Comments
Description
Transcript
full-Text
l-D-3 第1 1間 医 療 情 報 学 連 合 大 会 1 1 t h JCMI (Nov. 1 9 9 1 ) 宮崎医科大学総合医療情報システム(PHOENIX)における 手術予約システムと手術術式マスターの作成 吉原博幸, O佐渡芳光,高崎浩一朗 宮崎医大第二外科,宮崎医大医学情報室 S u r g i c a ls c h e d u l ea p p o i n t m e n ts y s t e m si nP註OEN1Xa tt h eM i y a z a k i M e d i c a lC o l l e g eandp r e p a r a t i o no fas u r g i c a lp r o c e d u r em a s t e rd i c t i o n a r y . 日i r o y u k iY o s h i h a r a ,Y o s h i m i t s uS a w a t a r i *a n dK o i c h i r oT a k a s a k i * : 恥' 1 i y a z a k iM e d i c a lC o l l e g e ,SecondD e p a r t m e n to fS u r g e r y ,* D e p a r t m e n to fM e d i c a lI n f o r m a t i o n Abstract. S u r g i c a ls c h e d u l e( a p p o i n t m e n t )s y s t e m swerei n s t a l l e di no r d e rt oh e l pp l 加 a p p r o p r i a t es c h e d u l e so fs u r g i c a l o p e r a t i o n sa sp a r to fo r d e rm町 s y s t e m s .P a r t so fpu 中o s e sa r en o tt or e p e a tf i l l i n gi nc o m p l i c a t e dv a r i o u sd a t ai n印刷c a l 単c a lp r o c e d u r e s . Ani n t e r n a t i o n a lc l a s s i f i c a t i o no fs u r g i c a l a p p l i c a t i o nf o r m sandt or e c o r dv a l u a b l ei n f o r m a t i o nont h es u p r o c e d u r e sformedt h eb a s i so fo u rs u r g i c a lp r o c e d u r em a s t e rd i c t i o n a r y ,c o m p l e t e dw i t ht h en俗 n e so fo p e r a t i o n smade h e r ei nt h ep a s t . Keywords:s u r g i c a ls c h e d u l ea p p l i c a t i o ns y s t e m ,o p e r a t i o np r o c e d u r em a s t e r ,o r d e re n t η fs y s t e m s . 1 . はじめに が起こり、データベースとして、はなはだ不完全な ものとなってしまった。このような不都合をなくす 宮崎監科大学総合霞療情報システム(PHOENIX) では主にオーダーエントリーシステムを中心に順次 ためには、どうしても共通の術式マスターが必要と なってくる。当初、厚生省版『塁療行為の国際分類J システムを拡張してきたが、今回、予約系オーダー を使用することも考えたが、細かい表現の問題や、 の一環として手術予約システムを稼働させた。これ 指式に対する表現法の鷲慣の相違などがあり、その は、手術申込の際の煩雑な伝票処理(転記が多い) ままの使用は不可能ということになった。種々検討 を省略するためと、今後の重要な涯学靖報となる手 指名を正確に残すことが目的である。栴式マスター の作製には、医療行為の国際分類に記載されている コードをもとに、亜分類として、宮崎法科大学で過 去使用された手術名をマスターに収録している。こ れら手術予約システムと手術術式マスター作製の経 験について報告する。 2 . システム 2 . 1 手術絹式マスター 統一された分類の完に術式を整理し、少なくとも 大学病院レベルではいつでも統計情報を引き出せる ようにすることは、将来に向けて大きな意味がある。 宮崎医科大学におけるこの種の情報は、関学以来、 医師の手書きによる病名や街式が医事課に伝達され、 医事システムを使って文字列として登録されてきた。 その結果、同一概念を異なった表現で記録すること 図1 術式マスター(一部) 5 4 3 I n c i s i o na n de x c i s i o no fs t o m a c h 5430 G a s t r o t o m y 5 4 3 1 Te 思p o r a r y写 昌S町o s t o m y 543100 胃ー造設術(一時的) 5432 P e n n a n e n t宮a s t r o s t o m v 543200 腎壌造設ソ(永久的J 5 4 3 3 Pyloromyotomy t i o no fl e s i o no fs t o m a c h 5434 E x c i s i o no rd e s悶 c 543400 恕箆切除術(腎) 5 4 3 4 0 1 内視銭的ポリペクトミー(E n d o s c o p i cp o l y p e c t o m y )(宥) 5 4 3 5 P a r t i a lg a s t r e c t o m y( w i t ha n a s t o m o s i st oe s o p h a g u s ) 543500 験門担!?雪切除術 5436 p註r t i a lg a s 釘・ e c t o m y( w i t ha n a s t o m o s i st oduodenum) 543600 腎十二指腸吻合術 5 4 3 6 0 1 腎部分切除術(産会摘)( B i l l r o t hl法 ) 543602 関部分切除術(B i l l r o t h1t 去 ) 5 4 3 7 P a r t i a lg ぉt r e c t o m y( w i めa n a s t o m o s i st o対 unum) 543700 腎さを腸吻合術 5 4 3 7 0 1 胃部分切除術( ! J l i :全摘)(B i l l r o 出 2法 ) 543702 胃部分切除術(B i l 註o th2法 ) 5 4 3 8 O t h e rp a r t i a lg a s 町 民t omy 543800 胃曽吻合術 5 4 3 8 0 1 分節的腎切除術 5439 543900 5 4 3 9 0 1 543902 543910 2 . 2 手栴予約申込システム の結果、他施設との互換性を考麗して、 『医撰行為 の国際分類iを大分鎖とし採用し、これまで宮時医 大で使用してきた街式を中、小分類として組み込ん だマスターを作製することになった。編集方針は以 下の通り。 1 )宮崎直大で過去5 年間に手術申込に使用された術式 名を収集、整理し、表現を統一する。 2)修飾語(右、左など)のついた術式名を作らない。 r 3 ) 医療行為の罰際分類j の手街術式は一切変更し ない(分類コードは4桁 、 5000番台) 4 )宮崎医大のローカル術式名は5 桁から 6 桁のコード を振り、 4桁の国際分類の下位構造として挿入、分 類する。 5 )イ彦飾語のマスターを f 乍る。 その結果、思際分類 1500、ローカル分類 1500。 計3000レコードの構式マスターが完成した。ローカ ル構式名のコーデイングは各科に分担してもらい、 最後に重接、欠落などのチェックを行なった。修飾 語も向様の作業を行ない、約 200語のマスターが作製 された。なお、通常は術式名は宮崎医大ローカル版 を使用する事とした。 国1に術式マスターの一部を示した。国際分類の下位 構造にローカル術式名が分類されているのがわかる。 他施設との情報互換性は、上位4 告を使うことによっ て達成される。 ん叶J f t 込 出ザ 、 生内病手 仁コ仁コ 臨群 ︶査 外︶︶︶杉 21肘 系 査 品川]︶ i︵ 査 荷 ︵ 何 回 査 検 査査験検負査査査凝検疫 検検試糖︵検検検・液査査免 僻悼師団概⋮情騨騨鮮制鰍蹴一剛 生生糖一肝生血血血尿機細細 欠 金 噌一術ミ処 陥ダ 動・一 時倣一地付加 仁コ 手術予約申し込みシステムは、検査や処方などと 同レベルの扱いをしており、患、者を確定した後に表 示される指示選択画面の中の一項目として扱われて いる(図 2)。ユーザーは検査、処方などと共に手備 予約申し込みを選択しj o bを実行することになる。 図3に示したように、画面イメージは一枚の手街申 込書の形態をとり、必要な項自に入力した後ホスト に転送する。原則として、待機手術では手術2日前ま でに申込をする取り決めになっている。入力項自は、 1 )手術自、 2 )身長、体重、 3)血液型、 4)手術所要時 間 、 5)麻酔の麓類、 6)手術台、 7)体位、 8)感染、 9 ) 術者、 10)助手、 11)術式、 1 2 )病名、である。この うち、身長、体重、血液型、感染、病名は、すでに 入力された情報があれば自動的に反映されるように なっている。その他の項目は、個別のウインドウが 。 開いて、その中から選択するようになっている(図4) 術者はー名、助手は4名(複数の科にまたがってもよ 体位までl J 貢番を含めて選択できる。病 い)、体位は5 名は、登録病名から 3病名まで選択出来る。 中央手続室では、各科から送られてきた申込情報 を部門専用の編集システムで整理し、次週の手術計 画を立て、目別の手街予定表、科別の週間手術予定 表を印崩し、各科に配付する。病棟/外来からは手 僻申し込みシステムを使って、予約状況を確認する ことが可能である。 仁コ仁二コ亡二コ仁コ匪趣 思2指示選択画面 -140- 仁コ仁ゴ仁コ仁コにコ仁コ仁コ仁コ甚園 図3手術申込基本画面 6 1 .O O k g 血話題百羽 1 1 {顕微鏡) 順番 l コ ー ド 5 4 3 8 0 0 5 4 3 7 ( S 6 5 2 7 6 0 4 s s s s o i 5 4 3 6 0 l f -5H~99_ 5 4 4 3 0 1 5 4 3 9 0 6 5 4 M o r 5 3 6 1 2 f m o o r 5 0 1 2 0 8 5 4 3 6 6 2 - 図4手術申込基本画面十ウインドウ 3 . 運用状況 本論文執筆時点で、システムがスタートして4週間 が過ぎたばかりであるが、大きなトラブルは発生し ていない。最も心配した術式名検索に関しでも、病 名ほど大規摸なマスターファイルではないことや、 各科に編集を分担してもらい、日頃慣れ親しんだ術 式名が登録されているためか、大体意関する術式名 を捜し当てることが出来ているようである。どうし ても希望の術式名が捜し当てられない場合、コード 9999に未登録という術式名を設定しており、修飾語 の捕に車接術式名を入力してもらうことになってい る。月一回、定期的に術式委員会を開き、このよう にして入力された術式名を新たにマスターに収録す るかどうかを検討することにしている。術式マスタ ーが一応の落ち着きを見せるには、今後数年を要す るものと思われる。 4 . 考察 手街に関する情報を、きちんとした形で残すという 点に関しては、これまで各科単位では行われてきて いたが、全学規模となると中央手術部の記録だけが 唯一のものであった。しかし、それらはあくまでも 申込時点での記録(しかも紙上の記録)であり、頻 繁に変わることの多い術式名等の正確な記録が残さ れていたとは思えない。本システムでは、術式、術 者、助手などの当日の変更にも柔軟に対応可能なよ うに設計されており、しっかりした運用がなされれ ば、将来に向けて正確なデータベースを残すことが 可能である。このような、医学情報の規格化とデー タベース化をまず学内で、やがて全思規模で推進し たいと考えている。