻訳JISであるJIS C
を日本規格協会に申請した。また、
「OTDR試験方法」
(JIS C
6192「光スペクトラムアナライザ校正方法」の改正作業を進め
6185)の改訂作業を継続し、完成度を高めたJIS改正案の作成
ている。今年度は、昨年度に作成した素案の翻訳元であるIEC
を行った。さらに、今年度より、
「光スペクトラムアナライザ試験
62129のCD文書と上記CD2文書との差分を抽出し、これを昨
方法」
(JIS C 6183)の改正作業を開始した。一方、
「光スペク
年度に作成した素案に反映させて、上記CD2文書に対応した
トラムアナライザ校正方法」
(JIS C 6192)の改正に関しては、
素案を作成することを目標として作業に着手した。しかし、11月
IEC規格案の大幅改訂が予想されることから、作業を一時休
に開催されたIEC/TC 86/WG 4会合において、上記CD2文書
止し、この改訂版の発行を待って、改正素案の作成を再開する
に大幅な修正を加えることが合意され、これらの修正を反映し
こととした。その他、IEC/TC 86/WG 4の委員会活動への協
たCD3文書が発行される予定であることが判明したため、今
力を行った。また、昨年度以前にJIS化申請を行った「OTDR校
年度は素案の作成作業を一時休止し、CD3文書発行後に改め
正方法」
(JIS C 6185-2、JIS C 6185-3)及び「光波長計校正
て作業を再開することとした。
方法」
(JIS C 6187-2)が12月の電子技術専門委員会で承認さ
れ、JIS化が決定した。
9.4 「
光スペクトラムアナライザ試験方法」の改正の検討
9.1 国際標準化(IEC/TC 86/WG 4)動向
制定から既に20年以上経過しており、内容の見直しをすべき時
現状のJIS C 6183「光スペクトラムアナライザ試験方法」は、
IEC/TC 86/WG 4は光測定器の校正方法・手順の標準化
期となっている。一方、このJIS規格に対応する国際規格IEC
について検討するために、1985年にTC 86(ファイバオプティク
62129 Calibration of optical spectrum analyzersの改訂作業
ス)に設置された部会(WG)である。
が現在進められており、2013年7月にその改訂版となるCD2
2013年11月に開催されたシャーロット(アメリカ)会合におい
文書が発行されている。この改訂作業の進捗に合わせて、現
ては、日本がプロジェクトリーダ(PL)を担当している3件の文
状のJIS C 6183「光スペクトラムアナライザ試験方法」の内容
書について審議を行った。各文書については、光測定器標準
を見直すとともに、IEC 62129の改訂版との整合性を保つた
化委員会にて対処方針の審議を行い、IEC/TC 86国内委員会
め、今年度よりその改正作業に着手した。今年度は、現状の
にて了承された後、会合に提出された。まず、波長可変光源校
JIS規格の内容を精査し、改正を検討すべき箇所を抽出する作
正方法(IEC 62522 Ed.1.0)に関しては、2013年4月に発行さ
業を行った。次年度以降は、この結果に基づいた改正素案の
れたCDV文書への投票の結果、承認され、2014年2月にISが
作成を進め、その中で、改訂作業中の国際規格IEC 62129との
発行された。次に、光スペクトラムアナライザ校正方法(IEC
整合性について検討する。また、不確かさ表記への改正につい
62129 Ed.1.0)に関しては、2013年7月に発行されたCD文書第
ては、他の光測定器試験に関するJIS改正と整合性を保つよう
2版へのコメントについて審議を行い、技術的コメントが多い
検討を進める。
ことから、再度CD文書を発行することを合意した。また、光周
9.5 「光波長計‐第1部:試験方法」のJIS改正の検討
波数計校正方法の技術仕様書(TS)に関しては、2013年8月
JIS C 6187「光波長計試験方法」の改正に関し、昨年度ま
に発行したDTS文書への投票の結果、エディトリアルコメント
で進められてきた検討結果に基づいて、改正原案のさらなる修
のみで承認された。
正作業を進めた。平成26年度A区分JIS原案作成公募制度に
9.2 「OTDR試験方法」のJIS改正の検討
応募し、採択の見込みである。来年度中に原案を完成させ、
昨年度作成した改正素案の修正を行った。対応国際規格で
JSAへ提出する予定である。
あるIEC 61746との整合性をより高めるとともに、
「不確かさ表
9.6 「光波長計-第2部:校正方法」の翻訳JIS化の検討
記」への変更に関して、他の光測定器の試験方法の規格の改
正内容とも整合するよう留意して作業を進め、本年度の改正素
本年度は2011年5月に発行された、IEC 62129-2 Ed.1.0:
案を作成した。次年度以降、素案の完成度をさらに高め、JIS
Calibration of wavelength/optical frequency measurement
申請を目指す。なお、本改正案は、JIS C 6185-2及びJIS C
instruments-Part2: Michelson interferometer single
6185-3とJIS番号及び題名を整合させるため、JIS C 6185-1
wavelength metersのISを元にした、翻訳JIS原案のMETI申
「オプティカルタイムドメインリフレクトメータ(OTDR)-第1
し出等の手続きを完了し、JIS公示の運びとなった。
部:試験方法」として申請を行う予定である。
9.7 「波長可変光源校正方法」の国際規格化の検討
9.3 「
光スペクトラムアナライザ校正方法」の改正の検討
本規格案「波長可変光源校正方法」IEC 62522 Ed. 1.0:
2006年に制定された国際規格IEC 62129 Calibration of
Calibration of tunable laser sourcesは、2004年度に「JIS C
optical spectrum analyzersの改訂作業が進められており、
6191波長可変光源試験方法」としてJIS制定された規格を基に
2 01 3 年7月にその改 訂 版となるI E C 6 2 1 2 9 -1 E d . 1 . 0 :
ドラフトを作成し、2010年10月のIEC/TC 86/WG 4シアトル会
48
技術情報レポート
2013年度OITDA
WG 5(光通信システムの安全性)
合にて正式にNP化に進むことが承認され、2010年11月NP文
書が回覧、2011年4月に承認された。以降、CD文書第1版、及
IEC/TR 60825-17「高パワー通信システムにおける光
び第2版の回覧・コメント対応を経て、2012年11月のIEC /TC
ケーブル、受動部品使用に関するガイドライン文書」改訂
86/WG 4ケレタロ会合上にてCDV文書化が承認されていた。
nd
(Ed.2)について2 CD回覧のコメントが審議され、日本から
本年度は国際規格原案のCDV文書が2013年4月に発行さ
のコメントは全て了承され、次回DTRに進めることが了解さ
れ、投票の結果、IS化が決定した。IEC/TC 86/WG 4ケレタ
れた。IEC 60825-12「情報伝送のための光無線通信システ
ロ会合にて出された追加のエディトリアル修正に対応した結
ムの安全」改訂(Ed.2)に関する2 ndCD回覧のコメント及び
果、正式IS化に至った。
IEC 60825-2「光ファイバ通信システムの安全」改訂(Ed.3)
に関する議論において、測定条件2及びIEC 60825-1のEd.3
10. レーザ安全性標準化委員会
で二重の制限条件になっている1 200 nm~1 400 nmが特に
10.1 IEC 60825-2を反映したJIS化審議
光通信で重要な波長域となっているため、これらの扱い及び
2011年度から開始し前年度METIへの申出まで進めた、JIS
例題が議論となり、委員持ち帰りの課題となった。
C 6803「レーザ製品の安全-光ファイバ通信システムの安全」
2013年度もIEC/TC 86とのジョイント会合が開催されな
の改正作業(IEC 60825-2のEd.3.2に準拠)は、JISCの審議
いため、WG 5に対し日本から「TC 86の高光パワー関係の
を終え2013年9月にJISが発行された。
標準化の取組みの紹介」がプレゼンされた。
WG 7(高出力レーザ)
10.2 IEC/TC 76への対応
IEC 60825-4の附属書D「レーザガードの試験方法」は、
レーザ製品の安 全 性に関する国際標準は、I EC/TC 76
高出力レーザ用のレーザガードの試験方法としては不適切で
(レーザ放射安全とレーザ機器)において審議されている。
あるという議論がなされた。対応として、現状規格は平均レー
2013年度の会議は9月にドイツのフランクフルトで行われた。
ザ出力及びビーム品質を制限して適用するものとし、高出力
以下にフランクフルト会合を中心に各WGの状況を述べる。
かつ高ビーム品質なレーザを用いる際の、ガード材料に関す
WG 1(光放射の安全性)
る助言及びレーザガードの限界について、附属書Dに追記す
IEC 60825−1「レーザ製品のクラス分けと要求事項」改訂
るか又は新たな附属書を追加する改訂が提案された。
WG 8(基本規格の制定と改正)
はWG 1会合時点でEd.3 FDISドラフトがIEC中央事務局に
送られている段階であった。CDV回覧に対して出された技
IEC/TR 60825-14「レーザ製品の安全性-使用者への
術的コメントはFDISには反映できず、Ed.3発行後にISH(解
指針」のDTRドラフトのレビューが行われた。IEC 60825-1
釈票)で対応する前提で議論がなされた。ISHプロジェクト
との整合性確認後DTRに移行する。附属書BのNOHDの計
としては、ランプ規格への移行条件、自動車などの移動体か
算に用いるKファクタについて議論が行われた。IEC/TR
らの放射、免除基準適用のための放射輝度評価方法、100
60825-5「IEC 60825-1に基づく製造者のチェックリスト」改
mrad以上の視角及び光源形状の検討が挙げられた。
訂はIEC 60825-1のEd.3が出るまで行い得る作業を確認し
フランクフルト会合で報告があったIEC 60825−1 Ed.3
た。欧州委員会は欧州市場でのレーザポインタを含む民生
FDISは1月に回覧され、3月に投票・承認がなされた。
用レーザ製品の販売について見解発信を準備中との情報が
WG 3(レーザ放射の測定方法)
紹介された。IEC 60825-1の次回改訂(Ed.4)に向けたクラ
IEC/TR 60825-13 Ed.2「レーザ製品のクラス分け測定」
ス分けの議論について、プレゼンが行われた。
WG 9(非コヒーレント光源)
を2018年に改訂することを前提にアクションアイテムの確認
を行った。不規則なビーム形状の扱いについて議論がなさ
CIE S009/IEC 62471「ランプ及びランプシステムの光生
れ、アレニウス方程式を用いて網膜の熱傷害閾値に関する
物学的安全性」の改訂作業は、2013年4月から国際照明委
理論 解 析を行うことになった。測定条件2の例題はI EC
員会(CIE)のDiv.2及びDiv.6並びにIEC/TC 34及びTC 76
60825-2の改訂のために必要で、WG 5で先行して検討して
のジョイント(JTC 5)で取り組むことになった。フランクフル
いる。Kファクタの議論はWG 8に持ち越された。
ト会合ではCIEのDiv.2から、現行IEC 62471の測定方法が
WG 4(医用レーザ装置の安全性)
要求する測定精度は通常設備では得難いので関連規格を
IEC 60825−1のEd.3改訂に含まれているクラス1Cレーザ
含めた全体を見直すべきとの問題提起があった。これに対
はレーザ脱毛装置を対象としている。IEC/TR 60825−8
し、物理量測定ではなく、生体安全性のリスク評価が目的で
「医用レーザのユーザーズガイド」にクラス1Cを反映させる
あるとのコメントもあり、CIEのDiv.2から改めて具体的な提
改訂作業を2014年の東京会合までに完成させる予定が組ま
案を行うことになった。2014年2月に出されたIEC 62471-1
れた。また、家庭用のクラス1Cレーザ装置の垂直規格とし
Ed.1(IEC 62471改訂)ドラフトへの修正の形のCIE Div.2
て、TC 61/WG 30がIEC 60335規格群に「レーザ、高輝度ラ
の提案は、2014年4月のJTC 5クアラルンプール会合で議論
ンプを利用した美容器具に対する要求事項」を作成中であ
される。
るが、WG 3から提出するコメントを議論した。さらに、IEC
I E C 4 2 47 1規 格群の 体系についても議 論され 、I E C
60601-2-22「医用レーザの安全基準」の改正プロジェクト
62471-1は、個別製品の垂直規格として位置づけるその他の
が新たに提案された。
安全規格の総則的水平規格と位置付けることになった。こ
技術情報レポート
2013年度OITDA
49
標 準 化
の考え方に従い、IEC/TR 62471-2をGLS(一般照明用光
所)で開催されたが、出席者は、JP(6名)、DE(6名)、US
源)の製品安 全垂直規格としてI EC 62 471-2とし、I EC
(3名)、GB(1名)の4か国16名に留まった。また、国内対策
62471に含まれるGLSの測定条件はIEC 62471-2に移し、
委員会は2回開催した他、e-mailベースで文書審議を行った。
IEC/TR 62471-2に含まれるラベルの規定はIEC 62471-1に
11.2 ISO/TC 172/SC 9 Gaithersburg会合
11.2.1 全体会合
移すのが良いとされた。すでにI E C 6 2 47 1-3及び I E C
62471-5は垂直規格と位置づけされている。
フランクフルト会合ではIEC 62471-5「映像プロジェクタ
◦ 投 票に関する事務局報告:①DIS投票が3か月に短縮され
光源の光生物学的安全性」のCD回覧に関するコメントの審
た、②決議があればFDISはスキップ可能、③エキスパート
議も行われた。CDV回覧に向けた残課題は2013年11月~
のノミネートが無い投票はカウントされない、④改訂の場合
2014年1月開催された7回のWeb会議で詰められ、フランス
NP投票は不要、委員会決議でOKとなった、⑤発行後3年
語翻訳だけを残して、年度末にCDVドラフトは完成した。
以内の文書に対してはtechnical corrigenda、それ以上経過
JWG 10(レーザ加工用のレーザ及びレーザ装置の安全性)
した文書に対しては改訂とする。
本WGはISO/TC 172/SC 9とのジョイントWGである。
◦各WG報告
ISO/IEC 11553-1「レーザ加工機の安全-一般要求事
◦F P7として進行中のLIFT(Leadership In Fibre Laser
項」に関して、ファイバビームデリバリの要求事項の追加を含
Technology)についての紹介がなされた。9か国21機関が
む改訂提案が日本からなされた。またISO/IEC 11553-2
参加し、1,600万ユーロの予算規模。ファイバのフォト・ダーク
「レーザ加工機の安全 性-ハンドヘルド加工機の要求事
ニング問題でレーザの信頼性が決まり、その標準測定法の
項」の見直し提案がドイツからなされた。いずれも、提案を
規格化の必要性を訴えた。WG 1とWG 6で専門家を集めて
微修正してCD回覧に進めることが決まった。
検討することになった。
新規設立予定WG(レーザからの目の保護)
11.2.2 WG 1会合
TC 76フランクフルト会合に併催してISO/TC 94/SC 6/
WG 4/PG 4が開催され、TC 76委員もオブザーバ出席する
◦ISO/CD 13694 “Optics and optical instruments-Lasers
中でISO 16321-1「レーザに対する目及び顔の保護に関する
and laser-related equipment-Test methods for laser
要求事項」ドラフトが審議された。フランクフルト会合最後の
beam power [energy] density distribution”に関する審議:
日本からのeditorialコメントは全て承認された。
IEC/TC 76プレナリー会合にて、レーザに対する目の保護
に関するWGの新設が決議された。この新設のWG 12「レー
◦I SO/PWI 11145“Laser and laser related equipment-
ザからの目の保護」
(ISO/TC 94/SC 6でジョイントが承認
Vocabulary and sympols”(日本からの改正提案):RINの
されればJWG 12となる)は、2014年の東京会合にて、今後
定義、temperature dependence of wavelength等について
審議。
回覧される予定の「レーザに対する目の保護に関する要求事
◦DIN規格として準備中のultra-short pulse laserに関する
項」ドラフトを審議する。
NPの再開について:Pメンバへのエキスパート登録を呼びか
10.3 今後の課題
けることとした。
IEC 60825−1のEd.3に準拠したJIS C 6801「レーザ製品の
安全基準」の改正作業、IEC 62471-5のCDV回覧審議、ISO/
11.2.3 WG 4会合
IEC 11553-1改訂(Ed.2)、IEC 60825-12及びIEC 60825-2
◦I SO 11990-1 “Determination of laser resistance of
の測定条件2及び1 200 nm~1 400 nmの扱いの検討が優先
tracheal tubers-Part 1: Tracheal tube shfts”及び同-2
課題である。
“Part 2: Tracheal tube cufs”の二つの規格がこれまでに発
行された。
11. ISO/TC 172/SC 9国内対策委員会
◦I SO 11810シリーズの改訂:11990シリーズ作成の経験から
当委員会ではレーザの国際標準を作成しているISO/TC
11810シリーズを、①2005年及び2007年の発行時には、直近
172/SC 9(WG 1:レーザの試験方法、試験装置、用語、WG
の安全を確保するのに専心していた点、②測定法等はほと
2:レーザのインタフェース、システム、WG 3:安全性、WG 4:
んど同一でありサンプルが異なるのみである点から、-1及び
医用応用レーザシステム、WG 5:一般応用のレーザシステム、
-2を統合することとし、改訂作業は主に編集上の構成と校
WG 6:光学部品とその試験方法、WG 7:レーザ以外のレーザ
正に限定して行った。統合後の規格名称はISO/WD 11810
オプチカルシステム、JWG 1:レーザ特性に関するIEC標準化
“Test method and classification for the laser resistance
活動の整合から構成される)における国際規格案に対し、国
of surgical drapes and/or patient-protective covers-
内意見を取り纏め審議等の諸活動を行っている。
Prima ry ig nition, penetration, f la me spread a nd
secondary iginiton”とする。2013年10月31日迄にWDを完
11.1 概要
成、CDを経ずにDISステージに上げることとし2014年1月30
本年度は2012年2月の奈良会議以来、1年半振りにSC 9国
日までにISO-CSに提出することとした。
際会議が米国GaithersburgのNIST(米国立標準技術研究
◦ファイバデリバリ及びファイバレーザの引火性について:次
50
技術情報レポート
2013年度OITDA
回会合に持ち越しとした。
が高くこのままでもISO規格とできそうであったが、マイ
ナーな計測でありエキスパートが集まるかどうかわからな
11.2.4 WG 6会合
いためアンケート調査をすることとなった。目標として2013
⑴ ISO/NP“17935 Optical and photonics-Lasers and
年10月31日までにPメンバに対しアンケートを送付する。
laser related equipment-Specification of surface
⑸ コンビーナよりの報告
cleanliness”
◦2 013年にカナダで開催されたOIC(Optical Interference
◦PLから修正CDが出てこず、国際会議も2回連続欠席とな
Coating)2013にて報告された反射防止膜計測のRound
り全く進展がない、プロジェクトの1年延長をISO CSに申
Robin Testについての資料が配布された。元々OICで良
請することとなったが時間切れで消える公算が大。
い結果を出して今回の会議で規格提案をもくろんでいたと
◦目標として2013年12月31日までにWD、2014年1月31日ま
思 わ れ るが 、測 定 結 果 の ば らつ き が 大 きく単 なる
でにCDを配布することとした。
informationという報告であった。
⑵ ISO/CD 13142 “Electro-optical systems-Cavity ring-
⑹ SR案件
down technique for high-reflectance measurement”
以下の3件Review stageにある。
◦PL欠席のため、日本より提出のコメントに対して会議前に
◦I SO 11551: 2003 “Test method for absorptance of
回答書の提出があった。それをもとに会議を進行した。
optical laser component”(SR投票2013年10月15日開
◦主要議論、①日本からリニアスケールよりログスケールでの
始)
メリットを説明し、賛同が得られた。PLにより再検討する
◦I S O 13 6 9 7: 2 0 0 6 “ Test met ho ds for sp ecu la r
こととなった。日本からログスケールの場合の直線近似法
reflectance and regular transmittance of optical laser
を提案予定、②エラーバーについても日本からの提案に賛
components”(SR投票2014年4月15日開始)
同が得られ、PLにより再検討、③3枚のミラーによる測定
◦ISO 24013: 2006 “Measurement of phase retardation
をプレゼンテーションしたが賛同が得られなかった。理由
of optical components for polarized laser radiation”
は、キャビティレングスが変化しそれに合わせミラーを準
(SR投票2014年4月15日開始)
備しなければ測定の正確性が得られないこと、同様にミ
(今回の会議では、本件に限らず、他のワーキンググループ
ラーの準備と測定に手間がかかることである。
でも、新規プロジェクトを立ち上げるにあたってアンケート調査
◦コンビーナからDISに進めてはどうかと提案があったが、
を行うというのが目立った。従来は会議の場で合意し、PLを決
日本の主張によりPLが再CDとしてまとめることとし、目標
め、スケジュールまで決めていたが、現在は会議のメンバーだ
として2013年10月31日までにrevised CD を事務局に送
けでは4か国以上のエキスパートを集めることができなく、各
nd
付、2013年11月15日までに2 CDを配布する。2014年1月
国へのアンケートを取るようになってしまった)。
15日までに投票、2014年2月28日までに投票コメントに対
する回答を配布し、2 014 年3月15日までにDI S文 書を
11.2.5 WG 7会合
ISO/CSへ送付することとした。
◦コンビーナによる奈良会議以降の活動報告:①CD 17901-
⑶ ISO/DIS 11151-1“Laser and laser-related equipment
1、-2はCD投票で承認されたが、2 ndCDかDISに進めるかの
-S t a n d a r d o p t i c a l c o m p o n e n t s-P a r t 1:
決定を求められている。②CD 14880-1はCD投票の結果承
Components for the UV, visible and near-infrared
認されたが、予定されたエキスパートへ回覧されなかったと
spectral ranges”及び同-2“Part 2: Components for
見られ棄権国が予想外に多かった。投票時コメントを審議す
the infrared spectral range”
るとともに、最近のISO Directivesに基づきエキスパートの
募集を行う。③規格の改定・修正にはNPの必要が無いこと
◦ 会議の開催日が投票期限前であったので、事前検討会議
を再確認した。④SR 15902は投票で承認されたが、同時に
となった。
修正提案が提出されており、その処置を求められている。
◦PL(Sato:日本提案)よりこれまでの改訂内容について、
◦ S R 15902の処置の審議:本IS成立時のPLであったOnoか
必要な改訂項目を説明した。またドイツより提出されたコ
ら、投票時コメントに対する見解を説明した。その結果改訂
メントについて議論した。
しないことを決定した。
◦レンズの外形寸法など全て削除するとの提案:議論では
◦ホログラムの測定方法の規格案の審議:PL(Yoshikawa)
外形寸法を削除せずこのまま残すことを日本が主張し受け
が投票時に提出された仏と独のコメント及びYoshikawaから
入れられた。
◦今
後必要になると予想される非球面レンズに関しての提案:
会議で提出された追加コメントについての見解を説明し承認
規格化は難しいので次バージョンに持ち越すこととした。
された。仏からのコメント(FR003)の一部を採用し、偏光
⑷ 新規提案項目
依存性の記述を両文書に挿入することを決定した。これらの
結果を基にPJLが改定文書を作成しDIS投票のためにSC 9
◦“Circulation of a questionnaire about nomination of
experts for a potential new work item proposal on
事務局に2013年10月末日までに送付することを決定した。
Angle-resolved scattering”:散乱の角度分布計測に関
◦ 光 集積回路のISO規格に関するI ECとのリエゾンの件:
し、ドイツより会議直前にWD文書が配布された。完成度
ISO/TC 172/SC 9/WG 7とIEC/TC 86/JWG 9との間の連
技術情報レポート
2013年度OITDA
51
標 準 化
携を図ることが前回の奈良会議で決定されており、SC 9事
①ISO/ IEC 3019 0: 2013, Information technology−
務局が本件に関してIEC/TC 86事務局とISO中央事務局に
Digitally recorded media for information interchange
コンタクトすることになっていたが、進展が見られない。SC
and storage−120 mm Single Layer(25,0 Gbytes per
9事務局のは、コンタクトしたが応答がなかったと報告した。
disk)a nd Dua l Layer(5 0 ,0 Gbytes per disk)BD
Recordable disk
WG 7は再度コンタクトすることを要請する旨を決定した。
◦マイクロレンズ・アレイの規格の改定の審議:共同PLの一人
②ISO/ IEC 30191: 2 013, Information technology−
であるStevensが 投票時に提出された独のコメント及び
Digitally recorded media for information interchange
Stevensから会議で提出された追加コメントについての見解
and storage−120 mm Triple Layer(100,0 Gbytes per
を説明し承認された。DISの期限が迫っていることから、こ
disk)and Quadruple Layer(128,0 Gbytes per disk)BD
れらの議論の結果を基に共同PL(二人)がAppendix部分を
Recordable disk
nd
完成させた改定文書を作成し2 CD投票のためにSC 9事務
③ISO/ IEC 30192: 2 013, Information technology−
Digitally recorded media for information interchange
局に2013年10月末日までに送付することを決定した。
and storage−120 mm Single Layer(25,0 Gbytes per
11.3 国内委員会会合
disk)a nd Dua l Layer(5 0 ,0 Gbytes per disk)BD
2013年9月2日にGaithersburg会議対策を検討し、10月1日
Rewritable disk
に第2回国内対策委員会を開催し同会議の結果を報告した
④ISO/ IEC 30193: 2 013, Information technology−
他、e-mailベースで回答文書の審議を行った。日本がPLとして
Digitally recorded media for information interchange
作成にあたっている文書については、Gaithersburg会合で順
and storage−120 mm Triple Layer(100,0 Gbytes per
調に進展した。
disk)BD Rewritable disk
また調査研究では、ISOM’13 等、光ディスク関連の学会情
12. 光ディスク標準化委員会
報を基に、光ディスクにおける高速記録、多層記録等の高機能
専門とする標準化グループであり、国内規格の原案作成、関連
調査を実施した。
光ディスク標準化委員会は、光ディスク関連技術の標準化を
化に関する技術動向調査、次世代光ディスクの研究開発動向
技術動向の調査研究等を主な活動目的としている。
12.2 アプリケーション専門委員会
委員会は、光ディスク標準化委員会を親委員会とし、その下
に機能別の3専門委員会、1エキスパートグループを置いてい
アプリケーション専門委員会では、メディア専門委員会及び
る。親委員会は、各専門委員会の活動方針の決定、活動の統
フォーマット専門委員会では扱わない規格、例えば、光ディスク
括、作成したJIS素案の審議・承認を行い、具体的な作業は、専
の寿命推定のための試験方法などの標準化を扱っている。
本年度は、上記活動を行うために、5回の委員会を開催し
門委員会が行うことで推進している。
専門委員会は、光磁気形/相変化形/追記形/再生専用形
た。具体的な活動として、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM、
の各媒体に関するメディア専門委員会、光ディスク応用、信頼
+R及び+RWディスクのためのデータ移行方法(JIS X 6255)
性評価等に関するアプリケーション専門委員会、論理フォー
の改訂原案を作成するため、原規格であるISO/IEC 29121の
マットに関するフォーマット専門委員会からなり、これに加え
翻訳に注力した。2月末に最終原稿を解説などともに日本規格
て、規格のメンテナンスを推進するメンテナンスエキスパートグ
協会へ提出することができた。翻訳作業中に原規格の誤りが
ループを設置している。
多数発見され、原規格発行に反映させることができた。なお関
JIS化案件では、BDの物理規格がISO/IECで成立したことを
連する将来技術動向として、ISOM 2013、展示会や報道発表
受け、メディア専門委員会において4件のJIS化を開始した。また
などを利用し、デジタルエラーを用いた信頼性評価基準、デー
アプリケーション専門委員会で2件、フォーマット専門委員会で
タの長期保存性能や災害耐性に優る光ディスクをアーカイブ市
5件のJIS原案作成及びJIS発行に向けたフォローを行った。
場に普及させるための取組と将来のアーカイブ用途を目指した
技術開発などについて調査した。
調査研究では、メディア専門委員会とアプリケーション専門
委員会で将来技術動向調査を実施したのに加え、専門委員会
12.3 フォーマット専門委員会
とは独立で国際標準化動向調査を実施し、光ディスクユーザ
フォーマット専門委員会では、光ディスクのボリューム及び
に対する最新情報の提供を行うことができた。
ファイルフォーマットに関する調査研究として昨年度からの継
12.1 メディア専門委員会
続課題をも含め、以下の項目について活動を行った。
UDF 2.60及びUDF 2.50のJIS原案作成
メディア専門委員会では、光ディスク全般(光磁気形光ディ
スク、相変化形光ディスク、追記(レコーダブル)形光ディスク、
UDF 2.60のJIS化作業を進める過程で、UDF 2.50を同時
及び再生専用(ROM)形光ディスク)の物理規格標準化の標
にJIS化する必要があることが判明したため、METI及び
準化活動を担当している。
JSAと協議の上、急遽平成25年度C区分でUDF 2.50のJIS
JIS化作業では、2013年7月に発行された記録形BDディスク
原案作成に応募し、受理された。11月にはUDF 2.60及び
の物理規格(計4種類)の全訳によるJIS原案作成を開始した。
UDF 2.50の原案を完成し、JSAに提出した。年度末時点で
52
技術情報レポート
2013年度OITDA
は、規格調整分科会でのコメントを原案に反映させる作業を
略的国際標準化推進事業の一つとして、平成23年3月30日に
終了している。
表題の標準化事業が採択された。今年度は3年契約の最終年
JIS X 6235、6236、6237の改正原案の作成
度となる。契約開始日は、平成25年6月6日である。
平成25年度B区分に応募した3件の改正原案作成作業を
車 載 用の通信 規 格として、欧 州のMO S T 規 格 や米国の
進めた。2014年6月にJSAに提出予定である。JIS X 6236の
IDB1 394規格等が策定されているが、これらはいずれもアプリ
改正原案作成の過程で、UDF 1.50をJIS化する必要がある
ケーション規格であり、物理層におけるデバイス単体の評価方
ことが判明したため、平成26年度A区分に応募し、受理され
法は定義されていない。本事業では、超短距離通信で主流と
た。
なる低コストなステップインデックス(S I)型マルチモード
ISO 9660のAmd.1
(MM)光ファイバで構成される光トランシーバ(FOT)、受動
Amd.1/ISO 9660が、2013年5月1日付けで発行されたこ
部品、光コネクタ等の評価方法について、特にモード分布を考
とを確認し、校正コメントが反映されていることを確認した。
慮した新しい試験方法を確立する。車載のアプリケーション規
Amd.1には間に合わなかったJolietの規定内容の公表につい
格であるMOSTやIDB等の上位規格団体となるIECを標準化
て、関係者との協議を継続している。
の場として選定し、必要な評価項目の洗い出しと、評価方法の
OITDA規格 OITDA DC02:2013“再配置を少なくするファイ
提案を3年間掛けて行う。
ル配置方策”の国際規格化支援
具体的には、車載用途でユーザが精度よく、かつ、横並び評
IEC/TC 100/TA 8の活動を支援して、IEC 62842のCD
価が可能なネットワーク設計を行うために、SI-MM光ファイバ
テキストのレビューを行い、フォーマット専門委員会のコメン
を用いた場合の能動部品から出射されるモード分布や受動部
トを反映したテキストをIECに提出することにした。CDテキ
品を評価するため、IEC/SC 86CにおいてFOTの出力モード
ストは100/2245/CD, IEC 62842 Ed.1.0: File allocation
分布を、EAF(Encircled Angular Flux)を用いて規定、ま
system with minimized reallocation for multimedia
た、IEC/SC 86Bにおいて、光コネクタの挿入損失を、規定した
home serverとして2013年11月にTC 100メンバに配布され、
EAFを用いて測定するよう評価基準を設けて行く。
これら二つの規格提案のため、マルチモードの励振条件・光
2014年2月28日を期限とする投票が行われ、承認された。
ファイバへの入射条件に関するバックデータを蓄積し、諸外国
12.4 メンテナンスエキスパートグループ
の企業・大学訪問を通して、製造業者、使用業者、技術者等と
規格メンテナンスについては、エキスパートの日常活動として
の交流から、国際標準化制定に向けた議論を進めている。今
の運営が主体である。今年度は、JIS X 6255の原規格のISO/
年度は、CDV通過を目標とする。
IEC規格が改定となりメンテナンス表を更新した以外はメンテ
本事業では、FOTの送信側モード分布のAFを用いた測定
ナンス表の更新はなかった。なお、JIS原案を作成して以降、メ
方法による規定方法(制定)及び受動光部品のFOT送信側
ンテナンスエキスパートグループがJISとして出版されるまでの
モード分布(EAFにて規定)を用いた挿入損失測定方法(制
状況をモニタし、当協会のホームページ(http://www.oitda.
定)の二つの国際規格を提案することを目的とする。
or.jp/)で掲載・公開している。進捗は図2に示す各段階で
本事業は、本分野を包含するオプトエレクトロニクス分野で
チェックし、各段階の進展を事務局がチェックした後、メンテナ
の 国 際 標 準 作 成 に 経 験 の 豊 富 か つ 実 績 の あ る当 協 会
ンスエキスパートグループ統括確認の元に進捗状況表を更新
(OITDA)及び光コネクタの研究に実績のある千葉工業大学
している。
が実施することになった。OITDA内では、豊田中研・タイコエ
レクトロニクス・矢崎総業及び茨城大学の研究者が所属し、
13. 高速車載LAN用光伝送サブシステムの試
験方法に関する標準化(Vプロ)
OITDA開発部と一体となって開発を進めている。また、長瀬 亮・千葉工業大学工学部教授を委員長とする国際標準化提案
経済産業省・平成23年度工業標準化推進事業委託費の戦
委員会による、計3回の委員会を開催し、国際標準作成などの
光産業技術振興協会
規格協会
(文章精査)
分科会(原案作成)
①
光ディスク標準化委員会(承認)
②
(出版)
経済産業省
③
⑥
大臣
(情報電気
標準化推進室)
④
⑤
答申
⑦
図2 JIS原案策定から出版までの流れ
技術情報レポート
2013年度OITDA
付議
53
JISC情報技術
専門委員会
(承認)
標 準 化
準備を行った。今年度の実施計画を図3に示す。
検討されることになった。
今年度の進捗状況は以下の通りである。
③国際標準化提案
①FOTの送信側モード分布の規定
◦I ECシャーロット会合では、EAF測定法のIEC 61300-3-53
◦光
コネクタの接続損失は基本的かつ重要な性能であるが、
は第二言語翻訳中のため審議されなかった。しかし、Figure
特にステップインデックス型光ファイバの光コネクタは測定に
10とForm⑵の差替え修正について問い合わせたところ投票
用いる光源や光ファイバの状態の違いによる測定再現性の
をNegativeにして、この部分だけを差替えて審議が進められ
乏しさが指摘されていた。これは光ファイバ内の光の状態、
ることを同会議及びその後の対応で確認した。会議直後に
いわゆるMPD(Mode Power Distribution/モードパワー分
CDV回覧され、2014年1月31日に投票が締め切られ、賛成
布)が異なることに原因があると考えられてきたが、それを示
多数で承認となった。目標(CDVの通過)を達成した。
す指標がこれまでなかったため、原因は分かっていても定量
14. 光 通信システムのスマート化に適用した
光部品の国際標準化に関する調査研究
(Tプロ)
的に議論されることはほとんどなかった。本プロジェクトか
ら提案しているEAF(Encircled Angular Flux/エンサー
クルドアンギュラーフラックス)測定法はこの問題を解決する
14.1 背景
と期待されており、今年度、光コネクタ接続部のMPDの変化
光通信システムは、伝送情報の高速大容量化、光加入者シス
を測定し、EAFプロファイルで表記することが可能であるこ
テムのインフラ構築など、高性能・大規模システムを志向した開
とを示すことができた。
◦I EC 61300-1光ファイバ接続デバイス及び光受動部品−基
発が現在まで進められ、それらに対応した国際標準化が推進
本試験及び測定手順−第1部:通則に、附属書として記載す
されてきた。しかしながら近年になり地球環境への影響を考慮
るIECカテゴリの中のA3e光ファイバ測定用の光源テンプ
した鉛フリー部品の採用や低消費電力を指向した伝送装置・
レートの開発を進めた。各種光ファイバを三機関で測定した
光部品の開発、またユーザの使いやすさ・安全性、さらには伝
データをとりまとめ、同テンプレートの原案を作成することが
送システムに必要不可欠な高信頼性を備えた伝送装置・光部
できた。
品の開発など、新しい視点からのより人と環境に優しい製品開
発が進められている。即ち、光通信システムにおいても「安全」
②光受動部品/光コネクタの挿入損失の規定
今年度は励振条件が測定値に与える影響を明らかにするた
「安心」「高性能」「グリーン」「インテリジェンス」の視点から
め、平衡モード励振(EMD)を作る環境を整備し、次に励振条
の事業検討が最重点項目となると共に、これらに対応した国
件を変えて接続部に軸ずれと角度ずれを与え、測定値への影
際標準化の整備は不可欠なものとなってきている。本事業では
響を調べた。その結果、EAFの測定において、EMD条件では
これら新しい切り口での製品全般を「スマート光部品」と命名
軸ずれや角度ずれが生じた場合でもほぼ変化しないことが明
し、その製品に関連する光部品の標準化の推進を提案する。
らかになった。これらの結果を基にWD原案を作成したが、
具体的には以下の3項目をテーマとして掲げた。
◦ 超高速・低消費電力モジュール(CDVを1件登録する)
IECシャーロット会合では検討時間がなく、次回のIEC会議で
開発項目等
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3月
*測定方法、光学系、計算方法に関する提案文書の精緻化
①EAF測定方法の規格
②EAFを用いた光受動部
品の挿入損失の評価方
法の規格
③EAFを用いた光トラン
シーバの出力モード分
布の評価方法とテンプ
レート化の規格
④国際標準化提案
△
CD文書審議
△
CDV回覧
報告書作成
*励振条件、ファイバ軸ずれと接続損失に関する実験と理論解析
△
WD文書提案
報告書作成
△
NP文書回覧準備
報告書作成
*励振条件と伝送特性に関する実験と理論解析
△
SC 86B/C米国会合
△
SC 86Bスェーデン会合
△
SC 86C米国会合
図3 今年度の実施計画
54
技術情報レポート
2013年度OITDA
◦ファイバPCコネクタの光学互換(NPを1件提案する)
を行うとともに、16心SFコネクタ付パッチコード10本を作製し、
◦レセプタクル形光トランシーバの光コネクタ端面清掃の標
ランダム接続損失を測定した。
準化(TRを1件制定する)
本年度は、2012年度に行ったランダム接続損失測定と同じ
本年度は3年計画の最終年度にあたるため、国際標準化活
条件で接続損失分布シミュレーションを行い、シミュレーショ
動とともに、3年間の活動の総括を主とした活動を行った。
ンの妥当性を検証すると共に、光学互換標準の原案(WD)を
作成した。2013年11月に開催されたIEC/TC 86シャーロット会
14.2 調査結果
14.2.1 超高速・低消費電力モジュール
合においてSC 86B/WG 6コンビナよりWDの提案について承
認を得たため、2014年5月にイスタパで開催されるSC 86B/
近年のデータネット社会においてハンドリングされる情報量
WG 6中間会合において本WDの提案を行う予定である
は爆発的勢いで増加しており、データセンタ需要の急激な立ち
14.2.3 レセプタクル形光トランシーバの光コネクタ端
面清掃の標準化
上がり等により必要とされる伝送スピードも急激に増加してい
る。現状ではすでに10 Gbit/sが市場の主流になっており、40
Gbit/s、100 Gbit/s製品が実用化・開発途上にある。本項目で
データ通信の容量拡大に伴い、高速イーサネット通信及び光
は光システムのキーとなる40 Gbit/sトランシーバ及び100 Gbit/
加入者システムの普及が急速に進んでいる。それらを実現する
sトランシーバの標準化推進について検討する。IECでこれら
ため、SFP、XFPなど装置動作時に挿抜可能なプラガブルと呼
の標準化を我が国の主導で推進し、我が国の産業界に有利な
ばれるレセプタクル構造を有する光トランシーバが広く使われて
仕様を標準とすることを目的とする。
いる。これらのプラガブル光トランシーバは、小形化、低価格化
本年度は40 Gbit/s、100 Gbit/s製品を支える部品基盤技術
の要求から構造が簡易化されるため、内部構造、特にレセプタ
として前年度までIEC/SC 86C/WG 4でNP提案中の40G LD/
クル構造部分は各メーカで構造が異なっており、信頼性の高い
PDについてその文書審議を推進した。文書審議推進にあたっ
光コネクタの接続のためには光コネクタプラグ端面の清掃が必
ては日本メーカを中心に技術的にリードしているX LM D2-
須条件である。本調査では光トランシーバのレセプタクル構造
MSAグループと連携を取って迅速に推進した。その結果、NP
部分の端面清掃方法のガイドラインを標準化し、ユーザに優し
コメントを反映させたCD文書回覧を完了し、現在、CDコメント
い光トランシーバの使用方法を提供することを目的とした。
初年度である一昨年度は、光コネクタ端面外観検査及び清
を反映させたCDV回覧を実施中である。
掃に関する状況を調査し、整理した。光コネクタプラグ端面外
14.2.2 ファイバPCコネクタの光学互換
観検査及び端面清掃に関する市場状況、標準化の状況、レセ
ファイバPCコネクタはフェルールを使用せず、光ファイバの
プタクル形光トランシーバの端面清掃の必要性の整理、レセプ
外径を基準として直接ファイバ同士を整列するとともに、光ファ
タクルに適用できる清掃具の市場調査を行った。さらに、レセ
イバの弾性を利用して安定なPC(Physical Contact)接続を実
プタクル形光トランシーバの清掃時の注意点を議論し、整理し
現する新しいかん合構造であり、SFコネクタとして実現してい
た。また、光コネクタの端 面 清 掃方 法 のガイドライン文 書
る。この整列方法は最も小型な多心PC光コネクタを実現可能
(IEC/TR)を参考に、レセプタクル形光トランシーバのコネク
であり、低消費電力な高速信号処理回路を実現するボード上高
タ端面清掃方法のガイドライン文書の骨子を検討した。
密度光インタコネクション用光コネクタとしての用途が期待され
2年目となる昨年度は、初年度に整理した情報を元に、レセ
ている。SFコネクタの接続方式は、現在かん合標準の策定が
プタクル形光トランシーバの清掃方法ガイドライン文書を、光
進んでいるが、この場合のPC接続条件はこれまで規定された
産業技術振興協会技術資料(OITDA-TP)として作成し、公
フェルール端面の変形に基づく光学互換標準とはまったく異な
表した。さらに英訳版をIEC会合にて説明し、IEC/TRとする
る。そのため、新たな光学互換標準を策定する必要があるが、
ことを提案した。その結果、DC文書として回覧された。
光学互換標準としてはまだ確立していない。このような整列方
最終年度である今年度は、IECの審議文書の対応を行っ
法を最初に提案した日本において光学互換標準を策定するこ
た。4月にINFとDTRが、8月にRVCが回覧された。RVCは反
とにより、ファイバ同士の直接整列構造の普及を図り、SFコネ
対投票なく承認され、11月5日にIEC/TRが発行された。公表
クタにより先行している国内製造メーカに有利な状況を作るこ
したOITDA-TP及び発行されたIEC/TRは、以下である。
とを目的とする。併せて、早急にSFコネクタの光学互換標準を
OITDA/TP 12/TP(2012 Ed.1)レセプタクル形光トラン
制定することで、高密度光インタコネクション用光コネクタの製
シーバの光コネクタ端面清掃に関するガイドライン
品開発が進んでいる欧米メーカに先んじて、国内メーカのシェ
IEC/TR 62572-4, Ed. 1.0 “Fibre optic active components
ア確保を図る。
and devices−Reliability standards−Part 4: Guideline for
2012年度は、光学互換標準を提案するためにはファイバPC
optical connector end-face cleaning methods for receptacle
コネクタ用光ファイバ端面形状パラメータの寸法を明確にする
style optical transceivers”
必要があることから、外国人専門家としてIEC/TC 86/SC
86Bの元エキスパートであり、光学互換標準体系の基盤を作る
上で大きな貢献のあったRandy Manning氏を迎え、ファイバ
PCコネクタの接続損失分布シミュレーション等の詳細な検討
技術情報レポート
2013年度OITDA
55
標 準 化
15. レーザ機器の安全・安心に関する調査研
究委員会
催が、家庭から職場環境に亘る広範な社会における安全性の
啓蒙のために望まれている。
15.1 背景及び目的
なお、本調査研究は競輪の補助を受けて実施した。
1960年に誕生したレーザは、この50年で紫外域から可視
15.2 調査研究の概要
域・赤外域及びテラヘルツ波に至る波長をカバーしさまざまな
パワー及び発振形態をもつレーザ技術として発達し、その技術
上記の目的のため、国内の専門家、使用者からなる調査研究
を活用して、例えば、光通信・光ディスク・レーザプリンタ・レー
委員会を構築し、具体的に、次のような調査研究活動を行っ
ザ加工機・バーコード読み取り機・レーザポインタ・レーシック
た。
などに応用され、社会生活に欠くことのできないものとなってき
- I EC/TC 86/SC 86Cミルピタス会合に専門家を派遣し、
標準化のための意見交換・情報収集を行った。
ている。このように、レーザは本来、安全・安心な社会環境を
保持するための技術であるが、一方で、その不適切な取扱いに
- I EC 60825-1のEd.3の改訂作業が最終段階に入るめど
よって、病院での手術中の事故、製造現場又は遊戯中の目へ
が立ったため、前年度翻訳したEd.2の解釈票を活用しつ
の誤照射による失明事故、実験中の不適格な遮蔽板・暗幕等
つ、JIS C 6801「レーザ製品の安全基準」の改正作業に
への照射による火災事故などが起きており、レーザ安全性の問
着手し、JSA規格調整分科会までを終えた。また、特に高
題に対する多面的な対応が求められている。
出力レーザの取り扱いについての国際規格と米国規格と
レーザの安全性に関して、国際標準化はIEC/TC 76で行わ
の差異を研究する準備のため、ANSI Z136.9-2013(製造
れており、我が国の国内規格であるJISも、1980年に制定され
環境でのレーザの安全使用)の附属書A、C、D、Fの翻訳
たJIS C 6801(レーザ安全用語)以外は、JIS C 6802(レーザ
を行った。
- レーザ安全性に関する標準化国際シンポジウムを開催し、
製品の安全基準)を中心に、JIS C 6803(レーザ製品の安全-
安全性に対する注意を喚起するとともに安全な使用法の
光ファイバ通信の安全)、JIS C 6804(レーザ製品の安全-情
啓蒙を図った。
報伝達のための光無線システムのための安全)など、IEC規格
この中で、標準化国際シンポジウムの詳細について次に紹介
を基に制定・改正してきた。これらのJISは全て、当協会が作成
する。
しているが、現状ではIECで発行された全てのレーザ安全規格
がJIS化されているわけではない。したがって、JISの策定を進
15.3 標準化国際シンポジウム
め、国内規格をより整備していくことが求められている。
当協会ではまた、不適切なレーザ製品や不適切な取り扱いに
「レーザ機器の安全・安心」をテーマにした標準化国際シン
よる事故を未然に防ぐため、レーザ安全スクールを適宜開催
ポジウムは、米国及び欧州のレーザ安全の権威を迎え、60名
し、レーザ取扱技術者試験を毎年実施して、
「安全・安心」な
を超える参加者の下、開催した。講演者及び講演題名は次の
社会の実現を目指している。しかし、スクールは試験に合格す
表のとおりである。
るための手段となりがちなため、より適切なシンポジウムの開
表 標準化国際シンポジウムプログラム
講演者
1
題 名
ISO/TC 94/SC 6/WG 4/PG 4議長
Roy Henderson氏
眼及び顔のレーザ放射からの保護に関する国際規格の最近の動向
2
山本光学 石場義久氏
レーザ保護メガネについて
3
IEC/TC 76/WG 1議長 David Sliney博士
レーザ応用に関する製品安全規格の最近の動向
4
東芝ライテック 木下順一博士
高出力青色レーザを用いた照明応用及びレーザディスプレイデバイス
のIEC/TC 110 標準化動向
5
スタンレー電気 藁谷剛司氏
レーザヘッドランプ(LED ハイブリッドヘッドランプ)
全体を通しては、最新の安全規格の動向とそれに対応する
あり、今後もレーザ安全規格の最新動向が 紹介できるような
応用の話が聞けて良かったとの声が聴講者からあった。これを
標準化シンポジウムが実現できるよう、来年度の計画を検討し
機会に安全・安心に対する取り組みを強化したいので、同様の
ていきたい。
テーマのシンポジウムを継続的に開催してほしいという意見も
競輪補助事業
56
技術情報レポート
2013年度OITDA
人材育成・普及啓発等
1. はじめに
表1 第28回レーザ安全スクールコース別受講者数(単位:名)
当協会は、光技術を支える人材の育成、光技術関連情報の
コ ー ス 名
普及・啓発・広報、さらには国際交流等多くの事業を実施し、
第1期
第2期 合 計
I コース:光・レーザ入門
  49
 -
  49
S1コース:レーザ工学の基礎
  39
  58
  97
必要なレーザ技術の研修事業及び試験事業として、
レーザ安全
S2コース:レーザ安全の基礎
  86
  101
187
スクール及びレーザ機器取扱技術者試験をそれぞれ実施した。
S3コース:レーザ応用機器の安全
  37
  46
  83
S4コース:大出力レーザ機器の安全
  38
  44
  82
M1コース:レーザ安全管理者
  63
 -
  63
M2コース:レーザ安全技術者
 -
  37
  37
合
312
286
598
光産業技術の発展に寄与してきている。
本年度も、人材育成では、技術開発・製造・販売等の現場で
普及・啓発・広報では、光産業技術に関する各種シンポジウ
ム、定期的なセミナーやインターオプト2013の開催、櫻井健二
郎氏記念賞の授与等の多彩な活動を展開し、さらに、ホーム
ページやオプトニューズ、国際会議速報等を通じ、光産業技術
の普及・啓発活動を継続的に実施した。
計
※ I コースは二日間コース、その他は一日コース
2. レーザ安全スクール
3. レーザ機器取扱技術者試験
当協会は、レーザ機器の普及に伴う機器取扱者の傷害事故
この試験の趣旨は、レーザ機器の取扱いに起因する危険及
の発生を未然に防止するため、レーザ機器の設計開発、製造、
加工、販売、運用、メンテナンス等に携わる方々を対象に「レー
び障害を防止するため、レーザ機器の取扱者や安全管理者及
ザ安全スクール」を実施している。光技術、レーザ光の人体へ
び安全技術者に必要とされる知識水準を審査し、試験合格者
の影響、レーザ安全等の各テーマについて現在ご活躍中の専
を当協会に登録することにより、レーザ機器の取扱いの安全化
門家を講師に招き、講義内容は実務に即役立つものとなって
を促進するとともに、レーザをはじめとする光産業の健全な発
いる。プログラムは、入門コースの光・レーザ入門(Iコース)か
展を支援する事にある。
ら始まり、基礎知識のSコース[レーザ工学の基礎(S1コー
第24回レーザ機器取扱技術者試験を2013年12月6日に、東
ス)、レーザ安全の基礎(S2コース)、レーザ応用機器の安全
京・芝公園の機械振興会館で実施した。同日は全国からの受
(S3コース)、大出力レーザ機器の安全(S4コース)]、専門知
験者115名を集めて3会場に分かれ、午前10時から正午まで、
識のMコース[レーザ安全管理者向けコース(M1コース)、レー
また午後1時から3時までそれぞれ2時間ずつの試験が行わ
ザ安全技術者向けコース(M2コース)]と進み、体系的なレー
れた。受験者の内訳はレーザに関する総合的な知識、レーザ
ザ安全教育が可能。また各コース講義終了後には理解度を確
光の危険性と安全法規の知識をもっているかどうかをテストす
認するための、演習問題を解く時間も設けられている。内容は
るレーザ安全管理専門の第1種選択1が6名、同じく第1種で
日本工業規格であるJIS C 6802「レーザ製品の安全基準」、関
安全技術専門の選択2が14名、またレーザの基礎的な安全規
連規格及び、厚生労働省基発第0325002号「レーザー光線によ
格及び知識をもっているかどうかをテストする第2種が95名で
る障害の防止対策について」等を網羅し、光加工、光通信、
あった。実施概要を表2に示す。
レーザ医療等の各分野に従事するレーザ機器取扱者等、社会
表2 第24回レーザ機器取扱技術者試験結果
の要請に応えたものとした。
第28回レーザ安全スクールは、2013年10月28日~11月1日及
種
受験者数
合格者数
合格率
第1種選択1
   6名
  2名
33.3%
第1種選択2
  14名
  6名
42.9%
(前回118社)であった。円安及びアベノミクス効果で景気回
第2種
  95名
51名
53.7%
復の中での開催となり、参加人数、参加企業数とも増加となっ
合 計
115名
59名
51.3%
び11月18~22日の2期に分けて東京・芝公園の機械振興会館
で実施した。実施概要を表1に示す。
受講者数は598名(前回527名)、参加企業・団体数は138社
別
たが、今後レーザ製品がより広範囲な分野で導入されて行くも
レーザ機器取扱技術者試験委員会の厳正な採点の結果、合
のと予測され、益々レーザ製品の取扱いに従事する方も増加し
格と判定されたのは第1種選択1が2名、同選択2が6名、第
て行くものと考えられる。
なお、2014年度の第29回レーザ安全スクールは、第1期が10
2種が51名であった。今回の合格者を含めた既合格登録有効
月6日(月)から10日(金)、第2期が11月17日(月)から21日
者数は、
「第1種選択1」が85名、
「第1種選択2」が229名、
(金)、いずれも東京・芝公園の機械振興会館で実施を予定し
「第2種」が1,747名、合計2,061名となる。
なお、第25回レーザ機器取扱技術者試験は2014年12月4日
ている。
(木)に東京・芝公園の機械振興会館で実施を予定している。
技術情報レポート
2013年度OITDA
57
人材育成・普及啓発等
4. シンポジウム
はなく、人が信じるプロセスが重要であり、現実と仮想の間の
4.1 平成25年度光産業技術シンポジウム
ギャップをどう埋めるかに着目し、新しい経験を生み出す。主
平成25年度の光産業技術シンポジウムは、当協会及び技術
観的なものでもある現実を操作していることが気付かれないよ
研究組合光電子融合基盤技術研究所が共催し、
「超情報化社
うに操作できる新しい技術で、時間や現実をどのように認知し
会を切り拓く革新的フォトニクス」をテーマに、経済産業省の
ているかを明らかにする研究目的だけでなく、新しいカタチの
後援を受けて2月13日(木)、リーガロイヤルホテル東京にて、
エンターテインメントの体験プラットフォームとして期待され
200名を超える参加者の下、開催された。
る。また、精神疾患の治療など医用への適用など様々な応用例
当協会専務理事 小谷泰久の開会挨拶に始まり、経済産業省
を紹介され、非常に面白い多くのお話をいただいた。
商務情報政策局 情報通信機器課 荒井勝喜課長より来賓のご
2番目は、NHK放送技術研究所 立体映像研究部 研究主
挨拶を頂いた。最初に、本シンポジウムは今年で33回目であ
幹の清水直樹氏が、
『将来の立体テレビ実現に向けた技術開
り、長い歴史を誇り開催されることを祝された。荒井氏は、光産
発』と題して講演された。3D機能を実装したデジタル放送受信
業も何とか雪解けと伺っているが、経済産業省、政府としても、
機により、家庭でも立体画像を楽しむことができるようになっ
アベノミクスで国内の景気回復、経済成長に最大のプライオリ
たが、立体視用メガネが必要でありまだ一般化しているとは言
ティを置き、成果が少しずつ出始めていると述べられた。“がま
い難い。立体テレビは、人間が現実の世界を見るのと同様に自
ん”から将来に向けた活動に軸足を移すに当たり、本シンポジ
然な立体映像を再現することができるものとして、究極の高臨
ウムは時宜を得ており、光産業技術振興協会が業界発展のた
場感映像として期待され、その実現に向けNHKで研究が進め
め長い間尽力されていることに敬意を表された。また、光電子
られている。将来の放送への利用を目指す立体テレビ方式とし
融合基盤技術研究所が2009年の設立以来5年目を迎え益々
て、空間像再生型方式の研究を行っている。空間像再生型は
活躍の場を広げていることを祝された。
2眼式のように一定の視点から見た立体映像の再生ではなく、
光関連技術は、光ファイバなど情報通信分野にとどまらず、
実際に光学像を再生することで、視点を変えても自然な立体像
有機EL(Electro-Luminescence)など最先端のディスプレイ、
を見ることができる方式である。特殊なメガネが不要で、長時
車載用ステレオカメラ・イメージセンサなど自動運転に関わるも
間映像を見ても疲れず、見る位置や姿勢に応じた自然な立体像
の、医療応用レーザ機器など、幅広い分野でその活躍の場を
が見られるという観点から、有力な方式である。一方では、電
広げている。光産業は、日々の生活や経済活動の中に深く溶け
子的手段により動画のリアルタイム撮像・伝送・記録・再生が
込んでおり、その普遍性が光関連技術の特色であり、光技術者
必要であり、実現に向けては多くの技術課題があることを述べ
を惹きつけている最大の理由である。経済産業省としても、魅
られた。課題解決に向けては、インテグラル立体方式、電子ホ
力ある光産業の発展に向け、研究とビジネスを支援したい。こ
ログラフィ方式の研究開発の取り組み状況を紹介された。
れまで、「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技
3番目は、東京工業大学 放射線総合センター 准教授の実
術開発」などの研究開発支援、国際標準化の取得に関する支
吉敬二氏が、
『車載用ステレオカメラの開発(衝突しない自動
援を行ってきたが、今後一層協力して取り組みたい。また、光産
車から自動運転へ)』と題して講演された。衝突を回避するた
業に関わる成長余力の大きい周辺分野として、公共データの開
めには迫ってくる物体を検出し、その衝突可能性を判断し、間
放、ビッグデータの利活用促進とルール整備などIT関連産業
に合わなくなる前に必要な回避動作を開始しなければならな
の成長を後押しすることで、優れた光技術が益々活用される好
い。そのために必要な情報は、物体の位置と相対速度、移動方
循環を作りたい。
向を判断するための車線、さらに回避動作で新たな衝突を起
本日のシンポジウムが、産業界、学術界の結節点として役割
こさないように、周囲の他車や側壁などの道路構造物も検出し
を果たすことで光産業技術の革新を促す機会となり、今後益々
なければならない。回避動作にはブレーキングとステアリング
発展することを祈念する、と挨拶を締めくくられた。
があるが、オフセット衝突や高速度での衝突ではステアリング
続いて、午前に3件、午後に3件、合計6件の講演がなされ
による回避のほうが有効な場合が多い。そのときに重要な情
た。第1番目は、独立行政法人理化学研究所 脳科学総合研究
報は物体の境界位置である。また運転者による回避動作との
センター 適応知性研究チーム チームリーダーの藤井直敬氏
干渉を防ぐために、人間より短い時間、0.1秒以内で衝突危険
が、
『代替現実システムとその可能性』と題して講演された。マ
性を判断して運転者が間に合わないときに動作させるようにす
トリックスやインセプションのような映画で取り上げられる、
る。ステレオカメラは1枚撮影するだけで、広い視野の画像情
ヴァーチャルリアリティ(VR)や拡張現実(AR)のような仮想
報とともに画素ごとの距離が得られ、特に輝度変化のある物体
技術は、日常空間を拡張する新しいワークスペースを作り上げ
の境界領域で多くのデータが得られる。この特性によりステレ
ることを目的としてきた。しかし、これまで開発された仮想技術
オカメラは上で述べた要求を満たす唯一のセンサーといえる。
は、ワークスペースを提供できて臨場感はあっても、体験者にそ
情報量の多さ、特に物体の境界位置に関するデータ量はミリ波
れが現実だと感じさせる現実感を得ることはできなかった。藤
レーダーやレーザーレーダーを遥かに凌ぐ。これはステアリング
井氏らが開発したSubstitutional Reality(SR)技術は、現実
による回避に有効であるばかりでなく、連続画像により側方か
感を保ったまま、仮想と現実の間をスムーズに行き来することを
ら飛び出してくるクルマや歩行者の横方向速度を短時間で正
可能にした。時間と空間を超えたタイムマシン的要素も持って
確に求めることも可能となる。実証実験の様子など、動画を交
いる。SR技術では、単に工学的なスペックを向上させる手法で
えた判りやすい紹介があった。近年、衝突回避システムの次の
58
技術情報レポート
2013年度OITDA
ステップとして自動運転の時代がすぐにやってくるような話をよ
大学を筆頭に各大学、機関で、10年以上先の将来を見据えた
く耳にするが、自動運転は緊急時の衝突回避に比べ数段難し
革新的技術にチャレンジした。今年度は、システム実証と革新
い。衝突回避は純粋な物理現象であり、乗り心地は二の次でと
的技術の融合の1事例として、温度安定性に優れる量子ドット
にかく衝突を回避させればよいが、自動運転は人間の感性が
レーザをシステム実証に取り入れることに成功した。これらの
絡んできて、急激な加減速は避けなければならないし、何より
成果は、技術開発に留まることなく、内閣府と経済産業省の府
搭乗者が快適に安心して乗っていられなければならない。セン
省連携のもと、この後講演される『超低消費電力型光エレクト
サーに求められる性能は基本的には同じであるが、空間分解
ロニクス実装システム技術開発』プロジェクト(以下、
『光エレ
能がより高いなどカメラの基本性能の向上が必須である、と締
実装』PJと記す。)と協力体制を構築し、すでに多くの技術を展
めくくられた。
開し、実用化に向けて技術開発が今後も進められていくとのこ
とであった。
午後の最初の講演は、日本電信電話株式会社 NTTメディア
インテリジェンス研究所 画像メディアプロジェクト 主任研究
最後は、PETRA『光エレ実装』PJのサブプロジェクトリー
員の髙田英明氏が、
『平成25年度 光テクノロジーロードマッ
ダーであり、集積デバイス技術統括である森戸健氏により、本
プ-光ユーザインタフェース-』と題して講演された。光産業技
プロジェクトの全体像とその中での光エレクトロニクス実装技
術振興協会が2011年度から5ヶ年計画で進めている「光テクノ
術と光エレクトロニクス集積デバイス技術の開発状況、さらに
ロジーロードマップ策定事業」の第3弾として、
「生活を豊かに
は標準化に向けた活動について講演がなされた。
『光エレ実
する」ことを目的に、2030年代の社会ニーズの明確化と関係分
装』PJは、経済産業省の「未来開拓研究」プロジェクトのひと
野の技術動向調査から策定した光ユーザインタフェース・テクノ
つであり、プロジェクト開始から実質1年と数か月が経過した
ロジーロードマップの概要が紹介された。ユーザインタフェース
状況。これから、開発成果を学会、展示会等で報告して行きた
における光技術は、非接触で自由度が高いこと、高速・高精
い。光エレクトロニクス実装技術は、前の講演で報告のあった
度・高感度・高信頼性など高度な性能が得られること、小型
PECSTとの協力体制のもと、25Gbps×12chの光送受信機能を
化・軽量化が可能になることなど多くのメリットがあり、今後の
1チップ化し、実装容易な光I/O部と電気I/O部を持つ光I/O
大きな技術革新が期待される分野である。しかし、生活を豊か
コアを、送信部、受信部共に5mm角の大きさで実現できると
にする光技術の利用分野は幅広いが、今回の策定では、人と人
ころまで来ている。光エレクトロニクス集積デバイス技術では、
とのインタフェースで光技術とかかわりが深く情報量が多い視
ハイエンドCPUやFPGAの1チップ当たりのバンド幅が既に数
覚に密接に関わる分野に絞り、かつ、進化したインタフェース
Tbpsにも達する中、波長多重による大容量化に向けて波長選
技術が相互に連携し合うことで、より豊かな生活が訪れること
択レーザ、合分波フィルター、スポットサイズ変換器等の開発を
をイメージしながらロードマップ策定を行った。従来のようなデ
進めている。また、デバイスの大規模集積化技術、低コストイン
バイス・要素技術の進化を中心に技術トレンドの延長を予測す
ターポーザ技術等の開発を進めている。同時に、このプロジェ
るものを更に発展させ、今回は、専門委員の担当分野をニーズ
クトが実用化プロジェクトであることから、事業化に必要となる
側とテクノロジ側に分けることで、利用分野の発展から想定さ
国際標準の獲得に向けても積極的に活動している。このプロ
れるサービスと、技術の進化から創出される新たなサービスを
ジェクトは、10年プロジェクトであり、多くの技術開発を実施し
うまく融合させ、ニーズとテクノロジが一体となった具体的な
ているが、実用化が可能となった技術から逐次、事業化して行
ロードマップを完成された。
くとのことでこれからの活動内容が大いに期待されるところで
ある。
午後の2番目は、技術研究組合光電子融合基盤技術研究所
(以下、PETRAと記す。)
『フォトニクス・エレクトロニクス融合
4.2 第3回電子光技術シンポジウム
基盤開発(PECST)』プロジェクトの共同研究者であり、研究
統括部長である中村隆宏氏により、最終年度を迎えた本プロ
第3回電子光技術シンポジウムを2014年2月25日に秋葉原
ジェクトについて講演がなされた。
『PECST』が内閣府の最先
UDXギャラリーにおいて産総研電子光技術研究部門と当協会
端研究開発支援(FIRST)プログラムのひとつとして実施され
の共催により開催した。当日は産業界、関係研究機関等から、
た背景を説明された後、最終年度を迎え、それぞれの技術開
150名弱の参加があり、この分野に対する関心の高さを感じさ
発成果が世界の技術開発動向と対比してどのレベルであるか
せた。今回は1件の特別講演及び4件の招待講演を含む、全
を説明された。今日のICT社会ではあらゆるIT機器やネット
10件の口頭発表があった。
ワークが更なる大規模・高性能・低消費電力・小型化へ進むも
今回は、
「電子と光の融合を目指して-ネットワークからイン
のと予想されている。これらの要求に応えるために、PECSTで
ターコネクションへ-」と題し、午前は「光電子融合基盤技術の
は、現在の集積回路(LSI)の課題を、光技術を適用して解決
展開~FIRSTプロジェクトの成果を中心にして~」と題した東
することを目指した。東京大学の荒川先生を中心研究者とした
京大学 荒川泰彦 教授による特別講演ならびに「光エレクトロ
研究体制で、システム実証と革新的技術開発の2本柱で推進さ
ニクス実装プロジェクトの狙いと開発状況」と題したPETRA
れた。システム実証は、つくばの産総研に企業をまたがった研
蔵田和彦氏による招待講演が行われた。続いて産総研電子光
究チームを結集し、種々の光素子の開発、システム統合を行
技術研究部門の堀川剛氏による「CMOS技術によるシリコン
2
い、プロジェクト開始当初の目標であった10Tbps/cm を大きく
フォトニクス集積」と題し、最新のシリコンフォトニクス技術に
2
上回る30Tbps/cm を実証した。革新的技術開発では、東京
技術情報レポート
2013年度OITDA
関する講演が行われ、参加者の注目を集めた。
59
人材育成・普及啓発等
表3 次世代フォトニックスイッチング・フォーラム講演
午後は「広帯域・高密度オンボードインターコネクトのための
GI型ポリマー光導波路」
(慶應義塾大学 石榑崇明教授)、
基調講演
フォトニックスイッチング技術の展開
「全 世界 のI D C内の総 バンド幅を一台で 実 現するT S U B
AME 3.0へ向けたExtreme Big Data技術」
(東京工業大学 松岡聡教授)、
「超低エネルギー光ネットワークに向けた産総
ビッグデータ、光ネットワークへの期待(仮)
宇野 毅明
(国際情報学研究所)
クラウドの課題とNTT R&Dの取り組み
研拠点の取り組み」
(産業技術総合研究所 並木周氏)といっ
佐藤 健一
(名古屋大学大学院)
鈴木 光
(日本電信電話)
OpenFlow/Software-Defined Networking
のNECの研究開発の取り組み
た3件の招待講演及び、最先端の研究開発を行っている産総
研電子光技術研究部門の研究開発の成果も交えながら幅広く
フォトニックスイッチ技術
講演が行われた。
「3次元光回路」
(森雅彦氏)、
「光電子ハイ
ブリット回路 基 板技 術開発:有機・ポリマーフォトニクス」
神谷 聡史
(日本電気)
高橋 哲夫
(日本電信電話)
大容量高密度伝送に向けた光配線技術~ス
マート光ワイヤリング~
(佐々木史雄氏)、「基幹・機器内光ネットワークの大容量化
に向けた高密度周波数多重化技術」
(山本宗継氏)の講演で
田中 大一郎
(フジクラ)
6. 光産業技術マンスリーセミナー
は、当該分野に関心を寄せられる多くの参加者との有意義な
当協会では光産業・技術の普及事業の一環としてマンスリー
議論も展開され大盛況のうちに閉幕した。講演終了後、意見交
換会が行われ講演者も含めて参加者同士が活発に意見交換を
セミナーを毎月1回開催している。このセミナーは光産業技術
行った。
に関連する幅広い専門家を講師に迎えて、内外のトピックスや
最新の情報をわかりやすく解説していただくものである。表4
5. 次世代フォトニックスイッチング・フォーラム
に2013年度の開催概要を示す。
光技術応用製品の普及とともに海外企業の技術力が向上
7. インターオプト
し、我が国の光産業が今まで通り最先端の道を歩むためには
インターオプト2 013(I nter nat iona l O ptoelect ron ics
より精力的な研究開発を進める必要がある。我が国光産業技
術の更なる発展のために技術開発をプランニングして研究開発
Exhibition 2013)は「オールアバウトフォトニクス 光業界のあ
プロジェクトを提案するための調査研究活動をしている。平成
らゆる可能性のために。」をテーマとして2013年10月16日(水)
25年度は、「次世代フォトニックスイッチング・フォーラム ~
~18日(金)、までの3日間にわたり、横浜市みなとみらい地区
ビッグデータ、クラウド時代の課題を解決する~」を2013年11
のパシフィコ横浜展示ホールにおいて開催した。
月21日に学士会館(東京都千代田区)で開催した。賛助会員、
同時開催のBioOpto JAPAN 2013(主催、㈱ICSコンベン
一般参加、合わせて6 0名以上の方々に出席いただいた。本
ションデザイン)、LED JAPAN Strategies in Light 2013(主
フォーラムでは、ビッグデータ活用やクラウドの進展による大容
催、㈱ICSコンベンションデザイン、Pennwell Corporation)、
量かつ多様なデータトラフィックの制御を経済的に低消費電力
LaserTech2013(主催、㈱ICSコンベンションデザイン)の3展
で実現するフォトニックスイッチングに焦点を当て、産学官連携
示会と共に4展示会が同時開催をした。インターオプトは当協
による日本発のグローバルな産業創出に貢献すべく、本技術の
会が主催、㈱ICSコンベンションデザインが企画・推進し、経
第一人者である表3の方々にご講演をいただいた。
済産業省ほか多数の団体の後援・協賛を受けて開催した。
出展分野はレーザ/光源、光素子/部品、材料、光機器/装
置、光産業関連、サービス/ソフトウエアと広範囲にわたり、出
表4 2013年度 光産業技術マンスリーセミナー 開催概要一覧表
回
開催日
359
4/16
360
講演テーマ
講師(敬称略)
アト秒光パルスの研究動向と展望
東京大学 特任准教授 石川 顕一
5/21
シリコンオンチップ光デバイスの最新動向
東京工業大学 教授 水本 哲弥
361
6/18
未開拓波長半導体光デバイス技術の最新動向
-深紫外、テラヘルツ-
理化学研究所 主任研究員 平山 秀樹
362
7/16
ポリマー光導波路によるオンボード光インターコネクト技術の
最新動向
慶應義塾大学 准教授 石榑 崇明
363
8/20
ファイバレーザによる加工技術の最新動向
前田工業株式会社 事業部長 三瓶 和久
364
9/17
Additive Manufacturing課題と可能性
東京大学 教授 新野 俊樹
365
10/15
次世代高効率太陽電池技術の最新動向
東京大学 教授 岡田 至崇
366
11/19
ヘテロコア光ファイバセンサ技術と応用例
株式会社コアシステムジャパン 部長 佐々木 博幸
367
12/17
スーパーハイビジョン技術の最新動向
NHK放送技術研究所 主任研究員 西田 幸博
368
1/21
テラヘルツ帯量子カスケードレーザ開発の現状とその応用
情報通信研究機構 未来ICT研究所 所長 寳迫 巌
369
2/18
LED照明の標準化動向
東芝ライテック株式会社 グループ長 垣谷 勉
3/18
高速切り替え可能な100Gデジタルコヒーレント光ネットワーク
技術の実用化
NTTエレクトロニクス株式会社 主事 山崎 悦史
370
60
技術情報レポート
2013年度OITDA
展品目も光関連材料から光応用システムまで幅広い技術が展
なお、来年のインターオプト2 014は10月15日(水)~17日
示された。
(金)の3日間、会場は同じくパシフィコ横浜にて、引き続き
オールアバウトフォトニクスというタイトルで開催予定である。
開催規模は、国内外の光関連メーカー、商社など85社(前回
97社)、138小間(前回129小間)の出展があった。また会期三
8. 第29回櫻井健二郎氏記念賞(櫻井賞)
日間の来場登録者(同時開催展示会含む)は10年に一度の台
風に見舞われながらも、8,157名(前回11,012名)であった。国
内の企業・団体等はもとより、国外からも商社による出展を含
めると、北米、欧州、アジア等から国外企業等の出展があり、
光の広い範囲にわたる技術・情報の交流とともに、光の最先端
の製品・開発状況を総合的に眺めることができた。
パシフィコ横浜展示ホールでは、恒例の「注目される光技
術・特別展示ゾーン」を設置した。このゾーンには光技術動向
委員会各分科会が推薦の企業5社が推薦の技術を、光協会が
光産業関連の新規事業に対して実施している展示会小間料金
(左から)大城氏、菊地氏、渡邉氏、小舘氏
出展料支援を受けた中小・中堅企業5社が出展支援対象の技
術の展示紹介を行った。一方光協会ブースでは光産業・技術の
概要を写真パネルにて展示、光産業の調査研究に関しては、
今年度の櫻井賞は、2003年以降の光産業及び光技術の分
各種調査報告書を展示紹介した。また技術情報レポート(和
野において先駆的役割を果たした業績を対象に、応募17件の
文・英文)等を無料配布し光協会の紹介、光産業及び光技術
中から2件が選考された。受賞題目「位相相関フィルタを用い
の最新情報の紹介を行うなど広報活動を行った。
た光相関技術とそのシステム化の研究開発」に対し、電気通信
大学の渡邉恵理子氏、日本女子大学・電気通信大学・株式会
アベノミクス効果で明るさが見えてきた景気の中で開催した
社Photonics System Solutionsの小舘香椎子氏に、また、受賞
展示会ではあるが、省エネで注目されている。
太陽電池(太陽光発電)、LED関係(低電力LED照明)の
題目「レーザーの医療応用に関する学術・社会・産業界におけ
出展ブースはもとより、注目度が増えつつあるバイオオプト・メ
る貢献と普及活動」に対し、公益財団法人医療機器センター・
ディカルフォトニクス、LaserTechを含めたレーザ加工技術、そ
特定非営利活動法人日本レーザー医学会・一般財団法人ふく
の他光関係の新しい技術の出展ブースも、多数の来場者の質
しま医療機器産業推進機構の菊地眞氏、株式会社日本医用
問等を受け盛況を呈していた。また、各ブースでは商談を行って
レーザー研究所・医療法人社団慶光会の大城俊夫氏に授与さ
いる光景も多数見うけられ、業績回復につながる技術を求めて
れた。
参加している来場者の真剣な姿が目立っていた。また、展示会
櫻井賞は、当協会の理事であった故櫻井健二郎氏が光産業
場内では、10月16 ~18日の3日間「注目される光 技 術セミ
の振興に果たした功績を讃えると共に、光産業及び技術の振
ナー」、
「出展社プレゼンテーション」がそれぞれ開催され、と
興と啓発を図ることを目的として創設したもので、過去28回で
もに活況を呈していた。
21名の個人、32グループ、延べ128名が受賞している。
一方、パシフィコ横浜アネックスホールでは10月16日に、アン
受賞の栄に輝いた電気通信大学の渡邉恵理子氏らの受賞
ビエントメディア 代表 町田 聡氏による特別講演として「事例
理由は、
「情報化社会で重要性を増しつつある画像・動画の認
によるプロジェクションマッピングビジネスの実際」及び光産
識・検索の高速化を目指し、光相関技術の開拓・応用に取り組
業動向全体プラス7分野の光産業動向セミナーが、10月17日に
み、従来の相関システムを飛躍的に凌駕することに成功した。
は、東京大学 石川 正俊氏による特別講演「高速画像処理が
特に、並列性を活用した高速・高精度の顔認識装置において
拓く新しい画像応用システムの世界」及び光技術8分野の光技
位相相関フィルタ設計手法の有効性を実証し、さらに、ホログ
術動向セミナーを開催した。
ラフィック光メモリと組み合わせて直接データベースに並列ア
技術情報レポート
2013年度OITDA
61
人材育成・普及啓発等
クセスする全光型光相関システムを構築した。またシステムの
:光産業国内生産額・全出荷額調査結果、光産業技術
信号処理部を発展させてクラウド型動画検索(著作権管理
シンポジウム報告、櫻井健二郎氏記念賞表彰 他
等)に適用し、コンテンツ産業と共同して新サービス事業の可
9.2 技術情報レポート 2012年度(冊子/年1回刊)
能性を探索している。これらは光コンピューティング普及の突
2012年度の調査・研究開発活動の概要
破口を切り拓く先駆的な業績として今後の光産業の発展に貢
献するところが大きい。」ことによる。また、同じく受賞の栄に
レーザー医学会の活動、レーザー医療機器の開発と臨床応用
9.3 Annual Technical Report 2012
(海外向け英文誌/年1回刊)
において主導的役割を果たし、医用レーザー専門英文 雑誌
技術情報レポート 2012年度の英語版
輝いた医療機器センター他の菊地眞氏らの受賞理由は、
「日本
「LASER THERAPY」の創刊と現在に及ぶ編集発行を通し
9.4 ホームページ・メールによる情報配信
(http://www.oitda.or.jp)
て国内外のレーザー医療の発展に努めた。形成外科、皮膚
科、整形外科での臨床治療を行うとともに産婦人科・口腔歯
科・眼科などへの応用を支援する各種レーザー機器の保守・
事業報告を始め、マンスリーセミナー、光産業技術・標準化
安全性を指導している。また、国産医用レーザー機器の開発・
シンポジウム、レーザ安全スクール、各種研究会やフォーラムの
供給をめざした国家プロジェクトとして医工産連携活動を先導
開催案内等の各種情報をホームページに掲載し、またメールに
している。特に世界に先駆けてレーザー医療の専門医制度及
よる情報配信を行うことにより、光技術関係者への情報提供を
び安全教育制度の確立に貢献した。レーザー医療の安全と普
している。
及・拡大、機器開発に努めたことは今後の光産業の発展に貢
主要なホームページ掲載情報:
献するところが大きい。」ことによる。
◦ 光産業国内生産額・全出荷額調査結果
◦ 技 術情報レポート2012年度、Annual Technical Report
以上の4氏に対する表彰は、2014年2月13日に開催された平
2012
成25年度光産業技術シンポジウムの終了後に行われた。
櫻井健二郎氏記念賞委員会委員長、神谷武志氏(東京大学 ◦ 標準化活動(OITDA規格制定、JISリスト、JIS化原案作
成とTP(技術資料)リスト)
名誉教授)による選考経過報告の後、賞状、メダル、副賞が各
◦ 賛助会員用のページ更新(オプトニューズ、報告書、国際
受賞者に手渡され、引き続き受賞者を代表して渡邉氏、菊地氏
会議速報、プレスリリースの先行掲載)
より謝辞が述べられ、表彰式を終了した。
9. 普及・啓発活動
9.5 国際会議速報(賛助会員向)
オプトニューズ、技 術 情 報レポート2 01 2 年度、A n nu a l
国際会議速報は、主要国際会議での光技術研究開発の先
Technical Report 2012(英文誌)を発行した。また、1996年か
端動向を、執筆者の主観的な意見を交え、会議終了後にEメー
ら開設しているホームページや、メールによる情報提供を行っ
ル配信する情報提供サービスである。本年度は50件の速報を
ている。
発行した。速報対象会議(略称)、速報テーマ、会議時期(開
始日)、技術分野を表5に示す。
9.1 オプトニューズ(賛助会員向け)
協会事業、テクノロジートレンド、リサーチ&アナリシスといっ
た当協会の事業活動報告、光技術・産業動向調査委員会の調
査による最新動向・トピックスを紹介。
① Vol.8,No.1(2013)
(2013年5月15日Web掲載)
:テクノロジートレンド、リサーチ&アナリシス 他
② Vol.8,No.2(2013)
(2013年7月22日Web掲載)
:インターオプト2013予告、テクノロジートレンド、
リサーチ&アナリシス他
③ Vol.8,No.3(2013)
(2013年9月18日Web掲載)
:インターオプト2013 特集、テクノロジートレンド、
リサーチ&アナリシス他
④ Vol.8,No.4(2013)
(2013年11月20日Web掲載)
:インターオプト2013報告、テクノロジートレンド、
リサーチ&アナリシス他
⑤ Vol.8,No.5(2013)
(2014年1月24日Web掲載)
:年頭所感、光関連団体国際会議(IOA)報告、
レーザ安全スクール・試験実施報告 他
⑥ Vol.8,No.6(2013)
(2014年3月25日Web掲載)
62
技術情報レポート
2013年度OITDA
表5 2013(平成25)年度 国際会議速報発行リスト
No.
速報対象会議
速報テーマ
会議開始日
技術分野
1
PW2013
光有機材料
2013/2/2
光有機材料・デバイス
2
2013MRS Spring
化合物薄膜太陽電池
2013/4/1
光エネルギー
3
CPV9
集光型太陽光発電
2013/4/15
光エネルギー
4
DH2013
ディジタルホログラフィと3Dイメージング
2013/4/21
情報処理フォトニクス
5
OFC/NFOEC 2013
通信用光デバイス・モジュール
2013/3/17
光無機材料・デバイス
6
EOSOF2013
微小流体光学
2013/5/13
加工・計測
7
SID2013
OLED、フレキシブルディスプレイ
2013/5/19
ディスプレイ
8
SID2013
LCD関連
2013/5/19
ディスプレイ
9
ECBO
生体医用光学
2013/5/12
加工・計測
10
IPRM2013
通信用光材料・デバイス
2013/5/19
光無機材料・デバイス
11
ICNP2013
ナノフォトニクス
2013/5/19
情報処理フォトニクス
12
SPP6
ナノフォトニクス
2013/5/26
情報処理フォトニクス
13
WPC2013
光デバイス
2013/5/13
光無機材料・デバイス
14
LOPE-C
印刷エレクトロニクス
2013/6/11
ディスプレイ
15
CLEO2013
光デバイス
2013/6/9
光無機材料・デバイス
16
IISW2013
イメージセンサ
2013/6/12
ヒューマンインタフェース
17
IEEE-PVSC
太陽光発電システム
2013/6/16
光エネルギー
18
IEEE-PVSC
化合物薄膜太陽電池
2013/6/16
光エネルギー
19
CLEO-PR2013
テラヘルツ関連
2013/6/30
加工・計測
20
OECC/PS2013
通信用デバイス
2013/6/30
光無機材料・デバイス
21
OECC/PS2013
基幹伝送
2013/6/30
光通信ネットワーク
22
OECC/PS2013
光アクセス
2013/6/30
光通信ネットワーク
23
LAMP2013
ガラス加工、表面改質ならびに光源技術
2013/7/23
加工・計測
24
ICNS-10
GaN系、可視/紫外域光源
2013/8/25
光無機材料・デバイス
25
GFP2013
IV族系フォトニクス
2013/8/28
情報処理フォトニクス
26
GFP2013
IV族系材料・デバイス
2013/8/28
光無機材料・デバイス
27
IRMMW-THz2013
赤外・ミリ波・テラヘルツ関連
2013/9/1
光無機材料・デバイス
28
E/PCOS2013
相変化材料
2013/9/8
情報処理フォトニクス
29
ICFPE2013
プリンテッドエレクトロニクス
2013/9/10
光有機材料・デバイス
30
ECOC2013
光アクセス
2013/9/22
光通信ネットワーク
31
ECOC2013
光ネットワーク
2013/9/22
光通信ネットワーク
32
ECOC2013
シリコンフォトニクス
2013/9/22
情報処理フォトニクス
33
ECOC2013
光ファイバ
2013/9/22
光通信ネットワーク
34
ECOC2013
基幹伝送
2013/9/22
光通信ネットワーク
35
ECOC2013
通信用光デバイス・モジュール
2013/9/22
光無機材料・デバイス
36
ICALEO2013
レーザ加工
2013/10/7
加工・計測
37
ISOM ʼ13
光メモリ
2013/8/19
情報処理フォトニクス
38
EU PVSEC2013
評価関連
2013/9/30
光エネルギー
39
PVSEC23
結晶シリコン太陽電池
2013/10/28
光エネルギー
40
ASSP2013
高出力固体レーザ技術
2013/10/27
加工・計測
41
PCOS2013
相変化材料・デバイス
2013/11/28
情報処理フォトニクス
42
DSC-OPV8
色素増感太陽電池
2013/11/23
光エネルギー
43
IDW ʼ13
LCT関連
2013/12/4
ディスプレイ
44
IDW ʼ13
OLED関連
2013/12/4
ディスプレイ
45
IDW ʼ13
要素材料、量子ドット関連
2013/12/4
ディスプレイ
46
IDW ʼ13
フレキシブルエレクトロニクス
2013/12/4
光有機材料・デバイス
47
PW2014
バイオメディカル
2014/2/1
加工・計測
48
OFC2014
光ネットワーク
2014/3/9
光通信ネットワーク
49
OFC2014
基幹伝送
2014/3/9
光通信ネットワーク
50
OFC2014
光アクセス
2014/3/9
光通信ネットワーク
技術情報レポート
2013年度OITDA
63
2013(平成25)年度の各種委員会等
名 称
(データは年度末時点・敬称略)
開催回数
委員数
2
13
荒川 泰彦(東京大学)
○井口、鈴木
6
9
髙田 英明(NTT)
○井口、石森、高橋
2
50
中野 義昭(東京大学)
○綿貫、鈴木
光無機材料・デバイス(第1分科会)
3
8
土屋 朋信(日立製作所)
○山田
光通信ネットワーク(第2分科会)
3
7
平野 章(NTT)
○中野
情報処理フォトニクス(第3分科会)
3
8
的場 修(神戸大学)
○潮田
加工・計測(第4分科会)
3
9
藤田 雅之(レーザー技術総合研究所)
○三浦
光エネルギー(第5分科会)
3
9
山田 明(東京工業大学)
○宮本
光有機材料・デバイス(第6分科会)
3
8
山本 典孝(産業技術総合研究所)
○石森
特許動向調査委員会
5
9
児玉 泰治(産業技術総合研究所)
○高橋
光産業動向調査委員会
2
10
小林 直人(早稲田大学)
○宮本、鈴木
情報通信調査専門委員会
3
6
山林 由明(千歳科学技術大学)
○三浦、鈴木
情報記録調査専門委員会
3
6
中川 活二(日本大学)
○井口、鈴木
入出力調査専門委員会
3
6
川本 広行(早稲田大学)
○綿貫、鈴木
ディスプレイ・固体照明調査専門委員会
3
4
面谷 信(東海大学)
○高橋、鈴木
太陽光発電調査専門委員会
4
15
黒川 浩助(東京工業大学)
○潮田、鈴木
レーザ加工調査専門委員会
3
7
杉岡 幸次(理化学研究所)
○臼井、鈴木
センシング・計測調査専門委員会
4
7
伊藤 雅英(筑波大学)
○山田、鈴木
櫻井健二郎氏記念賞委員会
1
10
神谷 武志(東京大学)
○臼井、三枝
光産業技術標準化総合委員会
1
38
江村 克己(日本電気)
○村田、増田、小林
3
18
川瀬 正明(千歳科学技術大学)
○村田、潮田
3
7
川瀬 正明(千歳科学技術大学)
○村田
○綿貫、中野
技術戦略策定委員会
光ユーザインタフェース技術合同専門委員会
光技術動向調査委員会
ファイバオプティクス標準化委員会
企画調整専門委員会
委員長等(所属)
事務局(○印は主担当)
ダイナミックモジュール専門委員会
6
16
井藤 幹隆(NTT)
建物内光配線システム専門委員会
5
12
家田 浩司(NTT)
○宮本
光ファイバセンサ専門委員会
4
12
田畑 和文(日鐵住金溶接工業)
○三浦、宮本
光ファイバ標準化委員会
5
16
泉田 史(NTT)
○臼井、石森
光コネクタ標準化委員会
8
18
栁 秀一(NTT)
○三浦、村田
光受動部品標準化委員会
9
13
水本 哲弥(東京工業大学)
○井口、村田
光能動部品標準化委員会
7
13
吉田 淳一(千歳科学技術大学)
○綿貫、三浦
光増幅器標準化委員会
5
17
山田 誠(大阪府立大学)
○中野、綿貫
光サブシステム標準化委員会
5
12
高良 秀彦(NTT)
○潮田、高橋
光測定器標準化委員会
5
15
野口 一博(東北工業大学)
○山田、石森
ISO/TC172/SC9国内対策委員会
2
16
波多腰 玄一(東芝)
○増田、小林
○高橋、石森
光ディスク標準化委員会
3
17
入江 満(大阪産業大学)
メディア専門委員会
6
10
谷口 昭史(パイオニア)
○高橋、石森
アプリケーション専門委員会
5
11
大澤 英昭(東芝)
○石森、高橋
フォーマット専門委員会
12
9
小町 祐史(国士舘大学)
○高橋
レーザ安全性標準化委員会
6
26
橋新 裕一(近畿大学)
○村田、小林
新光源プロジェクタ専門委員会
5
5
三橋 正示(ソニー)
○村田
ビームデリバリ専門委員会
2
8
鷲尾 邦彦(パラダイムレーザリサーチ)
○村田
高速車載LAN用光伝送サブシステムの
試験方法に関する標準化提案委員会(Vプロ)
3
16
長瀬 亮(千葉工業大学)
○石森、綿貫
光通信システムのスマート化に適用した
光部品の国際標準化提案委員会(Tプロ)
3
8
長瀬 亮(千葉工業大学)
○三浦、増田
レーザ機器の安全・安心に関する調査研究委員会
2
7
橋新 裕一(近畿大学)
○村田
レーザ安全スクール実行委員会
1
9
新井 武二(中央大学)
○大熊
レーザ機器取扱技術者試験委員会
3
9
入江 宏定(日本溶接技術センター)
○大熊
開催回数
会員数
フォトニックデバイス・応用技術研究会
研究会名称
6
47
下村 和彦(上智大学)
○三浦、綿貫
光材料・応用技術研究会
4
40
皆方 誠(静岡大学)
○山田、宮本
光ネットワーク産業・技術研究会
5
60
山林 由明(千歳科学技術大学)
○中野、井口
多元技術融合光プロセス研究会
5
55
小原 實(慶應義塾大学)
○潮田、石森
64
代表幹事(所属)
事務局
技術情報レポート
2013年度OITDA
賛助会員名簿
[2014(平成26)年3月31日現在]
[建 設]
[鉄鋼・非鉄金属]
日本電気株式会社
[商業・広告]
株式会社きんでん
日鐵住金溶接工業株式会社
パイオニア株式会社
株式会社ICSコンベンション
パナソニック株式会社
デザイン
浜松ホトニクス株式会社
アドコム・メディア株式会社
[繊維・紙パルプ]
[電線・ケーブル]
株式会社日立製作所
株式会社オプトロニクス社
東レ株式会社
岡野電線株式会社
ヒロセ電機株式会社
伯東株式会社
三菱レイヨン株式会社
昭和電線ホールディングス
ファイベスト株式会社
丸文株式会社
株式会社
華為技術日本株式会社
住友電気工業株式会社
富士通株式会社
[化 学]
株式会社フジクラ
本多通信工業株式会社
[電 力]
安達新産業株式会社
古河電気工業株式会社
三菱電機株式会社
一般財団法人電力中央研究所
信越化学工業株式会社
三菱電線工業株式会社
株式会社村田製作所
住友ベークライト株式会社
山一電機株式会社
ダイキン工業株式会社
山村フォトニクス株式会社
[その他製造]
日産化学工業株式会社
[電子・電気機器]
横河電機株式会社
アダマンド株式会社
富士フイルム株式会社
株式会社アドバンテスト
ローム株式会社
岩崎電気株式会社
三菱エンジニアリング
アンリツ株式会社
株式会社オプトクエスト
ウシオ電機株式会社
大日本印刷株式会社
プラスチックス株式会社
NTTエレクトロニクス株式会社
[精密機器]
沖電気工業株式会社
オリンパス株式会社
京セラ株式会社
キヤノン株式会社
[その他]
[ガラス・窯業]
santec株式会社
コニカミノルタ株式会社
NTTアドバンステクノロジ
旭硝子株式会社
三和電気工業株式会社
シグマ光機株式会社
コーニングインターナショナル
シャープ株式会社
駿河精機株式会社
株式会社グラノプト
ソニー株式会社
セイコーインスツル株式会社
株式会社KDDI研究所
タイコ エレクトロニクス
株式会社精工技研
一般社団法人
山本光学株式会社
株式会社
住友大阪セメント株式会社
株式会社テクニカル
東洋製罐グループ
ホールディングス株式会社
日本板硝子株式会社
ジャパン合同会社
株式会社トプコン
日本オプトメカトロニクス協会
太陽誘電株式会社
株式会社ニコン
日本電信電話株式会社
TDK株式会社
株式会社ニデック
技術研究組合
株式会社東芝
富士ゼロックス株式会社
光電子融合基盤技術研究所
日本オクラロ株式会社
株式会社リコー
公益財団法人
日本航空電子工業株式会社
技術情報レポート
2013年度OITDA
株式会社
レーザー技術総合研究所
65
賛助会員ご入会のおすすめ
一般財団法人光産業技術振興協会は、1980年に設立されて以来、光産業技術の振興に寄与する各般の事業を遂行してお
ります。
当協会では、時代を先取りする光技術分野のテーマに挑戦して積極的な活動を繰り広げていることが大きな特徴であり、
当協会の賛助会員の方々はいろいろな機会や情報を活用していただくことができます。
~賛助会員の主な特典~
⑴ 各種調査報告書、技術情報レポート等を入手することができます。
⑵ 「オプトニューズ」
(年6回発行)、各種「国際会議速報」のメール・Web配信により、最新の情報を得ることができます。
⑶ 技術指導制度により、光技術関連(例:レーザ安全、新技術関連等)の相談・質問を受け付け、専門の研究者・技術者に
よる技術・情報指導を受けることができます。
⑷ 当協会が主催するシンポジウム、セミナー、講演会・講習会などへ「ご招待又はご優待」にて参加することができます。
*⑴、⑵は基本的に賛助会員限定です。
~賛助会費~
1口 1事業年度(4月~3月)につき、36万円(月平均3万円)です(税別)。
~お問合せ~
入会手続きなどについての詳細は当協会 総務部までお問い合わせください。
一般財団法人光産業技術振興協会 総務部
TEL:03-5225-6431,FAX:03-5225-6435
E-mail:[email protected]
http://www.oitda.or.jp
光産業技術標準化会ご入会のおすすめ
当協会の光産業技術標準化会(略称、光標準化会)は、各界の多くのご賛同及びご支援を得て1988年に設立されて以
来、光技術の各般の標準化事業を推進しております。
この間、標準化の対象は、通信関連に加え情報関連、さらに国際標準関連にも拡大しています。これまでに作成した工業標
準素案のうち約260件がJISとして制定される一方、国際標準関連では、IEC、ISOに対応するそれぞれの国内対策委員会を設
け、国際規格への提案も積極的に行っています。光標準化会会員の方々はいろいろな機会や情報を活用していただけます。
~光標準化会会員の主な特典~
⑴ 光標準化会「総会」へ出席し、光標準化会の事業報告及び事業計画をうけることができる。
⑵ 「光標準化ニュース」等により、光産業技術標準化各分野別部会の活動及びその他光産業技術の標準化に関する情報
をいち早く入手することができ、また、光産業技術標準化各分野別部会の議事録、議事資料の閲覧が可能となる。
⑶ 光標準化会が主催する光標準化シンポジウム等に優先的に無料で参加できる。
⑷ 光産業技術標準化各分野別部会関係の報告書を入手できる。
(賛助会員のみの会員は入手できません。)
~標準化会会費~
1口1事業年度(4月~3月)につき、13万円(税別)。
~お問合せ~
入会手続きなどの詳細は、当協会 開発部標準化室までお問い合わせください。
一般財団法人光産業技術振興協会 標準化室
TEL:03-5225-6431,FAX:03-5225-6435
http://www.oitda.or.jp
66
技術情報レポート
2013年度OITDA
研究会 会員募集
当協会では、光技術各分野の最新情報を交換して各分野での研究開発を促進し、産学官連携強化を図る場として
4つの研究会を設けております。研究会は、個人会員で構成され、通常、講演と質疑応答を行っております。また、時に
応じて見学会、説明会、公開討論会も開催しております。それぞれの光技術テーマにご関心をお持ちの方のご参加をお
待ちしております。
お問い合せ、お申込等詳細は下記ホームページをご覧下さい。
1. フォトニックデバイス・応用技術研究会
フォトニックデバイス・応用技術研究会は、
「フォトニックデバイス」、並びに「その応用技術」の現状および動向・展
望を話し合い、産官学会員相互の情報交換を通じて光技術の振興を図ることを目的として、毎回各種光デバイスから
光通信システムに至る幅広い最新光技術情報に関する講演会を開催し会員の皆様にご提供しています。
◦ 年間開催回数:6回(内1回はワークショップとして、一般公開講演会)
◦ 年 会 費:36,000円/人(年度途中入会割引あり)
◦参 加 資 格:各研究会は会員のみ参加できます。
(特別聴講制度あり)
詳細はこちら→http://www.oitda.or.jp/main/study/pd/pdstudy.html
2. 光材料・応用技術研究会
光学結晶・材料から光材料関連デバイス・システム応用に至る広範囲な分野に於きまして、専門講師をお招きして先
端研究/レビュー/国際会議報告・会員報告などホットなテーマを提供しています。また年4回の内1回は宿泊開催と
し、会員相互の活発な交流・情報交換の場を提供しています。
◦ 年間開催回数:4回(内1回宿泊開催)
◦ 年 会 費:一般(企業)50,000円/人(年度途中入会割引あり)、大学・旧国公立研究所 10,000円/人
◦ 特 別 聴 講:一般 15,000円/人/回、会員と同一企業/大学等 3,000円/人/回
詳細はこちら→http://www.oitda.or.jp/main/study/omat/2014omat/omat.html
3. 多元技術融合光プロセス研究会
レーザ光源から加工の基礎・周辺技術、およびマイクロプロセスからマクロ加工まで、光プロセスに関する様々な話
題を提供しています。
◦ 年間開催回数:5回
◦ 年 会 費:正会員 一般 50,000円/人、大学・公的機関 30,000円/人、準会員 30,000円/人
◦ 特 別 聴 講:15,000円/人/回
※正会員には8枚、準会員には4枚の参加票をお送りします。1回ごとに1枚ずつの参加票を御持参下さい。また会員
以外の方に譲って紹介していただくことも可能です。
詳細はこちら→http://www.oitda.or.jp/main/study/tp/tp.html
4. 光ネットワーク産業・技術研究会
光ネットワークにおける光ノード・光スイッチ、次世代光ファイバ、アクセス系、光インタコネクション等の産業動向、
技術動向に関する情報収集及び意見交換を行うとともに、それらの将来展望について討論することにより、光ネット
ワーク分野の産業育成と振興を図ります。
◦ 年間開催回数:5回(内1回は公開ワークショップ)
◦ 年 会 費:50,000円/人(年度途中入会割引あり)
◦ 特 別 聴 講:(光協会賛助会員)15,000円/人/回、
(一般)20,000円/人/回
詳細はこちら→http://www.oitda.or.jp/main/study/pnstudy/pnstudy.html
技術情報レポート
2013年度OITDA
67
―禁
無
断
転 載―
技術情報レポート
発 行 2014(平成26)年5月
編集・発行 一般財団法人光産業技術振興協会
OITDA Optoelectrics Industry and Technology Development Association
〒112-0014 東京都文京区関口一丁目20番10号
住友江戸川橋駅前ビル7階
電 話:03-5225-6431, FAX:03-5225-6435
URL:http://www.oitda.or.jp
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