Comments
Description
Transcript
プレゼン
発表番号: D4-3 地域ICT振興型研究開発(課題番号: 092307004) バイタルセンサの臨床データ取得と そのユビキタス健康監視への応用 に関する研究開発 大阪市立大学 大学院 工学研究科/医学研究科 原晋介,竹内一秀,中村肇, 中島重義,辻岡哲夫 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 1 背景と目的 日本の医療現場の問題点 ・高齢者の人口増加に伴う病床数、医師数の不足 ・医療従事者への業務負担の増加 ユビキタス健康監視の提案 ・ワイヤレス生体センサを用いて心電データと3軸加速度データ を測定し、病院外から健康状態をリアルタイムに監視する ・心電データを自動解析して、病状(不整脈など)を 分類するトリアージエンジンを構築する 医療機器として利用されているホルター心電計との比較臨床試験 を行い,ワイヤレス生体センサがユビキタス健康監視のために 十分な性能を有しているかどうか評価したのち,バイタルデータ 解析アルゴリズムと遠隔ヘルスケアシステムを開発する 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 2 ユビキタス健康監視 心電計着脱 24時間のホルター心電計測定 データを解析してからの診断 リアルタイムではない (a) ホルター心電計による従来の診断 緊急アラーム コンピュータによる 自動診断補助 専門医による 診断 ワイヤレス生体センサによる バイタルデータ測定 (b) ワイヤレス生体センサによるユビキタス健康監視 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 3 研究開発項目 臨床試験によるバイタルデータ取得 ホルター心電計とワイヤレス生体センサの比較 ダイバーシチ受信によるデータ欠損率の低減化 実際の病室に11台の受信機を設置して臨床試験 バイタルデータ解析アルゴリズム開発 受信機PC1台を持ち運び,生活行動 → 健常者67名,疾患者60名 致死性不整脈の正確な検出 遠隔ヘルスケアシステムの開発 2011/10/4 ダイバーシチ受信,行動分析,不整脈検出を組み 込んだシステムの構築 SCOPE 第7回成果発表会 4 臨床試験によるバイタルデータ取得 被験者にワイヤレス生体センサとホルター心電計の両方を装着 24時間の日常生活の中で、両心電計からデータを収集し、比較解析 ※受信機PC(ノートパソコン)の半径10m以内から離れないようにする 2009年度 健常者 67名 (男性30名:女性37名 21~49歳) 2010年度 循環器系疾患者 60名 (男性47名:女性13名 25~84歳) 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 5 臨床試験によるバイタルデータ取得とワイヤレス生体センサの性能解析 ワイヤレス生体センサの諸元 大きさ 40×35×7.2mm 重さ 11.8g(電池含む) サンプリングレート 102Hz or 204Hz 量子化ビット 10bit 送信周波数 2.4GHz 伝送可能距離 10m 心電データ、3軸加速度データ、体表温度、心拍数の測定が可能 ※サンプリングレートがホルター心電計(125Hz, 12bit)と異なるので、 両データを比較する際にサンプリングレート変換を行う 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 6 臨床試験によるバイタルデータ取得とワイヤレス生体センサの性能解析 臨床試験結果(心電図波形) 被験者 No.12 11:30:00 – 11:30:02 サンプリングレート:125Hz 相関係数:0.93 4 3.5 3 2.5 2 holter-ch2 1.5 holter-ch1 sensor 1 0.5 0 1 21 41 61 81 101 121 141 161 181 201 221 241 -0.5 サンプル数 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 7 臨床試験によるバイタルデータ取得とワイヤレス生体センサの性能解析 臨床試験結果(データ欠損率) 平均欠損率:0.22 50% 80% (2009年度分) 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 8 臨床試験によるバイタルデータ取得とワイヤレス生体センサの性能解析 臨床試験結果(相関係数) (x rxy i x )( y i y ) / N 平均相関係数 x y 被験者 No.10:0.76 被験者 No.12:0.85 2秒間(250サンプル)の局所相関を、1時間ごとに算出 1 0.8 0.6 #10 #12 0.4 0.2 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 経過時間 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 9 臨床試験によるバイタルデータ取得とワイヤレス生体センサの性能解析 臨床試験結果(RR50) RR50 心拍間隔が直前の値よりも50ms以上差があ る場合の頻度 相関係数: 0.994 (非常に高い相関) 0.6 RR50 0.5 1.0 0.9 0.8 おおむね0.9以上の 高い相関が得られた 0.7 0.4 0.6 holter 0.5 sensor 0.3 0.4 0.2 0.3 0.2 データの欠損 0.1 0.1 0 0.0 1 2 3 4 5 6 7 8 1 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 2 3 4 5 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 被験者番号 経過時間 24時間のRR50の変化(被験者No.34の場合) 2011/10/4 6 SCOPE 第7回成果発表会 被験者ごとの相関係数 10 臨床試験によるバイタルデータ取得とワイヤレス生体センサの性能解析 ダイバーシチ受信の臨床試験 実際の病室を使った24 時間臨床試験 受信機を複数配置 デスクレベル(1.00〜 1.20m) シーリングレベル (2.35〜2.60m) ミックスレベル 複数の受信機のデータ をダイバーシチ受信 データ欠損率を下げるた めの効果的な受信機台 数と配置を検討する 2011/10/4 大阪市立大学医学部附属病院 特別 病棟病室 SCOPE 第7回成果発表会 11 臨床試験によるバイタルデータ取得とワイヤレス生体センサの性能解析 病室内での受信機配置 シーリングレベルでの配置 J デスクレベルでの配置 E 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 D 12 臨床試験によるバイタルデータ取得とワイヤレス生体センサの性能解析 ダイバーシチ受信による欠損率低減化(1) ダイバーシチ受信なし 2011/10/4 ダイバーシチ受信あり SCOPE 第7回成果発表会 13 臨床試験によるバイタルデータ取得 ダイバーシチ受信による欠損率低減化(2) Number of receivers 1.E+00 1 Data loss rate 1.E-01 1.E-02 1.E-03 1.E-04 1.E-05 2 3 4 窓 (ceiling) 中央(ceiling) + 冷蔵庫 (desk) 1%以下 5 最適配置 パターン 中央(ceiling) + TV横(desk) + 窓 (ceiling) 1/350 0.01%以下 ダイバーシチ受信機台数とデータ欠損率の関係 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 14 バイタルデータ解析アルゴリズム 不整脈の検出 期外収縮性不整脈(運動中にも発生) → テンプレート相関法による検出 致死性不整脈(直ちに医師に連絡が必要) → 時変スペクトルに基づく検出 100 90 % Success 80 70 60 50 40 30 Adapted from text: Cummins RO, Annals Emerg Med. 1989, 18:1269-1275. 20 10 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 Time (m) 致死性不整脈の発生経過時間と生存率の関係 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 1分ごとに蘇生成功率 が10%低下する 15 バイタルデータ解析アルゴリズム開発 心電図波形と周波数スペクトル 正常時の⼼電図波形 2011/10/4 ⼼室細動時の⼼電図波形 SCOPE 第7回成果発表会 16 バイタルデータ解析アルゴリズム開発 致死性不整脈の検出法 短時間フーリエ変換 平滑化疑似ヴィグナービレ分布よりも周波数分解能 は低いがデータ欠損率が高い場合にロバスト カイザー窓 (パラメータ:β) スペクトルしきい値に基づいた致死性不整 脈検出 スレッショルドピーク数(n)と係数(α),窓長 窓をシフトしながらピーク数判定を行い, 過半数を超えていれば致死性不整脈と判定 P max ☓ Pmax ◯☓☓◯☓ 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 ◯ ◯☓◯◯◯ 17 バイタルデータ解析アルゴリズム開発 パラメータの最適化(1) TP : 致死性不整脈 ⇒ 致死性不整脈として検出 TN : 非致死性不整脈 ⇒ 非致死性不整脈として検出 FP : 非致死性不整脈 ⇒ 致死性不整脈として誤検出 FN : 致死性不整脈 ⇒ 非致死性不整脈として検出 全致死性不整脈数に対する検出率 全検出数に対する正答率 TP Sensitivity= TP FN TN Specificity= TN FP (特異度) β=7.0 最適値 β=2.0, width=5.12秒 Specificity=99.97% α=0.1, n = 5 2011/10/4 (感度) SCOPE 第7回成果発表会 18 バイタルデータ解析アルゴリズム開発 パラメータの最適化(2) 最適パラメータ: n=5,α=0.0825, β=2.0, 窓⻑ 5.12秒のとき Sensitivity=100% (検出⾒逃しFN=0) Specificity=99.99%を達成 (FN=0) (FN=1) (FN=2) n=5 ※データ欠損率が20%の場合は 検出見逃し率が10%発生する → ダイバーシチ受信の必要性を確認 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 19 遠隔ヘルスケアシステムの開発 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 20 遠隔ヘルスケアシステムの開発 ソフトウェア構成 トリアージエンジン 受信機 Receiver Developed by C++ Desk top PC Windows Application Software Developme nt Kit RF Receiver Driver Wireless channels #1~#5 HTTP Ring buffer Middleware ×8 Developed by C++ Data Collector Triage Engine Human Interface Developed by JAVA ダイバーシチ受信 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 21 遠隔ヘルスケアシステムの開発 トリアージエンジンの解析画面 3軸加速度による 行動分析結果 (walk, run, sit, stand, sleepなど の推定ができる) 致死性不整脈を 検出すると, ・行動分析結果 ・バイタルデータ ・心電図データ を添えて,医師に メール送信する 2011/10/4 SCOPE 第7回成果発表会 22 まとめ 臨床試験によるバイタルデータ取得とワイヤ レス生体センサの性能解析 健常者67名,疾患者60名による臨床試験 バイタルデータ解析アルゴリズム開発 高い相関係数 平均データロス率は約20% ダイバーシチ受信により病室での最適な受信機配置, データ欠損率の低減化を確認した(2台時1%以下,3台 時0.01%以下) 致死性不整脈の正確な検出を目指した. 100%検出可能な(誤検出率0%の)パラメータであっ ても99.99%の正確さ(0.01%の誤検出率)を達成した 遠隔ヘルスケアシステムの開発 2011/10/4 ダイバーシチ受信,行動分析,不整脈検出を組み込 んだシステムを構築した SCOPE 第7回成果発表会 23