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EXEGUTWE SUMMARY

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EXEGUTWE SUMMARY
世界 の 女性 の進歩 2008-2009 要 旨
誰 が 女性 に答 える のか ?
ジェンダ ーとアカウンタビリティ
United‖ ations
W珊笏
世界 の女性 の進 歩 2008/2009 要 旨
誰が女性 に答えるのか ?
行
発
NPO法
人 ユ ニ フ ェム 日本 国 内委 員 会
〒2440816横 浜市戸塚区上倉田町4351
TEL/FAX 045-869-6787
翻 訳 ・ 監修
発
行
日
印
刷
所
ユ ニ フ ェム 日本 国 内委 員 会 国 際部 会
2008年 12月 4日 発 行
ミナ カ タ 印刷
『世界 の女性 の進歩 (2008/2009):誰 が女性 に答 え るのか ?―― ジェンダ ー
とアカウ ンタ ビ リテ ィーー』 は、女性 の権利 を実現 し、 ミ レニ アム 開発 目標
を達成で きるか どうかは、 女性 とジェンダ ー 平等 に対す る約束 の履行 を促す
能 力 (ア カウ ンタ ビ リテ ィ)を 強化 で きるか否か にかか って いる こと を示 し
て い ます。 この報告書 で 取 り上げて いる事例 は、女性 の権利が生活 の実質的
な改善 につなが り、 か つ ジェンダー 平等が実 際 に実現す るため には、 女性が
公共 の意思決定 の あ らゆる レベ ル に十分 に参画 で き、そ の権利 が侵 され た り、
ニー ズが無視 され た とき、そ の 責任 を問 う能 力 を強化 しなければ な らない こ
とを明 らか に して い ます。 ミ レニ アム 開発 目標達成 の期 限 で ある2015年 へ の
中間点 で 公表 され た この報告書 は、女性 のエ ンパ ワー メン トとジェンダー 平
等 が、貧 困 の 削減 、 食 の安全保 障 の構築、妊産婦 の死 亡率 低減 、 援助 の効果
向 上 の推進役 にな る ことも明示 して い ます。
この報告書 の 各章 では、 ジ ェンダ ー に基 づ く不公正 を暴 き、 是正 を求 める
女性 たち の努 力が、 アカ ウ ンタ ビ リテ ィ に対す る私 たち の考 え方 を どう変 え
て きたか を例証 して い ます。様 々 な女性グル ー プがそ の権利 を獲得す るため
に 明 らかな挑戦課題 に遭遇 して いる ことを認 めて、 この報告書 では、 社会か
ら疎外 され た多 くの女性 が、公約不履行 の 責任 を明 らか に し、 是正 を求 めた
例 な ど、 様 々 な事例 を紹介 して い ます。
女性 に とって アカウ ンタ ビ リテ ィ の改善 は、政策決定 に関わ る女性 の数 を
増やす ことか ら始 ま りますが、そ こで 留 まる ものでは あ りませ ん。 さ らに強
力な権 限 とよ り明 白な実績 の指標、励 み とな る動機 、 持統 的な提唱 の努 カー
ー つ ま り、優 れた統 治能 カーー が必要です。『世界 の女性 の進歩 2008/2009年 』
は、 ジェンダー平等 へ の約束 が国内的 にも国際的 に も完全 に達成 され るため
に、 優れた統治 には女 性 が必要で あ り、女性 は優 れた統治 を必 要 として い る
ことを明確 に示 して い ます。
報告書 の概観
今 日まで 女性 の議員数 は世 界 中で 男性 の 4分 の 1に す ぎませ ん。地 球全体 の
あ らゆる無 償 の家庭 内労働 の大多数 (60%以 上 )は 女性が担 って い ます。 女
性 の労働賃金 は男性 よ り17%も 少な いので す。 ア フ リカのサハ ラ以南 の地域
で は、 女性 のHIV感 染者 の割 合 が 男性 の 3倍 に もな って い ます。 世界 には、
妊産婦 の死亡 を防止す る方法が費用効果 も高 く、 よ く知 られて い るに もかか
わ らず、女性 の 10人 に 1人 が妊娠 に 関連す る原 因 で死 亡 して いる地域が あ り
ます。 国 内的お よび 国際的な約束がな され て 10年 経 つ のに、 このよ うな規模
の差異が ある ことは、 アカウ ンタ ビ リテ ィが危機 に陥 って いる ことの現 われ
です。
『世界 の女性 の進歩』 は、女性 に とって の アカ ウ ンタ ビ リテ ィ強化 が必要
な 5つ の重 要 な領 域 に焦点 をあてて い ます。す なわ ち、政治 と統治、公共サ ー
ビス ヘ のア クセス、経 済 的な機会、 司法、 さ らには、 開発 と安全保 障 に対す
る 国際支援 の配分、 です。
●
かつてな く多 くの女性 が政府 に参画 して います。 国家 レベ ル で の女性 の
国会議員 の比率 は、1998年 か ら2008年 まで の 10年 間 に 8%伸 びて、現在、
世界 の平均比率 は 18.4%と な って い ます。 しか し、 現在 の増加率 を維持
した として も、 開発途 上 国 にお ける女性 の政治参画率 は、2045年 まで 40
∼ 60%と い う 「対等域」 には 達 しな いで しょう。 ク ォー タ制や 臨時 の特
別措置 は進 歩 を確実 にす る ことが証明 されて いる方法 で す。何 らか の形
の ク ォー タ制 を適用 した 国は、女性議員 の割合が平均 19.3%を 占めた の
に対 して、 ク ォー タ制 のな い 国 では 14.7%に 留 まって い ます。
●
女性 のニーズ に応 えるサ ー ビス の提 供 は、政府 の公約履行責任 を測 る指
標です。 この報告書 による と、 きわめて 多 くの課題が ある ことがわか り
ます。 ア フ リカ のサハ ラ以南地域 だ け で、 女性 は水汲 み 作 業 に年 間 400
億時間 を費や して います―一 これは フランスの金 労働者 の 年間 の労働時
間 に相 当 します―― そ の理 由は、住居やそ の近辺 に水 を汲 む 場所がな い
家庭が多 い か らです。 世界全体 では、妊産婦 の死 亡率は 年間わず か 0.4%
しか 減 少 して い ませ ん一 ― 因み に、 MDGsの 第 5目 標 を達 成す る には、
5.5%の 減 少率が必要 です。 女性 は い まなお、保健、教育、農業支援 のサ ー
ビス を受 け るの に、 大 きな障壁 に直面 して います。 医療施設や 学校 は遠
す ぎた り、 費用がかか りす ぎた りして 利用 で きな いので す。 また、 農業
サ ー ビス は 男性 の農 民 の需要 に合 わせ られてお り、 政府 のサ ー ビスは、
申請者が就業 中 の、識字 能 力 も財 産 もある男性 だ とい う前 提 に基 づ いて
な されて い ます。
●
女性 は公的機 関内 の腐敗 を男性 と異な る形で経験 して い ます。公約 履行
責任 の 欠如 の一 例 が公的機 関内 の腐敗 で す。 この報告書 では、 女性 と女
児が男性 とは 異 な る形 の不 正 行 為―一 気 づ かれず、 チ ェ ック もされ な い
ものが 多 い一― を経験 して いる ことを指摘 して い ます。 た とえば、 地位
を利用 した性 的強要 は、女性が要求 され る、 隠 れ た 「賄賂」 で す。世界
中 の女性 が公 的機 関内で 不 正 行為 と認識す る比率 は男性 よ りも高 いので
す。 た とえば、 先進 国 では、 教育制度 の 中 に高 い レベ ル の腐敗 が ある と
感 じて いる女性 は男性 よ り30%も 多 いので す。
●
女性 はグ ローバル 市場 の 変化 につ いて 、何 の保護 も受 け られず に、そ の
影響 を特 に受 けやす いので す。 た とえば、最近 の 食糧危機 は女性 に深亥J
な影響 を与 え ま した。女性 は家族 を食 べ させ る主要な責務 を負 って いる
だ けでな く、 アフ リカ のサ ハ ラ以南地域 では 農業労働 の 60∼ 80%を 、そ
して ア ジアでは 50%を 担 って い ます。 また、女性 の雇用 はグ ローバ ル な
傾 向 に影響 され ます。 た とえば、 高等教育 を受 けた女性 の平均 的な国外
移住率 は北 アメ リカ を除 く世界 のす べ て の地域 で、 男性 よ りも高 いので
す。 この「頭脳流 出」は途 上国 にお いて 女性 が社会 的、経済的な リー ダ ー
シ ップ を とる うえで マ イナ ス の影響 を与 える恐れが あ ります。
●
女性 が 司法 へ のアクセス を改善す るには、法律 の施行や地域特有 の裁判
方式 にジェ ンダ ー に基づ く改革 を施す必要が あ ります。 リベ リアで の実
例 によれば、 平和維持軍 としてイ ン ドか ら派遣 された全 員女性 の警察部
隊 の存在 は、女性が苦情 を訴 え、警官 を志願す るな ど、 警察 を身近 に感
じるきっか け とな りま した。 同 じよ うな事例 は、東 テ ィモール、 コ ソボ
といった ほか の紛争後 の 国 々で も見 られ ます。地域特有 の裁判方式 に 関
して は、進 歩 の度合 いが きわめて遅 く、そ うしたや り方 の多 くに人権や
ジェンダー平等 の基準 が適用 されて い ませ ん。
●
援助 と安全保 障 のための多 国籍機 関 には、 ジェ ンダー 平等 に関 して、 自
らの公約 を果 た し、基準 を満 たす ため に、 さ らになす べ き ことが あ りま
す。 今 日ま で、 国連 や 国際金 融機 関 の よ うな多 国籍機 関 の 中 に、 ジ ェ
ンダ ー 平等 や 女 性 のエ ンパ ワー メ ン トロ的 に割 り当て られ た援 助 金額
の 流 れ をた どるシステム全 体 で 合意 され た仕 組 み は存在 して い ませ ん。
OECD内 には、 援 助割 当て額 を追 跡 調 査 す る ジ ェ ンダ ー 平等 マ ー カー
(GEM)が あ ります が、 このマー カー を適用 で きる資金 の うち、実 際 に
それ を使 用 して い る ものは半数 にす ぎ ませ ん。 GEMの 導 入 以来 、 ジ ェ
ンダ ー 目的 と指 定 され た金 額 は、 絶 対 額 で は2002年 の25億 米 ドル か ら
2006年 には72億 米 ドル とほぼ 3倍 に増 えて い ますが、全体 の比率 は依然
として低 い ままです。
第 1章 :誰 が女性 に答えるか
第 一 章 は、 アカ ウ ンタ ビ リテ ィ とい う言葉 につ いて ジェンダー の視点 に立 つ
定義 を し、女 性 に とって 「アカ ウ ンタ ビ リテ ィが役立 つ」 ため に必 要な、重
要 な要素 に焦点 を置 いて い ます。 また この 章で は、 ジェンダー 平等 に 関す る
政府 の約束 は重 要で ある ものの、公務 員 に対す る業績査 定や、業務 不履行 の
場合 の是正策で支 援 しな い 限 り、そ うした約束 は単な る紙 の上 の言葉 に終わ
る ことを述 べ て います。
●
この報告書 では、 アカウ ンタ ビ リテ ィを市 民全体―― と りわ け女性――
が 以下 の ことを行 うための能 力 と理 解 して い ます。
・ 政府 の対策 に関す る説 明 と情報 をもとめる
。 必要な 場合、調査 を行 うか
賠償 を得 る
・ 役人が女性 のニー ズ に応 えなか った り、女 性 の権利 を守 らなか った
りした 場合、それ ら役 人が制裁 を受 けたか どうか を調査す る
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●
公約履行 を求 める基 本 的なプ ロセ スは、貧 しい人 々の ため には 働 きませ
ん。 貧 しい人 々 は、公 的機 関が いか に して意思決定 を し、 予算 を使 うか
とい う点 に 関す る情報が乏 しく、調査 を行 い、是正 を要求す る 「発言 力」
も力 もあ りませ ん。 こうした問題 は、女性、 と りわ け貧 しい女性 に強 い
影響 を与 え ます。 とい うのは、公共 の意思決定 に彼女 たちの声や 影響 力
を反 映 させ る ことので きな い差別 的な社会 関係や 、そ の権利 が乱用 され
た とき に是正や正義 を求 め る努 力 を阻害す るジ ェンダー・バ イ アスが あ
るためです。
●
女性 は、公約 の不履行 につ いて 男性 と異 な る経験 を して いる ため に、 公
約履行 責任 に対 す る見 方 が男性 と異 な る場合 が多 いので す。 た とえば、
女性 は 男性 よ りも、公共サ ー ビス にお け る不正行為 に気 づ くことが 多 い
ので す。
●
女性 に対す るアカウ ンタ ビ リテ ィを改善す るには、女性 の権利 とジェン
ダ ー 平等 が少な くとも権 限、実施 、文化 と姿勢 とい う三 つ の領域 で、“
使
"で
べ
ある きです。
命遂行 に不 可欠な条件
・
権 限 :た とえば、 警察が家庭 で の暴 力 を調査す るには、 新 しい法律
が必要です。
・
方 法 :こ れ には、 奨励策 の変更、施行方法 と見直 しの実施、 障壁 の
除去 と利 用度 の改善が含 まれ ます。 た とえば、2006年 の リベ リアで
の選挙 で、ユニ フェムは 女性 グル ー プ を支援 して、 市場 の 女性 が 市
場 か ら遠 い選挙登録事務所 に行 くのを手助 け しま した。
文化 と姿勢 :た とえば、 女性 に対す る暴 力を根絶す るた め に男性や
少年 を巻 き込 んだキ ャ ンペー ンは、 ブ ラジルや 東 テ ィモ ー ル な ど多
様 な国 々で 効果 をあげて い ます。
第 2章
政治
公共の意思決定 へ の 女性 の 直接参画 は、かねてか ら、 単 に民主 的な公正 さの
問題 で はな く、女性 に対す る政府 の公 約履行 をよ り確実 にす る手段で ある と
も見 られて きま した。 クォー タ制 は、女性 の 政治参画 を支援す る効果 的な手
段 とな って き ま した。 しか し、 政治 へ の 女性 の参 画者数 を増や す だ けで は、
女性 のニーズ に対す る公的 部 門 のよ りよい対応 を保証す る ことには な りませ
ん。 これ をジェ ンダー に配慮 したす ぐれた統治 改革 と結びつ けな けれ ばな り
ませ ん。それ こそが、 ジェ ンダー政 策 を実施す る国家能力 を高め る公共 問題
の包 括 的で、対応 力 と責 任 の ある管理 の仕方 と理解 されて い るので す。
●
今 日政府 に関与 して いる女性 の数 はかつてな く多 くな って い ます。 た と
えば、 国会 の 女性 の 議員 の割合 は、 世界平均 で 1998年 か ら 8%増 えて、
1998年 には 18.4%に な りま した。 因み に、 1975年 以後 の20年 間 の増加率
はわず か 1%で した。 しか し、 現在 の増加率で伸びて い った として も、
開発途 上 国では、 2045年 まで男女 いずれ も60%以 上を越えてはな らない
とす る 「対等域」 に到達する ことは不可能 で しょう。
●
女性 にとっての政治的アカウンタビリテ ィをもつ ために必要 なのは
。 強力な動員力 :女 性運動は、アルゼ ンチ ン、ブラジル、チ
リ、ネパー
ル、ベルー、フィリピンにおいて独裁的な政権 に立ち向か ううえで、
また、 シエ ラレオネ、 リベ リア、 ウガ ンダ、ブル ンジ、 東ティモー
ル、バルカン諸国 にお ける平和構築 を促す うえで、 さ らに、セ ネガ
ル、ブルキナフ ァソで性器切除 の伝統 を根絶 し、ル ワンダで相続権
を保障 し、 ブラジルや トル コで婚姻関係 における権利獲得 を促すた
:
・
めの法改革 を求めるロビー活動 で、重 要 な役割 を演 じてきました。
強力な代表制 :ク ォー タ制や留保議席 といった特別 の施策は政治競
争へ の女性 の参画 を支援す ることが証明 されている方法です。現在
こうした方法が国家 レベルや準国家 レベルで とられている国は95カ
国あ ります。
比fFll彙 1表 ltll(==)41と る国で1=女 性│の1国 会議員数│が 多くヽ││ク │オ │■
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。 2007年 に行われ た選挙 で、 選挙制度 の違 い は別 として、 何 らか の タ
イ プ の ク ォー タ制 を とって い た国 の女性議員数 の割合 は 19.3%だ っ
た の に対 し、 ク ォー タ制 のない 国 で は 14.7%で した。
。 国会 の女性議員数 が 30%以 上 を占める22カ 国 の うち、 18カ 国が何 ら
か の形 の ク ォー タ制 を採用 してい ます。
●
強 力な法制度 と政策 :女 性 の 国会議員数が多 いほ ど、女性 の 問題 へ の 関
心 の強化 に寄与 します。
。 た とえば、 2008年 に 行 わ れ たイ ギ リス の 政 治 に 関す る 調 査 か ら、
1997年 以来 女性 の 国会議 員数 の割 合 が 18.2%と
2倍 に増 えた ため、
と くに女性 にとって重 要 な問題―一 た とえば、 育児や社会 的保護 の
問題―― へ の 関心が深 まった ことが確認 され ま した。
・
地方 レベ ルでは、イ ン ドや ノル ウ ェー の例か ら、意思 決定 の場 にい
る女性が女性や子 どもたち に対す るサー ビス 実施 にプ ラス の影響 を
与 え る傾 向が ある ことを示 して い ます。
●
強 力な実施 :政 治 的な意思 は もって いる として も、 ジェンダー 平等政策
の実施 を確 実 にす るための能 力、資金、 ノウハ ウ をもたな い政府 が多 い
ので す。
。 公共 に役立 つ 多様 なパ タ ー ンを反映す る官僚 制は 、 片隅 に追 いや ら
れて いるさ まざ まな社会 グル ー プ の特定 のニーズ に対応 しやす い と
いえ ます。 ア フガ ニス タ ンでは、 政府 が あ らゆ る レベ ル の市民サ ー
ビス ヘ の女性 の参画割合 を2013年 まで に30%に 増やす取 り組 み を始
め ま した。現在、 政府 の 女性 の正 規雇用 者 の割 合 はわず か 22%で 、
そ の うち意思決定 ので きる立場 にいる女性 は 9%に す ぎませ ん。
●
女性 に とって の政治 的 アカ ウ ンタ ビ リテ ィは、意思決定 の場 にある女性
の数 を増やす ことか ら始 ま りますが、そ こで 留 まるわ けでは あ りませ ん。
統治機構 を改革 して、女性 のニーズ に応 えるための奨励 策、技能、情報、
手順 を公共 制度 に備 えさせ る ことが 必要 です。
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スカヽ
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ヽ
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│
第 3章 :サ ー ビス
公共サ ー ビスの提供 は、女性 に対す る政府 の公約履行 責任 の最 も直接 的な尺
度です。 この尺度 による と、多 くの政府 はあま りよい成果 をあげて い ませ ん。
世界 中 の 女性 は、 日々公共サ ー ビス を受 ける上で何 らかの問題 に直 面 して い
るのです。 これ に対 して、女性 が適切で、 良質なサ ー ビス を利用で きる場合
を見てみ る と、公 的資金 の管理者や公共サ ー ビス提 供者が女性 のニーズ に関
す る情報 を得て いて 、女性 が市 民 として公 的資金 の配分 に関す る決定 に影響
を及 ぼす ことがで きる場合が多 いので す。
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●
サー ビスが 実施 されな い場合、 女性 が基本的権利 を行使す る能 力 を損 な
いかね ませ ん。
・
アフ リカ のサ ハ ラ以南 の地域 で、 す べ て の 人が水 にアクセ スできな
い とい う ことは女性 が水汲 み作 業 に年 間400億 時 間 を 費やす ことを
意味 します。 これ は フランスの金労働 力 の 1年 間分 に相 当 します。
●
セ ックス強 要 は隠れた汚職 の賄賂 で す。
。 先進 国 で も発展途 上 国 で も、 学校 で の教師 による暴 力や性 的虐待 の
報告 が増加 して い ます。「ア フ リカ女性 教育 フ ォー ラム」 は妊娠 し
た生徒 に関す る規則 の もた らす差 別 的 な影響 を暴 くキ ャ ンペー ンに
成功 しま した。 ケ ニ アでは、 2003年 以来、妊娠 した女性 徒 はあ とで
再入学 を申請で きるよ うにな りま した。
●
サ ー ビス の提供 問題 は女性 の集 団行 動 へ の起爆剤 とな りま した。
・ イ ン ドでは食糧 へ の権利 をめ ぐって女性 を動員 した ことが、 デ リー
全市 を挙げた食糧分配 システム の改 良 につなが る運 動 の発火点 にな
りま した。
・
アルゼ ンチ ンで は女性 グル ー プが、「公 共 情報 へ の 権 利 ]を 活 用 し
て、 十分なサ ー ビスが 提供 され て いるか どうか を調査 し、 また これ
を行政 の腐敗 と戦 い、 民主的なガ バナ ンス を支援す るためのよ り広
範 囲な政策 ベー ス として い ます。
・
ベルーでは、 もともとは都市部 の貧困層 のために立ち上げ られたコ
ミュニテ ィーキ ッチ ン、 コメ ドレスが、特 に女性 にとって大切な社
会的動員 の場 となっています。
●
条件付 の現金貸与はサ ー ビス提供者 の公約履行責任 を向上させ る ことに
な りますが、必ず しもそ うであるとはかぎ りません。
・ メキシ コ、バ ング ラデ シュ、カンボジアでは、現金貸与プ ログラム
によって、娘 を学校 に通わせている家族 に現金が支給 され、 これに
よって、 女児たちの教育機会 の拡大 に寄与 しています。 しか し、ブ
ラジルやパ ラグアイで の実績か ら、 この方法が うまくい くのは、女
性が このサ ー ビスに比較的アクセス し易 く、 また提供者 も選 べ る場
合 に限 られることがわか りました。
第 4章 :経 済市場
女性 の 日々の生 活 は ます ます経済市場 の力 学 によって形作 られて い くよ うに
な りま した。 しか し、前章で述 べ た公約履行 責任 の前提 の 多 くは この 分野で
実現 されて い ませ ん。経 済市 場で の意思決 定 は、 多 くの場合、 自由な貿 易、
自由な資金流動 の 原則 に基 づ いてな されて いるか らです。 しか し、女 性 たち
は企業慣行 に重 要な変化 をもた らす ため、 労働者、消費者 としての集 団的権
利 を行使す る ことを学び つつ あ ります。
●
最近 の食糧危機 は、 政府 の介入 によって 緩和 され ない限 り、 食 の安全 を
守 る女性 の重要な役割 が市場 の シ ョックに もろい もので ある こと を如実
に示 しま した。
・
女性は家族 に対 して主要な責任 を持 つのみな らず、 世界 の食糧生産
過程 に多大 な貢献 をして い ます。た とえばアフリカのサハ ラ以南地
域 では女性が農業労働 の少 な くとも60か ら80%に 、 アジアでは少な
くとも50%に 寄与 しています。
●
女性が雇用 の場 で 自分た ちの権利 を実現す るために欠かせない ことは、
国際的お よび 国内的な労働基準 を会社 に遵守 させ ることです。 しか し女
性 の雇用はます ます 「グ ロ,バ ルな供給連鎖」 の一部 となってきてい ま
す。そ こでは責任 の関係がはっき りしていません。
。 女性は輸出向け加 工産業 での雇用 の大半を占めて い ます。 例えばバ
ング ラデ シュでは85%が 女性 です。 この分野 での雇用規程はた とえ
あった として も、会社が 自発的 に定 めている就業規則 に限 られてい
ます。
●
女性 は現在 、 北 アメ リカ を除 く全ての地 域 で、 高等教育 を受 けた人 々の
頭脳流 出 の 先頭 をきって い ます。
・ ア フ リカや オセ アニ アで は、 高等教育 を受 けた女性 が男性 よ り7か
ら10%も 多 く移住 して い ます。 これ は途 上 国 で 女性 が経 済 的 リー
ダ ー シ ップ を とる役割 を担 えるか どうか とい う視点か ら見 る と、 憂
慮す べ き ことで す。
輻男1性
‖1女 1性
141
■■■■■じア│メ リ│カ
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労働組合 は、女性 に とって のよ り良 い アカウ ンタ ビ リテ ィ獲得 の ために
重要 な 役割 を果 た して い ます。例 えば 女性 に とって組合員 にな るかな ら
ないか は、 ジェンダ ー による賃金格差 に密接 にかかわ って い ます。 しか
し世 界 的 に見 る と、女性 は労働組合 員 の 19%を 占め て いるに過 ぎませ ん。
●
男性 は女性 よ り 5倍 も管理職 につ く割合が高 いので す。平均す る と、 男
性 8人 に 1人 は上 級管理職 につ く可 能性 が あ りますが、 女性 の場合平均
40人 に 1人 で す。
。 女 性 を会 社 や 企 業 の 取 締 役 につ け る ク ォー タ制 の 導 入 は、 ノル
ウ ェーで見 られ るよ うに、 上級管理職 のガ ラス の天丼 を打 ち破 る上
14
で画期的な方法であ り、 これ が他 の場合 に波及す る効果 も期待 でき
ます。
●
様 々な挑戦はあるものの、女性は確実 に経済市場 でよ り高 いアカウンタ
ビリテ ィを享受 できる道 に進んでいます。
・ 女性は労働権が侵 された場合、国あ るいは地 域 の監視機関に訴えま
す。国によっては 「集団訴訟手続き」 による法的行動 をとる場合 も
あ ります。 ウォル マー ト・ス トアを訴えたデ ュー クスのケースでは、
女性が世界最大 の小売業者 に対 してジェンダー差別 の説明責任 を追
及 しています。 これは合衆国で提起 された最大 の集団訴訟です。
。 バ ング ラデ シュでは、 貧困や財産没収な どによって縫製業界 に入 つ
た女性労働者たちが 自分たちの権利 を守 るため、集団で声 を上げ る
ケースが増えています。 これには 12年 の審議 の末、 2008年 に政府が
採択 した新労働基準 を実行 した例 も含 まれて い ます。
調let/た 様書女1性 の352が 嵐1答│
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要 とされ る協 力 を行 い、比較 的簡 単 な 事例 は 彼 らが裁定 して い ます。
しか し、 紛争 に伴 って行 われた 女性 へ の残虐行為や 性的暴
力 の起訴
事例 では、被 害者や証人 の保護 が十 分 でな い以 上、 伝統 的な争
議解
決組織 が処 罰 を行 う利点 を実 証 しな ければ な りませ ん。
●
家族 司法制度 で 苦情原 因 を改 善で きな い とき、 そ の 問題 につ いて、
が地 域 あるいは 国際的な 人権 団体 に関心 を持 って も らうよ
があ ります。
。 た とえば 1993年
女性
うにす る こ と
以来、 シ ゥダ 。フ ァレス にお いて300人 以上 の女性
が行方不 明 にな った り殺 害 され た りした 問題 を、 女性 の
権利保 護 を
扱 うNGOが 取 り上 げ、 環 ァメ リカ人 権 委 員会 支部 や 国連 の
女性差
別撤廃条 約 (CEDAW)委 員会 に持 ち込 んだお かげ で 世界 が
注 目し
ま した。
●
段 とな晋 写ま ま ?「
利 の た めの 国 の公約履 行 責任 を向止 させ る重 要 な 手
東南 ア ジア の 7カ 国 にお けるユニ フェム の活 動は、 政府 がCEDAW
を実施す るための能 力、 お よび 市民社会組織 が CEDAWを 活用 して
女 性 の アカ ウ ンタ ビ リテ ィ向 上 をはか る よ う主 導 した一 つ の 例 で
す。 ベ トナムでは、 ユニ フェムが2006年 にゲ ン・ コム・ ネ ッ トとし
て 知 られ る20の 地 域 NGOの ネ ッ トワー ク の た めの トレーニ ング を
実施 しま した。 この ネ ッ トワー クはそ の後、 CEDAW実 施状況 に関
す るベ トナムか ら出 され た史 上 初 のシ ャ ドー レーポー トを作成 しま
した。
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第 6章
援助 と安 全 保障
多 国間組織 と国際安全 保 障機構 は、支 援 国が ジェ ンダ ー 平等 へ 向けた国家政
策 を施 行 し、 出資金 の使われ方 を検 証す るためのアカ ウ ンタ ビ リテ ィを強化
す る うえで、重 要な役割 を担 って います。 しか し、 これ らの組 織が、 自らの
ジェ ンダ ー 平等政策 に添 った実績 を挙 げて いるか とい うと、多 くは期待 とは
程遠 い状況 にあ ります。 この 章では、 国際開発・ 安全保 障機構 が、 開発 と平
和 を構築す る過程 で、ジェ ンダ ー 平等 の 実現 を 目的 として 各 国を援助す る際、
そ の援助 と役割が変化 しつつ ある状況 を検 証 します。
●
国際金融機 関 も しくは 国連組織 内 の多 国籍機 関 にお いて 、 ジェンダ ー 平
等 と女性 のエ ンパ ワー メ ン トのため に配分 された 資金 の使途 を検 証す る
ための、 合意 され た ジェンダ ー ・ マー キ ング・システムは、 今 の ところ、
で きて い ませ ん。 これ らの 制度 へ の投資 は、 国際機 関が女性 の権利促進
の ため にアカ ウ ンタ ビ リテ ィを強化す る取 り組 み へ の支援 につな が りま
す。
●
ジ ェ ンダー 平等 に寄 与す る援 助 を認 定 し保 証す る仕 組 み は存在 してお
り、それが 女性 のエ ンパ ワー メ ン トヘ の投資 に対す る関心 を高 め る可能
性 はあ ります。 経済協 力開発機構
(OECD)の 資金拠 出国 の多 くは、 海
(GEM)で 識別 して い ます。 こ
外 開発援 助 を ジ ェンダ ー 平等 マー カー
の方式 を導入 して 以来、 ジェンダー 目的 と指定 された援助 は、 絶対額 で
も、全 体 に 占める割合 で も増 えて い ます。 これ は、資金 拠 出国 に、 ジェ
ンダー 平等促進 の ため に責任 を持 って 取 り組 んで も らううえで、 大変有
効 で あ り、 さ らに多 くの資金拠 出国が この方式 を採用す る ことが望 まれ
ます。
。 会 計報 告 制度 を利 用 して い る拠 出 国が、 2006年 に
報 告 した 政府 開
発援 助 (ODA)支 出金 268億 米 ドル の うち、 (約 27%あ た る)72億
米 ドル が、 ジ ェンダ ー 平等 目的 の もの と認定 され ま した。 これ は、
2002年 の25億 米 ドル (全 体 の約 17%)か ら増 えて い ます。 しか し、
ジェンダ ー マー カー評価 の対 象 にな りうるOECD援 助 の うち、 ジェ
ンダ ー 目的 とされ るのは 半数 に しかす ぎませ ん。
●
調発部 門全体 にわた るジェンダー 向け援助 の配分 は、 多角化 させ、 経済
イ ンフ ラヘ の割 り当て を多 くす る ことが必 要 で す。 (一 般 的 に、 ODAか
ら毛済部 門 へ の割 り当てが 20%な のに比 べ 、ジェンダー 向け援助 の うち、
経 :ご 部 門 に割 り当て られ るのは 5%に す ぎませ ん)。
●
)ニ ンダー平 等 に支 出され る援助額 が増 えて い るにもかかわ らず、 女性
毛毒「 ヽの資金提供 の うち、 政府援助 による ものは今だ にご く一 部 にす ぎ
‐
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・ I]6年 に、 政府 開発援 助 (ODA)の 提 供 国か ら受給 国 に拠 出 され
た疑 支 出額 は、 お よそ 1,039億 米 ドル に達 しま した。 これ は、 先進
亘 こコ民 所得総額 の0.3%に 相 当す る金額 で す。 しか し、2007年 に、
(AWID)が 729の 女性組織 を対 象 に行 っ
た調査 によ る と、 これ ら組織収入 の大 半は、 民間財 団か ら寄せ られ
百発 :こ お ける女性人 権協会
た tEで した。
●
責圭長 遣 :ま 、 開発 と共 に、 ジェンダ ー 平等 と女性 の権利 の促進 ・ 保護 に
T=す る亘 専的な約束 の基本的な柱 とな る ものです。
・
1:::三 の 安 保 理 決 議 (SCR)1325号 に 続 き、 2008年 に 安 保 理 決 議
1:]i号 が採択 された ことは、女性 に対す る 国際安全保 障機構 の公約
覆行責任 を強 化す る上で、重 要な前進 で した。
。 しか し、2007年 と2008年 の、 北 ウガ ンダ、 ダル フール、 ソマ リアに
お け る 内戦 を解 決す るため の和平 プ ロセスでは、意 外 な ことに、 ほ
とん ど何 の進歩 も見 られず、代表 団員決定 どころかオブザーバ ー の
中 にさえ、女性 の参加 を後押 しす る ことがで きませ んで した。 2007
年 か ら2008年 にか けて 行わ れた北 ウガ ンダ の平和協議 では、 政府側
と反政府軍代表 の交渉者 17人 の うち、女性 はた つた 2人 だ った とい
う事実 も、そ の例 とい えるで しよう。
●
国連 で は、現在 、ジェンダ ー 平等 を専 門 に扱 う組織 に、もっ と多 くの権 限・
社会 的地位 。資金 を供与す る ことで、 各国支援 の能 力 を強化す る方法 を
議論 して い ます が、 この事 実 は、女性 の権利 とジ ェンダー平等 を推 し進
め るため には、 よ り強 力な制度 上 の基盤が必要 で ある ことを認 めて いる
証拠 で す。 国際機 関が、 明確 な ビジ ョンのある政策 と支援 国 へ の援助計
画 の実施 をよ り有効 に監 視 し、実施 を迫 るため には、 これ らの組 織 の 内
外 にいるジェンダ ー 平等 の専 門家 と提唱者 との協 力が不可欠 で ある と共
に、 自国 の 開発援助割 り当て金 の使途 を監視す る側 にいるジェンダ ー 平
等提唱者 との協 力 も不可欠 です。
ミレニアム開発 目標とジェンダ ー
MDGl:極
度 の貧困 と飢餓 の撲滅
アフ リカ のサハ ラ以南地域や南 アジアで は、女性 の働 き手 の うち 10人 に 8人
はつね に不安定な雇用 状態です。
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不安定な雇用 の特徴 である非正規就労は、 貧困 と密接 に結 びついて い ます。
極度 の貧困 に関す る世界 のデ ー タは、 性別 で分け られていないため、 女性や
女児が、先の報告 にある、貧困や飢餓 の削減結果 にどの程度与れたかを見極
めることは困難 です。国 レベルのデ ー タは、女性のほうが男性よ り貧困や飢
餓 へ の リス クが高い ことを示 しています。 とい うの も女性は教育の機会や、
健康、 さ らに財産管理 の面 で構造的差別 を受 けて いるか らです。 た とえば、
南 アフリカで は、 世帯主が男性 の場合 の貧困率が 3分 の 1で あるのに対 し、
女性が世帯主 の場合は 3分 の 2が 貧困です。 マ ラウ ィでは男性 の 3倍 もの女
性が貧困であ り、 この割合はさらに増加 しています。
『世 界 の女性 の進歩 2008/2009』 パー トⅡでは、 ジェンダー の見地か ら、 ミレ
ニ アム 開発 目標 (MDGs)そ れぞ れ の 目標 につ いて、 達成状況 を確認 して い
ます。
MDG2:普
遍的初等教育 の達成
学校 に行 かれな い生 徒 の 57%は 女児が 占めて います。
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国や地域が女児 の就学率 を どの程度改善 したかは、 政府 が女児や女性 の権利
に対 しどれ くらい予算 をつ ける意思が あるか によって 分か ります。 世界 の実
質就学率か らみ る と、 女児が教育 を受 ける割合 が 1991年 には 80%だ ったのに
対 し、2005年 には 88%に まで増加 して います。女子 の初等 。中等教育 の終 了
を保障 し、 学校 で の女子 に対す る暴 力を止 め させ、 よ り多 くの女 子 が学校 に
行 かれ るよ うにす るため、女子 教育 につ いて は、 なす べ き ことがた くさんあ
ります。統 計か らみ る と、2005年 には、7,200万 人 の 学校 に通 えな い初等 教
育年齢 の子 どもた ちの うち 57%が 女子 です。 しか も これ は 少な く見 積 もった
数字 です。
MDG3:ジ ェンダー平等と女性のエンパワーメント
世界 の国会議員 の 5人 に 1人 が女性。クォー タ制が この比率の改善 につなが
ります。
国会議員に占める女性0書1合1仁 1下 両院│す │●ヨ1含 )
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育 にお ける男女格差 の解 消 で す。監視す べ き公約が あるにもかかわ らず、女
性 の有給雇用 の割合や 、公 の意思決定 の場 に代表権 を持 つ 女性 の割合 な どに
ついては 何 の 「ターゲ ッ ト」 も設定 して い ませ ん。
。 開発途 上地域 にお け る現在 の増加率 か ら見 る と、 国会 で 女性 の議席割合
を40%か ら60%の 対等域 に引き上げ るのには40年 はかか りそ うです。
・ 農業以外 の有給雇用一 それは女性 が収入 を管 理 し、意思決定が で きる と
い う重要な利益 を もた らしますが一 に 占める女性 の割合 は、 この 10年 で
増加 した ものの、 1990年 以来 の伸 び率 はわず か 3%、 2005年 で全 体 の
39%に しかな りません。地域 レベルで見 ると、中東、北アフリカ、南ア
ジアでは、農業以外 の有給雇用 の場 で働 く男性 4人 に対 し、 女性 は 1人
です。
・ 初等 ・ 中等教育 でのジェンダー平等 は、 2015年 までに達成可能な 目標 で
す。初等教育 での男女平等 は、 ラテ ンアメリカや カ リブ地域、東ア ジア
太平洋地域 、中東欧諸国 と独 立国家共 同体 ではすでに目標 を達成 して い
ます。困難はあ るものの達成 可能な中等教育 については、男女比は平均
1:0.8と なって います。高等教育 レベル では一― これは政治、経済、
行政 における女性 の リーダー シップ という点 で必須 ですが一― 男女比 は
アフリカのサハ ラ以南地域 と南アジアで各 々 1:0.6、 1:0.7で 、状況
は異な ります。
MDG4:乳
幼児死亡率 の削減
南 ア ジアや東 ア ジア太平洋地域 で は、5歳 の誕 生 日まで に死亡 す る子 どもの
割合 は、女児 の方が男児 よ り高 くな って います。
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中 :東
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出1典 ■IW■ 0● 1国1連1統 1計 部デ ー タベー ス
女児 の死亡率 は、 ジェンダー平等 と女性 の権利 に関す る有効な指標 とな りま
す。子 どもの死亡率 の原因 (病 気、栄養失調)は 、女性 の健康 と教育 に関係
があるばか りでな く、仮 に女児 の方が、男児 と同等 もしくはそれ以下 の生存
率だ とす るな ら、それはジェンダーに基 づ く差別 の表れだ といえます。
24
MDG5:母
体 の健康改善
妊娠や出産で死亡する女性 の4人 に一人は、有効な避妊 によって命を落とさ
ずにすみます。
妊産婦│の 1死 1亡 率 (11万 1人 │の 産1婦 │の う│ち )● 9901∼ 2000年
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先進諸国
この 問題 はす べ て のMDGsの なか で も一 番 目標 か らか け離 れ て い る もので
す。 世界 的 に見 る と、毎 年 50万 人以 上の女性 が妊娠や 出産 で 死亡 して い ます
が、 途上国 で 起 きる こ うした死亡例 の90%以 上は 防げ る ものです。 1990年 か
ら2005年 まで、妊産婦 の死亡率 の減少はわずか 7%未 満 です。言 い換えれば、
妊産婦 の死亡率は、 1990年 の430人 (10万 人 の産婦 に対 しての死亡数)か ら、
2005年 には400人 に減少 しただけです。世界保健機構 (WHO)の 最近 の予測
統計 によると、国際的な達成 目標 として掲げ られて いる年間 5.5%の 妊産婦
の死 亡率削減か らは、遠 く及ばな い低 い割合 (地 球 レベルでみて年 に約0.4%
以下)で す。
MDG6:団
その他の疾病 との闘い
Ⅳ /AIDS、 マラリア、
ア フ リカ のサハ ラ以南地域 でHIVと 共 に生 き る成 人 の 5人 に 3人 は女性。
HIV/AIDS感 染 の女性化がそ の他 の地域で も拡大 して います。
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全 世界
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最近 の統計 か らみ る と、女性 と男性 ともにHIV陽 性者 の数 は確 実 に増加
い ます。 HIV/AIDSと 共 に生 きる成人 のなかで、女性 の割合 は 1990年 の45%
か ら2007年 には 50%に 増加 して い ます。 しか し、 先進国 で も30%に 達す る可
能性 が あ ります。 問題 が深刻な地域 では、そ の世界的流行 の女性化 がみ られ
ます。 ア フ リカ のサハ ラ以南地域 では、 HIV/AIDSと 共 に生 き る成 人 に 占め
る女性 の割合が 1990年 の 54%か ら、 2007年 には 60%ま で 増 えま した。 カ リブ
海諸 国 で は、 24%か ら43%に まで な って い ます。 WHO(世 界保 健機構 )に
よる と、 暴 力は、 HIV感 染 の原 因 で も結果 で もあ ります。
MDG7:環
境 の持続可能性 の確保
女性が担 う水汲みは、水 の確保が容易でな い ことと相 まって 女性 の重荷 に
なっています。
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豪境 の悪化 と気候変動が 貧 しい女性 に与 える影 響 につ いてのデ ー タは、
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せ ん。 しか した いて いの女性 は、 家族 の 食糧 を確保 し、 さ らに、 水汲
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薪拾 い を しな ければ な りませ ん。 ひ とたび 早魃 ・ 洪水 ・ 集 中豪 雨 ・ 森林
ミ壊 な どが あれば、 天然資源 の供給やそ の質 を低下 させ、 結局、女 性 に とっ
て 寺間 とい う重 荷 にな っての しか か ります。女性や 子 どもは
(と くに 田舎で
ま 、 家事 の 中で も最 も時 間 と労 力 を必 要 とす る薪集 めや 水運 び といっ
た仕
手 を三 ってい ます。 女性 と子 どもが毎 年薪集 め と水運 び に費やす時
間は、 ア
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で も年間 4億 時 間 にもな り、 この数字 は フランス の全労働 力 の
百 こ考骨 に 匹敵 します 。
年
MDG8:開 発のためのグローバルな
パー トナーシップの推進
ジェンダー平等 へ の援助は、 経済 イ ンフ ラや民間 セ クター 発展 のた め によ り
多 くの資金 を投入す るな ど、 多角化 が求 め られ ます。
(単 1位 ■
111億 米ドル)
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現在 まで の ところ、 ジェンダー平等 に向けた投資 については、 多国籍機関 の
中 にも、OECDの ジェンダー マー カー以外 に、 一貫 した追跡 システムはあ り
ません。 しか し、 ジェンダーマーカーによる 「選別」 の対象 とな りうる資金
のうち、 これを適用 しているものは、わずか半分 にも満たな いのです。 この
分野での公約履行責任 を向上 させる一つの方法 は、資金 の流れ について信頼
の置け る一貫 した追跡 システムを設置す ることです。 ジェンダーに焦点 を当
てた援助 は、保健や教育 とい つた社会部門へ の投資 と、経済発展やイ ンフラ
ヘ の投資 とのバ ランスを保 つ ことが必要 です。 もう一つの方法は、少な くと
もす べ てのミレニ アム開発 目標 の 中で、 さ らに、女性 に対す る暴力 のよ うに
いわ ゆる 「欠けている」分野 について、性 別 のデ ー タ収集 を支援す ることで
す。最 も大切な のは、開発 に関わる国際社会が リー ダーシ ップを発揮 し、ジェ
ンダー平等 を進める ことです。 この意味で、 多国間 のシステムのなかで、権
限 のある、先導的な機関 の推進力が明 らかに必要 とされて い ます。
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